説明

商品識別装置、方法及びプログラム

【課題】所定の範囲の商品に付されている商品ラベルを撮影することにより、当該商品を特定し、その商品属性をユーザに提供可能な商品識別装置等を提供する。
【解決手段】商品識別装置1は、識別したい商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付部11と、その画像を所定の分割ルールで所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割部12と、分割した複数の商品ラベル分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を所定の選択ルールで選択する識別要求商品ラベル分割画像選択部13と、商品属性データベース31に記憶された所定数の商品ラベル分割画像と識別要求商品ラベル分割画像選択部13によって選択された商品ラベル分割画像とを比較して、当該選択された商品ラベル分割画像に最も類似する商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された商品の属性を抽出する商品識別部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品識別装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の外観あるいは商品に付されたコード等により、商品の内容を詳細に把握するための種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば、商品の容器外面に、その商品に関する情報を確認するためのインターネットサイトのURLの情報を表示した二次元コードを付することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によると、ユーザは、商品に付された二次元コードを撮影し、その撮影した二次元コードから得られるURLにアクセスすることにより、その商品に関する詳細情報を把握することができる。
【0004】
また、端末装置とネットワークを介して接続された処理サーバであって、商品画像データ及び商品情報の項目データ(商品名、価格、商品詳細)が予め記憶されたデータベースと、端末装置から送信された商品の画像を受信したことに応じて、その受信した商品の画像に類似する商品画像データ及びこの商品画像データに対応する項目データを取得する商品情報取得手段と、その取得したデータを端末装置に送信する送信手段とを備える処理サーバが知られている(例えば、特許文献2参照)。この処理サーバによると、端末のユーザは、商品を撮影し、その撮影した商品の画像を処理サーバに送信することにより、商品名、価格及び商品詳細を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−234656号公報
【特許文献2】特開2006−285654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、商品提供者は、店舗に陳列された様々な商品の属性をユーザに正しく詳細な情報を伝えようとする場合、すべての商品に二次元コードを個別に付さなければならず、それだけでも商品提供者に多大な負担を課すことになる。また、この負担を軽減するために、特許文献2に基づき、二次元コードではなく、商品画像を撮影し、それをサーバへ送信し、サーバが商品に関する正しく詳細な情報をユーザに伝えようとしても、特許文献2に記載の発明では、大量の商品画像データをデータベースに記憶しなければならない。
大量の商品画像データを端末装置すなわち携帯電話端末機その他の携帯端末機に格納する場合には、端末装置内部の記憶容量が限られているので、端末装置内部の記憶領域に多量の商品画像データを保存することには限界がある。その結果、特許文献2の図1及び図2に記載のように、端末装置から処理サーバに接続しなければ、ユーザは商品情報を取得することはできない。さらに、特許文献2に記載の発明では、商品画像データの画像識別技術に基づいているため、撮影された画像から当該製品を一意に特定することが問題となる。なぜなら製品の外観だけから見れば極めて類似した製品が多く販売されているからである。また、当該データベースに新たな商品画像データを加えていくたびに、当該商品画像データに対応する項目データを商品情報取得手段が取得する際の精度が低下する可能性がある。

【0007】
本発明は、所定の範囲の商品に付されている商品ラベルを撮影することにより、当該商品を一意に特定し、その商品属性をユーザに提供する商品識別装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
(1) 所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とが記憶される商品属性データベースと、いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付手段と、前記識別要求商品ラベル画像受付手段により受け付けられた識別要求商品ラベルの画像を、所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割手段と、前記識別要求商品ラベル画像分割手段により分割された複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する識別要求商品ラベル分割画像選択手段と、前記商品属性データベースに記憶された前記所定数の商品ラベル分割画像と前記識別要求商品ラベル分割画像選択手段によって選択された識別要求商品ラベル分割画像とを比較して前記識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した前記商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された前記商品の属性を抽出する商品識別手段と、を備える商品識別装置。
【0010】
(1)に記載の発明によれば、商品のラベルがいずれの商品のラベルであるかの識別の要求に応じて、識別要求商品ラベル画像受付手段は、その要求に係る識別要求商品ラベルの画像を受け付ける。また、識別要求商品ラベル画像分割手段は、識別要求商品ラベル画像受付手段により受け付けられた識別要求商品ラベルの画像を、商品属性データベースに記憶された所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割し、識別要求商品ラベル分割画像選択手段は、識別要求商品ラベル画像分割手段により分割された複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する。そして、商品識別手段は、商品属性データベースに記憶された所定数の商品ラベル分割画像と識別要求商品ラベル分割画像選択手段によって選択された識別要求商品ラベル分割画像とを比較して、識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された商品の属性を抽出することで、識別要求商品ラベルを貼付した商品が所定数の商品のうち、いずれの商品であるかを識別する。これにより、所定の範囲の商品に付されている商品ラベルを撮影することにより、当該商品を特定し、その商品属性をユーザに提供する商品識別装置を提供できる。
【0011】
(2) 前記所定数の商品ラベル画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とを受け付ける商品情報受付手段と、前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれを前記所定の分割ルールにしたがって分割する商品ラベル画像分割手段と、前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、前記商品ラベル画像分割手段により分割された複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を前記所定の選択ルールにしたがって選択する商品ラベル分割画像選択手段と、前記商品ラベル分割画像選択手段により選択された所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する商品ラベル分割画像判別手段と、前記商品ラベル分割画像判別手段により識別可能であると判別された場合には、前記商品ラベル画像分割手段による分割、前記商品ラベル分割画像選択手段による選択及び前記商品ラベル分割画像判別手段による判別をさらに繰り返す繰返し手段と、前記商品ラベル分割画像判別手段により識別可能でないと判別された場合には、前記商品ラベル分割画像判別手段により識別可能であると最後に判別された前記所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて前記商品属性データベースに記憶させ、さらに、前記識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を前記所定の回数として所定の記憶領域に記憶させる記憶制御手段と、をさらに備える(1)に記載の商品識別装置。
【0012】
(2)に記載の発明によれば、商品識別装置は、商品ラベル分割画像判別手段により識別可能でないと判別されるまでの間、所定数の商品ラベル画像の分割を何度でも繰り返し、商品ラベル分割画像判別手段により識別可能でないと判別された場合に、商品ラベル分割画像判別手段により識別可能であると最後に判別された所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて商品属性データベースに記憶させ、さらに、識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を所定の回数として所定の記憶領域に記憶させる。
【0013】
このことにより、ユーザは、当該商品識別装置が提供する最小限のデータ量の商品属性データベースを用いることにより、ネットワークに接続することができない環境であっても、携帯端末等で商品ラベルの画像を撮影するだけで商品の属性を把握することができる。さらに、当該商品属性データベースには、新たな商品ラベル画像を加えると、所定の分割ルール、所定の選択ルール及び繰り返し回数が更新され、常に所定数の商品ラベル画像を互いに識別可能な最小限の商品ラベル分割画像を記憶することになるため、新たな商品ラベル画像を加えても当該商品ラベル画像の識別精度を一定のレベルに保つことができる。
【0014】
(3) 所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とが記憶される商品属性データベースを有する商品識別装置が商品の属性を抽出する方法であって、いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付工程と、前記識別要求商品ラベル画像受付工程で受け付けた識別要求商品ラベルの画像を、所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割工程と、前記識別要求商品ラベル画像分割工程で分割した複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する識別要求商品ラベル分割画像選択工程と、前記商品属性データベースに記憶された前記所定数の商品ラベル分割画像と前記識別要求商品ラベル分割画像選択工程で選択した識別要求商品ラベル分割画像とを比較して前記識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した前記商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された前記商品の属性を抽出する商品識別工程と、を含む方法。
【0015】
(4) 前記所定数の商品ラベル画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とを受け付ける商品情報受付工程と、前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれを前記所定の分割ルールにしたがって分割する商品ラベル画像分割工程と、前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、前記商品ラベル画像分割工程で分割した複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を前記所定の選択ルールにしたがって選択する商品ラベル分割画像選択工程と、前記商品ラベル分割画像選択工程で選択した所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する商品ラベル分割画像判別工程と、前記商品ラベル分割画像判別工程で識別可能であると判別した場合には、前記商品ラベル画像分割工程による分割、前記商品ラベル分割画像選択工程による選択及び前記商品ラベル分割画像判別工程による判別をさらに繰り返す繰返し工程と、前記商品ラベル分割画像判別工程で識別可能でないと判別した場合には、前記商品ラベル分割画像判別工程で識別可能であると最後に判別した前記所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて前記商品属性データベースに記憶させ、さらに、前記識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を前記所定の回数として所定の記憶領域に記憶させる記憶制御工程と、をさらに含む(3)に記載の方法。
【0016】
(5) 所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とが記憶される商品属性データベースを有する商品識別装置に商品の属性を抽出させるためのプログラムであって、いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付工程と、前記識別要求商品ラベル画像受付工程で受け付けた識別要求商品ラベルの画像を、所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割工程と、前記識別要求商品ラベル画像分割工程で分割した複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する識別要求商品ラベル分割画像選択工程と、前記商品属性データベースに記憶された前記所定数の商品ラベル分割画像と前記識別要求商品ラベル分割画像選択工程で選択した識別要求商品ラベル分割画像とを比較して前記識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した前記商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された前記商品の属性を抽出する商品識別工程と、を実行させるためのプログラム。
【0017】
(3)に記載の方法によれば、当該方法の使用をすることにより、(1)と同様の効果が期待できる。(4)に記載の方法によれば、当該方法の使用をすることにより、(2)と同様の効果が期待できる。また、(5)に記載のプログラムによれば、当該プログラムの生産、使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をすることにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、所定の範囲の商品に付されている商品ラベルを撮影することにより、当該商品を特定し、その商品属性をユーザに提供し、さらに、当該商品を特定するための記憶容量が少ない商品属性データベースを提供する商品識別装置、方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る商品識別装置1を説明するための概略構成を示す図である。
【図2】商品ラベル画像の分割・選択の例を示す図である。
【図3】図2に続く図である。
【図4】図3に続く図である。
【図5】商品識別装置1による商品属性DB作成タスクのフローチャートを示す図である。
【図6】商品識別装置1による商品識別タスクのフローチャートを示す図である。
【図7】商品識別装置1を用いて作成した商品属性データベース31の例を示す図である。
【図8】変形例に係る商品属性データベース31の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0021】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る商品識別装置1を説明するための概略構成を示す図である。
【0022】
商品識別装置1は、所定数の商品のうち、いずれの商品であるかを識別するための装置であり、商品を陳列する店舗内で見つけた商品のラベルをその場で撮影できるという点で、カメラ付き携帯電話端末その他撮影機能付き携帯端末であることが好ましい。商品識別装置1は、制御部10と、記憶部30とを備える。制御部10は、商品識別装置1に係る各機能を統括的に制御する部分であり、商品識別機能に関する主な構成として、識別要求商品ラベル画像受付部11、識別要求商品ラベル画像分割部12、識別要求商品ラベル分割画像選択部13及び商品識別部14を備える。一方、記憶部30は、商品識別装置1として機能させるための各種プログラム(図示省略)やデータベースを記憶する部分であり、例えば、商品属性データベース31を備える。
【0023】
まず、記憶部30から説明すると、商品属性データベース31には、後述の図7に例示されるように、所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性(例えば、その商品に関する詳細な情報を確認するためのインターネットサイトのURL等)とが記憶される。
【0024】
次に、制御部10について説明する。識別要求商品ラベル画像受付部11は、所定数の商品のラベルのうち、いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける。識別要求商品ラベル画像受付部11は、識別要求商品ラベル画像受付手段として機能する。この画像の受け付けは、ユーザが、店頭に陳列されている商品の中から自ら関心のある商品を選び、その選んだ商品のラベルを撮影し、その撮影したラベルがいずれの商品のラベルであるかの識別を要求することによって行われる。商品の撮影は、正面から行うことが好ましいが、店頭に並べられている商品の場所によっては、商品を正面から撮影できず、商品を横から、斜めから、あるいは、逆さまの位置から撮影せざるを得ないこともあり得るため、識別要求商品ラベル画像受付部11は、ユーザが撮影した画像に一定の補正を行い、正面からの商品ラベル画像に修正してから識別要求商品ラベルの画像として受け付けることが好ましい。
【0025】
識別要求商品ラベル画像分割部12は、識別要求商品ラベル画像受付部11により受け付けられた識別要求商品ラベルの画像を、商品属性データベース31に記憶された所定の分割ルールにしたがって分割する。「所定の分割ルール」については、後に図2ないし図4を参照しながら詳しく説明する。識別要求商品ラベル画像分割部12は、識別要求商品ラベル画像分割手段として機能する。
【0026】
識別要求商品ラベル分割画像選択部13は、識別要求商品ラベル画像分割部12により分割された複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を商品属性データベース31に記憶された所定の選択ルールにしたがって選択する。「所定の選択ルール」については、後に図2ないし図4を参照しながら詳しく説明する。識別要求商品ラベル分割画像選択部13は、識別要求商品ラベル分割画像選択手段として機能する。
【0027】
商品識別部14は、まず、商品属性データベース31に記憶された所定数の商品ラベル分割画像と識別要求商品ラベル分割画像選択部13によって選択された識別要求商品ラベル分割画像とを比較して識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する商品ラベル分割画像を抽出する。そして、商品識別部14は、その抽出した商品ラベル分割画像に関連付けて商品属性データベース31に記憶された商品の属性を抽出することで、識別要求商品ラベルを貼付した商品がいずれの商品であるかを識別する。商品識別部14は、商品識別手段として機能する。
【0028】
ところで、制御部10は、先に述べた構成のほか、商品属性DB作成機能に関する主な構成として、商品情報受付部21、商品ラベル画像分割部22、商品ラベル分割画像選択部23、商品ラベル分割画像判別部24、繰返し部25及び記憶制御部26等を備える。一方、記憶部30は、商品識別装置1として機能させるための各種プログラム(図示省略)やデータベースを記憶する部分であり、商品属性データベース31等を備える。
【0029】
商品情報受付部21は、所定数の商品ラベル画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とを受け付ける。この商品情報受付部21は、商品ラベル画像受付手段として機能する。本実施形態では、商品が「ワイン」であり、商品情報受付部21がワインの商品ラベル画像を受け付けるものとして説明するが、商品は、「ワイン」に限定されるものでなく、ラベルを貼付した商品であれば、日本酒、焼酎等どのような商品であってもよい。
【0030】
商品情報受付部21が受け付ける商品ラベル画像の数は、任意に定めることができるが、商品識別装置1が多くの商品を識別できるようにするには、できるだけ大きい数であることが好ましい。一方、商品識別装置1の記憶領域が限られることを踏まえると、商品情報受付部21が受け付ける商品ラベル画像の数は、できるだけ少ない数であることが好ましい。両者の均衡を図ると、商品情報受付部21は、一の種類の商品についてできるだけ多くの商品ラベル画像を受け付け、商品識別装置1は、この商品ラベル画像に基づく商品属性データベース31を作成するということを商品ごとに繰り返すことが好ましい。つまり、商品「ワイン」についてできるだけ多くの商品ラベル画像を反映した商品属性データベース、商品「日本酒」についてできるだけ多くの商品ラベル画像を反映した商品属性データベース、商品「焼酎」についてできるだけ多くの商品ラベル画像を反映した商品属性データベース、・・・といったように、商品識別装置1は、一の商品についてできるだけ多くの商品ラベル画像を反映させた商品属性データベースを商品ごとに作成することが好ましい。
【0031】
商品ラベル画像の受け付けは、どのような態様であってもよく、例えば、撮影装置を用いて撮影した画像を取り込むようにしてもよいし、スキャナでスキャンした画像を取り込むようにしてもよい。
【0032】
商品の属性としては、その商品に備わっている固有の性質、特徴その他その商品の特徴を現すものをいい、例えば、その商品に関する情報を提供するインターネットサイトのURLの情報等が挙げられる。
【0033】
商品ラベル画像分割部22は、商品情報受付部21が受け付けた所定数の商品ラベル画像のそれぞれを所定の分割ルールにしたがって分割する。そして、商品ラベル分割画像選択部23は、所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、商品ラベル画像分割部22により分割された複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する。商品ラベル画像分割部22は、商品ラベル画像分割部手段として機能し、商品ラベル分割画像選択部23は、商品ラベル分割画像選択手段として機能する。
【0034】
ここで、「所定の分割ルール」及び「所定の選択ルール」について説明する。商品ラベル画像の分割及び商品ラベル分割画像の選択は、一定の分割ルール及び選択ルールにしたがうものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、図2ないし図4で例示するように、分割ルールとしては、商品ラベル画像を水平方向及び垂直方向にm行n列で分割することが考えられる。ここでは、3行3列で例示しているが、3行3列に限られるものではない。選択ルールとしては、図2で示す3行3列に分割した9マスから選択できるあらゆる組合せを選択することが考えられる。なお、この手法は一つの例に過ぎず、この手法に限られるものではない。
【0035】
本実施例のように、一つのマスに限らず、複数の分割された画像のあらゆる組合せについて識別可能性を検討することで、分割画像の大きさをさらに小さくすることができ、その結果、商品識別装置1に記憶させることのできる商品の数を増やすことができる。そして、複数箇所の分割画像を用いる場合、離れた箇所の分割画像を用いることで、分割画像の大きさをさらに小さくすることができ、その結果、商品識別装置1に記憶させることのできる商品の数を増やすことができる。
【0036】
商品ラベル分割画像判別部24は、商品ラベル分割画像選択部23により選択された所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する。商品ラベル分割画像判別部24は、商品ラベル分割画像判別手段として機能する。
【0037】
識別可能か否かの判別は、商品ラベル分割画像どうしを直接比較してもよいが、商品ラベル分割画像の特徴量(例えば、面積、2次モーメント、絶対最大長、パターン幅、円相当径、孔数、外周囲長、全周囲長、最大弦長(水平)、最大弦長(垂直)、フェレ長(水平)、フェレ長(垂直)、投影長(水平)、投影長(垂直)、当分径(水平)、当分径(垂直)、孔総数、オイラー数、丸さの度合い、円形度、針状度若しくはフラクタル次元又はこれらの組合せ)によって行ってもよい。
【0038】
図2ないし図4をより詳しく説明する。まず、商品ラベル画像分割部22は、図2に示すように、水平方向及び垂直方向にm行n列(ここでは3行3列であるが、3行3列には限らない)で分割する。続いて、商品ラベル分割画像選択部23は、図3の2.(1)で示すように、所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、商品ラベル画像分割部22により分割された複数の分割画像のうち、中央のマスを選択する。そして、商品ラベル分割画像判別部24は、商品ラベル分割画像選択部23により選択された所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する。識別可能である場合は、図4の3.に移り、識別可能でない場合は、図3の2.(2)に移る。
【0039】
中央のマスで識別できない場合、商品ラベル分割画像選択部23は、図3の2.(2)で示すように、右上のマスを選択し、商品ラベル分割画像判別部24は、対応する分割方法・分割回数・分割画像位置の商品ラベル分割画像を所定数の商品ラベルの全てについて比較し互いに識別可能か否かを判別する。識別可能である場合は、図4の3.に移る。識別可能でない場合は、商品ラベル分割画像選択部23は、図3の2.(2)で示すように、右中央のマスを選択し、商品ラベル分割画像判別部24は、対応する分割方法・分割回数・分割画像位置の商品ラベル分割画像を所定数の商品ラベルの全てについて比較し互いに識別可能か否かを判別する。商品ラベル分割画像選択部23は、1つのマスの選択を、商品ラベル分割画像判別部24が識別可能と判別するまで時計回りに繰り返す。
【0040】
いずれのマスを選択しても識別できない場合、商品ラベル分割画像選択部23は、図4の2.(3)A:2つの組合せで示すように、2つのマスを選択し、商品ラベル分割画像判別部24は、対応する分割方法・分割回数・分割画像位置の商品ラベル分割画像を所定数の商品ラベルの全てについて比較し互いに識別可能か否かを判別する。商品ラベル分割画像選択部23は、2つのマスの選択を、商品ラベル分割画像判別部24が識別可能と判別するまであらゆる場合(ここでは、=36通り)について繰り返す。
【0041】
いずれのマスを選択しても識別できない場合、商品ラベル分割画像選択部23は、図4の2.(3)B:3つの組合せで示すように、3つのマスを選択し、商品ラベル分割画像判別部24は、選択した所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する。商品ラベル分割画像選択部23は、3つのマスの選択を、商品ラベル分割画像判別部24が識別可能と判別するまであらゆる場合(ここでは、=84通り)について繰り返す。続いて、商品ラベル分割画像選択部23は、4つのマスの選択、5つのマスの選択・・・と、商品ラベル分割画像判別部24が識別可能と判別するまであらゆる場合(ここでは、=126通り、=126通り、・・・)について繰り返す。
【0042】
繰返し部25は、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると判別された場合には、商品ラベル画像分割部22による分割、商品ラベル分割画像選択部23による選択及び商品ラベル分割画像判別部24による判別をさらに繰り返す。繰返し部25は、繰返し手段として機能する。
【0043】
ここでは、図4の3.で例示するように、商品ラベル画像分割部22は、、商品ラベル分割画像判別部24が識別可能であると判別した場合の商品ラベル分割画像選択部23が選択した分割画像について、さらに水平方向及び垂直方向にm行n列で分割し(ここでは、3行3列で例示しているが、3行3列に限られるものではない。)、商品ラベル分割画像選択部23は、3行3列に分割した9マスの分割画像について前述のように考えられる全ての組合せを選択することが出来る。
【0044】
記憶制御部26は、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能でないと判別された場合に、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて商品属性データベース31に記憶させる。また、記憶制御部26は、所定の分割ルール、所定の選択ルール及び商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を記憶部30が有する所定の記憶領域に記憶させる。例えば、商品ラベル分割画像判別部24による2回目の判別までは、中央のマスで識別可能とされていたが、3回目の判別では、あらゆる場合で識別しても識別可能でないとされた場合、記憶制御部26は、商品ラベル分割画像判別部24により2回目に識別可能であると判別された、9の2乗、すなわち81分割された、商品ラベル分割画像と、商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを商品属性データベース31に記憶させる。また、記憶制御部26は、水平方向及び垂直方向にそれぞれ3分割するという分割ルール、中央のマスを選択するという選択ルール及び2回繰り返すという繰り返し回数を記憶部30が有する所定の記憶領域に記憶させる。
【0045】
[本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成]
本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成について説明する。商品識別装置1のハードウェアには、制御装置(制御部)としてのCPUの他、記憶装置(記憶部)、通信装置(通信部)、表示装置(表示部)及び入力装置(入力部)が含まれる。記憶装置(記憶部)としては、例えば、メモリ(RAM、ROM等)、ハードディスクドライブ(HDD)又は光ディスク(CD、DVD等)ドライブ等が挙げられる。通信装置(通信部)としては、例えば、各種有線又は無線インターフェース装置等が挙げられる。表示装置(表示部)としては、例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置(入力部)としては、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス(マウス等)又はリモコン装置等が挙げられる。
【0046】
商品識別装置1のソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するプログラムやデータが含まれる。プログラムやデータは、記憶装置(記憶部)により記憶され、制御装置(制御部)により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、電磁的方法により配布することも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布することも可能である。
【0047】
[フローチャート]
図5は、本実施形態に係る商品識別装置1による商品属性データベース作成タスクのフローチャートであり、図6は、当該商品識別装置1による商品識別タスクのフローチャートである。
【0048】
まず、図5を参照し、商品識別装置1による商品属性データベース作成タスクのフローチャートを説明する。ステップS1では、商品情報受付部21は、商品情報受付処理を行う。この処理では、商品情報受付部21は、所定数の商品ラベル画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とを受け付ける処理を行う。
【0049】
ステップS2では、商品ラベル画像分割部22は、商品ラベル画像分割処理を行う。この処理では、商品ラベル画像分割部22は、商品情報受付部21が受け付けた所定数の商品ラベル画像のそれぞれを所定の分割ルールにしたがって分割する処理を行う。
【0050】
ステップS3では、商品ラベル分割画像選択部23は、商品ラベル分割画像選択処理を行う。この処理では、商品ラベル分割画像選択部23は、所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、商品ラベル画像分割部22により分割された複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する処理を行う。
【0051】
ステップS4では、商品ラベル分割画像判別部24は、商品ラベル分割画像判別処理を行う。この処理では、商品ラベル分割画像判別部24は、商品ラベル分割画像選択部23により選択された所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し、これら所定数の商品ラベル分割画像が互いに識別可能か否かを判別する処理を行う。
【0052】
ステップS5では、繰返し部25は、繰返し処理を行う。この処理では、繰返し部25は、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると判別された場合には、商品ラベル画像分割部22による分割、商品ラベル分割画像選択部23による選択及び商品ラベル分割画像判別部24による判別をさらに繰り返す処理を行う。
【0053】
ステップS6では、記憶制御部26は、商品識別情報記憶処理を行う。この処理では、記憶制御部26は、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能でないと判別された場合に、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを商品属性データベース31に記憶させる。また、記憶制御部26は、所定の分割ルール、所定の選択ルール及び商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を記憶部30の所定の記憶領域に記憶させる。この処理を終えると、制御部10は、商品属性データベース作成タスクに関する一連の処理を終了する。
【0054】
続いて、図6を参照し、商品識別装置1による商品識別タスクのフローチャートについて説明する。ステップS11では、識別要求商品ラベル画像受付部11は、識別要求商品ラベル画像受付処理を行う。この処理では、識別要求商品ラベル画像受付部11は、商品のラベルがいずれの商品のラベルであるかの識別の要求にあたり、その要求に係る識別要求商品ラベルの画像を受け付ける処理を行う。
【0055】
ステップS12では、識別要求商品ラベル画像分割部12は、識別要求商品ラベル画像分割処理を行う。この処理では、識別要求商品ラベル画像分割部12は、識別要求商品ラベル画像受付部11により受け付けられた識別要求商品ラベルの画像を、記憶部30の所定の記憶領域に記憶された所定の分割ルールにしたがい、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された繰り返し回数と同じ回数だけ分割する処理を行う。
【0056】
ステップS13では、識別要求商品ラベル分割画像選択部13は、識別要求商品ラベル分割画像選択処理を行う。この処理では、識別要求商品ラベル分割画像選択部13は、識別要求商品ラベル画像分割部12により分割された複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つまたは一つ以上の識別要求商品ラベル分割画像を、記憶部30の所定の記憶領域に記憶された所定の選択ルールにしたがって選択する処理を行う。
【0057】
ステップS14では、商品識別部14は、商品識別処理を行う。この処理では、商品識別部14は、まず、商品属性データベース31に記憶された所定数の商品ラベル分割画像と識別要求商品ラベル分割画像選択部13によって選択された1つまたは一つ以上の識別要求商品ラベル分割画像とを比較し、識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出する。そして、商品識別部14は、その抽出した商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された商品の属性を抽出することで、識別要求商品ラベルを貼付した商品がいずれの商品であるかを識別する。この処理を終えると、制御部10は、商品識別タスクに関する一連の処理を終了する。
【0058】
[実施例]
本実施形態に係る商品識別装置1によると、まず、商品情報受付部21は、所定数の商品ラベル画像(例えば、撮影装置を用いて撮影した所定数のラベルの画像)と該商品ラベル画像に対応する商品の属性(例えば、その商品に関する情報を提供するインターネットサイトのURLの情報)とを受け付ける。そして、商品ラベル画像分割部22は、商品情報受付部21が受け付けた所定数の商品ラベル画像のそれぞれを所定の分割ルールにしたがって分割する。そして、商品ラベル分割画像選択部23は、所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、商品ラベル画像分割部22により分割された複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する。そして、商品ラベル分割画像判別部24は、商品ラベル分割画像選択部23により選択された所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し、これら所定数の商品ラベル分割画像が互いに識別可能か否かを判別する。そして、繰返し部25は、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると判別された場合には、商品ラベル画像分割部22による分割、商品ラベル分割画像選択部23による選択及び商品ラベル分割画像判別部24による判別をさらに繰り返す。そして、記憶制御部26は、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能でないと判別された場合に、商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて商品属性データベース31に記憶させると共に、所定の分割ルール、所定の選択ルール及び商品ラベル分割画像判別部24により識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を記憶部30の所定の記憶領域に記憶させる。
【0059】
図7は、このときの商品属性データベース31の例であり、「商品ラベル分割画像」フィールドには、識別する商品のラベルを、識別可能な範囲でできるだけ小さく分割した一つまたは一つ以上の画像が所定の商品数だけ記憶され、「URL」フィールドには、その商品に関する情報を確認するためのインターネットサイトのURLが記憶される。そして、図示は省略するが、記憶部30の所定の記憶領域には、画像の分割条件(所定の分割ルール)として、水平方向・垂直方向ともに3分割することが記憶され、分割した画像の選択条件(所定の選択ルール)として、中央のマスに該当する画像を選択することが記憶され、分割の繰り返し回数として、2回であることが記憶されている。
【0060】
そして、図1を参照して説明したとおり、商品識別装置1には、上記商品識別装置1の商品属性データベース作成タスクにより作成された商品属性データベース31と、所定数の商品ラベルのうち、いずれの商品であるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付部11と、この識別要求商品ラベル画像受付部11により受け付けられた識別要求商品ラベルの画像を所定の分割ルールで上記の商品ラベル分割画像判別部24が識別可能であると最後に判別した繰り返し回数と同じ数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割部12と、その分割した複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を上記所定の選択ルールで選択する識別要求商品ラベル分割画像選択部13と、商品属性データベース31に記憶された所定数の商品ラベル分割画像と識別要求商品ラベル分割画像選択部13によって選択された識別要求商品ラベル分割画像とを比較して識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された商品の属性を商品属性データベース31から抽出することで、識別要求商品ラベルを貼付した商品がいずれの商品であるかを識別する商品識別部14とを設けた。
【0061】
本実施形態に記載の発明によると、ユーザは、商品識別装置1が提供する最小限のデータ量の商品属性データベース31を構成することにより、携帯端末等で商品ラベルの画像を撮影するだけで商品の属性を把握できる。さらに、当該商品属性データベース31に新たな商品ラベル画像を加えると、所定の分割ルール、所定の選択ルール及び繰り返し回数が更新され、商品属性データベース31には、常に所定数の商品ラベル画像を互いに識別可能な最小限の商品ラベル分割画像が記憶されることになるため、新たな商品ラベル画像を加えていっても当該商品ラベル画像の識別精度を一定のレベルに保つことができる。
【0062】
本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0063】
本実施形態では、「商品の属性」の例として、商品に関する情報を確認するためのインターネットサイトのURLを挙げたが、当該URLを含むものであれば、その商品に備わっている固有の性質、属性その他その商品の特徴を現すものを含めてもよい。例えば、URLの他、商品の銘柄、種類、産地、ビンテージ年、価格のほか、内容量、辛さ・甘さ等の味覚情報、生産者、ワイナリー、ぶどうの品種、コルクの種類、購入者のコメント等が挙げられる。
【0064】
例えば、図8は、このときの商品属性データベース31の例であり、「商品ラベル分割画像」フィールドには、識別する商品のラベルを、識別可能な範囲でできるだけ小さく分割した画像が所定数だけ記憶され、「URL」フィールドには、その商品に関する情報を確認するためのインターネットサイトのURLが記憶される。また、「銘柄」フィールドには、そのラベルに対応する商品の銘柄が記憶され、「種類」フィールドには、そのラベルに対応する商品の種類が記憶され、「産地」フィールドには、そのラベルに対応する商品の産地が記憶され、「ビンテージ年」フィールドには、そのラベルに対応する商品のビンテージ年が記憶され、「価格」フィールドには、そのラベルに対応する商品の価格が記憶される。これらの情報を例えば携帯端末機に格納することによって、ユーザが携帯端末機に表示されるURLをアクセスしなくても、ユーザにその商品に関する簡単な情報を提供できる。
【0065】
また、本実施形態では、商品ラベル画像分割部22による画像の分割は、「所定の分割ルール」により行われるが、この「所定の分割ルール」は、予め定まっていればどのようなルールであってもよく、4分割の矩形としてもよいし、3分割や2分割であってもよい。また、分割画像の形状が矩形である必要もなく、円形であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、商品ラベル分割画像選択部23は、分割前の画像の中心の位置にあった画像を選択するようにしているが、これに限るものではなく、予め定まった「所定の選択ルール」であればどのようなルールであってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 商品識別装置
10 制御部
11 識別要求商品ラベル画像受付部
12 識別要求商品ラベル画像分割部
13 識別要求商品ラベル分割画像選択部
14 商品識別部
30 記憶部
31 商品属性データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とが記憶される商品属性データベースと、
いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付手段と、
前記識別要求商品ラベル画像受付手段により受け付けられた識別要求商品ラベルの画像を、所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割手段と、
前記識別要求商品ラベル画像分割手段により分割された複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する識別要求商品ラベル分割画像選択手段と、
前記商品属性データベースに記憶された前記所定数の商品ラベル分割画像と前記識別要求商品ラベル分割画像選択手段によって選択された識別要求商品ラベル分割画像とを比較して前記識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した前記商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された前記商品の属性を抽出する商品識別手段と、
を備える商品識別装置。
【請求項2】
前記所定数の商品ラベル画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とを受け付ける商品情報受付手段と、
前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれを前記所定の分割ルールにしたがって分割する商品ラベル画像分割手段と、
前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、前記商品ラベル画像分割手段により分割された複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を前記所定の選択ルールにしたがって選択する商品ラベル分割画像選択手段と、
前記商品ラベル分割画像選択手段により選択された所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する商品ラベル分割画像判別手段と、
前記商品ラベル分割画像判別手段により識別可能であると判別された場合には、前記商品ラベル画像分割手段による分割、前記商品ラベル分割画像選択手段による選択及び前記商品ラベル分割画像判別手段による判別をさらに繰り返す繰返し手段と、
前記商品ラベル分割画像判別手段により識別可能でないと判別された場合には、前記商品ラベル分割画像判別手段により識別可能であると最後に判別された前記所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて前記商品属性データベースに記憶させ、さらに、前記識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を前記所定の回数として所定の記憶領域に記憶させる記憶制御手段と、
をさらに備える請求項1に記載の商品識別装置。
【請求項3】
所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とが記憶される商品属性データベースを有する商品識別装置が商品の属性を抽出する方法であって、
いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付工程と、
前記識別要求商品ラベル画像受付工程で受け付けた識別要求商品ラベルの画像を、所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割工程と、
前記識別要求商品ラベル画像分割工程で分割した複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する識別要求商品ラベル分割画像選択工程と、
前記商品属性データベースに記憶された前記所定数の商品ラベル分割画像と前記識別要求商品ラベル分割画像選択工程で選択した識別要求商品ラベル分割画像とを比較して前記識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した前記商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された前記商品の属性を抽出する商品識別工程と、
を含む方法。
【請求項4】
前記所定数の商品ラベル画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とを受け付ける商品情報受付工程と、
前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれを前記所定の分割ルールにしたがって分割する商品ラベル画像分割工程と、
前記所定数の商品ラベル画像のそれぞれについて、前記商品ラベル画像分割工程で分割した複数の分割画像の中から1つの商品ラベル分割画像を前記所定の選択ルールにしたがって選択する商品ラベル分割画像選択工程と、
前記商品ラベル分割画像選択工程で選択した所定数の商品ラベル分割画像を全て比較し互いに識別可能か否かを判別する商品ラベル分割画像判別工程と、
前記商品ラベル分割画像判別工程で識別可能であると判別した場合には、前記商品ラベル画像分割工程による分割、前記商品ラベル分割画像選択工程による選択及び前記商品ラベル分割画像判別工程による判別をさらに繰り返す繰返し工程と、
前記商品ラベル分割画像判別工程で識別可能でないと判別した場合には、前記商品ラベル分割画像判別工程で識別可能であると最後に判別した前記所定数の商品ラベル分割画像と該商品ラベル分割画像に対応する商品の属性とを関連付けて前記商品属性データベースに記憶させ、さらに、前記識別可能であると最後に判別された繰り返し回数を前記所定の回数として所定の記憶領域に記憶させる記憶制御工程と、
をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
所定数の商品ラベル画像の分割画像と該商品ラベル画像に対応する商品の属性とが記憶される商品属性データベースを有する商品識別装置に商品の属性を抽出させるためのプログラムであって、
いずれの商品のラベルであるかの識別を要求する識別要求商品ラベルの画像を受け付ける識別要求商品ラベル画像受付工程と、
前記識別要求商品ラベル画像受付工程で受け付けた識別要求商品ラベルの画像を、所定の分割ルールにしたがって所定の回数だけ分割する識別要求商品ラベル画像分割工程と、
前記識別要求商品ラベル画像分割工程で分割した複数の識別要求商品ラベル分割画像の中から1つの識別要求商品ラベル分割画像を所定の選択ルールにしたがって選択する識別要求商品ラベル分割画像選択工程と、
前記商品属性データベースに記憶された前記所定数の商品ラベル分割画像と前記識別要求商品ラベル分割画像選択工程で選択した識別要求商品ラベル分割画像とを比較して前記識別要求商品ラベル分割画像に最も類似する前記商品ラベル分割画像を抽出し、その抽出した前記商品ラベル分割画像に関連付けて記憶された前記商品の属性を抽出する商品識別工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−14220(P2012−14220A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147129(P2010−147129)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】