商品販売データ処理装置
【課題】余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートを発行し、レシート用紙の有効利用を図る。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、レシート用紙151の一方の面に印刷を行う第1印刷ヘッド及び他方の面に印刷を行う第2印刷ヘッドを備え、レシート用紙151の両面に印刷を行うレシートプリンタを備える。商品販売データ処理装置は、一取引毎に取引情報402の記憶及びその取引情報402を印刷したレシートRTの発行を含む商品販売データ処理を実行する。レシートRTを発行する処理は、一取引の終了宣言に応じて商品販売データ処理装置がレシートプリンタを駆動制御し、予め印刷位置及び印刷長さが決められている固定情報403をレシート用紙151に印刷する処理と、当該取引のレシートRTの長さが最短となるように取引情報402をレシート用紙151の両面に配分して固定情報403の印刷領域以外の領域に印刷する処理と、を実行する。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、レシート用紙151の一方の面に印刷を行う第1印刷ヘッド及び他方の面に印刷を行う第2印刷ヘッドを備え、レシート用紙151の両面に印刷を行うレシートプリンタを備える。商品販売データ処理装置は、一取引毎に取引情報402の記憶及びその取引情報402を印刷したレシートRTの発行を含む商品販売データ処理を実行する。レシートRTを発行する処理は、一取引の終了宣言に応じて商品販売データ処理装置がレシートプリンタを駆動制御し、予め印刷位置及び印刷長さが決められている固定情報403をレシート用紙151に印刷する処理と、当該取引のレシートRTの長さが最短となるように取引情報402をレシート用紙151の両面に配分して固定情報403の印刷領域以外の領域に印刷する処理と、を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レシートプリンタを備える商品販売データ処理装置(POS端末)が導入されている店舗では、客が商品を購入すると、領収日、発行者、宛名、金額、その金額の明細など各種の項目が印刷されたレシートが発行される。発行されるレシートには、通常、一方の面にのみ情報が印刷されているが他方の面には何も印刷されておらず、レシート用紙の裏面が有効に活用されていない。
【0003】
この点を解決すべく、レシート用紙の両面に印刷が可能なレシートプリンタを備えるPOS端末を利用してレシートを発行することでレシート用紙の裏面を有効に活用することが行われている(例えば、特許文献1記載の金銭登録機)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レシートは一般に、客が商品を購入したことを証明するための領収書としての役割を果たす。そのため、レシートの表面には、通常、商品を購入した店舗の名前とその店舗で支払われた支払金額とが印刷され、このレシートを手に取った者がその店舗で確かに取引があったことを理解できるようになっている。
【0005】
ここで、両面に印刷が可能なレシートプリンタから発行されるレシートについて検討する。通常、レシートの表面には客が購入した商品に関する情報で構成され取引内容を把握できるよう記載される取引情報が印刷されるため、レシートの表面の印刷長は客が購入した商品の品目数に応じて変化する。これに対し、レシートの裏面には通常、取引情報が印刷されることはなく、例えば特許文献1の段落番号0019に示されているように、予め印刷位置や印刷長が予め定められている広告情報などの固定情報が印刷される。このため、両面に印刷が可能なレシートプリンタからは、表面もしくは裏面のいずれかに何も印刷されていない余白部分を有したレシートが発行されることになる。つまり、レシート用紙は、レシートに生じる余白部分に相当する量だけ無駄に使われ、有効利用されていないといえる。
【0006】
本発明の目的は、余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートを発行し、レシート用紙の有効利用を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品販売データ処理装置は、印刷ヘッドを駆動制御し、一取引の取引内容に応じて変化する情報をレシート用紙に印刷し、さらに、予め印刷内容が決められており次取引のレシート用紙において前記取引内容に応じて変化する情報が印刷される領域の上方に印刷される固定情報を印刷する印刷制御手段と、前記固定情報の印刷後に、前記取引内容に応じて変化する情報が印刷された領域と前記固定情報が印刷された領域との間で前記レシート用紙を切断するカッタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、POS装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、レシートプリンタの内部構成の概略を示す模式図である。
【図3】図3は、POS装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、出力情報がレシート用紙の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。
【図5】図5は、フォーマットファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図6】図6は、フォーマットファイルの内容を反映させた出力情報が印刷されたレシートの一例を示す模式図である。
【図7】図7は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、POS装置によって発行されるレシートの一例を示す説明図である。
【図9】図9は、出力情報がレシート用紙の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。
【図10】図10は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、画像メモリに記憶される印刷データのデータ構成を示す模式図である。
【図12】図12は、レシートプリンタの内部構成の概略を示す模式図である。
【図13】図13は、レシートプリンタがレシート用紙の両面に印刷を行う際にバックフィードを行なわずに発行したレシートの一例を示す模式図である。
【図14】図14は、フォーマットファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図15】図15は、商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】図16は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図17は、レシート発行処理により印刷が行われた状態のレシート用紙の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図8に基づいて説明する。
【0010】
図1は、POS装置100の外観を示す斜視図である。POS装置100は、POS端末101にレシートプリンタ107が接続コード113によって互いにデータ通信自在に接続されて構成されている。
【0011】
POS端末101は、商品を特定する商品コードや顧客が購入する商品の点数などの情報を入力するための入力部を備え、入力された商品コードに基づいて生成した取引情報を記憶部としてのRAM203(図3参照)に一時記憶する処理と、この取引情報を印刷したレシートを発行するレシート発行処理(図7参照)と、この取引情報に基づく決済処理と、この取引情報を図示しない上位機に送信する処理とを含む商品販売データ処理を実行する。POS端末101は、本体102とキャッシャ側表示部としてのLCDディスプレイ104と客側表示部106とを備えて構成されている。
【0012】
本体102は、キャッシャ側および客側のそれぞれを向く平面を有する直方体形状のハウジング102aの内部に図3に基づいて後述する各部を収納して構成されている。ハウジング102aは客側に若干傾いた形状であり、キャッシャ側および客側から見ると長方形形状となっており、側面から見ると平行四辺形形状となっている。ハウジング102aの底面から客側には、POS端末101の本体102を安定した状態で載置面に載置させるための平板状の脚部103が延出している。
【0013】
LCDディスプレイ104は、POS端末101の本体102のハウジング102aのうちキャッシャ側を向く平面に位置付けられており、各種情報を表示する表示面をキャッシャ側に向けて配置され、情報出力部としての役割を果たす。LCDディスプレイ104の表示面には、タッチ指定することによりPOS端末101に情報を入力するための情報入力部としてのタッチパネル105が積層配置されている。LCDディスプレイ104には、POS端末101への商品コードの入力を支援する商品情報や、POS端末101への置数入力を支援するテンキー画像など、キャッシャが会計の際に行うPOS装置100に対する操作入力を支援する各種の情報が表示される。キャッシャは、LCDディスプレイ104に表示された情報に従ってタッチパネル105からタッチ指定を行うことで、POS端末101に各種情報を入力することができる。
【0014】
客側表示部106は、POS端末101の本体102のハウジング102aの上面から突出した状態で配置されており、各種情報を表示する表示面を客側に向けた状態で配置されている。客側表示部106も、情報出力部としての役割を果たす。
【0015】
なお、図1には図示しないが、POS端末101の本体102には情報入力部としてのキーボード211(図3参照)および商品コード入力部としてのコードスキャナ212(図3参照)が接続されている。そのため、キャッシャは、キーボード211を用いてPOS端末101に各種情報の操作入力を行うことが可能である。また、キャッシャは、コードスキャナ212を用いて図示しない商品にコードシンボルの態様で付されている商品コードをPOS端末101に入力することが可能である。
【0016】
図2は、レシートプリンタ107の内部構成の概略を示す模式図である。レシートプリンタ107の外観構成および内部構成について、図1および図2に基づいて説明する。本実施の形態で用いられるレシートプリンタ107は、印刷を行う印刷部にライン型の印刷方式のサーマルヘッドを備えたサーマルプリンタである。レシートプリンタ107は、略直方体形状のハウジング108の内部に各部(図2および図3参照)を収納して構成されている。ハウジング108の上面後方は開口されており、その開口された部分は蓋部109によって閉じられている。蓋部109は、ハウジング108の開口された部分の後方上端に接続され、その接続箇所を支点として上方に開放できるようにハウジング108に対し開閉自在となっている。ハウジング108の上面前方には、レシートプリンタ107の電源ボタン110が位置付けられている。電源ボタン110が配置されているハウジング108の上面の後端と閉じられた状態の蓋部109の前端との間には、用紙排出部としての排紙口111が形成される。排紙口111からは、レシートプリンタ107の内部に収納されるレシート用紙151(図2参照)がレシートRTとして排出される。
【0017】
レシートプリンタ107には、両面に印刷が可能なレシート用紙151が使用される。本実施の形態で用いられるレシート用紙151は、平面状の基材の両面のそれぞれに所定の印加エネルギーが印加されることによって発色するサーマル層、サーマル層を保護する保護層が順に重層されて形成されている感熱式のレシート用紙である。レシート用紙151は、ロール状に巻回された状態でレシートプリンタ107に設けられた用紙保持部152に回動自在に保持される。レシートプリンタ107の内部には、用紙保持部152から、表面印刷部153、裏面印刷部154、カッタ機構155を経て排紙口111に続く案内経路156が形成されている。案内経路156の途中には、搬送用モータ214(図3参照)によって回転する表面プラテン153p、裏面プラテン154p、案内ローラ158が配置されている。表面プラテン153p、裏面プラテン154p、および、案内ローラ158は、案内経路156に沿ってレシート用紙151を搬送する搬送機構160を構成する。搬送機構160は、レシート用紙151を、案内経路156の上流側となる用紙保持部152から案内経路156の下流側となる排紙口111に向けて案内経路156に沿って搬送する。また、案内経路156の途中には、搬送機構160によるレシート用紙151の搬送タイミングの検出のために用いられるセンサ部161が配置されている。センサ部161は、レシート用紙151に記されている位置検出用のマークを検出した場合に検出信号を発信するセンサと、このセンサから発せられる検出信号に基づいて制御部215(図3参照)に対しこのマークの検出の有無を示す情報を送信する回路と、を備える。レシートプリンタ107の各部を制御する制御部215は、センサ部161から送信される情報に従ってレシート用紙151の搬送速度を把握し、搬送用モータ214を制御して搬送機構160を構成する各ローラの回動速度を調節する。
【0018】
表面印刷部153は、案内経路156の図2における上側に設けられた表面プラテン153pと、案内経路156を介して表面プラテン153pに対向接触するライン型の第1印刷ヘッドとしての表面サーマルヘッド153sとにより構成され、案内経路156に沿って搬送されるレシート用紙151の一方の面(表面)に所定事項を印刷する。裏面印刷部154は、案内経路156の図2における下側に設けられた裏面プラテン154pと、案内経路156を介して裏面プラテン154pに対向接触するライン型の第2印刷ヘッドとしての裏面サーマルヘッド154sとにより構成され、案内経路156に沿って搬送されるレシート用紙151の他方の面(裏面)に所定事項を印刷する。表面サーマルヘッド153sは、表面プラテン153pに所定の加圧力で当接するように配設されており、表面プラテン153pに対向接触する部分に複数の発熱抵抗体153hを主走査方向に一列に配列した状態で備えている。同様に、裏面サーマルヘッド154sは、裏面プラテン154pに所定の加圧力で当接するように配設されており、裏面プラテン154pに対向接触する部分に複数の発熱抵抗体154hを主走査方向に一列に配列した状態で備えている。表面サーマルヘッド153sおよび裏面サーマルヘッド154sはいずれも、図示しない電源回路からの電圧をライン方向に一列に配列された発熱抵抗体153h、154hに選択的に印加することができるように構成されている。
【0019】
カッタ機構155は、固定刃155aと可動刃155bとを組み合わせて構成されている。固定刃155aおよび可動刃155bはいずれも、一側辺に刃部を備えた平板長板状をなしており、案内経路156を間に挟んでそれぞれの刃部を対向させ、対向する二つの刃部の間に案内経路156を搬送されるレシート用紙151を挿通できる程度に離間して配置されている。可動刃155bは、カッタ用モータ214a(図3参照)の駆動によって固定刃155aに備わる刃部の延びる方向に摺動し、固定刃155aおよび可動刃155bの間に挿通されるレシート用紙151を切断する。すなわち、カッタ機構155は、レシート用紙151を切断する機構である。カッタ機構155によって切断されたレシート用紙151は、表面サーマルヘッド153sによって印刷が行われた面をレシートプリンタ107の手前側に向けた状態で、排紙口111からレシートRTとして排出される。
【0020】
図3は、POS装置100の電気的構成を示すブロック図である。POS装置100を構成するPOS端末101は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU202を備えている。CPU202には、可変データを書き替え自在に記憶するRAM203と、固定データを記憶しその記憶内容を給電なしに保持しているROM204とがバス接続されている。CPU202とRAM203とROM204とは、情報処理を実行するPOS装置100における情報処理部201を構成する。情報処理部201は、図示しない入出力回路を介して、時計回路205、ブザー回路206、通信インタフェイス207、外部機器インタフェイス208、FDドライブ209、HDD210、LCDディスプレイ104、タッチパネル105、客側表示部106、キーボード211、および、コードスキャナ212のそれぞれとバス接続している。時計回路205は、情報処理部201に対して現在時刻を送信する。この時計回路205には不揮発性のバックアップRAM205aが接続されており、時計回路205が記憶する現在時刻は定期的にバックアップRAM205aにバックアップされる。ブザー回路206は、情報処理部201による制御によって所定のブザー音を発する。通信インタフェイス207は、図示しないネットワークを介した他の機器との有線もしくは無線の通信を実行する。外部機器インタフェイス208は、接続コード113を介してPOS端末101に接続されている他の機器とPOS端末101との間のデータ通信を実現する。FDドライブ209は、外部記憶媒体としてのFDが装着された状態で情報処理部201による制御に従ってそのFDに記憶されている情報を読み込む。
【0021】
情報処理部201にバス接続されているHDD210は、オペレーティングシステム、ドライバ、プログラム、PLUファイル、フォーマットファイルF(図5も参照)を含む各種のデータファイルを記憶保存している(フォーマットファイルF以外は図示せず)。オペレーションシステムは、情報の入出力、ディスクやメモリのアドレス管理など、情報処理部201が実行する種々のソフトウェアのうち共通する基本的な機能を提供する。ドライバは、POS端末101を構成する各部やPOS端末101に接続されているレシートプリンタ107等の機器を駆動制御するための制御プログラムの集合体である。プログラムは、POS装置100に商品販売データ処理(前述)、レシート発行処理(図7参照)を含む各種の処理を実行させるための処理内容を含んでいる。PLUファイルは、商品コードに商品名や単価などの商品情報を対応付けて記憶している。フォーマットファイルFは、レシート用紙151に印刷される取引情報に適用される印刷フォーマット301a(図5参照)と、固定情報を構成する印刷オブジェクト301b(図5参照)とを記憶している。なお、取引情報、固定情報、および、フォーマットファイルFのデータ構成については、図4に基づいて後述する。
【0022】
情報処理部201は、POS端末101の起動時に、HDD210に記憶されているオペレーティングシステム、ドライバ、プログラム、PLUファイル、フォーマットファイルFなどの各種ファイルの全部又は一部をRAM203にコピーし、情報処理部201が実行する各種の処理の高速化を図る。そして、情報処理部201は、オペレーティングシステム、ドライバおよびプログラムの記述に従った各種の処理を実行する。PLUファイルは、情報処理部201が実行する商品販売データ処理を実行する際に用いられる。フォーマットファイルFは、情報処理部201がレシート発行処理を実行する際に用いられる。
【0023】
POS装置100を構成するレシートプリンタ107は、CPUとROMとRAMとを備え各部を駆動制御する制御部215を備える。制御部215は、図示しない入出力回路を介して、表面サーマルヘッド153s、裏面サーマルヘッド154s、センサ部161、搬送用モータ214、カッタ用モータ214a、外部機器インタフェイス216、および、画像メモリ217のそれぞれとバス接続している。搬送用モータ214は、レシートプリンタ107の内部に配置される搬送機構160を駆動するための駆動源となる。一例として、搬送用モータ214には、搬送機構160を構成する各ローラを正逆両方向に回動可能なステッピングモータを採用することができる。カッタ用モータ214aは、カッタ機構155を構成する可動刃155bを動かしてレシート用紙151を切断するための駆動源となる。外部機器インタフェイス216は、接続コード113を介してレシートプリンタ107に接続されている他の機器とレシートプリンタ107との間のデータ通信を実現する。画像メモリ217は、制御部215にバス接続されている。画像メモリ217は、表面サーマルヘッド153sと裏面サーマルヘッド154sとによって印刷される印刷データを書き換え自在に記憶する。制御部215は、レシート用紙151に印刷して出力しようとしている出力情報を格子状に配列される印刷ドットで構成される印刷データとして画像メモリ217に展開し、その印刷データを画像メモリ217に記憶する。画像メモリ217に展開された印刷データは、一ラインごとに取り出されて表面サーマルヘッド153sおよび裏面サーマルヘッド154sのそれぞれによってレシート用紙151に印刷される。本実施の形態では、画像メモリ217として、表面印刷部153および裏面印刷部154のそれぞれに適用されるラインメモリを採用することができる。
【0024】
前述したように、POS装置100を構成するPOS端末101とレシートプリンタ107とは、接続コード113を介して互いにデータ通信自在に接続されている。そして、情報処理部201は、レシート発行処理(図7参照)を実行する中で、レシートプリンタ107に対しレシート用紙151に印刷して出力しようとする出力情報とともに、制御部215が表面サーマルヘッド153s、表面プラテン153p、裏面サーマルヘッド154s、裏面プラテン154p、カッタ機構155、案内ローラ158を含む各部を駆動制御させるための制御信号を送信して、レシートプリンタ107にレシートRTを発行させる制御を行う。レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101の情報処理部201から送信された出力情報を印刷データとして画像メモリ217に展開して記憶する。また、レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101の情報処理部201から送信される制御信号を受信すると、受信した制御信号に従ってレシートプリンタ107に備わる各部を制御し、レシート用紙151に対して画像メモリ217に展開した印刷データを印刷し、カッタ機構155によって印刷を行ったレシート用紙151を切断し、排紙口111から切断したレシート用紙151をレシートRTとして排出する。
【0025】
図4は、出力情報がレシート用紙151の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。上記の構成を備えるPOS装置100は、一取引毎に、商品コード入力部としてのコードスキャナ212から入力された商品コードに基づいて商品販売データ処理(前述)が実行される。そして、POS装置100は、キーボード211やタッチパネル105から入力される一取引の終了宣言に応じてレシートプリンタ107を駆動制御し、レシートプリンタ107から発行されるレシートRTの長さが最短となるように、取引情報402と固定情報403とにより構成される出力情報401をレシート用紙151の両面に印刷しレシートRTとして排出するレシート発行処理(図7参照)が実行される。取引情報402は、客が購入した商品の商品コード、商品名、品目、単価、購入点数などの、客が購入した商品に関する情報で構成されている。この取引情報402は、レシート用紙151に印刷されてレシートRT上に現れることにより、レシートRTを見る者に取引内容を把握させることが出来る。取引情報402に含まれる各項目は、POS端末101の情報処理部201がPLUファイルから取得する入力された商品コードに対応する情報や、タッチパネル105やキーボード211から入力された置数情報に基づいて生成され、RAM203に一時記憶されている。また、固定情報403は、広告情報、店舗に関する店舗情報、客にそれまでに付与されている特典ポイントの獲得状況を示す現在ポイント情報、店舗から客に向けられた所定のメッセージ表示などの、客が購入した商品の品目数によらずレシート用紙151に印刷される各項目により構成される。この固定情報403は、予め印刷位置および印刷長が決められており、各取引においてレシート用紙151に決まった位置に印刷される。なお、固定情報403を構成する各項目は、予め、レシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403aと、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bとに分類されている。固定情報403を構成する各項目は、HDD210に格納されているフォーマットファイルF(図5参照)に予め記憶されている。
【0026】
図5は、フォーマットファイルFのデータ構成を示す模式図である。図6は、図5に示すフォーマットファイルFの内容を反映させた出力情報401が印刷されたレシートRTの一例を示す模式図である。HDD210に格納されているフォーマットファイルFは、取引情報402をレシート用紙151に印刷される要素OBJとして出現させるための印刷フォーマット301aと、固定情報403を構成し要素OBJとしてレシート用紙151に印刷される印刷オブジェクト301bとを記憶している。印刷フォーマット301aおよび印刷オブジェクト301bはいずれも、データ内容302と、面定義303と、行数304とを含む各種の設定事項により構成されている。データ内容302は、レシート用紙151に印刷される要素OBJの基礎となるデータであり、レシート用紙151に印刷されると、レシート用紙151の長さ方向に所定の長さ分だけ占め、レシート用紙151の幅方向に一杯に印刷される図形および文字列となる。面定義303は、印刷フォーマット301a適用後の取引情報402および印刷オブジェクト301bがレシート用紙151の表面および裏面のどちらに印刷されるものであるかを定義する。行数304は、印刷フォーマット301aが適用された取引情報402、および、固定情報403を構成する印刷オブジェクト301bのそれぞれについてレシート用紙151に印刷された場合にレシート用紙151の行方向に占める大きさを示し、レシート用紙151に印刷される文字列の高さによって規定される行の高さを一単位とする。フォーマットファイルFに含まれる印刷フォーマット301aおよび印刷オブジェクト301bは、タッチパネル105やキーボード211などの情報入力部からの操作入力によって任意の値に設定することが可能である。この設定はHDD210に格納されている設定プログラムによって実現される。
【0027】
印刷フォーマット301a適用後の取引情報402および印刷オブジェクト301bは、レシート発行処理において、フォーマットファイルF内での並び順に従ってレシート用紙151の表面および裏面のそれぞれに印刷されて、レシート用紙151上で要素OBJとして現われる。図5に示す例では、フォーマットファイルFは、品目数nの取引情報402に対して適用され取引情報402を印刷長2n行分の品目表示(図6参照)となって現われる要素OBJとしてレシート用紙151に出力させる印刷フォーマット301aと、レシート用紙151上でフォーマットファイルFに定められた行数分の固定長の印刷長で要素OBJとして現われる複数の印刷オブジェクト301bとを図5に示す順に記憶している。そのため、POS装置100が出力情報にこのフォーマットファイルFを反映してレシート用紙151に印刷を行うと、レシート用紙151の両面には、図6に示すように、フォーマットファイルFに記憶されている順に各要素OBJが現れる。
【0028】
図4に基づく説明に戻る。取引情報402と固定情報403とにより構成される出力情報401は、この出力情報401の印刷行数に基づいて、表面サーマルヘッド153sによって印刷される表面出力情報404と、裏面サーマルヘッド154sによって印刷される裏面出力情報405と、に分けられ、それぞれレシートプリンタ107に送信される。レシートプリンタ107では、表面出力情報404は画像メモリ217に表面印刷データ406として展開された後に表面サーマルヘッド153sによってレシート用紙151の表面に印刷され、裏面出力情報405は画像メモリ217に裏面印刷データ407として展開された後に裏面サーマルヘッド154sによってレシート用紙151の裏面に印刷される。
【0029】
図7は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。情報処理部201は、コードスキャナ212から入力された商品コードに基づいて商品販売データ処理を実行し、商品コードに基づいて取引情報402(図4参照)を生成し、この取引情報402とタッチパネル105やキーボード211から入力された客の支払金額とをRAM203に記憶する。取引情報402と支払金額とがRAM203に記憶された状態でタッチパネル105やキーボード211から一取引の終了宣言が入力されたと判定すると、情報処理部201は、取引情報402に基づいて算出される小計金額分の決済処理を行うとともに、レシート発行処理を開始する。
【0030】
情報処理部201は、レシート発行処理を開始すると、フォーマットファイルFに記憶されている印刷オブジェクト301bの情報を取得して、レシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403a(図4参照)の印刷長L1、および、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403b(図4参照)の印刷長L2を算出する(ステップS101)。より詳細には、情報処理部201は、ステップS101において、フォーマットファイルFに含まれる印刷オブジェクト301bのうち面定義303が「表」であってレシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403aを構成する印刷オブジェクト301bを抽出し、抽出した印刷オブジェクト301bにおける行数304(図5参照)の合計をL1とする。同様に、情報処理部201は、ステップS101において、フォーマットファイルFに含まれる印刷オブジェクト301bのうち面定義303「裏」であってレシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bを構成する印刷オブジェクト301bを抽出し、抽出した印刷オブジェクト301bにおける行数304の合計をL2とする。
【0031】
続く処理として、情報処理部201は、RAM203に記憶されている取引情報402に対してフォーマットファイルFに記憶されている印刷フォーマット301aを適用して、取引情報402がレシート用紙151に印刷された場合の印刷長を算出する(ステップS102)。本実施の形態では、レシート用紙151に印刷される各種情報の印刷長を求める基準単位として、行数304(図5参照)を用いる。取引情報402には客が購入した商品に関する情報が含まれている。そこで情報処理部201は、取引情報402に含まれている品目数nをカウントし、このnとフォーマットファイルF(図5参照)内の印刷フォーマット301aに含まれる行数304とを用いて、取引情報402がレシート用紙151に印刷されることで現れるn個分の品目表示(図6参照)が占める印刷長として行数La(n)を算出する。
【0032】
続く処理として、情報処理部201は、レシートRTの長さが最短となるように、取引情報402および固定情報403を含む出力情報401を表面出力情報404および裏面出力情報405のそれぞれに配分する(ステップS103)。より詳細には、情報処理部201は、表面固定情報403aを構成する印刷オブジェクト301bを表面出力情報404に、裏面固定情報403bを構成する印刷オブジェクト301bを裏面出力情報405にそれぞれ振り分け、続いて、取引情報402の後端側から行数(La(n)+ΔL)÷2に相当する印刷長となるデータを裏面出力情報405に振り分け、残りの取引情報402を表面出力情報404に振り分ける(但、ΔLは表面固定情報403aの印刷長L1と裏面固定情報403bの印刷長L2との差であり、ΔL=L1−L2である。)。このとき、レシート用紙151の表面および裏面に印刷される内容が行の途中で切断されないように、行数(La(n)+ΔL)÷2の値は整数値に丸められる。つまり、レシートプリンタ107によってレシート用紙151に印刷される出力情報401は、フォーマットファイルFに記憶されている印刷フォーマット301aおよび印刷オブジェクト301bの行数304に従って、取引情報402の一部および表面固定情報403aで構成される表面出力情報404と、取引情報402の残りの一部および裏面固定情報403bで構成される裏面出力情報405とに分けられることになる。
【0033】
続く処理として、情報処理部201は、ステップS103において生成された表面出力情報404および裏面出力情報405をレシートプリンタ107に送信し、レシートプリンタ107にレシート用紙151に表面出力情報404および裏面出力情報405を印刷させる制御を行って(ステップS104)、レシート発行処理を終了する。
【0034】
レシートプリンタ107は、送信される表面出力情報404および裏面出力情報405を受信すると画像メモリ217に表面印刷データ406および裏面印刷データ407を展開して記憶し(図4参照)、表面印刷データ406を表面印刷部153の表面サーマルヘッド153sによってレシート用紙151の表面に印刷し、裏面印刷データ407を裏面印刷部154の裏面サーマルヘッド154sによってレシート用紙151の裏面に印刷する。なお、レシートプリンタ107内で、表面印刷部153を構成する表面サーマルヘッド153sと裏面印刷部154を構成する裏面サーマルヘッド154sとはその構造上の制約のために案内経路156上の同じ位置に対向配置されていない(図2参照)。そのため、レシートプリンタ107では、搬送用モータ214を駆動制御し搬送機構160を駆動して、レシート用紙151を案内経路156の上流方向(いわゆるバックフィード)および下流方向に搬送してレシート用紙151上の印刷位置を調整し、レシート用紙151の下流側の先端に余白を生じさせないようにする制御が行われる。レシート用紙151の両面に印刷を行った後、レシートプリンタ107の制御部215は、両面に印刷を行ったレシート用紙151の印刷終端をカッタ機構155に位置付けるよう搬送機構160を駆動した後に、カッタ用モータ214aを駆動制御してカッタ機構155を作用させてレシート用紙151を切断し、搬送機構160を駆動させて排紙口111から切断されたレシート用紙151をレシートRTとして排出する。
【0035】
図8は、POS装置100によって発行されるレシートRTの一例を示す説明図である。上記のレシート発行処理を実行するPOS装置100は、キーボード211やタッチパネル105から入力される一取引の終了宣言に応じてレシートプリンタ107を駆動制御し、予め印刷位置及び印刷長さが決められている固定情報403をレシート用紙151に印刷する処理と、当該一取引のレシートRTの長さが最短となるように取引情報402をレシート用紙151の表面と裏面とに配分してレシートRTに占める固定情報403の印刷領域以外の領域に印刷する処理とを実行するため、余白部分Wが少なく全体の長さが短縮されたレシートRTを発行し、レシート用紙151の有効利用を図ることができる。そして、本実施の形態のPOS端末101では、画像メモリ217としてラインメモリを採用することができるため、表面印刷部153および裏面印刷部154を構成するデータ入出力回路の構造が複雑にならず、また、POS装置100全体の製造単価を抑えることができる。
【0036】
一例として、POS装置100を用いて、購入品目数n=4である取引情報402を印刷したレシートRTを発行する場合を図8に示す。図8に示すように、情報処理部201は、レシート発行処理を実行して、表面固定情報403aの印刷長である行数L1=19行と、裏面固定情報403bの印刷長である行数L2=15行を算出し(図7のステップS101)、取引情報402に対し印刷フォーマット301aを適用して取引情報402がレシート用紙151に印刷され品目表示として現われた場合の印刷長である行数La(n)=2×4=8を算出する(図7のステップS102)。そして、情報処理部201は後端側から印刷長にして行数(La(n)+ΔL)÷2=6行分の取引情報402をレシート用紙151の裏面に振り分け、印刷長にして2行分となる残りの取引情報402をレシート用紙151の表面に振り分ける(図7のステップS103)。その結果、レシートプリンタ107から排出されるレシートRTの表面には、表面固定情報403aと印刷長にして2行分の取引情報402とが印刷され、レシートRTの裏面には裏面固定情報403bと印刷長にして6行分の取引情報402とが印刷され、レシートRTの表面および裏面の印刷長はいずれも21行分となる。このように、本実施の形態のPOS装置100を用いることで、取引情報402を全て表面に印刷してレシートRTを発行する場合(図8(a))に生じていた余白部分Wが少ないレシートRTがレシートプリンタ107から発行されることになる(図8(b))。
【0037】
なお、図8(b)に示すように、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bおよび取引情報402の間に仕切線Sを印刷して、発行されたレシートRTを手に取った者に対して仕切線Sよりも下方に印刷された部分はレシートRTの表面に印刷されているべきものであることを示すようにしてもよい。
【0038】
次いで、別の実施の形態を図9ないし図11に基づいて説明する。この場合、図1ないし図8に基づいて説明した実施の形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0039】
図9は、本実施の形態のPOS装置100において、出力情報401がレシート用紙151の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。本実施の形態のPOS装置100では、取引情報402と固定情報403とを含んで構成される出力情報401はそのままレシートプリンタ107に送信され、レシートプリンタ107において画像メモリ217に印刷データ408として展開され記憶された後に、印刷データ408が制御部215によって表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに分けられ、表面印刷データ406が表面サーマルヘッド153sの駆動制御によりレシート用紙151の表面に印刷され、裏面印刷データ407が裏面サーマルヘッド154sの駆動制御によりレシート用紙151の裏面に印刷されることによってレシートRTが発行される。
【0040】
図10は、本実施の形態におけるレシート発行処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理部201は、レシート発行処理を開始すると、取引情報402に対してフォーマットファイルFに記憶されている印刷フォーマット301aを適用して、レシートプリンタ107が取引情報402をレシート用紙151に要素OBJとして印刷できるようにし(ステップS201)、続く処理として、取引情報402および固定情報403を含む出力情報401をレシートプリンタ107に送信する(ステップS202)。レシートプリンタ107は、送信される出力情報401を受信すると画像メモリ217に印刷データ408を展開して記憶する(図9参照)。
【0041】
図11は、画像メモリ217に記憶される印刷データ408のデータ構成を示す模式図である。本実施の形態では、画像メモリ217として、レシート用紙151に印刷される印刷イメージを記憶可能なRAMが採用される。そして、本実施の形態の画像メモリ217には出力情報401を基に展開された印刷データ408が記憶され、少なくとも、固定情報403のうちレシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403aと、取引情報402と、固定情報403のうちレシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bとが区別可能に記憶されている。画像メモリ217に印刷データ408として展開された表面固定情報403a、取引情報402および裏面固定情報403bはいずれも格子状に配列される印刷ドットで構成されており、そのため、制御部215は、画像メモリ217に記憶されている印刷データ408の内容を参照することで、表面固定情報403a、取引情報402および裏面固定情報403bのそれぞれがレシート用紙151に印刷された場合の用紙長さ方向の印刷長を把握することができる。なお、本実施の形態では、取引情報402や固定情報403がレシート用紙151に印刷された場合の印刷長は、ドット数もしくは解像度(dpi)を加味した実長を基準に算出される。
【0042】
図10に基づく説明に戻る。ステップS202に続く処理として、情報処理部201は、レシートプリンタ107に対し画像メモリ217に記憶された印刷データ408を表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに分割させるための印刷データ分割命令を送信する(ステップS203)。レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101から送信される印刷データ分割命令を受けると、画像メモリ217に記憶された格子状の印刷ドットで構成されている印刷データ408について、レシート用紙151に印刷された場合に用紙長さ方向となる方向についての長さを把握し、画像メモリ217に記憶されている印刷データ408の半分を表面印刷データ406とし、残りの半分を裏面印刷データ407として配分する。より詳細には、本実施の形態のレシートプリンタ107の制御部215は、画像メモリ217に印刷データ408として記憶されている表面固定情報403aの印刷長Y1、取引情報402の印刷長Ya、および、裏面固定情報403bの印刷長Y2を把握し、表面固定情報403aから展開された印刷データ408と取引情報402から展開された印刷データ408のうち先頭側から印刷長(Ya−(Y1−Y2))÷2だけの印刷データ408とを抽出して表面印刷データ406として画像メモリ217に記憶する。同様に、レシートプリンタ107の制御部215は、裏面固定情報403bから展開された印刷データ408と取引情報402から展開された印刷データ408のうち表面印刷データ406に適用した分を差し引いた残りの印刷データ408とを抽出して裏面印刷データ407として画像メモリ217に記憶する(Y1、Y2、Yaについては図11参照)。なお、レシートプリンタ107の制御部215は、印刷データ408を表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに配分する際、表面印刷データ406および裏面印刷データ407を分断する境界となる印刷データ408中の一ライン(図11における横方向)が全て印加を行わないドットにより構成されているか否かを判定する。一部に印加を行うドットが含まれていると判定した場合、レシートプリンタ107の制御部215は、判定を行ったラインの前後で印刷データ408を分断するとレシート用紙151に印刷される文字および図形が分断されてしまうことから、そのラインによる印刷データ408の分割は行わず、判定を行ったラインの次のラインについて同様の判定を行う。そして、レシートプリンタ107の制御部215は、判定対象となる印刷データ408中の一ラインが全て印加を行わないドットにより構成されていると判定した場合、判定を行ったラインの前後で印刷データ408を分けてもレシート用紙151に印刷される文字および図形が分断されることはないことから、判定を行ったラインを境界として印刷データ408を表面印刷データ406および裏面印刷データ407に分ける。
【0043】
続く処理として、情報処理部201は、前述した実施の形態と同様に、レシート用紙151に印刷させるための印刷命令をレシートプリンタ107に送信して(ステップS204)、レシート発行処理を終了する。レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101から印刷命令を受けると、両面に印刷を行ったレシート用紙151の印刷終端を切断し、切断されたレシート用紙151をレシートRTとして排出する。
【0044】
本実施の形態のPOS装置100によっても、図1ないし図8に基づいて前述した実施の形態のPOS装置100と同様に、余白部分Wが少なく全体の長さが短縮されたレシートRTが発行されることになり、レシート用紙151の無駄な消費がなくなり、レシート用紙151の有効利用を図ることができる。
【0045】
なお、本実施の形態のPOS装置100において、印刷データ408を表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに配分する処理はレシートプリンタ107の制御部215が行っているが、別の実施の形態として、POS端末101の情報処理部201がレシートプリンタ107に備わる画像メモリ217内の印刷データ408を取得し、情報処理部201が取得した印刷データ408の印刷長を把握した後に、POS端末101の情報処理部201が、取引情報402から展開される印刷データ408が表面印刷データ406および裏面印刷データ407に分割された後のそれぞれの印刷長を指定してレシートプリンタ107に対し印刷データ分割命令を送信するようにしてもよい。さらに別の実施形態として、POS端末101の情報処理部201がRAM203に表面固定情報403aと取引情報402と裏面固定情報403bとを印刷データ408と展開して記憶し、RAM203に記憶した印刷データ408をその印刷長に基づいて表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに分割し、分割した表面印刷データ406および裏面印刷データ407をレシートプリンタ107に送信して、レシートプリンタ107の表面サーマルヘッド153sから表面印刷データ406をレシート用紙151の表面に印刷し、レシートプリンタ107の裏面サーマルヘッド154sから裏面印刷データ407をレシート用紙151の裏面に印刷するようにしてもよい。
【0046】
次いで、さらに別の実施の形態を図12ないし図17に基づいて説明する。この場合、図1ないし図8に基づいて説明した実施の形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0047】
図12は、本実施の形態におけるレシートプリンタ107の内部構成の概略を示す模式図である。図13は、図12に示すレシートプリンタ107がレシート用紙151の両面に印刷を行う際にバックフィードを行なわずに発行したレシートRTの一例を示す模式図である。本実施の形態の表面印刷部153は、裏面印刷部154よりも案内経路156の下流側に配置されている。そして、表面印刷部153を構成する表面サーマルヘッド153sの発熱抵抗体153hの位置と裏面印刷部154を構成する裏面サーマルヘッド154sの発熱抵抗体154hとは、案内経路156上の距離にしてΔxだけ離れている。換言すれば、表面サーマルヘッド153sがレシート用紙151の表面に対し印刷を行う表面印刷位置Jと、裏面サーマルヘッド154sがレシート用紙151の裏面に対し印刷を行う裏面印刷位置Kとは、案内経路156上で離間距離Δxだけ離間して配置されている。そのため、レシートプリンタ107の制御部215がレシート用紙151の両面に対し印刷を行う際にレシート用紙151を上流側に搬送(いわゆるバックフィード)してレシート用紙151の表面への印刷の先端と裏面への印刷の先端とを揃える位置調整を行わない場合、POS装置100では、図13に示すような、レシート用紙151の裏面の先端部分に用紙長さ方向の距離がΔxである余白領域Vを有したレシートRTが発行されることになる。本実施の形態のPOS装置100は、表面サーマルヘッド153sと裏面サーマルヘッド154sとが離間しているためにレシートRTに生じうる余白領域Vに印刷を行うことで、レシート用紙151の無駄な消費を無くし、レシート用紙151の有効利用を図るものである。
【0048】
図14は、本実施の形態のフォーマットファイルFのデータ構成を示す模式図である。フォーマットファイルFに記憶されている印刷オブジェクト301bは、先頭オブジェクト301cを含む。この先頭オブジェクト301cは、裏面固定情報403bの一部を構成している。先頭オブジェクト301cは、所定のメッセージと空白行とを含んで構成され、裏面サーマルヘッド154sによってレシート用紙151の裏面に印刷され、レシートRTの先端からΔxだけ上流側に離れた位置までの先頭領域に印刷される先頭固定情報HDRとなる(図17参照)。なお、フォーマットファイルFには、先頭オブジェクト301cの行数304として、先頭オブジェクト301cがレシート用紙151に印刷された場合にレシート用紙151の行方向に占める大きさがΔxになるような行数が記憶されている。
【0049】
また、レシート用紙151に記憶されている印刷オブジェクト301bのうち先頭オブジェクト301cに続いてレシート用紙151の裏面に印刷される現在ポイント表示オブジェクト301dは、商品販売データ処理(図15参照)中に行われるポイント計算処理(図15のステップS16−3)において算出される客の現在の累積ポイントの値が反映される。
【0050】
図15は、本実施の形態のPOS装置100において行われる商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。POS端末101の情報処理部201は、コードスキャナ212やキーボード211、タッチパネル105からの入力操作による商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力を判定すると(ステップS11のY)、POS端末101の情報処理部201は、入力された商品コードに対応した商品名や単価などの商品情報をPLUファイルから取得する検索処理を実行して(ステップS12)、入力された商品コードおよび取得した商品情報に基づいて取引情報を生成しRAM203(図3参照)に一時記憶する商品情報登録処理を実行する(ステップS13)。
【0051】
続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、タッチパネル105やキーボード211から入力される商品コード入力終了宣言の有無を待機する(ステップS14)。商品コード入力終了宣言が入力されると、POS端末101の情報処理部201は、続く処理として、ポイント算出処理を実行する(ステップS16)。ここで、商品コード入力終了宣言ではなく新たな商品コードの入力を判定した場合(ステップS14のN、S15のY)、POS端末101の情報処理部201は、処理をステップS12に戻し、新たに入力された商品コードに基づいて検索処理(ステップS12)および商品情報登録処理(ステップS13)を実行する。
【0052】
ポイント算出処理(ステップS16)の詳細について説明する。POS端末101の情報処理部201は、RAM203に会員コードが記憶されているかどうかを判定する(ステップS16−1)。会員コードは、客が所有する磁気カードやICカードなどの記憶媒体に予め記憶されている客を特定するためのコード情報であり、POS端末101の情報処理部201がポイント算出処理(ステップS16)を実行する前提として、商品コード入力終了宣言が入力されるまでにPOS端末101に接続されている磁気カードリーダやICカードリーダなどの読取装置(図示せず)によって読み取られてRAM203に記憶されているべきものである。このため、本実施の形態のPOS端末101には、磁気カードリーダやICカードリーダなどの読取装置が情報処理部201に接続されている必要がある。そして、POS端末101の情報処理部201は、RAM203に会員コードが記憶されていないと判定した場合(ステップS16−1のN)、以下に説明するステップS16−2およびS16−3の処理を行わずにポイント算出処理(ステップS16)を終了して、処理をステップS17に進める。これに対し、POS端末101の情報処理部201は、RAM203に会員コードが記憶されていると判定した場合(ステップS16−1のY)、会員コードに対応して記憶されている累積ポイント情報を取得する処理を実行する(ステップS16−2)。累積ポイント情報を取得する処理は、記憶媒体が累積ポイント情報を記憶しておらず会員コードのみを記憶している磁気カードである場合と、累積ポイント情報および会員コードを記憶しているICカードである場合とで処理内容が相違する。記憶媒体が磁気カードの場合、POS端末101の情報処理部201は、通信インタフェイス207(図3参照)を介してネットワーク接続されている図示しない本部サーバに会員コードを送信し、会員コードに対応づけて本部サーバに記憶されている累積ポイント情報を送信してもらうことにより、POS端末101は、本部サーバから送信された累積ポイント情報を取得する。これに対して、記憶媒体がICカードである場合、POS端末101の情報処理部201は、ICカードにデータ記録されている累積ポイント情報に直接アクセスすることができる。このように累積ポイント情報の取得した後に続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、RAM203に一時記憶している取引情報に基づいて今回の会計取引に対し付与される特典ポイントを算出し(ステップS16−3)、ポイント算出処理を終了する。
【0053】
POS端末101の情報処理部201は、上記のポイント算出処理(ステップS16(ステップS16−1〜S16−3))を実行することにより、今回の会計取引において付与された特典ポイントが加味された累計ポイントを把握することになる。
【0054】
ステップS16に続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、客の支払金額の入力とともに指定されるタッチパネル105やキーボード211からの取引の終了宣言の入力を待機し(ステップS17)、取引の終了宣言が入力された場合(ステップS17のY)、RAM203に記憶されている取引情報に基づいて算出される小計金額分の決済を行う決済処理を実行して(ステップS18)、商品販売データ処理を終了する。決済処理は、レシート発行処理、累計ポイントの更新処理を含む。本実施の形態のPOS装置100におけるレシート発行処理の流れは図16に基づいて後述するが、ポイント算出処理(ステップS16)において算出された客の累積ポイントに関する情報がレシート用紙151に印刷される。
【0055】
更新処理は、客に付与されている累積ポイント情報に今回の会計取引によって新たに客に付与される特典ポイントを加味して更新を行う処理である。記憶媒体が磁気カードである場合、POS端末101の情報処理部201は、更新処理として、今回算出した特典ポイントを本部サーバに送信する。本部サーバは、特典ポイントを受信すると、受信した特典ポイントを累積ポイント情報に加味した更新を行う。これに対して、記憶媒体がICカードである場合、POS端末101の情報処理部201は、更新処理として、本部サーバに今回の特典ポイントを送信する処理に加えて、ICカードに記憶されている累積ポイント情報を更新する。
【0056】
なお、ステップS16−1においてPOS端末101の情報処理部201がRAM203に会員コードが記憶されていないと判定した場合、POS端末101の情報処理部201は、レシート発行処理においては特典ポイントに関する情報をレシート用紙151に印刷せず、更新処理も行わない。
【0057】
図16は、本実施の形態のPOS装置100におけるレシート発行処理の流れを示すフローチャートである。図17は、本実施の形態のPOS装置100において行われるレシート発行処理により印刷が行われた状態のレシート用紙151の一例を示す説明図である。POS端末101の情報処理部201は、レシート発行処理を開始すると、図1ないし図8に基づいて前述した実施の形態と同様、表面固定情報403aの印刷長L1、および、裏面固定情報403bの印刷長L2を算出し(ステップS301)、取引情報402がレシート用紙151に印刷された場合の印刷長を算出し(ステップS302)、取引情報402および固定情報403を含む出力情報401を、レシートRTの長さが最短となるように表面出力情報404および裏面出力情報405のそれぞれに配分する(ステップS303)。
【0058】
続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、ステップS303において配分された裏面出力情報405のうち、データ列の先頭側の一部をなしてレシート用紙151の先端から印刷され先頭固定情報HDRとして現れる先頭オブジェクト301cのデータを裏面出力情報405の終端に移動する(ステップS304)。この裏面出力情報405の終端に移動されたデータは、レシート用紙151に印刷されて、次回の取引において発行されるレシートRTの印刷内容の一部になる。
【0059】
続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、これから行う印刷処理が用紙保持部152に巻回されたレシート用紙151をセットした後に初めて行うものであるか否かにより処理を分岐する(ステップS305)。これから行う印刷処理がレシート用紙151のセット後に初めて行うものである場合(ステップS305のY)、レシート用紙151の裏面の先端側には何も印刷されていない状態となっている。そこで、POS端末101の情報処理部201は、先頭オブジェクト301cを送信し(ステップS306)、搬送機構160を駆動してレシート用紙151の先端を裏面印刷位置Kに位置づけて裏面印刷部154からこの先頭オブジェクト301cを印刷するための制御命令をレシートプリンタ107に送信する(ステップS307)。その結果、図17(a)に示すように、レシート用紙151の裏面の先端側には、印刷長にしてΔxだけの大きさを占める先頭固定情報HDRが印刷された状態になる。続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、図1ないし図8に基づいて前述した実施の形態と同様、レシートプリンタ107に表面出力情報404および裏面出力情報405を送信してレシート用紙151の両面に印刷させる制御を行い(ステップS308)、レシート発行処理を終了する。
【0060】
本実施の形態のレシートプリンタ107は、POS装置100で行われるレシート発行処理中のステップS308の処理で送信される表面出力情報404および裏面出力情報405を受信すると、搬送機構160を駆動して案内経路156上のレシート用紙151をその上流側から下流側に向けて搬送し、その中で、表面サーマルヘッド153sによるレシート用紙151の表面に対する印刷と、裏面サーマルヘッド154sによりレシート用紙151の裏面に対する印刷とを同時に行う。ここで、表面印刷位置Jと裏面印刷位置KとはΔxだけ離間していることから、POS端末101の情報処理部201はレシートプリンタ107に対し、図17(b)に示すように、搬送機構160を駆動して案内経路156上のレシート用紙をその上流側から下流側に向けて搬送する途中で、表面サーマルヘッド153sによるレシート用紙151の表面に対する印刷と同期させて、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面出力情報405のうち表面サーマルヘッド153sが印刷している印刷位置よりも離間距離Δxだけ上流側の内容を裏面サーマルヘッド154sにより印刷するようレシートプリンタ107を駆動する命令を送信する。裏面出力情報405の先頭から離間距離Δx分のデータは裏面出力情報405の終端側に移動しているために、レシートプリンタ107では、レシート用紙151の表面に表面出力情報404が出力されると同時に、レシート用紙151の裏面の終端側に次回の会計取引の際に発行されるレシート用紙151の先端側に現れる先頭固定情報HDRが印刷される。
【0061】
一方、ステップS305においてこれから行う印刷処理がレシート用紙151のセット後に初めて行うものでは無い場合(ステップS305のN)、POS端末101の情報処理部201はステップS306およびS307の処理を実行せずにステップS308の処理を実行する。しかし、前回行われた商品販売データ処理中のレシート発行処理において、レシート用紙151の裏面の先端側には先頭固定情報HDRが既に印刷されているため、そもそもステップS306およびS307の処理を行う必要がない。つまり、表面印刷位置Jと裏面印刷位置Kとは距離Δxだけ離れているために生じてしまうレシートRT上の距離Δxだけの余白領域Vにも裏面出力情報405の一部が印刷されることになる。
【0062】
本実施の形態のPOS装置100によっても、これまでに前述した実施の形態のPOS装置100と同様に、余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートRTが発行されることになり、レシート用紙151の有効利用を図ることができる。さらに、本実施の形態のPOS装置100によれば、表面印刷位置Jと裏面印刷位置Kとが離れているために生じる余白領域Vとなっていた箇所には、前回の取引において裏面サーマルヘッド154sによって印刷された先頭固定情報HDRが印刷されており、その先頭固定情報HDRは今回の取引で発行されるレシートRTの印刷内容の一部として利用されるため、レシート発行処理では、レシート用紙151を上流側にバックフィードする搬送機構160の制御を行う必要がなく、レシートRTを発行するまでの時間を短縮することができ、POS装置100を用いて行う会計作業全体の時間を短縮することができる。
【0063】
なお、本実施の形態のPOS装置100においては、表面サーマルヘッド153sが裏面サーマルヘッド154sに対して案内経路156の下流側に配置されている場合について示したが、表面サーマルヘッド153sが裏面サーマルヘッド154sに対して案内経路156の上流側に配置されている場合でも同様に余白領域Vに対し予め印刷を行ってレシート用紙151の有効利用を図ることができることはいうまでもない。また、余白領域Vに対し予め印刷される先頭固定情報HDRは、画像メモリ217に展開された印刷データのうちレシート用紙151の裏面に出力される裏面印刷データ407の先頭に位置する印刷データを裏面印刷データ407の終端に移動することによって、レシート用紙151の切断位置から下流側に印刷されるようにしてもよい。さらに、本実施の形態に示すレシート発行処理は、POS端末101の情報処理部201ではなく、レシートプリンタ107の制御部215が主体的に行うようにしてもよい。
【0064】
一実施形態によれば、一取引の終了宣言に応じてレシートプリンタを駆動制御し、予め印刷位置及び印刷長さが決められている固定情報をレシート用紙に印刷する処理と、当該一取引のレシートの長さが最短となるように取引情報をレシート用紙の一方の面と他方の面とに配分してレシートに占める固定情報の印刷領域以外の領域に印刷する処理とを実行するため、余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートを発行し、レシート用紙の有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0065】
100…POS装置(商品販売データ処理装置)、107…レシートプリンタ、111…排紙口(用紙排出部)、151…レシート用紙、152…用紙保持部、153s…表面サーマルヘッド(第1印刷ヘッド)、154s…裏面サーマルヘッド(第2印刷ヘッド)、156…案内経路、160…搬送機構、217…画像メモリ、401…出力情報、402…取引情報、403…固定情報、RT…レシート、Δx…離間距離
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開平11−328534号公報
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レシートプリンタを備える商品販売データ処理装置(POS端末)が導入されている店舗では、客が商品を購入すると、領収日、発行者、宛名、金額、その金額の明細など各種の項目が印刷されたレシートが発行される。発行されるレシートには、通常、一方の面にのみ情報が印刷されているが他方の面には何も印刷されておらず、レシート用紙の裏面が有効に活用されていない。
【0003】
この点を解決すべく、レシート用紙の両面に印刷が可能なレシートプリンタを備えるPOS端末を利用してレシートを発行することでレシート用紙の裏面を有効に活用することが行われている(例えば、特許文献1記載の金銭登録機)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レシートは一般に、客が商品を購入したことを証明するための領収書としての役割を果たす。そのため、レシートの表面には、通常、商品を購入した店舗の名前とその店舗で支払われた支払金額とが印刷され、このレシートを手に取った者がその店舗で確かに取引があったことを理解できるようになっている。
【0005】
ここで、両面に印刷が可能なレシートプリンタから発行されるレシートについて検討する。通常、レシートの表面には客が購入した商品に関する情報で構成され取引内容を把握できるよう記載される取引情報が印刷されるため、レシートの表面の印刷長は客が購入した商品の品目数に応じて変化する。これに対し、レシートの裏面には通常、取引情報が印刷されることはなく、例えば特許文献1の段落番号0019に示されているように、予め印刷位置や印刷長が予め定められている広告情報などの固定情報が印刷される。このため、両面に印刷が可能なレシートプリンタからは、表面もしくは裏面のいずれかに何も印刷されていない余白部分を有したレシートが発行されることになる。つまり、レシート用紙は、レシートに生じる余白部分に相当する量だけ無駄に使われ、有効利用されていないといえる。
【0006】
本発明の目的は、余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートを発行し、レシート用紙の有効利用を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品販売データ処理装置は、印刷ヘッドを駆動制御し、一取引の取引内容に応じて変化する情報をレシート用紙に印刷し、さらに、予め印刷内容が決められており次取引のレシート用紙において前記取引内容に応じて変化する情報が印刷される領域の上方に印刷される固定情報を印刷する印刷制御手段と、前記固定情報の印刷後に、前記取引内容に応じて変化する情報が印刷された領域と前記固定情報が印刷された領域との間で前記レシート用紙を切断するカッタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、POS装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、レシートプリンタの内部構成の概略を示す模式図である。
【図3】図3は、POS装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、出力情報がレシート用紙の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。
【図5】図5は、フォーマットファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図6】図6は、フォーマットファイルの内容を反映させた出力情報が印刷されたレシートの一例を示す模式図である。
【図7】図7は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、POS装置によって発行されるレシートの一例を示す説明図である。
【図9】図9は、出力情報がレシート用紙の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。
【図10】図10は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、画像メモリに記憶される印刷データのデータ構成を示す模式図である。
【図12】図12は、レシートプリンタの内部構成の概略を示す模式図である。
【図13】図13は、レシートプリンタがレシート用紙の両面に印刷を行う際にバックフィードを行なわずに発行したレシートの一例を示す模式図である。
【図14】図14は、フォーマットファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図15】図15は、商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】図16は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図17は、レシート発行処理により印刷が行われた状態のレシート用紙の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図8に基づいて説明する。
【0010】
図1は、POS装置100の外観を示す斜視図である。POS装置100は、POS端末101にレシートプリンタ107が接続コード113によって互いにデータ通信自在に接続されて構成されている。
【0011】
POS端末101は、商品を特定する商品コードや顧客が購入する商品の点数などの情報を入力するための入力部を備え、入力された商品コードに基づいて生成した取引情報を記憶部としてのRAM203(図3参照)に一時記憶する処理と、この取引情報を印刷したレシートを発行するレシート発行処理(図7参照)と、この取引情報に基づく決済処理と、この取引情報を図示しない上位機に送信する処理とを含む商品販売データ処理を実行する。POS端末101は、本体102とキャッシャ側表示部としてのLCDディスプレイ104と客側表示部106とを備えて構成されている。
【0012】
本体102は、キャッシャ側および客側のそれぞれを向く平面を有する直方体形状のハウジング102aの内部に図3に基づいて後述する各部を収納して構成されている。ハウジング102aは客側に若干傾いた形状であり、キャッシャ側および客側から見ると長方形形状となっており、側面から見ると平行四辺形形状となっている。ハウジング102aの底面から客側には、POS端末101の本体102を安定した状態で載置面に載置させるための平板状の脚部103が延出している。
【0013】
LCDディスプレイ104は、POS端末101の本体102のハウジング102aのうちキャッシャ側を向く平面に位置付けられており、各種情報を表示する表示面をキャッシャ側に向けて配置され、情報出力部としての役割を果たす。LCDディスプレイ104の表示面には、タッチ指定することによりPOS端末101に情報を入力するための情報入力部としてのタッチパネル105が積層配置されている。LCDディスプレイ104には、POS端末101への商品コードの入力を支援する商品情報や、POS端末101への置数入力を支援するテンキー画像など、キャッシャが会計の際に行うPOS装置100に対する操作入力を支援する各種の情報が表示される。キャッシャは、LCDディスプレイ104に表示された情報に従ってタッチパネル105からタッチ指定を行うことで、POS端末101に各種情報を入力することができる。
【0014】
客側表示部106は、POS端末101の本体102のハウジング102aの上面から突出した状態で配置されており、各種情報を表示する表示面を客側に向けた状態で配置されている。客側表示部106も、情報出力部としての役割を果たす。
【0015】
なお、図1には図示しないが、POS端末101の本体102には情報入力部としてのキーボード211(図3参照)および商品コード入力部としてのコードスキャナ212(図3参照)が接続されている。そのため、キャッシャは、キーボード211を用いてPOS端末101に各種情報の操作入力を行うことが可能である。また、キャッシャは、コードスキャナ212を用いて図示しない商品にコードシンボルの態様で付されている商品コードをPOS端末101に入力することが可能である。
【0016】
図2は、レシートプリンタ107の内部構成の概略を示す模式図である。レシートプリンタ107の外観構成および内部構成について、図1および図2に基づいて説明する。本実施の形態で用いられるレシートプリンタ107は、印刷を行う印刷部にライン型の印刷方式のサーマルヘッドを備えたサーマルプリンタである。レシートプリンタ107は、略直方体形状のハウジング108の内部に各部(図2および図3参照)を収納して構成されている。ハウジング108の上面後方は開口されており、その開口された部分は蓋部109によって閉じられている。蓋部109は、ハウジング108の開口された部分の後方上端に接続され、その接続箇所を支点として上方に開放できるようにハウジング108に対し開閉自在となっている。ハウジング108の上面前方には、レシートプリンタ107の電源ボタン110が位置付けられている。電源ボタン110が配置されているハウジング108の上面の後端と閉じられた状態の蓋部109の前端との間には、用紙排出部としての排紙口111が形成される。排紙口111からは、レシートプリンタ107の内部に収納されるレシート用紙151(図2参照)がレシートRTとして排出される。
【0017】
レシートプリンタ107には、両面に印刷が可能なレシート用紙151が使用される。本実施の形態で用いられるレシート用紙151は、平面状の基材の両面のそれぞれに所定の印加エネルギーが印加されることによって発色するサーマル層、サーマル層を保護する保護層が順に重層されて形成されている感熱式のレシート用紙である。レシート用紙151は、ロール状に巻回された状態でレシートプリンタ107に設けられた用紙保持部152に回動自在に保持される。レシートプリンタ107の内部には、用紙保持部152から、表面印刷部153、裏面印刷部154、カッタ機構155を経て排紙口111に続く案内経路156が形成されている。案内経路156の途中には、搬送用モータ214(図3参照)によって回転する表面プラテン153p、裏面プラテン154p、案内ローラ158が配置されている。表面プラテン153p、裏面プラテン154p、および、案内ローラ158は、案内経路156に沿ってレシート用紙151を搬送する搬送機構160を構成する。搬送機構160は、レシート用紙151を、案内経路156の上流側となる用紙保持部152から案内経路156の下流側となる排紙口111に向けて案内経路156に沿って搬送する。また、案内経路156の途中には、搬送機構160によるレシート用紙151の搬送タイミングの検出のために用いられるセンサ部161が配置されている。センサ部161は、レシート用紙151に記されている位置検出用のマークを検出した場合に検出信号を発信するセンサと、このセンサから発せられる検出信号に基づいて制御部215(図3参照)に対しこのマークの検出の有無を示す情報を送信する回路と、を備える。レシートプリンタ107の各部を制御する制御部215は、センサ部161から送信される情報に従ってレシート用紙151の搬送速度を把握し、搬送用モータ214を制御して搬送機構160を構成する各ローラの回動速度を調節する。
【0018】
表面印刷部153は、案内経路156の図2における上側に設けられた表面プラテン153pと、案内経路156を介して表面プラテン153pに対向接触するライン型の第1印刷ヘッドとしての表面サーマルヘッド153sとにより構成され、案内経路156に沿って搬送されるレシート用紙151の一方の面(表面)に所定事項を印刷する。裏面印刷部154は、案内経路156の図2における下側に設けられた裏面プラテン154pと、案内経路156を介して裏面プラテン154pに対向接触するライン型の第2印刷ヘッドとしての裏面サーマルヘッド154sとにより構成され、案内経路156に沿って搬送されるレシート用紙151の他方の面(裏面)に所定事項を印刷する。表面サーマルヘッド153sは、表面プラテン153pに所定の加圧力で当接するように配設されており、表面プラテン153pに対向接触する部分に複数の発熱抵抗体153hを主走査方向に一列に配列した状態で備えている。同様に、裏面サーマルヘッド154sは、裏面プラテン154pに所定の加圧力で当接するように配設されており、裏面プラテン154pに対向接触する部分に複数の発熱抵抗体154hを主走査方向に一列に配列した状態で備えている。表面サーマルヘッド153sおよび裏面サーマルヘッド154sはいずれも、図示しない電源回路からの電圧をライン方向に一列に配列された発熱抵抗体153h、154hに選択的に印加することができるように構成されている。
【0019】
カッタ機構155は、固定刃155aと可動刃155bとを組み合わせて構成されている。固定刃155aおよび可動刃155bはいずれも、一側辺に刃部を備えた平板長板状をなしており、案内経路156を間に挟んでそれぞれの刃部を対向させ、対向する二つの刃部の間に案内経路156を搬送されるレシート用紙151を挿通できる程度に離間して配置されている。可動刃155bは、カッタ用モータ214a(図3参照)の駆動によって固定刃155aに備わる刃部の延びる方向に摺動し、固定刃155aおよび可動刃155bの間に挿通されるレシート用紙151を切断する。すなわち、カッタ機構155は、レシート用紙151を切断する機構である。カッタ機構155によって切断されたレシート用紙151は、表面サーマルヘッド153sによって印刷が行われた面をレシートプリンタ107の手前側に向けた状態で、排紙口111からレシートRTとして排出される。
【0020】
図3は、POS装置100の電気的構成を示すブロック図である。POS装置100を構成するPOS端末101は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU202を備えている。CPU202には、可変データを書き替え自在に記憶するRAM203と、固定データを記憶しその記憶内容を給電なしに保持しているROM204とがバス接続されている。CPU202とRAM203とROM204とは、情報処理を実行するPOS装置100における情報処理部201を構成する。情報処理部201は、図示しない入出力回路を介して、時計回路205、ブザー回路206、通信インタフェイス207、外部機器インタフェイス208、FDドライブ209、HDD210、LCDディスプレイ104、タッチパネル105、客側表示部106、キーボード211、および、コードスキャナ212のそれぞれとバス接続している。時計回路205は、情報処理部201に対して現在時刻を送信する。この時計回路205には不揮発性のバックアップRAM205aが接続されており、時計回路205が記憶する現在時刻は定期的にバックアップRAM205aにバックアップされる。ブザー回路206は、情報処理部201による制御によって所定のブザー音を発する。通信インタフェイス207は、図示しないネットワークを介した他の機器との有線もしくは無線の通信を実行する。外部機器インタフェイス208は、接続コード113を介してPOS端末101に接続されている他の機器とPOS端末101との間のデータ通信を実現する。FDドライブ209は、外部記憶媒体としてのFDが装着された状態で情報処理部201による制御に従ってそのFDに記憶されている情報を読み込む。
【0021】
情報処理部201にバス接続されているHDD210は、オペレーティングシステム、ドライバ、プログラム、PLUファイル、フォーマットファイルF(図5も参照)を含む各種のデータファイルを記憶保存している(フォーマットファイルF以外は図示せず)。オペレーションシステムは、情報の入出力、ディスクやメモリのアドレス管理など、情報処理部201が実行する種々のソフトウェアのうち共通する基本的な機能を提供する。ドライバは、POS端末101を構成する各部やPOS端末101に接続されているレシートプリンタ107等の機器を駆動制御するための制御プログラムの集合体である。プログラムは、POS装置100に商品販売データ処理(前述)、レシート発行処理(図7参照)を含む各種の処理を実行させるための処理内容を含んでいる。PLUファイルは、商品コードに商品名や単価などの商品情報を対応付けて記憶している。フォーマットファイルFは、レシート用紙151に印刷される取引情報に適用される印刷フォーマット301a(図5参照)と、固定情報を構成する印刷オブジェクト301b(図5参照)とを記憶している。なお、取引情報、固定情報、および、フォーマットファイルFのデータ構成については、図4に基づいて後述する。
【0022】
情報処理部201は、POS端末101の起動時に、HDD210に記憶されているオペレーティングシステム、ドライバ、プログラム、PLUファイル、フォーマットファイルFなどの各種ファイルの全部又は一部をRAM203にコピーし、情報処理部201が実行する各種の処理の高速化を図る。そして、情報処理部201は、オペレーティングシステム、ドライバおよびプログラムの記述に従った各種の処理を実行する。PLUファイルは、情報処理部201が実行する商品販売データ処理を実行する際に用いられる。フォーマットファイルFは、情報処理部201がレシート発行処理を実行する際に用いられる。
【0023】
POS装置100を構成するレシートプリンタ107は、CPUとROMとRAMとを備え各部を駆動制御する制御部215を備える。制御部215は、図示しない入出力回路を介して、表面サーマルヘッド153s、裏面サーマルヘッド154s、センサ部161、搬送用モータ214、カッタ用モータ214a、外部機器インタフェイス216、および、画像メモリ217のそれぞれとバス接続している。搬送用モータ214は、レシートプリンタ107の内部に配置される搬送機構160を駆動するための駆動源となる。一例として、搬送用モータ214には、搬送機構160を構成する各ローラを正逆両方向に回動可能なステッピングモータを採用することができる。カッタ用モータ214aは、カッタ機構155を構成する可動刃155bを動かしてレシート用紙151を切断するための駆動源となる。外部機器インタフェイス216は、接続コード113を介してレシートプリンタ107に接続されている他の機器とレシートプリンタ107との間のデータ通信を実現する。画像メモリ217は、制御部215にバス接続されている。画像メモリ217は、表面サーマルヘッド153sと裏面サーマルヘッド154sとによって印刷される印刷データを書き換え自在に記憶する。制御部215は、レシート用紙151に印刷して出力しようとしている出力情報を格子状に配列される印刷ドットで構成される印刷データとして画像メモリ217に展開し、その印刷データを画像メモリ217に記憶する。画像メモリ217に展開された印刷データは、一ラインごとに取り出されて表面サーマルヘッド153sおよび裏面サーマルヘッド154sのそれぞれによってレシート用紙151に印刷される。本実施の形態では、画像メモリ217として、表面印刷部153および裏面印刷部154のそれぞれに適用されるラインメモリを採用することができる。
【0024】
前述したように、POS装置100を構成するPOS端末101とレシートプリンタ107とは、接続コード113を介して互いにデータ通信自在に接続されている。そして、情報処理部201は、レシート発行処理(図7参照)を実行する中で、レシートプリンタ107に対しレシート用紙151に印刷して出力しようとする出力情報とともに、制御部215が表面サーマルヘッド153s、表面プラテン153p、裏面サーマルヘッド154s、裏面プラテン154p、カッタ機構155、案内ローラ158を含む各部を駆動制御させるための制御信号を送信して、レシートプリンタ107にレシートRTを発行させる制御を行う。レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101の情報処理部201から送信された出力情報を印刷データとして画像メモリ217に展開して記憶する。また、レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101の情報処理部201から送信される制御信号を受信すると、受信した制御信号に従ってレシートプリンタ107に備わる各部を制御し、レシート用紙151に対して画像メモリ217に展開した印刷データを印刷し、カッタ機構155によって印刷を行ったレシート用紙151を切断し、排紙口111から切断したレシート用紙151をレシートRTとして排出する。
【0025】
図4は、出力情報がレシート用紙151の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。上記の構成を備えるPOS装置100は、一取引毎に、商品コード入力部としてのコードスキャナ212から入力された商品コードに基づいて商品販売データ処理(前述)が実行される。そして、POS装置100は、キーボード211やタッチパネル105から入力される一取引の終了宣言に応じてレシートプリンタ107を駆動制御し、レシートプリンタ107から発行されるレシートRTの長さが最短となるように、取引情報402と固定情報403とにより構成される出力情報401をレシート用紙151の両面に印刷しレシートRTとして排出するレシート発行処理(図7参照)が実行される。取引情報402は、客が購入した商品の商品コード、商品名、品目、単価、購入点数などの、客が購入した商品に関する情報で構成されている。この取引情報402は、レシート用紙151に印刷されてレシートRT上に現れることにより、レシートRTを見る者に取引内容を把握させることが出来る。取引情報402に含まれる各項目は、POS端末101の情報処理部201がPLUファイルから取得する入力された商品コードに対応する情報や、タッチパネル105やキーボード211から入力された置数情報に基づいて生成され、RAM203に一時記憶されている。また、固定情報403は、広告情報、店舗に関する店舗情報、客にそれまでに付与されている特典ポイントの獲得状況を示す現在ポイント情報、店舗から客に向けられた所定のメッセージ表示などの、客が購入した商品の品目数によらずレシート用紙151に印刷される各項目により構成される。この固定情報403は、予め印刷位置および印刷長が決められており、各取引においてレシート用紙151に決まった位置に印刷される。なお、固定情報403を構成する各項目は、予め、レシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403aと、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bとに分類されている。固定情報403を構成する各項目は、HDD210に格納されているフォーマットファイルF(図5参照)に予め記憶されている。
【0026】
図5は、フォーマットファイルFのデータ構成を示す模式図である。図6は、図5に示すフォーマットファイルFの内容を反映させた出力情報401が印刷されたレシートRTの一例を示す模式図である。HDD210に格納されているフォーマットファイルFは、取引情報402をレシート用紙151に印刷される要素OBJとして出現させるための印刷フォーマット301aと、固定情報403を構成し要素OBJとしてレシート用紙151に印刷される印刷オブジェクト301bとを記憶している。印刷フォーマット301aおよび印刷オブジェクト301bはいずれも、データ内容302と、面定義303と、行数304とを含む各種の設定事項により構成されている。データ内容302は、レシート用紙151に印刷される要素OBJの基礎となるデータであり、レシート用紙151に印刷されると、レシート用紙151の長さ方向に所定の長さ分だけ占め、レシート用紙151の幅方向に一杯に印刷される図形および文字列となる。面定義303は、印刷フォーマット301a適用後の取引情報402および印刷オブジェクト301bがレシート用紙151の表面および裏面のどちらに印刷されるものであるかを定義する。行数304は、印刷フォーマット301aが適用された取引情報402、および、固定情報403を構成する印刷オブジェクト301bのそれぞれについてレシート用紙151に印刷された場合にレシート用紙151の行方向に占める大きさを示し、レシート用紙151に印刷される文字列の高さによって規定される行の高さを一単位とする。フォーマットファイルFに含まれる印刷フォーマット301aおよび印刷オブジェクト301bは、タッチパネル105やキーボード211などの情報入力部からの操作入力によって任意の値に設定することが可能である。この設定はHDD210に格納されている設定プログラムによって実現される。
【0027】
印刷フォーマット301a適用後の取引情報402および印刷オブジェクト301bは、レシート発行処理において、フォーマットファイルF内での並び順に従ってレシート用紙151の表面および裏面のそれぞれに印刷されて、レシート用紙151上で要素OBJとして現われる。図5に示す例では、フォーマットファイルFは、品目数nの取引情報402に対して適用され取引情報402を印刷長2n行分の品目表示(図6参照)となって現われる要素OBJとしてレシート用紙151に出力させる印刷フォーマット301aと、レシート用紙151上でフォーマットファイルFに定められた行数分の固定長の印刷長で要素OBJとして現われる複数の印刷オブジェクト301bとを図5に示す順に記憶している。そのため、POS装置100が出力情報にこのフォーマットファイルFを反映してレシート用紙151に印刷を行うと、レシート用紙151の両面には、図6に示すように、フォーマットファイルFに記憶されている順に各要素OBJが現れる。
【0028】
図4に基づく説明に戻る。取引情報402と固定情報403とにより構成される出力情報401は、この出力情報401の印刷行数に基づいて、表面サーマルヘッド153sによって印刷される表面出力情報404と、裏面サーマルヘッド154sによって印刷される裏面出力情報405と、に分けられ、それぞれレシートプリンタ107に送信される。レシートプリンタ107では、表面出力情報404は画像メモリ217に表面印刷データ406として展開された後に表面サーマルヘッド153sによってレシート用紙151の表面に印刷され、裏面出力情報405は画像メモリ217に裏面印刷データ407として展開された後に裏面サーマルヘッド154sによってレシート用紙151の裏面に印刷される。
【0029】
図7は、レシート発行処理の流れを示すフローチャートである。情報処理部201は、コードスキャナ212から入力された商品コードに基づいて商品販売データ処理を実行し、商品コードに基づいて取引情報402(図4参照)を生成し、この取引情報402とタッチパネル105やキーボード211から入力された客の支払金額とをRAM203に記憶する。取引情報402と支払金額とがRAM203に記憶された状態でタッチパネル105やキーボード211から一取引の終了宣言が入力されたと判定すると、情報処理部201は、取引情報402に基づいて算出される小計金額分の決済処理を行うとともに、レシート発行処理を開始する。
【0030】
情報処理部201は、レシート発行処理を開始すると、フォーマットファイルFに記憶されている印刷オブジェクト301bの情報を取得して、レシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403a(図4参照)の印刷長L1、および、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403b(図4参照)の印刷長L2を算出する(ステップS101)。より詳細には、情報処理部201は、ステップS101において、フォーマットファイルFに含まれる印刷オブジェクト301bのうち面定義303が「表」であってレシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403aを構成する印刷オブジェクト301bを抽出し、抽出した印刷オブジェクト301bにおける行数304(図5参照)の合計をL1とする。同様に、情報処理部201は、ステップS101において、フォーマットファイルFに含まれる印刷オブジェクト301bのうち面定義303「裏」であってレシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bを構成する印刷オブジェクト301bを抽出し、抽出した印刷オブジェクト301bにおける行数304の合計をL2とする。
【0031】
続く処理として、情報処理部201は、RAM203に記憶されている取引情報402に対してフォーマットファイルFに記憶されている印刷フォーマット301aを適用して、取引情報402がレシート用紙151に印刷された場合の印刷長を算出する(ステップS102)。本実施の形態では、レシート用紙151に印刷される各種情報の印刷長を求める基準単位として、行数304(図5参照)を用いる。取引情報402には客が購入した商品に関する情報が含まれている。そこで情報処理部201は、取引情報402に含まれている品目数nをカウントし、このnとフォーマットファイルF(図5参照)内の印刷フォーマット301aに含まれる行数304とを用いて、取引情報402がレシート用紙151に印刷されることで現れるn個分の品目表示(図6参照)が占める印刷長として行数La(n)を算出する。
【0032】
続く処理として、情報処理部201は、レシートRTの長さが最短となるように、取引情報402および固定情報403を含む出力情報401を表面出力情報404および裏面出力情報405のそれぞれに配分する(ステップS103)。より詳細には、情報処理部201は、表面固定情報403aを構成する印刷オブジェクト301bを表面出力情報404に、裏面固定情報403bを構成する印刷オブジェクト301bを裏面出力情報405にそれぞれ振り分け、続いて、取引情報402の後端側から行数(La(n)+ΔL)÷2に相当する印刷長となるデータを裏面出力情報405に振り分け、残りの取引情報402を表面出力情報404に振り分ける(但、ΔLは表面固定情報403aの印刷長L1と裏面固定情報403bの印刷長L2との差であり、ΔL=L1−L2である。)。このとき、レシート用紙151の表面および裏面に印刷される内容が行の途中で切断されないように、行数(La(n)+ΔL)÷2の値は整数値に丸められる。つまり、レシートプリンタ107によってレシート用紙151に印刷される出力情報401は、フォーマットファイルFに記憶されている印刷フォーマット301aおよび印刷オブジェクト301bの行数304に従って、取引情報402の一部および表面固定情報403aで構成される表面出力情報404と、取引情報402の残りの一部および裏面固定情報403bで構成される裏面出力情報405とに分けられることになる。
【0033】
続く処理として、情報処理部201は、ステップS103において生成された表面出力情報404および裏面出力情報405をレシートプリンタ107に送信し、レシートプリンタ107にレシート用紙151に表面出力情報404および裏面出力情報405を印刷させる制御を行って(ステップS104)、レシート発行処理を終了する。
【0034】
レシートプリンタ107は、送信される表面出力情報404および裏面出力情報405を受信すると画像メモリ217に表面印刷データ406および裏面印刷データ407を展開して記憶し(図4参照)、表面印刷データ406を表面印刷部153の表面サーマルヘッド153sによってレシート用紙151の表面に印刷し、裏面印刷データ407を裏面印刷部154の裏面サーマルヘッド154sによってレシート用紙151の裏面に印刷する。なお、レシートプリンタ107内で、表面印刷部153を構成する表面サーマルヘッド153sと裏面印刷部154を構成する裏面サーマルヘッド154sとはその構造上の制約のために案内経路156上の同じ位置に対向配置されていない(図2参照)。そのため、レシートプリンタ107では、搬送用モータ214を駆動制御し搬送機構160を駆動して、レシート用紙151を案内経路156の上流方向(いわゆるバックフィード)および下流方向に搬送してレシート用紙151上の印刷位置を調整し、レシート用紙151の下流側の先端に余白を生じさせないようにする制御が行われる。レシート用紙151の両面に印刷を行った後、レシートプリンタ107の制御部215は、両面に印刷を行ったレシート用紙151の印刷終端をカッタ機構155に位置付けるよう搬送機構160を駆動した後に、カッタ用モータ214aを駆動制御してカッタ機構155を作用させてレシート用紙151を切断し、搬送機構160を駆動させて排紙口111から切断されたレシート用紙151をレシートRTとして排出する。
【0035】
図8は、POS装置100によって発行されるレシートRTの一例を示す説明図である。上記のレシート発行処理を実行するPOS装置100は、キーボード211やタッチパネル105から入力される一取引の終了宣言に応じてレシートプリンタ107を駆動制御し、予め印刷位置及び印刷長さが決められている固定情報403をレシート用紙151に印刷する処理と、当該一取引のレシートRTの長さが最短となるように取引情報402をレシート用紙151の表面と裏面とに配分してレシートRTに占める固定情報403の印刷領域以外の領域に印刷する処理とを実行するため、余白部分Wが少なく全体の長さが短縮されたレシートRTを発行し、レシート用紙151の有効利用を図ることができる。そして、本実施の形態のPOS端末101では、画像メモリ217としてラインメモリを採用することができるため、表面印刷部153および裏面印刷部154を構成するデータ入出力回路の構造が複雑にならず、また、POS装置100全体の製造単価を抑えることができる。
【0036】
一例として、POS装置100を用いて、購入品目数n=4である取引情報402を印刷したレシートRTを発行する場合を図8に示す。図8に示すように、情報処理部201は、レシート発行処理を実行して、表面固定情報403aの印刷長である行数L1=19行と、裏面固定情報403bの印刷長である行数L2=15行を算出し(図7のステップS101)、取引情報402に対し印刷フォーマット301aを適用して取引情報402がレシート用紙151に印刷され品目表示として現われた場合の印刷長である行数La(n)=2×4=8を算出する(図7のステップS102)。そして、情報処理部201は後端側から印刷長にして行数(La(n)+ΔL)÷2=6行分の取引情報402をレシート用紙151の裏面に振り分け、印刷長にして2行分となる残りの取引情報402をレシート用紙151の表面に振り分ける(図7のステップS103)。その結果、レシートプリンタ107から排出されるレシートRTの表面には、表面固定情報403aと印刷長にして2行分の取引情報402とが印刷され、レシートRTの裏面には裏面固定情報403bと印刷長にして6行分の取引情報402とが印刷され、レシートRTの表面および裏面の印刷長はいずれも21行分となる。このように、本実施の形態のPOS装置100を用いることで、取引情報402を全て表面に印刷してレシートRTを発行する場合(図8(a))に生じていた余白部分Wが少ないレシートRTがレシートプリンタ107から発行されることになる(図8(b))。
【0037】
なお、図8(b)に示すように、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bおよび取引情報402の間に仕切線Sを印刷して、発行されたレシートRTを手に取った者に対して仕切線Sよりも下方に印刷された部分はレシートRTの表面に印刷されているべきものであることを示すようにしてもよい。
【0038】
次いで、別の実施の形態を図9ないし図11に基づいて説明する。この場合、図1ないし図8に基づいて説明した実施の形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0039】
図9は、本実施の形態のPOS装置100において、出力情報401がレシート用紙151の両面に印刷されるまでのデータの流れを示す模式図である。本実施の形態のPOS装置100では、取引情報402と固定情報403とを含んで構成される出力情報401はそのままレシートプリンタ107に送信され、レシートプリンタ107において画像メモリ217に印刷データ408として展開され記憶された後に、印刷データ408が制御部215によって表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに分けられ、表面印刷データ406が表面サーマルヘッド153sの駆動制御によりレシート用紙151の表面に印刷され、裏面印刷データ407が裏面サーマルヘッド154sの駆動制御によりレシート用紙151の裏面に印刷されることによってレシートRTが発行される。
【0040】
図10は、本実施の形態におけるレシート発行処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理部201は、レシート発行処理を開始すると、取引情報402に対してフォーマットファイルFに記憶されている印刷フォーマット301aを適用して、レシートプリンタ107が取引情報402をレシート用紙151に要素OBJとして印刷できるようにし(ステップS201)、続く処理として、取引情報402および固定情報403を含む出力情報401をレシートプリンタ107に送信する(ステップS202)。レシートプリンタ107は、送信される出力情報401を受信すると画像メモリ217に印刷データ408を展開して記憶する(図9参照)。
【0041】
図11は、画像メモリ217に記憶される印刷データ408のデータ構成を示す模式図である。本実施の形態では、画像メモリ217として、レシート用紙151に印刷される印刷イメージを記憶可能なRAMが採用される。そして、本実施の形態の画像メモリ217には出力情報401を基に展開された印刷データ408が記憶され、少なくとも、固定情報403のうちレシート用紙151の表面に印刷される表面固定情報403aと、取引情報402と、固定情報403のうちレシート用紙151の裏面に印刷される裏面固定情報403bとが区別可能に記憶されている。画像メモリ217に印刷データ408として展開された表面固定情報403a、取引情報402および裏面固定情報403bはいずれも格子状に配列される印刷ドットで構成されており、そのため、制御部215は、画像メモリ217に記憶されている印刷データ408の内容を参照することで、表面固定情報403a、取引情報402および裏面固定情報403bのそれぞれがレシート用紙151に印刷された場合の用紙長さ方向の印刷長を把握することができる。なお、本実施の形態では、取引情報402や固定情報403がレシート用紙151に印刷された場合の印刷長は、ドット数もしくは解像度(dpi)を加味した実長を基準に算出される。
【0042】
図10に基づく説明に戻る。ステップS202に続く処理として、情報処理部201は、レシートプリンタ107に対し画像メモリ217に記憶された印刷データ408を表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに分割させるための印刷データ分割命令を送信する(ステップS203)。レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101から送信される印刷データ分割命令を受けると、画像メモリ217に記憶された格子状の印刷ドットで構成されている印刷データ408について、レシート用紙151に印刷された場合に用紙長さ方向となる方向についての長さを把握し、画像メモリ217に記憶されている印刷データ408の半分を表面印刷データ406とし、残りの半分を裏面印刷データ407として配分する。より詳細には、本実施の形態のレシートプリンタ107の制御部215は、画像メモリ217に印刷データ408として記憶されている表面固定情報403aの印刷長Y1、取引情報402の印刷長Ya、および、裏面固定情報403bの印刷長Y2を把握し、表面固定情報403aから展開された印刷データ408と取引情報402から展開された印刷データ408のうち先頭側から印刷長(Ya−(Y1−Y2))÷2だけの印刷データ408とを抽出して表面印刷データ406として画像メモリ217に記憶する。同様に、レシートプリンタ107の制御部215は、裏面固定情報403bから展開された印刷データ408と取引情報402から展開された印刷データ408のうち表面印刷データ406に適用した分を差し引いた残りの印刷データ408とを抽出して裏面印刷データ407として画像メモリ217に記憶する(Y1、Y2、Yaについては図11参照)。なお、レシートプリンタ107の制御部215は、印刷データ408を表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに配分する際、表面印刷データ406および裏面印刷データ407を分断する境界となる印刷データ408中の一ライン(図11における横方向)が全て印加を行わないドットにより構成されているか否かを判定する。一部に印加を行うドットが含まれていると判定した場合、レシートプリンタ107の制御部215は、判定を行ったラインの前後で印刷データ408を分断するとレシート用紙151に印刷される文字および図形が分断されてしまうことから、そのラインによる印刷データ408の分割は行わず、判定を行ったラインの次のラインについて同様の判定を行う。そして、レシートプリンタ107の制御部215は、判定対象となる印刷データ408中の一ラインが全て印加を行わないドットにより構成されていると判定した場合、判定を行ったラインの前後で印刷データ408を分けてもレシート用紙151に印刷される文字および図形が分断されることはないことから、判定を行ったラインを境界として印刷データ408を表面印刷データ406および裏面印刷データ407に分ける。
【0043】
続く処理として、情報処理部201は、前述した実施の形態と同様に、レシート用紙151に印刷させるための印刷命令をレシートプリンタ107に送信して(ステップS204)、レシート発行処理を終了する。レシートプリンタ107の制御部215は、POS端末101から印刷命令を受けると、両面に印刷を行ったレシート用紙151の印刷終端を切断し、切断されたレシート用紙151をレシートRTとして排出する。
【0044】
本実施の形態のPOS装置100によっても、図1ないし図8に基づいて前述した実施の形態のPOS装置100と同様に、余白部分Wが少なく全体の長さが短縮されたレシートRTが発行されることになり、レシート用紙151の無駄な消費がなくなり、レシート用紙151の有効利用を図ることができる。
【0045】
なお、本実施の形態のPOS装置100において、印刷データ408を表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに配分する処理はレシートプリンタ107の制御部215が行っているが、別の実施の形態として、POS端末101の情報処理部201がレシートプリンタ107に備わる画像メモリ217内の印刷データ408を取得し、情報処理部201が取得した印刷データ408の印刷長を把握した後に、POS端末101の情報処理部201が、取引情報402から展開される印刷データ408が表面印刷データ406および裏面印刷データ407に分割された後のそれぞれの印刷長を指定してレシートプリンタ107に対し印刷データ分割命令を送信するようにしてもよい。さらに別の実施形態として、POS端末101の情報処理部201がRAM203に表面固定情報403aと取引情報402と裏面固定情報403bとを印刷データ408と展開して記憶し、RAM203に記憶した印刷データ408をその印刷長に基づいて表面印刷データ406と裏面印刷データ407とに分割し、分割した表面印刷データ406および裏面印刷データ407をレシートプリンタ107に送信して、レシートプリンタ107の表面サーマルヘッド153sから表面印刷データ406をレシート用紙151の表面に印刷し、レシートプリンタ107の裏面サーマルヘッド154sから裏面印刷データ407をレシート用紙151の裏面に印刷するようにしてもよい。
【0046】
次いで、さらに別の実施の形態を図12ないし図17に基づいて説明する。この場合、図1ないし図8に基づいて説明した実施の形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0047】
図12は、本実施の形態におけるレシートプリンタ107の内部構成の概略を示す模式図である。図13は、図12に示すレシートプリンタ107がレシート用紙151の両面に印刷を行う際にバックフィードを行なわずに発行したレシートRTの一例を示す模式図である。本実施の形態の表面印刷部153は、裏面印刷部154よりも案内経路156の下流側に配置されている。そして、表面印刷部153を構成する表面サーマルヘッド153sの発熱抵抗体153hの位置と裏面印刷部154を構成する裏面サーマルヘッド154sの発熱抵抗体154hとは、案内経路156上の距離にしてΔxだけ離れている。換言すれば、表面サーマルヘッド153sがレシート用紙151の表面に対し印刷を行う表面印刷位置Jと、裏面サーマルヘッド154sがレシート用紙151の裏面に対し印刷を行う裏面印刷位置Kとは、案内経路156上で離間距離Δxだけ離間して配置されている。そのため、レシートプリンタ107の制御部215がレシート用紙151の両面に対し印刷を行う際にレシート用紙151を上流側に搬送(いわゆるバックフィード)してレシート用紙151の表面への印刷の先端と裏面への印刷の先端とを揃える位置調整を行わない場合、POS装置100では、図13に示すような、レシート用紙151の裏面の先端部分に用紙長さ方向の距離がΔxである余白領域Vを有したレシートRTが発行されることになる。本実施の形態のPOS装置100は、表面サーマルヘッド153sと裏面サーマルヘッド154sとが離間しているためにレシートRTに生じうる余白領域Vに印刷を行うことで、レシート用紙151の無駄な消費を無くし、レシート用紙151の有効利用を図るものである。
【0048】
図14は、本実施の形態のフォーマットファイルFのデータ構成を示す模式図である。フォーマットファイルFに記憶されている印刷オブジェクト301bは、先頭オブジェクト301cを含む。この先頭オブジェクト301cは、裏面固定情報403bの一部を構成している。先頭オブジェクト301cは、所定のメッセージと空白行とを含んで構成され、裏面サーマルヘッド154sによってレシート用紙151の裏面に印刷され、レシートRTの先端からΔxだけ上流側に離れた位置までの先頭領域に印刷される先頭固定情報HDRとなる(図17参照)。なお、フォーマットファイルFには、先頭オブジェクト301cの行数304として、先頭オブジェクト301cがレシート用紙151に印刷された場合にレシート用紙151の行方向に占める大きさがΔxになるような行数が記憶されている。
【0049】
また、レシート用紙151に記憶されている印刷オブジェクト301bのうち先頭オブジェクト301cに続いてレシート用紙151の裏面に印刷される現在ポイント表示オブジェクト301dは、商品販売データ処理(図15参照)中に行われるポイント計算処理(図15のステップS16−3)において算出される客の現在の累積ポイントの値が反映される。
【0050】
図15は、本実施の形態のPOS装置100において行われる商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。POS端末101の情報処理部201は、コードスキャナ212やキーボード211、タッチパネル105からの入力操作による商品コードの入力有無判定に待機している(ステップS11)。商品コードの入力を判定すると(ステップS11のY)、POS端末101の情報処理部201は、入力された商品コードに対応した商品名や単価などの商品情報をPLUファイルから取得する検索処理を実行して(ステップS12)、入力された商品コードおよび取得した商品情報に基づいて取引情報を生成しRAM203(図3参照)に一時記憶する商品情報登録処理を実行する(ステップS13)。
【0051】
続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、タッチパネル105やキーボード211から入力される商品コード入力終了宣言の有無を待機する(ステップS14)。商品コード入力終了宣言が入力されると、POS端末101の情報処理部201は、続く処理として、ポイント算出処理を実行する(ステップS16)。ここで、商品コード入力終了宣言ではなく新たな商品コードの入力を判定した場合(ステップS14のN、S15のY)、POS端末101の情報処理部201は、処理をステップS12に戻し、新たに入力された商品コードに基づいて検索処理(ステップS12)および商品情報登録処理(ステップS13)を実行する。
【0052】
ポイント算出処理(ステップS16)の詳細について説明する。POS端末101の情報処理部201は、RAM203に会員コードが記憶されているかどうかを判定する(ステップS16−1)。会員コードは、客が所有する磁気カードやICカードなどの記憶媒体に予め記憶されている客を特定するためのコード情報であり、POS端末101の情報処理部201がポイント算出処理(ステップS16)を実行する前提として、商品コード入力終了宣言が入力されるまでにPOS端末101に接続されている磁気カードリーダやICカードリーダなどの読取装置(図示せず)によって読み取られてRAM203に記憶されているべきものである。このため、本実施の形態のPOS端末101には、磁気カードリーダやICカードリーダなどの読取装置が情報処理部201に接続されている必要がある。そして、POS端末101の情報処理部201は、RAM203に会員コードが記憶されていないと判定した場合(ステップS16−1のN)、以下に説明するステップS16−2およびS16−3の処理を行わずにポイント算出処理(ステップS16)を終了して、処理をステップS17に進める。これに対し、POS端末101の情報処理部201は、RAM203に会員コードが記憶されていると判定した場合(ステップS16−1のY)、会員コードに対応して記憶されている累積ポイント情報を取得する処理を実行する(ステップS16−2)。累積ポイント情報を取得する処理は、記憶媒体が累積ポイント情報を記憶しておらず会員コードのみを記憶している磁気カードである場合と、累積ポイント情報および会員コードを記憶しているICカードである場合とで処理内容が相違する。記憶媒体が磁気カードの場合、POS端末101の情報処理部201は、通信インタフェイス207(図3参照)を介してネットワーク接続されている図示しない本部サーバに会員コードを送信し、会員コードに対応づけて本部サーバに記憶されている累積ポイント情報を送信してもらうことにより、POS端末101は、本部サーバから送信された累積ポイント情報を取得する。これに対して、記憶媒体がICカードである場合、POS端末101の情報処理部201は、ICカードにデータ記録されている累積ポイント情報に直接アクセスすることができる。このように累積ポイント情報の取得した後に続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、RAM203に一時記憶している取引情報に基づいて今回の会計取引に対し付与される特典ポイントを算出し(ステップS16−3)、ポイント算出処理を終了する。
【0053】
POS端末101の情報処理部201は、上記のポイント算出処理(ステップS16(ステップS16−1〜S16−3))を実行することにより、今回の会計取引において付与された特典ポイントが加味された累計ポイントを把握することになる。
【0054】
ステップS16に続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、客の支払金額の入力とともに指定されるタッチパネル105やキーボード211からの取引の終了宣言の入力を待機し(ステップS17)、取引の終了宣言が入力された場合(ステップS17のY)、RAM203に記憶されている取引情報に基づいて算出される小計金額分の決済を行う決済処理を実行して(ステップS18)、商品販売データ処理を終了する。決済処理は、レシート発行処理、累計ポイントの更新処理を含む。本実施の形態のPOS装置100におけるレシート発行処理の流れは図16に基づいて後述するが、ポイント算出処理(ステップS16)において算出された客の累積ポイントに関する情報がレシート用紙151に印刷される。
【0055】
更新処理は、客に付与されている累積ポイント情報に今回の会計取引によって新たに客に付与される特典ポイントを加味して更新を行う処理である。記憶媒体が磁気カードである場合、POS端末101の情報処理部201は、更新処理として、今回算出した特典ポイントを本部サーバに送信する。本部サーバは、特典ポイントを受信すると、受信した特典ポイントを累積ポイント情報に加味した更新を行う。これに対して、記憶媒体がICカードである場合、POS端末101の情報処理部201は、更新処理として、本部サーバに今回の特典ポイントを送信する処理に加えて、ICカードに記憶されている累積ポイント情報を更新する。
【0056】
なお、ステップS16−1においてPOS端末101の情報処理部201がRAM203に会員コードが記憶されていないと判定した場合、POS端末101の情報処理部201は、レシート発行処理においては特典ポイントに関する情報をレシート用紙151に印刷せず、更新処理も行わない。
【0057】
図16は、本実施の形態のPOS装置100におけるレシート発行処理の流れを示すフローチャートである。図17は、本実施の形態のPOS装置100において行われるレシート発行処理により印刷が行われた状態のレシート用紙151の一例を示す説明図である。POS端末101の情報処理部201は、レシート発行処理を開始すると、図1ないし図8に基づいて前述した実施の形態と同様、表面固定情報403aの印刷長L1、および、裏面固定情報403bの印刷長L2を算出し(ステップS301)、取引情報402がレシート用紙151に印刷された場合の印刷長を算出し(ステップS302)、取引情報402および固定情報403を含む出力情報401を、レシートRTの長さが最短となるように表面出力情報404および裏面出力情報405のそれぞれに配分する(ステップS303)。
【0058】
続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、ステップS303において配分された裏面出力情報405のうち、データ列の先頭側の一部をなしてレシート用紙151の先端から印刷され先頭固定情報HDRとして現れる先頭オブジェクト301cのデータを裏面出力情報405の終端に移動する(ステップS304)。この裏面出力情報405の終端に移動されたデータは、レシート用紙151に印刷されて、次回の取引において発行されるレシートRTの印刷内容の一部になる。
【0059】
続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、これから行う印刷処理が用紙保持部152に巻回されたレシート用紙151をセットした後に初めて行うものであるか否かにより処理を分岐する(ステップS305)。これから行う印刷処理がレシート用紙151のセット後に初めて行うものである場合(ステップS305のY)、レシート用紙151の裏面の先端側には何も印刷されていない状態となっている。そこで、POS端末101の情報処理部201は、先頭オブジェクト301cを送信し(ステップS306)、搬送機構160を駆動してレシート用紙151の先端を裏面印刷位置Kに位置づけて裏面印刷部154からこの先頭オブジェクト301cを印刷するための制御命令をレシートプリンタ107に送信する(ステップS307)。その結果、図17(a)に示すように、レシート用紙151の裏面の先端側には、印刷長にしてΔxだけの大きさを占める先頭固定情報HDRが印刷された状態になる。続く処理として、POS端末101の情報処理部201は、図1ないし図8に基づいて前述した実施の形態と同様、レシートプリンタ107に表面出力情報404および裏面出力情報405を送信してレシート用紙151の両面に印刷させる制御を行い(ステップS308)、レシート発行処理を終了する。
【0060】
本実施の形態のレシートプリンタ107は、POS装置100で行われるレシート発行処理中のステップS308の処理で送信される表面出力情報404および裏面出力情報405を受信すると、搬送機構160を駆動して案内経路156上のレシート用紙151をその上流側から下流側に向けて搬送し、その中で、表面サーマルヘッド153sによるレシート用紙151の表面に対する印刷と、裏面サーマルヘッド154sによりレシート用紙151の裏面に対する印刷とを同時に行う。ここで、表面印刷位置Jと裏面印刷位置KとはΔxだけ離間していることから、POS端末101の情報処理部201はレシートプリンタ107に対し、図17(b)に示すように、搬送機構160を駆動して案内経路156上のレシート用紙をその上流側から下流側に向けて搬送する途中で、表面サーマルヘッド153sによるレシート用紙151の表面に対する印刷と同期させて、レシート用紙151の裏面に印刷される裏面出力情報405のうち表面サーマルヘッド153sが印刷している印刷位置よりも離間距離Δxだけ上流側の内容を裏面サーマルヘッド154sにより印刷するようレシートプリンタ107を駆動する命令を送信する。裏面出力情報405の先頭から離間距離Δx分のデータは裏面出力情報405の終端側に移動しているために、レシートプリンタ107では、レシート用紙151の表面に表面出力情報404が出力されると同時に、レシート用紙151の裏面の終端側に次回の会計取引の際に発行されるレシート用紙151の先端側に現れる先頭固定情報HDRが印刷される。
【0061】
一方、ステップS305においてこれから行う印刷処理がレシート用紙151のセット後に初めて行うものでは無い場合(ステップS305のN)、POS端末101の情報処理部201はステップS306およびS307の処理を実行せずにステップS308の処理を実行する。しかし、前回行われた商品販売データ処理中のレシート発行処理において、レシート用紙151の裏面の先端側には先頭固定情報HDRが既に印刷されているため、そもそもステップS306およびS307の処理を行う必要がない。つまり、表面印刷位置Jと裏面印刷位置Kとは距離Δxだけ離れているために生じてしまうレシートRT上の距離Δxだけの余白領域Vにも裏面出力情報405の一部が印刷されることになる。
【0062】
本実施の形態のPOS装置100によっても、これまでに前述した実施の形態のPOS装置100と同様に、余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートRTが発行されることになり、レシート用紙151の有効利用を図ることができる。さらに、本実施の形態のPOS装置100によれば、表面印刷位置Jと裏面印刷位置Kとが離れているために生じる余白領域Vとなっていた箇所には、前回の取引において裏面サーマルヘッド154sによって印刷された先頭固定情報HDRが印刷されており、その先頭固定情報HDRは今回の取引で発行されるレシートRTの印刷内容の一部として利用されるため、レシート発行処理では、レシート用紙151を上流側にバックフィードする搬送機構160の制御を行う必要がなく、レシートRTを発行するまでの時間を短縮することができ、POS装置100を用いて行う会計作業全体の時間を短縮することができる。
【0063】
なお、本実施の形態のPOS装置100においては、表面サーマルヘッド153sが裏面サーマルヘッド154sに対して案内経路156の下流側に配置されている場合について示したが、表面サーマルヘッド153sが裏面サーマルヘッド154sに対して案内経路156の上流側に配置されている場合でも同様に余白領域Vに対し予め印刷を行ってレシート用紙151の有効利用を図ることができることはいうまでもない。また、余白領域Vに対し予め印刷される先頭固定情報HDRは、画像メモリ217に展開された印刷データのうちレシート用紙151の裏面に出力される裏面印刷データ407の先頭に位置する印刷データを裏面印刷データ407の終端に移動することによって、レシート用紙151の切断位置から下流側に印刷されるようにしてもよい。さらに、本実施の形態に示すレシート発行処理は、POS端末101の情報処理部201ではなく、レシートプリンタ107の制御部215が主体的に行うようにしてもよい。
【0064】
一実施形態によれば、一取引の終了宣言に応じてレシートプリンタを駆動制御し、予め印刷位置及び印刷長さが決められている固定情報をレシート用紙に印刷する処理と、当該一取引のレシートの長さが最短となるように取引情報をレシート用紙の一方の面と他方の面とに配分してレシートに占める固定情報の印刷領域以外の領域に印刷する処理とを実行するため、余白部分が少なく全体の長さが短縮されたレシートを発行し、レシート用紙の有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0065】
100…POS装置(商品販売データ処理装置)、107…レシートプリンタ、111…排紙口(用紙排出部)、151…レシート用紙、152…用紙保持部、153s…表面サーマルヘッド(第1印刷ヘッド)、154s…裏面サーマルヘッド(第2印刷ヘッド)、156…案内経路、160…搬送機構、217…画像メモリ、401…出力情報、402…取引情報、403…固定情報、RT…レシート、Δx…離間距離
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開平11−328534号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドを駆動制御し、一取引の取引内容に応じて変化する情報をレシート用紙に印刷し、さらに、予め印刷内容が決められており次取引のレシート用紙において前記取引内容に応じて変化する情報が印刷される領域の上方に印刷される固定情報を印刷する印刷制御手段と、
前記固定情報の印刷後に、前記取引内容に応じて変化する情報が印刷された領域と前記固定情報が印刷された領域との間で前記レシート用紙を切断するカッタと、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記取引内容に応じて変化する情報として、一取引の取引内容を示す取引情報を印刷する、請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
客の累積ポイントを取得する取得手段と、
一取引の前記取引情報に基づいて、今回の取引に対し付与される特典ポイントを算出し、当該特典ポイントを前記累積ポイントに加算して当該累積ポイントの更新を行う更新手段と、を更に備え、
前記印刷制御手段は、前記取引内容に応じて変化する情報として、前記更新手段によって更新された前記累積ポイントを印刷する、請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項1】
印刷ヘッドを駆動制御し、一取引の取引内容に応じて変化する情報をレシート用紙に印刷し、さらに、予め印刷内容が決められており次取引のレシート用紙において前記取引内容に応じて変化する情報が印刷される領域の上方に印刷される固定情報を印刷する印刷制御手段と、
前記固定情報の印刷後に、前記取引内容に応じて変化する情報が印刷された領域と前記固定情報が印刷された領域との間で前記レシート用紙を切断するカッタと、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記取引内容に応じて変化する情報として、一取引の取引内容を示す取引情報を印刷する、請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
客の累積ポイントを取得する取得手段と、
一取引の前記取引情報に基づいて、今回の取引に対し付与される特典ポイントを算出し、当該特典ポイントを前記累積ポイントに加算して当該累積ポイントの更新を行う更新手段と、を更に備え、
前記印刷制御手段は、前記取引内容に応じて変化する情報として、前記更新手段によって更新された前記累積ポイントを印刷する、請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−74058(P2012−74058A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248546(P2011−248546)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2007−297278(P2007−297278)の分割
【原出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2007−297278(P2007−297278)の分割
【原出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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