器具取付体
【課題】 器具取付体を壁裏に固定又は仮固定した後に、その器具取付体に対して、配線器具の取付位置の調整をすること。
【解決手段】 器具取付体1の上辺111及び下辺112には、器具を固定するためのタッピングビスが強制的に螺合可能な一対の固定孔117を備えている。この固定孔117は、器具の取付位置を調整可能とすべく、上辺111及び下辺112に沿って延びる長孔状に形成されている。また、上辺111及び下辺112には、壁裏に仮固定するための貼着部118を備えている。
【解決手段】 器具取付体1の上辺111及び下辺112には、器具を固定するためのタッピングビスが強制的に螺合可能な一対の固定孔117を備えている。この固定孔117は、器具の取付位置を調整可能とすべく、上辺111及び下辺112に沿って延びる長孔状に形成されている。また、上辺111及び下辺112には、壁裏に仮固定するための貼着部118を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁や天井を形成するパネル材の表側に配設される器具を取り付けるために、パネル材の裏側に配設される器具取付体に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の壁に例えば配線器具を取り付けるための器具取付体として、配線ボックス(特許文献1)や配線器具取付け具(特許文献2)が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の配線ボックスは、前面に開口部を有し、側壁及び底壁により囲まれた配線器具の収納空間が形成され、対向する側壁には配線器具を固定するための固定部が形成されている。この配線ボックスは、壁材設置前の柱に固定され、壁材が設置されることで壁裏に設置される。その後、壁材に配線ボックスの開口部に対応する位置に貫通孔を形成し、壁裏に配線されるケーブルと配線器具を接続するとともに、配線ボックスの固定部に配線器具を固定して壁表に配線器具が設置される。
【0004】
また、特許文献2に記載の配線器具取付け具は、中央に配線器具が挿入される貫通部を有する四角枠状に形成され、上下に対向する部分に配線器具を固定するための固定部を有している。さらに、左右に対向する部分に折り曲げ可能に形成された係止片を有している。この配線器具取付枠は、壁材に形成した貫通孔に壁表から挿入して壁裏に配置し、係止片を壁表に向けて折り曲げることで壁材に仮固定される。そして、壁裏に配線されるケーブルと配線器具を接続するとともに、前記固定部に配線器具を固定することにより、配線器具と配線器具取付枠とで壁材を挟持して壁表に配線器具が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−263778号公報
【特許文献2】特開2004−328984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の器具取付体(特許文献1の配線ボックス及び特許文献2の配線器具取付け具)は、配線器具の取付位置が、器具取付体の設置場所により決められるものであり、器具取付体に対して配線器具の取付位置を調整することができない。
そのため、特許文献1に記載の器具取付体(配線ボックス)は、壁裏の柱に固定されているため、その位置が配線器具の取付位置とずれていても、その取付位置を調整することが出来ない。
【0007】
また、特許文献2に記載の器具取付体(配線器具取付け具)は、壁裏に仮固定した位置が配線器具の取付位置とずれていても、その器具取付体に対する配線器具の取付位置を調整できないため、再度取り外して仮固定しなおす必要があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、壁裏に固定又は仮固定した後の器具取付体に対して、配線器具の取付位置の調整をすることができる器具取付体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る器具取付体は、
壁表に配置される器具を固定する一対の固定部を備え、壁裏に配置される器具取付体であって、前記固定部は、器具の取付位置を調整可能とすべく長孔状に形成され、かつ、タッピングビスが強制的に螺入可能な固定孔を備えてなることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1の器具取付体において、
前記固定孔は、前記固定部の対向方向に直交する方向に延びて形成されてなることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る器具取付体は、請求項2に記載の器具取付体において、
周壁に囲まれて中央に器具が収納される収容部を備え、前記周壁のうち固定部の対向方向に直交する方向に形成された少なくとも一方の周壁は、前記収容部と周壁外方と連通すべく開放可能に形成されてなることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る器具取付体は、請求項3に記載の器具取付体において、
前記収容部の固定部の対向方向に直交する方向の幅は、収容される器具の幅と前記固定孔の長さの和よりも長く形成されており、固定孔により器具の取付位置が調整されても周壁に当たることなく、前記器具を収容部内に収容可能に形成されてなることを特徴とするとしている。
【0013】
請求項5に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体において、
壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠であることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の発明に係る器具取付体は、請求項5に記載の器具取付体において、
前記器具固定枠は、壁裏に配置した際に壁材に仮固定するための仮固定手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の発明に係る器具取付体は、請求項5又は請求項6に記載の器具取付体において、
前記器具固定枠は、壁裏に当接する当接面を有し、該当接面には、壁裏に貼着可能な貼着部を備えてなることを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体において、
前面に開口部し、周壁及び底壁により収容部が形成され、壁裏に設置されて、壁材に形成された貫通孔により、前記開口部が壁表に臨まされるボックスであることを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1から請求項4又は請求項8のいずれか一項に記載の器具取付体において、壁裏の造営材である軽量形鋼材への取付部を有し、該取付部は、固定部の対向方向に直交する方向に形成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、壁裏に固定又は仮固定した器具取付体に対して、器具の取付位置を調整して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の器具取付体の第1分割体と第2分割体とが分離した状態を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の器具取付体の第1分割体と第2分割体とを組み付けた状態を示す斜視図
【図3】第1実施形態の器具取付体の第1分割体に対して第2分割体を回動した状態を示す斜視図
【図4】第1実施形態の器具取付体の第1分割体と第2分割体との連結部分を示す断面図
【図5】第1実施形態の器具取付体を壁裏に配置した状態を示す図
【図6】図5の器具取付体を使用して配線器具を壁表に固定した状態を示す図
【図7】第1実施形態の器具取付体を壁裏に配置した別の状態を示す図
【図8】図7の器具取付体を使用して配線器具を壁表に固定した状態を示す図
【図9】第2実施形態の器具取付体を示す斜視図
【図10】第2実施形態の器具取付体を示す正面図
【図11】第3実施形態の器具取付体を軽量間仕切壁内に設置した状態を示す斜視図
【図12】第3実施形態の器具取付体を示す斜視図
【図13】第3実施形態の器具取付体を示す正面図
【図14】第3実施形態の器具取付体を壁裏に配置した状態を示す図
【図15】図14の器具取付体を使用して配線器具を固定した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した器具取付体の第1実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。尚、以下の説明において「上」「下」は、図1に示す矢印Y1の方向を上下方向とする。
【0021】
本実施形態の器具取付体は、壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠である。
【0022】
図1乃至図3に示すように、器具固定枠1は、周壁に囲まれて中央に器具を収容する収容部10を有する四角枠状で形成されている。周壁の一辺を開放するように周壁の三辺を構成するコ字状に形成された第1分割体11と、前記第1分割体11の開放された一辺を閉塞するように周壁の一辺を構成する第2分割体12とからなっている。
【0023】
ここで、第1分割体11は、対向して配置されて平行に延びる辺を構成する上辺111及び下辺112と、上辺111及び下辺112の一端側を連結する側辺113とで構成される。上辺111の他端は上辺111の表面から裏面側に向かって凹む凹部114が形成され、該凹部114には第2分割体12を連結するための係合部115が形成されている。また、下辺112の他端は下辺の裏面から表面側に向かって凹む凹部114が形成され、該凹部114には第2分割体12を連結するための被係合部116を備えている。上辺111及び下辺112の凹部114は器具固定枠1の厚さの半分の厚さに形成されている。さらに、上辺111及び下辺112の中央側には、器具を固定する一対の固定部を備え、該固定部にはタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔117が形成されている。この固定孔117は、上辺111及び下辺112の中央から上辺111及び下辺112の他端側に向かって長手方向に沿って延びる長孔状に形成されている。すなわち、固定孔117は固定部の対向方向に直交する方向で、且つ、第1分割体11の周壁が開放された側に向かって延びる長孔状に形成されている。また、上辺111及び下辺112の固定部117の外側には、器具固定枠1を仮固定するための両面テープ等からなる貼着部118が設けられている。この貼着部118は、器具固定枠1を壁裏に設置した際に、壁材W1に貼着して壁裏にて落下を防止することができる。
【0024】
第2分割体12は、第1分割体11の上辺111及び下辺112の他端側を連結するように取付可能に形成されており、第1分割体11に取り付けられた状態で四角枠状の側辺121を構成するようになっている。具体的には、上端側には第2分割体の裏面から表面側に向かって凹む凹部122が形成され、該凹部122に第1分割体11に形成された係合部115が係合する被係合部123が形成されている。また、他端側には第2分割体12の表面から裏面側に向かって凹む凹部122が形成されており、該凹部122には第1分割体11の被係合部116に係合する係合部124を備えている。上端側及び下端側の凹部122は器具固定枠1の厚さの半分の厚さに形成されている。
【0025】
第1分割体11及び第2分割体12に形成された係合部115,124及び被係合部116,123は、同一の形状で形成されている。図4に示すように係合部115(124)は一対の弾性変形可能な弾性片115a(124a)を備え、その先端には係合爪115b(124b)が形成されている。また、被係合部123(116)は前記係合部115(124)が挿通可能な透孔123a(116a)で形成されており、その透孔123a(116a)内には透孔123a(116a)の端部から下がった位置に突起123b(116b)が形成されており、その突起123b(116b)に前記係合爪115b(124b)が係合するようになっている。弾性片115a(124a)が弾性変形可能に形成されているため、第1分割体11と第2分割体12とが着脱可能になっている。また、係合部115,124及び被係合部116,123が形成された凹部114,122は器具固定枠1の半分の厚さで形成されており、連結した状態で第1分割体11と第2分割体12の表面及び裏面が器具固定枠全体として面一になっている。そして上側又は下側いずれか一方の被係合部116及び係合部124(実施例においては下側)の係合を解除することにより、他方の係合部115(実施例においては上側)を中心に第1分割体11に対して第2分割体12を回動することができるようになっている。そして、第1分割体11に対して第2分割体12を回動又は連結を解除することにより、収容部10と器具固定枠1の周壁外方とが連通するように形成されている。
【0026】
この器具固定枠1を使用して器具としてのコンセントCを壁表に固定する方法について説明する。
図5に示すように、壁材W1の所望位置に方形状の貫通孔W2を形成した後、器具固定枠1を壁表側から前記貫通孔W2に挿通して壁裏に配置し、上辺111及び下辺112に設けられた貼着部118により壁材W1に仮固定する。その後、図6に示すように図示しない壁裏に配線されたケーブルを接続したコンセントCを壁表に配置し、コンセントCに形成されたビス孔C1にタッピングビスBを挿通して固定孔117に螺合することにより、コンセントCと器具固定枠1とで壁材W1を挟持して、コンセントCを壁表に固定することが出来る。
【0027】
また、図7に示すように、貫通孔W2に対して位置ずれした状態で器具固定枠1を貼着部118により仮固定してしまった場合、第2分割体12が障害となり、収容部10に配線器具Cを収容することができなくなる。その場合、図8に示すように第1分割体11と第2分割体12とを連結する一方の被係合部116及び係合部124(実施例においては下側)の連結を解除し、他方の係合部115(実施例においては上側)を中心に第1分割体11に対して第2分割体12を回動し、収容部10と周壁外方とが連通した状態にすることにより、第2分割体12が障害となることなくコンセントCを収容部10に収容することができる。このとき、固定孔117はコンセントCのビス孔C1と対応する位置まで延びて形成されており、タッピングビスBによりコンセントCを壁表に固定することが出来る。
【0028】
第1実施形態の器具固定枠1は以下の効果を奏する。
・器具Cを固定する一対の固定部としてタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔117が形成されている。しかも、固定孔117は一対の固定部の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されており、壁裏に器具固定枠1を設置した後でも器具Cの取付位置を調整することができる。
【0029】
・器具固定枠1は、第1分割体11と第2分割体12とからなり、第1分割体11に対して第2分割体12を回動することで、収容部10と周壁外方を連通させることができ、第2分割体12が障害となることなく器具Cを固定することができる。
【0030】
・器具固定枠1の表面には、貼着部118が設けられているため、器具固定枠1を壁裏に設置した際に、壁材W1に貼着して仮固定でき、壁裏で器具固定枠1が落下を防止することができる。
【0031】
・壁裏に器具固定枠1を設置した後でも器具Cの取付位置を調整することができるため、貼着部により壁裏に仮固定した位置が位置ずれしていても、貼着部を剥がす必要が無いため、貼着部の貼着強度を落とすことが無く仮固定できる。
【0032】
尚、第1実施形態の器具固定枠1は以下のように変更してもよい。
・器具固定枠1は第1分割体11と第2分割体12との二つの分割体から構成されているが、3つ以上の分割体から構成されていてもよい。
【0033】
・器具固定枠1は三辺を構成するコ字状の第1分割体11と一辺を構成する第2分割体12とから構成されているが、これに限らず、例えば、コ字状に形成された第1分割体と、コ字状に形成された第2分割体とから構成されていてもよい。
【0034】
・上側に形成された係合部124を中心に第1分割体11に対して第2分割体12を回動させて収容部10と周壁外方と連通させていたが、これに限らず、下側の係合部124を中心に回動させてもよく、さらには、第1分割体11から第2分割体12を取り外してもよい。
【0035】
・第1分割体11と第2分割体12とを連結する係合部115,124及び被係合部116,123は、上側と下側の両方において連結を解除に形成していたが、上側、下側のいずれか一方は解除できない構成であってもよい。
【0036】
・器具固定枠1には、貼着部が設けられていたが、貼着部は設けられてなくてもよい。
【0037】
・また、壁裏に仮固定する手段として貼着部のかわりに壁裏に突き刺さる突起や貫通孔内に係合する係合爪を形成してもよい。
【0038】
(第2実施形態)
次に本発明を具体化した器具取付体の第2実施形態を図9〜図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において「上」「下」「左」「右」は、図9に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、矢印Y2の方向を左右方向とする。
【0039】
図9に示すように本実施形態の器具取付体は、第1実施例と同様に、壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠2である。
【0040】
この器具固定枠2は、上辺201、下辺202、左辺203、右辺204で構成される周壁に囲まれて中央に器具を収容する収容部20を有する四角枠状で形成されている。尚、第2実施形態の器具取付枠は、第1実施形態の器具取付枠のように分割体により分割されておらず、1つの部材から構成されている。
【0041】
上辺201及び下辺202の中央側には器具Cを固定するための固定部を備え、該固定部にはタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔205が形成されている。この固定孔205は、左右方向、すなわち、固定部の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されている。また、固定孔205は中央部分で連結部205aにより連結されることで長手方向に二つに分割されている。このように固定孔205が分割されていても、器具Cに形成されたビス孔C1が長孔で形成されており、分割された固定孔205のいずれかにタッピングビスBが強制的に螺合させることができる。また、連結部205aにより連結されていることにより、固定孔205にタッピングビスBが強制的に螺合されても、固定孔205が開くことなく確実にタッピングビスBを螺合することができる。
【0042】
また、器具Cが固定孔205の何れの場所において固定されても周壁に当たることなく取り付けできるように、収容部20の固定部が対向する方向に直交する幅(左辺203と右辺204との間の幅)は、収容される器具Cの幅と前記固定孔205の長さの和よりも長く形成されている。言い換えると固定孔205の両端部から収容される器具Cの幅の半分より離れた位置に周壁の左辺203及び右辺204が形成されている。
【0043】
尚、図中の206は、器具に接続されるケーブルが挿通される管をバインド線等で縛って固定するための配管固定部である。
【0044】
この器具固定枠2を使用して器具を壁に固定するには、第1実施形態と同様に固定することができる。すなわち、壁材の所望位置に方形状の貫通孔を形成した後、器具固定枠2を壁表側から前記貫通孔に挿通して壁裏に配置し、その後、壁裏に配線されたケーブルを接続した器具Cを壁表に配置し、器具Cに形成されたビス孔C1にタッピングビスBを挿通して固定孔205に螺合することにより、器具Cと器具固定枠2とで壁材を挟持して、器具Cを壁表に固定することが出来る。尚、第1実施形態では、器具Cの取付位置によっては周壁が障害となることがあったが、第2実施形態においては、周壁が障害となることなく器具Cを収容空間20に収容して固定できる。
【0045】
第2実施形態の器具固定枠2は以下の効果を奏する。
・器具Cを固定する一対の固定部としてタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔205が形成されている。しかも、固定孔205は一対の固定部の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されており、壁裏に器具固定枠2を設置した後でも器具Cの取付位置を調整することができる。
【0046】
・器具固定枠2は、第1実施形態のように第1分割体11と第2分割体12と構成されておらず、1つの部材で構成されているため、枠自身の強度を高めることが出来、器具の固定も強固にすることができる。
【0047】
・固定孔205が複数に分割するように中央部分で連結部205aにより連結されているため、固定孔205にタッピングビスBを強制的に螺合しても、固定孔205が広がることない。したがって、器具Cを確実に強固に固定することができる。
【0048】
尚、第2実施形態の器具固定枠2は以下のように変更してもよい。
・固定孔205は中央部分で連結部205aにより連結されて長手方向に二つに分割されているが、連結部205aを複数箇所に形成して、固定孔205を複数に分割してもよく、さらには分割されていなくてもよい。
・配管固定部206は形成されていなくてもよい。
【0049】
・壁裏に仮固定するための手段として、両面テープ等からなる貼着部や壁裏に突き刺さる突起や貫通孔内に係合する係合爪を設けてもよい。
【0050】
(第3実施形態)
次に本発明を具体化した器具取付体の第3実施形態を図11〜図15に基づいて説明する。尚、以下の説明において「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、図12に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、矢印Y2の方向を左右方向とし、矢印Y3の方向を前後とする。
【0051】
図11に示すように本実施形態の器具取付体は、軽量間仕切壁内に設置されるものであって、前面に開口部を有する有底箱状に形成されており、壁材が設置される前に壁裏の造営材である軽量形鋼材に固定され、壁材の設置後に壁材に形成された貫通孔により、前記開口が壁表に臨まされるボックス3である。
【0052】
まず、軽量間仕切壁Wについて説明する。図11に示すように、軽量間仕切壁Wは、天井(図示せず)と床(図示せず)に固定される上下一対のランナーRと、該ランナーR間に所定間隔で立設された複数の軽量形鋼材Sと、隣り合う軽量形鋼材Sを連結すべく複数の軽量形鋼材Sを貫通して該軽量形鋼材Sに固定される振れ止め材Fと、前記軽量形鋼材S及び前記ランナーRに固定されることで立設される壁材W1とから構築されている。前記壁材W1は、一般的に使用される石膏ボードが用いられる。前記ランナーRは長尺状をなすとともに、ランナーRの長さ方向に対して直交する断面視がコ字状をなし、長さ方向へ延びる開口を有する。そして、ランナーRが天井と床それぞれに固定された状態では、両ランナーRの開口が互いに対向している。
【0053】
前記軽量形鋼材Sは、薄鋼板からなり、軽量形鋼材Sの立設方向(長さ方向)に対して直交する方向への平断面視が略C字状をなすリップ溝型型鋼である。軽量形鋼材Sは、立設方向に延びる開口部と、該開口部に相対向する背面板部と、該背面板部を挟む一対の側板部とからなる。また、前記開口部は、前記一対の側板部から延設された相対向する一対のリップ部の間に形成されているとともに、各リップ部は前記背面板部と相対向している。また、前記背面板部には、振れ止め材Fを挿通するための貫通孔が長さ方向に所定間隔をおいて複数形成されている。
【0054】
そして、軽量間仕切壁Wを構築するには、まず、天井と床に固定された上下各ランナーRの内側へ軽量形鋼材Sの上端部及び下端部をそれぞれ挿入し、ランナーRを用いて軽量形鋼材Sを立設する。このとき、軽量形鋼材SはランナーRに対して固定されず、該ランナーRの長さ方向へスライド移動可能になっている。次に、壁材W1の上下方向へ延びる両側縁部及び該両側縁部間の中央部に軽量形鋼材Sが位置するように軽量形鋼材SをランナーRに沿ってスライド移動させた後、壁材W1をビスによってランナーRに固定するとともに、壁材W1と軽量形鋼材Sとをビスによって固定すると、軽量間仕切壁Wが構築される。
【0055】
軽量形鋼材Sには、壁表にスイッチ、コンセント等の配線器具を固定するためのボックスBが固定される。このボックス3は、ビス等により直接又はボックス固定具を介して間接的に軽量形鋼材Sに取り付けることができる。また、前記配線器具に接続するためのケーブルCをボックス3内に引き込んである。
【0056】
図12及び図13に示すように、このボックス3は、上側壁301、下側壁302、左側壁303、右側壁304により構成される周壁と底壁305とで囲まれた収容部30を有する有底四角箱状に形成されている。
【0057】
上側壁301、下側壁302、底壁305には、壁裏に配線されるケーブルを収容部30内に引き込むための引込孔306を複数備えている。この引込孔306はノックアウト306aにより閉塞されており、ケーブルの引込み量により必要に応じて打ち抜いて使用される。
【0058】
上側壁301及び下側壁302には、固定部308として収容部30内に突出する突出部を備えている。この突出部には、タッピングビスBが強制的に螺合可能な固定孔を備えている。この固定孔は左右方向、すなわち、固定部308の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されている。また、固定孔は連結部308aにより複数に分割されており、連結部208aで分割された固定孔のうち、両端部に位置する固定孔308b及び中央に位置する固定孔308cは円孔に形成され、固定孔308bと固定孔308cの間の固定孔308dは長孔に形成されている。このように固定孔が分割されていても、器具Cに形成されたビス孔C1が長孔で形成されており、分割された固定孔308b,308c,308dのいずれかにタッピングビスBが強制的に螺合させることができる。尚、両端部に位置する固定孔308bの間隔は器具Cが並設して取付可能な間隔で形成されている。
【0059】
前記固定部308が対向する方向に直交する方向に位置する左側壁303及び右側壁304には、壁裏の軽量形鋼材Sに取り付けるための取付部としてビスが挿通される挿通孔307を備えている。この挿通孔307は前後方向に延びる長孔で形成されており、左側壁303には上下方向に3箇所、右側壁304には上下方向に2箇所形成されている。尚、左側壁303には、外方に突出形成され、前記造営材に当接する当接面を備えた台座303aを備えている。
【0060】
また、固定部308が対向する方向に直交する収容部30の幅(左側壁303と右側壁304との間の幅)は、収容される器具Cの幅と前記固定孔の長さの和よりも長く形成されており、固定孔308b,308c,308dのどの位置に器具Cが固定されても、左側壁303又は右側壁304に当たることなく、収容部30内に器具Cが収容可能な幅に形成されている。すなわち、両端部に位置する固定孔308bのいずれかに器具Cが固定されても、器具Cが収容部内に収容可能な大きさに形成されている。
【0061】
このボックス3を使用して器具としてのコンセントCを壁表に固定する方法について図14及び図15に基づいて説明する。壁材Wが設置される前に軽量形鋼材Sに左側壁又は右側壁に形成された挿通孔にビスを挿通して取り付ける。壁材Wが設置された後、壁裏にあるボックス3の位置を測定するとともに器具Cを固定する位置において壁材に貫通孔を形成してボックス3の前面を壁表に臨ませる。その後、収容部内に引き込まれたケーブルを接続した器具Cを壁表に配置し、器具Cに形成されたビス孔C1にタッピングビスBを挿通して固定孔308b,308c,308d(実施例では308d)に螺合することにより、器具Cを壁表に固定することが出来る。尚、ボックス3の位置は、軽量間仕切壁Wの構築時にランナーの長手方向に沿って軽量形鋼材Sがスライドされることにより壁材Wの設置前に取り付けた位置から左右方向に移動していることがあるが、固定孔が左右方向に延びて形成されているため、コンセントCを固定することができる。
【0062】
第3実施形態のボックス3は以下の効果を奏する。
・器具を固定する固定孔が一対の固定部308の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されているため、器具Cの取付位置を調整して壁に器具を固定することができる。軽量形鋼材がスライドされることによりボックスの位置が移動していたり、ボックスが壁材に隠れた状態で壁材に貫通孔を形成することにより、貫通孔とボックスの位置がずれることがあるが、その場合でも器具を壁に固定することができる。
【0063】
・固定孔が連結部308aにより複数に分割されているため、固定孔にタッピングビスBを強制的に螺合しても、固定孔308が広がることなく、確実に器具を固定することができる。
【0064】
尚、第3実施形態のボックス3は以下のように変更してもよい。
・固定孔は長手方向に複数に分割されているが固定部308の強度があれば分割されていなくてもよい。
【0065】
・ボックス3が固定される造営材として軽量形鋼材で説明したが、木柱や胴縁であってもよく、壁裏に設置される造営材であればよい。
【0066】
・前面に開口部を有する有底箱状に形成されたボックス3で説明したが、両面に開口する枠状に形成されていてもよい。
【0067】
・左側壁303と右側壁304との間の幅は、器具が固定孔のどの位置に固定されても障害とならない幅で形成されているが、器具の取り付け時に障害となる部分が除去可能な構成を備えていれば、そのような幅で形成されてなくてもよい。
【0068】
また、各実施形態において、固定される器具としてコンセントを例に説明したが、コンセントに限らず、スイッチや報知器等の壁材に固定される器具であればよい。
【0069】
各実施形態において、器具を一つ設置する場合に用いられる器具取付体に適用したが、これに限らず、器具枠を壁に二つ以上並設する場合に用いられる器具取付体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
B…タッピングビス、W…壁、W1…壁材、W2…貫通孔、C…器具としてのコンセント、C1…ビス孔、1…器具取付体としての器具固定枠、10…収容部、117…固定部としての固定孔、118…貼着部、2…器具取付体としての器具固定枠、20…収容部、205…固定部としての固定孔、3…器具取付体としてのボックス、30…収容部、308…固定部としての固定孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁や天井を形成するパネル材の表側に配設される器具を取り付けるために、パネル材の裏側に配設される器具取付体に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の壁に例えば配線器具を取り付けるための器具取付体として、配線ボックス(特許文献1)や配線器具取付け具(特許文献2)が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の配線ボックスは、前面に開口部を有し、側壁及び底壁により囲まれた配線器具の収納空間が形成され、対向する側壁には配線器具を固定するための固定部が形成されている。この配線ボックスは、壁材設置前の柱に固定され、壁材が設置されることで壁裏に設置される。その後、壁材に配線ボックスの開口部に対応する位置に貫通孔を形成し、壁裏に配線されるケーブルと配線器具を接続するとともに、配線ボックスの固定部に配線器具を固定して壁表に配線器具が設置される。
【0004】
また、特許文献2に記載の配線器具取付け具は、中央に配線器具が挿入される貫通部を有する四角枠状に形成され、上下に対向する部分に配線器具を固定するための固定部を有している。さらに、左右に対向する部分に折り曲げ可能に形成された係止片を有している。この配線器具取付枠は、壁材に形成した貫通孔に壁表から挿入して壁裏に配置し、係止片を壁表に向けて折り曲げることで壁材に仮固定される。そして、壁裏に配線されるケーブルと配線器具を接続するとともに、前記固定部に配線器具を固定することにより、配線器具と配線器具取付枠とで壁材を挟持して壁表に配線器具が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−263778号公報
【特許文献2】特開2004−328984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の器具取付体(特許文献1の配線ボックス及び特許文献2の配線器具取付け具)は、配線器具の取付位置が、器具取付体の設置場所により決められるものであり、器具取付体に対して配線器具の取付位置を調整することができない。
そのため、特許文献1に記載の器具取付体(配線ボックス)は、壁裏の柱に固定されているため、その位置が配線器具の取付位置とずれていても、その取付位置を調整することが出来ない。
【0007】
また、特許文献2に記載の器具取付体(配線器具取付け具)は、壁裏に仮固定した位置が配線器具の取付位置とずれていても、その器具取付体に対する配線器具の取付位置を調整できないため、再度取り外して仮固定しなおす必要があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、壁裏に固定又は仮固定した後の器具取付体に対して、配線器具の取付位置の調整をすることができる器具取付体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る器具取付体は、
壁表に配置される器具を固定する一対の固定部を備え、壁裏に配置される器具取付体であって、前記固定部は、器具の取付位置を調整可能とすべく長孔状に形成され、かつ、タッピングビスが強制的に螺入可能な固定孔を備えてなることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1の器具取付体において、
前記固定孔は、前記固定部の対向方向に直交する方向に延びて形成されてなることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る器具取付体は、請求項2に記載の器具取付体において、
周壁に囲まれて中央に器具が収納される収容部を備え、前記周壁のうち固定部の対向方向に直交する方向に形成された少なくとも一方の周壁は、前記収容部と周壁外方と連通すべく開放可能に形成されてなることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る器具取付体は、請求項3に記載の器具取付体において、
前記収容部の固定部の対向方向に直交する方向の幅は、収容される器具の幅と前記固定孔の長さの和よりも長く形成されており、固定孔により器具の取付位置が調整されても周壁に当たることなく、前記器具を収容部内に収容可能に形成されてなることを特徴とするとしている。
【0013】
請求項5に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体において、
壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠であることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の発明に係る器具取付体は、請求項5に記載の器具取付体において、
前記器具固定枠は、壁裏に配置した際に壁材に仮固定するための仮固定手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の発明に係る器具取付体は、請求項5又は請求項6に記載の器具取付体において、
前記器具固定枠は、壁裏に当接する当接面を有し、該当接面には、壁裏に貼着可能な貼着部を備えてなることを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体において、
前面に開口部し、周壁及び底壁により収容部が形成され、壁裏に設置されて、壁材に形成された貫通孔により、前記開口部が壁表に臨まされるボックスであることを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の発明に係る器具取付体は、請求項1から請求項4又は請求項8のいずれか一項に記載の器具取付体において、壁裏の造営材である軽量形鋼材への取付部を有し、該取付部は、固定部の対向方向に直交する方向に形成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、壁裏に固定又は仮固定した器具取付体に対して、器具の取付位置を調整して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の器具取付体の第1分割体と第2分割体とが分離した状態を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の器具取付体の第1分割体と第2分割体とを組み付けた状態を示す斜視図
【図3】第1実施形態の器具取付体の第1分割体に対して第2分割体を回動した状態を示す斜視図
【図4】第1実施形態の器具取付体の第1分割体と第2分割体との連結部分を示す断面図
【図5】第1実施形態の器具取付体を壁裏に配置した状態を示す図
【図6】図5の器具取付体を使用して配線器具を壁表に固定した状態を示す図
【図7】第1実施形態の器具取付体を壁裏に配置した別の状態を示す図
【図8】図7の器具取付体を使用して配線器具を壁表に固定した状態を示す図
【図9】第2実施形態の器具取付体を示す斜視図
【図10】第2実施形態の器具取付体を示す正面図
【図11】第3実施形態の器具取付体を軽量間仕切壁内に設置した状態を示す斜視図
【図12】第3実施形態の器具取付体を示す斜視図
【図13】第3実施形態の器具取付体を示す正面図
【図14】第3実施形態の器具取付体を壁裏に配置した状態を示す図
【図15】図14の器具取付体を使用して配線器具を固定した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した器具取付体の第1実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。尚、以下の説明において「上」「下」は、図1に示す矢印Y1の方向を上下方向とする。
【0021】
本実施形態の器具取付体は、壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠である。
【0022】
図1乃至図3に示すように、器具固定枠1は、周壁に囲まれて中央に器具を収容する収容部10を有する四角枠状で形成されている。周壁の一辺を開放するように周壁の三辺を構成するコ字状に形成された第1分割体11と、前記第1分割体11の開放された一辺を閉塞するように周壁の一辺を構成する第2分割体12とからなっている。
【0023】
ここで、第1分割体11は、対向して配置されて平行に延びる辺を構成する上辺111及び下辺112と、上辺111及び下辺112の一端側を連結する側辺113とで構成される。上辺111の他端は上辺111の表面から裏面側に向かって凹む凹部114が形成され、該凹部114には第2分割体12を連結するための係合部115が形成されている。また、下辺112の他端は下辺の裏面から表面側に向かって凹む凹部114が形成され、該凹部114には第2分割体12を連結するための被係合部116を備えている。上辺111及び下辺112の凹部114は器具固定枠1の厚さの半分の厚さに形成されている。さらに、上辺111及び下辺112の中央側には、器具を固定する一対の固定部を備え、該固定部にはタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔117が形成されている。この固定孔117は、上辺111及び下辺112の中央から上辺111及び下辺112の他端側に向かって長手方向に沿って延びる長孔状に形成されている。すなわち、固定孔117は固定部の対向方向に直交する方向で、且つ、第1分割体11の周壁が開放された側に向かって延びる長孔状に形成されている。また、上辺111及び下辺112の固定部117の外側には、器具固定枠1を仮固定するための両面テープ等からなる貼着部118が設けられている。この貼着部118は、器具固定枠1を壁裏に設置した際に、壁材W1に貼着して壁裏にて落下を防止することができる。
【0024】
第2分割体12は、第1分割体11の上辺111及び下辺112の他端側を連結するように取付可能に形成されており、第1分割体11に取り付けられた状態で四角枠状の側辺121を構成するようになっている。具体的には、上端側には第2分割体の裏面から表面側に向かって凹む凹部122が形成され、該凹部122に第1分割体11に形成された係合部115が係合する被係合部123が形成されている。また、他端側には第2分割体12の表面から裏面側に向かって凹む凹部122が形成されており、該凹部122には第1分割体11の被係合部116に係合する係合部124を備えている。上端側及び下端側の凹部122は器具固定枠1の厚さの半分の厚さに形成されている。
【0025】
第1分割体11及び第2分割体12に形成された係合部115,124及び被係合部116,123は、同一の形状で形成されている。図4に示すように係合部115(124)は一対の弾性変形可能な弾性片115a(124a)を備え、その先端には係合爪115b(124b)が形成されている。また、被係合部123(116)は前記係合部115(124)が挿通可能な透孔123a(116a)で形成されており、その透孔123a(116a)内には透孔123a(116a)の端部から下がった位置に突起123b(116b)が形成されており、その突起123b(116b)に前記係合爪115b(124b)が係合するようになっている。弾性片115a(124a)が弾性変形可能に形成されているため、第1分割体11と第2分割体12とが着脱可能になっている。また、係合部115,124及び被係合部116,123が形成された凹部114,122は器具固定枠1の半分の厚さで形成されており、連結した状態で第1分割体11と第2分割体12の表面及び裏面が器具固定枠全体として面一になっている。そして上側又は下側いずれか一方の被係合部116及び係合部124(実施例においては下側)の係合を解除することにより、他方の係合部115(実施例においては上側)を中心に第1分割体11に対して第2分割体12を回動することができるようになっている。そして、第1分割体11に対して第2分割体12を回動又は連結を解除することにより、収容部10と器具固定枠1の周壁外方とが連通するように形成されている。
【0026】
この器具固定枠1を使用して器具としてのコンセントCを壁表に固定する方法について説明する。
図5に示すように、壁材W1の所望位置に方形状の貫通孔W2を形成した後、器具固定枠1を壁表側から前記貫通孔W2に挿通して壁裏に配置し、上辺111及び下辺112に設けられた貼着部118により壁材W1に仮固定する。その後、図6に示すように図示しない壁裏に配線されたケーブルを接続したコンセントCを壁表に配置し、コンセントCに形成されたビス孔C1にタッピングビスBを挿通して固定孔117に螺合することにより、コンセントCと器具固定枠1とで壁材W1を挟持して、コンセントCを壁表に固定することが出来る。
【0027】
また、図7に示すように、貫通孔W2に対して位置ずれした状態で器具固定枠1を貼着部118により仮固定してしまった場合、第2分割体12が障害となり、収容部10に配線器具Cを収容することができなくなる。その場合、図8に示すように第1分割体11と第2分割体12とを連結する一方の被係合部116及び係合部124(実施例においては下側)の連結を解除し、他方の係合部115(実施例においては上側)を中心に第1分割体11に対して第2分割体12を回動し、収容部10と周壁外方とが連通した状態にすることにより、第2分割体12が障害となることなくコンセントCを収容部10に収容することができる。このとき、固定孔117はコンセントCのビス孔C1と対応する位置まで延びて形成されており、タッピングビスBによりコンセントCを壁表に固定することが出来る。
【0028】
第1実施形態の器具固定枠1は以下の効果を奏する。
・器具Cを固定する一対の固定部としてタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔117が形成されている。しかも、固定孔117は一対の固定部の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されており、壁裏に器具固定枠1を設置した後でも器具Cの取付位置を調整することができる。
【0029】
・器具固定枠1は、第1分割体11と第2分割体12とからなり、第1分割体11に対して第2分割体12を回動することで、収容部10と周壁外方を連通させることができ、第2分割体12が障害となることなく器具Cを固定することができる。
【0030】
・器具固定枠1の表面には、貼着部118が設けられているため、器具固定枠1を壁裏に設置した際に、壁材W1に貼着して仮固定でき、壁裏で器具固定枠1が落下を防止することができる。
【0031】
・壁裏に器具固定枠1を設置した後でも器具Cの取付位置を調整することができるため、貼着部により壁裏に仮固定した位置が位置ずれしていても、貼着部を剥がす必要が無いため、貼着部の貼着強度を落とすことが無く仮固定できる。
【0032】
尚、第1実施形態の器具固定枠1は以下のように変更してもよい。
・器具固定枠1は第1分割体11と第2分割体12との二つの分割体から構成されているが、3つ以上の分割体から構成されていてもよい。
【0033】
・器具固定枠1は三辺を構成するコ字状の第1分割体11と一辺を構成する第2分割体12とから構成されているが、これに限らず、例えば、コ字状に形成された第1分割体と、コ字状に形成された第2分割体とから構成されていてもよい。
【0034】
・上側に形成された係合部124を中心に第1分割体11に対して第2分割体12を回動させて収容部10と周壁外方と連通させていたが、これに限らず、下側の係合部124を中心に回動させてもよく、さらには、第1分割体11から第2分割体12を取り外してもよい。
【0035】
・第1分割体11と第2分割体12とを連結する係合部115,124及び被係合部116,123は、上側と下側の両方において連結を解除に形成していたが、上側、下側のいずれか一方は解除できない構成であってもよい。
【0036】
・器具固定枠1には、貼着部が設けられていたが、貼着部は設けられてなくてもよい。
【0037】
・また、壁裏に仮固定する手段として貼着部のかわりに壁裏に突き刺さる突起や貫通孔内に係合する係合爪を形成してもよい。
【0038】
(第2実施形態)
次に本発明を具体化した器具取付体の第2実施形態を図9〜図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において「上」「下」「左」「右」は、図9に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、矢印Y2の方向を左右方向とする。
【0039】
図9に示すように本実施形態の器具取付体は、第1実施例と同様に、壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠2である。
【0040】
この器具固定枠2は、上辺201、下辺202、左辺203、右辺204で構成される周壁に囲まれて中央に器具を収容する収容部20を有する四角枠状で形成されている。尚、第2実施形態の器具取付枠は、第1実施形態の器具取付枠のように分割体により分割されておらず、1つの部材から構成されている。
【0041】
上辺201及び下辺202の中央側には器具Cを固定するための固定部を備え、該固定部にはタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔205が形成されている。この固定孔205は、左右方向、すなわち、固定部の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されている。また、固定孔205は中央部分で連結部205aにより連結されることで長手方向に二つに分割されている。このように固定孔205が分割されていても、器具Cに形成されたビス孔C1が長孔で形成されており、分割された固定孔205のいずれかにタッピングビスBが強制的に螺合させることができる。また、連結部205aにより連結されていることにより、固定孔205にタッピングビスBが強制的に螺合されても、固定孔205が開くことなく確実にタッピングビスBを螺合することができる。
【0042】
また、器具Cが固定孔205の何れの場所において固定されても周壁に当たることなく取り付けできるように、収容部20の固定部が対向する方向に直交する幅(左辺203と右辺204との間の幅)は、収容される器具Cの幅と前記固定孔205の長さの和よりも長く形成されている。言い換えると固定孔205の両端部から収容される器具Cの幅の半分より離れた位置に周壁の左辺203及び右辺204が形成されている。
【0043】
尚、図中の206は、器具に接続されるケーブルが挿通される管をバインド線等で縛って固定するための配管固定部である。
【0044】
この器具固定枠2を使用して器具を壁に固定するには、第1実施形態と同様に固定することができる。すなわち、壁材の所望位置に方形状の貫通孔を形成した後、器具固定枠2を壁表側から前記貫通孔に挿通して壁裏に配置し、その後、壁裏に配線されたケーブルを接続した器具Cを壁表に配置し、器具Cに形成されたビス孔C1にタッピングビスBを挿通して固定孔205に螺合することにより、器具Cと器具固定枠2とで壁材を挟持して、器具Cを壁表に固定することが出来る。尚、第1実施形態では、器具Cの取付位置によっては周壁が障害となることがあったが、第2実施形態においては、周壁が障害となることなく器具Cを収容空間20に収容して固定できる。
【0045】
第2実施形態の器具固定枠2は以下の効果を奏する。
・器具Cを固定する一対の固定部としてタッピングビスBが強制的に螺合する固定孔205が形成されている。しかも、固定孔205は一対の固定部の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されており、壁裏に器具固定枠2を設置した後でも器具Cの取付位置を調整することができる。
【0046】
・器具固定枠2は、第1実施形態のように第1分割体11と第2分割体12と構成されておらず、1つの部材で構成されているため、枠自身の強度を高めることが出来、器具の固定も強固にすることができる。
【0047】
・固定孔205が複数に分割するように中央部分で連結部205aにより連結されているため、固定孔205にタッピングビスBを強制的に螺合しても、固定孔205が広がることない。したがって、器具Cを確実に強固に固定することができる。
【0048】
尚、第2実施形態の器具固定枠2は以下のように変更してもよい。
・固定孔205は中央部分で連結部205aにより連結されて長手方向に二つに分割されているが、連結部205aを複数箇所に形成して、固定孔205を複数に分割してもよく、さらには分割されていなくてもよい。
・配管固定部206は形成されていなくてもよい。
【0049】
・壁裏に仮固定するための手段として、両面テープ等からなる貼着部や壁裏に突き刺さる突起や貫通孔内に係合する係合爪を設けてもよい。
【0050】
(第3実施形態)
次に本発明を具体化した器具取付体の第3実施形態を図11〜図15に基づいて説明する。尚、以下の説明において「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、図12に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、矢印Y2の方向を左右方向とし、矢印Y3の方向を前後とする。
【0051】
図11に示すように本実施形態の器具取付体は、軽量間仕切壁内に設置されるものであって、前面に開口部を有する有底箱状に形成されており、壁材が設置される前に壁裏の造営材である軽量形鋼材に固定され、壁材の設置後に壁材に形成された貫通孔により、前記開口が壁表に臨まされるボックス3である。
【0052】
まず、軽量間仕切壁Wについて説明する。図11に示すように、軽量間仕切壁Wは、天井(図示せず)と床(図示せず)に固定される上下一対のランナーRと、該ランナーR間に所定間隔で立設された複数の軽量形鋼材Sと、隣り合う軽量形鋼材Sを連結すべく複数の軽量形鋼材Sを貫通して該軽量形鋼材Sに固定される振れ止め材Fと、前記軽量形鋼材S及び前記ランナーRに固定されることで立設される壁材W1とから構築されている。前記壁材W1は、一般的に使用される石膏ボードが用いられる。前記ランナーRは長尺状をなすとともに、ランナーRの長さ方向に対して直交する断面視がコ字状をなし、長さ方向へ延びる開口を有する。そして、ランナーRが天井と床それぞれに固定された状態では、両ランナーRの開口が互いに対向している。
【0053】
前記軽量形鋼材Sは、薄鋼板からなり、軽量形鋼材Sの立設方向(長さ方向)に対して直交する方向への平断面視が略C字状をなすリップ溝型型鋼である。軽量形鋼材Sは、立設方向に延びる開口部と、該開口部に相対向する背面板部と、該背面板部を挟む一対の側板部とからなる。また、前記開口部は、前記一対の側板部から延設された相対向する一対のリップ部の間に形成されているとともに、各リップ部は前記背面板部と相対向している。また、前記背面板部には、振れ止め材Fを挿通するための貫通孔が長さ方向に所定間隔をおいて複数形成されている。
【0054】
そして、軽量間仕切壁Wを構築するには、まず、天井と床に固定された上下各ランナーRの内側へ軽量形鋼材Sの上端部及び下端部をそれぞれ挿入し、ランナーRを用いて軽量形鋼材Sを立設する。このとき、軽量形鋼材SはランナーRに対して固定されず、該ランナーRの長さ方向へスライド移動可能になっている。次に、壁材W1の上下方向へ延びる両側縁部及び該両側縁部間の中央部に軽量形鋼材Sが位置するように軽量形鋼材SをランナーRに沿ってスライド移動させた後、壁材W1をビスによってランナーRに固定するとともに、壁材W1と軽量形鋼材Sとをビスによって固定すると、軽量間仕切壁Wが構築される。
【0055】
軽量形鋼材Sには、壁表にスイッチ、コンセント等の配線器具を固定するためのボックスBが固定される。このボックス3は、ビス等により直接又はボックス固定具を介して間接的に軽量形鋼材Sに取り付けることができる。また、前記配線器具に接続するためのケーブルCをボックス3内に引き込んである。
【0056】
図12及び図13に示すように、このボックス3は、上側壁301、下側壁302、左側壁303、右側壁304により構成される周壁と底壁305とで囲まれた収容部30を有する有底四角箱状に形成されている。
【0057】
上側壁301、下側壁302、底壁305には、壁裏に配線されるケーブルを収容部30内に引き込むための引込孔306を複数備えている。この引込孔306はノックアウト306aにより閉塞されており、ケーブルの引込み量により必要に応じて打ち抜いて使用される。
【0058】
上側壁301及び下側壁302には、固定部308として収容部30内に突出する突出部を備えている。この突出部には、タッピングビスBが強制的に螺合可能な固定孔を備えている。この固定孔は左右方向、すなわち、固定部308の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されている。また、固定孔は連結部308aにより複数に分割されており、連結部208aで分割された固定孔のうち、両端部に位置する固定孔308b及び中央に位置する固定孔308cは円孔に形成され、固定孔308bと固定孔308cの間の固定孔308dは長孔に形成されている。このように固定孔が分割されていても、器具Cに形成されたビス孔C1が長孔で形成されており、分割された固定孔308b,308c,308dのいずれかにタッピングビスBが強制的に螺合させることができる。尚、両端部に位置する固定孔308bの間隔は器具Cが並設して取付可能な間隔で形成されている。
【0059】
前記固定部308が対向する方向に直交する方向に位置する左側壁303及び右側壁304には、壁裏の軽量形鋼材Sに取り付けるための取付部としてビスが挿通される挿通孔307を備えている。この挿通孔307は前後方向に延びる長孔で形成されており、左側壁303には上下方向に3箇所、右側壁304には上下方向に2箇所形成されている。尚、左側壁303には、外方に突出形成され、前記造営材に当接する当接面を備えた台座303aを備えている。
【0060】
また、固定部308が対向する方向に直交する収容部30の幅(左側壁303と右側壁304との間の幅)は、収容される器具Cの幅と前記固定孔の長さの和よりも長く形成されており、固定孔308b,308c,308dのどの位置に器具Cが固定されても、左側壁303又は右側壁304に当たることなく、収容部30内に器具Cが収容可能な幅に形成されている。すなわち、両端部に位置する固定孔308bのいずれかに器具Cが固定されても、器具Cが収容部内に収容可能な大きさに形成されている。
【0061】
このボックス3を使用して器具としてのコンセントCを壁表に固定する方法について図14及び図15に基づいて説明する。壁材Wが設置される前に軽量形鋼材Sに左側壁又は右側壁に形成された挿通孔にビスを挿通して取り付ける。壁材Wが設置された後、壁裏にあるボックス3の位置を測定するとともに器具Cを固定する位置において壁材に貫通孔を形成してボックス3の前面を壁表に臨ませる。その後、収容部内に引き込まれたケーブルを接続した器具Cを壁表に配置し、器具Cに形成されたビス孔C1にタッピングビスBを挿通して固定孔308b,308c,308d(実施例では308d)に螺合することにより、器具Cを壁表に固定することが出来る。尚、ボックス3の位置は、軽量間仕切壁Wの構築時にランナーの長手方向に沿って軽量形鋼材Sがスライドされることにより壁材Wの設置前に取り付けた位置から左右方向に移動していることがあるが、固定孔が左右方向に延びて形成されているため、コンセントCを固定することができる。
【0062】
第3実施形態のボックス3は以下の効果を奏する。
・器具を固定する固定孔が一対の固定部308の対向方向に直交する方向に延びる長孔状に形成されているため、器具Cの取付位置を調整して壁に器具を固定することができる。軽量形鋼材がスライドされることによりボックスの位置が移動していたり、ボックスが壁材に隠れた状態で壁材に貫通孔を形成することにより、貫通孔とボックスの位置がずれることがあるが、その場合でも器具を壁に固定することができる。
【0063】
・固定孔が連結部308aにより複数に分割されているため、固定孔にタッピングビスBを強制的に螺合しても、固定孔308が広がることなく、確実に器具を固定することができる。
【0064】
尚、第3実施形態のボックス3は以下のように変更してもよい。
・固定孔は長手方向に複数に分割されているが固定部308の強度があれば分割されていなくてもよい。
【0065】
・ボックス3が固定される造営材として軽量形鋼材で説明したが、木柱や胴縁であってもよく、壁裏に設置される造営材であればよい。
【0066】
・前面に開口部を有する有底箱状に形成されたボックス3で説明したが、両面に開口する枠状に形成されていてもよい。
【0067】
・左側壁303と右側壁304との間の幅は、器具が固定孔のどの位置に固定されても障害とならない幅で形成されているが、器具の取り付け時に障害となる部分が除去可能な構成を備えていれば、そのような幅で形成されてなくてもよい。
【0068】
また、各実施形態において、固定される器具としてコンセントを例に説明したが、コンセントに限らず、スイッチや報知器等の壁材に固定される器具であればよい。
【0069】
各実施形態において、器具を一つ設置する場合に用いられる器具取付体に適用したが、これに限らず、器具枠を壁に二つ以上並設する場合に用いられる器具取付体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
B…タッピングビス、W…壁、W1…壁材、W2…貫通孔、C…器具としてのコンセント、C1…ビス孔、1…器具取付体としての器具固定枠、10…収容部、117…固定部としての固定孔、118…貼着部、2…器具取付体としての器具固定枠、20…収容部、205…固定部としての固定孔、3…器具取付体としてのボックス、30…収容部、308…固定部としての固定孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁表に配置される器具を固定する一対の固定部を備え、壁裏に配置される器具取付体であって、
前記固定部は、器具の取付位置を調整可能とすべく長孔状に形成され、かつ、タッピングビスが強制的に螺入可能な固定孔を備えてなることを特徴とする器具取付体。
【請求項2】
前記固定孔は、前記固定部の対向方向に直交する方向に延びて形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の器具取付体。
【請求項3】
周壁に囲まれて中央に器具が収納される収容部を備え、前記周壁のうち固定部の対向方向に直交する方向に形成された少なくとも一方の周壁は、前記収容部と周壁外方と連通すべく開放可能に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の器具取付体。
【請求項4】
周壁に囲まれて中央に器具が収納される収容部を備え、前記収容部の固定部の対向方向に直交する方向の幅は、収容される器具の幅と前記固定孔の長さの和よりも長く形成されており、固定孔により器具の取付位置が調整されても周壁に当たることなく、前記器具を収容部内に収容可能に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の器具取付体。
【請求項5】
壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体。
【請求項6】
前記器具固定枠は、壁裏に配置した際に壁材に仮固定するための仮固定手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の器具取付体。
【請求項7】
前記器具固定枠は、壁裏に当接する当接面を有し、該当接面には、壁裏に貼着可能な貼着部を備えてなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の器具取付体。
【請求項8】
前面に開口部を有し、周壁及び底壁により収容部が形成され、壁裏に設置されて、壁材に形成された貫通孔により、前記開口部が壁表に臨まされるボックスであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体。
【請求項9】
壁裏の造営材である軽量形鋼材への取付部を有し、該取付部は、固定部の対向方向に直交する方向に形成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項4又は請求項8のいずれか一項に記載の器具取付体。
【請求項1】
壁表に配置される器具を固定する一対の固定部を備え、壁裏に配置される器具取付体であって、
前記固定部は、器具の取付位置を調整可能とすべく長孔状に形成され、かつ、タッピングビスが強制的に螺入可能な固定孔を備えてなることを特徴とする器具取付体。
【請求項2】
前記固定孔は、前記固定部の対向方向に直交する方向に延びて形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の器具取付体。
【請求項3】
周壁に囲まれて中央に器具が収納される収容部を備え、前記周壁のうち固定部の対向方向に直交する方向に形成された少なくとも一方の周壁は、前記収容部と周壁外方と連通すべく開放可能に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の器具取付体。
【請求項4】
周壁に囲まれて中央に器具が収納される収容部を備え、前記収容部の固定部の対向方向に直交する方向の幅は、収容される器具の幅と前記固定孔の長さの和よりも長く形成されており、固定孔により器具の取付位置が調整されても周壁に当たることなく、前記器具を収容部内に収容可能に形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の器具取付体。
【請求項5】
壁材に形成された貫通孔から壁裏に配置され、壁表に取り付けられる器具が固定されることで、前記壁材を前記器具とで挟持して固定する器具固定枠であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体。
【請求項6】
前記器具固定枠は、壁裏に配置した際に壁材に仮固定するための仮固定手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の器具取付体。
【請求項7】
前記器具固定枠は、壁裏に当接する当接面を有し、該当接面には、壁裏に貼着可能な貼着部を備えてなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の器具取付体。
【請求項8】
前面に開口部を有し、周壁及び底壁により収容部が形成され、壁裏に設置されて、壁材に形成された貫通孔により、前記開口部が壁表に臨まされるボックスであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の器具取付体。
【請求項9】
壁裏の造営材である軽量形鋼材への取付部を有し、該取付部は、固定部の対向方向に直交する方向に形成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項4又は請求項8のいずれか一項に記載の器具取付体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−100456(P2012−100456A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246991(P2010−246991)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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