回動収納式テーブル
【課題】テーブルの回動収納構造をシンプルかつコンパクトにして、コストを削減し、かつその構造の外観を煩雑でない美麗なものとすることにある。
【課題手段】平板状のテーブル本体2と、前記テーブル本体が使用姿勢と収納姿勢との間で回動可能なようにそのテーブル本体の側部を支持するテーブル本体支持部3とを具え、前記テーブル本体が、そのケーブル本体の側部に沿って延在するガイドレール4を有し、前記テーブル本体支持部3が、前記ガイドレールと嵌まり合ってそのガイドレールに沿う移動を案内される嵌合部材5と、前記嵌合部材を突設された回動支持部材6と、前記回動支持部材をテーブル回動軸線C周りに回動可能に支持する固定支持部材7と、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて、前記固定支持部材に対する前記回動支持部材の前記テーブル回動軸線周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材8,9,10とを有することを特徴とする、回動収納式テーブル1である。
【課題手段】平板状のテーブル本体2と、前記テーブル本体が使用姿勢と収納姿勢との間で回動可能なようにそのテーブル本体の側部を支持するテーブル本体支持部3とを具え、前記テーブル本体が、そのケーブル本体の側部に沿って延在するガイドレール4を有し、前記テーブル本体支持部3が、前記ガイドレールと嵌まり合ってそのガイドレールに沿う移動を案内される嵌合部材5と、前記嵌合部材を突設された回動支持部材6と、前記回動支持部材をテーブル回動軸線C周りに回動可能に支持する固定支持部材7と、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて、前記固定支持部材に対する前記回動支持部材の前記テーブル回動軸線周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材8,9,10とを有することを特徴とする、回動収納式テーブル1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場・講堂等の連結椅子の背裏に取付けて使用したり、椅子の前方で幕板支柱等に取付けて使用したり、小椅子の背裏に取付けて使用したりする、回動収納式のテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の回動収納式テーブルは、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体を手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造を具えており、従来の回動収納式テーブルでは、安全性を確保したり外観を整えたりするために、テーブル本体の側部や背面等をパネルやカバーで覆ってその複雑な回動構造を隠すのが通例であった(特許文献1参照)。
【0003】
また簡易なタイプの回動収納式テーブルでは、回動構造が外部に現れて無骨な外観となったり、その回動構造のテーブル本体ストッパ部に指や手が触れ易くて安全性がやや低いものとなったりしていた(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−177467号公報
【特許文献2】特開2003−200769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ本発明は、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体を手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造を具える回動収納式テーブルであって、しかも外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えた回動収納式テーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を有利に解決するためになされたものであり、本発明の回動収納式テーブルは、平板状のテーブル本体と、前記テーブル本体が、水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢と、上下方向に延在する収納姿勢との間で回動可能なように、そのテーブル本体の側部を支持するテーブル本体支持部と、を具える回動収納式テーブルにおいて、前記テーブル本体が、そのケーブル本体の側部に沿って延在するガイドレールを有し、前記テーブル本体支持部が、前記ガイドレールと嵌まり合ってそのガイドレールに沿う移動を案内される嵌合部材と、前記嵌合部材を突設された回動支持部材と、前記回動支持部材を前記ガイドレールの延在方向と直交するとともに前記テーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに回動可能に支持する固定支持部材と、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて、前記固定支持部材に対する前記回動支持部材の前記テーブル回動軸線周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
かかる回動収納式テーブルにあっては、使用の際には、上下方向に延在する収納姿勢にあるテーブル本体の上端部を上方および手前側に引くと、ガイドレールに沿って嵌合部材が相対移動するように嵌合部材に対してガイドレールひいてはテーブル本体が上昇するとともに、嵌合部材ひいてはそれを突設された回動支持部材が固定支持部材に対し、ガイドレールの延在方向と直交するとともにテーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに、テーブル本体の手前端部が下がるように回動することで、テーブル本体が上昇しながら手前側へ伸びて倒れ、テーブル本体が水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢まで倒れると回動ストッパ部材により、固定支持部材に対する回動支持部材のテーブル回動軸線周りの回動が規制されて、テーブル本体がその使用姿勢で支持される。
【0007】
また収納の際には、水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢にあるテーブル本体の手前端部を上方および前方へ押すと、ガイドレールに沿って嵌合部材が相対移動するように嵌合部材に対してガイドレールひいてはテーブル本体が奥側へ移動するとともに、嵌合部材ひいてはそれを突設された回動支持部材が固定支持部材に対し、ガイドレールの延在方向と直交するとともにテーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに、テーブル本体の手前端部が上がるように回動することで、テーブル本体が下降しながら奥側に立ち、テーブル本体が上下方向に延在する収納姿勢まで立つと回動ストッパ部材により、固定支持部材に対する回動支持部材のテーブル回動軸線周りの回動が規制されて、テーブル本体がその収納姿勢で支持される。
【0008】
そしてその回動収納式テーブルは、上記のようにして椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体を手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造が、テーブル本体の側部に設けたガイドレールと、そのガイドレールに嵌まり合う嵌合部材を突設された回動支持部材と、その回動支持部材を支持する固定支持部材と、それら回動支持部材と固定支持部材とに隣接して配置された回動ストッパ部材とを具えるので、その回動構造が、人が手を出す必要がないテーブル本体の片側または両側の側方に纏まって位置する。
【0009】
従って、本発明の回動収納式テーブルによれば、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないように回動収納され、使用時には手元近くに位置して使い勝手を良くする回動収納式テーブルを、回動構造がコンパクトに纏まるゆえ外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0010】
なお、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記回動支持部材と前記固定支持部材とが互いに嵌まり合って蓋付きのケースを形成し、前記回動ストッパ部材が前記ケース内に収容されていても良く、このようにすれば回動収納式テーブルを、さらに外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0011】
また、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記回動ストッパ部材が交換可能に設けられていても良く、このようにすれば、回動ストッパ部材による固定支持部材に対する回動支持部材のテーブル回動軸線周りの回動の規制位置を、寸法等の異なる回動ストッパ部材への交換によって容易に変更し得て、テーブル本体の使用姿勢および収納姿勢を容易に変更することができる。
【0012】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記テーブル本体が前記ガイドレール内に、前記テーブル本体の収納姿勢で前記嵌合部材と当接して前記テーブル本体の下降高さを規制する収納ストッパ手段を有していても良く、このようにすれば、その収納ストッパ手段を調節することで、収納姿勢でのテーブル本体の高さを容易に変更することができる。
【0013】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記収納ストッパ手段が、弾性部材やガスショックアブソーバ等の、前記嵌合部材との当接による衝撃を吸収するものであっても良く、このようにすれば、テーブル本体を収納姿勢にする際に騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブルの高級感を高めることができる。
【0014】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記テーブル本体支持部が、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて前記テーブル本体を前記使用姿勢から前記収納姿勢へ向けて回動附勢する、コイルスプリング等の収納回動附勢手段を有していても良く、このようにすれば、外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えるという特徴を維持しつつ、テーブル本体を容易に使用姿勢から収納姿勢へ回動させ得るようにすることができる。
【0015】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記テーブル本体支持部が、前記ガイドレールに沿う前記嵌合部材の移動に抵抗を与えてその移動速度を遅くする抵抗手段を有していても良く、このようにすれば、テーブル本体を収納姿勢にする際に移動速度を遅くして騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブルの高級感を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a),(b)および(c)は、本発明の回動収納式テーブルの一実施例をテーブル本体が収納姿勢にある状態で示す平面図、側面図および正面図であり、図中符号1で示すこの実施例の回動収納式テーブルは、例えば椅子の前方に配置される幕板Wの両側部を支持する二本の支柱Pの間に設けることができるもので、矩形の平板状の一枚のテーブル本体2と、そのテーブル本体2が、例えば水平方向に延在する図示しない使用姿勢と、上下方向に延在する図示の収納姿勢との間で回動可能なように、そのテーブル本体2の左右両側部をそれぞれ支持する二つのテーブル本体支持部3とを具えている。
【0017】
上記実施例の回動収納式テーブルの二つのテーブル本体支持部3は、互いに同一の構成を具えており、図2(a),(b),(c)および(d)は、上記実施例の回動収納式テーブルの、図1(c)ではテーブル本体2の右側部に位置する片側のテーブル本体支持部3を、二つのテーブル本体支持部3の代表として、テーブル本体2が収納姿勢の状態で示す正面図、側面図、平面図および、図2(a)中のA−A線に沿う断面図である。ここで、テーブル本体支持部3は、ケーブル本体2の側部に沿って延在するガイドレール4と、そのガイドレール4と嵌まり合ってそのガイドレール4に沿う移動を案内される、嵌合部材としての二本のガイドピン5と、それらのガイドピン5を突設された、回動支持部材としての回動ケース6と、その回動ケース6を、ガイドレール4の延在方向と直交するとともにテーブル本体2と平行に延在するテーブル回動軸線C周りに回動可能に支持する、固定支持部材としての支持ベース7と、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材としての、支持ベース7に一体に突設された二本のストッパピン8、それら回動ケース6と支持ベース7とに隣接するよう回動ケース6内に設けられて二本のストッパピン8と当接するコア部9、および二本のストッパピン8とコア部9との間に介在する一組のスペーサ10とを有している。
【0018】
図3(a),(b),(c)および(d)は、テーブル本体2と半組立て状態のガイドレール4とを例示する正面図、側面図および、図3(a)中のB−B線並びにD−D線にそれぞれ沿う断面図であり、テーブル本体2は、一般的には合板の表面に化粧板を貼って形成するが、軽量化のためにガイドレール4の取付け部のみを剛性構造として、内部を空洞にしたり内部にハニカムコア材などを充填したりしても良い。またガイドレール4は、略C形の断面形状を有するものであり、例えば軽合金の押し出し成形品や鋼板の折り曲げ加工品のほか、高強度の合成樹脂成形品でも良く、テーブル本体2を例えば軽合金や高強度合成樹脂にして、ガイドレール4をそのテーブル本体2との一体成形品にしても良い。なお、図3は、ガイドピン5の組み込みが容易なように、ガイドレール4の一端部(図では上端部)を開放した半組立て状態にした例を示し、ガイドレール4内へのガイドピン5の組込み後は、図2に示すように、収納ストッパ手段としての収納ストッパ11をガイドレール4内に嵌め入れてから、ガイドレール4の上記端部をレールエンド4aで閉じる。
【0019】
収納ストッパ11は、テーブル本体2を掴んで操作し易いように、収納状態のテーブル本体2の上端が回動軸線Cよりやや離れて上方に位置するようにするものであり、その長さでテーブル本体2の収納高さを設定する。収納ストッパ11は、レールエンド4aの内方端を延長して構成しても良いが、やや弾性を備えた合成樹脂などでガイドピン5との衝突音を減らすとか、積極的にメカニカルダンパやガスダンパに置き換えて緩衝する等の機能を付加する場合は、この実施例のようにレールエンド4aとは別体で設けたほうが、各種テーブル重量に適応させるのに都合がよい。
【0020】
図4(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケース6および支持ベース7周りの構成例を示す平面図、正面図、側面図、図4(a)中のE−E線に沿う断面図および図4(b)中のF−F線に沿う断面図、また図5(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケース6の一例を示す平面図、正面図、側面図および、図5(b)中のG−G線並びにH−H線にそれぞれ沿う断面図、そして図6(a),(b)および(c)は、支持ベース7の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ガイドピン5と回動ケース6とは回動ケースユニットを構成し、ガイドレール4の内面をスライドするガイドピン5は、回動ケース6と一体に成形してもよいが、よりスムーズな動きにするなどのためには、この実施例のように別体のローラー式ピンにすると好ましい。一方、二本のガイドピン5の代わりに、ガイドレール4の内面に嵌り合って摺動する図示しない一本の細長い、または複数本の短いスライドブロックを設け、その摺動抵抗でテーブル本体2の移動を適宜に制動するようにしても良い。
【0021】
回動ケース6は、その中央穴6aで支持ベース7の中央軸部7aと嵌まり合って支持ベース7に回動軸線C周りに回動可能に支持されるとともに、その中央穴6aに挿通されて中央軸部7aに螺着された留めネジ12で支持ベース7に対し外れ止めされる。そして回動ケース6内は、回動軸線C周りに互いに180度ずれて位置する二つの円弧状凹部9aを形成するように上記コア部9が略鼓形に形成され、それらの円弧状凹部9aは、支持ベース7の二本のストッパピン8を収容するとともに、それらのストッパピン8の、回動軸線C周りの略90度の揺動を可能にする。
【0022】
図7(a),(b)および(c)は、スペーサ10の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、スペーサ10は、回動ケース6の二つの円弧状凹部9a内にそれぞれ、コア部9の、ストッパピン8と当接する部分を緩衝する目的で設けられる。回動ケース6は、内部にコア部9を有するために、軽合金ダイキャストや高強度合成樹脂インジェクション成形品などからなることが望ましい。またスペーサ10は、例えばやや弾性を備えた合成樹脂製として、円弧状凹部9a内に嵌め合わせる。
【0023】
上記のようにスペーサ10を設けるのは、テーブル1の用途によってテーブル本体2の回動角度範囲を変更する場合に、回動ケース6全体の型を新規に準備する代わりに部分的なスペーサ10のみの型の変更で対応した方が経済的でありまた調整がし易いためでもあり、図8(a),(b)および(c)は、スペーサ10の他の例を示す平面図、正面図および側面図である。この例のスペーサ10は、図7に示すものとはストッパピン8が当接する部分のみの厚み形状を変更し、テーブル本体2の回動角度範囲を変更している。
【0024】
なお、本実施例では各スペーサ10を左右対称形に設定してあるので、一組のスペーサ10を図示例のように別体にする代わりに図示しないが互いにつなげて一体に成形しても良く、このようにしても左右のテーブル本体支持部3に共用にすることが可能である。
【0025】
図9(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケース6の他の一例を示す平面図、正面図、側面図および、図9(b)中のI−I線並びにJ−J線にそれぞれ沿う断面図であり、この例のように、回動ケース6とコア部9とを別体する一方、回動ケース6にスペーサ10の形状を一体化させることで、部品構成をシンプルにしても良い。
【0026】
図10(a),(b)および(c)は、支柱Pへのテーブル本体支持部3の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7を支柱Pに取付けることで、テーブル本体支持部3を支柱Pに支持している。また、図11(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットBRへのテーブル本体支持部3の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7をブラケットBRに取付けることで、テーブル本体支持部3を図示しない椅子の背に支持している。
【0027】
図12(a),(b)および(c)は、支柱Pへのテーブル本体支持部3の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7を支柱Pに取付ける代わりに、中央軸部7aと二本のストッパピン8とを溶接や一体成形によって支柱Pに直接突設することで、テーブル本体支持部3を支柱Pに支持している。また、図13(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットBRへのテーブル本体支持部3の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7をブラケットBRに取付ける代わりに、中央軸部7aと二本のストッパピン8とを溶接や一体成形によってブラケットBRに直接突設することで、テーブル本体支持部3を図示しない椅子の背に支持している。なお、各種の取付け条件で安定的に支持構造を実現するには、図10,11に示すように、一旦、支持ベース7と回動ケース6とをユニットとして組み立ててから、支柱PやブラケットBRにセットしたほうが、可動範囲の精度や外観品質を高めることが容易である。
【0028】
以下、ユニット構成の例を基本としてこの実施例の回動収納式テーブル1の作動を説明する。図14(a)〜(g)は、支柱Pに支持されたこの実施例の回動収納式テーブル1の作動をそれぞれ異なる段階で示す説明図であり、図14(a)はテーブル本体2の収納姿勢、図14(g)はテーブル本体2の使用姿勢をそれぞれ示している。図示のように、この実施例の回動収納式テーブル1にあっては、使用の際には、図14(a)に示すように上下方向に延在する収納姿勢にあるテーブル本体2の上端部を手で持って上方および手前側(図では右方)に引くと、図14(b),(c)に示すようにガイドレール4に沿ってガイドピン5が相対移動するようにガイドピン5に対してガイドレール4ひいてはテーブル本体2が上昇するとともに、図14(d)〜(f)に示すようにガイドピン5ひいてはそれを突設された回動ケース6が支持ベース7に対し、ガイドレール4の延在方向と直交するとともにテーブル本体2と平行に延在するテーブル回動軸線C周りに、テーブル本体2の手前端部(図では上端部)が下がるように回動することで、テーブル本体2が上昇しながら手前側に伸びて倒れ、図14(g)に示すようにテーブル本体2が水平方向に延在する使用姿勢まで倒れると、二本のストッパピン8がコア部9に、一組のスペーサ10の各々の一端部を介して当接し、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動が規制されて、テーブル本体2がその使用姿勢で支持される。
【0029】
また収納の際には、上記と逆に、図14(g)に示すように水平方向に延在する使用姿勢にあるテーブル本体2の手前端部(図では右端部)を上方および奥側(図では左方)へ押すと、図14(d)〜(f)に示すようにガイドレール4に沿ってガイドピン5が相対移動するようにガイドピン5に対してガイドレール4ひいてはテーブル本体2が奥側へ移動するとともに、ガイドピン5ひいてはそれを突設された回動ケース6が支持ベース7に対し上記テーブル回動軸線C周りに、テーブル本体2の手前端部(図では右端部)が上がるように回動することで、図14(b),(c)に示すようにテーブル本体2が下降しながら奥側に立ち、図14(a)に示すようにテーブル本体2が上下方向に延在する収納姿勢まで立つと二本のストッパピン8がコア部9に、一組のスペーサ10の各々の他端部を介して当接し、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動が規制されて、テーブル本体2がその収納姿勢で支持される。
【0030】
図15(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブル1を例えば二人掛けの連結椅子JCの前方に位置する幕板Wの両側部を支持する二本の支柱P間に配置した例を示す平面図および側面図であり、また、図16(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブル1を例えば二人掛けの連結椅子JCの列の前側の連結椅子JCの背裏に設けた二個のブラケットBR間に配置した例を示す平面図および側面図であり、図15,16の何れにおいても、図中実線で示す座Sおよびテーブル本体2はそれぞれ着座位置および使用姿勢にあり、図中仮想線で示す座Sおよびテーブル本体2はそれぞれ収納位置および収納姿勢にある。
【0031】
これら図15,16から明らかなように、この実施例の回動収納式テーブル1は、前述のようにして椅子JCへの着席者が出入りする際や椅子JCの列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体2を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体2を着座者の手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造としてのテーブル本体支持部3を具えており、そのテーブル本体支持部3が、テーブル本体2の側部に設けたガイドレール4と、そのガイドレール4に嵌まり合うガイドピン5を突設された回動ケース6と、その回動ケース6を支持する支持ベース7と、それら回動ケース6と支持ベース7とに隣接して配置されたストッパピン8、コア部9およびスペーサ10とを具えるので、その回動構造が、人が手を出す必要がないテーブル本体2の両側の側方に纏まって位置する。なお、図16に仮想線で示すように、テーブル本体2の収納姿勢は、鉛直に延在するものでなく例えば背裏に沿うように多少傾斜していても良く、同様に、テーブル本体2の使用姿勢も、水平に延在するものでなく手前側が下がるように多少傾斜していても良い。
【0032】
従って、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないように回動収納され、使用時には手元近くに位置して使い勝手を良くする回動収納式テーブルを、回動構造がコンパクトに纏まるゆえ外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0033】
また、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、回動ケース6と支持ベース7とが互いに嵌まり合って蓋付きのケース(回動ケース6がケース本体、支持ベース7が蓋に相当)を形成し、ストッパピン8、コア部9およびスペーサ10がそのケース内に収容されているので、回動収納式テーブルをさらに外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0034】
さらに、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、回動ストッパ部材を構成するスペーサ10が交換可能に設けられていることから、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動の規制位置を、図8に示す如き寸法等の異なるスペーサ10への交換によって容易に変更し得て、テーブル本体2の使用姿勢および収納姿勢を容易に変更することができる。
【0035】
さらに、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、テーブル本体2がガイドレール4内に、テーブル本体2の収納姿勢でガイドピン5と当接してーブル本体2の下降高さを規制する収納ストッパ11を有しているので、その収納ストッパ11の長さや弾性力等を調節することで、収納姿勢でのテーブル本体2の高さを容易に変更することができる。
【0036】
なお、この実施例の回動収納式テーブル1において、収納ストッパ11を、ゴムや軟質合成樹脂等からなる弾性部材やガスショックアブソーバ等の、ガイドピン5との当接による衝撃を吸収するものとすれば、テーブル本体2を収納姿勢にする際に騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブル1の高級感を高めることができる。
【0037】
また、この実施例の回動収納式テーブル1においては、テーブル本体支持部3が、回動ケース6と支持ベース7とに隣接して配置されてテーブル本体2を使用姿勢から収納姿勢へ向けて常時回動附勢し、図14(f),(g)に示す姿勢ではテーブル本体2の自重と釣り合って安定し、テーブル本体2を図14(e)に示すようにそれより持ち上げるとテーブル本体2の重心の奥側への移動に伴いテーブル本体2を収納姿勢へ向けて回動させる、コイルスプリング等の収納回動附勢手段を有するものとすれば、外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えるという特徴を維持しつつ、テーブル本体2を容易に使用姿勢から収納姿勢へ回動させ得るようにすることができる。
【0038】
さらに、この実施例の回動収納式テーブル1においては、テーブル本体支持部3が、ガイドレール4に沿う嵌合部材の移動に抵抗を与えてその移動速度を遅くする抵抗手段として、ガイドレール4に沿う摺動抵抗でテーブル本体2の移動を適宜に制動する前述のスライドブロックや、ガイドレール4に沿うラックと噛合するピニオンを設けたガイドピン5およびそのガイドピン5の回動に抵抗を与える通常のロータリダンパ等を有していても良く、このようにすれば、テーブル本体2を収納姿勢にする際に移動速度を遅くして騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブル1の高級感を高めることができる。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、テーブル本体2の厚さ方向のガイドレール4の幅または、テーブル本体2の左右方向のガイドレール4の厚みを上記実施例のものより大きくするとともに、そのガイドレール4と対応させてガイドピン5等の嵌合部材を大きくしてテーブル本体2を片持ちできるようにして、テーブル本体支持部3をテーブル本体2の片側だけに設けるようにしても良い。また、固定支持部材の方をカップ状にするとともに回動支持部材をベース状にして互いに回動可能に嵌め合せても良い。さらに、テーブル本体2の形状も、少なくともガイドレール4を設ける端部が直線状であれば良く、例えば着座者に近い側の端部が着座者を囲む凹曲線状をなす等、他の端部が曲線状であっても良い。そして、本発明の回動収納式テーブルは、椅子と組合せて使用する場合に限られず、壁面等に単独で設けて使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
かくして本発明の回動収納式テーブルによれば、テーブルの使用時にはテーブル本体を着座者の前方に位置する使用状態にし得るとともにテーブルの不使用時や人の通過時などにはテーブル本体を椅子の座の側方に位置するテーブル受けの下方に収納し得る回動収納式テーブルを、主としてテーブル受けとテーブル軸受けとテーブル本体との三つの部品で構成することができるので、テーブルの回動収納構造をシンプルかつコンパクトにし得て、コストを削減し、かつ外観を煩雑でない美麗なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a),(b)および(c)は、本発明の回動収納式テーブルの一実施例をテーブル本体が収納姿勢にある状態で示す平面図、側面図および正面図である。
【図2】(a),(b),(c)および(d)は、上記実施例の回動収納式テーブルの、図1(c)ではテーブル本体の右側部に位置する片側のテーブル本体支持部を、二つのテーブル本体支持部の代表として、テーブル本体が収納姿勢の状態で示す正面図、側面図、平面図および、図2(a)中のA−A線に沿う断面図である。
【図3】(a),(b),(c)および(d)は、テーブル本体と半組立て状態のガイドレールとを例示する正面図、側面図および、図3(a)中のB−B線並びにD−D線にそれぞれ沿う断面図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケースおよび支持ベース周りの構成例を示す平面図、正面図、側面図、図4(a)中のE−E線に沿う断面図および図4(b)中のF−F線に沿う断面図である。
【図5】(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケースの一例を示す平面図、正面図、側面図および、図5(b)中のG−G線並びにH−H線にそれぞれ沿う断面図である。
【図6】(a),(b)および(c)は、支持ベースの一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図7】(a),(b)および(c)は、スペーサの一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図8】(a),(b)および(c)は、スペーサの他の例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図9】(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケースの他の一例を示す平面図、正面図、側面図および、図9(b)中のI−I線並びにJ−J線にそれぞれ沿う断面図である。
【図10】(a),(b)および(c)は、支柱へのテーブル本体支持部の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図11】(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットへのテーブル本体支持部の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図12】(a),(b)および(c)は、支柱へのテーブル本体支持部の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図13】(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットへのテーブル本体支持部の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図14】(a)〜(g)は、支柱に支持されたこの実施例の回動収納式テーブルの作動をそれぞれ異なる段階で示す説明図である。
【図15】(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブルを例えば二人掛けの連結椅子の前方に位置する幕板の両側部を支持する二本の支柱間に配置した例を示す平面図および側面図である。
【図16】(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブルを例えば二人掛けの連結椅子の列の前側の連結椅子の背裏に設けた二個のブラケット間に配置した例を示す平面図および側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 回動収納式テーブル
2 テーブル本体
2a
2b,2c
3 テーブル本体支持部
3a
3b
3c
3d
4 ガイドレール
4a レールエンド
4b
4c
5 ガイドピン
5b
5c
6 回動ケース
6a 中央穴
7 支持ベース
7a 中央軸部
8 ストッパピン
9 コア部
9a 円弧状凹部
10 スペーサ
11 収納ストッパ
12 留めネジ
BR ブラケット
C 回動軸線
JC 連結椅子
P 支柱
S 座
W 幕板
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場・講堂等の連結椅子の背裏に取付けて使用したり、椅子の前方で幕板支柱等に取付けて使用したり、小椅子の背裏に取付けて使用したりする、回動収納式のテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の回動収納式テーブルは、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体を手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造を具えており、従来の回動収納式テーブルでは、安全性を確保したり外観を整えたりするために、テーブル本体の側部や背面等をパネルやカバーで覆ってその複雑な回動構造を隠すのが通例であった(特許文献1参照)。
【0003】
また簡易なタイプの回動収納式テーブルでは、回動構造が外部に現れて無骨な外観となったり、その回動構造のテーブル本体ストッパ部に指や手が触れ易くて安全性がやや低いものとなったりしていた(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−177467号公報
【特許文献2】特開2003−200769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ本発明は、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体を手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造を具える回動収納式テーブルであって、しかも外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えた回動収納式テーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を有利に解決するためになされたものであり、本発明の回動収納式テーブルは、平板状のテーブル本体と、前記テーブル本体が、水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢と、上下方向に延在する収納姿勢との間で回動可能なように、そのテーブル本体の側部を支持するテーブル本体支持部と、を具える回動収納式テーブルにおいて、前記テーブル本体が、そのケーブル本体の側部に沿って延在するガイドレールを有し、前記テーブル本体支持部が、前記ガイドレールと嵌まり合ってそのガイドレールに沿う移動を案内される嵌合部材と、前記嵌合部材を突設された回動支持部材と、前記回動支持部材を前記ガイドレールの延在方向と直交するとともに前記テーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに回動可能に支持する固定支持部材と、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて、前記固定支持部材に対する前記回動支持部材の前記テーブル回動軸線周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
かかる回動収納式テーブルにあっては、使用の際には、上下方向に延在する収納姿勢にあるテーブル本体の上端部を上方および手前側に引くと、ガイドレールに沿って嵌合部材が相対移動するように嵌合部材に対してガイドレールひいてはテーブル本体が上昇するとともに、嵌合部材ひいてはそれを突設された回動支持部材が固定支持部材に対し、ガイドレールの延在方向と直交するとともにテーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに、テーブル本体の手前端部が下がるように回動することで、テーブル本体が上昇しながら手前側へ伸びて倒れ、テーブル本体が水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢まで倒れると回動ストッパ部材により、固定支持部材に対する回動支持部材のテーブル回動軸線周りの回動が規制されて、テーブル本体がその使用姿勢で支持される。
【0007】
また収納の際には、水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢にあるテーブル本体の手前端部を上方および前方へ押すと、ガイドレールに沿って嵌合部材が相対移動するように嵌合部材に対してガイドレールひいてはテーブル本体が奥側へ移動するとともに、嵌合部材ひいてはそれを突設された回動支持部材が固定支持部材に対し、ガイドレールの延在方向と直交するとともにテーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに、テーブル本体の手前端部が上がるように回動することで、テーブル本体が下降しながら奥側に立ち、テーブル本体が上下方向に延在する収納姿勢まで立つと回動ストッパ部材により、固定支持部材に対する回動支持部材のテーブル回動軸線周りの回動が規制されて、テーブル本体がその収納姿勢で支持される。
【0008】
そしてその回動収納式テーブルは、上記のようにして椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体を手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造が、テーブル本体の側部に設けたガイドレールと、そのガイドレールに嵌まり合う嵌合部材を突設された回動支持部材と、その回動支持部材を支持する固定支持部材と、それら回動支持部材と固定支持部材とに隣接して配置された回動ストッパ部材とを具えるので、その回動構造が、人が手を出す必要がないテーブル本体の片側または両側の側方に纏まって位置する。
【0009】
従って、本発明の回動収納式テーブルによれば、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないように回動収納され、使用時には手元近くに位置して使い勝手を良くする回動収納式テーブルを、回動構造がコンパクトに纏まるゆえ外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0010】
なお、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記回動支持部材と前記固定支持部材とが互いに嵌まり合って蓋付きのケースを形成し、前記回動ストッパ部材が前記ケース内に収容されていても良く、このようにすれば回動収納式テーブルを、さらに外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0011】
また、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記回動ストッパ部材が交換可能に設けられていても良く、このようにすれば、回動ストッパ部材による固定支持部材に対する回動支持部材のテーブル回動軸線周りの回動の規制位置を、寸法等の異なる回動ストッパ部材への交換によって容易に変更し得て、テーブル本体の使用姿勢および収納姿勢を容易に変更することができる。
【0012】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記テーブル本体が前記ガイドレール内に、前記テーブル本体の収納姿勢で前記嵌合部材と当接して前記テーブル本体の下降高さを規制する収納ストッパ手段を有していても良く、このようにすれば、その収納ストッパ手段を調節することで、収納姿勢でのテーブル本体の高さを容易に変更することができる。
【0013】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記収納ストッパ手段が、弾性部材やガスショックアブソーバ等の、前記嵌合部材との当接による衝撃を吸収するものであっても良く、このようにすれば、テーブル本体を収納姿勢にする際に騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブルの高級感を高めることができる。
【0014】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記テーブル本体支持部が、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて前記テーブル本体を前記使用姿勢から前記収納姿勢へ向けて回動附勢する、コイルスプリング等の収納回動附勢手段を有していても良く、このようにすれば、外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えるという特徴を維持しつつ、テーブル本体を容易に使用姿勢から収納姿勢へ回動させ得るようにすることができる。
【0015】
さらに、本発明の回動収納式テーブルにおいては、前記テーブル本体支持部が、前記ガイドレールに沿う前記嵌合部材の移動に抵抗を与えてその移動速度を遅くする抵抗手段を有していても良く、このようにすれば、テーブル本体を収納姿勢にする際に移動速度を遅くして騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブルの高級感を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a),(b)および(c)は、本発明の回動収納式テーブルの一実施例をテーブル本体が収納姿勢にある状態で示す平面図、側面図および正面図であり、図中符号1で示すこの実施例の回動収納式テーブルは、例えば椅子の前方に配置される幕板Wの両側部を支持する二本の支柱Pの間に設けることができるもので、矩形の平板状の一枚のテーブル本体2と、そのテーブル本体2が、例えば水平方向に延在する図示しない使用姿勢と、上下方向に延在する図示の収納姿勢との間で回動可能なように、そのテーブル本体2の左右両側部をそれぞれ支持する二つのテーブル本体支持部3とを具えている。
【0017】
上記実施例の回動収納式テーブルの二つのテーブル本体支持部3は、互いに同一の構成を具えており、図2(a),(b),(c)および(d)は、上記実施例の回動収納式テーブルの、図1(c)ではテーブル本体2の右側部に位置する片側のテーブル本体支持部3を、二つのテーブル本体支持部3の代表として、テーブル本体2が収納姿勢の状態で示す正面図、側面図、平面図および、図2(a)中のA−A線に沿う断面図である。ここで、テーブル本体支持部3は、ケーブル本体2の側部に沿って延在するガイドレール4と、そのガイドレール4と嵌まり合ってそのガイドレール4に沿う移動を案内される、嵌合部材としての二本のガイドピン5と、それらのガイドピン5を突設された、回動支持部材としての回動ケース6と、その回動ケース6を、ガイドレール4の延在方向と直交するとともにテーブル本体2と平行に延在するテーブル回動軸線C周りに回動可能に支持する、固定支持部材としての支持ベース7と、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材としての、支持ベース7に一体に突設された二本のストッパピン8、それら回動ケース6と支持ベース7とに隣接するよう回動ケース6内に設けられて二本のストッパピン8と当接するコア部9、および二本のストッパピン8とコア部9との間に介在する一組のスペーサ10とを有している。
【0018】
図3(a),(b),(c)および(d)は、テーブル本体2と半組立て状態のガイドレール4とを例示する正面図、側面図および、図3(a)中のB−B線並びにD−D線にそれぞれ沿う断面図であり、テーブル本体2は、一般的には合板の表面に化粧板を貼って形成するが、軽量化のためにガイドレール4の取付け部のみを剛性構造として、内部を空洞にしたり内部にハニカムコア材などを充填したりしても良い。またガイドレール4は、略C形の断面形状を有するものであり、例えば軽合金の押し出し成形品や鋼板の折り曲げ加工品のほか、高強度の合成樹脂成形品でも良く、テーブル本体2を例えば軽合金や高強度合成樹脂にして、ガイドレール4をそのテーブル本体2との一体成形品にしても良い。なお、図3は、ガイドピン5の組み込みが容易なように、ガイドレール4の一端部(図では上端部)を開放した半組立て状態にした例を示し、ガイドレール4内へのガイドピン5の組込み後は、図2に示すように、収納ストッパ手段としての収納ストッパ11をガイドレール4内に嵌め入れてから、ガイドレール4の上記端部をレールエンド4aで閉じる。
【0019】
収納ストッパ11は、テーブル本体2を掴んで操作し易いように、収納状態のテーブル本体2の上端が回動軸線Cよりやや離れて上方に位置するようにするものであり、その長さでテーブル本体2の収納高さを設定する。収納ストッパ11は、レールエンド4aの内方端を延長して構成しても良いが、やや弾性を備えた合成樹脂などでガイドピン5との衝突音を減らすとか、積極的にメカニカルダンパやガスダンパに置き換えて緩衝する等の機能を付加する場合は、この実施例のようにレールエンド4aとは別体で設けたほうが、各種テーブル重量に適応させるのに都合がよい。
【0020】
図4(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケース6および支持ベース7周りの構成例を示す平面図、正面図、側面図、図4(a)中のE−E線に沿う断面図および図4(b)中のF−F線に沿う断面図、また図5(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケース6の一例を示す平面図、正面図、側面図および、図5(b)中のG−G線並びにH−H線にそれぞれ沿う断面図、そして図6(a),(b)および(c)は、支持ベース7の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ガイドピン5と回動ケース6とは回動ケースユニットを構成し、ガイドレール4の内面をスライドするガイドピン5は、回動ケース6と一体に成形してもよいが、よりスムーズな動きにするなどのためには、この実施例のように別体のローラー式ピンにすると好ましい。一方、二本のガイドピン5の代わりに、ガイドレール4の内面に嵌り合って摺動する図示しない一本の細長い、または複数本の短いスライドブロックを設け、その摺動抵抗でテーブル本体2の移動を適宜に制動するようにしても良い。
【0021】
回動ケース6は、その中央穴6aで支持ベース7の中央軸部7aと嵌まり合って支持ベース7に回動軸線C周りに回動可能に支持されるとともに、その中央穴6aに挿通されて中央軸部7aに螺着された留めネジ12で支持ベース7に対し外れ止めされる。そして回動ケース6内は、回動軸線C周りに互いに180度ずれて位置する二つの円弧状凹部9aを形成するように上記コア部9が略鼓形に形成され、それらの円弧状凹部9aは、支持ベース7の二本のストッパピン8を収容するとともに、それらのストッパピン8の、回動軸線C周りの略90度の揺動を可能にする。
【0022】
図7(a),(b)および(c)は、スペーサ10の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、スペーサ10は、回動ケース6の二つの円弧状凹部9a内にそれぞれ、コア部9の、ストッパピン8と当接する部分を緩衝する目的で設けられる。回動ケース6は、内部にコア部9を有するために、軽合金ダイキャストや高強度合成樹脂インジェクション成形品などからなることが望ましい。またスペーサ10は、例えばやや弾性を備えた合成樹脂製として、円弧状凹部9a内に嵌め合わせる。
【0023】
上記のようにスペーサ10を設けるのは、テーブル1の用途によってテーブル本体2の回動角度範囲を変更する場合に、回動ケース6全体の型を新規に準備する代わりに部分的なスペーサ10のみの型の変更で対応した方が経済的でありまた調整がし易いためでもあり、図8(a),(b)および(c)は、スペーサ10の他の例を示す平面図、正面図および側面図である。この例のスペーサ10は、図7に示すものとはストッパピン8が当接する部分のみの厚み形状を変更し、テーブル本体2の回動角度範囲を変更している。
【0024】
なお、本実施例では各スペーサ10を左右対称形に設定してあるので、一組のスペーサ10を図示例のように別体にする代わりに図示しないが互いにつなげて一体に成形しても良く、このようにしても左右のテーブル本体支持部3に共用にすることが可能である。
【0025】
図9(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケース6の他の一例を示す平面図、正面図、側面図および、図9(b)中のI−I線並びにJ−J線にそれぞれ沿う断面図であり、この例のように、回動ケース6とコア部9とを別体する一方、回動ケース6にスペーサ10の形状を一体化させることで、部品構成をシンプルにしても良い。
【0026】
図10(a),(b)および(c)は、支柱Pへのテーブル本体支持部3の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7を支柱Pに取付けることで、テーブル本体支持部3を支柱Pに支持している。また、図11(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットBRへのテーブル本体支持部3の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7をブラケットBRに取付けることで、テーブル本体支持部3を図示しない椅子の背に支持している。
【0027】
図12(a),(b)および(c)は、支柱Pへのテーブル本体支持部3の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7を支柱Pに取付ける代わりに、中央軸部7aと二本のストッパピン8とを溶接や一体成形によって支柱Pに直接突設することで、テーブル本体支持部3を支柱Pに支持している。また、図13(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットBRへのテーブル本体支持部3の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図であり、ここでは支持ベース7をブラケットBRに取付ける代わりに、中央軸部7aと二本のストッパピン8とを溶接や一体成形によってブラケットBRに直接突設することで、テーブル本体支持部3を図示しない椅子の背に支持している。なお、各種の取付け条件で安定的に支持構造を実現するには、図10,11に示すように、一旦、支持ベース7と回動ケース6とをユニットとして組み立ててから、支柱PやブラケットBRにセットしたほうが、可動範囲の精度や外観品質を高めることが容易である。
【0028】
以下、ユニット構成の例を基本としてこの実施例の回動収納式テーブル1の作動を説明する。図14(a)〜(g)は、支柱Pに支持されたこの実施例の回動収納式テーブル1の作動をそれぞれ異なる段階で示す説明図であり、図14(a)はテーブル本体2の収納姿勢、図14(g)はテーブル本体2の使用姿勢をそれぞれ示している。図示のように、この実施例の回動収納式テーブル1にあっては、使用の際には、図14(a)に示すように上下方向に延在する収納姿勢にあるテーブル本体2の上端部を手で持って上方および手前側(図では右方)に引くと、図14(b),(c)に示すようにガイドレール4に沿ってガイドピン5が相対移動するようにガイドピン5に対してガイドレール4ひいてはテーブル本体2が上昇するとともに、図14(d)〜(f)に示すようにガイドピン5ひいてはそれを突設された回動ケース6が支持ベース7に対し、ガイドレール4の延在方向と直交するとともにテーブル本体2と平行に延在するテーブル回動軸線C周りに、テーブル本体2の手前端部(図では上端部)が下がるように回動することで、テーブル本体2が上昇しながら手前側に伸びて倒れ、図14(g)に示すようにテーブル本体2が水平方向に延在する使用姿勢まで倒れると、二本のストッパピン8がコア部9に、一組のスペーサ10の各々の一端部を介して当接し、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動が規制されて、テーブル本体2がその使用姿勢で支持される。
【0029】
また収納の際には、上記と逆に、図14(g)に示すように水平方向に延在する使用姿勢にあるテーブル本体2の手前端部(図では右端部)を上方および奥側(図では左方)へ押すと、図14(d)〜(f)に示すようにガイドレール4に沿ってガイドピン5が相対移動するようにガイドピン5に対してガイドレール4ひいてはテーブル本体2が奥側へ移動するとともに、ガイドピン5ひいてはそれを突設された回動ケース6が支持ベース7に対し上記テーブル回動軸線C周りに、テーブル本体2の手前端部(図では右端部)が上がるように回動することで、図14(b),(c)に示すようにテーブル本体2が下降しながら奥側に立ち、図14(a)に示すようにテーブル本体2が上下方向に延在する収納姿勢まで立つと二本のストッパピン8がコア部9に、一組のスペーサ10の各々の他端部を介して当接し、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動が規制されて、テーブル本体2がその収納姿勢で支持される。
【0030】
図15(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブル1を例えば二人掛けの連結椅子JCの前方に位置する幕板Wの両側部を支持する二本の支柱P間に配置した例を示す平面図および側面図であり、また、図16(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブル1を例えば二人掛けの連結椅子JCの列の前側の連結椅子JCの背裏に設けた二個のブラケットBR間に配置した例を示す平面図および側面図であり、図15,16の何れにおいても、図中実線で示す座Sおよびテーブル本体2はそれぞれ着座位置および使用姿勢にあり、図中仮想線で示す座Sおよびテーブル本体2はそれぞれ収納位置および収納姿勢にある。
【0031】
これら図15,16から明らかなように、この実施例の回動収納式テーブル1は、前述のようにして椅子JCへの着席者が出入りする際や椅子JCの列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないようにテーブル本体2を回動させて収納し、使用時にはテーブル本体2を着座者の手元近くに位置させて使い勝手を良くする回動構造としてのテーブル本体支持部3を具えており、そのテーブル本体支持部3が、テーブル本体2の側部に設けたガイドレール4と、そのガイドレール4に嵌まり合うガイドピン5を突設された回動ケース6と、その回動ケース6を支持する支持ベース7と、それら回動ケース6と支持ベース7とに隣接して配置されたストッパピン8、コア部9およびスペーサ10とを具えるので、その回動構造が、人が手を出す必要がないテーブル本体2の両側の側方に纏まって位置する。なお、図16に仮想線で示すように、テーブル本体2の収納姿勢は、鉛直に延在するものでなく例えば背裏に沿うように多少傾斜していても良く、同様に、テーブル本体2の使用姿勢も、水平に延在するものでなく手前側が下がるように多少傾斜していても良い。
【0032】
従って、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、椅子への着席者が出入りする際や椅子の列と列の間を通り抜ける際に邪魔にならないように回動収納され、使用時には手元近くに位置して使い勝手を良くする回動収納式テーブルを、回動構造がコンパクトに纏まるゆえ外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0033】
また、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、回動ケース6と支持ベース7とが互いに嵌まり合って蓋付きのケース(回動ケース6がケース本体、支持ベース7が蓋に相当)を形成し、ストッパピン8、コア部9およびスペーサ10がそのケース内に収容されているので、回動収納式テーブルをさらに外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えたものとすることができる。
【0034】
さらに、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、回動ストッパ部材を構成するスペーサ10が交換可能に設けられていることから、支持ベース7に対する回動ケース6のテーブル回動軸線C周りの回動の規制位置を、図8に示す如き寸法等の異なるスペーサ10への交換によって容易に変更し得て、テーブル本体2の使用姿勢および収納姿勢を容易に変更することができる。
【0035】
さらに、この実施例の回動収納式テーブル1によれば、テーブル本体2がガイドレール4内に、テーブル本体2の収納姿勢でガイドピン5と当接してーブル本体2の下降高さを規制する収納ストッパ11を有しているので、その収納ストッパ11の長さや弾性力等を調節することで、収納姿勢でのテーブル本体2の高さを容易に変更することができる。
【0036】
なお、この実施例の回動収納式テーブル1において、収納ストッパ11を、ゴムや軟質合成樹脂等からなる弾性部材やガスショックアブソーバ等の、ガイドピン5との当接による衝撃を吸収するものとすれば、テーブル本体2を収納姿勢にする際に騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブル1の高級感を高めることができる。
【0037】
また、この実施例の回動収納式テーブル1においては、テーブル本体支持部3が、回動ケース6と支持ベース7とに隣接して配置されてテーブル本体2を使用姿勢から収納姿勢へ向けて常時回動附勢し、図14(f),(g)に示す姿勢ではテーブル本体2の自重と釣り合って安定し、テーブル本体2を図14(e)に示すようにそれより持ち上げるとテーブル本体2の重心の奥側への移動に伴いテーブル本体2を収納姿勢へ向けて回動させる、コイルスプリング等の収納回動附勢手段を有するものとすれば、外観が美麗で、シンプルな構造で、安全性を高く備えるという特徴を維持しつつ、テーブル本体2を容易に使用姿勢から収納姿勢へ回動させ得るようにすることができる。
【0038】
さらに、この実施例の回動収納式テーブル1においては、テーブル本体支持部3が、ガイドレール4に沿う嵌合部材の移動に抵抗を与えてその移動速度を遅くする抵抗手段として、ガイドレール4に沿う摺動抵抗でテーブル本体2の移動を適宜に制動する前述のスライドブロックや、ガイドレール4に沿うラックと噛合するピニオンを設けたガイドピン5およびそのガイドピン5の回動に抵抗を与える通常のロータリダンパ等を有していても良く、このようにすれば、テーブル本体2を収納姿勢にする際に移動速度を遅くして騒音の発生を防止し得て、回動収納式テーブル1の高級感を高めることができる。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、テーブル本体2の厚さ方向のガイドレール4の幅または、テーブル本体2の左右方向のガイドレール4の厚みを上記実施例のものより大きくするとともに、そのガイドレール4と対応させてガイドピン5等の嵌合部材を大きくしてテーブル本体2を片持ちできるようにして、テーブル本体支持部3をテーブル本体2の片側だけに設けるようにしても良い。また、固定支持部材の方をカップ状にするとともに回動支持部材をベース状にして互いに回動可能に嵌め合せても良い。さらに、テーブル本体2の形状も、少なくともガイドレール4を設ける端部が直線状であれば良く、例えば着座者に近い側の端部が着座者を囲む凹曲線状をなす等、他の端部が曲線状であっても良い。そして、本発明の回動収納式テーブルは、椅子と組合せて使用する場合に限られず、壁面等に単独で設けて使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
かくして本発明の回動収納式テーブルによれば、テーブルの使用時にはテーブル本体を着座者の前方に位置する使用状態にし得るとともにテーブルの不使用時や人の通過時などにはテーブル本体を椅子の座の側方に位置するテーブル受けの下方に収納し得る回動収納式テーブルを、主としてテーブル受けとテーブル軸受けとテーブル本体との三つの部品で構成することができるので、テーブルの回動収納構造をシンプルかつコンパクトにし得て、コストを削減し、かつ外観を煩雑でない美麗なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a),(b)および(c)は、本発明の回動収納式テーブルの一実施例をテーブル本体が収納姿勢にある状態で示す平面図、側面図および正面図である。
【図2】(a),(b),(c)および(d)は、上記実施例の回動収納式テーブルの、図1(c)ではテーブル本体の右側部に位置する片側のテーブル本体支持部を、二つのテーブル本体支持部の代表として、テーブル本体が収納姿勢の状態で示す正面図、側面図、平面図および、図2(a)中のA−A線に沿う断面図である。
【図3】(a),(b),(c)および(d)は、テーブル本体と半組立て状態のガイドレールとを例示する正面図、側面図および、図3(a)中のB−B線並びにD−D線にそれぞれ沿う断面図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケースおよび支持ベース周りの構成例を示す平面図、正面図、側面図、図4(a)中のE−E線に沿う断面図および図4(b)中のF−F線に沿う断面図である。
【図5】(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケースの一例を示す平面図、正面図、側面図および、図5(b)中のG−G線並びにH−H線にそれぞれ沿う断面図である。
【図6】(a),(b)および(c)は、支持ベースの一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図7】(a),(b)および(c)は、スペーサの一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図8】(a),(b)および(c)は、スペーサの他の例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図9】(a),(b),(c),(d)および(e)は、回動ケースの他の一例を示す平面図、正面図、側面図および、図9(b)中のI−I線並びにJ−J線にそれぞれ沿う断面図である。
【図10】(a),(b)および(c)は、支柱へのテーブル本体支持部の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図11】(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットへのテーブル本体支持部の支持方法の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図12】(a),(b)および(c)は、支柱へのテーブル本体支持部の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図13】(a),(b)および(c)は、椅子の背裏に設けられた二個のブラケットへのテーブル本体支持部の支持方法の他の一例を示す平面図、正面図および側面図である。
【図14】(a)〜(g)は、支柱に支持されたこの実施例の回動収納式テーブルの作動をそれぞれ異なる段階で示す説明図である。
【図15】(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブルを例えば二人掛けの連結椅子の前方に位置する幕板の両側部を支持する二本の支柱間に配置した例を示す平面図および側面図である。
【図16】(a)および(b)は、この実施例の回動収納式テーブルを例えば二人掛けの連結椅子の列の前側の連結椅子の背裏に設けた二個のブラケット間に配置した例を示す平面図および側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 回動収納式テーブル
2 テーブル本体
2a
2b,2c
3 テーブル本体支持部
3a
3b
3c
3d
4 ガイドレール
4a レールエンド
4b
4c
5 ガイドピン
5b
5c
6 回動ケース
6a 中央穴
7 支持ベース
7a 中央軸部
8 ストッパピン
9 コア部
9a 円弧状凹部
10 スペーサ
11 収納ストッパ
12 留めネジ
BR ブラケット
C 回動軸線
JC 連結椅子
P 支柱
S 座
W 幕板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状のテーブル本体と、
前記テーブル本体が、水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢と、上下方向に延在する収納姿勢との間で回動可能なように、そのテーブル本体の側部を支持するテーブル本体支持部と、
を具える回動収納式テーブルにおいて、
前記テーブル本体は、そのケーブル本体の側部に沿って延在するガイドレールを有し、
前記テーブル本体支持部は、
前記ガイドレールと嵌まり合ってそのガイドレールに沿う移動を案内される嵌合部材と、
前記嵌合部材を突設された回動支持部材と、
前記回動支持部材を前記ガイドレールの延在方向と直交するとともに前記テーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに回動可能に支持する固定支持部材と、
前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて、前記固定支持部材に対する前記回動支持部材の前記テーブル回動軸線周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材と、を有することを特徴とする、回動収納式テーブル。
【請求項2】
前記回動支持部材と前記固定支持部材とは互いに嵌まり合って蓋付きのケースを形成し、
前記回動ストッパ部材は前記ケース内に収容されている、請求項1記載の回動収納式テーブル。
【請求項3】
前記回動ストッパ部材は交換可能に設けられている、請求項1または2記載の回動収納式テーブル。
【請求項4】
前記テーブル本体は前記ガイドレール内に、前記テーブル本体の収納姿勢で前記嵌合部材と当接して前記テーブル本体の下降高さを規制する収納ストッパ手段を有することを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の回動収納式テーブル。
【請求項5】
前記収納ストッパ手段は、前記嵌合部材との当接による衝撃を吸収することを特徴とする、請求項4記載の回動収納式テーブル。
【請求項6】
前記テーブル本体支持部は、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて前記テーブル本体を前記使用姿勢から前記収納姿勢へ向けて回動附勢する収納回動附勢手段を有することを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項記載の回動収納式テーブル。
【請求項7】
前記テーブル本体支持部は、前記ガイドレールに沿う前記嵌合部材の移動に抵抗を与えてその移動速度を遅くする抵抗手段を有することを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項記載の回動収納式テーブル。
【請求項1】
平板状のテーブル本体と、
前記テーブル本体が、水平方向または傾斜方向に延在する使用姿勢と、上下方向に延在する収納姿勢との間で回動可能なように、そのテーブル本体の側部を支持するテーブル本体支持部と、
を具える回動収納式テーブルにおいて、
前記テーブル本体は、そのケーブル本体の側部に沿って延在するガイドレールを有し、
前記テーブル本体支持部は、
前記ガイドレールと嵌まり合ってそのガイドレールに沿う移動を案内される嵌合部材と、
前記嵌合部材を突設された回動支持部材と、
前記回動支持部材を前記ガイドレールの延在方向と直交するとともに前記テーブル本体と平行に延在するテーブル回動軸線周りに回動可能に支持する固定支持部材と、
前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて、前記固定支持部材に対する前記回動支持部材の前記テーブル回動軸線周りの回動を所定範囲に規制する回動ストッパ部材と、を有することを特徴とする、回動収納式テーブル。
【請求項2】
前記回動支持部材と前記固定支持部材とは互いに嵌まり合って蓋付きのケースを形成し、
前記回動ストッパ部材は前記ケース内に収容されている、請求項1記載の回動収納式テーブル。
【請求項3】
前記回動ストッパ部材は交換可能に設けられている、請求項1または2記載の回動収納式テーブル。
【請求項4】
前記テーブル本体は前記ガイドレール内に、前記テーブル本体の収納姿勢で前記嵌合部材と当接して前記テーブル本体の下降高さを規制する収納ストッパ手段を有することを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の回動収納式テーブル。
【請求項5】
前記収納ストッパ手段は、前記嵌合部材との当接による衝撃を吸収することを特徴とする、請求項4記載の回動収納式テーブル。
【請求項6】
前記テーブル本体支持部は、前記回動支持部材と前記固定支持部材とに隣接して配置されて前記テーブル本体を前記使用姿勢から前記収納姿勢へ向けて回動附勢する収納回動附勢手段を有することを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項記載の回動収納式テーブル。
【請求項7】
前記テーブル本体支持部は、前記ガイドレールに沿う前記嵌合部材の移動に抵抗を与えてその移動速度を遅くする抵抗手段を有することを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項記載の回動収納式テーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−112461(P2009−112461A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287692(P2007−287692)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(391004919)株式会社コトブキ (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(391004919)株式会社コトブキ (27)
【Fターム(参考)】
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