説明

商品販売処理装置およびその制御プログラム

【課題】購入者に対し通常価格より安い価格で商品を提供するサービスの実施に際し、そのサービスの内容に合う最適な売上管理が可能な商品販売処理装置およびその制御プログラムを提供する。
【解決手段】値引券や割引券に応じた額を商品価格から差し引き、差し引き後の請求額を売上額および収入額として計上する処理のほかに、設定金額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の請求額と設定金額との合計を売上額として計上しかつ請求額を収入額として計上する金券支払(金額)処理、設定割引率の額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の請求額と設定割引率の額との合計を売上額として計上しかつ請求額を収入額として計上する金券支払(割引)処理の機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売処理装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売処理装置たとえばPOSターミナルや電子式キャッシュレジスタは、購入者の現金による支払に対処する現金支払、クレジットカードによる支払に対処するクレジットカード支払のほかに、値引券や割引券を用いる支払に対処する値引・割引券支払などに対処できる。
【0003】
例えば、購入者から値引券が提示されると、その値引券に記された金額を商品価格から差し引いて買物客に請求する。割引券が提示された場合は、その割引面に記された割引率の額を商品価格から差し引いて買物客に請求する。
【0004】
このような商品販売処理装置が設置された店舗において、従業員割引や会員割引など、購入者に対し通常価格より安い価格で商品を提供するサービスを実施したい場合、その実施に上記値引・割引券支払処理を利用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−222196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
値引・割引券支払処理には、請求額のみ売上計上し、値引分や割引分の額については売上計上しないという特徴がある。
【0007】
一方、購入者に対し通常価格より安い価格で商品を提供するサービスを実施する場合、請求額だけでなく、その請求額に減額分まで加えた額を売上計上したいという要求がある。値引・割引券支払処理では、このような要求に応えることができない。
【0008】
本発明の実施形態の目的は、購入者に対し通常価格より安い価格で商品を提供するサービスの実施に際し、そのサービスの内容に合う最適な売上管理が可能な商品販売処理装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態の商品販売処理装置は、値引券に記された金額または割引券に記された割引率の額を商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額を売上額および収入額としてそれぞれ計上する値引・割引券支払処理手段と、予め定められた設定金額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の金額を請求するとともに、その請求額と前記設定金額との合計額を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第1の金券支払処理手段と、予め定められた設定割引率の額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額と前記設定割引率の額との合計額を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第2の金券支払処理手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態の外観を示す図。
【図2】同実施形態の制御回路のブロック図。
【図3】同実施形態の作用を説明するためのタイムチャート。
【図4】同実施形態の会計画面を示す図。
【図5】同実施形態の売上計データファイルのフォーマットを示す図。
【図6】同実施形態の収入計データファイルのフォーマットを示す図。
【図7】同実施形態の金額設定画面を示す図。
【図8】同実施形態の割引率設定画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1において、1は商品販売処理装置たとえばPOSターミナルで、現金等を収容するためのドロワ2を付属して備え、商店等のレジカウンタに設置される。ドロワ2は、開閉自在な引出し2aを有する。
【0013】
そして、POSターミナル1は、正面側にキーボード3、モードスイッチ4、カードリーダ5、およびタッチパネル式のオペレータディスプレイ(カラー液晶ディスプレイ)6を有し、購入者が立つ側に客面ディスプレイ(カラー液晶ディスプレイ)7を有する。また、POSターミナル1は、ジャーナルを電子媒体に保存する電子ジャーナル8、レシートやジャーナル用紙をプリントするプリンタ9、商品に付されたラベルのバーコードを読取るバーコードスキャナ10を有する。
【0014】
上記キーボード3は、数値入力用のテンキーおよび条件設定用の各種設定キーを有する。モードスイッチ4は、各種業務モードの選択用で、専用キーにより操作される。カードリーダ5は、カードの挿入およびスライド操作により、そのカードに記録されているデータを読取る。オペレータディスプレイ6は、商品販売処理に伴うデータ表示およびデータ入力用の各種画面を表示する。客面ディスプレイ7は、商品販売処理に伴う各種データを表示する。
【0015】
このPOSターミナル1の制御回路を図2に示す。
CPU20およびチップセット21に制御部であるマイクロコンピュータ22を接続し、そのマイクロコンピュータ22にドロワ2、キーボード3、モードスイッチ4、カードリーダ5、オペレータディスプレイ6、客面ディスプレイ7、電子ジャーナル8、プリンタ9、バーコードスキャナ10、プログラム記憶用のROM23、各種データ記憶用のRAM24、データファイル記憶用のハードディスクドライブ(HDD)25、通信用インタフェース26を接続する。ROM23は、商品販売処理に必要な制御プログラムとして、オペレーティングシステム(OS)およびアプリケーションプログラムを記憶している。通信用インタフェース26は、通信用ネットワークたとえばLANを介して上位のホストコンピュータとのデータ送受信を行う。
【0016】
ハードディスクドライブ25は、商品名およびその商品名ごとの商品価格(単価)を対応付けて格納した商品データファイル25a、購入者による代金の支払形態を表す券種ごとの券種データを格納した券種データファイル25b、売上額を計上するための売上計データファイル25c、収入額を計上するための収入計データファイル25dなどを記憶している。
【0017】
そして、CPU20は、ROM23内の制御プログラムに基づく主要な機能として、次の(1)〜(9)の手段を有する。
(1)購入者の現金による支払に対処する現金支払処理手段。
【0018】
(2)購入者のカードによる支払に対処するカード支払処理手段。
【0019】
(3)購入者の掛支払に対処する掛支払処理手段。
【0020】
(4)購入者から提示される値引券または割引券に応じた額を商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額を売上額および収入額としてそれぞれ計上する値引・割引券支払処理手段。
【0021】
(5)予め定められた設定金額を購入者の代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の金額を請求するとともに、その請求額と上記設定金額との合計を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第1の金券支払処理手段。
【0022】
(6)予め定められた設定割引率(設定割合ともいう)の額を購入者の代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額と上記設定割引率の額との合計を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第2の金券支払処理手段。
【0023】
(7)オペレータディスプレイ6のタッチ操作に応じて、購入者による代金の支払形態を指定する指定手段。
【0024】
(8)上記指定手段の指定内容に応じて上記各処理手段の処理を選択的に実行する制御手段。
【0025】
(9)上記設定金額を可変設定するための金額設定画面、および上記設定割引率を可変設定するための割引率設定画面をオペレータディスプレイ6で表示する表示制御手段。
【0026】
つぎに、図3のフローチャートを参照しながら作用について説明する。
購入者によって商品がレジカウンタに持込まれると、オペレータは、キーボード3またはオペレータディスプレイ6の表示画面において、持込まれた商品に対応する商品名のキーを押圧し、続いて小計キーを押圧する。
【0027】
マイクロコンピュータ22は、小計キーが押圧されると(ステップ101のYES)、上記キー入力された商品名およびそれに対応する商品価格を商品データファイル25aから読出し、読出した商品名および商品価格の表示を含む図4の会計画面6aをオペレータディスプレイ6で表示する(ステップ102)。
【0028】
会計画面6aは、購入者による代金の支払形態を指定するための現金支払釦31、クレジットカード支払釦32、掛支払釦33、値引・割引券支払釦34、金券支払(金額)釦35、金券支払(割引)釦36、券種データ設定釦40などの表示を含んでいる。なお、券種データ設定釦40と同じ機能の券種データ設定キー41がキーボード3にも用意されている。
【0029】
オペレータは、購入者による代金の支払形態に合せて、現金支払釦31、クレジットカード支払釦32、掛支払釦33、値引・割引券支払釦34、金券支払(金額)釦35、金券支払(割引)釦36のいずれかにタッチ操作する。
【0030】
マイクロコンピュータ22は、現金支払釦31がタッチ操作されると(ステップ103のYES)、上記読出した1つまたは複数の商品価格の合計を小計として算出して会計画面6aの小計欄52で表示し、その小計に奉仕料や税額等を含めた合計額を算出して会計画面6aの合計欄56で表示するとともに、その合計額を客面ディスプレイ7で表示して購入者に請求する(ステップ104)。購入者は、この現金支払処理による請求額に相当する現金をオペレータに支払う。
【0031】
会計画面6aは、小計欄52および合計欄56のほかに、販売対象の商品名を表示する商品名欄51、奉仕料を表示する奉仕料欄53、税の額を表示する税欄54、値割引の額を表示する値割引欄55、購入者からの預かり額を表示する現金欄57、金券扱いする額を表示する金券欄58、購入者が支払うべき残高を表示する残高欄59、後述の金券支払処理が適用されるサービスの名称と額などを表示するサービス項目欄60などを含む。
【0032】
また、マイクロコンピュータ22は、クレジットカード支払釦32がタッチ操作された場合(ステップ105のYES)、上記読出した1つまたは複数の商品価格の合計を小計として算出して会計画面6aの小計欄52で表示し、その小計に奉仕料や税額等を含めた合計額を算出して会計画面6aの合計欄56で表示するとともに、その合計額を客面ディスプレイ7で表示して購入者に請求し、購入者のクレジットカードがカードリーダ5に通されると、合計額をクレジットカード決済する(ステップ106)。
【0033】
マイクロコンピュータ22は、掛支払釦33がタッチ操作された場合(ステップ107のYES)、上記読出した1つまたは複数の商品価格の合計を小計として算出して会計画面6aの小計欄52で表示し、その小計に奉仕料や税額等を含めた合計額を算出して会計画面6aの合計欄56で表示するとともに、その合計額を客面ディスプレイ7で表示して購入者に請求しながら売掛処理する(ステップ108)。
【0034】
マイクロコンピュータ22は、値引・割引券支払釦34がタッチ操作された場合(ステップ109のYES)、上記読出した1つまたは複数の商品価格の合計を小計として算出して会計画面6aの小計欄52で表示し、その小計に奉仕料や税額等を含めた合計額を算出して会計画面6aの合計欄56で表示し、購入者から提示される値引券に記された金額または割引券に記された割引率の額を上記算出した合計額から差し引き、その差し引き額を会計画面6aの値割引欄55で表示し、かつ差し引き後の合計額を購入者が支払うべき残高として会計画面6aの残高欄59で表示するとともに、その残高を客面ディスプレイ7で表示して購入者に請求する(ステップ110)。購入者は、この値引・割引券支払処理により請求される残高に相当する現金をオペレータに支払う。
【0035】
そして、マイクロコンピュータ22は、これら現金支払処理、クレジットカード支払処理、掛支払処理、値引・割引券支払処理の最終段階として、請求額を売上額として売上計データファイル25cに計上するとともに(ステップ111)、同請求額を収入額として収入計データファイル25dに計上する(ステップ112)。
【0036】
一方、マイクロコンピュータ22は、金券支払(金額)釦35がタッチ操作された場合(ステップ113のYES)、上記読出した1つまたは複数の商品価格の合計を小計として算出して会計画面6aの小計欄52で表示し、その小計に奉仕料や税額等を含めた合計額を算出して会計画面6aの合計欄56で表示するとともに、予め定められている設定金額たとえば1000円を購入者の代金支払に充当する金券扱いとして上記算出した合計額から差し引き、その差し引き額1000円を会計画面6aの金券欄58で表示し、かつ差し引き後の合計額を購入者が支払うべき残高として会計画面6aの残高欄59で表示するとともに、その残高を客面ディスプレイ7で表示して購入者に請求する(ステップ114)。購入者は、この金券支払(金額)処理により請求される残高に相当する現金をオペレータに支払う。
【0037】
そして、マイクロコンピュータ22は、この金券支払(金額)処理の最終段階として、請求額と上記設定金額との合計額を売上額として売上計データファイル25cに計上するとともに(ステップ115)、その請求額を収入額として収入計データファイル25dに計上する(ステップ112)。
【0038】
また、マイクロコンピュータ22は、金券支払(割引)釦36がタッチ操作されると(ステップ116のYES)、上記読出した1つまたは複数の商品価格の合計を小計として算出して会計画面6aの小計欄52で表示し、その小計に奉仕料や税額等を含めた合計額を算出して会計画面6aの合計欄56で表示するとともに、予め定められている設定割引率たとえば15%の額を購入者の代金支払に充当する金券扱いとして上記算出した合計額から差し引き、その差し引き分である15%の額を会計画面6aの金券欄58で表示し、かつ差し引き後の合計額を購入者が支払うべき残高として会計画面6aの残高欄59で表示するとともに、その残高を客面ディスプレイ7で表示して購入者に請求する(ステップ117)。購入者は、この金券支払(割引)処理により請求される残高に相当する現金をオペレータに支払うことになる。
【0039】
そして、マイクロコンピュータ22は、この金券支払(割引)処理の最終段階として、請求額と上記設定割引率の額との合計額を売上額として売上計データファイル25cに計上するとともに(ステップ118)、同請求額を収入額として収入計データファイル25dに計上する(ステップ112)。
【0040】
これら金券支払(金額)処理および金券支払(割引)処理は、例えば従業員割引、会員割引、お得意様割引、指定日割引、時間帯割引など、種々の割引サービスに適用可能である。
【0041】
図4に示した会計画面6aは、設定割引率15%の金券支払(割引)処理を従業員割引サービスに適用した例である。販売商品が1000円の焼肉定食1つの場合で、小計欄52に商品価格1000円、合計欄56に合計額1000円、金券欄58に1000円の15%分のサービス額150円、残高欄59に支払い残高950円、サービス項目欄60に割引サービスの名称“従業員割引”と今回のサービス額150円を表示している。
【0042】
売上計データファイル25cは、図5に示すように、販売する商品ごとに、商品に固有の商品コード、商品名を表す商品名データ、商品価格を表す商品価格データ、購入者による代金の支払形態を表す支払形態データ、売上額を表す売上額データ、商品価格と請求額との差額を表す差額データ、売上額の合計を表す売上計データを格納する。この売上計データにより、商品販売処理の売上管理が可能となる。
【0043】
収入計データファイル25dは、図6に示すように、販売する商品ごとに、商品に固有の商品コード、商品名を表す商品名データ、商品価格を表す商品価格データ、購入者による代金の支払形態を表す支払形態データ、収入額を表す収入額データ、商品価格と請求額との差額を表す差額データ、収入額の合計を表す収入計データを格納する。この収入計データは、売上計とは別に収入計を把握することができる。
【0044】
なお、マイクロコンピュータ22は、金券支払(金額)処理に際し、金券扱いの設定金額を請求額などと共にレシート印字および電子ジャーナル印字する。金券支払(割引)処理に際しては、金券扱いの設定割引率の額についてはレシート印字および電子ジャーナル印字するが、設定割引率そのものは印字しない。ただし、設定割引率を請求額などと共に印字するか否かの仕様については、実際の運用に応じて適宜に変更可能である。
【0045】
以上のように、金券支払処理として、予め定められた設定金額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引く金券支払(金額)処理、予め定められた設定割引率の額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引く金券支払(割引)処理の2つを用意することで、店舗の地域、商品の種類、顧客の要望などに合せて両者を使い分けながら、購入者に対し通常価格より安い価格で商品を提供する割引サービスの実施が可能となる。これにより、顧客の満足度を大幅に高めることができ、店舗にとっては顧客の増加および売上の増大につながる。
【0046】
とくに、金券支払(金額)処理および金券支払(割引)処理に際しては、請求額のみ売上計上する値引・割引支払処理と異なり、請求額に金券分(=減額分)まで加えた額を売上計上できるという、金券扱いの割引サービスに合う最適な売上管理が可能となる。
【0047】
しかも、収入計データファイル25dを参照すれば、購入者への請求額に相当する収入額、および商品価格と請求額との差額を把握することができる。この収入計データは、売上計データファイル25cに基づく売上管理の信頼性を高める上で、貴重かつ重要な資料となる。
【0048】
ところで、マイクロコンピュータ22は、会計画面6aの券種データ設定釦40がタッチ操作された場合、あるいはキーボード3の券種データ設定キー41が押圧操作された場合(ステップ119のYES)、図7に示す券種データ設定画面6bをオペレータディスプレイ6で表示し、その券種データ設定画面6bへのタッチ操作に応じた券種データ設定処理を実行する(ステップ120)。
【0049】
券種データ設定画面6bは、金券販売処理、金券支払処理、値引・割引券支払処理、金券支払(釣銭)、金券支払(釣有OP)のいずれかを選択するための券種選択窓70を有する。マイクロコンピュータ22は、券種選択窓70へのタッチ操作により同券種選択窓70で金券支払が表示されると、券種データ設定画面6bを金券支払(金額)タブ80および金額入力ダイアログ(プリセット単価入力案内欄)71を有する金額設定画面へと切換える。
【0050】
金券支払(金額)タブ80は、金額表示窓81、金額釦82、割引率釦83を有する。マイクロコンピュータ22は、金額釦82がタッチ操作されると、金額表示窓81を“0”クリアし、続くキーボード3のテンキー操作に応じて数値たとえば“1000”を金額表示窓81で表示する。この数値“1000”は、設定金額1000円に相当する。この状態で更新釦72がタッチ操作されると、マイクロコンピュータ22は、金額表示窓81の設定金額1000円を確定し、その設定内容を券種データとして券種データファイル25bに記憶するとともに、オペレータディスプレイ6の表示を会計画面6aまたは初期画面に戻す。
【0051】
また、マイクロコンピュータ22は、金額設定画面における割引率釦83がタッチ操作されると、券種データ設定画面6bを金券支払(割引)タブ90および割引率入力ダイアログ(プリセットレート入力案内欄)73を有する割引率設定画面へと切換える。
【0052】
金券支払(割引)タブ90は、割引率表示窓91、金額釦92、割引率釦93、端数設定窓94を有する。マイクロコンピュータ22は、割引率釦93がタッチ操作されると、割引率表示窓91を“0”クリアし、続くキーボード3のテンキー操作に応じて数値たとえば“15”を割引率表示窓91で表示する。この数値“15”は、設定割引率15%に相当する。端数設定窓94は、設定割引率の額に小数点以下の値が含まれる場合に、その小数点以下の値を切り上げるか切り下げるかを指定するためのもので、オペレータのタッチ操作により“切り上げ”“切り下げ”のどちらかを表示する。
【0053】
割引率表示窓91の表示が“15”の状態、端数設定窓94の表示が“切り上げ”の状態で更新釦72がタッチ操作されると、マイクロコンピュータ22は、設定割引率15%、小数点以下“切り上げ”を確定し、その設定内容を券種データとして券種データファイル25bに記憶するとともに、オペレータディスプレイ6の表示を会計画面6aまたは初期画面に戻す。
【0054】
割引率設定画面において金額釦92がタッチ操作された場合、マイクロコンピュータ22は、券種データ設定画面6bを上記金額設定画面へと戻す。
【0055】
このように、金券支払(金額)処理の設定金額および金券支払(割引)処理の設定割引率をそれぞれ好みの値に可変設定できるので、店舗の地域、店舗の経営状態、商品の種類などを考慮した最適な割引サービスを実施できる。
【0056】
なお、上記実施形態では、金券支払(割引)処理を従業員割引のサービスに利用する場合を例に説明したが、従業員割引だけでなく、会員割引、お得意様割引、指定日割引、時間帯割引など、種々の割引サービスに利用可能である。金券支払(割引)処理に代えて、金券支払(金額)処理を割引サービスに利用することももちろん可能である。
【0057】
その他、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…POSターミナル(商品販売処理装置)、3…キーボード、5…カードリーダ、6…オペレータディスプレイ、7…客面ディスプレイ、8…電子ジャーナル、9…プリンタ、10…バーコードスキャナ、20…CPU、21…チップセット、22…マイクロコンピュータ、23…ROM、24…RAM、25…HDD、25a…商品データファイル、25b…券種データファイル、25c…売上計データファイル、25d…収入計データファイル、26…通信用インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
値引券または割引券に応じた額を商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額を売上額および収入額としてそれぞれ計上する値引・割引券支払処理手段と、
予め定められた設定金額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の金額を請求するとともに、その請求額と前記設定金額との合計を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第1の金券支払処理手段と、
予め定められた設定割引率の額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額と前記設定割引率の額との合計を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第2の金券支払処理手段と、
を備えることを特徴とする商品販売処理装置。
【請求項2】
前記売上額を計上するための売上計データファイルと、
前記収入額を計上するための収入計データファイルと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項3】
前記売上計データファイルは、販売する商品ごとに、商品名を表す商品名データ、商品価格を表す商品価格データ、購入者による代金の支払形態を表す支払形態データ、売上額を表す売上額データ、商品価格と請求額との差額を表す差額データ、売上額の合計を表す売上計データを格納し、
前記収入計データファイルは、販売する商品ごとに、商品名を表す商品名データ、商品価格を表す商品価格データ、購入者による代金の支払形態を表す支払形態データ、収入額を表す収入額データ、商品価格と請求額との差額を表す差額データ、収入額の合計を表す収入計データを格納する、
ことを特徴とする請求項2記載の商品販売処理装置。
【請求項4】
購入者による代金の支払形態を指定する指定手段と、
この指定手段の指定内容に応じて前記各処理手段の処理を選択的に実行する制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項5】
タッチパネル式のディスプレイと、
前記設定金額を可変設定するための金額設定画面、および前記設定割引率を可変設定するための割引率設定画面を前記ディスプレイで表示する表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項6】
コンピュータを備えた商品販売処理装置において、
前記コンピュータに、
値引券に記載された金額または割引券に記載された割引率の額を商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額を売上額および収入額としてそれぞれ計上する値引・割引券支払処理の機能と、
予め定められた設定金額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の金額を請求するとともに、その請求額と前記設定金額との合計を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第1の金券支払処理の機能と、
予め定められた設定割引率の額を代金支払に充当する金券扱いとして商品価格から差し引き、差し引き後の額を請求するとともに、その請求額と前記設定割引率の額との合計を売上額として計上し、かつ請求額を収入額として計上する第2の金券支払処理の機能と、
を実現させることを特徴とする商品販売処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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