説明

商品取引装置

【課題】取引商品の指定を、混乱を生じることなく実施すること。
【解決手段】取引客を撮像する取引客撮像手段11c、12cにより撮像した画像に基づいて、該撮像されている取引客の動作を客動作認識手段111により認識し、陳列棚14において取引客が目視可能に陳列された各商品のうち、客動作認識手段111にて認識された取引客の動作により特定される商品を、該取引客が指定する商品として視覚により認識可能に指定商品報知手段10により報知し、該報知した商品に設定されている取引価値の大きさを決済する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗において商品の取引を行う際における取引商品の指定を、混乱を生じることなく実施することのできる商品取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗である遊技場において、商品の取引として景品の交換を実施するものとしては、遊技者自身が、店員を介さずに直接操作して商品指定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−117776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、遊技者自身が、店員を介さずに商品指定できるものの、遊技者が、例えば高齢者である場合等のように、装置の操作に不慣れである人の場合には、操作に時間がかかることによって装置が混雑してしまうことにより返って混乱を生じたり、誤った操作を実施することで装置に不具合が生じたり、或いは、希望しない商品と交換してしまう等の混乱を生じてしまう場合があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、商品の取引を行う際における取引商品の指定を、混乱を生じることなく実施することのできる商品取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の商品取引装置は、
店舗(遊技場)に設置され、該店舗において取引(景品交換)される複数種類の商品のうちから少なくとも1の商品の指定を指定者(遊技者、店員)から受付けて、該指定を受付けた商品の取引を行う商品取引装置(景品交換装置1)であって、
指定者を撮像するための指定者撮像手段(赤外線撮像部11c、12c)と、
前記指定者撮像手段にて撮像した画像に基づいて、該撮像されている指定者の動作を認識する指定者動作認識手段(動作検出処理基板111)と、
陳列棚(陳列棚14)において指定者が目視可能に陳列された前記店舗にて取引可能な各商品のうち、前記指定者動作認識手段にて認識された指定者の動作により特定される商品を、該指定者が指定する商品として視覚により認識可能に報知する指定商品報知手段(景品交換用コンピュータ10がステップS10を実施する部分)と、
前記指定商品報知手段にて報知した商品に設定されている取引価値の大きさ(交換玉数)を決済する決済手段(景品交換用コンピュータ10が決済処理を実施する部分)と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、指定者は、取引を所望する商品が指定商品報知手段により報知されるように動作することで、取引を所望する商品を指定することができるようになるために、装置の操作を直接実施することなく商品を指定できるので、商品の取引を行う際における取引商品の指定を、混乱を生じることなく実施することができる。
尚、本発明における指定者は、取引を行う客である取引客であっても、商品を取引客に提供する業務を行う店員のいずれであっても良い。
【0007】
本発明の手段1の商品取引装置は、請求項1に記載の商品取引装置であって、
前記店舗(遊技場)にて取引可能な各商品に設定されている取引価値の大きさ(交換玉数)が記憶された取引価値記憶手段(記憶装置105;商品管理テーブル)と、
前記商品との取引(景品交換)に使用可能な価値であって、取引客が所有している所有価値の大きさ(貯玉数、計数玉数)を特定可能な所有価値特定情報(カードID)が記録された記録媒体(会員カード、計数カード)を受付けて、該記録媒体に記録されている所有価値特定情報を少なくとも読み出す記録媒体処理手段(カードリーダライタ15)と、
前記取引価値記憶手段に記憶されている取引価値の大きさが、前記記録媒体処理手段にて読み出した所有価値特定情報から特定される所有価値の大きさ以下である商品を全て、取引可能商品(交換可能商品)として抽出する取引可能商品抽出手段(景品交換用コンピュータ10がステップS6を実施する部分)と、
前記取引可能商品抽出手段にて抽出した取引可能商品を、取引可能商品として取引客が視覚により認識可能に報知する取引可能商品報知手段(景品交換用コンピュータ10がステップS7を実施する部分)と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、取引客は、いずれの商品が取引可能であるのかを容易に把握することができる。
【0008】
本発明の手段2の商品取引装置は、手段1に記載の商品取引装置であって、
前記指定商品報知手段は、
前記指定者(遊技者、店員)の動作により特定される商品を、前記取引可能商品報知手段による報知態様(白色の点灯)と異なる特定態様(緑色、黄色の点灯)にて報知する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、取引可能な商品の報知態様と異なる特定態様にて、動作により特定される商品が報知されるので、動作によって特定されている商品がどの商品であるのかを、取引可能な商品の報知を実施することによって把握しずらくなってしまうことを回避できる。
【0009】
本発明の手段3の商品取引装置は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の商品取引装置であって、
前記店舗の店員から商品の指定を受付けるための商品指定受付け手段(景品交換用コンピュータ10がステップS11とステップS12を実施する部分)と、
前記商品指定受付け手段により受付けた商品が、前記指定者である取引客の動作により特定される商品と同一であるか否かを判定する商品一致判定手段(景品交換用コンピュータ10がステップS15を実施する部分)と、
を備え、
前記決済手段は、
前記商品一致判定手段により同一であると判定されたことを条件(ステップS15においてYesのときのみ)に該商品の決済を実施する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、商品の提供を行う店員から指定を受付けた商品と取引客の動作により特定される商品が一致しないと決済が実施されないので、取引客が取引を希望する商品を店員が間違って認識することにより、該希望する商品とは異なる商品が誤って決済されてしまうことを防止できる。
【0010】
本発明の手段4の商品取引装置は、手段3に記載の商品取引装置であって、
前記商品指定受付け手段は、
店員を撮像するための店員撮像手段(赤外線撮像部11c、12c)と、
前記店員撮像手段にて撮像した画像に基づいて、該撮像されている店員の動作を認識する店員動作認識手段(動作検出処理基板111)と、
を含み、
前記陳列棚(陳列棚14)に陳列された各商品のうち、前記店員動作認識手段にて認識された店員の動作により特定される商品を、該店員が指定する商品として受付ける、
【0011】
ことを特徴としている。
この特徴によれば、店員も、取引客の動作により特定された商品の入力、つまり、確認入力を、取引客に口頭による伝達をすることなく実施できるので、これら確認入力における混乱を防止できる。
【0012】
本発明の手段5に記載の商品取引装置は、手段4に記載の商品取引装置であって、
前記店員動作認識手段は、
所定の確定動作(手を2回握る動作)を認識可能であって、
前記商品指定受付け手段は、
前記店員動作認識手段(動作検出処理基板111)が前記確定動作を識別したときに、該確定動作を行った店員の動作により特定された商品を、店員が指定した商品として確定する(景品交換用コンピュータ10がステップS14を実施する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、店員の動作にて特定された商品を指定した商品として確定させるための確定操作についても、いちいち入力装置に戻ることなくその場における動作によって実施できるので、これら確定操作における店員の負担を低減できる。
【0013】
本発明の手段6の商品取引装置は、請求項1または手段1〜手段5のいずれかに記載の商品取引装置であって、
前記商品に付着されたタグであって、該商品の種別を個々に識別可能な商品識別情報(商品ID)が電磁波により非接触状態にて読み取り可能に記憶されたRF−IDタグからの該商品識別情報の読み取りを、該商品が前記陳列棚(陳列棚14)から移動されるときに実施する商品識別情報読み取り手段(タグリーダ42)と、
前記商品識別情報読み取り手段にて読み取った商品識別情報から識別される商品が、前記指定商品報知手段により報知された商品と同一でないときに(ステップS21でNo)、該移動された商品が、指定者が指定した商品ではない旨を報知する商品間違い報知手段(景品交換用コンピュータ10がステップS22を実施する部分)と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、指定者が指定した商品とは異なる商品が、提供のために誤って陳列棚から移動されて商品識別情報が読み取られたときには、該商品が指定者により指示された商品ではない旨が報知されるので、陳列棚からの商品提供における商品間違いを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例における商品取引装置が適用された遊技場の景品交換カウンタを示す斜視図である。
【図2】実施例における商品取引装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例に用いた陳列棚14を示す外観斜視図である。
【図4】(a),(b)は、実施例における赤外線放射パターンと放射領域との関係を示す説明図である。
【図5】(a)は、実施例における商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータに記憶されている商品管理テーブルを示す図であり、(b)は、景品交換用コンピュータに記憶されている収納ボックス位置情報テーブルを示す図であり、(c)は、景品交換用コンピュータに記憶されている景品交換履歴データを示す図である。
【図6】実施例の商品取引装置における景品交換処理の処理内容を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は、実施例の景品交換処理における陳列棚14の表示状態の推移を示す図である。
【図8】(a)は、実施例における第1撮像ユニット11と第2撮像ユニット12から放射される第1パターン赤外光であり、(b)は、第2パターン赤外光を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る商品取引装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。尚、以下の実施例においては、店舗として遊技場、取引として景品交換を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、取引として商品の販売する遊技場以外の店舗に本発明に係る商品取引装置を適用しても良いことは言うまでもない。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の商品取引装置となる本実施例の景品交換装置1が設置された遊技場の景品交換カウンタを示す図である。
【0017】
本実施例の景品交換装置1が設置された景品交換カウンタには、取引客となる遊技者側と店員側とを仕切る横長のカウンタテーブル2と、該カウンタテーブル2の店員側(内側)に該カウンタテーブル2と所定間隔を空けて設けられた陳列棚14とが設けられている。
【0018】
陳列棚14は、図1に示すように、景品を収納可能な複数の収納ボックス40を有しており、該収納ボックス40に各種の景品を、遊技者や店員が視認可能に陳列できるようになっている。
【0019】
カウンタテーブル2は、遊技者側(外側)の天板が、店員側(内側)の天板よりも高くされており、遊技者側(外側)の天板上の略中央位置には、景品交換を実施する遊技者が所持する会員カードや計数カードが挿入されて、該挿入された会員カードや計数カードに記録されているデータ(記録情報)を読み出すとともに該データ(記録情報)の書き換えが可能とされたカードリーダライタ15や、該会員カードや計数カードから読み出したカードID等のデータ(記録情報)から特定される貯玉数或いは獲得玉数である該遊技者が所有する所有玉数や、該遊技者が動作(ジェスチャー)することにより景品交換用コンピュータ10によって特定された商品の拡大(詳細)画像や、該景品の交換に必要な玉数や在庫数等の各種の情報が表示される遊技者用ディスプレイ16が設置されている。
【0020】
また、店員側(内側)の天板の略中央位置には、カウンタの内側にいる店員が操作可能に設けられた商品取引装置を構成し、該商品取引装置の動作を制御する景品交換用コンピュータ10が設置されている。
【0021】
また、図1に示すように、景品交換カウンタの天井における、遊技者用ディスプレイ16や景品交換用コンピュータ10の直上位置には、所定周波数の赤外線による赤外線パターンを放射するとともに、該所定周波数の赤外線による撮像を行うことで、遊技者や店員の主に水平方向の動作を検出するための第1撮像ユニット11が設置されているとともに、カウンタテーブル2の長手方向側の側壁には、第1撮像ユニットとは異なる周波数の赤外線による赤外線パターンを放射するとともに、該周波数の赤外線による撮像を行うことで、遊技者や店員の主に垂直方向の動作を検出するための第2撮像ユニット12が設置されている。
【0022】
次に、本実施例の商品取引装置の構成を図2に基づいて説明すると、商品取引装置は、主に、景品交換用コンピュータ10と、該景品交換用コンピュータ10に接続された前述した第1撮像ユニット11、第2撮像ユニット12、陳列棚14、カードリーダライタ15、遊技者用ディスプレイ16から構成されている。
【0023】
本実施例の陳列棚14は、図3に示すように、各種の景品を収納可能な複数の収納ボックス40が設けられているとともに、各収納ボックス40の開口周囲には、白色、赤、青、黄色、緑、オレンジ、橙色、紫色等に点灯可能な帯状のLEDアレイから成るマルチカラー表示部41を有していて、これらマルチカラー表示部41の点灯態様により、該マルチカラー表示部41が対応する収納ボックス40に収納されている商品が、交換可能な商品であるかや、遊技者の動作により特定された商品であるか、店員の動作により特定された商品であるかが報知される。
【0024】
尚、本実施例では、マルチカラー表示部41としてLEDアレイを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、有機EL等のその他の発光デバイスを使用しても良い。
【0025】
また、これらマルチカラー表示部41を本実施例では、収納ボックス40の開口周囲に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、収納ボックス40の内壁の一部にルチカラー表示部41を設けて、収納ボックス40の内部が各色に点灯されるようにして、各収納ボックスの間隔を低減できるようにしても良い。
【0026】
また、各収納ボックス40の下面の開口側中央位置には、図3に示すように、景品に付着されている図示しないRD−IDタグの読み取りを実施するタグリーダ42と、商品の取り出しに伴う店員による手の挿入を検出するための赤外線センサ43が設けられており、赤外線センサ43によって店員による手の挿入が検出されたときに、タグリーダ42が読み取り可能に付勢され、該挿入された店員の手により商品が取り出される際に、該取り出される商品に付着されているRD−IDタグから、該RD−IDタグに記憶されている商品IDと個体IDとがタグリーダ42に読み取られるようになっている。
【0027】
尚、本実施例の赤外線センサ42は、第1撮像ユニット11或いは第2撮像ユニット12から放射される赤外線によって誤検出を実施しないように、第1撮像ユニット11が放射する周波数の赤外線並びに第2撮像ユニット12が放射する周波数の赤外線を遮断する一方、人体から放射される各波長の赤外線のうちから特定の周波数の赤外線を透過するフィルタを有するパッシブ型の赤外線センサとされている。
【0028】
また、本実施例の赤外線センサ42は、各収納ボックス40の下面側に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、収納ボックス40の上面側に設けるこおとにより、該赤外線センサ42が収納ボックス40に収納されている商品に覆われるこおとにより良好な検出を実施できなくなることを防止するようにしても良い。
【0029】
本実施例の陳列棚14は、棚コントローラ13を介して景品交換用コンピュータ10に接続されており(図2参照)、該棚コントローラ13は、マルチカラー表示部41の点灯状態(点灯・非点灯並びに点灯色)を景品交換用コンピュータ10からの指示により制御するとともに、それぞれの収納ボックス40毎に設けられたタグリーダ42により景品に付着されているRD−IDタグから読み取った読み取りデータや赤外線センサ43の検出データを景品交換用コンピュータ10に出力する機能を有している。
【0030】
本実施例のカードリーダライタ15は、該遊技場において所定の会員登録を実施することで、遊技にて獲得した獲得玉を遊技に再度使用することのできる貯玉が可能とされた会員遊技者に対して発行される会員カードや、図示しない玉計数器において獲得玉を計数することによって発行される計数カードを受付けて、該会員カードや計数カードに記録されている、各カードを個々に識別可能なカードIDを読み出す読み出し機能を有するとともに、上面にテンキーから成る操作部と、液晶表示部とを有することで、挿入されたカードが会員カードである場合に、該会員の本人確認を実施するための暗証番号の入力受付け機能や、該暗証番号の入力案内や返却された会員カードや計数カードの取り出し案内等の各種の案内の表示機能を有している。
【0031】
尚、本実施例では、会員カードや計数カードとしてセキュリティ性を高めるために各カードを個々に識別可能なカードIDが書き換え不能に記憶された非接触ICカードを使用しているので、カードリーダライタ15の内部には、該非接触ICカードの少なくとも読み取りが可能な非接触ICカード読み取りユニットが内蔵されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら会員カードや計数カードとしては、従来から使用されている磁気カードを使用しても良く、この場合には、カードリーダライタ15の内部には磁気カード読み取りユニットを内蔵するようにすれば良い。
【0032】
また、会員カードや計数カードに記憶されているカードIDとしては、会員カードの場合には、KCで始まる所定桁の記号列とされ、計数カードの場合には、VCで始まる所定桁の記号列とされることで、これらカードIDによって会員カードであるか計数カードであるかを判別できるようになっている。
【0033】
また、本実施例では、計数カードを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、計数器においては、これら計数カードに代えて、計数した計数玉数をシンボル化したバーコードが印刷されたレシートを発行し、該レシートに記録されたバーコードを読み取るバーコード読み取りユニットをカードリーダライタ15に代えて、或いはカードリーダライタ15ともに設けることで、これらレシートから計数玉数を特定するようにしても良い。
【0034】
次に、本実施例に用いた第1撮像ユニット11並びに第2撮像ユニット12について説明する。
【0035】
第1撮像ユニット11は、図2に示すように、該第1撮像ユニット11に割り当てられた第1周波数の赤外光であって、所定の第1パターンにパターン化された第1パターン赤外光を、図4(a)に示すように、景品交換を行う店員が存在する領域であるカウンタテーブル2のほぼ中央から店員側(内側)の領域のみに下方に向けて広がるように放射する第1赤外光放射部11aと、該第1撮像ユニット11に割り当てられた第1周波数の赤外光であって、第1パターンとは異なる第2パターンにパターン化された第2パターン赤外光を、図4(a)に示すように、遊技者が存在する領域であるカウンタテーブル2のほぼ中央から遊技者側(外側)の領域のみに対してのみに下方に向けて広がるように放射する第2赤外光放射部11bと、これら第1赤外光放射部11a並びに第2赤外光放射部11bから放射される該第1撮像ユニット11に割り当てられた第1周波数の赤外光による撮像を行う赤外線撮像部11cを備えており、これら赤外線撮像部11cにて撮像した店員や遊技者の鳥瞰画像により、店員や遊技者のその時点の位置並びに水平方向の動作、具体的には、店員や遊技者が指腕にて指示している水平面における方向を、該鳥瞰画像を景品交換用コンピュータ10(動作検出処理基板111)にて画像認識(動作認識)することにより正確に特定できるようになっている。
【0036】
また、図2に示すように、第2撮像ユニット12も第1撮像ユニット11と同様に、該第2撮像ユニット12に割り当てられた第1撮像ユニット11とは異なる第2周波数の赤外光であって、所定の第1パターンにパターン化された第1パターン赤外光を、図4(b)に示すように、景品交換を行う店員が存在する領域であるカウンタテーブル2のほぼ中央から店員側(内側)の領域のみに水平方向に向けて広がるように放射する第1赤外光放射部12aと、該第2撮像ユニット12に割り当てられた第2周波数の赤外光であって、第1パターンとは異なる第2パターンにパターン化された第2パターン赤外光を、図4(b)に示すように、遊技者が存在する領域であるカウンタテーブル2のほぼ中央から遊技者側(外側)の領域のみに水平方向に向けて広がるように放射する第2赤外光放射部12bと、これら第1赤外光放射部12a並びに第2赤外光放射部12bから放射される該第2撮像ユニット12に割り当てられた第2周波数の赤外光による撮像を行う赤外線撮像部12cを備えており、これら赤外線撮像部12cにて撮像した店員や遊技者の側方視点画像により、店員や遊技者の垂直方向の動作、具体的には、店員や遊技者が指腕にて指示している垂直面における方向を、該側方視点画像を景品交換用コンピュータ10(動作検出処理基板111)にて画像認識(動作認識)することにより正確に特定できるようになっている。
【0037】
尚、本実施例では、遊技者並びに店員の動作により指示される商品をより正確に特定できるようにするために、水平方向の動作を特定するための第1撮像ユニット11とともに、垂直方向の動作を特定するための第2撮像ユニット12を使用するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本実施例のように、上述したパターン化された赤外光を放射して画像を撮像する場合にあっては、点在する所定図形間の距離情報により、動作の認識対象とする遊技者や店員までの距離のみならず、遊技者や店員の各身体部位の距離についても特定できるため、これら各身体部位の距離の近い、例えば、肩までの距離と手(手首)までの距離との差から腕が向いている水平方向または垂直方向の向きを高精度ではないものの特定することは可能であるので、これら水平方向または垂直方向のいずれかの向きを距離との差に基づいて特定することにより、第1撮像ユニット11と第2撮像ユニット12のいずれか一方のみを使用するようにしても良い。
【0038】
本実施例において第1赤外光放射部11a、12aから放射される第1パターン赤外光は、図8(a)に示すように、所定図形となる丸状の発光領域が所定の配列状態となるように配列された網点パターンとされているとともに、第2赤外光放射部11b、12bから放射される第2パターン赤外光は、図8(b)に示すように、所定図形となる方形状の発光領域が所定の配列状態となるように配列された網点パターンとされており、このように第1パターン赤外光と第2パターン赤外光とでは、パターンに点在する所定図形の形状が異なる形状とされていることで、赤外線撮像部11c、12cにより撮像された画像に含まれる人物の画像に、第1パターン赤外光と第2パターン赤外光のいずれの図形パターンが含まれているかによって、該人物が、遊技者であるのか或いは店員であるのかを、1の赤外線撮像部11c、12cにて撮像された1の画像において同時に動作認識を実施する場合においても的確に識別することができるようになっている。
【0039】
また、第1撮像ユニット11と第2撮像ユニット12において同一の第1パターンと第2パターンを使用しているので、第1撮像ユニット11による鳥瞰画像であるか、第2撮像ユニット12による側方視点画像であるかにかかわらずに、画像中に点在する所定図形の形状によって、対象人物が遊技者であるのか或いは店員であるのかを的確に識別することができるようになっている。
【0040】
尚、本実施例では、第1赤外光放射部11a、12a並びに第2赤外光放射部11b、12bを個別に設けるとともに、該第1赤外光放射部11a、12a並びに第2赤外光放射部11b、12bに、第1パターン赤外光或いは第2パターン赤外光の放射方向を個別に変更するための図示しない放射方向調整機構を設けることにより、第1パターン赤外光或いは第2パターン赤外光の放射方向を個別に調整できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1パターン赤外光或いは第2パターン赤外光の放射方向を個別に変更する必要がない場合には、1の赤外光放射部のみを第1撮像ユニット11と第2撮像ユニット12に設け、該1の赤外光放射部から、第1パターン赤外光と第2パターン赤外光とを放射するようにしても良い。
【0041】
これら第1周波数や第2周波数の赤外光を放射する第1赤外光放射部11a、12a並びに第2赤外光放射部11b、12bには、第1周波数や第2周波数の赤外光を発光可能な赤外線LEDを好適に使用することができるとともに、第1パターンや第2パターンに対応する多数の孔が形成されたスクリーンを使用して、該赤外線LEDから放射される光を第1パターンや第2パターン化して放射するようにすれば良い。
【0042】
尚、本実施例の第1撮像ユニット11に設けられた赤外線撮像部11cには、該第1撮像ユニット11に割り当てられた第1周波数の赤外光は高率にて透過する一方、第2撮像ユニット12に割り当てられた第2周波数の赤外光は低率でしか透過しない赤外線フィルタが設けられていることで、赤外線撮像部11cにおいて第2撮像ユニット12から放射される第1パターン赤外光や第2パターン赤外光に大きく影響されることなく、第1撮像ユニット11から放射される第1パターン赤外光や第2パターン赤外光による画像を撮像することができるようになっている。
【0043】
また、同様に、第2撮像ユニット12に設けられた赤外線撮像部12cにも、該第2撮像ユニット12に割り当てられた第2周波数の赤外光は高率にて透過する一方、第1撮像ユニット11に割り当てられた第1周波数の赤外光は低率でしか透過しない赤外線フィルタが設けられていることで、赤外線撮像部12cにおいて第1撮像ユニット11から放射される第1パターン赤外光や第2パターン赤外光に大きく影響されることなく、第2撮像ユニット12から放射される第1パターン赤外光や第2パターン赤外光による画像を撮像することができるようになっている。
【0044】
次に、本実施例に用いた景品交換用コンピュータ10について、図2に基づき説明すると、本実施例の景品交換用コンピュータ10は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス101に、該景品交換用コンピュータ10が実施する各種処理等を処理プログラムに基づいて行うCPU(中央演算処理ユニット)102、処理時の一時記憶領域等として使用されるRAM103、現在の時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)104、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置105、各種情報を表示出力する表示装置107、該表示装置107の前面に配置された透明タッチパネルやキーボードやマウス等から成る入力装置106、景品交換の交換内訳等が記録されたレシート等を印字して発行可能とされたプリント装置108と、貯玉数や計数玉数等を管理するために遊技場内に設置された管理コンピュータとのデータ通信を行う通信部109、棚コントローラ13や遊技者用ディスプレイ16やカードリーダライタ15が接続される接続インターフェイス110と、第1撮像ユニット11並びに第2撮像ユニット12とが接続され、該第1撮像ユニット11並びに第2撮像ユニット12にて撮像された各映像(撮像画像)が入力されるとともに、該入力された映像(撮像画像)にもとづいて、景品交換カウンタにて景品交換を実施する遊技者や景品の提供を行う店員を識別するとともに、該識別した遊技者や店員の動作を検出して、該検出した動作に基づく各種情報をCPU102に対して出力する動作認識処理基板111とが接続された通常のコンピュータである。
【0045】
通信部109を通じてデータ通信可能に接続されている管理コンピュータには、遊技場内の所定位置に設置されて、遊技者が獲得した獲得玉数を計数するとともに計数カードを発行可能とされた玉計数器が接続されており、該玉計数器にて計数された計数玉数が、発行される計数カードから読み出した該計数カードに記憶されているカードIDに対応付けて管理コンピュータに記憶、管理されている。尚、本実施例では、計数カードには、計数された計数玉数のデータも記録されて発行される。
【0046】
動作認識処理基板111には、第1撮像ユニット11により撮像された第1パターンと第2パターンにより映し出された遊技者と店員の画像を含む鳥瞰画像や、第2撮像ユニット12により撮像された第1パターンと第2パターンにより映し出された遊技者と店員の画像を含む側方視点画像とを記憶する画像用メモリや、これら鳥瞰画像や側方視点画像中に含まれる第1パターンと第2パターンを構成する各図形点の間隔(距離)や、変形状況(輪郭部分においては変形や欠けが大きい)を解析する画像処理を実施して、被写体までの距離特定や、これら解析による被写体の輪郭並びに形状と、予め登録されている人体や人体の身体部位の形状パターンとの対比により画像中に含まれる人体や該人体の各身体部位を特定し、該画像解析結果(人物や各身体部位までの距離情報と位置情報等)を出力する距離画像センサ用集積回路(IC)や、該距離画像センサ用集積回路(IC)から出力される画像解析結果に基づいて、人体の姿勢推定を実施するとともに、該推定した姿勢に基づいた動作認識を行う姿勢推定用集積回路(IC)や、該姿勢推定用集積回路(IC)が姿勢推定のために使用する、異なった姿勢における各人体部位についての姿勢データが格納された姿勢データROM等が搭載されている。
【0047】
これら距離画像センサ用集積回路(IC)としては、例えば、「Light Coding技術」に対応したPS1080(米国、PrimeSense社製商品名)を好適に使用でき、姿勢推定用集積回路(IC)としては、PS1080から出力される画像解析結果と姿勢データROMに記憶されている姿勢データに基づいて姿勢推定を実施するための姿勢推定アルゴリズムをプログラム化した姿勢推定プログラムが組み込まれた、比較的処理能力に優れたマイクロコンピュータを使用することができる。
【0048】
尚、本実施例では、上述したように、第1パターンや第2パターンのように所定の放射パターンとされた赤外光を放射して画像を撮像することで、遊技者や店員の動作認識を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら放射パターンとされた赤外光を放射することなく、例えば、2つの可視光カメラを陳列棚14の天面両端部位置に、遊技者や店員の方向を撮像可能に設置し、該2つの可視光カメラによる視差等に基づいて遊技者や店員との距離や遊技者や店員の姿勢を特定することにより、遊技者や店員の動作認識を実施するようにしても良い。
【0049】
この姿勢推定用集積回路(IC)は、予め登録された所定の動作、例えば、手を握る動作を2回繰り返す確定動作や、両腕を交差させるキャンセル動作、双方の手を交互に回転させる他商品希望動作、胸の前で上下に手を重ねる取出完了動作、頭上で両手を付き合わせる決済動作等を検出したことに応じて、該所定動作を検出した旨と、当該所定動作を実施した人物情報(第1パターンの人物画像である場合には店員を示す所定データ(例えば0)を、第2パターンの人物画像である場合には遊技者を示す所定データ(例えば1)をCPU102に出力する。
【0050】
この姿勢推定用集積回路(IC)は、所定の商品指示動作である陳列棚14に向けて指を伸ばす動作を検出したときには、店員または遊技者との距離に基づく店員または遊技者の現在位置、並びに該動作における指の向き(水平方向と垂直方向)や、腕の向き(水平方向と垂直方向)から、遊技者或いは店員が指し示している方向を検出するとともに、該方向の延長線が陳列棚14の前面と交差する位置の座標を特定して、商品指示情報としてCPU102に出力する。尚、この商品指示情報の場合も、該商品指示動作を実施した人物情報とともにCPU102に出力されることで、該商品指示動作を実施した人物が遊技者であるのか店員であるのかを、後述する景品交換処理を実施するCPU102側において特定できるようになっている。
【0051】
また、玉計数器は、会員カードを受付けて該会員カードに記憶されているカードIDを読み取り可能とされており、該玉計数器にて計数された計数玉数が、該カードIDに対応付けて管理コンピュータに記憶されている貯玉数に加算更新されることにより、該管理コンピュータにおいて各会員が所有する貯玉数が記憶、管理されている。
【0052】
尚、管理コンピュータにおいては、会員カードのカードIDに対応付けて、該会員に当該遊技場により付与された会員IDや、本人確認を実施するための暗証番号等の情報も記憶、管理されている。
【0053】
記憶装置105には、図2に示すように、該景品交換用コンピュータ10が実施する各処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図5(a)に示す商品管理テーブルや、図5(b)に示す収納ボックス位置情報テーブルや、図5(c)に示す景品交換履歴データが記憶されている。
【0054】
本実施例の商品管理テーブルには、図5(a)に示すように、各種の商品を個々に識別可能な商品IDに対応付けて、当該商品の商品分類と、商品名と、当該商品が収納される収納ボックス番号と、当該商品の交換に必要とされる交換玉数と、当該商品が収納される収納ボックス40に残っている当該商品の残数と、該商品の詳細画像ファイルへのパスデータとが記憶されており、該商品管理テーブルにより、どの商品がどの収納ボックス40に収納されているのかや、該商品との交換に必要となる交換玉数や詳細な商品画像ファイルへのパスデータを特定できるようになっている。
【0055】
本実施例の商品管理テーブルには、図5(b)に示すように、各収納ボックス40に個別付与された収納ボックス番号に対応付けて、陳列棚14の前面において当該収納ボックス40が存在する位置情報となる、該陳列棚14の前面における水平方向の座標範囲(該前面における基準位置からの水平距離範囲)並びに垂直方向の座標範囲(該前面における基準位置からの垂直距離範囲)とが記憶されており、動作認識処理基板111において撮像画像に基づく動作認識にて認識された遊技者や店員の指示方向に基づいて特定される該陳列棚14の前面における指示座標情報が該動作認識処理基板111から出力されることにより、該指示座標情報が該当する座標範囲に対応する収納ボックス40が特定されるとともに、該特定した収納ボックス40に対応付けて商品管理テーブルに記憶されている商品が、遊技者或いは店員が指示した商品として特定される。
【0056】
本実施例の景品交換履歴データとしては、図5(c)に示すように、景品交換を実施した取引日時、景品交換に使用された会員カードまたは計数カードのカードID、景品交換に使用された玉数である精算玉数、景品交換された各商品の商品IDとその数量とが含まれており、これら景品交換履歴データは、景品交換における決済処理の完了に応じて記憶される。
【0057】
次に、本実施例の景品交換用コンピュータ10(CPU102)において実施される景品交換処理について、図6に基づき説明すると、景品交換処理においては、まず、カードリーダライタ15に新たな会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)待ち状態で待機する(ステップS1)。
【0058】
例えば、遊技にて獲得した獲得玉数の計数を計数器において終了した会員遊技者が景品交換を実施する場合には、景品交換カウンタに出向いて所持している会員カードをカードリーダライタ15に挿入する。
【0059】
該会員カードの挿入はステップS1にて検出されてステップS2に進み、該挿入された会員カードからカードリーダライタ15によって読み出されたカードIDが、会員カードに該当するカードIDであるか否かに基づいて、挿入されたカードが会員カードであるか否かを判定する。
【0060】
会員カードである場合にはステップS40に進んで、暗証番号の受付けを伴う会員カード認証処理を実施する一方、会員カードでない場合、つまり計数カードである場合にはステップS3に進んで、計数カード認証処理を実施する。
【0061】
ステップS40の会員カード認証処理においては、まず、カードリーダライタ15において会員遊技者から暗証番号の受付けを実施し、該受付けた暗証番号とカードリーダライタ15により会員カードから読み出したカードIDとを含む認証要求を管理コンピュータに送信して、該カードIDに対応付けて管理コンピュータにおいて記憶、管理されている暗証番号と一致するか否かを認証させ、該認証結果と認証OKである場合には該カードIDに対応付けて記憶されている貯玉数とを管理コンピュータから受信する。
【0062】
一方、ステップS3の計数カード認証処理においては、カードリーダライタ15に受付けた該会員カードから読み出したカードIDと計数玉数とを含む認証要求を管理コンピュータに送信して、該カードIDに対応付けて管理コンピュータにおいて記憶、管理されている計数玉数と一致するか否かを認証させ、該認証結果を管理コンピュータから受信する。
【0063】
次いで、管理コンピュータから受信した認証結果が認証OKであるか否かを判定し(ステップS4)、認証NGである場合には、ステップS41に進んで受付け中のカードを返却(排出)するカード返却処理を実施して、ステップS1に戻る一方、認証OKである場合には、ステップS5に進んで、景品交換に利用可能な利用可能玉数(会員カードの場合には貯玉数、計数カードの場合には計数玉数)が、最も交換玉数が少ない商品の玉数である最小交換玉数以上であるか否か、つまり、景品交換が可能な利用可能玉数を所持しているか否かを判定する。
【0064】
最小交換玉数以上でない場合には、ステップS18に進んで受付け中のカードを返却(排出)するカード返却処理を実施してステップS1に戻る一方、最小交換玉数以上である場合には、該利用可能玉数を遊技者用ディスプレイ16に表示した後にステップS6に進み、交換可能商品特定処理を実施するとともに交換可能商品点灯表示処理を実施する(ステップS7)。
【0065】
具体的に交換可能商品特定処理においては、商品管理テーブルにおいて利用可能玉数以下の交換玉数に対応する商品IDを全て抽出することで、利用可能玉数の範囲内で交換可能な商品と全て抽出する。
【0066】
また、交換可能商品点灯表示処理においては、交換可能商品特定処理において抽出した各商品IDの商品が収納されている収納ボックス40の収納ボックス番号を、各商品IDに対応付けて商品管理テーブルに記憶されている収納ボックス番号から特定し、該特定した収納ボックス番号の収納ボックス40の開口部に形成されているマルチカラー表示部41を白色に点灯させる指示を棚コントローラ13に出力する。
【0067】
このようにすることにより、図7(a)に示すように、陳列棚14における収納ボックス40のうち、当該会員遊技者が景品交換可能な商品が収納されている収納ボックス40のマルチカラー表示部41が白色に点灯されることで、会員遊技者が、交換可能な商品を容易に把握できるようになっている。
【0068】
次いで、CPU102は、ステップS8、ステップS11、ステップS14を巡回実施することにより、遊技者による商品指示動作、店員による商品指示動作、商品確定動作待ち状態に移行する。
【0069】
これらステップS8、ステップS11、ステップS14を巡回する待機状態において、遊技者が、図1に示すように、交換を希望する商品を指差して商品指示動作を実施した場合には、該商品指示動作が動作検出処理基板111によって認識されることにより、前述したように遊技者を示す人物情報とともに商品指示情報が動作検出処理基板111から出力されるので、該商品指示情報の出力により、遊技者による商品指示動作有りと判定して(ステップS8でYes)、ステップS9の遊技者指示商品特定処理と、ステップS10の遊技者指示商品点灯表示処理とを実施する。
【0070】
具体的に遊技者指示商品特定処理においては、動作検出処理基板111から出力されてきた商品指示情報の座標に該当する座標範囲に対応する収納ボックス番号を、収納ボックス位置情報テーブルから特定するとともに、該収納ボックス番号に収納されている商品IDを商品管理テーブルから特定する。
【0071】
そして、遊技者指示商品点灯表示処理においては、遊技者指示商品特定処理にて特定した収納ボックス番号の収納ボックス40に設けられているマルチカラー表示部41を緑色に点灯させる指示を棚コントローラ13に出力するとともに、該収納ボックス40に収納されている商品の画像データへのパスデータを商品管理テーブルにて特定して画像データを読み出して遊技者用ディスプレイ16に表示する。
【0072】
このようにすることにより、図7(b)に示すように、陳列棚14における収納ボックス40のうち、当該会員遊技者が指差し動作により指示した商品を収納する収納ボックス40のマルチカラー表示部41が緑色に点灯されるので、会員遊技者は、自分が指示した商品がどれであるのかを店員に口頭で伝えたり、景品交換用コンピュータ10を直接操作したりすることなく、交換したい商品を店員に認識させることができる。
【0073】
尚、本実施例においては、ステップS9の遊技者指示商品特定処理と、ステップS10の遊技者指示商品点灯表示処理とが、店員による商品確定動作が検出されるまでの期間において繰返し実施されるようになっており、例えば、会員遊技者の動作が小さい等により、会員遊技者が交換を希望する商品とは異なる商品を収納している収納ボックス40のマルチカラー表示部41が緑色に点灯されたとしても、該緑色の点灯を視認した会員遊技者が該点灯された収納ボックス40の位置と、希望商品が収納されている収納ボックス40の位置とに基づいて指差し方向を修正することにより、修正された指差し動作に基づいて遊技者指示商品特定処理と遊技者指示商品点灯表示処理とが再度実施されて、再特定された収納ボックス40のマルチカラー表示部41が緑色に点灯され、それ以前に緑色に点灯されていた収納ボックス40のマルチカラー表示部41が消灯されるようになっており、このようにすることで、会員遊技者は、交換を希望する希望商品が収納されている収納ボックス40のマルチカラー表示部41を緑色に点灯させて、希望商品を店員に的確に認識させるこができる。
【0074】
このようにして会員遊技者による指差し動作により希望商品を収納する収納ボックス40のマルチカラー表示部41が緑色に点灯されたことを受けて、店員は、該緑色に点灯された収納ボックス40に収納されている商品を確認するために指差して指示する商品指示動作を実施する(図1参照)。
【0075】
該店員による商品指示動作は、該商品指示動作が動作検出処理基板111によって認識されることにより、前述したように店員を示す人物情報とともに商品指示情報が動作検出処理基板111から出力されることで、店員による商品指示動作有りと判定して(ステップS11でYes)、ステップS12の店員指示商品特定処理と、ステップS13の店員指示商品点灯表示処理とを実施する。
【0076】
具体的に店員指示商品特定処理においては、動作検出処理基板111から出力されてきた商品指示情報の座標に該当する座標範囲に対応する収納ボックス番号を、収納ボックス位置情報テーブルから特定するとともに、該収納ボックス番号に収納されている商品IDを商品管理テーブルから特定する。
【0077】
そして、店員指示商品点灯表示処理においては、店員指示商品特定処理にて特定した収納ボックス番号の収納ボックス40に設けられているマルチカラー表示部41の表示を黄色に点灯させる指示を棚コントローラ13に出力する。
【0078】
尚、棚コントローラ13は、黄色の点灯指示を受けたマルチカラー表示部41が、緑色に点灯されていない場合には該マルチカラー表示部41を黄色に点灯する一方、既に緑色に点灯されている場合には、該マルチカラー表示部41を橙色に点灯状態を更新する。
【0079】
このようにすることにより、図7(c)に示すように、陳列棚14における収納ボックス40のうち、店員が指差し動作により指示した商品が、遊技者が指示した商品と一致している場合には、黄色の点灯がされずに緑色の点灯が橙色に変化するので、これら一致していることを容易に認識できる一方、一致していない場合には緑色の点灯とともに黄色の点灯が併存するようになるので、一致していないことを容易に認識できる。
【0080】
尚、本実施例においては、ステップS9の遊技者指示商品特定処理とステップS10の遊技者指示商品点灯表示処理と同じく、ステップS12の店員指示商品特定処理と、ステップS13の店員指示商品点灯表示処理とが、店員による商品確定動作が検出されるまでの期間において繰返し実施されるようになっているので、前述したように、黄色の点灯がなされた場合において店員は、緑色に点灯されている収納ボックス40の位置と、黄色に点灯されている収納ボックス40の位置とに基づいて、指差し方向を修正して、緑色に点灯されている収納ボックス40の表示が橙色に変更されるように、つまり、会員遊技者と同一の商品を指示するようにする。
【0081】
このように、収納ボックス40のマルチカラー表示部41が橙色となることにより、会員遊技者が指示した商品と店員が指示した商品とが一致していることが確認できた段階において店員は、所定の確定動作、例えば、指差している手を握る動作を2回実施する。
【0082】
これら確定動作は、前述したように、動作検出処理基板111によって動作認識されることにより、該動作検出処理基板111から確定動作を検出した旨が出力されるので、該出力に応じて商品確定動作有りと判定されて(ステップS14でYes)、ステップS15に進み、指示商品が一致しているか否かが判定される。
【0083】
該判定で指示商品が一致していない場合、つまり、橙色に点灯されているマルチカラー表示部41が存在しない場合には、該確定動作を無効としてステップS8に戻る一方、指示商品が一致している場合には、該商品を遊技者並びに店員により最終的に指定された指定商品として確定して、該商品を収納している収納ボックス40(直近の店員指示商品特定処理にて特定した収納ボックス番号の収納ボックス40)のマルチカラー表示部41の表示を青色に点灯させる指示を棚コントローラ13に出力した後、ステップS16に進んで数量受付け処理を実施する。
【0084】
尚、本実施例では、ステップS8〜ステップS14を巡回実施することで、会員遊技者による商品の指定と平行して、店員による商品の指定を受付けるようにしているので、店員による確定動作の受付けのみを実施して、会員遊技者による確定動作の受付けを実施していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員遊技者が、希望商品が収納されている収納ボックス40のマルチカラー表示部41が緑色に点灯されたことを受けて確定動作を実施することで、該確定動作後において会員遊技者の動作が変更しても緑色に点灯されている収納ボックス40が移動せずに固定されるようにすることで、会員遊技者が指示動作を維持する時間を低減できるようにしても良い。
【0085】
ステップS16の数量受付け処理において会員遊技者は、数量指定動作、例えば、希望数に相当する本数の指を立てる等の動作を実施することで、該数量指定動作が動作検出処理基板111にて認識されて指定数量と指定した人物情報(遊技者)がCPU102に出力される。
【0086】
そして、会員遊技者の数量指定動作により交換数量を把握した店員も、会員遊技者と同じく、数量指定動作を実施することで、該数量指定動作が動作検出処理基板111にて認識されて指定数量と指定した人物情報(店員)がCPU102に出力される。
【0087】
CPU102は、これら動作検出処理基板111から出力される会員遊技者と店員との数量指定動作に基づく指定数量が一致すること、並びに、該指定数量がボックス残数の範囲内であることを条件に、ステップS17に進み、利用可能玉数が、該指定数量に指定商品の交換玉数を乗じた交換必要玉数以上であるかを判定する。尚、指定数量がボックス残数の範囲内でない場合には、残数エラーが表示装置107並びに遊技者用ディスプレイ16に表示され、改めて数量の受付けが実施される。
【0088】
利用可能玉数が交換必要玉数以上ではない場合には、指定数量エラーである旨を遊技者用ディスプレイ16並びに表示装置107に表示した後、ステップS16に戻って数量受付け処理を再度実施する一方、利用可能玉数が交換必要玉数以上である場合、つまり、該交換必要玉数の決済が可能である場合には、指定数量がOKである旨を遊技者用ディスプレイ16並びに表示装置107に表示した後、キャンセル動作または他商品希望動作の実施判定(ステップS18)、取出商品に付着されているRF−IDタグの読み取り実施判定(ステップS20)、取出完了動作の実施判定(ステップS24)を巡回実施する商品取出の監視状態に移行する。
【0089】
具体的に、ステップS18においては、両腕を交差させるキャンセル動作、双方の手を交互に回転させる他商品希望動作が店員または会員遊技者により実施されたか否かが判定され、キャンセル動作または他商品希望動作が実施された場合、つまり、キャンセル動作または他商品希望動作を検出した旨が動作検出処理基板111から出力された場合には、ステップS19に進み、取出商品返却処理を実施した後に、ステップS6に戻る。
【0090】
この取出商品返却処理においては、既に、ステップ20におけるRF−IDタグの読み取り検知に基づく取出数量が存在するか否かを判定し、該取出数量が存在する場合には、該指定商品の返却による取出数量と同一数のRF−IDタグの読み取りが有るか否かにより、取り出された指定商品が収納ボックス40に全て返却されたか否かを判定し、全て返却されたたことを条件に当該処理を終了してステップS6に進む。
【0091】
つまり、指定商品を収納ボックス40から取り出している途中において、例えば、他の商品に変更するために該指定商品の交換を中止する場合には、取り出した指定商品を元の収納ボックス40に戻すことで、他の商品の再指定が可能とされるようになっている。
【0092】
店員は、前述した指定数量がOKである旨が表示装置107に表示されたことを受けて、該指定数量の指定商品を、青色に点灯された指定商品を収納する収納ボックス40から取り出して、カウンタテーブル2の天板上に並べて置く。
【0093】
これら店員が、指定商品を取り出すために、収納ボックス40に手を挿入すると、該収納ボックス40に設けられている赤外線センサ43によって当該収納ボックス40への手の挿入が棚コントローラ13により検知されることで、陳列棚14に設けられている全てのタグリーダ42の状態を、電力消費の少ないスリープ状態から該指定商品に付着されているRD−IDタグを読み取り可能な付勢状態に移行させる。
【0094】
尚、タグリーダ42の状態は、指定商品の取り出しが完了して決済処理が実施されることにより、再度、電力消費の少ないスリープ状態に移行される。
【0095】
そして、店員によって指定商品が収納ボックス40から取り出される際にタグリーダ42の上部を通過することで、取り出される各指定商品に付着されているRD−IDタグから商品IDと各商品個体毎に個別に付与された識別情報である個体IDとが読み出されて、該読み出された商品IDと個体IDとが棚コントローラ13を介して景品交換用コンピュータ10に出力される。
【0096】
この出力により、景品交換用コンピュータ10のCPU102は、取出商品の商品IDの読み出し有りと判定し(ステップS20でYes)、該商品IDが、ステップS15で確定した指定商品の商品IDと一致しているか否かを判定し、一致している場合には、該個体IDが既に取り出し数量に加算された個体IDと同一でないことを条件に取り出し数量に加算する一方、一致していない場合、つまり、指定商品とは違う商品が取り出された場合には、ステップS22に進んで商品エラー処理を実施する。
【0097】
この商品エラー処理においてCPU102は、表示装置107に指定商品とは違う商品が取り出された旨の取り出しエラーを表示して報知するとともに、棚コントローラ13に指示を出力して、間違って取り出された商品を収納している収納ボックス40のマルチカラー表示部41を赤色に点滅点灯させて、取り出した商品が間違っていることを報知する。
【0098】
そして、間違って取り出された商品が該商品を収納している収納ボックス40に返却される際に、当該商品に付着されているRD−IDタグが読み取られたことを条件に、該商品エラー処理を終了してステップS20に戻る。
【0099】
店員は、指定数量の指定商品を取り出した後、所定の取出完了動作を実施して、取出が完了したことを景品交換用コンピュータ10に入力する。
【0100】
この店員による取出完了動作は動作検出処理基板111によって認識されることにより、前述したように店員を示す人物情報とともに取出完了動作を検出した旨が動作検出処理基板111から出力されることで、取出完了動作有りと判定して(ステップS24でYes)、ステップS25に進み、その時点の取出数量が指定数量に一致するか否かを判定する。
【0101】
該判定において指定数量に一致しない場合には、ステップS26に進み、取出数エラー処理を実施する一方、指定数量に一致する場合には、ステップS27に進んで、取り出した指定商品の商品IDと指定数量とを景品交換内容として一時記憶し、更に、利用可能玉数から交換必要玉数を減算更新するとともに、陳列棚14の点灯状態を無点灯の初期状態に変更する利用可能玉数減算処理を実施する。
【0102】
ステップS26の取出数エラー処理においてCPU102は、取出数量が指定数量よりも多いか否かを判定し、取出数量よりも多い場合には、表示装置107に取出数量が多い旨の取出数エラーを表示して報知するとともに、誤って多く取り出された指定商品が収納ボックス40に返却される際に、当該商品に付着されているRD−IDタグが読み取られる毎に取出数量を1つづつ減算更新し、再度、取出完了動作がされたことを条件にステップS25に戻る。
【0103】
一方、取出数量よりも少ない場合には、表示装置107に取出数量が少ない旨の取出数エラーを表示して報知した後、ステップS20に移行する。
【0104】
ステップS28においては、利用可能玉数減算処理において減算更新された新たな利用可能玉数が、最小交換玉数未満であるか否かを判定し、最小交換玉数未満である場合、つまり、それ以上の景品交換が不能である場合には、決済処理に移行する一方、最小交換玉数以上である場合には、ステップS29に進み、所定の交換継続動作が動作検出処理基板111によって検出されたか否かを判定し、交換継続動作が検出された場合には、ステップS6に進み、交換継続動作が検出されない場合には、所定の決済動作が動作検出処理基板111によって検出されたか否かを判定し、決済動作が検出された場合には、決済処理を実施した後、ステップS1に戻る一方、決済動作が検出されない場合には、ステップS29に戻る。
【0105】
決済処理においては、受付け中のカードのカードIDと、一時記憶している各指定商品の交換に必要とされる交換必要玉数の合計である総交換必要玉数とを含む決済要求を管理コンピュータに送信して、該管理コンピュータにおいてカードIDに対応して記憶されている貯玉数或いは計数玉数から総交換必要玉数を減算更新させる。
【0106】
そして、管理コンピュータから更新完了を受信したことに応じて、受付け中のカードが会員カードである場合には、該会員カードをカードリーダライタ15から排出させて返却し、受付け中のカードが計数カードである場合には、総交換必要玉数を減算した後の新たな計数玉数が最小交換玉数以上である場合には、該計数カードをカードリーダライタ15から排出させて返却し、新たな計数玉数が最小交換玉数未満である場合には、該計数カードをカードリーダライタ15内部に回収する。尚、これらカードの返却、回収に伴って、該景品交換の景品交換履歴が景品交換履歴データに追加記憶されるとともに商品管理テーブルのボックス残数等が更新された後、該景品交換の内訳が印刷されたレシートがプリント装置108から発行される。
【0107】
店員は、これら発行されたレシートとともに、カウンタテーブル2の天板上に並べて置いた指定商品を会員遊技者に手渡して景品交換を完了させる。
【0108】
以上、本実施例によれば、取引客となる遊技者は、取引となる景品交換を所望する商品が指定商品報知手段となる陳列棚14によりマルチカラー表示部41が点灯されて報知されるように動作することで、景品交換を所望する商品を指定することができるようになるために、商品の口頭による店員への伝達や景品交換用コンピュータ10を直接操作することなく所望の商品を店員に認知させつつ指定できるので、環境騒音が大きい店舗である遊技場であっても、商品の取引を行う際における取引商品の指定を、混乱を生じることなく実施することができる。
【0109】
つまり、従来においては、遊技者が景品交換を希望する商品を口頭によって遊技場の店員に伝えて該店員が遊技者により発声された当該商品を選択操作して商品指定するが、これら口頭によって交換を希望する商品を指定する場合には、遊技者により発声された商品名を周囲の騒音によって店員が良好に聞き取りできずに混乱を招くことがあることから、引用文献1に示すように、遊技者自身が、店員を介さずに商品指定するものがあるが、本発明によれば、商品の口頭による店員への伝達や景品交換用コンピュータ10を直接操作することなく所望の商品を店員に認知させつつ指定できるので、これら遊技者自身が、直接操作することにより、操作に時間がかかることによって装置が混雑してしまうことにより返って混乱を生じたり、誤った操作を実施することで装置に不具合が生じたり、或いは、希望しない商品と交換してしまう等の混乱を生じてしまう等の問題とともに、環境騒音が大きい店舗おいて、商品の口頭による店員への伝達が困難となることにより混乱を生じてしまう等の問題についても解決することができる。
【0110】
また、本実施例によれば、遊技者が所有している所有価値の大きさである利用可能玉数にて交換可能な交換可能商品を収納する収納ボックス40のマルチカラー表示部41が白色に点灯されて報知されるので、遊技者(取引客)は、いずれの商品が交換可能であるのかを容易に把握することができる。
【0111】
また、本実施例によれば、遊技者(取引客)の動作により特定された商品が、交換可能商品の報知態様である白色の点灯とは異なる特定態様となる緑色の点灯態様にて報知されるので、取引可能な商品の報知を実施することによって、遊技者(取引客)が、自身の動作によって特定されている商品がどの商品であるのかを把握しずらくなってしまうことを回避できる。
【0112】
また、本実施例によれば、商品の提供を行う店員から指定を受付けた商品と遊技者(取引客)の動作により特定される商品、つまり遊技者が指示した商品とが一致しないと決済が実施されないので、遊技者(取引客)が景品交換を希望する商品を店員が間違って認識することにより、該希望する商品とは異なる商品が誤って決済されてしまうことを防止できる。
【0113】
また、本実施例によれば、店員による商品指示も、動作により実施できるため、店員も、遊技者(取引客)の動作により特定された所望商品の入力、つまり、確認入力を、遊技者(取引客)に口頭による伝達をすることなく実施できるので、これら確認入力における混乱を防止できるとともに、該店員により確認入力される商品を店員のみならず遊技者(取引客)も把握することができるので、これら店員による商品の指定間違いを著しく低減することができる。
【0114】
また、本実施例によれば、店員が所定の確定動作を実施することで、その時点において店員の動作にて特定された商品が、該店員が最終的に指定した指定商品として確定されるので、これら指定商品として確定せるための確定操作についても、いちいち入力装置に戻ることなくその場における動作によって実施できるので、これら商品の指定における店員の負担を低減できる。
【0115】
また、本実施例によれば、遊技者(取引客)が指定した商品とは異なる商品が、遊技者(取引客)への提供のために誤って陳列棚14から移動されて商品識別情報である商品IDが読み取られたときには、該商品が遊技者(取引客)により指示された商品ではない旨が表示装置107に表示されて報知されるので、陳列棚14からの商品提供における商品間違いを防止できる。
【0116】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0117】
例えば、前記実施例では、店員の手を2回繰り返し握る動作を確定動作としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、店員が商品を取り出そうとする動作を確定動作とするようにしても良く、このようにすることで、店員は、確定動作を意識することなく商品を確定させることができる。
【0118】
また、前記実施例では、店員が遊技者から1つづつ商品の指定を受付けて、該商品の取り出しを実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が一度に複数の商品を指定することができるようにしても良い。
【0119】
つまり、前述したように、店員のみではなく遊技者の確定動作を検出するようにして、これら確定動作をステップS14にて検出した場合には、該確定動作の検出する直前においてステップS9の遊技者指示商品特定処理にて特定し、ステップS10の遊技者指示商品点灯表示処理にて、例えば、緑色の点滅表示にて指示を報知している商品の商品IDを記憶するとともに、緑色の点滅表示を連続表示に変更することで該商品の指定が有効に記憶されていることを報知する処理を実施した後、再度、ステップS8に戻って遊技者の動作検出を実施することで、遊技者が店員の確認指定をいちいち受けることなしに、複数の商品の指定を連続して実施できるようにしても良い。
【0120】
尚、この場合においては、前記実施例のように、店員の確定動作があった場合に商品の一致を判定するステップS15に移行するのではなく、確定動作があった場合には、遊技者の場合と同様に、該確定動作の検出する直前においてステップS12の店員指示商品特定処理にて特定し、ステップS13の店員指示商品点灯表示処理にて、例えば、黄色の点滅表示(既に緑色が点灯されている場合には交互点灯等を行う)にて指示を報知している商品の商品IDを記憶するとともに、黄色の点滅表示を連続表示(既に緑色が点灯されている場合には上下辺と左右辺に分割して部分的に緑色と黄色の連続点灯を行う)に変更することで該商品の指定が有効に記憶されていることを報知する処理を実施した後、再度、ステップS11に戻って店員の動作検出を実施することで、遊技者による複数の商品の指定を受けて店員も連続して商品の確認指定を実施できるようにし、これら指定が完了した場合において、店員が完了動作をすることで、該完了動作がステップS14にて検出されることで、ステップS15に進み、遊技者が指定した商品として記憶されている商品の商品IDと、店員が指定した商品として記憶されている商品の商品IDとが全て一致するか否かを判定するようにすれば良い。
【0121】
また、これら遊技者や店員による商品の指定とともに、該商品の数量を動作にて受付けて、商品IDとともに記憶しておき、該数量も一致するか否かを判定するようにしても良い。
【0122】
また、前記実施例では、取引客が一人の場合について例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、景品交換のためにカウンタに並んで待機している待機遊技者用の表示装置を設けるとともに、店員が対応中の遊技者と待機遊技者を動作認識処理基板111により識別して登録し、店員が対応している先頭の遊技者の動作とともに、該遊技者の後方に並んでいる待機遊技者についても動作検出を平行して実施して、該動作により特定される商品を待機遊技者用の表示装置に表示するとともに記憶しておき、該待機遊技者が店員の対応を受けるときに、該記憶しておいた商品が収納されている収納ボックス40のマルチカラー表示部41を緑色に点灯させ、店員が該緑色に点灯され収納ボックス40の商品を取り出す確定動作を実施することで該商品の確認指定が実施されるようにしても良い。
【0123】
尚、この場合には、上記したように、待機遊技者の確定動作を検出することで、複数の商品の指定受付けを事前に実施して、該指定された各商品を待機遊技者用の表示装置に表示して待機遊技者が確認できるようにすることで、該待機遊技者が先頭になったときに、商品の指示動作を全く実施する必要がなくなるので、景品交換をより一層スムーズに実施することができる。
【0124】
また、前記実施例では、店舗として遊技場を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら店舗としては、環境音が大きい店舗、例えば、野球場のように歓声等による環境音が大きな施設に設置されて飲食物等を提供する小規模の店舗や、駅等の電車による騒音が大きな場所に設置されている小規模の店舗や、カラオケやディスコ等のように音量の大きな音楽等が流されている店舗等であっても良く、これらの店舗においては、取引としては景品交換ではなく商品の販売が取引に該当する。
【0125】
また、前記実施例では、遊技者が所有する利用可能玉数にて交換可能な商品を報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知を実施しないようにしても良い。
【0126】
また、前記実施例では、店員からも商品の指定入力を動作により実施できるようにすることで、商品の確認入力を景品交換用コンピュータ10の場所にいちいち戻って実施する必要がなく、その場における動作により指定入力を実施できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの商品の指定入力を、景品交換用コンピュータ10の入力装置106を構成するタッチパネルにおいて実施するようにしても良いし、更には、これら商品の指定入力を実施しない構成としても良い。
【0127】
また、前記実施例では、確定操作も確定動作により実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確定操作については、高い確実性を得るために、景品交換用コンピュータ10の入力装置106による操作にて受付けるようにしても良い。
【0128】
また、前記実施例では、商品にRF−IDタグを付着して、該RF−IDタグから読み取った商品IDが、遊技者が指定した商品の商品IDと一致するか否かを照合することにより商品の取り出し間違いを防止するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらRF−IDタグの読み取りによる取り出し商品の照合を実施しない構成としても良い。
【0129】
また、前記実施例では、点灯する色の違いにより、遊技者が指示した商品(緑色)と、店員が指示した商品(黄色)と、交換可能商品(白色)とを識別できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら報知の態様としては、点灯色を同一として、点灯部分の位置の違いや、点滅する速度の違いや点滅部分の移動速度の違い等の点灯パターンの違いによって識別可能に報知するようにしても良い。
【0130】
また、前記実施例では、景品交換履歴を外部に送信していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら景品交換履歴を決済処理において景品交換用コンピュータ10が外部の管理装置に送信することで、該景品交換用コンピュータ10がPOS端末の機能を有するようにしても良い。
【符号の説明】
【0131】
1 景品交換装置
2 カウンタテーブル
10 景品交換用コンピュータ
11 第1撮像ユニット
11a 第1赤外光放射部
11b 第2赤外光放射部
11c 赤外線撮像部
12 第2撮像ユニット
12a 第1赤外光放射部
12b 第2赤外光放射部
12c 赤外線撮像部
13 棚コントローラ
14 陳列棚
15 カードリーダライタ
16 遊技者用ディスプレイ
102 CPU(中央演算処理ユニット)
105 記憶装置
107 表示装置
111 動作認識処理基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置され、該店舗において取引される複数種類の商品のうちから少なくとも1の商品の指定を指定者から受付けて、該指定を受付けた商品の取引を行う商品取引装置であって、
指定者を撮像するための指定者撮像手段と、
前記指定者撮像手段にて撮像した画像に基づいて、該撮像されている指定者の動作を認識する指定者動作認識手段と、
陳列棚において指定者が目視可能に陳列された前記店舗にて取引可能な各商品のうち、前記指定者動作認識手段にて認識された指定者の動作により特定される商品を、該指定者が指定する商品として視覚により認識可能に報知する指定商品報知手段と、
前記指定商品報知手段にて報知した商品に設定されている取引価値の大きさを決済する決済手段と、
を備えることを特徴とする商品取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−210309(P2012−210309A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77178(P2011−77178)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】