説明

噴射器

【課題】ポンプディスペンサを使用して液を吐出する際に、滑りにくく且つ効率良くノズルヘッドやトリガーに力が加わる噴射器を提供する。
【解決手段】シリンダ内の液をピストンで圧して噴射させるポンプディスペンサと該ポンプディスペンサを取り付けた容器本体2とよりなる噴射器において、ポンプディスペンサにはピストンを動かすために手の一部を当接する手掛け部11を備え、容器本体2には手の一部を支える取っ手部21を備えており、取っ手部21と手掛け部11とを手で使ってピストンを動かす噴射器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器内に収容された液を吐出させるための噴射器に関し、更に詳しくは、液を吐出する際に、滑りにくく且つ効率良くピストンに力が伝わる噴射器に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、容器に収容された液を勢いよく吐出させる器具としてポンプディスペンサが知られている。
ポンプディスペンサは、通常、ピストン及びシリンダを備えており、ピストンを手動で駆動させることでシリンダ内の液に圧が加わりノズルから液が吐出される。
そして、ポンプディスペンサはピストンの動かし方により数種類に大別され、ノズルヘッドを押し下げてピストンの上下移動を行う方式のもの(ノズル押し下げ式ポンプディスペンサ)(特許文献1参照)、或いはトリガーを引いて同じくピストンの上下移動を行う方式のもの(トリガー式ポンプディスペンサ)がある(特許文献2参照)。
【0003】
前者においては、ピストンの延長にノズルヘッドが設けられており、このノズルヘッドを指で押し下げることにより、ピストンが移動し、シリンダ内の液圧が高まり、ノズルから液が吐出される。
後者においては、トリガー式ポンプディスペンサの前面にトリガーが設けられており、これを指で握り込んで手前に引くと、そのことに連動してピストンが移動し、同様にノズルから液が吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3100911号
【特許文献2】特開2001−324828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ノズル押し下げ式ポンプディスペンサでは、その周囲を手の平で握って支え、親指或いは人差し指を使ってノズルヘッド(手掛け部)を押し下げる。
或いは一方の手で容器本体2を掴んで支えておき、他方の手でノズルヘッド(手掛け部)を押し下げる。
しかし、ノズル押し下げ式ポンプディスペンサ自体や容器本体が水や液剤で濡れていると、手が滑ったりして力がノズルヘッドに効率良く伝わらない。
【0006】
一方、トリガー式ポンプディスペンサでは、トリガーを引き込む場合に、親指と人差し指との間の部分を容器本体の口部に当てて支え、他の指(人差し指、中指、薬指、小指)でトリガー(手掛け部)を引き込む。
しかし、この場合も同様に、トリガー式ポンプディスペンサや容器本体が濡れていると手が滑ってトリガーに力が入らない。
このように、従来のポンプディスペンサでは、手が滑ってノズルヘッドやトリガーに力が入りにくい問題点があった。
すなわち、力を加える部分(力点)であるノズルヘッドやトリガーには指が掛かるが、他方の手で支える部分が滑り易いため、手で引く力が十分にノズルヘッドやトリガーに伝わらないのである。
特に握力が弱い老人や子供に対しては影響が大きく、このような問題点を是非回避しなければならない。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものである。
すなわち、ポンプディスペンサを使用して液を吐出する際に、滑りにくく且つ効率良くノズルヘッドやトリガーに力が加わる噴射器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、手を支える部分と、指を掛ける部分とを、別体に設けることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)、シリンダ内の液をピストンで圧して噴射させるポンプディスペンサと該ポンプディスペンサを取り付けた容器本体とよりなる噴射器において、ポンプディスペンサにはピストンを動かすために手の一部を当接する手掛け部を備え、容器本体には手の一部を支える取っ手部を備えており、取っ手部と手掛け部とを手で使ってピストンを動かす噴射器に存する。
【0010】
本発明は、(2)、手掛け部がトリガーである上記(1)記載の噴射器に存する。
【0011】
本発明は、(3)、手掛け部が上下移動式のノズルヘッドである上記(1)記載の噴射器に存する。
【0012】
本発明は、(4)、容器本体の上面がL字状に突出して取っ手部が形成されている上記(2)記載の噴射器に存する。
【0013】
本発明は、(5)、容器本体の上面が突出して孔部を有する取っ手部が形成されている上記(2)記載の噴射器に存する。
【0014】
本発明は、(6)、容器本体の上面がL字状に突出してその口部の両側に取っ手部が形成されている上記(3)記載の噴射器に存する。
【0015】
本発明は、(7)、容器本体の上面がU字状に突出して取っ手部が形成されている上記(3)記載の噴射器に存する。
【0016】
なお、本発明の目的に添ったものであれば上記発明を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の噴射器は、シリンダ内の液をピストンで圧して噴射させるポンプディスペンサと該ポンプディスペンサを取り付けた容器本体2とよりなり、ポンプディスペンサにはピストンを動かすために手の一部を当接する手掛け部11を備え、容器本体2には手の一部を支える取っ手部21を備えており、取っ手部21と手掛け部11とを手で使ってピストンを動かすものである。
そのため液を吐出させる際に、手が滑りにくく、ノズルヘッド11Bやトリガー11Aを介して効率良くピストンに力が伝わる。
【0018】
手掛け部11がトリガー11Aであり、容器本体2の上面が突出して孔部Sを有する取っ手部21が形成されていることにより(第1実施の形態)、孔部Sに4本の指(人差し指、中指、薬指、小指)を挿入して取っ手部21の上部を握ることで、確実に容器本体2が指で支えられる。
取っ手部21に近づけるように親指でトリガー11Aを押し下げても、容器本体2から手が滑ることもない。
親指の押し下げる力がトリガー11Aに入れ易く、結果的にピストンに効率良く力が伝わる。
【0019】
手掛け部11がトリガー11Aであり、容器本体2の上面がL字状に突出して取っ手部21が形成されていることにより(第2実施の形態)、親指と人差し指の間の部分に取っ手部21が支えられた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、トリガー11Aが引き込み易い。
そのためトリガー11Aに力が入れ易く、結果的にピストンに効率良く力が伝わる。
また噴射器AのノズルNを手前の顔側に向けて使用する場合は、まず取っ手部21に人差し指や中指を当てて容器を支え、親指でトリガー11Aを向こう側へ押し込む。
やはり、トリガー11Aに力が入れ易く、そのため効率良くトリガー11Aに力が伝わる。
【0020】
手掛け部11が上下移動式のノズルヘッド11Bであり、容器本体2の上面がU字状に突出して取っ手部21が形成されていることにより(第3実施の形態)、容器本体2を下方から支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、親指に力を入れ易くノズルヘッド11Bが引き下げ易い。
そのため、ノズルヘッド11Bに力が入れ易く、結果的にピストンに効率良く力が伝わる。
【0021】
また、取っ手部21に人差し指と中指(或いは中指と薬指)を引っ掛けて容器本体2を支え、ノズルヘッド11Bを親指で押し下げる操作も可能である。
この場合、人差し指と中指を取っ手部21に引っ掛け容器本体2をぶら下げて支えた状態なので、ノズルヘッド11Bが押し下げ易い。
手掛け部が上下移動式のノズルヘッド11Bであり、容器本体2の上面がL字状に突出し、容器本体2の口部2Aの両側に取っ手部21が形成されていることにより(第4実施の形態)、取っ手部21を人差し指と中指で支え、容器をぶら下げて支えた状態で、親指をノズルヘッド11Bに当てて押し下げることが可能となり、親指を押し下げるようにし、同時に人差し指と中指を逆方向に押し上げる操作ができる。
ノズルヘッド11Bに力が入れ易く、結果的にピストンに効率良く力が伝わる。
【0022】
親指と人差し指の間の部分に一方の取っ手部21が支えられた状態で手のひらを容器本体2の周囲に当接して握る方法も可能である。
この場合、他方の取っ手を利用すれば左利きでも容易に使用可能である。
【0023】
また、取っ手部21に親指と中指を当てて下方から支え、人差し指をノズルヘッド11Bに当てて押し下げる操作もできるが、この場合、親指と中指が取っ手部21を支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、ノズルヘッド11Bが引き下げ易い。
そのため効率良くピストンに力が伝わる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、トリガー式ポンプディスペンサを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)平面図である。
【図2】図2は、トリガー式ポンプディスペンサを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)平面図である。
【図3】図3は、ノズル押し下げ式ポンプディスペンサを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)平面図である。
【図4】図4は、ノズル押し下げ式ポンプディスペンサを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図5】図5は、第1実施形態のトリガー式ポンプディスペンサの内部構造を示す。
【図6】図6は、第2実施形態のトリガー式ポンプディスペンサの内部構造を示す。
【図7】図7は、第3及び第4実施形態のノズル押し下げ式ポンプディスペンサの内部構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0026】
本発明の噴射器Aは、シリンダ102内の液をピストン101で圧して噴射させるポンプディスペンサと該ポンプディスペンサを取り付けた容器本体2とよりなる。
そしてポンプディスペンサにはピストンを動かすために手の一部を当接する手掛け部を備えており、容器本体2には手の一部を支える取っ手部21を備えている。
そして、これら取っ手部21と手掛け部11とを手で使ってピストンを動かすことを特徴とする。
本発明の噴射器Aに備わっているポンプディスペンサ1は、トリガー11Aを引いて同じくピストンの上下移動を行う方式のトリガー式ポンプディスペンサ1A、及びノズルヘッド11Bを押し下げてピストンの上下移動を行う方式のノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bがある。
【0027】
〔第1実施の形態〕
図1は、トリガー式ポンプディスペンサ1Aを備えた噴射器Aを示し、(A)は正面図、(B)平面図である。
図1に示すように、トリガー式ポンプディスペンサ1Aは、その上部にピストンを上下に動かす手掛け部(ここではトリガー11A)11を備えている。
容器本体2の上面はトリガー式ポンプディスペンサ1Aに沿うように突出して取っ手部21を形成しており、取っ手部21は指を入れるための孔部Sを有するものである。尚、トリガー式ポンプディスペンサ1Aはキャップによって容器の口部2Aに取り付けられるので、取っ手部21は、口部2Aに沿うように突出しているともいえる。
【0028】
噴射器Aを使用する場合は、まず4本の指(人差し指、中指、薬指、小指)で取っ手部21を握り、親指をトリガー11Aに上から添える。
取っ手部21が上面に突出し且つポンプディスペンサ1に沿うように形成されているのでトリガー11Aとの距離が小さくなり、容易に親指を添えることができる。
【0029】
取っ手部21には孔部Sがあるので、指が引っ掛け易い。
そして、この状態で単に親指でトリガー11Aを押し下げれば、トリガー11Aに連結されたピストンが下がりシリンダ内に収容された液が圧を受けて、ノズルNから吐出される。
取っ手部21に近づけるように親指でトリガー11Aを押し下げると、容器本体2から手が滑ることもなく、親指の押し下げる力が効率良くトリガー11Aに伝わる。
また持ち運ぶ際も、4本の指(人差し指、中指、薬指、小指)を挿入して取っ手部21の上部を握ることで、大型の容器本体2でも容易に持ち上げることができる。
【0030】
このように、本実施形態の噴射器Aにおいては、トリガー式ポンプディスペンサ1Aの周囲全体を握る必要は全くない。
取っ手部21に指を引っ掛けるようにして握った状態でトリガー11Aを押し下げるだけの操作であるから、老人のように力が弱い者でも、或いは、子供のように手が小さい者であっても操作ができる。
尚、トリガー11Aを取っ手部21をカバーする位置まで延ばした設計とすると、トリガー11Aを手の平で押し下げることも可能となる。
【0031】
〔第2実施の形態〕
図2は、トリガー式ポンプディスペンサ1Aを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)平面図である。
トリガー式ポンプディスペンサ1Aは、前部にピストンを上下に動かす手掛け部(ここではトリガー11A)11を備えている。
容器本体2の上面はポンプディスペンサ1に沿うようにL字状に突出して取っ手部21が形成されている。詳しくは、取っ手部21は容器本体2の上面から垂直に延びる垂直部211と、その後、曲がって後方に延びる水平部212を備えている。
【0032】
操作法1)
噴射器Aを使用する場合は、まず取っ手部21に親指と人差し指の間の部分(水かき部分)を当てて下方から支え、少なくとも2本の指(人差し指、中指)をトリガー11Aに当てて引き込むと(図2参照)、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
親指と人差し指の間の部分に取っ手部21が引っ掛かり容器本体2を支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、指がトリガー11Aに引っ掛け易くトリガー11Aが引き込み易い。
【0033】
いわゆる手を握り締める操作だけでトリガー11Aを水平に引き込むことができるため、効率良く力がトリガー11Aに加わる。
取っ手部21が容器本体2の上面に突出し且つポンプディスペンサに沿うように形成されているので、取っ手部21とトリガー11Aとの距離が小さくなり、手の小さい子供でも、4本の指(人差し指、中指、薬指、小指)を容易にトリガー11Aに添えることができる。
【0034】
操作法2)
取っ手部21が容器本体2の上面に突出し且つポンプディスペンサに沿うように形成されているので、噴射器AのノズルNを手前に向けて使用することも可能となる。
この場合は、まず取っ手部21に人差し指や中指を引っ掛けて容器本体2を支え、親指でトリガー11Aを押すと、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
人差し指と中指が取っ手部21に引っ掛かり容器本体2を支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、親指でトリガー11Aを押し易い。
そのため効率良くトリガー11Aに力が加わる。
【0035】
〔第3実施の形態〕
図3は、ノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)平面図である。
この実施の形態のノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bは、その上部にピストンを上下に動かす手掛け部(ここではノズルヘッド11B)11を備えている。
容器本体2の上面はU字状に突出して且つポンプディスペンサに沿うように取っ手部21が形成されている。
詳しくは、容器本体2の上面から垂直に延びる垂直部211と、その後、曲がって下方に延びる戻り部213を備えている。
【0036】
操作法1)
噴射器Aを使用する場合は、まず取っ手部21に人差し指と中指を入れて支え、親指をノズルヘッド11Bに当てて引き下げると(図3参照)、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
容器本体2を下方から支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、親指に力を入れ易くノズルヘッド11Bが引き下げ易い。
【0037】
操作法2)
噴射器Aを使用する場合は、まず取っ手部21に人差し指と中指(或いは中指と薬指)を引っ掛けて容器本体2を支え、ノズルヘッド11Bを親指で押し下げると、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
容器本体2の上面はU字状に突出して且つノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bに沿うように取っ手部21が形成されているので親指をノズルヘッド11Bの上に容易に添えることができ。
人差し指と中指を取っ手部21に引っ掛け容器本体2をぶら下げて支えた状態なので、ノズルヘッド11Bが押し下げ易い。
尚、この実施の形態の場合、取っ手部21を第2の実施の形態のように、L字状に形成してもよい。
【0038】
〔第4実施の形態〕
図4は、ノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bを備えた噴射器を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
この実施の形態のノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bは、その上部にピストンを上下に動かす手掛け部(ノズルヘッド11B)11を備えている。
容器本体2の上面がL字状に突出して且つポンプディスペンサに沿うように取っ手部21が形成されている。
L字状に突出した取っ手部21は、容器本体2の口部2Aの両側に形成されている。
丁度、第3の実施の形態の取っ手部21が一対備わったものとなっている。
この実施の形態の噴射器は、例えば、次の握り操作が可能である。
【0039】
操作法1)
噴射器Aを使用する場合、まず取っ手部21に人差し指と中指を引っ掛け、容器本体2をぶら下げて支えた状態で、親指をノズルヘッド11Bに当てて押し下げると(図4参照)、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
親指を押し下げると同時に人差し指と中指を逆方向に押し上げる操作であるため、ノズルヘッド11Bに力が入れ易く、結果的にピストンに効率良く力が伝わる。
非力な老人や、手の小さい子供でも簡単に使える。
【0040】
操作法2)
この場合、第3の実施形態のような操作も可能である。
すなわち噴射器Aを使用する場合、まず一方の取っ手部21に親指と人差し指の間の部分を当てて支え、親指をノズルヘッド11Bに当てて引き下げると、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
ノズルヘッド11Bは、図より90度或いは180度と右回転させて使う。
親指と人差し指の間の部分に取っ手部21が当接し容器本体2を支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、ノズルヘッド11Bが引き下げ易い。
そのため効率良くピストンに力が伝わる。
この場合、左利きの人も上記のような操作ができる利点がある。
【0041】
操作法3)
噴射器Aを使用する場合は、まず取っ手部21の一方に親指を、他方に中指を当てて下方から支え、人差し指をノズルヘッド11Bに当てて引き下げると、シリンダ内に収容された液がピストンの移動により圧を受けて、ノズルNから吐出される。
【0042】
取っ手部21に親指と中指を当てて支え、人差し指をノズルヘッド11Bに当てると、親指と中指が取っ手部21を支えた状態で手のひらが容器本体2の周囲に当接できるので、ノズルヘッド11Bが引き下げ易い。
そのため効率良くピストンに力が伝わる。
このような操作ができるのも容器本体2の上面がL字状に突出して且つポンプディスペンサ1に沿うように取っ手部21が形成されているためである。
尚、この実施の形態の場合、取っ手部21を第3の実施の形態のように、U字状に形成してもよい。
【0043】
本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0044】
本発明の噴射器Aは、手で掴む部分(手掛け部と取っ手部21)をポンプディスペンサと容器本体2に区別して設けたところが重要であり、手掛け部と取っ手部21との協働作用で手を使ってピストンの動きに導くものである。
しかも容器本体2の上面が突出して且つポンプディスペンサに沿うように取っ手部21が形成されているので、手掛け部に効率良く力が加わる。
そのため、ポンプディスペンサ1がピストン101とシリンダ102と手掛け部11(トリガー11A、ノズルヘッド11B、)を備えるものであれば、その構造は限定されず本発明の適用は当然可能である。
【0045】
図5に第1実施形態のトリガー式ポンプディスペンサ1Aの内部構造、図6に第2実施形態のトリガー式ポンプディスペンサ1A内部構造、及び図7に第3及び第4実施形態のノズル押し下げ式ポンプディスペンサ1Bの内部構造をそれぞれ示す。
【産業上の利用可能性】
【0046】
また本発明の噴射器は、その原理から見て、容器にポンプディスペンサが備わった噴射機器であれば、広範囲に適用可能である。
また容器本体も、例えば、化粧品、シャンプー、ボディソープ、食器用洗剤等の種々の収納容器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・ポンプディスペンサ
1A・・・トリガー式ポンプディスペンサ
11・・・手掛け部
11A・・・トリガー
1B・・・ノズル押し下げ式ポンプディスペンサ
11B・・・ノズルヘッド
2・・・容器本体
2A・・・口部
21・・・取っ手部
211・・・垂直部
212・・・水平部
213・・・戻り部
101・・・ピストン
102・・・シリンダー
A・・・噴射器
N・・・ノズル
S・・・孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ内の液をピストンで圧して噴射させるポンプディスペンサと該ポンプディスペンサを取り付けた容器本体とよりなる噴射器において、
ポンプディスペンサにはピストンを動かすために手の一部を当接する手掛け部を備え、容器本体には手の一部を支える取っ手部を備えており、
取っ手部と手掛け部とを手で使ってピストンを動かすことを特徴とする噴射器。
【請求項2】
手掛け部がトリガーであることを特徴とする請求項1記載の噴射器。
【請求項3】
手掛け部が上下移動式のノズルヘッドであることを特徴とする請求項1記載の噴射器。
【請求項4】
容器本体の上面がL字状に突出して取っ手部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の噴射器。
【請求項5】
容器本体の上面が突出して孔部を有する取っ手部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の噴射器。
【請求項6】
容器本体の上面がL字状に突出してその口部の両側に取っ手部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の噴射器。
【請求項7】
容器本体の上面がU字状に突出して取っ手部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の噴射器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−269253(P2010−269253A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123548(P2009−123548)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(390028196)キャニヨン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】