説明

噴霧量調節バルブ

【課題】 エアゾール容器などに装備する噴霧量調節バルブにおいて、噴霧量を2段階に増減変更でき、第1段階から第2段階への移行に要するステムの押込み量を任意に設定できるようにして使い勝手を向上させる。
【解決手段】 ハウジング1に設けた第1ガスケット2の孔部21にステム4を挿通する。ステム4に、常時は第1ガスケット2によって閉じられ、第1ガスケット2が撓み変形したときに開くステム孔44と、弁杆部6とを設ける。ハウジング1に配備した第2ガスケット5の孔部51に弁杆部6を挿通する。弁杆部6に、常時開放の第1連通路63と、弁杆部6が下降したときの第2ガスケット5の撓み変形によって開放する第2連通路64と、第2ガスケット5を撓み変形させるための係合爪部65とを設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、容器に収容された液体または気体でなる内容物の噴霧量を2段階に増減変更可能な噴霧量調節バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の噴霧量調節バルブが特公昭62−41074号公報に記載されており、このものを図6に示してある。このバルブは、容器のマウンテンカップ100とハウジング110とによって挾持された第1ガスケット120を備えている。また、この第1ガスケット120の孔部121に挿通されたステム130が上記ハウジング110に軸方向Xに変位可能に遊嵌されている。そして、ステム130が同図に実線で図示した初期位置に位置している常態時には、それに設けられているステム孔131が第1ガスケット120によって密封されており、ステム130が初期位置から軸方向に押し込まれた動作時には、ステム130の押し込みに伴う上記第1ガスケット120の撓み変形によってステム孔131が開かれるようになっている。上記ステム130には弁杆部132が連設されており、この弁杆部132が、ハウジング110に設けられた第2ガスケット140の孔部141に密閉摺動可能に挿通されている。この弁杆部132は、それを径方向に貫通する開口面積の大きな長孔状の大口通路133とこの大口通路133をハウジング110の接続口部111に接続されたディップチューブ112の内部通路113に常時連通している開口面積の小さな連通路134とを有している。なお、142は第2ガスケット140に重ねられた座板、150はステム130と座板142との間に介在されてステム130を初期位置側に常時弾発付勢しているコイルばねである。
【0003】
このバルブにおいて、ステム130がコイルばね150の力に抗して押し込まれるとステム孔131が開く。そして、ステム130の押込み量が小さい間は、弁杆部132の大口通路133がハウジング110の内部空間だけに連通しているので、容器内に蓄えられた高圧で押された液体内容物(不図示)が、ディップチューブ112の内部通路113と接続口部111を経た後、連通路134だけを通って大口通路133からハウジング110の内部空間Vに流入し、その内部空間Vから上記ステム孔131に入る。これに対し、ステム130の押込み量を大きくして大口開口133が図6に仮想線で示すようにハウジング110の内部空間Vと接続口部111の内部との両方に連通するようにすると、ディップチューブ112の内部通路113と接続口部111を経た液体内容物が、大口通路133と連通路134との両方を通って多量にハウジング110の内部空間Vに流入し、その内部空間Vから上記ステム孔131に入る。
【0004】
したがって、図6のバルブにおいては、ステム130の押込み量の大小を選択することによって、噴霧量を2段階に増減変更することができる。なお、図6では、噴霧量を多量にするときのステム130の押込み量を符号S2で示してある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来のバルブにおいては、ステム130の押込み方向に長い長孔状の大口通路133を介して連通路134とハウジング110の内部空間Vとを連通させてあること、噴霧量を増大させるには大口通路133の一部が第2ガスケット140を通り抜けるまでステム130を押し込む必要があること、少量の噴霧を行うときには第2ガスケット140よりも上に上記大口通路133を位置させて第2ガスケット140と弁杆部132との密閉を確実に保つ必要があること、第2ガスケット140と弁杆部132との密閉を確実に保つには第2ガスケット140として比較的厚肉のものを使用する必要があること、などにより、大口通路133の位置を弁杆部132の下端(先端)からある程度離れた箇所に定めておくことが要求される。このため、多量の噴霧を行うときのステム130の押込み量S2が比較的大きくなり、そのためにバルブの使い勝手が損なわれたり、バルブの小型化が阻害されたりするおそれがあった。
【0006】
本考案は以上の状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本考案は、噴霧量を2段階に増減変更することのできる噴霧量調節バルブを提供することを基本とするもので、それに加えて、多量の噴霧を行うときに要するステムの押込み量を所望の量に任意に設定できるようにして使い勝手を容易に向上させたり小型化を図ったりすることができ、しかも少量噴霧と多量噴霧との間での切り換わりが確実に行われる噴霧量調節バルブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る考案の噴霧量調節バルブは、内部空間が容器に収容された内容物の通路となされたハウジングの底壁部に貫通孔部が設けられ、そのハウジングの上端部に、孔部を有する第1ガスケットが保持され、この第1ガスケットの孔部に挿通されたステムが上記ハウジングに軸方向変位可能に遊嵌されていると共に、上記第1ガスケットによって上記ハウジングの上端部と上記ステムとの間の開口が密閉されており、上記ステムに、このステムが初期位置に位置している常態時に上記第1ガスケットによって密封され、このステムが初期位置から上記軸方向に押し込まれた動作時に上記第1ガスケットの撓み変形によって開かれるステム孔と、下方に延び出た弁杆部とが設けられ、上記ハウジングの底壁部に設けられた弾力性を有する第2ガスケットの孔部に上記弁杆部が密閉摺動自在に挿通され、この弁杆部に、上記ステムの常態時および動作時に上記容器の内部空間を常時ハウジングの内部空間に連通する第1連通路と、上記ステムが初期位置に位置しているときに第2ガスケットに間隔を隔ててその上方から対向する係合爪部とが設けられていると共に、この弁杆部に、上記ステムが初期位置に位置しているときに始部が第2ガスケットの孔部の下端よりも上位に位置しかつこの弁杆部と共に下降する上記係合爪部により第2ガスケットが押されて撓み変形したときに上記始部が開かれて上記容器の内部空間を上記ハウジングの内部空間に連通する第2連通路とが設けられ、上記ステムが、ばね力で常時初期位置に向けて弾発付勢されている、というものである。
【0008】
この構成のバルブにおいて、常態時には、ばね力でステムが初期位置に位置しているので、ステム孔が第1ガスケットで密封されている。また、弁杆部の第2連通路は、その弁杆部が密閉摺動自在に挿通されている第2ガスケットの孔部の下端よりも上位に位置しているので、その第2連通路が容器の内部空間には連通していない。
【0009】
ステムが初期位置からばね力に抗して押し込まれた場合、その押込み量が小さい場合と大きい場合とで噴霧量が2段階に調節される。
【0010】
すなわち、ステムの係合爪部が第2ガスケットの孔部の上端に当たるまでの範囲でステムが押し込まれる第1段階ではステムだけが押し込まれ、上記第2連通路の始部は、その弁杆部が密閉摺動する第2ガスケットの孔部の下端よりも上位に位置している。このため、ステムの押し込みにより第1ガスケットが撓み変形してステム孔が開くと、容器に収容されている内容物が、弁杆部の第1連通路だけを通ってハウジングの内部空間に入り、ステム孔を通って流出する。
【0011】
上記係合爪部が第2ガスケットの孔部の上端に当たった後、さらにステムが押し込まれた第2段階では、上記係合爪部により第2ガスケットが押されて撓み変形すると、そのような第2ガスケットの撓み変形により第2連通路の始部が開かれる。この状態では、ハウジングの内部空間と容器の内部空間とが、弁杆部の第1連通路と第2連通路の両方によって連通される。このため、容器に収容されている内容物が第1および第2の2つの連通路を通ってハウジングの内部空間に入った後、ステム孔を通って流出する。したがって、この第2段階では上述した第1段階のときよりもステム孔を通って流出する上記内容物の量が多くなる。
【0012】
ここで、ステムが初期位置に位置しているときの上記係合爪部と第2ガスケットの孔部の上端との間隔を狭めると、ステムの押込み量をそれほど大きくしなくても第1段階から第2段階への移行が行われる。逆に、上記間隔を拡げると、ステムの押込み量を大きくしなければ第1段階から第2段階への移行が行われなくなる。
【0013】
ところで、容器の内容物は、塗料やガラスクリーナなどのように気相部分の高圧を受けている液体の場合と、高圧に充填された気体だけの場合と、液化ガスのような気液混合物の場合とがある。内容物が高圧に充填された気体だけの場合には、容器が起立姿勢であっても倒立姿勢であっても当該バルブが上記のように作用する。内容物が気相部分の高圧を受けている液体の場合には、容器が倒立姿勢のときに当該バルブが上記のように作用する。また、内容物が液化ガスのような気液混合物の場合、容器が起立姿勢のときの当該バルブの作用は、内容物が高圧に充填された気体だけの場合と同じになり、容器が倒立姿勢のときの当該バルブの作用は、内容物が気相部分の高圧を受けている液体の場合と同じになる。
【0014】
そこで、内容物が液体であっても容器を起立姿勢にして当該バルブに上記のような作用を行わせるためには、請求項2に係る考案によることが望ましい。
【0015】
すなわち、請求項2に係る考案の噴霧量調節バルブは、ハウジングに、その底壁部の貫通孔部に連通する接続口部が設けられ、この接続口部に、容器に収容された液体内容物中に没入されるディップチューブが接続されている、というものである。
【0016】
このものによると、容器の気相部分に高圧を保持させておくことにより、上述した第1段階では、気相部の高圧で押された液体内容物がディップチューブの内部通路と接続口部を経た後、第1連通路だけを通ってハウジングの内部空間に入り、ステム孔を通って流出する。また、上述した第2段階では、気相部の高圧で押された液体内容物がディップチューブの内部通路と接続口部を経た後、第1および第2の2つの連通路を通ってハウジングの内部空間に入り、ステム孔を通って流出する。したがって、第2段階では、第1段階の場合よりも多くの液体内容物がステム孔を通って流出する。
【0017】
【考案の実施の形態】
図1は請求項2に係る考案の実施の一形態である噴霧量調節バルブAを装備した容器Bを一部切欠して示した正面図である。図2〜図4は上記バルブAの構造を示した断面図である。
【0018】
上記バルブAは、合成樹脂成形体でなるハウジング1を有している。図2〜図4のように、ハウジング1はその上端部11が上記容器BのマウンテンカップB1に加締め固定されていると共に、その上端部11には、マウンテンカップB1との共働によって挾持した第1ガスケット2が保持されている。また、ハウジング1の底壁部12に貫通孔部13と、その貫通孔部13に連通する接続口部14が一体に設けられている。図1のように、この接続口部14にはディップチューブ3が接続されている。さらに、ハウジング1にはハウジング1の外部(容器Bの内部)とハウジング1の内部空間1aとを連通する通孔17が設けられている。
【0019】
上記第1ガスケット2はその中央に孔部21を有しており、合成樹脂成形体でなるステム4がその孔部21に挿通されている。そして、ステム4に具備された径小な首部41が上記孔部21に対応していると共に、その首部41よりも下側の径大部42が軸方向X(図2参照)に変位可能に上記ハウジング1に遊嵌され、さらに首部41よりも上側の突出部43が上記マウンテンカップB1の開口から上方に突き出ている。このステム4の首部41と突出部43とには、首部41の外周面と突出部43の上端面とで開口するステム孔44が形成されており、このステム孔44が、図1のように上記突出部43に装着される噴霧ノズル45のノズル孔46に連通される。また、首部41の外周面に位置しているステム孔44の開口47が、後述するステム4の押込み動作や復帰動作によって上記第1ガスケット2の孔部21に対して離接されるようになっている。なお、上記第1ガスケット2によって上記ハウジング1の上端部11と上記ステム4との間の開口が密閉されている。また、ステム4の径大部42に、下方に延び出た弁杆部6が一体に設けられている。
【0020】
上記ハウジング1の底壁部12に弾力性を有する第2ガスケット5が配備されている。この第2ガスケット5は孔部51を有しており、この孔部51に上記弁杆部6が密閉摺動自在に挿通されている。この弁杆部6には第1連通路63と第2連通路64と係合爪部65とが設けられている。第1連通路63は、上記ステム4の常態時および動作時に上記容器Bの内部空間を常時ハウジング1の内部空間1aに連通する。図2〜図4および図5に示したように、第2連通路64は、上記弁杆部6の外周部に形成した縦溝によって形成されている。また、上記係合爪部65は、上記ステム1が図2のように初期位置(後述する)に位置しているときに第2ガスケット5に間隔を隔ててその上方から対向する位置に設けられている。この実施形態では、図5のように係合爪部65が上記第2連通路64の形成箇所を除く部分に環状に形成されているけれども、この係合爪部65は弁杆部6の周方向の1箇所だけ、あるいは複数箇所だけに設けてもよい。
ここで、上記第2連通路64の始部64aは、上記ステム4が初期位置に位置しているときに第2ガスケット5の孔部51の下端5よりも上位に位置していることが要件とされる。この要件が満たされている限り、上記ステム4が初期位置に位置しているときの第2連通部64の始部64aは、第2ガスケット5の孔部51の中に位置していても、図示のように第2ガスケット5の孔部51よりも上位に位置していてもよい。
【0021】
また、この第2連通路64は、上記弁杆部6と共に下降する上記係合爪部65により第2ガスケット5が押されて図4のように撓み変形したときに、上記始部64aが開かれて上記容器Bの内部空間を上記ハウジング1の内部空間1aに連通するようになっている。なお、第2ガスケット5は、腰の強い弾力性を備えたゴムや合成樹脂で作られていることが望ましい。
【0022】
上記第2ガスケット5とステム4の径大部42との間にコイルばねでなるばね体7が介在されており、このばね体7のばね力によって上記ステム4が初期位置に向けて常時上方へ付勢されている。
【0023】
以上のように構成されたバルブAにおいて、常態時には、図2のようにばね体7のばね力で上方へ付勢されたステム4が第1ガスケット2によって支持されている初期位置に位置している。また、第2ガスケット5の孔部51は弁杆部6に気密に密着しており、弁杆部6の第2連通路64はその全体がハウジング1の内部空間1aの中に位置している。
【0024】
ステム4が初期位置に位置している常態時には、図2のようにステム孔44が第1ガスケット2の孔部21によって密封されている。ステム4が指で押されて初期位置から図3や図4に矢符P1,P2で示したように押し込まれた動作時には、上記第1ガスケット2がステム4の押込み動作に伴って撓み変形するので、図3および図4のいずれの場合にも上記ステム孔44が開かれる。
【0025】
図3は、弁杆部6の係合爪部65が第2ガスケット5の孔部51の上端53に当たる位置までステム4が押し込まれた第1段階の状態を示しており、そのときの押込み量を符号S1で表してある。初期位置からのステム4の押込み量が上記S1の範囲内である第1段階では、ステム孔44が開いており、しかもそのステム孔44が、ハウジング1の内部空間1aにより形成されている通路を介して弁杆部6の第1連通路63に連通されるので、図1に示した容器Bに収容されている液体内容物Lが気相部分Gに密封されている気体の圧力を受けてディップチューブ3の中を上昇し、図3の矢符aのように上記第1連通路63だけを通ってハウジング1の内部空間1aに入った後、ステム孔44を通って矢符bのように流出し、図1の噴霧ノズル45から噴霧される。
【0026】
図4は、ステム4の係合爪部65が第2ガスケット5の孔部51の上端53に当たった後、さらに押し込まれた第2段階の状態を示しており、そのときの初期位置からの押込み量を符号S2で表してある。この第2段階では、弁杆部6と共に係合爪部65がステム4により押し下げられて矢符P3のように下降するので、係合爪部65の下降に伴って第2ガスケット5が撓み変形する。これにより、上述したように第2連通部64の始部64aが開かれ、この第2連通部64によって上記容器Bの内部空間が上記ハウジング1の内部空間1aに連通される。したがって、この第2段階では、ハウジング1の内部空間1aに、第1連通路63と第2連通路64との両方が連通するので、図1に示した容器Bの液体内容物Lがディップチューブ3の中を上昇した後、矢符a,cのように第1連通路63と第2連通路64とを通過してハウジング1の内部空間1aに入り、さらにステム孔44を通って矢符bのように流出し、図1の噴霧ノズル45から噴霧される。
この第2段階では上述した第1段階のときよりもステム孔44を通って流出する液体内容物Lの量が多くなる。
【0027】
ステム4から指を離して押込み力を解除すると、ばね体7のばね力でステム4が初期位置に復帰するので、第1ガスケット2が元の形状に戻ってステム孔44を閉じる。また、ステム4の初期位置への復帰に伴い、弁杆部6も元位置に戻り、第2ガスケット5も復帰変形して元の形状に戻る。
【0028】
以上説明したバルブAにおいて、ステム4が初期位置に位置しているときの上記係合爪部65と第2ガスケット5の受け部51の上端53との間隔S(図2参照:図3に示した押込み量S1に一致する)を狭めておくと、第1段階から第2段階への移行に要するステム4の押込み量S1が小さくて済むようになり、同時にバルブAの小型化(軸長の短小化)が図られる。逆に、上記間隔Sを広くしておくと、第1段階から第2段階への移行に要するステム4の押込み量S1が大きくなる。
【0029】
以上説明した実施形態のバルブAでは、ハウジング1に設けた接続口部14にディップチューブ3を接続することによって、容器Bを起立姿勢にして液体内容物Lを噴霧することができるようにしてあるけれども、内容物が高圧気体である場合には、ディップチューブ3や接続口部14を省略しても同様の作用が発揮される。ディップチューブ3や接続口部14を省略したものは請求項1に係る考案に含まれる。
【0030】
【考案の効果】
請求項1に係る考案によれば、噴霧量を2段階に増減変更することができることは勿論、多量の噴霧を行うときに要するステムの押込み量を所望の量に任意に設定できるようになり、当該バルブの使い勝手を容易に向上させることが可能になると共に、当該バルブの小型化を図ることも可能になる。また、第1段階の少量噴霧と第2段階の多量噴霧との切換えが係合爪部の下降による第2ガスケットの撓み変形によって確実に行われるようになるという効果もある。
【0031】
請求項2に係る考案によれば、容器の内容物が液体であっても、容器を起立姿勢にして噴霧量を2段階に増減変更することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2に係る考案の実施の一形態である噴霧量調節バルブを装備した容器を一部切欠して示した正面図である。
【図2】ステムが初期位置に位置しているときの上記バルブの構造を示す断面図である。
【図3】第1段階での上記バルブの構造を示す断面図である。
【図4】第2段階での上記バルブの構造を示す断面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う弁杆部の拡大断面図である。
【図6】従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
A 噴霧量調節バルブ
B 容器
L 液体内容物(内容物)
1 ハウジング
1a ハウジングの内部空間
2 第1ガスケット
3 ディップチューブ
4 ステム
5 第2ガスケット
6 弁杆部
7 ばね体
11 ハウジングの上端部
12 ハウジングの底壁部
13 貫通孔部
14 接続口部
21 第1ガスケットの孔部
44 ステム孔
51 第2ガスケットの孔部
52 第2ガスケットの孔部の下端
63 第1連通路
64 第2連通路
64a 第2連通路の始部
65 係合爪部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 内部空間が容器に収容された内容物の通路となされたハウジングの底壁部に貫通孔部が設けられ、そのハウジングの上端部に、孔部を有する第1ガスケットが保持され、この第1ガスケットの孔部に挿通されたステムが上記ハウジングに軸方向変位可能に遊嵌されていると共に、上記第1ガスケットによって上記ハウジングの上端部と上記ステムとの間の開口が密閉されており、上記ステムに、このステムが初期位置に位置している常態時に上記第1ガスケットによって密封され、このステムが初期位置から上記軸方向に押し込まれた動作時に上記第1ガスケットの撓み変形によって開かれるステム孔と、下方に延び出た弁杆部とが設けられ、上記ハウジングの底壁部に設けられた弾力性を有する第2ガスケットの孔部に上記弁杆部が密閉摺動自在に挿通され、この弁杆部に、上記ステムの常態時および動作時に上記容器の内部空間を常時ハウジングの内部空間に連通する第1連通路と、上記ステムが初期位置に位置しているときに第2ガスケットに間隔を隔ててその上方から対向する係合爪部とが設けられていると共に、この弁杆部に、上記ステムが初期位置に位置しているときに始部が第2ガスケットの孔部の下端よりも上位に位置しかつこの弁杆部と共に下降する上記係合爪部により第2ガスケットが押されて撓み変形したときに上記始部が開かれて上記容器の内部空間を上記ハウジングの内部空間に連通する第2連通路とが設けられ、上記ステムが、ばね力で常時初期位置に向けて弾発付勢されていることを特徴とする噴霧量調節バルブ。
【請求項2】 ハウジングに、その底壁部の貫通孔部に連通する接続口部が設けられ、この接続口部に、容器に収容された液体内容物中に没入されるディップチューブが接続されている請求項1に記載の噴霧量調節バルブ。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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