説明

商品販売データ処理装置

【課題】おでん等の商品の販売業務を円滑化して店員の業務負担を軽減するとともに、この種の商品の会計を正確に行えるようにすること。
【解決手段】商品販売データ処理装置に、計量器3が計量する載置面3aに載置される商品の重量の増加を検知させる。このとき、載置面3aに1つ目の商品が載置されてから全ての商品が取り除かれるまでに重量の増加が検知された回数をカウントさせる。そして、載置面3aに載置された商品の会計時には、カウント結果であるカウント値を店員用表示器10に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売店舗や役務提供店舗にて会計業務に使用される商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sales)端末やECR(Electronic Cash Register)等の商品販売データ処理装置が商品販売店舗や役務提供店舗における会計業務に使用されている。
【0003】
また、近年のコンビニエンスストアでは複数の具材からなるおでんを販売する店舗が多く見受けられる。これらの店舗では、例えば店舗内におでん用の什器と容器を設置し、顧客自身がセルフで所望の具材を容器に移してレジに運び、店員が商品販売データ処理装置を操作して容器内の具材を売上登録するとの運用が一般的である。商品販売データ処理装置におでんの具材を売上登録する方法としては、例えば商品販売データ処理装置のタッチパネル付き表示器に具材を指定するための操作ボタンを表示させ、該ボタンのタッチ操作によって指定される具材を売上登録させる方法が知られている。(例えば特許文献1を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記したようにディスプレイに表示された操作ボタンをタッチ操作しておでんの具材を売上登録する場合、店員は、レジに運ばれた容器の中身を確認しながら前記ボタンを操作することになる。そうすると、売上登録済みの具材とそうでない具材との区別がつかなくなり、同一の具材について複数回にわたり売上登録してしまったり、売上登録し忘れてしまったりする場合がある。また、容器内に多くの具材が重なるようにして詰められている場合には、容器の下方に入れられた具材を見落とす虞がある。
【0005】
これらを回避すべく、店員がおでんを注文する顧客の指示にしたがって容器に具材を入れたり、顧客が容器に具材を入れる様子を確認したりする運用を採用することも考え得る。しかしこの場合には店員の業務負担が大きくなるし、混雑時にはレジに進んだ顧客を長時間待たせてしまいかねない。
【0006】
このような問題は、おでんを販売する店舗でのみ生じるものではなく、顧客がセルフで容器に商品を詰めてレジに運び、店員が売上登録するとの運用を採るあらゆる店舗においても同様に生じ得るものである。
【0007】
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、おでん等の商品の販売業務を円滑化して店員の業務負担を軽減するとともに、この種の商品の会計を正確に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様における商品販売データ処理装置は、表示部と、所定の載置面に載置される商品の重量を計量するための計量部から出力される計量結果を入力する入力手段と、前記入力手段を介して入力される計量結果である重量の増加を検知する検知手段と、前記載置面に1つ目の商品が載置されてから全ての商品が取り除かれるまでに前記検知手段によって前記重量の増加が検知された回数をカウントするカウント手段と、前記載置面に載置された商品の会計時に、前記カウント手段によるカウント結果を前記表示部に表示する表示制御手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
上記のような手段を講じた本発明によれば、おでん等の商品の販売業務を円滑化して店員の業務負担を軽減するとともに、この種の商品の会計を正確に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態における商品販売データ処理装置の外観を示す模式図。
【図2】同商品販売データ処理装置の制御回路を示すブロック図。
【図3】同商品販売データ処理装置が有するカウント値ファイルのデータ構造を示す模式図。
【図4】同商品販売データ処理装置のCPUがカウント処理にて実行する処理のフローチャート。
【図5】同商品販売データ処理装置のCPUが売上登録処理にて実行する処理のフローチャート。
【図6】同商品販売データ処理装置の店員用表示器に表示される選択画面の一例を示す模式図。
【図7】同商品販売データ処理装置のCPUが確認処理にて実行する処理のフローチャート。
【図8】同商品販売データ処理装置の店員用表示器に表示される確認画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施形態は、コンビニエンスストア等のおでんを販売する店舗において使用される商品販売データ処理装置に本発明を適用した一例である。
【0012】
[商品販売データ処理装置の外観・構成]
図1は、本実施形態における商品販売データ処理装置1の外観を示す模式図である。商品販売データ処理装置1の本体には、店員の立ち位置に表示画面が向けられたタッチパネル付きの店員用表示器10(表示部)と、顧客の立ち位置側に表示画面が向けられた図示せぬ客用表示器11と、置数キー等の多数の操作キーを配設してなるキーボード12と、クレジットカード等の磁気カードをスライドするためのスライド溝13と、レシートが発行されるレシート発行口14とが設けられている。また、商品販売データ処理装置1の本体には、バーコードを光学的に読み取るバーコードスキャナ2と、載置面3aに載置された物品の重量を計量する計量器3(計量部)とが通信接続されている。キーボード12に配設された操作キーには、一会計における売上登録の終了を宣言するための締めキー12a(宣言手段)と、おでんの具材である商品の売上登録を宣言するためのおでんキー12bとが含まれている。
【0013】
当該店舗内の所定位置には、複数区画に区分された収納部に入れられたおでんの具材を加熱・保温するおでん什器4が設置されている。計量器3は、このおでん什器4に隣り合わせて設置されている。顧客がおでんを購入する際には、おでん什器4の近傍に積み重ねられたおでん用の容器5を手に取り、計量器3の載置面3aに載置する。そしておでん什器4内から所望の具材を選んで載置面3aに載置された容器5に移し変えていく。顧客は、容器5に具材を入れ終えたならば、該容器5を持って商品販売データ処理装置1が設置されたレジカウンタに移動し、容器5に入れた具材の会計を受ける。
【0014】
図2は、商品販売データ処理装置1の制御回路を示すブロック図である。商品販売データ処理装置には、制御の中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)20が搭載されている。そしてこのCPU20に対して、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、通信I/F(Interface)23、スキャナI/F24、入力ポート25(入力手段)、表示コントローラ26、入力コントローラ27、カードリーダコントローラ28、およびプリンタコントローラ29等が、アドレスバスやデータバス等のバスライン30を介して接続されている。
【0015】
さらに、通信I/F23にLAN(Local Area Network)回線31が接続され、スキャナI/F24に前記バーコードスキャナ2が接続され、入力ポート25に前記計量器3が接続され、表示コントローラ26に前記店員用表示器10と前記客用表示器11とが接続され、入力コントローラ27にタッチパネル32と前記キーボード12とが接続され、カードリーダコントローラ28にカードリーダ33が接続され、プリンタコントローラ29にレシートプリンタ34が接続されている。
【0016】
ROM21は、商品販売データ処理装置1の動作プログラム等の固定的データを記憶している。
RAM22は、カウント値ファイル22aや商品データ登録エリア22b等の作業用記憶エリアを形成する。カウント値ファイル22aは、例えば図3に示すようなデータ構造を有している。図示したように、カウント値ファイル22aは、後述するカウント処理において計量器3からの出力に応じてカウントされるカウント値を記述するための複数の記憶エリアを備えている。各記憶エリアには、「1」から昇順にナンバ(No.)が付されている。商品データ登録エリア22bには、後述する売上登録処理において商品販売データ処理装置1に入力される商品データが登録される。
通信I/F23は、LAN回線31を介して接続されたストアサーバ等の上位機器との通信を制御する。スキャナI/F24は、バーコードスキャナ2が読み取ったバーコードデータを取り込んでCPU20に通知する。入力ポート25は、計量器3から出力される計量結果である重量を取り込んでCPU20に通知する。
【0017】
表示コントローラ26は、CPU20からの指令に応じて店員用表示器10および客用表示器11の画面表示を制御する。タッチパネル32は、店員用表示器10の表示画面上に設けられており、指やタッチペンにてタッチされた位置に応じた信号を出力する。
【0018】
入力コントローラ27は、タッチパネル32から出力される信号を取り込んでタッチ位置座標を算出し、CPU20に通知する。また、入力コントローラ27は、キーボード12が押下げられた操作キーに応じて出力するキー信号を取り込んでCPU20に通知する。
【0019】
カードリーダ33は、スライド溝13にスライドされたカードの磁気ストライプからカード情報を読み取る磁気カードリーダである。カードリーダコントローラ28は、カードリーダ33による磁気カードの読み取りタイミングを制御し、カードリーダ33が読み取ったカード情報をCPU20に通知する。
レシートプリンタ34は、感熱紙等の印字媒体に文字や図形等の印字パターンを形成する、いわゆるサーマルプリンタである。プリンタコントローラ29は、レシートプリンタ9を駆動して取引の明細情報を有するレシートを印字させ、レシート発行口14から発行させる。
【0020】
次に、おでんの販売に関する商品販売データ処理装置1の動作について説明する。
[カウント処理]
先ず、顧客が容器5を計量器3の載置面3aに載置して購入するおでんの具材を選定する際に実行されるカウント処理について説明する。この処理は、容器5が載置面3aに載置されたことにより計量器3から出力される重量が変化したことに応じて、CPU20がROM21に記憶された動作プログラムを実行することで実現される。
【0021】
図4は、カウント処理にてCPU20が実行する処理のフローチャートである。先ず、CPU20は、RAM22にカウンタAを生成し、その値を「0」に初期化する(ステップS101)。その後、CPU20は、入力ポート25から通知される計量器3の計量結果である重量を監視しつつ(ステップS102)、該重量の変化を待ち受ける(ステップS103)。ただしステップS103の処理においてCPU20は、最軽量のおでんの具材の重量程度の増減が生じない限り、重量が変化したと判定しない。
【0022】
計量器3の計量結果に変化が生じたと判定したとき(ステップS103のYes)、CPU20は、当該変化が重量の増加または減少のいずれであるかを判定する(ステップS104)。顧客が容器5に具材を追加した場合には、計量器3の計量結果である重量が増加する。かかる場合、CPU20は、当該変化が重量の増加であると判定し(ステップS104の「増加」)、カウンタAの値を1つインクリメントする(ステップS105:カウント手段)。その後、CPU20は、ステップS102の処理に戻って再び計量器3の計量結果である重量を監視する。なお、CPU20が実行するステップS102〜S104の処理は、計量器3の計量結果である重量の増加を検知する検知手段を構成する。
【0023】
一方、顧客が一旦容器5に移した具材をおでん什器4に戻したり、容器5が計量器3から取り除かれたりした場合には、計量器3の計量結果である重量が減少する。かかる場合、CPU20は、当該変化が重量の減少であると判定し(ステップS104の「減少」)、重量が零になったか否かを判定する(ステップS106)。
【0024】
重量が零になっていない場合(ステップS106のNo)、CPU20は、カウンタAの値を1つデクリメントする(ステップS107)。その後、CPU20は、ステップS102の処理に戻って再び計量器3の計量結果である重量を監視する。一方、顧客が具材を取り終え、レジに進むべく容器5を計量器3から取り除いた場合には、計量器3の計量結果である重量が零になる(ステップS106のYes)。かかる場合、CPU20は、カウンタAの値をカウント値ファイル22aに記述して(ステップS108)、カウント処理を終了する。
【0025】
なお、カウント値ファイル22aには、ナンバの小さいエリア順にカウント値が記述されていく。すなわち、カウント値ファイル22aに一つもカウント値が記述されていないならば、ステップS108の処理において「1」のナンバが付されたエリアにカウンタAの値が記述され、カウント値が記述されているならば、カウント値が記述されていないエリアの中で最も低いナンバが付されたエリアにカウンタAの値が記述される。
【0026】
[売上登録処理]
次に、顧客が購入しようとする商品を売上登録する売上登録処理について説明する。この処理は、商品販売データ処理装置1を操作する店員がキーボード12を操作して売上登録の開始を宣言したことに応じて、CPU20がROM21に記憶された動作プログラムを実行することで実現される。
【0027】
図5は、売上登録処理にてCPU20が実行する処理のフローチャートである。先ず、CPU20は、店員用表示器10に売上登録用の画面を表示し、キーボード12やタッチパネル32の操作、およびバーコードスキャナ2からのバーコードデータの入力を待ち受ける(ステップS201)。前記売上登録用の画面には、売上登録済みの商品に関する情報を表示する領域等が含まれている。
【0028】
前記売上登録用の画面が店員用表示器10に表示された状態で何らかの操作入力がなされると(ステップS201のYes)、CPU20は、当該操作入力が締めキー12aの操作、おでんキー12bの操作、あるいはこれら以外の他の操作入力のいずれであるかを判定する(ステップS202)。締めキー12aの操作またはおでんキー12bの操作以外の他の操作入力が行われた場合(ステップS202の「その他」)、CPU20は、当該操作入力に応じた処理を実行する。例えば、バーコードスキャナ2が商品に付されたバーコードを読み取ったために、スキャナI/F24を介してバーコードデータが入力された場合には、当該バーコードデータで示される商品を売上登録する。具体的には、当該バーコードデータに基づいて図示せぬPLUファイルを検索し、発見した商品データを商品データ登録エリア22bに登録する。その際にキーボード12あるいはタッチパネル32の操作によって商品の数量が指定された場合には、入力された数量を商品データとともに商品データ登録エリア22bに登録する。
【0029】
一方、おでんキー12bが操作された場合(ステップS202の「おでんキー操作」)、CPU20は、この操作が当該売上登録処理における第1回目のおでんキー12bの操作であるか否かを判定する(ステップS203)。当該操作が第1回目のおでんキー12bの操作である場合(ステップS203のYes)、CPU20は、RAM22にカウンタBを生成し、このカウンタBにカウント値ファイル22aの最も小さいナンバが付されたエリアに記述されたカウント値をセットする(ステップS204)。
【0030】
ステップS204の処理の後、あるいはおでんキー12bの操作が当該売上登録処理において第1回目の操作でない場合(ステップS203のNo)、CPU20は、店員用表示器10にカウンタBの値を表示するための画面を表示する(ステップS205:表示制御手段)。具体的には、図6に示した選択画面100を店員用表示器10に表示する。この選択画面100は、おでんの具材である商品G1〜G18の選択ボタンを表した選択エリア101と、例えば「3」のようにカウンタBの値を表すためのカウントエリア102と、選択画面100を閉じるための終了ボタン103とを有している。選択エリア101に表示された各選択ボタンや終了ボタン103は、タッチパネル32を介してタッチ操作されるGUI部品である。
【0031】
このような選択画面100を表示した状態で、CPU20は、選択エリア101のタッチ操作による具材の指定、および終了ボタン103のタッチ操作を受け付ける(ステップS206)。
なお、CPU20がステップS206の処理において具材の指定を受け付ける処理、およびステップS201の処理においてバーコードスキャナ2からのバーコードデータの入力を受け付ける処理は、販売される商品の指定を受け付ける指定受付手段を構成する。
【0032】
店員が選択エリア101に配列された選択ボタンまたは終了ボタン103をタッチ操作すると、入力コントローラ27からCPU20にタッチ位置座標が通知される。この通知を受けたとき、CPU20は、選択エリア101または終了ボタン103がタッチ操作されたと判定し(ステップS206のYes)、通知されたタッチ位置座標に基づいて当該操作の内容を判定する(ステップS207)。
【0033】
選択画面100が表示された当初において、店員は、顧客がレジに運んだ容器5に入れられた具材に対応する選択ボタンをタッチ操作していく。このように操作内容が選択エリア101に配列された選択ボタンのタッチ操作による具材の指定である場合(ステップS207の「具材の指定」)、CPU20は、当該操作にて指定された具材を売上登録する(ステップS208)。具体的には、当該操作にて指定された具材の商品データを前記PLUファイルから取得し、商品データ登録エリア22bに登録する。
なお、CPU20が実行するステップS208の処理、およびステップS201の処理においてバーコードデータの入力を受け付けた際に当該データで示される商品を売上登録する処理は、指定受付手段によって指定を受け付けた商品を売上登録する売上登録手段を構成する。
【0034】
ステップS208の処理の後、CPU20は、カウンタBの値を1つカウントダウンする(ステップS209:カウントダウン手段)。このとき、CPU20は、カウントエリア102に表示された数値をカウントダウンされた後のカウンタBの値に更新する。しかる後、CPU20は、カウンタBの値が零未満になったか否かを判定する(ステップS210)。カウンタBの値が零未満、すなわち負数になった場合(ステップS210のYes)、CPU20は、その旨を警告するメッセージを店員用表示器10の表示画面に表示する(ステップS211:負数警告手段)。このメッセージは、例えばポップアップにて表示し、キーボード12やタッチパネル32を介して所定の操作がなされたときに消去する。このように警告メッセージを表示した後、あるいはステップS210の処理にてカウンタBの値が零未満でないと判定された場合(ステップS210のNo)、CPU20は、ステップS206の処理に戻って再び選択エリア101のタッチ操作による具材の指定、および終了ボタン103のタッチ操作を待ち受ける。
【0035】
やがて容器5に入れられた全てのおでんの具材を売上登録し終えると、店員は、終了ボタン103をタッチ操作する。このときCPU20は、終了ボタン103がタッチ操作されたと判定し(ステップS207の「終了」)、選択画面100を消去してステップS201の処理に戻る。
【0036】
さて、顧客が購入しようとする全ての商品について商品データを入力し終えると、店員は、締めキー12aをタッチ操作する。このときCPU20は、締めキー12aが操作されたと判定し(ステップS202の「締めキー操作」)、カウンタBの値が零であるか否かを判定する(ステップS212)。カウンタBの値が零である場合には(ステップS212のYes)、選択画面100を介して売上登録されたおでんの具材の数量と、カウント処理にてカウントされたおでんの具材の数量とが一致していることになる。この場合、CPU20は、カウント値ファイル22aから最も小さいナンバが付されたエリアに記述されたカウント値を消去し、これにより空いたエリアを埋めるように他のエリアに記述されたカウント値をそのままの順序で一つ小さいナンバが付されたエリアにずらして記述する(ステップS213)。このようにしてカウント値ファイル22aを更新した後、CPU20は、売上登録処理を終了し、商品データ登録エリア22bに登録された商品データに基づいて当該会計の締め処理を行う。締め処理において、CPU20は、例えば当該会計の合計金額を算出するとともに顧客からの預り金額の入力を受け付けて釣銭額を算出し、当該会計に係る商品の明細情報に前記合計金額,預り金額および釣銭額を付加してなるレシートをレシートプリンタ34に印字させるなどの処理を行う。
【0037】
一方、ステップS212の処理においてカウンタBの値が零でない場合には(ステップS212のNo)、選択画面100を介して売上登録されたおでんの具材の数量と、カウント処理にてカウントされたおでんの具材の数量とが一致していないことになる。この場合、CPU20は、その旨を警告するメッセージを店員用表示器10の表示画面に表示する(ステップS214:警告手段)。警告メッセージを表示した後、CPU20は、確認処理を実行する。
【0038】
[確認処理]
前記確認処理について説明する。この処理は、CPU20がROM21に記憶された動作プログラムを実行することで実現される。
図7は、確認処理にてCPU20が実行する処理のフローチャートである。先ずCPU20は、RAM22に変数C(整数)を生成し、この変数CにカウンタBの値をセットする(ステップS301)。さらに、CPU20は、カウンタBの値をステップS204の処理にてカウント値ファイル22aから読み出した当初の値にリセットする(ステップS302)。しかる後、CPU20は、店員用表示器10に具材の再指定を受け付けるための確認画面200を表示する(ステップS303)。図8に確認画面200の一例を示している。この確認画面200は、おでんの具材である商品G1〜G18の選択ボタンを表した選択エリア201と、例えば「3」のようにカウンタBの値を表すためのカウントエリア202と、確認処理を中止させるための中止ボタン203と、具材の再指定の終了を宣言するための決定ボタン204(指定終了宣言手段)とを有している。選択エリア201に表示された各選択ボタン、中止ボタン203および決定ボタン204は、タッチパネル32を介してタッチ操作されるGUI部品である。このような確認画面200を表示した状態で、CPU20は、選択エリア201のタッチ操作による具材の再指定、中止ボタン203および決定ボタン204のタッチ操作を受け付ける(ステップS304)。
なお、CPU20がステップS303,S304の処理において実行する処理は、店員用表示器10にカウンタBの値を再表示するとともに、容器5に入れられた商品の再指定を受け付ける再指定受付手段を構成する。
【0039】
店員が選択エリア201に配列された選択ボタン、中止ボタン203または決定ボタン204をタッチ操作すると、入力コントローラ27からCPU20にタッチ位置座標が通知される。この通知を受けたとき、CPU20は、選択エリア201、中止ボタン203または決定ボタン204がタッチ操作されたと判定し(ステップS304のYes)、通知されたタッチ位置座標に基づいて当該操作の内容を判定する(ステップS305)。
【0040】
確認画面200が表示された当初において、店員は、顧客がレジに運んだ容器5に入れられた具材に対応する選択ボタンをタッチ操作していく。このように操作内容が選択エリア201に配列された選択ボタンのタッチ操作による具材の指定である場合(ステップS305の「具材の指定」)、CPU20は、カウンタBの値を1つカウントダウンする(ステップS306:再カウントダウン手段)。このとき、CPU20は、カウントエリア202に表示された数値をカウントダウンされた後のカウンタBの値に更新する。しかる後、CPU20は、ステップS304の処理に戻って再び選択エリア201に配列された選択ボタン、中止ボタン203または決定ボタン204へのタッチ操作を待ち受ける。
【0041】
やがて容器5に入れられた全てのおでんの具材を指定し終えると、店員は、決定ボタン204をタッチ操作する。このように操作内容が決定ボタン204のタッチ操作である場合(ステップS305の「決定」)、CPU20は、カウンタBの値が変数Cの値と一致しているか否かを判定する(ステップS307)。このときカウンタBの値と変数Cの値とが一致しているならば(ステップS307のYes)、CPU20は、確認処理および売上登録処理を終了して前記締め処理を実行する。
なお、CPU20がステップS307の処理を経て売上登録を終了する処理、およびステップS212の処理を経て売上登録を終了する処理は、登録終了手段を構成する。
【0042】
一方、カウンタBの値と変数Cの値とが一致していないならば(ステップS307のNo)、CPU20は、商品データ登録エリア22bに登録されたおでんの具材の商品データを削除する(ステップS308)。さらに、CPU20は、おでんの具材の商品データを削除した旨の警告メッセージを店員用表示器10に表示した後(ステップS309)、確認画面200を消去して売上登録処理のステップS201の処理に戻る。この場合、店員は、再度おでんキーをタッチ操作して選択画面100を店員用表示器10に表示させ、容器5に入れられたおでんの具材を指定して売上登録することになる。
【0043】
[作用]
以上説明したように、本実施形態における商品販売データ処理装置1は、計量器3の計量結果に基づいて計量器3の載置面に乗せられた容器5におでんの具材が入れられる回数をカウントし、そのカウント結果である回数を当該容器5に入れられた商品の会計時において店員用表示器10に表示する。このようにすることで、商品販売データ処理装置1を操作する店員は、容器5に入れられたおでんの具材の数を正確に把握できるようになる。
【0044】
また、容器5に入れられたおでんの具材が売上登録される毎に店員用表示器10に表示されたカウント結果である回数をカウントダウンする。したがって店員は、容器5に入れられた具材を売上登録する際に残りの具材数を把握することができるので、具材の見落としや重複登録が防止される。
【0045】
また、店員が締めキーを操作して売上登録の完了を宣言したとき、カウンタBの値が零である場合に限って締め処理が実行され、零でない場合には確認処理が実行される。この確認処理では店員に再度容器に5に入れられたおでんの具材を選択させるので、具材の見落としや重複登録を防止する効果がより確実なものとなる。
【0046】
また、カウンタBの値が負数になった時点でその旨が店員に警告される。したがって、店員が重複しておでんの具材を売上登録した場合には、確認処理に移行するまでもなく店員に重複登録を認識させることができる。このとき店員は、誤って登録した具材の商品データを商品データ登録エリア22bから周知の方法で削除するなどして対処すればよい。
【0047】
このように本実施形態における商品販売データ処理装置1は、おでんの会計に関する各種の機能を備えている。これらの機能を用いることで、店員が顧客の指示にしたがっておでんの具材を容器5に入れたり、顧客が容器に具材を入れる様子を確認したりするまでもなく、正確におでんの会計を行うことができる。したがって店員の業務負担が大幅に軽減され、おでんの販売業務が円滑化される。
【0048】
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0049】
例えば前記実施形態では、商品販売データ処理装置1にておでんを販売する場合を例示した。しかしながら、おでん以外の商品を販売する場合であっても前記実施形態に開示した構成を適用することができる。例えば複数の惣菜を詰められるように区分けされた容器に顧客が所望の惣菜を詰めてレジに運び、店員が前記容器に詰められた惣菜を売上登録するような運用が採られる店舗で使用される商品販売データ処理装置に前記実施形態に開示した構成を適用することができる。
【0050】
また、前記実施形態では、商品販売データ処理装置1に計量器3が接続されているとして説明した。しかしながら、商品販売データ処理装置に計量器3を一体として取り付けてもよい。
【0051】
また、前記実施形態では、売上登録処理においてカウンタBの値が負数になった際の警告や、締めキー12aが操作された際にカウンタBの値が零でなかった場合の警告などを、店員用表示器10へのメッセージ表示にて行うとして説明した。しかしながら、これらの警告は、商品販売データ処理装置1に設けられたスピーカなど他のデバイスを用いて行うようにしてもよい。
【0052】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、前記実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…商品販売データ処理装置、2…バーコードスキャナ、3…計量器、3a…載置面、4…什器、5…容器、10…店員用表示器、11…客用表示器、12…キーボード、13…スライド溝、14…レシート発行口、20…CPU、22a…カウント値ファイル、22b…商品データ登録エリア、25…入力ポート、100…選択画面、200…確認画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2001−338345号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
所定の載置面に載置される商品の重量を計量するための計量部から出力される計量結果を入力する入力手段と、
前記入力手段を介して入力される計量結果である重量の増加を検知する検知手段と、
前記載置面に1つ目の商品が載置されてから全ての商品が取り除かれるまでに前記検知手段によって前記重量の増加が検知された回数をカウントするカウント手段と、
前記載置面に載置された商品の会計時に、前記カウント手段によるカウント結果を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備えていることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
販売される商品の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記指定受付手段によって指定を受け付けた商品を売上登録する売上登録手段と、
前記売上登録手段によって前記載置面に載置された商品のうちの1つが売上登録される毎に、前記表示制御手段によって前記表示部に表示されたカウント結果である回数をカウントダウンするカウントダウン手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
売上登録の終了を宣言する宣言手段と、
前記宣言手段によって売上登録の終了が宣言されたとき、前記カウントダウン手段によってカウントダウンされた後の回数が零である場合に売上登録を終了する登録終了手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記宣言手段によって売上登録の終了が宣言されたとき、前記カウントダウン手段によってカウントダウンされた後の回数が零でない場合に警告を発する警告手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記カウントダウン手段によってカウントダウンされた後の回数が負数になったことに応じて警告を発する負数警告手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
前記宣言手段によって売上登録の終了が宣言されたときに前記カウントダウン手段によってカウントダウンされた後の回数が零でない場合、前記表示部に前記カウント手段によるカウント結果を再表示するとともに、前記載置面に載置された商品の再指定を受け付ける再指定受付手段と、
前記再指定受付手段によって商品の再指定が受け付けられる毎に前記表示部に再表示されたカウント結果である回数をカウントダウンする再カウントダウン手段と、
前記再指定受付手段による商品の再指定の終了を宣言する指定終了宣言手段と、
をさらに備え、
前記登録終了手段は、前記指定終了宣言手段によって商品の再指定の終了が宣言されたとき、前記再カウントダウン手段によってカウントダウンされた後の回数と、前記カウントダウン手段によってカウントダウンされた後の回数とが一致する場合、売上登録を終了することを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1に記載の商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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