説明

商品販売データ処理装置および制御プログラム

【課題】 M&M値引きの組合せパターンの構成要素である商品が返品される際に、容易にその返品商品に按分される値引き額を知ることができる商品販売データ処理装置を提供すること。
【解決手段】 販売データ記憶手段に記憶された各販売データに対応する各商品によってM&M値引きの組合せパターンが成立する場合、当該M&M値引きの値引き額を各商品の単価の比率に応じて按分した按分値引き額を算出する。精算処理された取引に関し、前記販売データ記憶手段に記憶された販売データおよび按分値引き額を含む取引履歴を履歴記憶手段に記憶する。そして、所定のタイミングで前記履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴に含まれる按分値引き額を表示手段により表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品の販売に関する各種の処理を実行する商品販売データ処理装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置が小売店等における会計業務に使用されている。一般的な商品販売データ処理装置は、販売商品毎に割り当てられた識別コードの入力を受け付け、入力された識別コードで識別される商品の単価等をマスタファイルから特定し、特定した単価等に当該商品の販売点数等を付加した販売データを生成する機能を備えている。そして、この販売データに基づいて合計代金の算出やレシートの発行を行い、1取引を完結させる。取引の完結後には、同取引において生成された販売データや取引を識別する取引ナンバで構成される電子ジャーナルが生成され、商品販売データ処理装置あるいは上位機器に設けられたデータベースに記憶・管理される。
【0003】
商品販売データ処理装置は、販売商品に対して各種の値引き処理を行う機能を備えている。特に近年では、複数の商品によって所定の組合せパターンが成立した際に、これら商品に対する値引きを行う、いわゆるミックス・アンド・マッチ(以下、M&Mと称呼する)値引きを処理する機能を備える機種も登場している。
【0004】
通常、M&M値引きが行われた取引の完結後には、その組合せパターンの構成要素である各商品の識別コードや値引き額等で構成されるデータが前記ジャーナルに組み込まれ、レシートにも値引き額が印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−160597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
取引の完結後に、M&M値引きの組合せパターンの構成要素である商品が返品された場合、M&M値引きを崩して返金額を算出する方法や、M&M値引きを崩さずに返品商品の単価分を返金額とする方法、あるいは返品商品の単価から当該返品商品に按分されるM&M値引き額を差し引いた額を返金額とする方法等、店舗毎に定められた任意の方法によって決定される返金額が顧客に返金される。
【0007】
上記返品商品に按分されるM&M値引き額は、返品商品の単価と組合せパターンの他の構成要素である商品の単価との比率に応じて、当該返品商品に割り当てられる値引き額である。現状の商品販売データ処理装置は、このように按分される値引き額を操作者である店員(以下、キャッシャと称呼する)に知らせる機能を備えていない。したがって、キャッシャは、自ら返品商品に按分される値引き額を算出する必要があるため、返金処理の遅延や返金額の計算間違いが危惧されていた。
【0008】
このような事情から、M&M値引きの組合せパターンの構成要素である商品が返品される際に、容易にその返品商品に按分される値引き額を知ることができる商品販売データ処理装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態における商品販売データ処理装置は、組合せパターン記憶手段と、入力手段と、販売データ記憶手段と、値引き手段と、算出手段と、精算処理手段と、履歴記憶手段と、表示手段とを備えている。
前記組合せパターン記憶手段は、複数の商品の組合せパターンおよび当該組合せパターンに対する値引き額を記憶する。前記入力手段は、商品の識別情報を入力する。前記販売データ記憶手段は、1取引内において前記入力手段によって入力された識別情報に少なくとも当該商品の単価を対応付けた販売データを記憶する。前記値引き手段は、前記販売データ記憶手段に記憶された各販売データに対応する各商品によって前記組合せパターン記憶手段に記憶された組合せパターンが成立する場合、前記組合せパターン記憶手段に記憶された当該組合せパターンに対する値引き額を、当該取引の代金から値引く。前記算出手段は、前記値引き手段による値引きが行われた場合、成立した組合せパターンの構成要素である各商品の単価の比率に応じて前記値引き手段による値引き額を当該各商品に按分した按分値引き額を算出する。前記精算処理手段は、前記販売データ記憶手段に記憶された販売データおよび前記値引き手段による値引き額を用いて取引を精算処理する。前記履歴記憶手段は、前記精算処理手段によって精算処理された取引に関し、前記販売データ記憶手段に記憶された販売データおよび前記算出手段によって算出された按分値引き額を含む取引履歴を記憶する。前記表示手段は、前記履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴に含まれる前記按分値引き額を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態における商品販売データ処理装置の要部構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるPLUファイルのデータ構造例を示す模式図。
【図3】同実施形態におけるMMファイルのデータ構造例を示す模式図。
【図4】同実施形態における販売データ記憶エリアのデータ構造例を示す模式図。
【図5】同実施形態におけるジャーナルファイルのデータ構造例を示す模式図。
【図6】同実施形態における会計処理のフローチャート。
【図7】同実施形態におけるM&M値引き処理のフローチャート。
【図8】同実施形態におけるジャーナル閲覧処理のフローチャート。
【図9】同実施形態におけるジャーナル閲覧処理にて表示される情報の一例を示す図。
【図10】同実施形態における検索返品処理のフローチャート。
【図11】同実施形態における検索返品画面の一例を示す図。
【図12】第2の実施形態における返金額表示方式設定処理のフローチャート。
【図13】同実施形態における返品額表示画面(第1表示方式)の一例を示す図。
【図14】同実施形態における返品額表示画面(第2表示方式)の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
なお、以下の説明において略同一の構成要素には同一の符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態では、商品の販売店舗において使用されるPOS端末等の商品販売データ処理装置1について例示する。
【0014】
[要部構成]
図1は、商品販売データ処理装置1の要部構成を示すブロック図である商品販売データ処理装置1は、制御の中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、時計回路13、通信I/F(Interface)14、スキャナI/F15、HDD(Hard Disk Drive)16、表示コントローラ17,18、キーボードコントローラ19、カードリーダコントローラ20、プリンタコントローラ21、店員用表示ユニット170(表示手段)、客用表示ユニット180、キーボード190、カードリーダ200、およびレシートプリンタ210を備えている。
【0015】
ROM11、RAM12、時計回路13、通信I/F14、スキャナI/F15、HDD16、表示コントローラ17,18、キーボードコントローラ19、カードリーダコントローラ20、およびプリンタコントローラ21は、アドレスバスやデータバスで構成されるバスライン206を介して、CPU10に接続されている。また、通信I/F14には商品販売データ処理装置1をストアサーバ等の上位機器と通信接続するLAN(Local Area Network)回線140が接続され、スキャナI/F15には商品に付されたバーコードを読み取るためのバーコードスキャナ150が接続されている。
【0016】
ROM11は、CPU10が実行する制御プログラム等の固定的データを記憶している。RAM12は、販売データ記憶エリア120(販売データ記憶手段)等の各種の作業用記憶領域を形成する。時計回路13は、例えば年,月,日,時,分,秒の単位で日時を計時する。
【0017】
通信I/F14は、LAN回線140を介した上位機器との通信を制御する。スキャナI/F15は、バーコードスキャナ150がバーコードを読み取った際に出力するバーコードデータを取り込んでCPU10に通知する。
【0018】
HDD16は、OS(Operating System)ファイルやアプリケーションファイルに加え、PLU(Price Look Up)ファイル161、MM(ミックス・アンド・マッチ)ファイル162(組合せパターン記憶手段)、およびジャーナルファイル163(履歴記憶手段)等を記憶している。PLUファイル161およびMMファイル162は、例えば1日の業務開始時など、所定のタイミングで前記ストアサーバから配信されるもので書き換えられる。
【0019】
店員用表示ユニット170は、キャッシャの立ち位置側に向けられたLCD(Liquid Crystal Display)171と、このLCD171の表示面に設けられたタッチパネル172とで構成されている。表示コントローラ17は、LCD171への情報表示を制御するとともに、タッチパネル172が接触操作された位置に応じて出力する信号を検知し、CPU10に通知する。
【0020】
客用表示ユニット180は、顧客の立ち位置側に向けられたLCD181と、このLCD181の表示面に設けられたタッチパネル182とで構成されている。表示コントローラ18は、LCD181への情報表示を制御するとともに、タッチパネル182が接触操作された位置に応じて出力する信号を検知し、CPU10に通知する。
【0021】
キーボード190は、置数キー、責任者登録キー、PLUキー、小計キー、預り/現計キー、ジャーナルキー191(閲覧指示手段)、および検索返品キー192(返品指示手段)等の各種操作キーにて構成され、操作されたキーに応じた信号を出力する。キーボードコントローラ19は、キーボード190から出力される信号を取り込んで操作されたキーの種別を判別し、CPU10に通知する。
【0022】
カードリーダ200は、ポイントカードやクレジットカード等の各種カードからカード情報を読み取って出力する。カードリーダコントローラ20は、カードリーダ200から出力されるカード情報を取り込んでCPU10に通知する。
【0023】
レシートプリンタ210は、感熱紙である印字媒体を熱で発色させることで、当該印字媒体に対して文字や図形を印刷するサーマルプリンタである。プリンタコントローラ21は、レシートプリンタ210の印字動作を制御する。
【0024】
[データ構造]
次に、PLUファイル161、MMファイル162、販売データ記憶エリア120、およびジャーナルファイル163のデータ構造について説明する。
図2は、PLUファイル161のデータ構造例を示す模式図である。PLUファイル161は、各商品を識別する識別情報であるPLUコードに対し、商品名称や単価等を対応付けた複数のレコードによって構成されている。図示した例では、PLUコード「0000000000001」に対し、商品名称「商品A」、単価「\1,000」等が割り当てられたレコードや、PLUコード「0000000000002」に対し、商品名称「商品B」、単価「\1,500」等が割り当てられたレコードによってPLUファイル161が構成されている。
【0025】
図3は、MMファイル162のデータ構造例を示す模式図である。MMファイル162は、各M&M値引きの組合せを識別する識別情報であるMMコードに対し、M&M値引き額や、商品の組合せパターンを対応付けた複数のレコードによって構成されている。各組合せパターンは、構成要素である各商品のPLUコードによって示されている。図示した例では、MMコード「MM1」に対し、M&M値引き額「\1,500」、組合せパターン「0000000000001,0000000000001,0000000000002」(商品Aを2つ、商品Bを1つ)が割り当てられたレコードや、MMコード「MM2」に対し、M&M値引き額「\500」、組合せパターン「0000000000003,0000000000005」(商品Cを1つ、商品Eを1つ)が割り当てられたレコードによってMMファイル162が構成されている。
【0026】
図4は、販売データ記憶エリア120のデータ構造例を示す模式図である。販売データ記憶エリア120は、会計時に入力されたPLUコードに対し、商品名称、単価、販売点数、および値引き/割引き額等を対応付けたレコードによって構成されている。各レコードは、PLUコードの入力後に生成されるものである。図示した例では、PLUコード「0000000000001」に対し、商品名称「商品A」、単価「\1,000」、販売点数「2」等が割り当てられたレコードや、PLUコード「0000000000004」に対し、商品名称「商品D」、単価「\700」、販売点数「1」、値引き額「\10」等が割り当てられたレコードによって販売データ記憶エリア120が構成されている。なお、ここでの値引き/割引き額はM&M値引きと異なり、各商品単体に対する値引き額または割引き額を表すものである。
本実施形態では、販売データ記憶エリア120に記憶された各レコードを、販売データと定義する。
【0027】
図5は、ジャーナルファイル163のデータ構造例を示す模式図である。図示したように、ジャーナルファイル163は、1取引の履歴情報を示すジャーナルによって構成されている。各ジャーナルは、各取引を識別する取引ナンバに対し、1つまたは複数の明細データと、小計額,合計額,現計額,合計点数,取引日時等の情報とを対応付けて構成されている。明細データは、各取引において販売データ記憶エリア120に記憶されていた販売データ、または各取引において成立したM&M値引きに関するデータ(以下、MMデータと称呼する)である。MMデータは、MMコード、構成要素数、M&M値引き額、および明細値引額情報等によって構成される。
明細値引額情報は、M&M値引き額を構成要素である各商品の単価に応じて各商品に按分した額(以下、按分値引き額と称呼する)を示す情報である。例えばMMコード「MM1」のMMデータの場合、M&M値引き額が「\1,500」であり、商品A,商品Bの比率が(\1,000×2):(\1,500)であるから、小数点以下を四捨五入すれば商品Aに対する按分値引き額が「\857」となり、商品Bに対する按分値引き額が「\643」となる。このような按分値引き額をその割り当て対象商品のPLUコードに対応付けて、明細値引額情報が構成されている。
【0028】
[会計処理]
次に、会計処理について説明する。
キーボード190に設けられたPLUキーが操作されると、ROM11に記憶された制御プログラムに従って会計処理が開始される。会計処理においてCPU10が実行する処理のフローチャートを図6に示している。
【0029】
この処理が開始されると、先ずCPU10は、PLUコードや各種指示等の入力を受け付ける(ステップS1)。PLUコードは、商品に付されたバーコードをバーコードスキャナ150で読み取ること、あるいは店員用表示ユニット170のLCD171に表示された商品選択用の画面を接触操作して特定の商品を指定することで入力される。すなわち、本実施形態におけるバーコードスキャナ150および店員用表示ユニット170は、商品のPLUコード(識別情報)を入力する入力手段として機能する。
【0030】
続いてCPU10は、PLUコードが入力されたか否かを判定する(ステップS2)。PLUコードが入力されている場合(ステップS2のYes)、CPU10は、入力されたPLUコードに対応付けられたPLUファイル161中の商品名称および単価等を用いて販売データを生成する(ステップS3)。このとき、当該PLUコードに対応する商品の数量が指定されている場合にはその数量を販売データ中の販売点数とし、指定されていない場合には販売データ中の販売点数を「1」とする。また、当該PLUコードに対応する商品の値引き額または割引き額が入力されている場合には、その額を販売データ中の値引き/割引き額とする。このように販売データを作成した後、CPU10は、当該販売データを販売データ記憶エリア120に記憶するとともに、表示コントローラ17,18を介してLCD171,181に当該販売データを表示させる(ステップS4)。
【0031】
一方、PLUコードが入力されていない場合(ステップS2のNo)、あるいはステップS4の処理の後、CPU10は、小計指示が入力されたか否かを判定する(ステップS5)。キーボード190に設けられた小計キーが押下げられてない場合、CPU10は、小計指示が入力されていないと判定し(ステップS5のNo)、ステップS1の処理に戻って再びPLUコード等の入力を受け付ける。このように、小計指示が入力されるまでPLUコードの入力が受け付けられ、入力された各PLUコードに対応する販売データが販売データ記憶エリア120に蓄積記憶されていく。
【0032】
やがて小計キーが操作されて小計指示が入力されると(ステップS5のYes)、CPU10は、販売データ記憶エリア120に記憶された各販売データによってM&M値引きが成立するか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、MMファイル162の各レコードについて、それぞれのレコードに記述されたPLUコードの組合せパターンが販売データ記憶エリア120に記憶された各販売データ中のPLUコードによって成立するか否かを判定する。1つでも組合せパターンが成立する場合(ステップS6のYes)、CPU10は、M&M値引き処理を実行する(ステップS7:値引き手段)。M&M値引き処理は、MMファイル162に記述された当該成立した組合せパターンに対する値引き額を、当該取引の代金から値引くための処理である。
【0033】
M&M値引き処理においてCPU10が実行する処理のフローチャートを図7に示している。この処理が開始されると、先ずCPU10は、成立した組合せパターンのいずれか1つについて、MMファイル162の該当するレコードからMMコードおよびM&M値引き額を取得する(ステップS101)。次いで、CPU10は、同レコードに記述された組合せパターンの構成要素を計数することで構成要素数を取得するとともに(ステップS102)、同レコードから各構成要素を示すPLUコードを取得する(ステップS103)。
【0034】
次に、CPU10は、ステップS101〜S103の処理にて取得した各情報を用いてMMデータを生成し、RAM12に記憶させる(ステップS104)。このようにMMデータを生成・記憶した後、CPU10は、成立した組合せパターンのうち、MMデータが未生成のものが有るか否かを判定する(ステップS105)。MMデータを未生成の組合せパターンが有るならば(ステップS105のYes)、その組合せについてステップ101〜S104の処理を実行し、MMデータを生成・記憶する。一方、全ての組合せについてMMデータを生成・記憶し終えているならば(ステップS105のNo)、CPU10は、当該M&M値引き処理を終了する。
【0035】
図6のフローチャートの説明に戻る。ステップS7のM&M値引き処理の後、CPU10は、成立したM&M値引きの構成要素である各商品の単価と、当該M&M値引きにおける値引き額とを用いて按分値引き額を算出する(ステップS8:算出手段)。具体的には、M&M値引き処理にて生成したMMデータのMMコードを取得し、取得したMMコードに対応付けられたMMファイル162中の組合せパターンから構成要素である各商品のPLUコードを取得し、取得した各PLUコードに対応付けられたPLUファイル161中の単価を取得し、取得した各単価の比率に応じて当該MMデータに記憶されたM&M値引き額を各商品に按分することで、按分値引き額を算出する。なお、M&M値引き処理において複数のMMデータが生成されている場合には、各MMデータについて按分値引き額を算出する。
【0036】
このように按分値引き額を算出した後、CPU10は、前処理にてMMファイル162から取得した各PLUコードに各按分値引き額を対応付けて明細値引額情報を生成し、MMデータに付加する(ステップS9)。なお、M&M値引き処理において複数のMMデータが生成されている場合には、各MMデータに対して明細値引額情報の生成および付加を行う。
【0037】
ステップS9の処理の後、あるいはステップS6の処理においてM&M値引きが成立しないと判定された場合(ステップS6のNo)、CPU10は、販売データ記憶エリア120に記憶された各販売データおよびRAM12に記憶された各MMデータに基づいて、当該取引の代金の小計額、内税額、合計額等を算出し(ステップS10)、算出結果をRAM12に記憶させるとともに、表示コントローラ17,18を介してLCD171,181に表示させる(ステップS11)。
【0038】
小計額等を表示させた後、CPU10は、顧客からの預り金額の入力を受け付けつつ(ステップS12)、締め指示の入力を待つ(ステップS13のNo)。キーボード190を介して預り金額が入力された状態で預り/現計キーが押下げられた場合、CPU10は、締め指示が入力されたと判定し(ステップS13のYes)、入力された預り金額とステップS11の処理にてRAM12に記憶させた合計額とを用いて現計額および釣銭額等を算出する(ステップS14)。そして、CPU10は、算出した現計額および釣銭額等をRAM12に記憶させるとともに、表示コントローラ17,18を介してLCD171,181に表示させる(ステップS15)。なお、クレジットカード決済や電子マネー決済のように現金決済以外の方法による決済を行う場合には、ステップS12〜S15の処理を、それぞれの決済方法に合った処理に変更すればよい。
ここに、ステップS10〜S15の処理は、販売データ記憶エリア120に記憶された販売データ、およびM&M値引き処理によって生成されたMMデータ中のM&M値引き額を用いて取引を精算処理する精算処理手段を構成する。
【0039】
このように代金の支払が完了すると、CPU10は、当該取引に取引ナンバを割り当て、この取引ナンバ、時計回路13が計時する現在の日時情報、ステップS4の処理にて販売データ記憶エリア120に記憶された販売データ、ステップS7,8の処理にてRAM12に記憶されたMMデータ、ステップS11の処理にてRAM12に記憶された小計額等、およびステップS15の処理にてRAM12に記憶された現計額等を用いて、当該取引のジャーナルを生成する(ステップS16)。生成したジャーナルは、ジャーナルファイル163に追加する(ステップS17)。
【0040】
ジャーナルをジャーナルファイル163に追加した後、CPU10は、プリンタコントローラ21を介してレシートプリンタ210を駆動し、当該ジャーナルに対応するレシートを発行させる(ステップS18)。以上で、1取引の会計処理が完了する。
【0041】
[ジャーナル閲覧処理]
次に、ジャーナルファイル163を構成する各ジャーナルの閲覧方法について説明する。
【0042】
キーボード190に設けられたジャーナルキー191が押下げられると、ジャーナルファイル163を構成する各ジャーナルを閲覧するための指示が入力される。このように指示が入力されると、ROM11に記憶された制御プログラムに従ってジャーナル閲覧処理が開始される。ジャーナル閲覧処理においてCPU10が実行する処理のフローチャートを図8に示している。
【0043】
この処理が開始されると、先ずCPU10は、表示コントローラ17を介してLCD171に所定の入力画面を表示させてジャーナル識別情報の入力を受け付けつつ(ステップS201)、その入力完了を待つ(ステップS202のNo)。ジャーナル識別情報は、閲覧対象のジャーナルを特定するための情報であり、例えば取引ナンバや日時情報である。キーボード190の操作によりジャーナル識別情報が入力されると(ステップS202のYes)、CPU10は、当該ジャーナル識別情報で識別されるジャーナルをジャーナルファイル163から検索する(ステップS203)。該当するジャーナルを発見すると、CPU10は、表示コントローラ17を介してLCD171に当該ジャーナルが示す情報を表示させ(ステップS204)、ジャーナル閲覧処理を完了する。
【0044】
ステップS204の処理においてLCD171に表示される情報の一例を図9に示している。この例は、販売データ記憶エリア120に図4に示したようなレコードが記憶されている状態で取引が締められた場合に生成されるジャーナルに基づくもので、日時情報「2009年10月1日(木)12:43」と、小計額,合計額,取引ナンバ等「小計¥3,490…」との間に、各明細データの内容を示すエリアAR1,AR2,AR3,…AR6が表されている。
【0045】
エリアAR1,AR2は、商品Aの販売データに対応するものであり、そのPLUコード「0000000000001」、商品名称「商品A」、および単価「¥1,000」等が表されている。エリアAR3は、商品Bの販売データに対応するものであり、そのPLUコード「0000000000002」、商品名称「商品B」、および単価「¥1,500」等が表されている。エリアAR5は、商品Cの販売データに対応するものであり、そのPLUコード「0000000000003」、商品名称「商品C」、および単価「¥800」等が表されている。エリアAR6は、商品Dの販売データに対応するものであり、そのPLUコード「0000000000004」、商品名称「商品D」、単価「¥700」、および値引き/割引き額「−10」等が表されている。
【0046】
商品Aが2つと商品Bが1つで、図3に示したMMコード「MM1」の組合せパターンが成立する。このM&M値引きに対応するMMデータが、エリアAR4に表されている。エリアAR4は、MMコード「MM1」、構成要素数「3個」、M&M値引き額「−1,500」、および明細値引額情報によって構成されている。明細値引額情報は、「明細値引額」と題打って、PLUコード「0000000000001」の商品「2個」に対しM&M値引き額の「−857」円が按分され、PLUコード「0000000000002」の商品「1個」に対しM&M値引き額の「−643」円が按分される旨が表されている。
【0047】
このように、LCD171に表示されるジャーナルにはM&M値引きの組合せパターンの構成要素である商品を特定するPLUコードと、その商品の按分値引き額とが表される。このジャーナルを確認することで、キャッシャは自ら計算することなく各商品の按分値引き額を把握することができる。
【0048】
[検索返品処理]
次に、過去の取引にて販売された商品を返品処理する検索返品処理について説明する。
キーボード190に設けられた検索返品キー192が押下げられると、精算済み商品の返品処理を開始するための指示が入力される。このように指示が入力されると、ROM11に記憶された制御プログラムに従って検索返品処理が開始される。検索返品処理においてCPU10が実行する処理のフローチャートを図10に示している。
【0049】
この処理が開始されると、先ずCPU10は、表示コントローラ17を介してLCD171に所定の入力画面を表示させてジャーナル識別情報の入力を受け付けつつ(ステップS301)、その入力完了を待つ(ステップS302のNo)。キーボード190の操作によりジャーナル識別情報が入力されると(ステップS302のYes)、CPU10は、当該ジャーナル識別情報で識別されるジャーナルをジャーナルファイル163から検索する(ステップS303)。該等するジャーナルを発見すると、CPU10は、表示コントローラ17を介してLCD171に検索返品画面を表示させる(ステップS304)。
【0050】
検索返品画面の一例を図11に示している。図示した検索返品画面400は、明細データ表示エリア401、一括選択ボタン402、選択取消ボタン403、返品ボタン404、取消ボタン405、確定ボタン406、および戻ボタン407等の画面部品を有している。一括選択ボタン402、選択取消ボタン403、返品ボタン404、取消ボタン405、確定ボタン406、および戻ボタン407は、タッチパネル172を介して接触操作可能な画面部品である。
【0051】
明細データ表示エリア401は、商品の部門を識別する部門コードが表される部門エリア411、商品名称が表される商品名エリア412、単価が表される単価エリア413、販売点数が表される点数エリア414、単品の値引き/割引き額が表される値引割引エリア415、単価に販売点数を乗じた額から値引き/割引き額を減じた額が表される金額エリア416、按分値引き額が表される明細値引額エリア417等で構成されている。明細データ表示エリア401の1ラインに含まれる部門エリア411、商品名エリア412、単価エリア413、点数エリア414、値引割引エリア415、および金額エリア416にはジャーナル中の販売データである明細データに基づいて情報が表され、明細値引額エリア417にはジャーナル中のMMデータである明細データに基づいて情報が表示される。すなわち、明細値引額エリア417に表される金額は、同ラインの商品名エリア412に示された商品の按分値引き額である。
【0052】
図示した例は、図4に示したようなレコードが記憶されている状態で取引が締められた場合に生成されるジャーナルに基づいて表示される検索返品画面400を示すもので、明細データ表示エリア401の第1ラインのエリア411〜416には部門「0001」、商品名称「商品A」、単価「1,000」、販売点数「2」、金額「2,000」が表され、第2ラインのエリア411〜416には部門「0001」、商品名称「商品B」、単価「1,500」、販売点数「1」、金額「1,500」が表され、第3ラインのエリア411〜416には部門「0001」、商品名称「商品C」、単価「800」、販売点数「1」、金額「800」が表され、第4ラインのエリア411〜416には部門「0001」、商品名称「商品D」、単価「700」、販売点数「1」、値引き/割引き額「−10」、金額「690」が表されている。
【0053】
この例では、既述の通り図3に示したMMコード「MM1」のM&M値引きが成立している。したがって、当該ジャーナルの明細データには、MMコード「MM1」に対応するMMデータが含まれている。このようなジャーナルに基づくため、明細データ表示エリア401の第1ラインの明細値引額エリア417には2個の商品Aの按分値引き額「−857」が表され、第2ラインの明細値引額エリア417には商品Bの按分値引き額「−643」が表されている。なお、M&M値引きの組合せパターンの構成要素である商品に対応するラインの末尾には、構成要素であることを示す文字「M」が付されている。
【0054】
このような検索返品画面400が表示された状態で、CPU10は、検索返品画面400に対する操作を受け付け、操作されたボタンに応じた処理を実行する(ステップS305)。すなわち、明細データ表示エリア401中のいずれかのラインが接触操作されると当該接触操作されたラインの表示色を変更して選択ラインとして扱い、一括選択ボタン402が操作されると明細データ表示エリア401中の全てのラインの表示色を変更して全ラインを選択ラインとして扱う。一方、選択取消ボタン403が接触操作されると、明細データ表示エリア401中の各ラインを選択ラインから解除する。返品ボタン404が接触操作されると明細データ表示エリア401中の選択ラインの表示色をさらに変更して返品対象ラインとして扱い、取消ボタン405が接触操作されると明細データ表示エリア401中の返品対象ラインを返品対象から解除する。確定ボタン406が接触操作されると明細データ表示エリア401中の返品対象ラインに示された商品の返品を確定し、当該商品を返品処理する。この返品処理では、返品商品のPLUコード,商品名称,単価,返品点数,および返品日時情報等で構成されるジャーナルを生成してジャーナルファイル163に追加する。
【0055】
ここに、一括選択ボタン402、選択取消ボタン403、返品ボタン404、取消ボタン405、およびこれらが接触操作された際にCPU10が実行する処理は、検索返品画面400に表された各販売データが示す商品の中から返品商品の指定を受け付ける指定受付手段を構成する。
【0056】
返品処理が完了した後、あるいは戻ボタン407が接触操作されたときには、LCD171に検索返品画面400を消去させる。このように検索返品画面400が消去されると、CPU10は、検索返品処理を終了する。
【0057】
[作用]
以上説明したように、第1の実施形態における商品販売データ処理装置1は、M&M値引き額を構成要素である各商品の単価に応じて各商品に按分することで按分値引き額を算出し、取引のジャーナルに含ませる。そして、ジャーナル閲覧処理、あるいは検索返品処理において、各商品の按分値引き額が一見して判るように、取引の明細を表示する。
【0058】
このようにすれば、商品の返品時においてキャッシャがいちいち計算することなく返品商品の按分値引き額を把握できるので、按分値引き額を返品商品の単価から減じるなどして容易に返金額を算出できる。
【0059】
なお、按分値引き額を考慮せずに商品の単価分の金額を返金する運用を採る場合にあっては、ジャーナル閲覧処理、あるいは検索返品処理において表示される返品商品の単価を返金額とすればよい。また、M&M値引きの組合せパターンの構成要素である商品が返品された際に返金額からM&M値引き額を減じる運用を採る場合にあっては、ジャーナル閲覧処理、あるいは検索返品処理において表示される返品商品の単価から全M&M値引き額を減じた額を返金額とすればよい。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
この実施形態は、返品処理時に返品商品の単価から当該商品の按分値引き額を減じた金額を返金額として表示する機能、按分値引き額を考慮せずに返品商品の単価自体を返金額として表示する機能、およびそれらを切り替えて実行する機能を商品販売データ処理装置1に設けた点で、前記実施形態と異なる。
【0061】
[返金額表示方式設定処理]
キーボード190の操作や図示せぬモード切替スイッチの操作により設定モードが指定され、さらにこの設定モードの中で返品時の返金額の表示方式の設定が指示されると、ROM11に記憶された制御プログラムに従って返金額表示方式設定処理が開始される。この処理においてCPU10が実行する処理のフローチャートを図12に示している。
【0062】
この処理が開始されると、先ずCPU10は、表示コントローラ17を介してLCD171に返金額の表示方式を選択する選択画面を表示させて当該画面に対する操作を受け付けつつ(ステップS401)、操作の完了を待つ(ステップS402)。この選択画面は、返品商品の単価から当該商品の按分値引き額を減じた金額を返金額として表示する第1表示方式、および按分値引き額を考慮せずに返品商品の単価自体を返金額として表示する第2表示方式のうちのいずれかをキャッシャに選択させるものである。
【0063】
キーボード190の操作あるいは前記選択画面への接触操作により第1表示方式または第2表示方式のいずれかが選択されると、CPU10は、選択された表示方式をRAM12に記憶させ(ステップS403)、返金額表示方式設定処理を終了する。RAM12に記憶した表示方式は、HDD16や別途に設けた不揮発性メモリにも記憶しておくことで、一旦電源供給が停止された後にもその表示方式の設定を維持することができる。
【0064】
なお、返金額表示方式設定処理においてCPU10が実行する処理は、本実施形態における設定手段を構成する。
【0065】
[返金額表示画面]
次に、返金額の表示画面について説明する。
図11を用いて説明した検索返品画面400等を用いて返品商品の指定を受け付けると(指定受付手段)、CPU10は、返金額表示方式設定処理においてRAM12に記憶された表示方式に従ってLCD171に返金額を表した画面をポップアップ表示させる。
【0066】
RAM12に記憶された表示方式が第1表示方式である場合に表示される返品額表示画面の一例を図13に示している。この返金額表示画面500は、図11に示した検索返品画面400において商品Bの返品が確定されたときに表示される例であり、返品商品の名称「商品B」、単価「\1,500」、返品点数「1点」、当該商品の按分値引き額「\643」、単価に返品点数を乗じた額から当該商品の按分値引き額を減じて得られる返金額「\857」、およびOKボタン501が表されている。OKボタン501はタッチパネル172を介して接触操作可能な画面部品である。OKボタン501が接触操作されると、CPU10は、当該返金額表示画面500および検索返品画面400を消去させる。
【0067】
RAM12に記憶された表示方式が第2表示方式である場合に表示される返品額表示画面の一例を図14に示している。この返金額表示画面600は、図11に示した検索返品画面400において商品Bの返品が確定されたときに表示される例であり、返品商品の名称「商品B」、単価「\1,500」、返品点数「1点」、単価に返品点数を乗じて得られる返金額「\1,500」、およびOKボタン601が表されている。OKボタン601はタッチパネル172を介して接触操作可能な画面部品である。OKボタン601が接触操作されると、CPU10は、当該返金額表示画面600および検索返品画面400を消去させる。
【0068】
[作用]
以上説明したように、第2の実施形態における商品販売データ処理装置1は、第1の実施形態の構成に加え、返品処理時に返品商品の単価から当該商品の按分値引き額を減じた金額を返金額として表示する機能、M&M値引き金額を考慮せずに返品商品の単価自体を返金額として表示する機能、およびそれらを切り替えて実行する機能を備えている。
【0069】
このように返金額が自動的に表示されれば、キャッシャは何ら計算をすることなく返金額を知ることができ、計算間違いが防止されるとともに返品処理の迅速化が図られる。しかも返金額の表示方式を適宜切り替えて設定することができるので、返金額の算出方法の変更にも柔軟に対応できる。
【0070】
その他、第1の実施形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0071】
(変形例)
なお、前記各実施形態に開示された構成は、実施段階において各構成要素を適宜変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0072】
(1)前記各実施形態では、商品の販売店舗において使用される商品販売データ処理装置1について例示した。しかしながら、飲食店のように特定の役務を提供する店舗において使用される商品販売データ処理装置に前記各実施形態の構成を適用してもよい。
【0073】
(2)前記各実施形態では、商品販売データ処理装置1のHDD16にジャーナルファイル163が記憶されている場合を例示した。しかしながら、ジャーナルファイル163は、ストアサーバ等の上位機器にて記憶管理されてもよい。この場合、1取引のジャーナル生成時において当該ジャーナルを、通信I/F14を介して上位機器に送信するようにすればよい。
【0074】
(3)第2の実施形態では、返品商品の単価から当該商品の按分値引き額を減じた金額を返金額として表示する第1表示方式、および按分値引き額を考慮せずに返品商品の単価自体を返金額として表示する第2表示方式のいずれかによって返金額を表示する場合を例示した。しかしながら、返品商品の単価から当該商品の按分値引き額の一部を減じた金額を返金額として表示する方式や、返品商品の単価からM&M値引き額を減じた金額を返金額として表示する方式など、他の表示方式を採用してもよい。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1…商品販売データ処理装置、10…CPU、120…販売データ記憶エリア、161…PLUファイル、162…MMファイル、163…ジャーナルファイル、170…店員用表示ユニット、180…客用表示ユニット、190…キーボード、191…ジャーナルキー、192…検索返品キー、400…検索返品画面、500…返金額表示画面、600…返金額表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品の組合せパターンおよび当該組合せパターンに対する値引き額を記憶した組合せパターン記憶手段と、
商品の識別情報を入力する入力手段と、
1取引内において前記入力手段によって入力された識別情報に少なくとも当該商品の単価を対応付けた販売データを記憶する販売データ記憶手段と、
前記販売データ記憶手段に記憶された各販売データに対応する各商品によって前記組合せパターン記憶手段に記憶された組合せパターンが成立する場合、前記組合せパターン記憶手段に記憶された当該組合せパターンに対する値引き額を、当該取引の代金から値引く値引き手段と、
前記値引き手段による値引きが行われた場合、成立した組合せパターンの構成要素である各商品の単価の比率に応じて前記値引き手段による値引き額を当該各商品に按分した按分値引き額を算出する算出手段と、
前記販売データ記憶手段に記憶された販売データおよび前記値引き手段による値引き額を用いて取引を精算処理する精算処理手段と、
前記精算処理手段によって精算処理された取引に関し、前記販売データ記憶手段に記憶された販売データおよび前記算出手段によって算出された按分値引き額を含む取引履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴に含まれる前記按分値引き額を表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記取引履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴を閲覧するための指示を入力する閲覧指示手段を備え、
前記表示手段は、前記閲覧指示手段によって指示が入力されたことに応じ、前記取引履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴が示す情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
精算済み商品の返品処理を開始するための指示を入力する返品指示手段を備え、
前記表示手段は、前記返品指示手段によって指示が入力されたことに応じ、前記取引履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴に含まれる販売データおよび前記按分値引き額を表した返品画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記返品画面に表された各販売データが示す商品の中から返品商品の指定を受け付ける指定受付手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記指定受付手段によって返品商品の指定が受け付けられたとき、当該返品商品の単価から当該返品商品の前記按分値引き額を減じた額を表示することを特徴とする請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記返品画面に表示された販売データが示す商品の中から返品商品の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記指定受付手段によって返品商品の指定が受け付けられたとき、当該返品商品の単価から当該返品商品の前記按分値引き額を減じた額を返金額として前記表示手段に表示させる第1表示方式、および前記指定受付手段によって返品商品の指定が受け付けられたとき、当該返品商品の単価を返金額として前記表示手段に表示させる第2表示方式のいずれか一方を、返金額の表示方式として設定する設定手段と、
をさらに備え、
前記表示手段は、前記指定受付手段によって返品商品の指定が受け付けられたとき、前記設定手段によって設定された表示方式に従って当該返品商品の返金額を表示することを特徴とする請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
複数の商品の組合せパターンおよび当該組合せパターンに対する値引き額を記憶した組合せパターン記憶部と、商品の識別情報を入力する入力部と、販売データを記憶する販売データ記憶部と、取引履歴を記憶する履歴記憶部と、表示部と、を備えた商品販売データ処理装置の制御プログラムであって、
前記商品販売データ処理装置に、
1取引内において前記入力部によって入力された識別情報に少なくとも当該商品の単価を対応付けた販売データを前記販売データ記憶部に記憶させる販売データ記憶機能と、
前記販売データ記憶部に記憶された各販売データに対応する各商品によって前記組合せパターン記憶部に記憶された組合せパターンが成立する場合、前記組合せパターン記憶部に記憶された当該組合せパターンに対する値引き額を、当該取引の代金から値引く値引き機能と、
前記値引き機能による値引きが行われた場合、成立した組合せパターンの構成要素である各商品の単価の比率に応じて前記値引き機能による値引き額を当該各商品に按分した按分値引き額を算出する算出機能と、
前記販売データ記憶部に記憶された販売データおよび前記値引き機能による値引き額を用いて取引を精算処理する精算処理機能と、
前記精算処理機能によって精算処理された取引に関し、前記販売データ記憶部に記憶された販売データおよび前記算出機能によって算出された按分値引き額を含む取引履歴を前記履歴記憶部に記憶させる履歴記憶機能と、
前記履歴記憶部に記憶された前記取引履歴に含まれる前記按分値引き額を前記表示部に表示させる表示機能と、
を実現させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−53761(P2012−53761A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196940(P2010−196940)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】