説明

商品登録処理装置のサッカー台

【課題】 一人の客が購入する商品が多い場合であっても会計処理の効率を下げないようすることである。
【解決手段】 入力装置3の左右に買い物籠置き台7と登録後商品置き台8とによるサッカー台2を配設した商品登録処理装置1において、前記登録後商品置き台8に折り曲げ自在で中心部を軸12として回転する拡張台9を取り付け、前記拡張台9を平坦状態に開くことにより前記登録後商品置き台8の商品を置くことができる面積を拡張するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等で商品の登録処理を行うために使用される商品登録処理装置のサッカー台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等で商品の登録処理を行うために使用される商品登録処理装置においては、会計処理中の客への負担軽減、商品を袋詰めするためのスペース削減、一人の客に必要な時間を短縮するといった目的で、商品のチェック作業と商品を袋詰めする作業とのそれぞれに人を当てて二人で会計処理をする場合がある。
【0003】
【特許文献1】実公平4−45543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように二人で会計処理をする場合において、一人の客の商品数が多い時には、袋詰め作業が間に合わなくなる場合があり、商品のチェック作業では次の客のために移行できる準備ができたとしても、サッカー台には登録後の商品を置くスペースがなく、商品の袋詰め作業が終了するまで次の商品のチェック作業を待たなければならない。そのため、商品の登録処理の効率が悪いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、入力装置の左右に買い物籠置き台と登録後商品置き台とによるサッカー台を配設した商品登録処理装置において、前記登録後商品置き台に折り曲げ自在で中心部を軸として回転する拡張台を取り付け、前記拡張台を平坦状態に開くことにより前記登録後商品置き台の商品を置くことができる面積を拡張するようにしたものである。
【0006】
また、そのために使用される拡張台は中心部を含む直交線で四分割され、それぞれの直交線に沿って直角に折り曲げ可能にヒンジ結合されているものである。
【発明の効果】
【0007】
サッカー台の登録後商品置き台の面積を実質的に大きくすることができるため、登録後の商品が多くても次の会計処理を行うことができ、処理速度の遅滞を招かない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。まず、商品登録処理装置1は、サッカー台2の略中央に入力装置3を立設して構成されている。この入力装置3は、前面に開口したスキャナ4を有し、上部にはキーボード5による操作部とディスプレイ6とが配設されている。また、前記サッカー台2の上面は、前記入力装置3の右側が買い物籠置き台7であり、左側が登録後商品置き台8として機能する。そして、買い物客は、購入しようとする商品を入れた買い物籠を買い物籠置き台7において待機するものであるが、二人制で登録処理をする場合には、一人が入力装置3の正面に立って個々の商品をスキャナ4で読み取り、また、必要に応じてキーボード5を操作して予め左側の登録後商品置き台8に置かれた買い物籠に入れる。さらに、他の一人は、登録後商品置き台8に置かれた買い物籠から商品を袋詰めする作業を行う。このようにして、店側のオペレータと買い物客とが対面して商品の登録処理を行って会計処理が終了する。
【0009】
ついで、前記サッカー台2の前記登録後商品置き台8には、拡張台9が取り付けられている。この拡張台9は、中心に中心部となる軸穴10が形成されており、この軸穴10を中心に直交線a、bでA、B、C、Dの各片に四分割され、かつ、A、B、C、Dの各片は、直交線a、bに沿って裏側に設けられたヒンジ11により互いに隣り合う二つの片を単位として直角に折り曲げ可能に設けられている。すなわち、AとB、BとC、CとD、DとAの単位で折り曲げが可能である。また、前記登録後商品置き台8の手前側の縁部には、前記拡張台9の前記軸穴10が嵌合する軸12が設けられている。この軸12は、前記拡張台9を回転自在に保持するものである。このとき、前記拡張台9の直交線a、bは、前記登録後商品置き台8の手前側の縁部に略一致するように位置決めされている。さらに、前記登録後商品置き台8には、手前側に水平に突出して前記拡張台9の下部を保持して前記拡張台9が開いた状態を維持し、かつ、前記拡張台9を閉じるときには下方へ回動する保持枠13が設けられている。この保持枠13の側面には、止めバー14の上端が回動自在に取り付けられており、前記止めバー14には下方に段部15が形成された長穴16があり、この長穴16の段部15が止めピン17に係脱することにより前記保持枠13は水平状態と垂直状態を維持するように構成されている。なお、前記保持枠13は、支軸18に回動自在に取り付けられたL字形の金具19で支持されているものであり、水平状態ではその上面がサッカー台2の登録後商品置き台8の上面と一致し、下向きに下げた状態ではその上面がサッカー台2の手前側の面に一致するように設けられている。
【0010】
このような構成において、通常の状態においては、図3に示すように、拡張台9の半分を折り曲げた状態に維持して、例えば、拡張台9のA、Bの片を登録後商品置き台8として使用する。そして、多くの商品を購入する客がいた場合には、図2に示すように、拡張台9のC、Dを水平状態まで開く。このとき、保持枠13を水平状態に維持する。この保持枠13の水平状態の維持は、止めバー14の段部15に止めピン17を係合させることにより可能である。したがって、保持枠13が水平であることにより、拡張台9も図2に示すように、全体が開いた状態に維持されている。そこで、最初に買い物籠を拡張台9の片Bに載せ、一杯になったら拡張台9を1/4回転だけ回動させて片Bを片Aが位置していた位置まで移動させる。これにより、最初の片Bがあったところには片Cが位置することになり、この片Cの上は空いているので、次の客のために使用することができる。前の客の買い物籠がさらに多い場合には、拡張台9をさらに1/4回転させることにより、二個の買い物籠を拡張台9上に置くことができる。
【0011】
このようにして拡張台9を回動させることにより、買い物籠を置く場所が増えることになり、一人の客が購入した商品の数が多くても会計処理が停滞することがなく、次の客のために並行的に会計処理を行うことができる。
【0012】
また、客の流れが良い場合には、止めピン17から止めバー14の段部15を外して保持枠13を下向きにし、図3に示すように拡張台9の半分を垂直状態の不使用状態とする。なお、拡張台9の折曲は、直線a又は直線bの何れでも可能であるため、図2から図3に示す状態に移行するときに、拡張台9の回動角度を最小限にすることができる。
【0013】
なお、デスク類の補助板折畳み装置として特許文献1に示したものが公知であるが、特許文献1に示されたものは単なる起伏だけであり、本実施の態様においては、起伏するのみならず回動動作を行わせることにより、使用位置の多様化を図った点で公知技術とは全く相違しているものである。
【0014】
本発明は前述のように構成したので、商品のチェック作業と商品の袋詰め作業とがバランスよく進行している場合には、拡張台を開くことなく畳んだ状態で作業が行われるが、一人当たりの客の商品数が多くて袋詰め作業に時間がかかる場合には、拡張台を開いて登録後商品置き台の商品を置くことができる面積を拡張し、この拡張部分に買い物籠を置いて袋詰めをすることができ、これにより、つぎの商品のチェック作業を平行して行うことができ、作業効率が低下することがないものである。すなわち、多くの商品を購入する客がいても、会計業務を停滞させることなくスムーズに処理できるものである。また、拡張台の使用方法は、それを開くだけではなく、中心部を軸として回転させることができるため、買い物籠の移動も容易であり、かつ、拡張台は中心部を含む直交線で四分割され、それぞれの直交線に沿って直角に折り曲げ可能にヒンジ結合されていることから、回転後の拡張台を元に戻すことなく、そのままの位置で折り畳むことも可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の態様を示すもので、拡張台を分解した状態の斜視図である。
【図2】拡張台は開いた状態の斜視図である。
【図3】拡張台を閉じた状態の斜視図である。
【図4】拡張台の斜視図である。
【図5】拡張台を裏面から見た状態の斜視図である。
【図6】保持枠を水平に維持した状態の側面図である。
【図7】保持枠を畳んだ状態の側面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 商品登録処理装置
2 サッカー台
3 入力装置
7 買い物籠置き台
8 登録後商品置き台
9 拡張台


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置の左右に買い物籠置き台と登録後商品置き台とによるサッカー台を配設した商品登録処理装置において、前記登録後商品置き台に折り曲げ自在で中心部を軸として回転する拡張台を取り付け、前記拡張台を平坦状態に開くことにより前記登録後商品置き台の商品を置くことができる面積を拡張するようにしたことを特徴とする商品登録処理装置のサッカー台。
【請求項2】
拡張台は中心部を含む直交線で四分割され、それぞれの直交線に沿って直角に折り曲げ可能にヒンジ結合されていることを特徴とする請求項1記載の商品登録処理装置のサッカー台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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