説明

商品収納ラック

【課題】店頭販売商品を適切に収容しながら、その商品在庫状況までデータ管理することができる商品収納ラックを提供する。
【解決手段】商品収納ラック100は、複数の商品収納空間KSSに店頭販売商品STKが複数の商品種別ごとに収納され、複数の商品収納空間KSSの収納空間IDごとに対応する店頭販売商品STKの商品種別が区分入力部にデータ入力される。データ入力された複数の商品種別と複数の商品収納空間KSSとの対応関係を関係記憶部がデータ記憶する。データ記憶されている複数の商品種別と複数の商品収納空間KSSとの対応関係をデータ出力部が外部出力する。このため、外部出力される複数の商品収納空間KSSと複数の商品種別との対応関係により、どの商品区分の店頭販売商品STKが商品収納ラックの何処に収納されているかを簡単な構造で管理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売店舗で店頭販売される店頭販売商品を商品収納空間に収納する商品収納ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、いわゆるコンビニエンスストアなどのサプライチェーン店舗では、様々な店頭販売商品を併売している。このようなサプライチェーン店舗では、店頭販売商品を各種の商品収納ラックに収納している。
【0003】
このような商品収納ラックとしては、顧客スペースに配置されて一般消費者が自由に店頭販売商品を取得できるものや、いわゆるレジスペースに配置されて店舗作業者が店頭販売商品を取得するものがある。
【0004】
そして、上述のようなサプライチェーン店舗では、一般消費者に販売される店頭販売商品を、いわゆるPOS(Point Of Sales)システムによりリアルタイムにデータ管理している。
【0005】
また、現在のサプライチェーン店舗では、商品収納ラックに収納した店頭販売商品をハンディターミナルにデータ入力してデータ管理することなども実施されている。この場合、どの店頭販売商品が商品収納ラックの何処に収納されているかが、例えば、商品在庫状況などとともにデータ管理される。しかし、このためには上述のようにハンディターミナルへのデータ入力が必要であり、その作業が煩雑で誤入力の発生も防止できない。
【0006】
例えば、上述のような課題に利用できる在庫管理装置として、各商品にそれぞれ無線タグを付さないで商品陳列棚に陳列されている各商品の在庫減少をリアルタイムに管理する発明が出願されている。
【0007】
その在庫管理装置では、商品陳列棚に陳列されている商品の在庫数の増減に応じてその棚の商品載置面に対する傾斜角度が変化するように商品陳列棚に無線タグを設ける。また、無線タグの商品載置面に対する傾斜角度によってその無線タグと交信可能な状態と交信不可能な状態とが切換わるように商品陳列棚にアンテナを固定する。そして、アンテナの無線タグとの交信状況により、商品陳列棚に陳列されている商品の在庫を管理する(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、在庫管理システムとして、倉庫および店舗の陳列棚における実在庫数を確実に把握することにより、各種伝票を不要にして在庫管理の省力化を図ることのできる発明も出願されている。
【0009】
その在庫管理システムは、各商品に係る所要データが蓄積される商品マスターファイルを備えるとともにPOS(Point Of Sales)レジスタと接続されるターミナルコントローラと、商品を陳列する陳列棚に付設され、この陳列棚上に載置されている商品の数量を管理する陳列棚コントローラと、これらターミナルコントローラと陳列棚コントローラとの間でデータの授受を行うデータ伝送手段とを備える(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
さらに、在庫商品管理装置として、収納棚にどんな商品が在庫しているかを自走式のバーコード読取装置によって容易に調査することができるようにした発明も出願されている。
【0011】
この在庫商品管理装置は、収納棚の各棚段の前面又は背面の縁に上から下まで連続するように取り付けられた走行レールに沿って走行装置を走行させ、この走行装置上のバーコード読取装置によって収納棚の各棚段に収納されている商品に添付されているバーコードを読み取らせる。
【0012】
このバーコード読取装置が読み取ったバーコードデータを伝送装置に転送し、ここからホストコンピュータのような外部装置に伝送する。これによって、収納棚の在庫商品の情報収集が自動的に行えるようになる(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−160838号公報
【特許文献2】特開平08−55166号公報
【特許文献3】特開平08−147382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した特許文献1〜3の技術では、どの店頭販売商品が商品収納ラックの何処に収納されているかを自動的に検出してデータ管理するようなことができる。しかし、何れも極めて複雑な構成を必要としている。
【0014】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、どの店頭販売商品が商品収納ラックの何処に収納されているかを簡単な構造で管理できる商品収容ラックを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の商品収納ラックは、商品販売店舗で店頭販売される店頭販売商品を商品収納空間に収納する商品収納ラックであって、複数の商品収納空間に店頭販売商品が複数の商品種別ごとに収納され、複数の商品収納空間の収納空間IDごとに対応する店頭販売商品の商品種別がデータ入力される区分入力部と、データ入力された複数の商品種別と複数の商品収納空間との対応関係をデータ記憶する関係記憶部と、データ記憶されている複数の商品種別と複数の商品収納空間との対応関係を外部出力するデータ出力部と、を有する。
【0016】
従って、本発明の商品収納ラックでは、商品販売店舗で店頭販売される店頭販売商品を商品収納空間に収納する。ただし、複数の商品収納空間に店頭販売商品が複数の商品種別ごとに収納され、複数の商品収納空間の収納空間IDごとに対応する店頭販売商品の商品種別が区分入力部にデータ入力される。データ入力された複数の商品種別と複数の商品収納空間との対応関係を関係記憶部がデータ記憶する。データ記憶されている複数の商品種別と複数の商品収納空間との対応関係をデータ出力部が外部出力する。このため、外部出力される複数の商品収納空間と複数の商品種別との対応関係により、どの商品区分の店頭販売商品が商品収納ラックの何処に収納されているかが管理される。
【0017】
また、上述のような商品収納ラックにおいて、複数の商品収納空間に複数の店頭販売商品が収納され、複数の商品収納空間に収納された複数の店頭販売商品を個々に検知する商品検知部と、店頭販売商品の検知結果をデータ管理する商品管理部とを、さらに有し、データ出力部は、データ管理されている検知結果も外部出力してもよい。
【0018】
また、上述のような商品収納ラックにおいて、データ管理されている検知結果から収納されている店頭販売商品の商品種別ごと商品収納空間ごとの商品在庫状況を対応関係に基づいてデータ生成する在庫生成部を、さらに有し、商品管理部は、データ生成された商品種別ごと商品収納空間ごとの商品在庫状況もデータ管理し、データ出力部は、データ管理されている商品種別ごと商品収納空間ごとの商品在庫状況も外部出力してもよい。
【0019】
また、上述のような商品収納ラックにおいて、他の商品収納ラックから商品在庫状況を外部入力する状況入力部を、さらに有し、商品管理部は、外部入力された他の商品収納ラックの商品在庫状況もデータ管理してもよい。
【0020】
また、上述のような商品収納ラックにおいて、データ出力部は、店頭販売商品と同等な形状で商品収納空間の一つに配置されていて商品在庫状況を印刷出力するプリンタユニットを有してもよい。
【0021】
また、上述のような商品収納ラックにおいて、店頭販売商品が扁平な直方体状のタバコカートンからなってもよい。
【0022】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の商品収納ラックでは、商品販売店舗で店頭販売される店頭販売商品を商品収納空間に収納する。ただし、複数の商品収納空間に店頭販売商品が複数の商品種別ごとに収納され、複数の商品収納空間の収納空間IDごとに対応する店頭販売商品の商品種別が区分入力部にデータ入力される。データ入力された複数の商品種別と複数の商品収納空間との対応関係を関係記憶部がデータ記憶する。データ記憶されている複数の商品種別と複数の商品収納空間との対応関係をデータ出力部が外部出力する。このため、外部出力される複数の商品収納空間と複数の商品種別との対応関係により、どの商品区分の店頭販売商品が商品収納ラックの何処に収納されているかを簡単な構造で管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。まず、本実施の形態の商品収納ラックであるカートン収納ラック100は、図1ないし図3に示すように、上下方向に積載された扁平な直方体状の店頭販売商品であるタバコカートンSTKを前面開口のボックス状のカートン収納空間KSSに所定個数まで収納する。
【0025】
このため、図1に示すように、本実施の形態のカートン収納ラック100では、上下左右に配列されている複数のカートン収納空間KSSに収納されたタバコカートンSTKを個々に検知する商品検知部であるカートン検知センサ160を有する。
【0026】
このカートン検知センサ160は、例えば、感圧スイッチなどからなり、カートン収納空間KSSに収納されるタバコカートンSTKの後面に対応した位置で、カートン収納ラック100の区画後板部材141に装着されている。
【0027】
そして、本実施の形態のカートン収納ラック100は、上述のようなカートン検知センサ160のタバコカートンSTKの検知結果をデータ管理する商品管理部であるメインコントローラ161も有する。
【0028】
より詳細には、図4に示すように、メインコントローラ161は、いわゆるマイクロコンピュータからなり、適切なコンピュータプログラムが実装されている。メインコントローラ161は、例えば、そのコンピュータプログラムのバージョンアップなどに利用されるCF(CompactFlash)カード162が着脱自在に装着される。
【0029】
また、メインコントローラ161には、カートン検知センサ160のセンサ回路基板163、区分入力部として機能するリモートコントローラ164、プリンタユニット165、DC(Direct Current)電源基板166、等がバスライン167で接続されている。
【0030】
なお、本実施の形態のカートン収納ラック100では、タバコカートンSTKが複数の商品種別であるごとに複数のカートン収納空間KSSに収納される。このため、図3に示すように、区画底板部材110の上面前部には、カートン収納空間KSSごとにタバコカートンSTKのタバコ銘柄などを示すタバコ銘柄ラベル111が交換自在に貼着されている。
【0031】
上述のメインコントローラ161が実装されているコンピュータプログラムに対応して各種のデータ処理を実行することにより、図8に示すように、複数のカートン収納空間KSSとタバコカートンSTKの複数のタバコ銘柄との対応関係をデータ記憶する関係記憶部である銘柄収納テーブルTSTと、データ管理されている検知結果から収納されているタバコカートンSTKのタバコ銘柄ごとカートン収納空間KSSごとの商品在庫状況であるカートン在庫状況を対応関係に基づいてデータ生成する在庫生成部(図示せず)と、が論理的に実現されている。
【0032】
そこで、詳細には後述するが、図10に示すように、このデータ生成されたタバコ銘柄ごとカートン収納空間KSSごとのカートン在庫状況を外部出力するデータ出力部として、上述のプリンタユニット165が利用される。
【0033】
上述したメインコントローラ161やプリンタユニット165等は、前述したラック台座部150に内蔵されており、例えば、その側部のメンテナンスハッチ151からアクセスできる位置に配置されている。
【0034】
また、カートン収納ラック100は、カートン収納空間KSSの下面に位置してタバコカートンSTKが積載される区画底板部材110と、カートン収納空間KSSの左右両側に個々に位置して区画底板部材110に積載されたタバコカートンSTKを側方から支持する左右一対の区画側壁部材120と、左右両側の区画側壁部材120の少なくとも一方の内側面に形成されていて区画底板部材110の上面に積載された複数のタバコカートンSTKの最下位の一個以外の前面を弾性支持するカートン支持ストッパ130と、を有する。
【0035】
ただし、区画底板部材110の上面に積載された複数のタバコカートンSTKの最下位の一個のタバコカートンSTKの前部側面が露出する側壁部材凹部121が区画側壁部材120の下部に形成されている。
【0036】
また、本実施の形態のカートン収納ラック100では、図2に示すように、複数のカートン収納空間KSSが上下左右に配列されている。このため、あるカートン収納空間KSSの右側の区画側壁部材120は、その右側のカートン収納空間KSSの左側の区画側壁部材120を兼用している。
【0037】
同様に、あるカートン収納空間KSSの区画底板部材110は、その下段のカートン収納空間KSSの天板を兼用している。当然ながら、最上位のカートン収納空間KSSには、区画底板部材110を兼用しない区画天板部材140が形成されている。さらに、本実施の形態のカートン収納ラック100では、最下部にラック台座部150が形成されている。
【0038】
なお、詳細には後述するが、カートン支持ストッパ130は、図5に示すように、外部からカートン収納空間KSSへのタバコカートンSTKの挿入を阻害しない湾曲自在な弾性材で形成されている。
【0039】
上述のような構成において、本実施の形態のカートン収納ラック100では、区画底板部材110や左右一対の区画側壁部材120で区画されたカートン収納空間KSSに複数のタバコカートンSTKを上下方向に積載して収納することができる。
【0040】
本実施の形態のカートン収納ラック100では、前述のように複数のカートン収納空間KSSが上下左右に配列されており、例えば、図2に示すように、七段六列に配列されている。
【0041】
ただし、そのカートン収納空間KSSに収納されるタバコカートンSTKの個数は一様ではなく、上部の三段では五個が収納され、下部の二段では二個が収納され、中央の二段では三個が収納される。
【0042】
このため、頻繁に販売されて良好に回転するタバコカートンSTKは、アクセスが容易な上部のカートン収納空間KSSに五個ずつ収納される。あまり販売されないが在庫が必要なタバコカートンSTKは、下部のカートン収納空間KSSに二個ずつ収納され、中間のタバコカートンSTKは中央のカートン収納空間KSSに三個ずつ収納される。
【0043】
このため、本実施の形態のカートン収納ラック100では、カートン収納空間KSSごとのタバコカートンSTKの収納個数を、その販売頻度に対応させておくことができる。
【0044】
また、本実施の形態のカートン収納ラック100では、上述のようにカートン収納空間KSSに収納された複数のタバコカートンSTKは、図3に示すように、最下位の一個以外は前面がカートン支持ストッパ130で弾性支持される。
【0045】
このカートン支持ストッパ130で弾性支持されない最下位の一個のタバコカートンSTKは、側壁部材凹部121に前部側面が露出する。このため、最下位の一個のタバコカートンSTKは側壁部材凹部121から手指で容易に保持される。
【0046】
このように保持された最下位の一個のタバコカートンSTKが取り出されるときも、その上方に積載されているタバコカートンSTKは前面がカートン支持ストッパ130で弾性支持される。
【0047】
従って、タバコカートンSTKを上下方向に積載して良好に収納することができ、このように上下方向に積載された複数のタバコカートンSTKを先入れ先出しで最下位から一個ずつ容易に取り出すことができる。
【0048】
特に、図5に示すように、カートン支持ストッパ130は、外部からカートン収納空間KSSへのタバコカートンSTKの挿入を阻害しない湾曲自在な弾性材で形成されている。
【0049】
このため、カートン収納空間KSSにタバコカートンSTKを容易に収納することができ、カートン収納空間KSSに積載されて収納された複数のタバコカートンSTKを最下位の一個以外はカートン支持ストッパ130で自動的に保持することができる。
【0050】
しかも、本実施の形態のカートン収納ラック100では、前述のように複数のカートン収納空間KSSが上下左右に七段六列に配列されているので、その各々に「A−1」〜「G−6」なる収納空間IDが設定されている。
【0051】
そして、本実施の形態のカートン収納ラック100は、前述のように複数のカートン収納空間KSSに収納されたタバコカートンSTKをカートン検知センサ160で個々に検知することができ、そのタバコカートンSTKの検知結果をメインコントローラ161でデータ管理することができる。
【0052】
ここで、このデータ管理手法を図6ないし図9を参照して以下に説明する。まず、サプライチェーン店舗に納品したカートン収納ラック100にタバコカートンSTKを収納する初期作業を実行するような場合、店舗作業者(図示せず)はラック台座部150のメンテナンスハッチ151を開放してリモートコントローラ164でメインコントローラ161にアクセスする。
【0053】
そして、図6に示すように、リモートコントローラ164の所定操作でテーブル生成モードの開始をメインコントローラ161に入力操作する(ステップS1−Y)。つぎに、カートン収納空間KSSの収納空間IDとタバコカートンSTKのタバコ銘柄とをリモートコントローラ164でメインコントローラ161に入力操作する(ステップS2−Y,S3−Y)。
【0054】
このとき、店舗作業者は実際にカートン収納ラック100のカートン収納空間KSSに収納するタバコカートンSTKのレイアウトを想定し、そのカートン収納空間KSSの収納空間IDとタバコカートンSTKのタバコ銘柄とを入力操作する。
【0055】
なお、収納空間IDは、前述のように七段六列のカートン収納空間KSSに対応して「A−1」〜「G−6」などと事前に設定されており、タバコ銘柄も、例えば、JAN(Japanese Article Number)などの所定のIDコードに事前に設定されている。
【0056】
このとき、リモートコントローラ164に表示出力されるタバコ銘柄とJANコードとが手動操作で選定されてもよく、リモートコントローラ164のバーコードリーダ(図示せず)でタバコカートンSTKのバーコード画像を読取走査させてもよい。
【0057】
そこで、上述のように収納空間IDとタバコ銘柄とが連続に入力操作されると(ステップS2−Y,S3−Y)、図8(a)(b)に示すように、これらの対応関係がメインコントローラ161の銘柄収納テーブルTSTにデータ登録される(ステップS4)。
【0058】
上述のような作業を繰り返して所望の銘柄収納テーブルTSTが完成すると(ステップS2〜S4)、店舗作業者はリモートコントローラ164の所定操作でメインコントローラ161にテーブル生成終了を入力操作する(ステップS5−Y)。上述のように銘柄収納テーブルTSTが設定されると、複数のカートン収納空間KSSと複数のタバコ銘柄との対応関係が規定されることになる。
【0059】
そこで、この対応関係により実際にカートン収納ラック100にタバコカートンSTKを収納する場合、やはり店舗作業者はラック台座部150のメンテナンスハッチ151を開放してリモートコントローラ164でメインコントローラ161にアクセスする。
【0060】
そして、図7に示すように、リモートコントローラ164の所定操作でカートン補充モードの開始をメインコントローラ161に入力操作する(ステップT1−Y)。このような状態で、カートン収納空間KSSにタバコカートンSTKを収納すると、これがカートン検知センサ160で個々に検知されてメインコントローラ161に通達される(ステップT2−Y)。
【0061】
すると、このメインコントローラ161は、図8(c)に示すように、収納の検知結果に対応して銘柄収納テーブルTSTの「現在収納個数」と「補充可能個数」とをデータ更新する(ステップT3)。
【0062】
このとき、店舗作業者の所望によりリモートコントローラ164の所定操作で(ステップT4−Y)、図9に示すように、銘柄収納テーブルTSTをプリンタユニット165で印刷出力することもできる(ステップT5)。
【0063】
このため、店舗作業者は実際にカートン収納ラック100に収納されたタバコカートンSTKと、銘柄収納テーブルTSTの印刷結果とを照合することなどにより、タバコカートンSTKの収納作業が適切に実行されたかなども容易に確認することができる。従って、店舗作業者は複数のカートン収納空間KSSに複数種類のタバコカートンSTKを簡単に適切に収納することができる。
【0064】
なお、上述のように店舗作業者の所望によりリモートコントローラ164の所定操作で(ステップT4−Y)、銘柄収納テーブルTSTをプリンタユニット165で印刷出力するとき(ステップT5)、図10に示すように、メインコントローラ161でタバコカートンSTKのタバコ銘柄ごとカートン収納空間KSSごとのカートン在庫状況を印刷出力することもできる。
【0065】
また、上述のように店舗作業者の所望によりリモートコントローラ164の所定操作で(ステップT4−Y)、銘柄収納テーブルTSTに対応してプリンタユニット165でタバコ銘柄ラベル111を印刷出力することもできる。
【0066】
このようなタバコ銘柄ラベル111は専用の用紙により貼付シールとして形成され、図3に示すように、対応するカートン収納空間KSSの区画底板部材110の前部上面などに貼付される。
【0067】
本実施の形態のカートン収納ラック100では、上述のように区画底板部材110や左右一対の区画側壁部材120で区画されたカートン収納空間KSSに複数のタバコカートンSTKを上下方向に積載して収納することができる。
【0068】
このように収納された複数のタバコカートンSTKは最下位の一個以外は前面がカートン支持ストッパ130で弾性支持される。このカートン支持ストッパ130で弾性支持されない最下位の一個のタバコカートンSTKは、側壁部材凹部121に前部側面が露出する。
【0069】
このため、最下位の一個のタバコカートンSTKは側壁部材凹部121から手指で容易に保持して取り出すことができる。このようなときも、その上方に積載されているタバコカートンSTKは前面がカートン支持ストッパ130で弾性支持されているので飛び出すようなことがない。
【0070】
従って、タバコカートンSTKを上下方向に積載して良好に収納することができ、このように上下方向に積載された複数のタバコカートンSTKを先入れ先出しで最下位から一個ずつ容易に取り出すことができる。
【0071】
このため、上下方向に積載されたタバコカートンSTKが上方から販売される先入れ後出しとなることを防止でき、下方に古いタバコカートンSTKが放置されて鮮度が低下するようなことを防止できる。
【0072】
さらに、本実施の形態のカートン収納ラック100では、収納されたタバコカートンSTKがカートン支持ストッパ130で支持されることによりカートン検知センサ160で確実に検知されるので、タバコカートンSTKの収納位置が不適であることによるカートン検知センサ160の検知エラーも良好に防止することができる。
【0073】
そして、本実施の形態のカートン収納ラック100は、従来の什器やカートンラックとは相違して電子化されており、スタンドアロンで各種のデータ管理を実行する。そこで、上述のようにカートン検知センサ160で確実に検知されるタバコカートンSTKの収納状態を、メインコントローラ161の銘柄収納テーブルTSTでデータ管理する。
【0074】
このため、本実施の形態のカートン収納ラック100は、外部のPOSサーバなどに依存することなく、タバコカートンSTKの収納状態をスタンドアロンでデータ管理することができる。
【0075】
従って、POSサーバなどを利用していない小規模店舗などでも、カートン収納ラック100を導入することでタバコカートンSTKの収納状態を容易にデータ管理することができる。
【0076】
特に、本実施の形態のカートン収納ラック100は、タバコカートンSTKの収納状態を印刷出力するプリンタユニット165も内蔵している。このため、別個にプリンタ装置を用意して接続するような必要なく、タバコカートンSTKの収納状態を印刷出力することができる。
【0077】
しかも、本実施の形態のカートン収納ラック100は、図10に示すように、タバコカートンSTKのカートン在庫状況をタバコ銘柄ごとに印刷出力することができる。このため、店舗作業者はカートン収納ラック100の任意の個数のカートン収納空間KSSに収納されているタバコカートンSTKのカートン在庫状況を簡単に把握することができ、不足するタバコカートンSTKを迅速に発注するようなことができる。
【0078】
さらに、図9に示すように、タバコカートンSTKの収納状態をカートン収納空間KSSごとに印刷出力することもできる。このため、店舗作業者はカートン収納ラック100に在庫されているタバコカートンSTKをカートン収納空間KSSごとに一目で確認することができる。従って、店舗作業者は入荷したタバコカートンSTKを適切なカートン収納空間KSSに簡単に補充することができる。
【0079】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではサプライチェーン店舗で販売しているタバコパックの銘柄個数に比較して、少数のタバコ銘柄のタバコカートンSTKを収納するカートン収納ラック100を想定した。しかし、タバコパックと同数のタバコ銘柄のタバコカートンSTKを収納できる大型のカートン収納ラック(図示せず)なども実施可能である。
【0080】
さらに、上記形態ではリモートコントローラ164とプリンタユニット165とがラック台座部150に内蔵されていてメンテナンスハッチ151からアクセスされることを例示した。
【0081】
しかし、図11に例示するカートン収納ラック200のように、リモートコントローラ164とプリンタユニット165とが任意のカートン収納空間KSSに内蔵されていてもよい。
【0082】
この場合、当然ながらリモートコントローラ164とプリンタユニット165とは、タバコカートンSTKと同等な外形に形成されていればよい。このようなカートン収納ラック200では、一部のカートン収納空間KSSにタバコカートンSTKを収納できないことになるが、リモートコントローラ164とプリンタユニット165との利用が容易となる。
【0083】
また、上記形態では一個のカートン収納ラック100がスタンドアロンで機能し、データ生成されたタバコ銘柄ごとカートン収納空間ごとのカートン在庫状況をデータ出力部であるプリンタユニット165の印刷出力により外部出力することを例示した。
【0084】
しかし、そのカートン在庫状況をLAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信ネットワークで、タバコカートンSTKの製造メーカや中間業者のデータベースサーバ(図示せず)などにデータ送信で外部出力してもよい。
【0085】
さらに、上述のようなカートン収納ラック100が、他のカートン収納ラック100からカートン在庫状況を外部入力する状況入力部も有し、外部入力されたカートン在庫状況を外部出力してもよい(図示せず)。この場合、一個のカートン収納ラック100を親機として、子機となる複数のカートン収納ラック(図示せず)をチェーン状に接続するようなこともできる。
【0086】
また、上記形態では店舗作業者がタバコカートンSTKの補充要否を銘柄収納テーブルTSTの印刷結果などから判断することを例示した。しかし、図12に示すように、カートン収納ラック100の区画側壁部材120に補充指標部材112を上下方向にスライド自在に装着しておき、これを目安に補充要否が判断されてもよい。
【0087】
さらに、上記形態ではカートン収納空間KSSに挿入されるタバコカートンSTKの前面を支持するカートン支持ストッパ130が、左側の区画側壁部材120の右面に装着されていることを例示した。
【0088】
しかし、当然ながら、カートン支持ストッパ130が、右側の区画側壁部材120の左面に装着されていてもよく、左右両側の区画側壁部材120に装着されていてもよい(図示せず)。
【0089】
また、上記形態では複数のカートン収納空間KSSの全部にタバコカートンSTKが収納されることを想定した。しかし、実際には複数のカートン収納空間KSSの一部が未使用となることもある。
【0090】
このような場合、例えば、前述の銘柄収納テーブルTSTには収納されているタバコカートンSTKのタバコ銘柄として、未使用を示す「0000」などの所定コードが設定されればよい(図示せず)。
【0091】
さらに、上記形態では店頭販売商品を収納する商品収納ラックとして、タバコカートンSTKを収納するカートン収納ラック100を例示したが、本発明は各種の商品収納ラックに適用することができる。
【0092】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態の商品収納ラックであるカートン収納ラックに店頭販売商品であるタバコカートンが収納される状態を示す要部の縦断側面図である。
【図2】カートン収納ラックの全体の外観を示す斜視図である。
【図3】カートン収納ラックにタバコカートンが収納される状態を示す要部の分解斜視図である。
【図4】カートン収納ラックの回路構造を示すブロック図である。
【図5】カートン収納ラックにタバコカートンが収納される状態を示す要部の工程図である。
【図6】カートン収納ラックのサブルーチンのデータ処理方法を示すフローチャートである。
【図7】カートン収納ラックのサブルーチンのデータ処理方法を示すフローチャートである。
【図8】関係記憶部である銘柄収納テーブルのデータ記憶構造を示す模式図である。
【図9】銘柄収納テーブルの印刷結果を示す模式的な平面図である。
【図10】他の印刷結果を示す模式的な平面図である。
【図11】一の変形例のカートン収納ラックの全体の外観を示す斜視図である。
【図12】他の変形例のカートン収納ラックにタバコカートンが収納される状態を示す要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0094】
100 カートン収納ラック
110 区画底板部材
111 商品種別ラベル
112 補充指標部材
120 区画側壁部材
121 側壁部材凹部
130 カートン支持ストッパ
140 区画天板部材
141 区画後板部材
150 ラック台座部
151 メンテナンスハッチ
160 カートン検知センサ
161 メインコントローラ
162 CFカード
163 センサ回路基板
164 リモートコントローラ
165 プリンタユニット
166 DC電源基板
167 バスライン
200 カートン収納ラック
KSS カートン収納空間
STK タバコカートン
TST 銘柄収納テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売店舗で店頭販売される店頭販売商品を商品収納空間に収納する商品収納ラックであって、
複数の前記商品収納空間に前記店頭販売商品が複数の商品種別ごとに収納され、
複数の前記商品収納空間の収納空間IDごとに対応する前記店頭販売商品の前記商品種別がデータ入力される区分入力部と、
データ入力された複数の前記商品種別と複数の前記商品収納空間との対応関係をデータ記憶する関係記憶部と、
データ記憶されている複数の前記商品種別と複数の前記商品収納空間との対応関係を外部出力するデータ出力部と、
を有する商品収納ラック。
【請求項2】
複数の前記商品収納空間に複数の前記店頭販売商品が収納され、
複数の前記商品収納空間に収納された複数の前記店頭販売商品を個々に検知する商品検知部と、
前記店頭販売商品の検知結果をデータ管理する商品管理部とを、
さらに有し、
前記データ出力部は、データ管理されている前記検知結果も外部出力する請求項1に記載の商品収納ラック。
【請求項3】
データ管理されている前記検知結果から収納されている前記店頭販売商品の前記商品種別ごと前記商品収納空間ごとの商品在庫状況を前記対応関係に基づいてデータ生成する在庫生成部を、さらに有し、
前記商品管理部は、データ生成された前記商品種別ごと前記商品収納空間ごとの前記商品在庫状況もデータ管理し、
前記データ出力部は、データ管理されている前記商品種別ごと前記商品収納空間ごとの前記商品在庫状況も外部出力する請求項2に記載の商品収納ラック。
【請求項4】
他の商品収納ラックから前記商品在庫状況を外部入力する状況入力部を、さらに有し、
前記商品管理部は、外部入力された他の前記商品収納ラックの前記商品在庫状況もデータ管理する請求項1ないし3の何れか一項に記載の商品収納ラック。
【請求項5】
前記データ出力部は、前記店頭販売商品と同等な形状で前記商品収納空間の一つに配置されていて前記商品在庫状況を印刷出力するプリンタユニットを有する請求項1ないし4の何れか一項に記載の商品収納ラック。
【請求項6】
前記店頭販売商品が扁平な直方体状のタバコカートンからなる請求項1ないし5の何れか一項に記載の商品収納ラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−146342(P2010−146342A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323663(P2008−323663)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】