商品販売データ処理装置
【課題】商品の税込み価格に対して値引が行われた際には値引後の税込み価格を提示できるようにする。
【解決手段】販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する。商品の税込み値引額が入力されると、税込み価格から税込み値引額を減算して税込み値引後の税込み価格を算出し、税込み値引後の税込み価格と税率とから税込み値引後の税込み価格に含まれる税額を算出する。そして、値引額が入力された商品の税額をこの算出された税額に変更する。1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額が入力されなかった商品については算出された税額を、税込み値引額が入力された商品については変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する。取引税額をレシート70に印字する。
【解決手段】販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する。商品の税込み値引額が入力されると、税込み価格から税込み値引額を減算して税込み値引後の税込み価格を算出し、税込み値引後の税込み価格と税率とから税込み値引後の税込み価格に含まれる税額を算出する。そして、値引額が入力された商品の税額をこの算出された税額に変更する。1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額が入力されなかった商品については算出された税額を、税込み値引額が入力された商品については変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する。取引税額をレシート70に印字する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式キャッシュレジスタやPOS(Point Of Sales)システム等の商品販売データ処理装置に関わり、特に、販売入力された商品の税込み価格を取得し、この税込み価格に基づいて前記商品の販売データを処理する商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国では、個人の消費に対して課せられる租税として消費税が導入されている。そして小売店では、通常、顧客との取引発生時点毎に取引金額から消費税を計算する外税方式が用いられている。そこで、従来の消費税対応のPOSシステムとしては、商品ファイルに各商品の商品コードに対応して税抜きの本体価格を設定するとともに、POS端末に取引合計メモリと外税対象額合計メモリとを設けたものが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のPOSシステムにおいては、1取引として販売する商品の商品コードがPOS端末に入力される毎に、その商品の本体価格を商品ファイルから呼出してPOS端末の表示部に表示するとともに、取引合計メモリと外税対象額合計メモリにそれぞれ加算する。そして、この1取引の登録締めが宣言されると、外税対象額合計メモリ内の外税合計金額と予め設定された消費税率とから消費税額を算出し、この消費税額を取引合計メモリの金額に加算して税込み合計金額を算出する。そして、この税込み合計金額を表示部に表示して、客への請求金額としていた。
【0004】
ところで小売店では、タイムサービス等のように一部の商品を一時的に値引して販売することがある。この場合、先ず、POS端末に値引対象商品の商品コードを入力する。すると、商品ファイルから当該商品の本体価格が呼出され、取引合計メモリと外税対象額合計メモリとにそれぞれ加算される。次に、同POS端末に値引額を入力する。すると、取引合計メモリと外税対象額合計メモリからそれぞれ値引額が減算される。このように、従来の商品値引は、商品の本体価格(税抜き価格)に対する値引であった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−301861号公報
【特許文献2】特許第2542690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さてこの度、我が国では、税制改正により、消費者に対する値札や広告等において価格を表示する場合に消費税相当額を含んだ支払総額の表示を義務付ける総額表示方式が開始されることになった。このため、商品の値引や割引は従来の本体価格に対してではなく税込みの価格に対して行われることとなった。
【0006】
そこで本発明は、商品の税込み価格に対する値引または割引を処理できる商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、販売入力された商品の税込み価格を取得する税込み価格取得手段と、販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する商品税額演算手段と、商品の税込み値引額を入力する値引額入力手段と、この値引額入力手段により商品の税込み値引額が入力されると、当該商品の税込み価格からその税込み値引額を減算して税込み値引後の税込み価格を算出する値引演算手段と、この値引演算手段により算出された税込み値引後の税込み価格と税率とから税込み値引後の税込み価格に含まれる税額を算出する値引後税額演算手段と、値引額入力手段により値引額が入力された商品の税額を値引後税額演算手段により算出された税額に変更する商品税額変更手段と、1取引として販売入力された商品の明細を印字したレシートを発行するレシート発行手段と、1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額が入力されなかった商品については商品税額演算手段により算出された税額を、税込み値引額が入力された商品については商品税額変更手段により変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する取引税額取得手段と、この取引税額取得手段により得られた取引税額をレシート発行手段により発行される当該取引のレシートに印字する取引税額印字手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、商品の税込み価格に対する値引または割引を正確に処理することができ、総額表示方式に対応し得る商品販売データ処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良な形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、説明の便宜上、販売される商品に対して全て5%の消費税が課せられる店舗に適用した場合とする。
【0010】
図1は本実施の形態の店舗に構築される商品販売データ処理装置を示す模式図であって、本装置はPOS端末1とストアコンピュータ2とから構成されている。POS端末1とストアコンピュータ2とは、LAN(Local Area Network)等の通信回線3によって双方向通信自在に接続されている。ストアコンピュータ2の記憶部には、商品ファイル4が記憶されている。
【0011】
商品ファイル4には、図2に示すように、店で販売する各商品固有の商品コードにそれぞれ対応して、商品名,価格等の商品データが予め設定されている。総額表示方式に対応するため、消費税の税額分を加算した税込み価格が設定されている。
【0012】
図3はPOS端末1の外観構成を示す斜視図である。このPOS端末1は、本体正面にキーボード11、モードスイッチ12及びオペレータ用表示器13が設けられており、背面に客用表示器14が設けられている。また、レシートを印刷するためのプリンタ15が本体に内蔵されており、このプリンタ15によって印刷されたレシートがレシート発行口16から排出されるようになっている。さらに、各商品に付されている商品コード等のバーコードを光学的に読取るためのスキャナ17が本体に接続されている。また、釣銭などを収容しておくためのドロワ18が本体と一体的に形成されている。
【0013】
図4は同POS端末1の要部構成を示すブロック図である。POS端末1には、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)21が設けられている。また、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)22、可変的データを書換自在に記憶するための各種メモリエリアが形成されたRAM(Random Access Memory)23、現在の日付,時刻を計時する時計部24、通信回線3を介して接続された上位機種であるストアコンピュータ2との間のデータ通信を司る通信インターフェイス25、モードスイッチ12からのモード選択信号が入力されるとともにドロワ18への開放指令信号が出力されるI/Oポート26、キーボード11から操作キーに対応したキー信号を取り込むキーボードコントローラ27、オペレータ用表示器13に表示データに対応した画像を表示させる表示コントローラ28、客用表示器14に表示データに対応した画像を表示させる表示コントローラ29、プリンタ15の印字動作を制御するプリンタコントローラ30、スキャナ17で読取られたバーコードデータを取り込むスキャナコントローラ31などが設けられている。CPU21と、ROM22,RAM23,時計部24,通信インターフェイス25,I/Oポート26及び各種入出力機器のコントローラ27〜31とは、アドレスバス,データバス等のバスライン32で接続されている。
【0014】
キーボード11には、図5に示すように、「0」〜「9」の置数キー41の他、クリアキー42,PLU(Price Look Up)キー43,小計キー44、預/現計キー45、値引キー46、割引キー47、取消キー48等の各種ファンクションキーが配設されている。PLUキー43は、置数データが商品コードであることを指令するキーである。小計キー44は、商品売買取引の合計金額出力を指令するキーである。預/現計キー45は、商品売買取引の現金締めを宣言する締めキーである。値引キー46は、置数データが値引額であることを指令するキーである。割引キー47は、置数データが割引率であることを指令するキーである。
【0015】
モードスイッチ12は、「登録」,「点検」,「精算」等の各種業務モードのなかから選択操作された業務モードの実行をCPU21に指令する操作スイッチである。「登録」とは、商品売買取引で販売される商品の商品コードがキーボード11またはスキャナ17の入力手段を介して入力されるとこの商品の販売データをRAM23の所定メモリエリアに登録処理し、商品売買取引の締めが宣言されると当該取引で売買された商品の明細などが印刷されたレシートを発行する業務のモードである。「点検」とは、「登録」業務によって所定メモリエリアに登録されたデータをレポート出力する業務である。「精算」とは、「点検」と同様のレポートを出力した後、所定メモリエリアに登録されたデータをクリアする業務である。
【0016】
RAM23には、上述した商品販売データ登録用のメモリエリアの他、特に図6に示すように、消費税の現行税率(本実施の形態では5%=0.05)が設定される税率メモリ51、1取引の登録開始に応じてセットされ、その取引の登録締めに応じてリセットされる登録中フラグのフラグメモリ52、1取引の合計金額出力に応じてセットされ、その取引の登録締めに応じてリセットされる小計フラグのフラグメモリ53、1取引分のレシート印字データを記憶するレシートバッファ54、1取引として登録された各商品の商品コード,税込み価格,税額,本体価格及び値引額の明細データ及びその合計金額データを記憶する取引バッファ55が形成されている。
【0017】
かかる構成のPOS端末1は、モードスイッチ12により「登録」モードが選択された状態で、スキャナ17によるバーコードの読取り操作若しくはキーボード11の置数キー41とPLUキー43のキー入力操作によって販売商品の商品コードが入力されると、CPU21が図7の流れ図に示す商品コード入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0018】
すなわちCPU21は、商品コード入力処理を開始すると、先ず、ST(ステップ)1としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、登録中フラグがリセットされていた場合には、1取引の1点目の商品登録なので、CPU21は、ST2として取引バッファ55及びレシートバッファ54をクリアする。また、ST3として登録中フラグをセットする。ST1にて登録中フラグが既にセットされていた場合には、1取引の2点目以降の商品登録なので、ST2,3の処理は実行しない。
【0019】
次に、CPU21は、ST4として入力された商品コードでストアコンピュータ2に問合せを行い、商品ファイル4から当該商品コードに対応して設定されている商品名,税込み価格等の商品データを取得する(税込み価格取得手段)。この場合において、商品ファイル4のコピーファイルを予めPOS端末1のRAM23にダウンロードしておき、CPU21がコピーファイルを検索して該当する商品データを取得してもよい。また、インストアマーキングのバーコードのように税込み価格が含まれているバーコードをスキャニングした場合には、そのバーコードから税込み価格を取得してもよい。
【0020】
次に、CPU21は、ST5として取得した商品データ中の税込み価格Aと税率メモリ51の税率Bとから、下記式(1)により税込み価格Aに含まれる税額Cを算出する。このとき、税額Cの通貨最小単位(1円)未満の端数は、切捨て,四捨五入あるいは切上げのいずれか1つの丸め演算方式で丸め処理する(商品税額演算手段)。
【0021】
C=A×(B/(1+B)) …(1)
次に、CPU21は、ST6として税込み価格Aと税額Cとから、下記式(2)により販売商品の本体価格Dを算出する。
【0022】
D=A−C …(2)
次に、CPU21は、ST7として商品ファイル4(またはそのコピーファイル)から取得した商品データ中の商品名と税込み価格Aとをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、CPU21は、ST8として入力商品コード,税込み価格A,税額C,本体価格D及び値引額=0の販売商品明細データを取引バッファ55の先頭エリアから順に格納する。さらに、ST9として取引バッファ55の税込み価格,税額,本体価格及び値引額の各合計エリアに、それぞれ今回格納した税込み価格A,税額C,本体価格D及び値引額=0の値を加算して各合計データを更新する。しかる後、CPU21は、ST10として商品名及び税込み価格Aの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の商品コード入力処理を終了する。
【0023】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて値引キー46が操作入力されると、CPU21が図8の流れ図に示す値引キー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0024】
すなわちCPU21は、値引キー入力処理を開始すると、先ずST11としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。登録中フラグがセットされている場合には、ST12として値引キー46の入力直前に置数キー41によって数値データが置数されているか否かを判断する。数値データが置数されている場合には、ST13としてこの数値データの値を税込み値引額Eとして取得する(値引額入力手段)。なお、登録中フラグがリセットされていた場合、あるいは数値データが置数されていない場合には、値引キー46の入力をエラーとする。
【0025】
次に、CPU21は、ST14としてフラグメモリ53の小計フラグを調べる。ここで、小計フラグがセットされていた場合には、取引金額に対して値引が指示されたので、小計値引処理を実行する。なお、小計値引処理についての説明は省略する。
【0026】
これに対し、小計フラグがリセットされていた場合には、直前に登録された販売商品の値引が指示されたので、ST15〜ST22の商品値引処理を実行する。すなわちCPU21は、ST15として取引バッファ55に直前に格納された販売商品明細データ(商品コード,税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0)を取得する。そして、ST16としてその税込み価格Aと税込み値引額Eとから、下記式(3)により当該販売商品の税込み値引後の税込み価格Fを算出する(値引演算手段)。
【0027】
F=A−E …(3)
次に、CPU21は、ST17としてその税込み値引後の税込み価格Fと税率メモリ51の税率Bとから、下記式(4)により値引後税込み価格Fに含まれる値引後税額Gを算出する。このとき、値引後税額Gの通貨最小単位(1円)未満の端数は、税額C算出時と同一の丸め演算方式で丸め処理する(値引後税額演算手段)。
【0028】
G=F×(B/(1+B)) …(4)
次に、CPU21は、ST18として値引後税込み価格Fと値引後税額Gとから、下記式(5)により税込み値引後の当該販売商品の本体価格Hを算出する(値引後本体価格演算手段)。
【0029】
H=F−G …(5)
次に、CPU21は、ST19として当該販売商品の商品名と税込み値引後の税込み価格Fとをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる(値引後価格表示手段)。また、ST20として取引バッファ55に直前に登録された販売商品明細データの税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0を、それぞれ税込み値引後の税込み価格F,税額G,本体価格H及び値引額Eに変更する(商品税額変更手段)。さらに、ST21として取引バッファ55の税込み価格,税額,本体価格及び値引額の各合計エリアの値を、それぞれ変更後の値に更新する。しかる後、CPU21は、ST22として印字項目「商品値引」と税込み値引額Eの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の値引キー入力処理を終了する。
【0030】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて小計キー44が操作入力されると、CPU21が図9の流れ図に示す小計キー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0031】
すなわちCPU21は、小計キー入力処理を開始すると、先ずST31としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。登録中フラグがリセットされている場合には、1取引の商品登録無しに小計キー44が入力された誤操作なので、小計キー44の入力をエラーとする。
【0032】
登録中フラグがセットされていた場合には、CPU21は、ST32として取引バッファ55の税込み価格合計エリアの値、すなわち1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額Eが入力されなかった商品については税込み価格Aを、税込み値引額Eが入力された商品については税込み価格Aからその税込み値引額Eを減算した値引後税込み価格Fをそれぞれ合計した値を取引金額として取得する。また、ST33として取引バッファ55の税額合計エリアの値、すなわち1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額Eが入力されなかった商品については商品税額演算手段により算出された税額Cを、税込み値引額Eが入力された商品については商品税額変更手段により変更された税額Gをそれぞれ合計した値を取引税額として取得する(取引税額取得手段)。
【0033】
そして、CPU21は、ST34としてオペレータ用表示器13及び客用表示器14に取引金額を表示させる。また、ST35として印字項目「小計」と取引金額の印字データをレシートバッファ54に格納する。さらに、ST36として印字項目「内税額」と取引税額の印字データをレシートバッファ54に格納する(取引税額印字手段)。しかる後、CPU21は、ST37としてフラグメモリ53の小計フラグをセットしたならば、今回の小計キー処理を終了する。
【0034】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて締めキー、例えば預/現計キー45が操作入力されると、CPU21が図10の流れ図に示す締めキー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0035】
すなわちCPU21は、締めキー入力処理を開始すると、先ず、ST41としてフラグメモリ53の小計フラグがセットされているか否かを判断する。小計フラグがリセットされている場合には、1取引の取引金額を出力すること無しに締めキーが入力された誤操作なので、締めキーの入力をエラーとする。
【0036】
小計フラグがセットされていた場合には、CPU21は、ST42として締めキーの種類に応じた登録締め処理を実行する。例えば締めキーが預/現計キー45であった場合には、預り金額から取引金額を減算して釣銭額を算出し、釣銭額をオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。
【0037】
次に、CPU21は、ST43として登録締めデータ(現金取引の場合には預り金額,釣銭額,取引番号,買上点数,取引時刻等)の印字データをレシートバッファ54に格納し、次いで、ST44としてレシートバッファ54に記憶された印字データをプリンタ15に出力してレシート用紙に印字させ(取引税額印字手段)、レシートを発行する(レシート発行手段)。
【0038】
また、CPU21は、ST45として取引バッファ55に記憶された各販売商品の商品コード,税込み価格,税額,本体価格及び値引額の明細データ及びその合計データを、通信インターフェイス25から通信回線3を介してストアコンピュータ2に送信する。しかる後、ST46としてフラグメモリ52,53の登録中フラグ及び小計フラグをいずれもリセットして、今回の締めキー入力処理を終了する。
【0039】
このように構成された本実施の形態の商品販売データ処理装置を使用する店舗においては、キャッシャは、POS端末1のスキャナ17またはキーボード11を操作して客が購入する商品の商品コードを入力する。すると、この商品の税込み価格がオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示される。すなわち、総額表示方式の下で各商品に付される値札と一致した税込み価格(支払総額)が当該商品の販売入力時に表示される。
【0040】
ここで、当該商品に対して所定金額の税込み値引が指定されていたとすると、キャッシャは、その税込み値引額を置数した後、値引キー46を押下する。すると、当該商品の税込み価格から税込み値引額が減算されて当該商品の値引後の税込み価格が算出される。そして、この値引後の税込み価格がオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示される。
【0041】
例えば今、商品ファイル4に図2に示す内容のデータが設定されており、キャッシャが商品A,商品B,商品Eの順番で商品登録するものとする。先ず、商品Aの商品コードを入力すると、この商品Aの税込み価格210円から税額10円、本体価格200円が算出され、取引バッファ55には、図12(a)のレコード61が格納される。次に、商品Bの商品コードを入力すると、この商品Bの税込み価格315円から税額15円、本体価格300円が算出され、取引バッファ55には、図12(a)のレコード62が格納される。
【0042】
ここで、商品Bが50円の税込み値引対象商品であり、キャッシャが税込み値引額「50」を置数し値引キー46を押下すると、値引後税込み価格265円、値引後税額12円、値引後本体価格253円が算出され、取引バッファ55では、図12(a)のレコード62が同図(b)のレコード63に更新される。
【0043】
その後、商品Eの商品コードを入力すると、この商品Eの税込み価格105円から税額5円、本体価格100円が算出され、取引バッファ55には、図12(b)のレコード64が格納される。
【0044】
次に、小計キー44を押下すると、取引バッファ55の税込み価格合計エリアに記憶されている金額、すなわち税込み値引額が入力されなかった商品A,Cについては税込み価格210円及び105円を、税込み値引額が入力された商品Bについては値引後の税込み価格265円をそれぞれ合計した金額580円が取引金額として取得される。また、取引バッファ55の税額合計エリアに記憶されている金額、すなわち商品A,Cについては税込み価格210円及び105円に含まれる税額10円及び5円を、商品Bについては値引後の税込み価格265円に含まれる税額12円をそれぞれ合計した金額27円が取引税額として取得される。そして、オペレータ用表示器13及び客用表示器14に取引金額580円が表示されるので、キャッシャは、客からこの取引金額580円に見合った代金支払を受ければよい。
【0045】
ここで、客が現金1000円を支払ったとすると、キャッシャは、預り金額「1000」を置数し、預/現計キー45を押下する。すると、プリンタ15が駆動して図11に示す内容のレシート70が発行される。このレシート70には、税込み値引を行った販売商品(商品B)の税込み値引額(−50)が印字されるとともに、販売商品の税込み値引後の取引金額(小計 ¥580)とともにその取引金額に含まれる取引税額(内税額 ¥27)が印字される。したがって、客はレシート70の印字内容から税込み値引の情報や取引金額に含まれる税額等を容易に確認することができる。なお、小計キー44の入力に応じて取引金額580円を表示させる際に取引税額27円も表示させて、客が取引金額に含まれる税額を代金支払前に確認できるようにしてもよい。
【0046】
また、預/現計キー45の入力に応じて取引バッファ55に格納された各販売商品の税込み価格,税額,本体価格および値引額の各データは、通信回線3を介してストアコンピュータ2に送信される。したがって、ストアコンピュータ2においては、税込み値引された販売商品の売上を税込み値引後の税込み価格によって管理することもできるし、税込み値引後の本体価格によって管理することもできる。
【0047】
このように本実施の形態によれば、商品の税込み価格に対して値引額を入力した場合に表示される値引後の価格は税込み価格なので、総額表示方式に対応したものとなる。しかも、従来と同様の操作で対応できるので、総額表示方式導入後もキャッシャの負担が増加することはない。
【0048】
なお、前記実施の形態では、販売商品の商品コードが入力される毎にその商品の税込み価格から税額を算出し、この販売商品に対して税込み値引額が入力された場合には値引後税込み価格から値引後税額を算出して当該商品の税額を値引後税額に変更する。そして、取引バッファ55の税額合計エリアにて、1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額が入力されなかった商品については税込み価格から算出される税額を、税込み値引額が入力された商品については値引後税込み価格から算出される税額をそれぞれ合計して取引税額を取得したが、取引税額を取得する手段はこれに限定されるものではない。
【0049】
そこで次に、取引税額取得手段として他の構成を用いた第2の実施の形態について、図13〜図16を用いて説明する。なお、説明の便宜上、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0050】
図13はPOS端末1のRAM23に形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。すなわち、この第2の実施の形態においては、取引バッファ55に代えて、直前に商品コードが入力された販売商品の商品名及び税込み価格を記憶する直前登録メモリ56と、税込み価格合計器57と、値引額合計器58を形成している。
【0051】
しかして、POS端末1は、「登録」モードにおいて販売商品の商品コードが入力されると、CPU21が図14の流れ図に示す商品コード入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0052】
すなわちCPU21は、商品コード入力処理を開始すると、先ずST51としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、登録中フラグがリセットされていた場合には、1取引の1点目の商品登録なので、CPU21は、ST52として税込み価格合計器57,値引額合計器58及びレシートバッファ54をクリアする。また、ST53として登録中フラグをセットする。ST51にて登録中フラグが既にセットされていた場合には、1取引の2点目以降の商品登録なので、ST52,53の処理は実行しない。
【0053】
次に、CPU21は、ST54として商品ファイル4から当該商品コードに対応して設定されている商品名,税込み価格等の商品データを取得する(税込み価格取得手段)。そして、ST55としてこの商品データ中の商品名と税込み価格とをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、ST56として直前登録メモリ56にこの商品名と税込み価格とを上書き格納する。さらに、ST57として税込み価格合計器57にこの税込み価格を加算する。しかる後、CPU21は、ST58として商品名及び税込み価格Aの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の商品コード入力処理を終了する。
【0054】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて値引キー46が操作入力されると、CPU21が図15の流れ図に示す値引キー入力処理を開始するようにプログラムされている。図示するように、この値引キー入力処理が前記第1の実施の形態と異なる点は、ST61〜ST65の商品値引処理である。
【0055】
すなわちCPU21は、ST14にて小計フラグがリセットされていることを確認すると、ST61として直前登録メモリ56から値引キー46の入力直前に登録された商品の商品名と税込み価格Aのデータを取得する。そして、ST62として税込み価格Aから税込み値引額Eを減算して、値引後の税込み価格Fを算出する(値引演算手段)。
【0056】
次に、CPU21は、ST63として商品名と値引後税込み価格Fをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、ST64として値引額合計器58にこの税込み値引額Eを加算する。しかる後、ST65として印字項目「商品値引」と税込み値引額Eの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の値引キー入力処理を終了する。
【0057】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて小計キー44が操作入力されると、CPU21が図16の流れ図に示す小計キー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0058】
すなわちCPU21は、小計キー入力処理を開始すると、先ずST71としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていた場合には、ST72として税込み価格合計器57の税込み価格合計金額から値引額合計器58の値引額合計金額を減算して取引金額Kを算出する(取引金額取得手段)。
【0059】
取引金額Kを算出後、CPU21は、ST73としてこの取引金額Kと税率メモリ51に設定されている税率Bとから、下記式(6)により取引税額Lを算出する(取引税額演算手段)。
【0060】
L=K×(B/(1+B)) …(6)
そして、CPU21は、ST74としてオペレータ用表示器13及び客用表示器14に取引金額Kを表示させる。また、ST75として印字項目「小計」と取引金額Kの印字データをレシートバッファ54に格納する。さらに、ST76として印字項目「内税額」と取引税額Lの印字データをレシートバッファ54に格納する(取引税額印字手段)。しかる後、CPU21は、ST77としてフラグメモリ53の小計フラグをセットしたならば、今回の小計キー処理を終了する。
【0061】
この第2の実施の形態において、CPU21が実行する締めキー処理は、ST45の処理を除いて前記第1の実施の形態と同一である。
【0062】
かくして、この第2の実施の形態においても、商品の税込み価格に対して税込みの値引があった場合に表示される値引後の価格は税込み価格なので、総額表示方式に対応したものとなる。しかも、従来と同様の操作で対応できるので、総額表示方式導入後もキャッシャの負担が増加することはない。また、レシート70には、販売商品の税込み値引後の取引金額(小計)とともにその取引金額に含まれる取引税額(内税額)が印字されるので、客は取引金額に含まれる税額を容易に確認できる効果を奏する。
【0063】
ところで、前記各実施の形態では、商品の税込み価格を任意の税込み値引額で値引する商品値引について説明したが、本発明は、商品の税込み価格を任意の割引率で割引する商品割引にも同様に適用できるものである。
【0064】
そこで次に、商品割引に本発明を適用した第3の実施の形態について図17及び図18を用いて説明する。なお、この第3の実施の形態は、前記第1の実施の形態の商品販売データ処理装置に適用した場合であり、図1〜図10の構成はそのまま利用するので、ここでの説明は省略する。
【0065】
図17はPOS端末1のCPU21が「登録」モードにおいて実行する割引キー処理の要部を示す流れ図である。すなわちCPU21は、「登録」モードにおいて割引キー47が操作入力されると、ST81としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。登録中フラグがセットされている場合には、ST82として割引キー47の入力直前に置数キー41によって数値データが置数されているか否かを判断する。数値データが置数されている場合には、ST83としてこの数値データの値を割引率Mとして取得する(割引率入力手段)。なお、登録中フラグがリセットされていた場合、あるいは数値データが置数されていない場合には、割引キー47の入力をエラーとする。
【0066】
次に、CPU21は、ST84としてフラグメモリ53の小計フラグを調べる。ここで、小計フラグがセットされていた場合には、取引金額に対して割引が指示されたので、小計割引処理を実行する。なお、小計割引処理についての説明は省略する。
【0067】
これに対し、小計フラグがリセットされていた場合には、直前に登録された販売商品の割引が指示されたので、ST85〜ST93の商品割引処理を実行する。すなわちCPU21は、ST85として取引バッファ55に直前に格納された販売商品明細データ(商品コード,税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0)を取得する。そして、ST86としてその税込み価格Aと割引率Mとから、下記式(7)により当該販売商品の割引後の税込み価格Nを算出する(割引演算手段)。
【0068】
N=A×(1−M) …(7)
次に、CPU21は、ST87として割引前の税込み価格Aと割引後の税込み価格Nとから、下記式(8)により割引による税込み割引額Pを算出する。
【0069】
P=A−N …(8)
また、CPU21は、ST88として割引後の税込み価格Nと税率メモリ51の税率Bとから、下記式(9)により割引後税込み価格Nに含まれる割引後税額Qを算出する。このとき、割引後税額Qの通貨最小単位(1円)未満の端数は、切捨て,四捨五入あるいは切上げのいずれか1つの丸め演算方式で丸め処理する(割引後税額演算手段)。
【0070】
Q=N×(B/(1+B)) …(9)
次に、CPU21は、ST89として割引後税込み価格Nと割引後税額Qとから、下記式(10)により割引後の当該販売商品の本体価格Rを算出する(割引後本体価格演算手段)。
【0071】
R=N−Q …(10)
次に、CPU21は、ST90として当該販売商品の商品名と割引後の税込み価格Nとをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる(割引後価格表示手段)。また、ST91として取引バッファ55に直前に登録された販売商品明細データの税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0を、それぞれ割引後の税込み価格N,税額Q,本体価格R及び割引額Pに変更する(商品税額変更手段)。さらに、ST92として取引バッファ55の税込み価格,税額,本体価格及び値引額の各合計エリアの値を、それぞれ変更後の値に更新する。しかる後、CPU21は、ST93として印字項目「商品割引」と割引率Mと税込み割引額Pの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の割引キー入力処理を終了する。
【0072】
かかる構成の割引キー入力処理を含む第3の実施の形態においても、商品の税込み価格に対して割引があった場合に表示される割引後の価格は税込み価格なので、総額表示方式に対応したものとなる。しかも、従来と同様の操作で対応できるので、総額表示方式導入後もキャッシャの負担が増加することはない。
【0073】
また、例えば商品ファイル4に図2に示す内容のデータが設定されており、キャッシャが商品A,商品B,商品Eの順番で商品登録を行い、かつ商品Bについては5%の割引を行ったとすると、図18に示す印字内容のレシート71が発行される。このレシート71には、割引を行った販売商品(商品B)の割引率(5%)及びその割引額(−16)が印字されるとともに、販売商品割引後の取引金額(小計 ¥614)とその取引金額に含まれる取引税額(内税額 ¥29)が印字される。したがって、客はレシート71の印字内容から割引の情報や取引金額に含まれる税額等を容易に確認することができる。
【0074】
次に、商品割引に本発明を適用した第4の実施の形態について図19を用いて説明する。なお、この第4の実施の形態は、前記第2の実施の形態の商品販売データ処理装置に適用した場合であり、図13,図14及び図16の構成はそのまま利用するので、ここでの説明は省略する。
【0075】
図19はPOS端末1のCPU21が「登録」モードにおいて実行する割引キー処理の要部を示す流れ図である。図示するように、この割引キー入力処理が前記第3の実施の形態と異なる点は、ST101〜ST106の商品割引処理である。
【0076】
すなわちCPU21は、ST84にて小計フラグがリセットされていることを確認すると、ST101として直前登録メモリ56から割引キー47の入力直前に登録された商品の商品名と税込み価格Aのデータを取得する。そして、ST102として税込み価格Aと割引率Mとから、前記式(7)により当該販売商品の割引後の税込み価格Nを算出する(割引演算手段)。
【0077】
次に、CPU21は、ST103として割引前の税込み価格Aと割引後の税込み価格Nとから、前記式(8)により割引による税込み割引額Pを算出する(割引額算出手段)。
【0078】
次に、CPU21は、ST104として商品名と割引後税込み価格Nをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、ST105として値引額合計器58に税込み割引額Pを加算する。しかる後、ST106として印字項目「商品割引」と割引率Mと税込み割引額Pの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の割引キー入力処理を終了する。
【0079】
この第4の実施の形態においても、POS端末1は、「登録」モードにおいて小計キー44が操作入力されると、CPU21が図16の流れ図に示す小計キー入力処理を開始するようにプログラムされている。すなわち、税込み価格合計器57の税込み価格合計金額から値引額合計器58の割引額合計金額を減算して取引金額Kを算出する(取引金額取得手段)。そして、この取引金額Kと税率メモリ51に設定されている税率Bとから、前記式(6)により取引税額Lを算出し(取引税額演算手段)、この取引税額Lをレシート用紙に印字して(取引税額印字手段)、レシートを発行するものとなっている(レシート発行手段)。
【0080】
したがって、この第4の実施の形態においても、第3の実施の形態と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の商品販売データ処理装置の一実施の形態を示す模式図。
【図2】同実施の形態において使用する商品ファイルのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態におけるPOS端末の外観斜視図。
【図4】同POS端末の要部構成を示すブロック図。
【図5】同POS端末のキーボードに配設される各種キーを示す模式図。
【図6】同POS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す流れ図。
【図7】同POS端末のCPUが実行する商品コード入力処理の要部を示す流れ図。
【図8】同POS端末のCPUが実行する値引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図9】同POS端末のCPUが実行する小計キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図10】同POS端末のCPUが実行する締めキー入力処理の要部を示す流れ図。
【図11】同POS端末から印字発行されるレシートの一例を示す模式図。
【図12】同POS端末のRAMに形成される取引バッファに格納されるデータの一例を示す模式図。
【図13】本発明の第2の実施の形態においてPOS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図14】同第2の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する商品コード入力処理の要部を示す流れ図。
【図15】同第2の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する値引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図16】同第2の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する小計キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図17】本発明の第3の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する割引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図18】同第3の実施の形態においてPOS端末から印字発行されるレシートの一例を示す模式図。
【図19】本発明の第4の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する割引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0082】
1…POS端末、2…ストアコンピュータ、4…商品ファイル、11…キーボード、13…オペレータ用表示器、14…客用表示器、15…プリンタ、17…スキャナ、21…CPU、51…税率メモリ、55…取引バッファ、70,71…レシート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式キャッシュレジスタやPOS(Point Of Sales)システム等の商品販売データ処理装置に関わり、特に、販売入力された商品の税込み価格を取得し、この税込み価格に基づいて前記商品の販売データを処理する商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国では、個人の消費に対して課せられる租税として消費税が導入されている。そして小売店では、通常、顧客との取引発生時点毎に取引金額から消費税を計算する外税方式が用いられている。そこで、従来の消費税対応のPOSシステムとしては、商品ファイルに各商品の商品コードに対応して税抜きの本体価格を設定するとともに、POS端末に取引合計メモリと外税対象額合計メモリとを設けたものが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のPOSシステムにおいては、1取引として販売する商品の商品コードがPOS端末に入力される毎に、その商品の本体価格を商品ファイルから呼出してPOS端末の表示部に表示するとともに、取引合計メモリと外税対象額合計メモリにそれぞれ加算する。そして、この1取引の登録締めが宣言されると、外税対象額合計メモリ内の外税合計金額と予め設定された消費税率とから消費税額を算出し、この消費税額を取引合計メモリの金額に加算して税込み合計金額を算出する。そして、この税込み合計金額を表示部に表示して、客への請求金額としていた。
【0004】
ところで小売店では、タイムサービス等のように一部の商品を一時的に値引して販売することがある。この場合、先ず、POS端末に値引対象商品の商品コードを入力する。すると、商品ファイルから当該商品の本体価格が呼出され、取引合計メモリと外税対象額合計メモリとにそれぞれ加算される。次に、同POS端末に値引額を入力する。すると、取引合計メモリと外税対象額合計メモリからそれぞれ値引額が減算される。このように、従来の商品値引は、商品の本体価格(税抜き価格)に対する値引であった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−301861号公報
【特許文献2】特許第2542690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さてこの度、我が国では、税制改正により、消費者に対する値札や広告等において価格を表示する場合に消費税相当額を含んだ支払総額の表示を義務付ける総額表示方式が開始されることになった。このため、商品の値引や割引は従来の本体価格に対してではなく税込みの価格に対して行われることとなった。
【0006】
そこで本発明は、商品の税込み価格に対する値引または割引を処理できる商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、販売入力された商品の税込み価格を取得する税込み価格取得手段と、販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する商品税額演算手段と、商品の税込み値引額を入力する値引額入力手段と、この値引額入力手段により商品の税込み値引額が入力されると、当該商品の税込み価格からその税込み値引額を減算して税込み値引後の税込み価格を算出する値引演算手段と、この値引演算手段により算出された税込み値引後の税込み価格と税率とから税込み値引後の税込み価格に含まれる税額を算出する値引後税額演算手段と、値引額入力手段により値引額が入力された商品の税額を値引後税額演算手段により算出された税額に変更する商品税額変更手段と、1取引として販売入力された商品の明細を印字したレシートを発行するレシート発行手段と、1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額が入力されなかった商品については商品税額演算手段により算出された税額を、税込み値引額が入力された商品については商品税額変更手段により変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する取引税額取得手段と、この取引税額取得手段により得られた取引税額をレシート発行手段により発行される当該取引のレシートに印字する取引税額印字手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、商品の税込み価格に対する値引または割引を正確に処理することができ、総額表示方式に対応し得る商品販売データ処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良な形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、説明の便宜上、販売される商品に対して全て5%の消費税が課せられる店舗に適用した場合とする。
【0010】
図1は本実施の形態の店舗に構築される商品販売データ処理装置を示す模式図であって、本装置はPOS端末1とストアコンピュータ2とから構成されている。POS端末1とストアコンピュータ2とは、LAN(Local Area Network)等の通信回線3によって双方向通信自在に接続されている。ストアコンピュータ2の記憶部には、商品ファイル4が記憶されている。
【0011】
商品ファイル4には、図2に示すように、店で販売する各商品固有の商品コードにそれぞれ対応して、商品名,価格等の商品データが予め設定されている。総額表示方式に対応するため、消費税の税額分を加算した税込み価格が設定されている。
【0012】
図3はPOS端末1の外観構成を示す斜視図である。このPOS端末1は、本体正面にキーボード11、モードスイッチ12及びオペレータ用表示器13が設けられており、背面に客用表示器14が設けられている。また、レシートを印刷するためのプリンタ15が本体に内蔵されており、このプリンタ15によって印刷されたレシートがレシート発行口16から排出されるようになっている。さらに、各商品に付されている商品コード等のバーコードを光学的に読取るためのスキャナ17が本体に接続されている。また、釣銭などを収容しておくためのドロワ18が本体と一体的に形成されている。
【0013】
図4は同POS端末1の要部構成を示すブロック図である。POS端末1には、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)21が設けられている。また、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)22、可変的データを書換自在に記憶するための各種メモリエリアが形成されたRAM(Random Access Memory)23、現在の日付,時刻を計時する時計部24、通信回線3を介して接続された上位機種であるストアコンピュータ2との間のデータ通信を司る通信インターフェイス25、モードスイッチ12からのモード選択信号が入力されるとともにドロワ18への開放指令信号が出力されるI/Oポート26、キーボード11から操作キーに対応したキー信号を取り込むキーボードコントローラ27、オペレータ用表示器13に表示データに対応した画像を表示させる表示コントローラ28、客用表示器14に表示データに対応した画像を表示させる表示コントローラ29、プリンタ15の印字動作を制御するプリンタコントローラ30、スキャナ17で読取られたバーコードデータを取り込むスキャナコントローラ31などが設けられている。CPU21と、ROM22,RAM23,時計部24,通信インターフェイス25,I/Oポート26及び各種入出力機器のコントローラ27〜31とは、アドレスバス,データバス等のバスライン32で接続されている。
【0014】
キーボード11には、図5に示すように、「0」〜「9」の置数キー41の他、クリアキー42,PLU(Price Look Up)キー43,小計キー44、預/現計キー45、値引キー46、割引キー47、取消キー48等の各種ファンクションキーが配設されている。PLUキー43は、置数データが商品コードであることを指令するキーである。小計キー44は、商品売買取引の合計金額出力を指令するキーである。預/現計キー45は、商品売買取引の現金締めを宣言する締めキーである。値引キー46は、置数データが値引額であることを指令するキーである。割引キー47は、置数データが割引率であることを指令するキーである。
【0015】
モードスイッチ12は、「登録」,「点検」,「精算」等の各種業務モードのなかから選択操作された業務モードの実行をCPU21に指令する操作スイッチである。「登録」とは、商品売買取引で販売される商品の商品コードがキーボード11またはスキャナ17の入力手段を介して入力されるとこの商品の販売データをRAM23の所定メモリエリアに登録処理し、商品売買取引の締めが宣言されると当該取引で売買された商品の明細などが印刷されたレシートを発行する業務のモードである。「点検」とは、「登録」業務によって所定メモリエリアに登録されたデータをレポート出力する業務である。「精算」とは、「点検」と同様のレポートを出力した後、所定メモリエリアに登録されたデータをクリアする業務である。
【0016】
RAM23には、上述した商品販売データ登録用のメモリエリアの他、特に図6に示すように、消費税の現行税率(本実施の形態では5%=0.05)が設定される税率メモリ51、1取引の登録開始に応じてセットされ、その取引の登録締めに応じてリセットされる登録中フラグのフラグメモリ52、1取引の合計金額出力に応じてセットされ、その取引の登録締めに応じてリセットされる小計フラグのフラグメモリ53、1取引分のレシート印字データを記憶するレシートバッファ54、1取引として登録された各商品の商品コード,税込み価格,税額,本体価格及び値引額の明細データ及びその合計金額データを記憶する取引バッファ55が形成されている。
【0017】
かかる構成のPOS端末1は、モードスイッチ12により「登録」モードが選択された状態で、スキャナ17によるバーコードの読取り操作若しくはキーボード11の置数キー41とPLUキー43のキー入力操作によって販売商品の商品コードが入力されると、CPU21が図7の流れ図に示す商品コード入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0018】
すなわちCPU21は、商品コード入力処理を開始すると、先ず、ST(ステップ)1としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、登録中フラグがリセットされていた場合には、1取引の1点目の商品登録なので、CPU21は、ST2として取引バッファ55及びレシートバッファ54をクリアする。また、ST3として登録中フラグをセットする。ST1にて登録中フラグが既にセットされていた場合には、1取引の2点目以降の商品登録なので、ST2,3の処理は実行しない。
【0019】
次に、CPU21は、ST4として入力された商品コードでストアコンピュータ2に問合せを行い、商品ファイル4から当該商品コードに対応して設定されている商品名,税込み価格等の商品データを取得する(税込み価格取得手段)。この場合において、商品ファイル4のコピーファイルを予めPOS端末1のRAM23にダウンロードしておき、CPU21がコピーファイルを検索して該当する商品データを取得してもよい。また、インストアマーキングのバーコードのように税込み価格が含まれているバーコードをスキャニングした場合には、そのバーコードから税込み価格を取得してもよい。
【0020】
次に、CPU21は、ST5として取得した商品データ中の税込み価格Aと税率メモリ51の税率Bとから、下記式(1)により税込み価格Aに含まれる税額Cを算出する。このとき、税額Cの通貨最小単位(1円)未満の端数は、切捨て,四捨五入あるいは切上げのいずれか1つの丸め演算方式で丸め処理する(商品税額演算手段)。
【0021】
C=A×(B/(1+B)) …(1)
次に、CPU21は、ST6として税込み価格Aと税額Cとから、下記式(2)により販売商品の本体価格Dを算出する。
【0022】
D=A−C …(2)
次に、CPU21は、ST7として商品ファイル4(またはそのコピーファイル)から取得した商品データ中の商品名と税込み価格Aとをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、CPU21は、ST8として入力商品コード,税込み価格A,税額C,本体価格D及び値引額=0の販売商品明細データを取引バッファ55の先頭エリアから順に格納する。さらに、ST9として取引バッファ55の税込み価格,税額,本体価格及び値引額の各合計エリアに、それぞれ今回格納した税込み価格A,税額C,本体価格D及び値引額=0の値を加算して各合計データを更新する。しかる後、CPU21は、ST10として商品名及び税込み価格Aの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の商品コード入力処理を終了する。
【0023】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて値引キー46が操作入力されると、CPU21が図8の流れ図に示す値引キー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0024】
すなわちCPU21は、値引キー入力処理を開始すると、先ずST11としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。登録中フラグがセットされている場合には、ST12として値引キー46の入力直前に置数キー41によって数値データが置数されているか否かを判断する。数値データが置数されている場合には、ST13としてこの数値データの値を税込み値引額Eとして取得する(値引額入力手段)。なお、登録中フラグがリセットされていた場合、あるいは数値データが置数されていない場合には、値引キー46の入力をエラーとする。
【0025】
次に、CPU21は、ST14としてフラグメモリ53の小計フラグを調べる。ここで、小計フラグがセットされていた場合には、取引金額に対して値引が指示されたので、小計値引処理を実行する。なお、小計値引処理についての説明は省略する。
【0026】
これに対し、小計フラグがリセットされていた場合には、直前に登録された販売商品の値引が指示されたので、ST15〜ST22の商品値引処理を実行する。すなわちCPU21は、ST15として取引バッファ55に直前に格納された販売商品明細データ(商品コード,税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0)を取得する。そして、ST16としてその税込み価格Aと税込み値引額Eとから、下記式(3)により当該販売商品の税込み値引後の税込み価格Fを算出する(値引演算手段)。
【0027】
F=A−E …(3)
次に、CPU21は、ST17としてその税込み値引後の税込み価格Fと税率メモリ51の税率Bとから、下記式(4)により値引後税込み価格Fに含まれる値引後税額Gを算出する。このとき、値引後税額Gの通貨最小単位(1円)未満の端数は、税額C算出時と同一の丸め演算方式で丸め処理する(値引後税額演算手段)。
【0028】
G=F×(B/(1+B)) …(4)
次に、CPU21は、ST18として値引後税込み価格Fと値引後税額Gとから、下記式(5)により税込み値引後の当該販売商品の本体価格Hを算出する(値引後本体価格演算手段)。
【0029】
H=F−G …(5)
次に、CPU21は、ST19として当該販売商品の商品名と税込み値引後の税込み価格Fとをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる(値引後価格表示手段)。また、ST20として取引バッファ55に直前に登録された販売商品明細データの税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0を、それぞれ税込み値引後の税込み価格F,税額G,本体価格H及び値引額Eに変更する(商品税額変更手段)。さらに、ST21として取引バッファ55の税込み価格,税額,本体価格及び値引額の各合計エリアの値を、それぞれ変更後の値に更新する。しかる後、CPU21は、ST22として印字項目「商品値引」と税込み値引額Eの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の値引キー入力処理を終了する。
【0030】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて小計キー44が操作入力されると、CPU21が図9の流れ図に示す小計キー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0031】
すなわちCPU21は、小計キー入力処理を開始すると、先ずST31としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。登録中フラグがリセットされている場合には、1取引の商品登録無しに小計キー44が入力された誤操作なので、小計キー44の入力をエラーとする。
【0032】
登録中フラグがセットされていた場合には、CPU21は、ST32として取引バッファ55の税込み価格合計エリアの値、すなわち1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額Eが入力されなかった商品については税込み価格Aを、税込み値引額Eが入力された商品については税込み価格Aからその税込み値引額Eを減算した値引後税込み価格Fをそれぞれ合計した値を取引金額として取得する。また、ST33として取引バッファ55の税額合計エリアの値、すなわち1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額Eが入力されなかった商品については商品税額演算手段により算出された税額Cを、税込み値引額Eが入力された商品については商品税額変更手段により変更された税額Gをそれぞれ合計した値を取引税額として取得する(取引税額取得手段)。
【0033】
そして、CPU21は、ST34としてオペレータ用表示器13及び客用表示器14に取引金額を表示させる。また、ST35として印字項目「小計」と取引金額の印字データをレシートバッファ54に格納する。さらに、ST36として印字項目「内税額」と取引税額の印字データをレシートバッファ54に格納する(取引税額印字手段)。しかる後、CPU21は、ST37としてフラグメモリ53の小計フラグをセットしたならば、今回の小計キー処理を終了する。
【0034】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて締めキー、例えば預/現計キー45が操作入力されると、CPU21が図10の流れ図に示す締めキー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0035】
すなわちCPU21は、締めキー入力処理を開始すると、先ず、ST41としてフラグメモリ53の小計フラグがセットされているか否かを判断する。小計フラグがリセットされている場合には、1取引の取引金額を出力すること無しに締めキーが入力された誤操作なので、締めキーの入力をエラーとする。
【0036】
小計フラグがセットされていた場合には、CPU21は、ST42として締めキーの種類に応じた登録締め処理を実行する。例えば締めキーが預/現計キー45であった場合には、預り金額から取引金額を減算して釣銭額を算出し、釣銭額をオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。
【0037】
次に、CPU21は、ST43として登録締めデータ(現金取引の場合には預り金額,釣銭額,取引番号,買上点数,取引時刻等)の印字データをレシートバッファ54に格納し、次いで、ST44としてレシートバッファ54に記憶された印字データをプリンタ15に出力してレシート用紙に印字させ(取引税額印字手段)、レシートを発行する(レシート発行手段)。
【0038】
また、CPU21は、ST45として取引バッファ55に記憶された各販売商品の商品コード,税込み価格,税額,本体価格及び値引額の明細データ及びその合計データを、通信インターフェイス25から通信回線3を介してストアコンピュータ2に送信する。しかる後、ST46としてフラグメモリ52,53の登録中フラグ及び小計フラグをいずれもリセットして、今回の締めキー入力処理を終了する。
【0039】
このように構成された本実施の形態の商品販売データ処理装置を使用する店舗においては、キャッシャは、POS端末1のスキャナ17またはキーボード11を操作して客が購入する商品の商品コードを入力する。すると、この商品の税込み価格がオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示される。すなわち、総額表示方式の下で各商品に付される値札と一致した税込み価格(支払総額)が当該商品の販売入力時に表示される。
【0040】
ここで、当該商品に対して所定金額の税込み値引が指定されていたとすると、キャッシャは、その税込み値引額を置数した後、値引キー46を押下する。すると、当該商品の税込み価格から税込み値引額が減算されて当該商品の値引後の税込み価格が算出される。そして、この値引後の税込み価格がオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示される。
【0041】
例えば今、商品ファイル4に図2に示す内容のデータが設定されており、キャッシャが商品A,商品B,商品Eの順番で商品登録するものとする。先ず、商品Aの商品コードを入力すると、この商品Aの税込み価格210円から税額10円、本体価格200円が算出され、取引バッファ55には、図12(a)のレコード61が格納される。次に、商品Bの商品コードを入力すると、この商品Bの税込み価格315円から税額15円、本体価格300円が算出され、取引バッファ55には、図12(a)のレコード62が格納される。
【0042】
ここで、商品Bが50円の税込み値引対象商品であり、キャッシャが税込み値引額「50」を置数し値引キー46を押下すると、値引後税込み価格265円、値引後税額12円、値引後本体価格253円が算出され、取引バッファ55では、図12(a)のレコード62が同図(b)のレコード63に更新される。
【0043】
その後、商品Eの商品コードを入力すると、この商品Eの税込み価格105円から税額5円、本体価格100円が算出され、取引バッファ55には、図12(b)のレコード64が格納される。
【0044】
次に、小計キー44を押下すると、取引バッファ55の税込み価格合計エリアに記憶されている金額、すなわち税込み値引額が入力されなかった商品A,Cについては税込み価格210円及び105円を、税込み値引額が入力された商品Bについては値引後の税込み価格265円をそれぞれ合計した金額580円が取引金額として取得される。また、取引バッファ55の税額合計エリアに記憶されている金額、すなわち商品A,Cについては税込み価格210円及び105円に含まれる税額10円及び5円を、商品Bについては値引後の税込み価格265円に含まれる税額12円をそれぞれ合計した金額27円が取引税額として取得される。そして、オペレータ用表示器13及び客用表示器14に取引金額580円が表示されるので、キャッシャは、客からこの取引金額580円に見合った代金支払を受ければよい。
【0045】
ここで、客が現金1000円を支払ったとすると、キャッシャは、預り金額「1000」を置数し、預/現計キー45を押下する。すると、プリンタ15が駆動して図11に示す内容のレシート70が発行される。このレシート70には、税込み値引を行った販売商品(商品B)の税込み値引額(−50)が印字されるとともに、販売商品の税込み値引後の取引金額(小計 ¥580)とともにその取引金額に含まれる取引税額(内税額 ¥27)が印字される。したがって、客はレシート70の印字内容から税込み値引の情報や取引金額に含まれる税額等を容易に確認することができる。なお、小計キー44の入力に応じて取引金額580円を表示させる際に取引税額27円も表示させて、客が取引金額に含まれる税額を代金支払前に確認できるようにしてもよい。
【0046】
また、預/現計キー45の入力に応じて取引バッファ55に格納された各販売商品の税込み価格,税額,本体価格および値引額の各データは、通信回線3を介してストアコンピュータ2に送信される。したがって、ストアコンピュータ2においては、税込み値引された販売商品の売上を税込み値引後の税込み価格によって管理することもできるし、税込み値引後の本体価格によって管理することもできる。
【0047】
このように本実施の形態によれば、商品の税込み価格に対して値引額を入力した場合に表示される値引後の価格は税込み価格なので、総額表示方式に対応したものとなる。しかも、従来と同様の操作で対応できるので、総額表示方式導入後もキャッシャの負担が増加することはない。
【0048】
なお、前記実施の形態では、販売商品の商品コードが入力される毎にその商品の税込み価格から税額を算出し、この販売商品に対して税込み値引額が入力された場合には値引後税込み価格から値引後税額を算出して当該商品の税額を値引後税額に変更する。そして、取引バッファ55の税額合計エリアにて、1取引として販売入力された全商品のうち税込み値引額が入力されなかった商品については税込み価格から算出される税額を、税込み値引額が入力された商品については値引後税込み価格から算出される税額をそれぞれ合計して取引税額を取得したが、取引税額を取得する手段はこれに限定されるものではない。
【0049】
そこで次に、取引税額取得手段として他の構成を用いた第2の実施の形態について、図13〜図16を用いて説明する。なお、説明の便宜上、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0050】
図13はPOS端末1のRAM23に形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。すなわち、この第2の実施の形態においては、取引バッファ55に代えて、直前に商品コードが入力された販売商品の商品名及び税込み価格を記憶する直前登録メモリ56と、税込み価格合計器57と、値引額合計器58を形成している。
【0051】
しかして、POS端末1は、「登録」モードにおいて販売商品の商品コードが入力されると、CPU21が図14の流れ図に示す商品コード入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0052】
すなわちCPU21は、商品コード入力処理を開始すると、先ずST51としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、登録中フラグがリセットされていた場合には、1取引の1点目の商品登録なので、CPU21は、ST52として税込み価格合計器57,値引額合計器58及びレシートバッファ54をクリアする。また、ST53として登録中フラグをセットする。ST51にて登録中フラグが既にセットされていた場合には、1取引の2点目以降の商品登録なので、ST52,53の処理は実行しない。
【0053】
次に、CPU21は、ST54として商品ファイル4から当該商品コードに対応して設定されている商品名,税込み価格等の商品データを取得する(税込み価格取得手段)。そして、ST55としてこの商品データ中の商品名と税込み価格とをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、ST56として直前登録メモリ56にこの商品名と税込み価格とを上書き格納する。さらに、ST57として税込み価格合計器57にこの税込み価格を加算する。しかる後、CPU21は、ST58として商品名及び税込み価格Aの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の商品コード入力処理を終了する。
【0054】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて値引キー46が操作入力されると、CPU21が図15の流れ図に示す値引キー入力処理を開始するようにプログラムされている。図示するように、この値引キー入力処理が前記第1の実施の形態と異なる点は、ST61〜ST65の商品値引処理である。
【0055】
すなわちCPU21は、ST14にて小計フラグがリセットされていることを確認すると、ST61として直前登録メモリ56から値引キー46の入力直前に登録された商品の商品名と税込み価格Aのデータを取得する。そして、ST62として税込み価格Aから税込み値引額Eを減算して、値引後の税込み価格Fを算出する(値引演算手段)。
【0056】
次に、CPU21は、ST63として商品名と値引後税込み価格Fをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、ST64として値引額合計器58にこの税込み値引額Eを加算する。しかる後、ST65として印字項目「商品値引」と税込み値引額Eの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の値引キー入力処理を終了する。
【0057】
また、POS端末1は、同じく「登録」モードにおいて小計キー44が操作入力されると、CPU21が図16の流れ図に示す小計キー入力処理を開始するようにプログラムされている。
【0058】
すなわちCPU21は、小計キー入力処理を開始すると、先ずST71としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていた場合には、ST72として税込み価格合計器57の税込み価格合計金額から値引額合計器58の値引額合計金額を減算して取引金額Kを算出する(取引金額取得手段)。
【0059】
取引金額Kを算出後、CPU21は、ST73としてこの取引金額Kと税率メモリ51に設定されている税率Bとから、下記式(6)により取引税額Lを算出する(取引税額演算手段)。
【0060】
L=K×(B/(1+B)) …(6)
そして、CPU21は、ST74としてオペレータ用表示器13及び客用表示器14に取引金額Kを表示させる。また、ST75として印字項目「小計」と取引金額Kの印字データをレシートバッファ54に格納する。さらに、ST76として印字項目「内税額」と取引税額Lの印字データをレシートバッファ54に格納する(取引税額印字手段)。しかる後、CPU21は、ST77としてフラグメモリ53の小計フラグをセットしたならば、今回の小計キー処理を終了する。
【0061】
この第2の実施の形態において、CPU21が実行する締めキー処理は、ST45の処理を除いて前記第1の実施の形態と同一である。
【0062】
かくして、この第2の実施の形態においても、商品の税込み価格に対して税込みの値引があった場合に表示される値引後の価格は税込み価格なので、総額表示方式に対応したものとなる。しかも、従来と同様の操作で対応できるので、総額表示方式導入後もキャッシャの負担が増加することはない。また、レシート70には、販売商品の税込み値引後の取引金額(小計)とともにその取引金額に含まれる取引税額(内税額)が印字されるので、客は取引金額に含まれる税額を容易に確認できる効果を奏する。
【0063】
ところで、前記各実施の形態では、商品の税込み価格を任意の税込み値引額で値引する商品値引について説明したが、本発明は、商品の税込み価格を任意の割引率で割引する商品割引にも同様に適用できるものである。
【0064】
そこで次に、商品割引に本発明を適用した第3の実施の形態について図17及び図18を用いて説明する。なお、この第3の実施の形態は、前記第1の実施の形態の商品販売データ処理装置に適用した場合であり、図1〜図10の構成はそのまま利用するので、ここでの説明は省略する。
【0065】
図17はPOS端末1のCPU21が「登録」モードにおいて実行する割引キー処理の要部を示す流れ図である。すなわちCPU21は、「登録」モードにおいて割引キー47が操作入力されると、ST81としてフラグメモリ52の登録中フラグがセットされているか否かを判断する。登録中フラグがセットされている場合には、ST82として割引キー47の入力直前に置数キー41によって数値データが置数されているか否かを判断する。数値データが置数されている場合には、ST83としてこの数値データの値を割引率Mとして取得する(割引率入力手段)。なお、登録中フラグがリセットされていた場合、あるいは数値データが置数されていない場合には、割引キー47の入力をエラーとする。
【0066】
次に、CPU21は、ST84としてフラグメモリ53の小計フラグを調べる。ここで、小計フラグがセットされていた場合には、取引金額に対して割引が指示されたので、小計割引処理を実行する。なお、小計割引処理についての説明は省略する。
【0067】
これに対し、小計フラグがリセットされていた場合には、直前に登録された販売商品の割引が指示されたので、ST85〜ST93の商品割引処理を実行する。すなわちCPU21は、ST85として取引バッファ55に直前に格納された販売商品明細データ(商品コード,税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0)を取得する。そして、ST86としてその税込み価格Aと割引率Mとから、下記式(7)により当該販売商品の割引後の税込み価格Nを算出する(割引演算手段)。
【0068】
N=A×(1−M) …(7)
次に、CPU21は、ST87として割引前の税込み価格Aと割引後の税込み価格Nとから、下記式(8)により割引による税込み割引額Pを算出する。
【0069】
P=A−N …(8)
また、CPU21は、ST88として割引後の税込み価格Nと税率メモリ51の税率Bとから、下記式(9)により割引後税込み価格Nに含まれる割引後税額Qを算出する。このとき、割引後税額Qの通貨最小単位(1円)未満の端数は、切捨て,四捨五入あるいは切上げのいずれか1つの丸め演算方式で丸め処理する(割引後税額演算手段)。
【0070】
Q=N×(B/(1+B)) …(9)
次に、CPU21は、ST89として割引後税込み価格Nと割引後税額Qとから、下記式(10)により割引後の当該販売商品の本体価格Rを算出する(割引後本体価格演算手段)。
【0071】
R=N−Q …(10)
次に、CPU21は、ST90として当該販売商品の商品名と割引後の税込み価格Nとをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる(割引後価格表示手段)。また、ST91として取引バッファ55に直前に登録された販売商品明細データの税込み価格A,税額C,本体価格D,値引額=0を、それぞれ割引後の税込み価格N,税額Q,本体価格R及び割引額Pに変更する(商品税額変更手段)。さらに、ST92として取引バッファ55の税込み価格,税額,本体価格及び値引額の各合計エリアの値を、それぞれ変更後の値に更新する。しかる後、CPU21は、ST93として印字項目「商品割引」と割引率Mと税込み割引額Pの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の割引キー入力処理を終了する。
【0072】
かかる構成の割引キー入力処理を含む第3の実施の形態においても、商品の税込み価格に対して割引があった場合に表示される割引後の価格は税込み価格なので、総額表示方式に対応したものとなる。しかも、従来と同様の操作で対応できるので、総額表示方式導入後もキャッシャの負担が増加することはない。
【0073】
また、例えば商品ファイル4に図2に示す内容のデータが設定されており、キャッシャが商品A,商品B,商品Eの順番で商品登録を行い、かつ商品Bについては5%の割引を行ったとすると、図18に示す印字内容のレシート71が発行される。このレシート71には、割引を行った販売商品(商品B)の割引率(5%)及びその割引額(−16)が印字されるとともに、販売商品割引後の取引金額(小計 ¥614)とその取引金額に含まれる取引税額(内税額 ¥29)が印字される。したがって、客はレシート71の印字内容から割引の情報や取引金額に含まれる税額等を容易に確認することができる。
【0074】
次に、商品割引に本発明を適用した第4の実施の形態について図19を用いて説明する。なお、この第4の実施の形態は、前記第2の実施の形態の商品販売データ処理装置に適用した場合であり、図13,図14及び図16の構成はそのまま利用するので、ここでの説明は省略する。
【0075】
図19はPOS端末1のCPU21が「登録」モードにおいて実行する割引キー処理の要部を示す流れ図である。図示するように、この割引キー入力処理が前記第3の実施の形態と異なる点は、ST101〜ST106の商品割引処理である。
【0076】
すなわちCPU21は、ST84にて小計フラグがリセットされていることを確認すると、ST101として直前登録メモリ56から割引キー47の入力直前に登録された商品の商品名と税込み価格Aのデータを取得する。そして、ST102として税込み価格Aと割引率Mとから、前記式(7)により当該販売商品の割引後の税込み価格Nを算出する(割引演算手段)。
【0077】
次に、CPU21は、ST103として割引前の税込み価格Aと割引後の税込み価格Nとから、前記式(8)により割引による税込み割引額Pを算出する(割引額算出手段)。
【0078】
次に、CPU21は、ST104として商品名と割引後税込み価格Nをオペレータ用表示器13及び客用表示器14に表示させる。また、ST105として値引額合計器58に税込み割引額Pを加算する。しかる後、ST106として印字項目「商品割引」と割引率Mと税込み割引額Pの印字データをレシートバッファ54に格納したならば、今回の割引キー入力処理を終了する。
【0079】
この第4の実施の形態においても、POS端末1は、「登録」モードにおいて小計キー44が操作入力されると、CPU21が図16の流れ図に示す小計キー入力処理を開始するようにプログラムされている。すなわち、税込み価格合計器57の税込み価格合計金額から値引額合計器58の割引額合計金額を減算して取引金額Kを算出する(取引金額取得手段)。そして、この取引金額Kと税率メモリ51に設定されている税率Bとから、前記式(6)により取引税額Lを算出し(取引税額演算手段)、この取引税額Lをレシート用紙に印字して(取引税額印字手段)、レシートを発行するものとなっている(レシート発行手段)。
【0080】
したがって、この第4の実施の形態においても、第3の実施の形態と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の商品販売データ処理装置の一実施の形態を示す模式図。
【図2】同実施の形態において使用する商品ファイルのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態におけるPOS端末の外観斜視図。
【図4】同POS端末の要部構成を示すブロック図。
【図5】同POS端末のキーボードに配設される各種キーを示す模式図。
【図6】同POS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す流れ図。
【図7】同POS端末のCPUが実行する商品コード入力処理の要部を示す流れ図。
【図8】同POS端末のCPUが実行する値引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図9】同POS端末のCPUが実行する小計キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図10】同POS端末のCPUが実行する締めキー入力処理の要部を示す流れ図。
【図11】同POS端末から印字発行されるレシートの一例を示す模式図。
【図12】同POS端末のRAMに形成される取引バッファに格納されるデータの一例を示す模式図。
【図13】本発明の第2の実施の形態においてPOS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図14】同第2の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する商品コード入力処理の要部を示す流れ図。
【図15】同第2の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する値引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図16】同第2の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する小計キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図17】本発明の第3の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する割引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【図18】同第3の実施の形態においてPOS端末から印字発行されるレシートの一例を示す模式図。
【図19】本発明の第4の実施の形態においてPOS端末のCPUが実行する割引キー入力処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0082】
1…POS端末、2…ストアコンピュータ、4…商品ファイル、11…キーボード、13…オペレータ用表示器、14…客用表示器、15…プリンタ、17…スキャナ、21…CPU、51…税率メモリ、55…取引バッファ、70,71…レシート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売入力された商品の税込み価格を取得する税込み価格取得手段と、
販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する商品税額演算手段と、
前記商品の税込み値引額を入力する値引額入力手段と、
この値引額入力手段により前記商品の税込み値引額が入力されると、当該商品の税込み価格からその税込み値引額を減算して税込み値引後の税込み価格を算出する値引演算手段と、
この値引演算手段により算出された税込み値引後の税込み価格と前記税率とから前記税込み値引後の税込み価格に含まれる税額を算出する値引後税額演算手段と、
前記値引額入力手段により値引額が入力された商品の税額を前記値引後税額演算手段により算出された税額に変更する商品税額変更手段と、
1取引として販売入力された商品の明細を印字したレシートを発行するレシート発行手段と、
1取引として販売入力された全商品のうち前記税込み値引額が入力されなかった商品については前記商品税額演算手段により算出された税額を、前記税込み値引額が入力された商品については前記商品税額変更手段により変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する取引税額取得手段と、
この取引税額取得手段により得られた取引税額を前記レシート発行手段により発行される当該取引のレシートに印字する取引税額印字手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
販売入力された商品の税込み価格を取得する税込み価格取得手段と、
販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する商品税額演算手段と、
前記商品の割引率を入力する割引率入力手段と、
この割引率入力手段により前記商品の割引率が入力されると、当該商品の税込み価格を前記割引率で割引して割引後の税込み価格を算出する割引演算手段と、
この割引演算手段により算出された割引後の税込み価格と前記税率とから前記割引後の税込み価格に含まれる税額を算出する割引後税額演算手段と、
前記割引率入力手段により割引率が入力された商品の税額を前記割引後税額演算手段により算出された税額に変更する商品税額変更手段と、
1取引として販売入力された商品の明細を印字したレシートを発行するレシート発行手段と、
1取引として販売入力された全商品のうち前記割引率が入力されなかった商品については前記商品税額演算手段により算出された税額を、前記割引率が入力された商品については前記商品税額変更手段により変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する取引税額取得手段と、
この取引税額取得手段により得られた取引税額を前記レシート発行手段により発行される当該取引のレシートに印字する取引税額印字手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項1】
販売入力された商品の税込み価格を取得する税込み価格取得手段と、
販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する商品税額演算手段と、
前記商品の税込み値引額を入力する値引額入力手段と、
この値引額入力手段により前記商品の税込み値引額が入力されると、当該商品の税込み価格からその税込み値引額を減算して税込み値引後の税込み価格を算出する値引演算手段と、
この値引演算手段により算出された税込み値引後の税込み価格と前記税率とから前記税込み値引後の税込み価格に含まれる税額を算出する値引後税額演算手段と、
前記値引額入力手段により値引額が入力された商品の税額を前記値引後税額演算手段により算出された税額に変更する商品税額変更手段と、
1取引として販売入力された商品の明細を印字したレシートを発行するレシート発行手段と、
1取引として販売入力された全商品のうち前記税込み値引額が入力されなかった商品については前記商品税額演算手段により算出された税額を、前記税込み値引額が入力された商品については前記商品税額変更手段により変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する取引税額取得手段と、
この取引税額取得手段により得られた取引税額を前記レシート発行手段により発行される当該取引のレシートに印字する取引税額印字手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
販売入力された商品の税込み価格を取得する税込み価格取得手段と、
販売入力された商品の税込み価格と税率とから当該税込み価格に含まれる税額を算出する商品税額演算手段と、
前記商品の割引率を入力する割引率入力手段と、
この割引率入力手段により前記商品の割引率が入力されると、当該商品の税込み価格を前記割引率で割引して割引後の税込み価格を算出する割引演算手段と、
この割引演算手段により算出された割引後の税込み価格と前記税率とから前記割引後の税込み価格に含まれる税額を算出する割引後税額演算手段と、
前記割引率入力手段により割引率が入力された商品の税額を前記割引後税額演算手段により算出された税額に変更する商品税額変更手段と、
1取引として販売入力された商品の明細を印字したレシートを発行するレシート発行手段と、
1取引として販売入力された全商品のうち前記割引率が入力されなかった商品については前記商品税額演算手段により算出された税額を、前記割引率が入力された商品については前記商品税額変更手段により変更された税額をそれぞれ合計した取引税額を取得する取引税額取得手段と、
この取引税額取得手段により得られた取引税額を前記レシート発行手段により発行される当該取引のレシートに印字する取引税額印字手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−133899(P2007−133899A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−662(P2007−662)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【分割の表示】特願2004−95982(P2004−95982)の分割
【原出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【分割の表示】特願2004−95982(P2004−95982)の分割
【原出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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