説明

商品販売データ処理装置及びプログラム

【課題】貨幣収納装置からの金融機関の預金口座の預金の引き出しによる買い物客への釣銭が不足することを抑制する。
【解決手段】商品販売データ処理装置10は、規定の金額以下で引き出し金額を指定する引出金額指定手段36と、預金口座から引出金額指定手段36によって指定された引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、管理装置に送信する引出情報送信手段と、引出要求情報に応じて管理装置から送信された許諾情報が通信部によって受信された場合、貨幣収納装置102から引出金額指定手段36によって指定された金額の貨幣を取り出し可能な状態とさせる引出制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行や信用金庫等の金融機関のATM(現金自動預け入れ払い機)が、金融機関の店舗の他にスーパーマーケット等の小売店にも設置されている。これにより、金融機関の利用者は小売店で現金を引き出すことができるので、利用者にとっての利便性が向上している。
【0003】
このようにATMを小売店に設置することにより、小売店には、顧客の来店回数の増加が期待できるという利点が有る反面、ATMを設置した分だけ売り場面積が減少してしまうという欠点もある。そこで、小売店に設置されているPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末にATMの機能を設け、POS端末を操作することによって、このPOS端末に接続されている貨幣収納装置である自動釣銭機内の現金を引き出し可能とする提案がされている(例えば、特許文献1参照)。このようにPOS端末にATMの機能を設けることで、ATMを設置する必要がなくなるので、売り場面積の減少を抑制することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようにPOS端末にATMの機能を設けて自動釣銭機内の現金を引き出し可能とすると、現金が引き出されることで自動釣銭機内の現金が少なくなり、自動釣銭機の本来の機能である買い物客への釣銭の払い出しに支障を来たす虞がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、貨幣収納装置からの金融機関の預金口座の預金の引き出しによる買い物客への釣銭が不足することを抑制することができる商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を取り出し可能に収納した貨幣収納装置内の貨幣を釣銭として取り出し可能な状態とさせる商品販売データ処理装置において、金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、規定の金額以下で引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置から前記引き出し金額の貨幣を取り出し可能な状態とさせる引出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を払い出し可能に収納した貨幣収納装置に貨幣を釣銭として払い出させる商品販売データ処理装置において、金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、前記貨幣収納装置に収納される貨幣の金種のうち最高額面金額の金種の額面金額の整数倍の引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置に前記引き出し金額の貨幣を前記最高額面金額の金種で払い出させる引出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、規定の金額以下で引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、コンピュータと、を備え、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を取り出し可能に収納した貨幣収納装置内の貨幣を釣銭として取り出し可能な状態とさせる商品販売データ処理装置の前記コンピュータを、前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置から前記引き出し金額の貨幣を取り出し可能な状態とさせる引出制御手段と、として機能させる。
【0009】
また、本発明のプログラムは、金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、前記貨幣収納装置に収納される貨幣の金種のうち最高額面金額の金種の額面金額の整数倍の引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、コンピュータと、を備え、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を払い出し可能に収納した貨幣収納装置に貨幣を釣銭として払い出させる商品販売データ処理装置の前記コンピュータを、前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置に前記引き出し金額の貨幣を前記最高額面金額の金種で払い出させる引出制御手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、貨幣収納装置からの金融機関の預金口座の預金の引き出しによる買い物客への釣銭が不足することを抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる会計システムを示す外観図である。
【図2】図2は、POS端末の電装系を自動釣銭機等と共に示すブロック図である。
【図3】図3は、自動釣銭機を示すブロック図である。
【図4】図4は、現金引出処理におけるPOS端末の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、POS端末が実行する現金引出処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる会計システムを示す外観図である。
【図7】図7は、POS端末が実行する現金引出処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、POS端末の操作者用表示器に表示される初期画面を示す図である。
【図9】図9は、POS端末の操作者用表示器に表示される引出金額指定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる商品販売データ処理装置及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は、商品販売データ装置をキャッシャが操作を行うPOS端末へ適用した例である。
【0014】
図1に示すように、会計システム1は、商品販売データ処理装置であり商品の販売登録を行うPOS端末10と、このPOS端末10に通信ケーブル(図示せず)を介して接続され釣銭準備金を収納する自動釣銭機100と、引出金額札200と、を備えている。この会計システム1は、金融機関に開設された預金口座の預金を自動釣銭機100から引き出し可能となっている。
【0015】
POS端末10は、キーボード32、モードキー33、操作者用表示器34、客用表示器35、コードスキャナ36、サーマルプリンタ37、カードリーダ75、ピンパッド76等を備えている。操作者用表示器34には、タッチパネル43が積層して取り付けられている。また、POS端末10は、上記各部を制御する制御部31(図2参照)を備えている。
【0016】
図2に示すように、制御部31は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)38に、アドレスバス、データバス等のバスライン39を介して、起動プログラム等の固定的データを予め格納するROM(Read Only Memory)40と、売上バッファや印字バッファ等の各種バッファを構成して各種データを書き換え自在に格納するRAM(Random Access Memory)41と、日付や日時を計時するタイマ42とが接続されて構成されたコンピュータである。
【0017】
CPU38に接続されたバスライン39には、HDD(Hard Disk Drive)55が接続されており、このHDD55には、制御部31を動作させるコンピュータプログラムの他に、商品マスタファイル、売上データ等を記憶する売上ファイル等を格納している。商品マスタファイルは、商品コードに対応付けて商品名や単価、重量などを記憶するファイルである。
【0018】
HDD55に格納されたコンピュータプログラムは、POS端末10の起動時に商品マスタファイル等の各種ファイルとともにRAM41に書き込まれ、これによって制御部31による各部の駆動制御が可能な状態となる。
【0019】
次に、制御部31によって駆動制御される各部を図1及び図2に基づいて説明する。
【0020】
キーボード32は、置数キー、PLUキー、部門キー、小計キー、預/現計キー、クリアキー、エンターキー、リセットキー、中止キー、引出宣言手段である現金引出キー32a等の各種キーを有している。キーボード32は、キーボードコントローラ68を介してバスライン39に接続され、操作されたキーに応じた信号をキーボードコントローラ68の動作によって制御部31に入力する。ここで、現金引出キー32aは、自動釣銭機100の紙幣入出金装置(貨幣収納装置)102からの現金の引き出しを宣言するものである。
【0021】
モードキー33は、モードキーコントローラ69を介してバスライン39に接続され、モードキーコントローラ69の動作によって切り替え位置に応じた信号を制御部31に入力する。制御部31は、モードキー33からの出力信号に応じて、POS端末10の動作モードを登録モード、設定モード、精算モード、点検モード、トレーニングモード等の各業務モードに設定する。
【0022】
操作者用表示器34及び客用表示器35は、表示コントローラ70,71を介してバスライン39に接続され、制御部31からの表示データが表示コントローラ70,71に入力されると、表示コントローラ70,71に駆動されて所定事項を表示する。
【0023】
タッチパネル43は、操作者によってタッチされたパネル上のXY座標の位置を認識して座標データを取得する。タッチパネル43は、パネルコントローラ44を介してバスライン39に接続され、取得した座標データに応じた信号をパネルコントローラ44の動作によって制御部31に入力する。制御部31は、タッチパネル43においてタッチされた座標に対応する操作者用表示器34に表示されるボタン等を認識することで、タッチパネルによって指定されたボタン等を認識することになる。
【0024】
コードスキャナ36は、商品に付されたバーコードなどの商品コードや引出金額札200(図1参照)に表示された金額等のコードシンボル化された情報を光学的に読み取るもので、スキャナコントローラ72を介してバスライン39に接続され、読み取った情報のスキャナコントローラ72の動作によって制御部31に送信する。ここで、引出金額札200には、図1に示すように、金額と、この金額がコード化されたバーコードとが表示されている。本実施の形態では、引出金額札200は、表示された金額がそれぞれ異なる複数種類のものが設けられており、詳細には、表示された金額が1万円、2万円、3万円の3種類が設けられている。そして、コードスキャナ36は、引出金額指定手段として機能して、操作者の操作によって、複数種類の引出金額札200のうちの一つのバーコードをスキャンして金額を読み取って制御部31に入力することで、規定の金額(本実施の形態では3万円)以下で引き出し金額を指定する。したがって、本実施の形態では、コードスキャナ36は、3万円、2万円、1万円のうちのいずれか一つの金額を引き出し金額として指定する。即ち、コードスキャナ36は、予め設定された複数種類の金額の中から一つの金額を引き出し金額として指定する。また、コードスキャナ36は、自動釣銭機100の後述する紙幣入出金装置(貨幣収納装置)102に収納される貨幣である紙幣の金種のうち最高額面金額の金種(1万円)の額面金額の整数倍の引き出し金額を指定する。ここで、引出金額札200は、POS端末10の近傍に配置されている。
【0025】
サーマルプリンタ37は、図2に示すように、プリンタコントローラ73を介してバスライン39に接続され、制御部31によって駆動制御される。このサーマルプリンタ37には、カッタ部(図示せず)が内蔵されている。サーマルプリンタ37は、制御部31によって駆動制御されて、図示しない長尺紙であるレシート用紙にレシートとしての必要事項を印字し、これを切断してレシートとして発行する。また、サーマルプリンタ37は、制御部31によって駆動制御され、レシート用紙に現金の引き出しに関する取引明細書としての必要事項を印字し、これを切断して、取引明細書を発行する。
【0026】
カードリーダ75は、カードリーダコントローラ77を介してバスライン39に接続され、制御部31によって駆動制御される。このカードリーダ75は、金融機関が発行する磁気カードであるキャッシュカード(図示せず)に記憶されている情報を読み取り、読み取った情報をカードリーダコントローラ77の動作によって制御部31に入力する。ここで、キャッシュカードには、口座を識別する口座識別情報として口座番号が記憶されており、カードリーダ75は、キャッシュカードに記憶されている口座番号を読み取る。
【0027】
ピンパッド76は、顧客による暗証番号の入力のためのものであり、置数キーを有している。ピンパッド76は、ピンパッドコントローラ78を介してバスライン39に接続され、操作されたキーに応じた信号をピンパッドコントローラ78の動作によって制御部31に入力する。
【0028】
また、POS端末10には、通信ケーブルを介して自動釣銭機100に接続され自動釣銭機100との間のデータ通信を司るインターフェース(図面ではI/F)79が設けられている。このインターフェース79は、バスライン39に接続されており、制御部31によって駆動制御される。制御部31は、インターフェース79を介して自動釣銭機100を制御する。
【0029】
さらに、POS端末10には、通信部としての通信インターフェース(図面ではI/F)74が設けられている。この通信インターフェース74は、金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置300と通信回線301を介して接続され、管理装置300との間で通信を行う。この通信インターフェース74は、バスライン39に接続されており、制御部31によって駆動制御される。ここで、管理装置300は、コンピュータ構成の制御部と、預金口座毎に預金金額と暗証番号とを記憶した記憶部と、を備えている。
【0030】
このような構成のPOS端末10のCPU38は、商品の売上登録処理を行う。売上登録処理では、CPU38は、例えばコードスキャナ36による商品に付された商品コードの読み取り入力がなされると、読み取り入力された商品コードに基づいて商品マスタファイルを検索し、該当する商品コードに対応した商品名や単価等の商品情報を読み出し、商品コード及び読み出した商品情報等をRAM41に記憶させて商品の販売登録を行う。そして、小計キーの押下に応じて当該取引の売上金額を算出してRAM41に記憶させる。次に、客が買上げる商品の登録を終了しその客が現金で代金を支払うことを宣言する締め宣言が預/現計キーの操作により行われたことを検知すると、締め処理を実行する。締め処理では、キーボード32の置数キーによって入力された客からの預かり金額を取得し、その預かり金額からRAM41に記憶させた当該取り引きの売上金額を減じて釣銭金額を算出し、自動釣銭機100に対し釣銭データを送信する。また、サーマルプリンタ37によるレシートの印字発行等を行う。釣銭データを受信した自動釣銭機100は、釣銭データに基づいて釣銭を払い出す。即ち、POS端末10は、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を取り出し可能に収納した自動釣銭機100の後述する硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102を制御して硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102内の貨幣を釣銭として取り出し可能な状態とさせる。別の言い方をすると、POS端末10は、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を払い出し可能に収納した自動釣銭機100の硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102を制御して硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102に貨幣を釣銭として払い出させる。
【0031】
自動釣銭機100は、図1に示すように、貨幣収納装置であって硬貨を扱う硬貨入出金装置101と、貨幣収納装置であって紙幣を扱う紙幣入出金装置102と、を備えている。硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102は、扱う金銭は異なるが、金銭の処理を行う構成は同様であるので、共通の図(図3)を用いて説明する。
【0032】
図3に示すように、硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102は、それぞれ、金銭(硬貨入出金装置101の場合には硬貨、紙幣入出金装置102の場合には紙幣)を金種別に収納する金銭収納部111と、この金銭収納部111に収納されている金銭の金種別の枚数を記憶する収納枚数記憶部112と、客の支払いや釣銭準備金として補充する金銭を投入する投入口113と、この投入口113から投入(入金)された金銭を金種別に選別し金銭収納部111に収納する選別手段114と、この選別手段114により選別した金銭の枚数を金種別に計数する投入枚数計数手段115と、を備えている。
【0033】
また、硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102は、それぞれ、POS端末10から送信される釣銭データ等を受信するインターフェース(図面ではI/F)116と、このインターフェース116を介して受信した釣銭データと収納枚数記憶部112に記憶した金種別の収納枚数データとに基づいて金種別の払出し枚数を算出する払出し払出枚数算出手段117と、金銭収納部111に収納された金銭を金種別に1枚ずつ払出す払出手段118と、この払出手段118により金銭収納部111から払出された金銭を受ける払出口119と、払出手段118により払出した金銭の枚数を金種別に計数する払出枚数計数手段120と、この払出枚数計数手段120により計数した金種別の払出枚数が払出枚数算出手段117により算出した払出枚数に一致するまで払出手段118を動作させて釣銭の払出しを行う金銭払出制御手段121と、投入枚数計数手段115により計数した金種別の投入枚数及び払出枚数計数手段120により計数した金種別の払出枚数に基づいて収納枚数記憶部112の値を更新する収納枚数更新手段122と、を備えている。
【0034】
さらに、硬貨入出金装置101及び紙幣入出金装置102は、インターフェース116を介して在高の要求コマンドを受信すると、収納枚数記憶部112に記憶した金種別の収納枚数データを読出して現時点における現金の合計金額である在高を算出し、その在高を含む在高情報をインターフェース116を介してPOS端末10に送出する在高算出手段123を備えている。この在高情報には、金種毎の金銭の枚数および金種毎の合計金額(在高)が含まれる。
【0035】
次に、このような会計システム1が実行する各種の処理のうちPOS端末10のCPU38が実行する現金引出処理について説明する。
【0036】
現金引出処理では、POS端末10のCPU38は、プログラムに従うことにより、図4に示すように、口座識別情報受付部81と、認証情報受付部82と、引出情報送信部83と、引出制御部84と、引出禁止部85と、を機能部として実現する。
【0037】
口座識別情報受付部81は、口座識別情報受付手段として機能するものであって、預金口座を特定する口座識別情報である口座番号の入力を受け付けるものである。詳細には、口座識別情報受付部81は、カードリーダ75からの、キャッシュカードに記憶されている口座番号の入力を受け付けて、受け付けた口座番号をRAM41に格納する。
【0038】
認証情報受付部82は、認証情報受付手段として機能するものであって、預金口座に対して予め設定された認証情報としての暗証番号の入力を受け付ける。詳細には、認証情報受付部82は、ピンパッド76からの暗証番号の入力を受け付けて、受け付けた暗証番号をRAM41に格納する。
【0039】
引出情報送信部83は、引出情報送信手段として機能するものであって、口座識別情報受付部81によって受け付けられた口座番号によって特定される預金口座から引出金額指定手段であるコードスキャナ36によって指定された引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報及び認証情報受付部82によって受け付けられた暗証番号を、通信インターフェース74を用いて管理装置300に送信するものである。なお、引出要求情報と暗証番号とは、それらを一回の送信動作で同時に送信しても良いし、別々の送信動作で個別に送信しても良いが、以下では、それらを一回の送信動作で同時に送信する例を説明する。
【0040】
引出制御部84は、管理装置300から送信された許諾情報が通信インターフェース74によって受信された場合、紙幣入出金装置102を制御して紙幣入出金装置102からコードスキャナ36によって指定された引き出し金額の紙幣を取り出し可能な状態とさせるものである。許諾情報は、引出要求情報による要求を許諾する旨の情報である。ここで、本実施の形態では、現金の引き出しとして自動釣銭機100が払い出す貨幣は、紙幣のみに限定しており、硬貨は払い出さない。
【0041】
引出禁止部85は、紙幣入出金装置102内の現金の在高を算出する在高算出手段123によって算出された紙幣入出金装置102内の現金の在高からコードスキャナ36によって指定された引き出し金額を減算して得た予想在高が規定の金額以下である場合には、紙幣入出金装置102内の現金の在高がコードスキャナ36によって指定された引き出し金額以上有っても、引出情報送信部83による上述の送信を禁止するものである。
【0042】
現金引出処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。POS端末10のCPU38は、現金引出キー32aが押下されて現金引出キー32aによって現金の引き出し宣言がなされたと判断すると(ステップS1のYes)、操作者用表示器34及び客用表示器35の表示を、所定情報が表示された初期画面から、例えば「コードスキャナによって引き出し金額を指定して下さい」などの金額指定を促す情報が表示された画面へ変更する。そして、CPU38は、コードスキャナ36による引き出し金額の指定を受け付ける(ステップS2)。コードスキャナ36は、操作者の操作によって、複数の引出金額札200のうちのいずれか一つのバーコードをスキャンすることで引き出し金額を指定する。
【0043】
次に、CPU38は、コードスキャナ36によって指定された引き出し金額の紙幣を自動釣銭機100から払い出し可能か否かを判定する(ステップS3)。詳細には、CPU38は、紙幣入出金装置102内の現金の在高を紙幣入出金装置102に問い合わせすることによって取得し、取得した紙幣入出金装置102内の現金の在高からコードスキャナ36によって指定された引き出し金額を減算して予想在高を算出する。そして、CPU38は、予想在高が規定の金額を超える場合には、払い出し可能であると判定し(ステップS3のYes)、予想在高が規定の金額以下の場合には、払い出し不可であると判定する(ステップS3のNo)。
【0044】
CPU38は、ステップS3で、払い出し可能であると判定した場合には(ステップS3のYes)、カードリーダ75による口座番号の入力を受け付けて(ステップS4:口座識別情報受付部81)、ピンパッド76による暗証番号の入力を受け付ける(ステップS5:認証情報受付部82)。
【0045】
次に、CPU38は、ステップS2で受け付けた口座番号によって特定される預金口座からステップS4で指定された金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報及びステップS5で受け付けた暗証番号を、通信インターフェース74を用いて管理装置300に送信する(ステップS6:引出情報送信部83)。ここで、引出要求情報には、口座番号と引出金額とが含まれている。そして、CPU38は、管理装置300からの許諾情報又は不可情報を受信するまで待機する(ステップS7のNo、ステップS8のNo)。
【0046】
一方、POS端末10から引出要求情報及び暗証番号を受信した管理装置300は、暗証番号と引出要求情報中の口座番号とを用いてキャッシュカードの認証を行う。そして、管理装置300は、POS端末10から受信した引出要求情報中の口座番号に対応する暗証番号を記憶部から抽出し、この抽出した暗証番号とPOS端末10から受信した暗証番号の一致によりキャッシュカードを認証すると、引出要求情報中の引き出し金額が引出要求情報中の口座番号の預金口座の残高範囲内であるか否かを判断する。そして、引き出し金額が残高範囲内である場合には、管理装置300は、引き出しを許諾する旨の許諾情報をPOS端末10に送信する。一方、管理装置300は、暗証番号の不一致によってキャッシュカードの認証をしない場合や、引出要求情報中の引き出し金額が引出要求情報中の口座番号の預金口座の残高範囲外、即ち残高不足である場合には、当該預金口座からの引き出しを許可しない旨の不可情報をPOS端末10に送信する。
【0047】
POS端末10のCPU38は、管理装置300からの許諾情報を受信した場合には(ステップS7のYes)、操作者用表示器34及び客用表示器35に引出金額を表示する(ステップS9)。そして、預/現計キーが押下されて預/現計キーによって引出実行が宣言された場合には(ステップS10のYes)、CPU38は、引落処理を実行する(ステップS11)。この引落処理では、CPU38は、引き出しを実行する旨の引出実行情報を管理装置300へ送信し、この引出実行情報に応じて所定の処理を行った管理装置300から所定の処理が完了した旨の処理完了情報を受信する処理である。ここで、管理装置300が行う所定の処理は、引出要求情報中の引き出し金額を引出要求情報中の口座番号の預金口座から引き落として、POS端末10が設置された店舗によって予め指定された預金口座に振り替える処理である。
【0048】
次に、CPU38は、紙幣入出金装置102を制御して、ステップS2で受け付けた金額の紙幣を紙幣入出金装置102に払い出させ(ステップS12:引出制御部84)、サーマルプリンタ37に、引き出し明細を印字した取引明細書を発行させる(ステップS13)。このようにして払い出された紙幣と取引明細書とは、店員によって客に渡される。
【0049】
一方、CPU38は、ステップS10で、預/現計キーによる引出実行が宣言されないと判断した場合には(ステップS10のNo)、ステップS11に進むことなく、処理を終了する。預/現計キーによる引出実行が宣言されない場合としては、例えば、中止キーが押下された場合などである。
【0050】
また、CPU38は、管理装置300から不可情報を受信した場合には(ステップS8のYes)、エラー処理として、操作者用表示器34及び客用表示器35に預金口座が残高不足である旨を所定時間だけ表示し、その後に初期画面を表示して(ステップS15)、処理を終了する。
【0051】
また、ステップS3において、払い出し不可と判定した場合には(ステップS3のNo)、CPU38は、エラー処理として、「釣銭不足の発生が予想されるため、引出処理を中止します」等の引出中止情報を操作者用表示器34及び客用表示器35に表示させて(ステップS14)、処理を終了する。この処理によって、CPU38は、自動釣銭機100内の現金の在高がコードスキャナ36によって指定された引き出し金額以上有っても、引出情報送信部83によるステップS7の送信の禁止(引出禁止部85)を実現している。なお、CPU38は、ステップS1において、現金引出キー32aではなく他のキーが押下されたと判断した場合(ステップS1のNo)には、他のキーに応じた他の処理を実行する。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態では、POS端末10によって貨幣収納装置である紙幣入出金装置102から金融機関の預金口座の預金を引き出しすることができる。そして、POS端末10において、引出金額指定手段であるコードスキャナ36が規定の金額(具体的には3万円)以下で引き出し金額を指定するので、引き出し金額を無制限に設定できる場合に比べて、紙幣入出金装置102からの金融機関の預金口座の預金の引き出しによる買い物客への釣銭が不足することを抑制することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、POS端末10において、引出禁止手段である引出禁止部85が、貨幣収納装置である紙幣入出金装置102内の現金の在高を算出する在高算出手段123によって算出された紙幣入出金装置102内の現金の在高から引出金額指定手段であるコードスキャナ36によって指定された引き出し金額を減算して得た予想在高が規定の金額以下である場合には、紙幣入出金装置102内の現金の在高がコードスキャナ36によって指定された引き出し金額以上有っても、引出情報送信手段である引出情報送信部83による送信を禁止する。したがって、紙幣入出金装置102での買い物客への釣銭が不足することをより抑制することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、引出金額指定手段であるコードスキャナ36は、予め設定された複数種類の金額の中から一つの金額を引き出し金額として指定する。したがって、コードスキャナ36による引き出し金額の指定を容易に行うことができる。
【0055】
なお、口座番号のキーボード32による口座番号の入力は、禁止することが望ましい。また、現金引出処理においては、取消、返品、レジマイナス操作を禁止することが望ましい。また、現金引出処理における入金操作は行わないことが望ましい。また、トレーニングモードで現金引出処理の練習を行えるようにすることが望ましい。
【0056】
次に、本実施の形態の変形例を説明する。本変形例では、貨幣収納装置である紙幣入出金装置102に収納される貨幣である紙幣の金種のうち最高額面金額の金種(1万円)の額面金額の整数倍の引き出し金額(具体的には、1万円、2万円、3万円)だけを引き出し可能としてある。
【0057】
これにより、図5の現金引出処理において、以下の点が異なる。まず、ステップS3では、CPU38は、コードスキャナ36によって指定された引き出し金額の1万円札を紙幣入出金装置102から払い出し可能か否かを判定する。詳細には、CPU38は、紙幣入出金装置102内の1万円札の在高を紙幣入出金装置102に問い合わせすることによって取得し、取得した紙幣入出金装置102内の1万円札の在高がコードスキャナ36によって指定された引き出し金額以上あるか否かを判定する。そして、CPU38は、紙幣入出金装置102内の1万円札の在高がコードスキャナ36によって指定された引き出し金額以上有る場合には、払い出し可能であると判定し(ステップS3のYes)、紙幣入出金装置102内の1万円札の在高がコードスキャナ36によって指定された引き出し金額を下回る場合には、払い出し不可であると判定する(ステップS3のNo)。
【0058】
そして、ステップS12では、CPU38は、紙幣入出金装置102を制御して紙幣入出金装置102からコードスキャナ36によって指定された金額の紙幣を最高額面金額の金種の貨幣である1万円札で払い出させる。
【0059】
また、ステップS14では、エラー処理として、「払い出し不可です。引出処理を中止します」等の引出中止情報を操作者用表示器34及び客用表示器35に表示させて(ステップS14)、処理を終了する。
【0060】
このように、本変形例では、引出制御手段である引出制御部84が、引出要求情報に応じて管理装置300から送信された許諾情報が通信部である通信インターフェース74によって受信された場合、貨幣収納装置である紙幣入出金装置102を制御して紙幣入出金装置102から引出金額指定手段であるコードスキャナ36によって指定された金額の貨幣を最高額面金額の金種で払い出させる。したがって、紙幣入出金装置102は、引き出し用貨幣として、釣銭に用いることが無い最高額面金額の金種の貨幣である1万円札のみを払い出すので、1万円札以外の5000円札や1000円札等のお釣りに供することができる貨幣が引き出しによって減ることがない。よって、紙幣入出金装置102からの金融機関の預金口座の預金の引き出しによる買い物客への釣銭が不足することを抑制することができる。
【0061】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、商品販売データ装置を客が操作を行うPOS端末へ適用した例である。なお、第1の実施の形態と同じ部分には同一符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0062】
図6に示すように、会計システム501は、会計装置502と、秤ユニット503と、備えている。
【0063】
会計装置502は、POS端末10と自動釣銭機100と、を有している。POS端末10は、基本的な構成は第1の実施の形態で説明したものと同じであるが、キーボード32は設けられていない。本実施の形態では、キーボード32のキーに代えて、操作者用表示器34にタッチパネル43で選択可能な各種のボタンが表示される。また、本実施の形態では、操作者である客用に、操作者用表示器34を設けてあるので、第1の実施の形態で説明した客用表示器35は設けられていない。ここで、本実施の形態では、POS端末10の操作者用表示器34に、図8に示す初期画面510が表示される。初期画面510には、会計ボタン511と、現金引出ボタン512とが表示されている。操作者のタッチ操作により、会計ボタン511がタッチパネル43によって指定されることで、会計処理が宣言される。これにより、会計処理が宣言されると、POS端末10が、商品の売上登録処理を行う。一方、現金引出ボタン512がタッチパネル43によって指定されることで、貨幣収納装置としての自動釣銭機100からの現金の引き出しが宣言される。しうたがって、タッチパネル43が引出宣言手段として機能する。
【0064】
また、この会計装置502には、買物籠載置台504が固定されている。買物籠載置台504は、会計前の商品を収納した買物籠が載置されるものである。
【0065】
秤ユニット503は、POS端末によって販売登録された商品を収納するレジ袋等を保持した状態で、レジ袋内の商品の重量を計量するものである。
【0066】
そして、会計システム501では、POS端末10が、商品の売上登録処理において、コードスキャナ36によって読み取り入力された商品コードに基づいて商品マスタファイルを検索し、該当する商品コードに対応した商品の重量を読み出す。そして、この読み出した重量が、コードスキャナ36のスキャン後に秤ユニット503によって計量された重量と同一性を有するか否か判定して重量チェックを行う。これにより、販売登録がなされていない商品がレジ袋に入れられることを防止している。
【0067】
次に、POS端末10のCPU38が実行する現金引出処理について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。POS端末10のCPU38は、現金引出ボタン512がタッチ操作されて現金の引き出し宣言がなされたと判断すると(ステップS1のYes)、図9に示す引出金額指定画面520を操作者用表示器34に表示する(ステップS101)。この引出金額指定画面520には、金額が表示された引出金額ボタン521が表示されている。本実施の形態では、引出金額ボタン521は、表示された金額がそれぞれ異なる複数種類のものが設けられており、詳細には、表示された金額が1万円、2万円、3万円の3種類が設けられている。これらの引出金額ボタン521は、操作者のタッチ操作によりタッチパネル43によっていずれか一つが引き出し金額として指定される。
【0068】
そして、CPU38は、ステップS2で、タッチパネル43による引き出し金額の指定を受け付けた後、第1の実施の形態又はその変形例と同じくステップS3以降の処理を行う。
【0069】
以上説明した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、紙幣入出金装置102からの金融機関の預金口座の預金の引き出しによる買い物客への釣銭が不足することを抑制することができる。また、本実施の形態では、POS端末10を含む会計システム501を客が操作して現金を引き出すので、客は店員に引き出し金額を知られること無く、現金を引き出すことができる。
【0070】
なお、本発明は、本実施の形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施の形態を各種採用することができる。例えば、商品販売データ処理装置を、ECR(Electric Cash Register)に適用しても良い。
【0071】
また、預金口座からの引き出しを硬貨入出金装置101によっても行うようにして良い。
【0072】
また、在高算出手段をPOS端末10に設けてもよい。この場合には、自動釣銭機100内の在高の初期値をPOS端末10に記憶させておく。これにより、在高算出手段は、在高の初期値と取引毎の釣銭データとに基づいて自動釣銭機100内の在高を算出可能となる。
【0073】
また、第2の実施の形態において、紙幣入出金装置102内の在高が少なくなるのに応じて、引出金額指定画面520に表示する引出金額ボタン521を高額のものから順に表示させないようにしても良い。
【0074】
また、本実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供しても良い。
【0075】
また、本実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0076】
10…POS端末
32a…現金引出キー
36…コードスキャナ
43…タッチパネル
74…通信インターフェース
81…口座識別情報受付部
83…引出情報送信部
84…引出制御部
85…引出禁止部
101…貨幣入出金装置
102…紙幣入出金装置
300…管理装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2000−259948公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を取り出し可能に収納した貨幣収納装置内の貨幣を釣銭として取り出し可能な状態とさせる商品販売データ処理装置において、
金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、
前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、
規定の金額以下で引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、
前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、
前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、
前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置から前記引き出し金額の貨幣を取り出し可能な状態とさせる引出制御手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記貨幣収納装置内の現金の在高を算出する在高算出手段によって算出された前記貨幣収納装置内の現金の在高から前記引き出し金額を減算して得た予想在高が規定の金額以下である場合には、前記貨幣収納装置内の現金の在高が前記引き出し金額以上有っても、前記引出情報送信手段による前記送信を禁止する引出禁止手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を払い出し可能に収納した貨幣収納装置に貨幣を釣銭として払い出させる商品販売データ処理装置において、
金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、
前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、
前記貨幣収納装置に収納される貨幣の金種のうち最高額面金額の金種の額面金額の整数倍の引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、
前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、
前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、
前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置に前記引き出し金額の貨幣を前記最高額面金額の金種で払い出させる引出制御手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記引出金額指定手段は、予め設定された複数種類の金額の中から一つの金額を前記引き出し金額として指定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、規定の金額以下で引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、コンピュータと、を備え、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を取り出し可能に収納した貨幣収納装置内の貨幣を釣銭として取り出し可能な状態とさせる商品販売データ処理装置の前記コンピュータを、
前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、
前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、
前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置から前記引き出し金額の貨幣を取り出し可能な状態とさせる引出制御手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項6】
金融機関に開設された預金口座を管理する管理装置との間で、通信を行う通信部と、前記貨幣収納装置からの現金の引き出しを宣言する引出宣言手段と、前記貨幣収納装置に収納される貨幣の金種のうち最高額面金額の金種の額面金額の整数倍の引き出し金額を指定する引出金額指定手段と、コンピュータと、を備え、釣銭が発生する取引に伴い、貨幣を払い出し可能に収納した貨幣収納装置に貨幣を釣銭として払い出させる商品販売データ処理装置の前記コンピュータを、
前記預金口座を特定する口座識別情報の入力を受け付ける口座識別情報受付手段と、
前記口座識別情報によって特定される前記預金口座から前記引き出し金額の現金の引き出しを要求する引出要求情報を、前記通信部を用いて前記管理装置に送信する引出情報送信手段と、
前記引出要求情報に応じて前記管理装置から送信された許諾情報が前記通信部によって受信された場合、前記貨幣収納装置に前記引き出し金額の貨幣を前記最高額面金額の金種で払い出させる引出制御手段と、
として機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−76298(P2011−76298A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226028(P2009−226028)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】