回路基板支持構造および画像形成装置
【課題】小型化された回路基板を対象として電子部品の実装スペースを拡大できる構成を備えた回路基板支持構造を提供する。
【解決手段】矩形外形の端縁の一つにおける1カ所に形成されたスリット部201Aと、スリット部が設けられている端縁と対向する端縁において複数箇所に設けられた締結部材挿通部201B,201Cとを備えるだけで四隅での締結を行わない回路基板201と、シャーシーあるいは電装ボックスにおける回路基板支持位置において、スリット部に嵌合可能な形状を有する突起部210’と、締結部材挿通部の位置に対応して設けられて締結部を有する締結保持部220A、220Bとを有し、突起部は、スリット部が挿入された場合の回路基板の揺動支点をなし、揺動後に締結保持部に載置された回路基板のスリット部の長手方向一方端縁を突き当てさせることで回路基板と締結保持部との締結位置を一致させることを特徴とする。
【解決手段】矩形外形の端縁の一つにおける1カ所に形成されたスリット部201Aと、スリット部が設けられている端縁と対向する端縁において複数箇所に設けられた締結部材挿通部201B,201Cとを備えるだけで四隅での締結を行わない回路基板201と、シャーシーあるいは電装ボックスにおける回路基板支持位置において、スリット部に嵌合可能な形状を有する突起部210’と、締結部材挿通部の位置に対応して設けられて締結部を有する締結保持部220A、220Bとを有し、突起部は、スリット部が挿入された場合の回路基板の揺動支点をなし、揺動後に締結保持部に載置された回路基板のスリット部の長手方向一方端縁を突き当てさせることで回路基板と締結保持部との締結位置を一致させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板支持構造および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、回路基板の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電化製品あるいは電気回路などを用いる画像形成装置などには、制御回路や電源回路を装備した回路基板が用いられている。
回路基板は、これが実装される装置の筐体に設けられるシャーシーや電装ボックスと非接触な状態で支持されて固定されるようになっている。
回路基板は、四隅に設けられている貫通穴に挿通されるネジによりシャーシーや電装ボックスの取り付け部に締結保持される。
回路基板の支持に際しては、シャーシーや電装ボックス表面から突出するネジ座を設け、このネジ座に形成されたネジ部に対して回路基板に挿通されたネジを締結するようになっている。
【0003】
一方、近年では電子機器の小型化に伴い、回路基板への電子部品の高密度実装化が進んできており、回路基板でのデッドスペースを少なくして回路基板での実装スペースを有効に活用できるようにすることが望まれてきている。
このため、回路基板の締結に用いられる貫通部を設けるスペースも実装スペース確保のために縮小傾向にある。
【0004】
従来、上述した締結スペースの低減を図るための構成として、シャーシーとこれに形成された突起部に挿入される挟持部材を用いて回路基板の隅部の内の1カ所を締結ではなく挟持することにより支持できるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
ところで、締結により回路基板を支持する際には、回路基板の締結位置とシャーシー側の取り付け位置との整合状態を確認する必要がある。しかし、シャーシーの上面に回路基板が位置した状態で締結する際には回路基板が邪魔となって両者の取り付け位置の確認が難しい場合がある。
【0006】
そこで、従来では、取り付け位置の整合を簡単に行うための構成として、回路基板の締結位置近傍の隅部外周縁に当接可能な突き当て部をシャーシー側に設け、突き当て部に回路基板を突き当てることで両者の締結位置、つまり取り付け位置を割り出せるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献に開示されている構成では、締結作業時に必要なスペースが電子部品の実装スペースを狭めてしまう点に関しての考慮がなされていない。
一般に、シャーシーや電装ボックスへの回路基板の取り付けに際しては、電動モータなどを用いた作業により作業時間の短縮が図られることが多い。このため、締結位置の周囲には、電動モータやあるいはねじ回しなどが占有するスペースが必要となり、そのスペースが電子部品の実装不可領域となる。
【0008】
図13は、上述した回路基板の取り付けに係る回路基板の構成を示す図であり、同図において、回路基板Pの四隅において所定位置(図では、5mmと表示した位置)に締結部材の挿通穴が設けられ、その周辺部が作業工具の占有スペース(図では、ドライバ当たり回避領域と表示してある)となる。
従って、回路基板Pにおける各端縁部において締結部材の挿通穴同士を結んだ範囲の外側には電子部品の実装ができないばかりでなく、作業工具の占有スペース内にも実装できなくなる。
【0009】
このように、締結位置の数を少なくした場合でも、電子部品の実装不可領域が必要となる分、回路基板での電子部品の実装スペースを大きくすることができない。このため、回路基板での実装スペースを有効に活用、特に拡大して回路基板の実装効率を向上させることができないという問題が未だ解決されないままとなっているのが現状である。
【0010】
本発明の目的は、上記従来の回路基板支持構造における問題に鑑み、小型化された回路基板を対象として電子部品の実装スペースを拡大できる構成を備えた回路基板支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するための本発明は、電子部品が実装された回路基板をシャーシーあるいは電装ボックスにて支持するために用いられる回路基板支持構造であって、
矩形外形の端縁の一つにおける1カ所に形成されたスリット部と、該スリット部が設けられている端縁と対向する端縁において複数箇所に設けられた締結部材挿通部とを備えた回路基板と、
前記シャーシーあるいは電装ボックスにおける回路基板支持位置において、前記スリット部に嵌合可能な形状を有する突起部と、前記締結部材挿通部の位置に対応して設けられて締結部を有する締結保持部とを有し、
前記突起部は、前記回路基板のスリット部を挿入してから前記締結保持部側に該回路基板を載置する向きに該回路基板を揺動させる支点部として用いられ、揺動した回路基板側の締結部材挿通部と前記締結保持部との位置決めが可能な部分であることを特徴とする回路基板支持構造。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回路基板の締結箇所として、回路基板に設けられているスリット部と対向する端縁部のみを対象とすることができる。これにより、締結箇所を少なくしてこれに拘わる作業空間が占有するスペースを小さくして回路基板内での電子部品実装領域を拡大することができる。
【0013】
しかも、回路基板を支持する際には、シャーシー側に設けられている突起部を回路基板の締結位置整合のための部分として用いることができるので、回路基板の締結位置決めを容易化して回路基板を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態にかかる回路基板支持構造を備えた電装ボックスが適用される画像形成装置を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる電装ボックスを示す図である。
【図3】図2に示した電装ボックス内の構成を説明するための図である。
【図4】図3に示した電装ボックスにおける回路基板支持部の構成を説明するための図である。
【図5】本実施形態にかかる回路基板支持構造に用いられる回路基板の構成を説明するための図である。
【図6】図5に示した回路基板支持構造に関する一実施例を説明するための図である。
【図7】図5に示した回路基板支持構造に関する他の実施例を説明するための図である。
【図8】図7に示した回路基板支持構造における突起部の構成を示す図である。
【図9】図7に示した回路基板支持構造における締結保持部の構成を示す図である。
【図10】図7に示した回路基板支持構造における回路基板装着前の状態を示す図である。
【図11】図10に示した状態の回路基板の一部を回路基板支持構造に装着した状態および回路基板の一部を装着してから揺動させた状態を示す図である。
【図12】図11に示した回路基板の締結後の状態を示す図である。
【図13】従来の回路基板の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、回路基板支持構造を備えた電装ボックスが用いられる画像形成装置の構成を示す図であり、その構成を説明すると次の通りである。
【0016】
図1において、画像形成装置100には、本体内に中間転写ユニット101における未定着像担持体としての中間転写ベルト80の下面に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。
これらの作像部6Y、6M、6C、6Bk、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外は同一構造である。
【0017】
各作像部6Y、6M、6C、6Bkは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkと、感光体ドラム1の周囲に配設された図示しない帯電手段、現像装置5Y、5M、5C、5Bk、図示しないクリーニング手段等で構成されている。
【0018】
感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上で、作像プロセスとして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程が順次行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に所望のトナー像が形成される。
帯電工程では、感光体ドラム1が、図示しない駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段の位置で表面が一様に帯電される。
露光工程では、感光体ドラム1の表面が、露光書き込み部LBから発せられたレーザ光の照射位置に達すると、この位置での露光走査されることにより静電潜像を上記表面に形成される。
現像工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、現像装置5Y、5M、5C、5Bkとの対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される。
【0019】
転写工程は、転写装置101に装備されている中間転写ベルト80に対して順次画像を重ねて転写する1次転写工程と、重畳された画像を記録媒体としての転写紙Pに一括転写する2次転写工程とが用いられ、1次転写工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、中間転写ベルト80及び1次転写バイアスローラ90Y,90M,90C,90Bkとの対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上のトナー像が中間転写ベルト80上に転写される。
【0020】
2次転写工程では、後述するように、2次転写手段としての2次転写ローラ190により中間転写ベルト80上の重畳画像が転写紙Pに対して一括転写される。
1次転写後に実行されるクリーニング工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、クリーニング装置(図示されず)との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に残存した未転写トナーが回収される。クリーニング後、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面は図示しない除電ローラにより電位を初期化される。このような工程を経て、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
【0021】
上述した作像プロセスは、図1に示すように、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkにおいてそれぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された露光書き込み部LBから、画像情報に基づいたレーザ光が、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム1上に向けて照射される。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト80上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト80上にカラー画像が形成される。
【0022】
4つの1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkは、それぞれ、中間転写ベルト80を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkにはトナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト80は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト80上に重ねて1次転写される。
【0023】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト80は、2次転写手段としての2次転写ローラ190との対向位置に達する。中間転写ベルト80上に担持されているカラートナー像は、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての転写紙P上に転写される。このような手順を経て一連の転写プロセスが終了する。
【0024】
画像形成装置100の本体(以下、便宜上、装置本体100ともいう)の下部に配設された給紙部260には転写紙Pが複数枚重ねて収納されており、給紙コロ270により1枚ずつ分離されて給紙される。
給紙された転写紙Pはレジストローラ対280で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対280により所定のタイミングで2次転写ニップに向けて搬送される。そして、2次転写ニップにおいて転写紙P上に、中間転写ベルト80に担持されている画像が一括転写され、中間転写ベルト80上の画像が色毎の重畳画像である場合には所望のカラー画像が転写される。
【0025】
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された転写紙Pは、定着部110へ搬送され、ここで、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対290により、装置本体上面に形成された排紙部300へ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。図1において、符号320は読み取り部を示している。
【0026】
各色の画像形成を行う作像部6Y、6M、6C、6Bkは、詳細を図示しないが、感光体ドラム1の周囲に配置されて画像形成処理を実行する帯電装置、現像装置、クリーニング装置を纏めて収納したプロセスカートリッジが用いられ、保守点検や部品交換時に装置本体から取り出せるようになっている。
【0027】
図2は、画像形成装置100の本体を構成している筐体100Bを示す図であり、同図では、図1において示した読み取り部320および外装パネル100Aが取り付けられている状態から、読み取り部320および外装パネル100Aの一部を取り除いた状態での筐体が示されている。
【0028】
同図において、筐体100Bの内部には、前述した作像部に用いられるプロセスカートリッジ102が複数並置されるスペースが設けられており、プロセスカートリッジ102の長手方向一方側には、画像形成装置100の外装パネル100Aと同一面上に位置して装置の外装面の一部をなす表面200Hを有する電装ボックスとしての電装ユニット200が設けられている。
【0029】
図3は、電装ユニット200の内部を示す図であり、電装ユニット200内には、画像形成装置の稼働や制御に必要な電源回路や制御回路に用いられる電子部品が実装された回路基板201やデータ等を対象とした記憶装置202が配備されている。
【0030】
図4は、図3に示した回路基板201の一つを対象とした支持部を示しており、同図(A)には、回路基板201が搭載された状態が、同図(B)には、回路基板201を取り外した状態がそれぞれ示されている。
図4において回路基板支持部では、電装ユニット200の一部に設けられている突起部210および締結保持部220に回路基板201が搭載されるようになっている。
【0031】
図5は、回路基板支持構造に用いられる回路基板の構成を示す平面図である。
同図において回路基板201は、矩形形状における端縁の一つにスリット部201Aが設けられ、スリット部201Aが設けられている端縁と対向する側の端縁には、その両隅部に締結部材挿通穴201B、201Cがそれぞれ設けられている。
【0032】
スリット部201Aは、回路基板201の幅方向(図5(A)において符号Wで示す方向)の中央で、その方向に沿った長手方向を有する長穴が用いられ、締結部材挿通穴201B、201Cの一つ(便宜上、符号201Bが相当)は、スリット部201Aと同じ方向の長手方向を有する長穴が用いられ、そして締結部材挿通穴の他の一つ201Cは、ボルトあるいは子ネジ等の締結部材が挿通できる丸穴が用いられている。
【0033】
スリット部201の長手方向の長さは、後述する突起部210に挿入されてから回路基板201の幅方向に移動させた際に、締結部材挿通穴201B,201Cとシャーシー200S側に設けられている締結保持部220の雌ねじ部とが整合できる位置までの移動量に対応させてある。
締結部材挿通穴の周囲には、例えば、回路での接地部としてのパターン印刷が施されている。なお、図5においては、便宜上、締結部材挿通穴201B、201Cの周囲に設定される作業工具の占有スペース(便宜上、符号LX,LYで示す縦方向および横方向での寸法部分)を符号LGで示してある。
【0034】
従って、締結部材の挿通位置は、回路基板201における端縁の一つにおける隅部(符号LGで示す領域)のみを対象として設けられていることになる。
【0035】
一方、スリット部201Aが形成されている端縁では、スリット部201Aの短軸方向での寸法分の領域は、電子部品の実装ができない領域(図5において便宜上、符号LY’で示す領域)であるが、隅部を含めて上述した短軸方向の寸法を除く領域(図中、二点鎖線で囲まれた領域)が電子部品を実装できる領域として使用できることになる。
【0036】
従って、図13に示したように、回路基板の四隅を締結箇所とする場合と違って、締結箇所が設けられている端縁と対向する端縁ではスリット部201Aのみであるため、スリット部201Aでの短軸方向の寸法の選択により、図5において紙面縦方向での実装不可領域(符号LY’で示す領域)のサイズを小さくすることができる。
これにより、この領域での作業工具の占有スペースがなくなることも相俟って、電子部品を実装できる領域を拡大できると共に、締結部が少なくされたことにより締結作業に要する時間を短縮することができる。
【0037】
なお、スリット部201Aの形態に関しては、長穴の一部を除去した形態とすることもでき、図5(B)には、切り欠きによりスリット部(便宜上、符号201A’で示す)を構成した例が示されている。
【0038】
次に、回路基板支持構造におけるシャーシー側の構成について説明する。
図6は、電装ユニット200のシャーシー200Sを示す図である。
同図においてシャーシー200S側での回路基板支持構造として用いられる回路基板支持部は、前述したように、電装ユニット200のシャーシー200Sに設けられた突起部210,締結保持部220を備えているが、これら各部は、シャーシー200Sから切り起こされた片部で構成されている。
【0039】
突起部210は、回路基板201(図6(B)参照)に形成されているスリット部201Aに対応するように設けられているが、その設置位置としては、図5において符号Wで示す回路基板201の幅方向中央を設定されている。
突起部210には、切り起こし先端部近傍に回路基板201を挟み込むことができる隙間210Aが形成されており、回路基板201側のスリット部201Aが入り込むと、図6において水平状態に維持できる載置部を構成している。
【0040】
図6に示す突起部210は、回路基板201に形成されているスリット201Aの長手方向長さよりも回路基板201の幅方向Wに沿った長さが短くされており、切り起こし先端部側からスリット部201Aが挿入された後、隙間210A内で回路基板201をこれの幅方向に移動させて隙間内縁の下面にて回路基板2301を載置するようになっている。
【0041】
図6に示す締結保持部220は、回路基板201におけるスリット部201Aが形成されている端縁と対向する端縁側において両隅部にそれぞれ設けられた同じ形状の片部であり、切り起こし部先端部が水平方向に折り曲げられて回路基板201を図6において水平方向に維持する載置面とされている。
締結保持部220の載置面には、回路基板201の締結部材挿通穴201B,201Cから挿入されるボルトや子ネジに噛み合う雌ねじ部220Aがバーリング加工などにより形成されている。
【0042】
以上のような構成において回路基板201を回路基板支持部に装着する場合の手順は次の通りである。
まず、回路基板201のスリット部201Aをシャーシー200S側の突起部部210内に嵌め込み、突起部201に嵌め込まれた位置を支点として回路基板201を締結部材挿通穴201B,201Cがシャーシー200S側の締結保持部220に当接する向きに揺動させる(図6(A)中、符号Fで示す状態)。
【0043】
揺動させることでシャーシー200S側の締結保持部220の載置面に載置された回路基板201は、スリット部201Aが突起部210の隙間210Aに入り込むようにして隙間210A内の長手方向一方端内面にスリット部201Aの長手方向一方端内縁が突き当たるまで幅方向に移動される。この動作を便宜上、所定方向への移動と称することもある。
【0044】
これにより、回路基板201側の締結部材挿通穴201B,201Cの位置とシャーシー200S側の締結保持部220における雌ねじ部220Aの位置とが整合され、ボルトあるいは子ネジを回路基板201側から挿通させて締結固定する。
図6(B)は、回路基板201が突起部210および締結保持部220にそれぞれ載置され、図6における水平態位を維持されて締結された状態を示している。
【0045】
以上の構成においては、回路基板201の一部をシャーシ側の突起部210に挿入してその回路基板201を揺動させた後、所定方向に移動させるだけで回路基板201側とシャーシー200S側との締結位置を一致させることができる。
この結果、締結保持部220の上面に被さる状態で載置される際に締結位置が見えにくい場合でも締結位置を的確に一致させることが可能となる。
【0046】
次に、回路基板支持構造に関する要部変形例について説明する。
図7に示す変形例を用いる実施例は、図5に示した構成を有する回路基板201を対象として、シャーシー200S側に設けられている回路基板支持部の構成が前述した実施例の構成と異なっている。
【0047】
図7においてシャーシー200S側に設けられている回路基板支持部は、突起部(便宜上、符号210’で示す)に加えて、回路基板201においてスリット部201Aが設けられている端縁と対向する端縁に設けられている締結保持部220のうちで、一方に位置する締結保持部(便宜上、符号220A’で示す)の構成が異なっている。なお、他方に位置する締結保持部は、便宜上、符号220Bで示す。
【0048】
突起部210’は、シャーシー200Sから切り起こされた片部で構成されているが、切り起こし先端部には、図7,8に示すように、側面視形状が、回路基板201の内側に向いた「くの字」状とされた曲片部210Bが設けられている。
また、曲片部210Bの下部には、図6に示した場合と同様に、回路基板201を挟み込むことができる隙間210Aが形成されている。
曲片部210Bの形状は、回路基板201のスリット部201Aが挿入される際のガイド部として機能するようになっている。
【0049】
つまり、曲片部210Bの先端から回路基板201のスリット部201Aを挿入し、その曲片部210Bにスリット部201Aの内面を沿わせると、スリット部201Aが位置する側と対向する側の端縁が突起部210’よりも斜め上方に位置し、曲片部210Bをスリット部201Aが通過するとそれまで斜め上方に位置していた端縁が水平方向に向きやすくされる。
これにより、締結保持部220A’、220Bに向けて揺動する向きがほぼ自動的に設定できることになる。
【0050】
本実施例での突起部210’は、図8に示すように、隙間210Aの内縁下面が、この隙間210Aに入り込む回路基板201を載置できる部分として用いることができるが、隙間210Aの側方に、上端を回路基板201の載置面とする高さ(図8において符号Hで示すシャーシー200Sの上面からの高さ)を有した折り曲げ片210Cが設けられている。
【0051】
一方、図7において回路基板201におけるスリット部201Aが設けられている端縁と対向する側の端縁の両隅に設けられている締結部材挿通穴201B,201C(図5参照)と対応する位置には、締結保持部(便宜上、図7において符号220A’、220Bで示す)が設けられている。
【0052】
締結保持部220A’、220Bは、いずれもシャーシー200Sから切り起こされた片部で構成されているが、図7に示すように、回路基板201の幅方向(図9中、符号Wで示す方向)の両側縁に対向する位置には、回路基板201の載置面から直角に立ち上げられた片部からなる両側係止片220A1’、220B1がそれぞれ設けられている。
両側係止片220A1’、220B1は、この内側に位置決めされる回路基板201の端縁と当接することにより、締結時に生じるトルクにより回路基板201が回転するのを阻止する回り止め部として機能するようになっている。
【0053】
図7において上述した締結保持部220A’、220Bのうちの一方(便宜上、図7において符号220A’で示す部材)は、図9に示すように、他方の締結保持部220Bとは違って、係止片220A1’に隣接して、係止片220A2’からさらに直角な方向に延出する倒れ防止片220A2’が設けられている。
【0054】
倒れ防止片220A2’は、電装ユニット200が縦置きされた状態で組み付けられる際に回路基板201が締結前に倒れるのを防止する箇所であり、回路基板201における実装不可領域(図5参照)に入り込む長さを極力短くされて実装不可領域が大きくなるのを防止している。
【0055】
また、倒れ防止片220A2’の下方には、この延出長さの方向と直角な方向、つまり、回路基板201の厚さ方向において回路基板201の載置面上方に回路基板201を挟み込むことができる隙間220A3’が設けられている。
【0056】
図9において隙間220A3’の高さ方向(紙面上下方向)の間隔は、回路基板201を挟み込める間隔に設定され、さらに、隙間下部に位置する載置面の高さは、突起部210’に設けられている折り曲げ片210Cの上面と同じ高さ(図8において符号Hで示す寸法)に設定されている。
これにより、突起部210’の折り曲げ片210Cの上面に載置された回路基板201は、締結保持部220A’、220Bの載置面に載置された際に、図7において水平状態を維持され、さらには、電装ユニット200が縦置きされた場合に倒れるのを倒れ防止片220A2’で阻止される。
【0057】
以上のような構成において回路基板201を回路基板支持部に装着する場合の手順を説明すると次の通りである。
図10は、回路基板201を装着する直前(図10(A))および回路基板201におけるスリット部201Aを突起部210’に挿入した状態(図10(B))をそれぞれ示している。
回路基板201は、シャーシー200S側の回路基板支持部に設けられている突起部210’にスリット部201Aを挿入され、この位置を支点として締結部材挿通穴201B,201Cが設けられている側の端縁を締結保持部220A’、220Bに向けて揺動される。
【0058】
スリット部201Aを支点として揺動した回路基板201は、図11(A)に示すように、スリット部201Aが突起部210’に差し込まれた状態のままで揺動することになるので、締結保持部220A、220Bでの締結位置に対して締結部材挿通穴201B,201Cの位置が整合していない。
【0059】
図11(A)に示す状態において回路基板201は、突起部210’の長さに対してスリット部201Aの長さが大きいことを利用して、図11(A)中、移動方向と表示した矢印で示すように、突起部210’の隙間210Aの奥側に向けてスリット部201Aの長手方向一方の内縁が当接するまで移動させることができる。
【0060】
図11(A)に示した移動方向に回路基板201を移動させて突起部210Aの奥側にスリット部201Aの内縁を突き当てると、図11(B)に示すように、締結保持部220A,220Bでの締結位置、つまり雌ねじ部の位置と回路基板201側の締結部材挿通穴201B,201Cの位置とが一致する。
図12は、回路基板201と締結保持部220A’との締結位置が整合されて締結された状態を示している。
【0061】
以上の構成においては、前述した構成と同様に、回路基板201の端縁のうちで一つの端縁の隅部のみを締結箇所として用いているので、締結箇所およびこれに係わる作業スペースを低減して電子部品の実装領域を拡大することができる。しかも、締結箇所の低減により作業時間の短縮も可能となる。
【0062】
また、回路基板201の組み付けに際しては、前述した構成と同様に、回路基板201のスリット部201Aをシャーシー200S側の突起部210’に差し込んで揺動させた後、スリット部201Aの長手方向一方内縁を突起部210’の隙間210Aの長手方向一方内縁に突き当たるように移動させるだけで締結保持部220A’、220Bの締結位置と回路基板201側の締結位置とを一致させることができる。これにより、両者の締結位置が目視できない状況にあっても回路基板201を動かすだけの作業で済む。
【0063】
一方、本構成においては、締結時に生じるトルクによる回路基板201の回転を締結保持部220A、220Bに設けられている両端係止部220A1’、220B1’によって阻止することができるので、回路基板201を押さえて回転を防止するような作業が必要なくなり、締結箇所の低減と相俟って、締結作業に要する労力や時間を少なくすることができる。
【0064】
また、電装ユニット200が、図2に示したように縦置きされて用いられる場合には、締結保持部220A’に設けられている倒れ防止部220A3’により回路基板201が保持されるので、不用意に倒れるようなことなく締結作業が可能となる。
【符号の説明】
【0065】
100 画像形成装置
100B 筐体
200 電装ユニット
201 回路基板
201A スリット部
201B,201C 締結部材挿通穴
200S シャーシー
210,210’ 突起部
210A3’ 倒れ防止片
210A、220A4’ 隙間
210B 曲片部
210C 折り曲げ片
210A2’、220B1 両側係止片
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開2009−170844号公報
【特許文献2】特開2000−340971号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板支持構造および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、回路基板の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電化製品あるいは電気回路などを用いる画像形成装置などには、制御回路や電源回路を装備した回路基板が用いられている。
回路基板は、これが実装される装置の筐体に設けられるシャーシーや電装ボックスと非接触な状態で支持されて固定されるようになっている。
回路基板は、四隅に設けられている貫通穴に挿通されるネジによりシャーシーや電装ボックスの取り付け部に締結保持される。
回路基板の支持に際しては、シャーシーや電装ボックス表面から突出するネジ座を設け、このネジ座に形成されたネジ部に対して回路基板に挿通されたネジを締結するようになっている。
【0003】
一方、近年では電子機器の小型化に伴い、回路基板への電子部品の高密度実装化が進んできており、回路基板でのデッドスペースを少なくして回路基板での実装スペースを有効に活用できるようにすることが望まれてきている。
このため、回路基板の締結に用いられる貫通部を設けるスペースも実装スペース確保のために縮小傾向にある。
【0004】
従来、上述した締結スペースの低減を図るための構成として、シャーシーとこれに形成された突起部に挿入される挟持部材を用いて回路基板の隅部の内の1カ所を締結ではなく挟持することにより支持できるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
ところで、締結により回路基板を支持する際には、回路基板の締結位置とシャーシー側の取り付け位置との整合状態を確認する必要がある。しかし、シャーシーの上面に回路基板が位置した状態で締結する際には回路基板が邪魔となって両者の取り付け位置の確認が難しい場合がある。
【0006】
そこで、従来では、取り付け位置の整合を簡単に行うための構成として、回路基板の締結位置近傍の隅部外周縁に当接可能な突き当て部をシャーシー側に設け、突き当て部に回路基板を突き当てることで両者の締結位置、つまり取り付け位置を割り出せるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献に開示されている構成では、締結作業時に必要なスペースが電子部品の実装スペースを狭めてしまう点に関しての考慮がなされていない。
一般に、シャーシーや電装ボックスへの回路基板の取り付けに際しては、電動モータなどを用いた作業により作業時間の短縮が図られることが多い。このため、締結位置の周囲には、電動モータやあるいはねじ回しなどが占有するスペースが必要となり、そのスペースが電子部品の実装不可領域となる。
【0008】
図13は、上述した回路基板の取り付けに係る回路基板の構成を示す図であり、同図において、回路基板Pの四隅において所定位置(図では、5mmと表示した位置)に締結部材の挿通穴が設けられ、その周辺部が作業工具の占有スペース(図では、ドライバ当たり回避領域と表示してある)となる。
従って、回路基板Pにおける各端縁部において締結部材の挿通穴同士を結んだ範囲の外側には電子部品の実装ができないばかりでなく、作業工具の占有スペース内にも実装できなくなる。
【0009】
このように、締結位置の数を少なくした場合でも、電子部品の実装不可領域が必要となる分、回路基板での電子部品の実装スペースを大きくすることができない。このため、回路基板での実装スペースを有効に活用、特に拡大して回路基板の実装効率を向上させることができないという問題が未だ解決されないままとなっているのが現状である。
【0010】
本発明の目的は、上記従来の回路基板支持構造における問題に鑑み、小型化された回路基板を対象として電子部品の実装スペースを拡大できる構成を備えた回路基板支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するための本発明は、電子部品が実装された回路基板をシャーシーあるいは電装ボックスにて支持するために用いられる回路基板支持構造であって、
矩形外形の端縁の一つにおける1カ所に形成されたスリット部と、該スリット部が設けられている端縁と対向する端縁において複数箇所に設けられた締結部材挿通部とを備えた回路基板と、
前記シャーシーあるいは電装ボックスにおける回路基板支持位置において、前記スリット部に嵌合可能な形状を有する突起部と、前記締結部材挿通部の位置に対応して設けられて締結部を有する締結保持部とを有し、
前記突起部は、前記回路基板のスリット部を挿入してから前記締結保持部側に該回路基板を載置する向きに該回路基板を揺動させる支点部として用いられ、揺動した回路基板側の締結部材挿通部と前記締結保持部との位置決めが可能な部分であることを特徴とする回路基板支持構造。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回路基板の締結箇所として、回路基板に設けられているスリット部と対向する端縁部のみを対象とすることができる。これにより、締結箇所を少なくしてこれに拘わる作業空間が占有するスペースを小さくして回路基板内での電子部品実装領域を拡大することができる。
【0013】
しかも、回路基板を支持する際には、シャーシー側に設けられている突起部を回路基板の締結位置整合のための部分として用いることができるので、回路基板の締結位置決めを容易化して回路基板を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態にかかる回路基板支持構造を備えた電装ボックスが適用される画像形成装置を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる電装ボックスを示す図である。
【図3】図2に示した電装ボックス内の構成を説明するための図である。
【図4】図3に示した電装ボックスにおける回路基板支持部の構成を説明するための図である。
【図5】本実施形態にかかる回路基板支持構造に用いられる回路基板の構成を説明するための図である。
【図6】図5に示した回路基板支持構造に関する一実施例を説明するための図である。
【図7】図5に示した回路基板支持構造に関する他の実施例を説明するための図である。
【図8】図7に示した回路基板支持構造における突起部の構成を示す図である。
【図9】図7に示した回路基板支持構造における締結保持部の構成を示す図である。
【図10】図7に示した回路基板支持構造における回路基板装着前の状態を示す図である。
【図11】図10に示した状態の回路基板の一部を回路基板支持構造に装着した状態および回路基板の一部を装着してから揺動させた状態を示す図である。
【図12】図11に示した回路基板の締結後の状態を示す図である。
【図13】従来の回路基板の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、回路基板支持構造を備えた電装ボックスが用いられる画像形成装置の構成を示す図であり、その構成を説明すると次の通りである。
【0016】
図1において、画像形成装置100には、本体内に中間転写ユニット101における未定着像担持体としての中間転写ベルト80の下面に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。
これらの作像部6Y、6M、6C、6Bk、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外は同一構造である。
【0017】
各作像部6Y、6M、6C、6Bkは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkと、感光体ドラム1の周囲に配設された図示しない帯電手段、現像装置5Y、5M、5C、5Bk、図示しないクリーニング手段等で構成されている。
【0018】
感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上で、作像プロセスとして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程が順次行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に所望のトナー像が形成される。
帯電工程では、感光体ドラム1が、図示しない駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段の位置で表面が一様に帯電される。
露光工程では、感光体ドラム1の表面が、露光書き込み部LBから発せられたレーザ光の照射位置に達すると、この位置での露光走査されることにより静電潜像を上記表面に形成される。
現像工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、現像装置5Y、5M、5C、5Bkとの対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される。
【0019】
転写工程は、転写装置101に装備されている中間転写ベルト80に対して順次画像を重ねて転写する1次転写工程と、重畳された画像を記録媒体としての転写紙Pに一括転写する2次転写工程とが用いられ、1次転写工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、中間転写ベルト80及び1次転写バイアスローラ90Y,90M,90C,90Bkとの対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上のトナー像が中間転写ベルト80上に転写される。
【0020】
2次転写工程では、後述するように、2次転写手段としての2次転写ローラ190により中間転写ベルト80上の重畳画像が転写紙Pに対して一括転写される。
1次転写後に実行されるクリーニング工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、クリーニング装置(図示されず)との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に残存した未転写トナーが回収される。クリーニング後、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面は図示しない除電ローラにより電位を初期化される。このような工程を経て、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
【0021】
上述した作像プロセスは、図1に示すように、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkにおいてそれぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された露光書き込み部LBから、画像情報に基づいたレーザ光が、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム1上に向けて照射される。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト80上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト80上にカラー画像が形成される。
【0022】
4つの1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkは、それぞれ、中間転写ベルト80を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkにはトナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト80は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト80上に重ねて1次転写される。
【0023】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト80は、2次転写手段としての2次転写ローラ190との対向位置に達する。中間転写ベルト80上に担持されているカラートナー像は、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての転写紙P上に転写される。このような手順を経て一連の転写プロセスが終了する。
【0024】
画像形成装置100の本体(以下、便宜上、装置本体100ともいう)の下部に配設された給紙部260には転写紙Pが複数枚重ねて収納されており、給紙コロ270により1枚ずつ分離されて給紙される。
給紙された転写紙Pはレジストローラ対280で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対280により所定のタイミングで2次転写ニップに向けて搬送される。そして、2次転写ニップにおいて転写紙P上に、中間転写ベルト80に担持されている画像が一括転写され、中間転写ベルト80上の画像が色毎の重畳画像である場合には所望のカラー画像が転写される。
【0025】
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された転写紙Pは、定着部110へ搬送され、ここで、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対290により、装置本体上面に形成された排紙部300へ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。図1において、符号320は読み取り部を示している。
【0026】
各色の画像形成を行う作像部6Y、6M、6C、6Bkは、詳細を図示しないが、感光体ドラム1の周囲に配置されて画像形成処理を実行する帯電装置、現像装置、クリーニング装置を纏めて収納したプロセスカートリッジが用いられ、保守点検や部品交換時に装置本体から取り出せるようになっている。
【0027】
図2は、画像形成装置100の本体を構成している筐体100Bを示す図であり、同図では、図1において示した読み取り部320および外装パネル100Aが取り付けられている状態から、読み取り部320および外装パネル100Aの一部を取り除いた状態での筐体が示されている。
【0028】
同図において、筐体100Bの内部には、前述した作像部に用いられるプロセスカートリッジ102が複数並置されるスペースが設けられており、プロセスカートリッジ102の長手方向一方側には、画像形成装置100の外装パネル100Aと同一面上に位置して装置の外装面の一部をなす表面200Hを有する電装ボックスとしての電装ユニット200が設けられている。
【0029】
図3は、電装ユニット200の内部を示す図であり、電装ユニット200内には、画像形成装置の稼働や制御に必要な電源回路や制御回路に用いられる電子部品が実装された回路基板201やデータ等を対象とした記憶装置202が配備されている。
【0030】
図4は、図3に示した回路基板201の一つを対象とした支持部を示しており、同図(A)には、回路基板201が搭載された状態が、同図(B)には、回路基板201を取り外した状態がそれぞれ示されている。
図4において回路基板支持部では、電装ユニット200の一部に設けられている突起部210および締結保持部220に回路基板201が搭載されるようになっている。
【0031】
図5は、回路基板支持構造に用いられる回路基板の構成を示す平面図である。
同図において回路基板201は、矩形形状における端縁の一つにスリット部201Aが設けられ、スリット部201Aが設けられている端縁と対向する側の端縁には、その両隅部に締結部材挿通穴201B、201Cがそれぞれ設けられている。
【0032】
スリット部201Aは、回路基板201の幅方向(図5(A)において符号Wで示す方向)の中央で、その方向に沿った長手方向を有する長穴が用いられ、締結部材挿通穴201B、201Cの一つ(便宜上、符号201Bが相当)は、スリット部201Aと同じ方向の長手方向を有する長穴が用いられ、そして締結部材挿通穴の他の一つ201Cは、ボルトあるいは子ネジ等の締結部材が挿通できる丸穴が用いられている。
【0033】
スリット部201の長手方向の長さは、後述する突起部210に挿入されてから回路基板201の幅方向に移動させた際に、締結部材挿通穴201B,201Cとシャーシー200S側に設けられている締結保持部220の雌ねじ部とが整合できる位置までの移動量に対応させてある。
締結部材挿通穴の周囲には、例えば、回路での接地部としてのパターン印刷が施されている。なお、図5においては、便宜上、締結部材挿通穴201B、201Cの周囲に設定される作業工具の占有スペース(便宜上、符号LX,LYで示す縦方向および横方向での寸法部分)を符号LGで示してある。
【0034】
従って、締結部材の挿通位置は、回路基板201における端縁の一つにおける隅部(符号LGで示す領域)のみを対象として設けられていることになる。
【0035】
一方、スリット部201Aが形成されている端縁では、スリット部201Aの短軸方向での寸法分の領域は、電子部品の実装ができない領域(図5において便宜上、符号LY’で示す領域)であるが、隅部を含めて上述した短軸方向の寸法を除く領域(図中、二点鎖線で囲まれた領域)が電子部品を実装できる領域として使用できることになる。
【0036】
従って、図13に示したように、回路基板の四隅を締結箇所とする場合と違って、締結箇所が設けられている端縁と対向する端縁ではスリット部201Aのみであるため、スリット部201Aでの短軸方向の寸法の選択により、図5において紙面縦方向での実装不可領域(符号LY’で示す領域)のサイズを小さくすることができる。
これにより、この領域での作業工具の占有スペースがなくなることも相俟って、電子部品を実装できる領域を拡大できると共に、締結部が少なくされたことにより締結作業に要する時間を短縮することができる。
【0037】
なお、スリット部201Aの形態に関しては、長穴の一部を除去した形態とすることもでき、図5(B)には、切り欠きによりスリット部(便宜上、符号201A’で示す)を構成した例が示されている。
【0038】
次に、回路基板支持構造におけるシャーシー側の構成について説明する。
図6は、電装ユニット200のシャーシー200Sを示す図である。
同図においてシャーシー200S側での回路基板支持構造として用いられる回路基板支持部は、前述したように、電装ユニット200のシャーシー200Sに設けられた突起部210,締結保持部220を備えているが、これら各部は、シャーシー200Sから切り起こされた片部で構成されている。
【0039】
突起部210は、回路基板201(図6(B)参照)に形成されているスリット部201Aに対応するように設けられているが、その設置位置としては、図5において符号Wで示す回路基板201の幅方向中央を設定されている。
突起部210には、切り起こし先端部近傍に回路基板201を挟み込むことができる隙間210Aが形成されており、回路基板201側のスリット部201Aが入り込むと、図6において水平状態に維持できる載置部を構成している。
【0040】
図6に示す突起部210は、回路基板201に形成されているスリット201Aの長手方向長さよりも回路基板201の幅方向Wに沿った長さが短くされており、切り起こし先端部側からスリット部201Aが挿入された後、隙間210A内で回路基板201をこれの幅方向に移動させて隙間内縁の下面にて回路基板2301を載置するようになっている。
【0041】
図6に示す締結保持部220は、回路基板201におけるスリット部201Aが形成されている端縁と対向する端縁側において両隅部にそれぞれ設けられた同じ形状の片部であり、切り起こし部先端部が水平方向に折り曲げられて回路基板201を図6において水平方向に維持する載置面とされている。
締結保持部220の載置面には、回路基板201の締結部材挿通穴201B,201Cから挿入されるボルトや子ネジに噛み合う雌ねじ部220Aがバーリング加工などにより形成されている。
【0042】
以上のような構成において回路基板201を回路基板支持部に装着する場合の手順は次の通りである。
まず、回路基板201のスリット部201Aをシャーシー200S側の突起部部210内に嵌め込み、突起部201に嵌め込まれた位置を支点として回路基板201を締結部材挿通穴201B,201Cがシャーシー200S側の締結保持部220に当接する向きに揺動させる(図6(A)中、符号Fで示す状態)。
【0043】
揺動させることでシャーシー200S側の締結保持部220の載置面に載置された回路基板201は、スリット部201Aが突起部210の隙間210Aに入り込むようにして隙間210A内の長手方向一方端内面にスリット部201Aの長手方向一方端内縁が突き当たるまで幅方向に移動される。この動作を便宜上、所定方向への移動と称することもある。
【0044】
これにより、回路基板201側の締結部材挿通穴201B,201Cの位置とシャーシー200S側の締結保持部220における雌ねじ部220Aの位置とが整合され、ボルトあるいは子ネジを回路基板201側から挿通させて締結固定する。
図6(B)は、回路基板201が突起部210および締結保持部220にそれぞれ載置され、図6における水平態位を維持されて締結された状態を示している。
【0045】
以上の構成においては、回路基板201の一部をシャーシ側の突起部210に挿入してその回路基板201を揺動させた後、所定方向に移動させるだけで回路基板201側とシャーシー200S側との締結位置を一致させることができる。
この結果、締結保持部220の上面に被さる状態で載置される際に締結位置が見えにくい場合でも締結位置を的確に一致させることが可能となる。
【0046】
次に、回路基板支持構造に関する要部変形例について説明する。
図7に示す変形例を用いる実施例は、図5に示した構成を有する回路基板201を対象として、シャーシー200S側に設けられている回路基板支持部の構成が前述した実施例の構成と異なっている。
【0047】
図7においてシャーシー200S側に設けられている回路基板支持部は、突起部(便宜上、符号210’で示す)に加えて、回路基板201においてスリット部201Aが設けられている端縁と対向する端縁に設けられている締結保持部220のうちで、一方に位置する締結保持部(便宜上、符号220A’で示す)の構成が異なっている。なお、他方に位置する締結保持部は、便宜上、符号220Bで示す。
【0048】
突起部210’は、シャーシー200Sから切り起こされた片部で構成されているが、切り起こし先端部には、図7,8に示すように、側面視形状が、回路基板201の内側に向いた「くの字」状とされた曲片部210Bが設けられている。
また、曲片部210Bの下部には、図6に示した場合と同様に、回路基板201を挟み込むことができる隙間210Aが形成されている。
曲片部210Bの形状は、回路基板201のスリット部201Aが挿入される際のガイド部として機能するようになっている。
【0049】
つまり、曲片部210Bの先端から回路基板201のスリット部201Aを挿入し、その曲片部210Bにスリット部201Aの内面を沿わせると、スリット部201Aが位置する側と対向する側の端縁が突起部210’よりも斜め上方に位置し、曲片部210Bをスリット部201Aが通過するとそれまで斜め上方に位置していた端縁が水平方向に向きやすくされる。
これにより、締結保持部220A’、220Bに向けて揺動する向きがほぼ自動的に設定できることになる。
【0050】
本実施例での突起部210’は、図8に示すように、隙間210Aの内縁下面が、この隙間210Aに入り込む回路基板201を載置できる部分として用いることができるが、隙間210Aの側方に、上端を回路基板201の載置面とする高さ(図8において符号Hで示すシャーシー200Sの上面からの高さ)を有した折り曲げ片210Cが設けられている。
【0051】
一方、図7において回路基板201におけるスリット部201Aが設けられている端縁と対向する側の端縁の両隅に設けられている締結部材挿通穴201B,201C(図5参照)と対応する位置には、締結保持部(便宜上、図7において符号220A’、220Bで示す)が設けられている。
【0052】
締結保持部220A’、220Bは、いずれもシャーシー200Sから切り起こされた片部で構成されているが、図7に示すように、回路基板201の幅方向(図9中、符号Wで示す方向)の両側縁に対向する位置には、回路基板201の載置面から直角に立ち上げられた片部からなる両側係止片220A1’、220B1がそれぞれ設けられている。
両側係止片220A1’、220B1は、この内側に位置決めされる回路基板201の端縁と当接することにより、締結時に生じるトルクにより回路基板201が回転するのを阻止する回り止め部として機能するようになっている。
【0053】
図7において上述した締結保持部220A’、220Bのうちの一方(便宜上、図7において符号220A’で示す部材)は、図9に示すように、他方の締結保持部220Bとは違って、係止片220A1’に隣接して、係止片220A2’からさらに直角な方向に延出する倒れ防止片220A2’が設けられている。
【0054】
倒れ防止片220A2’は、電装ユニット200が縦置きされた状態で組み付けられる際に回路基板201が締結前に倒れるのを防止する箇所であり、回路基板201における実装不可領域(図5参照)に入り込む長さを極力短くされて実装不可領域が大きくなるのを防止している。
【0055】
また、倒れ防止片220A2’の下方には、この延出長さの方向と直角な方向、つまり、回路基板201の厚さ方向において回路基板201の載置面上方に回路基板201を挟み込むことができる隙間220A3’が設けられている。
【0056】
図9において隙間220A3’の高さ方向(紙面上下方向)の間隔は、回路基板201を挟み込める間隔に設定され、さらに、隙間下部に位置する載置面の高さは、突起部210’に設けられている折り曲げ片210Cの上面と同じ高さ(図8において符号Hで示す寸法)に設定されている。
これにより、突起部210’の折り曲げ片210Cの上面に載置された回路基板201は、締結保持部220A’、220Bの載置面に載置された際に、図7において水平状態を維持され、さらには、電装ユニット200が縦置きされた場合に倒れるのを倒れ防止片220A2’で阻止される。
【0057】
以上のような構成において回路基板201を回路基板支持部に装着する場合の手順を説明すると次の通りである。
図10は、回路基板201を装着する直前(図10(A))および回路基板201におけるスリット部201Aを突起部210’に挿入した状態(図10(B))をそれぞれ示している。
回路基板201は、シャーシー200S側の回路基板支持部に設けられている突起部210’にスリット部201Aを挿入され、この位置を支点として締結部材挿通穴201B,201Cが設けられている側の端縁を締結保持部220A’、220Bに向けて揺動される。
【0058】
スリット部201Aを支点として揺動した回路基板201は、図11(A)に示すように、スリット部201Aが突起部210’に差し込まれた状態のままで揺動することになるので、締結保持部220A、220Bでの締結位置に対して締結部材挿通穴201B,201Cの位置が整合していない。
【0059】
図11(A)に示す状態において回路基板201は、突起部210’の長さに対してスリット部201Aの長さが大きいことを利用して、図11(A)中、移動方向と表示した矢印で示すように、突起部210’の隙間210Aの奥側に向けてスリット部201Aの長手方向一方の内縁が当接するまで移動させることができる。
【0060】
図11(A)に示した移動方向に回路基板201を移動させて突起部210Aの奥側にスリット部201Aの内縁を突き当てると、図11(B)に示すように、締結保持部220A,220Bでの締結位置、つまり雌ねじ部の位置と回路基板201側の締結部材挿通穴201B,201Cの位置とが一致する。
図12は、回路基板201と締結保持部220A’との締結位置が整合されて締結された状態を示している。
【0061】
以上の構成においては、前述した構成と同様に、回路基板201の端縁のうちで一つの端縁の隅部のみを締結箇所として用いているので、締結箇所およびこれに係わる作業スペースを低減して電子部品の実装領域を拡大することができる。しかも、締結箇所の低減により作業時間の短縮も可能となる。
【0062】
また、回路基板201の組み付けに際しては、前述した構成と同様に、回路基板201のスリット部201Aをシャーシー200S側の突起部210’に差し込んで揺動させた後、スリット部201Aの長手方向一方内縁を突起部210’の隙間210Aの長手方向一方内縁に突き当たるように移動させるだけで締結保持部220A’、220Bの締結位置と回路基板201側の締結位置とを一致させることができる。これにより、両者の締結位置が目視できない状況にあっても回路基板201を動かすだけの作業で済む。
【0063】
一方、本構成においては、締結時に生じるトルクによる回路基板201の回転を締結保持部220A、220Bに設けられている両端係止部220A1’、220B1’によって阻止することができるので、回路基板201を押さえて回転を防止するような作業が必要なくなり、締結箇所の低減と相俟って、締結作業に要する労力や時間を少なくすることができる。
【0064】
また、電装ユニット200が、図2に示したように縦置きされて用いられる場合には、締結保持部220A’に設けられている倒れ防止部220A3’により回路基板201が保持されるので、不用意に倒れるようなことなく締結作業が可能となる。
【符号の説明】
【0065】
100 画像形成装置
100B 筐体
200 電装ユニット
201 回路基板
201A スリット部
201B,201C 締結部材挿通穴
200S シャーシー
210,210’ 突起部
210A3’ 倒れ防止片
210A、220A4’ 隙間
210B 曲片部
210C 折り曲げ片
210A2’、220B1 両側係止片
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開2009−170844号公報
【特許文献2】特開2000−340971号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装された回路基板をシャーシーあるいは電装ボックスにて支持するために用いられる回路基板支持構造であって、
矩形外形の端縁の一つにおける1カ所に形成されたスリット部と、該スリット部が設けられている端縁と対向する端縁において複数箇所に設けられた締結部材挿通部とを備えた回路基板と、
前記シャーシーあるいは電装ボックスにおける回路基板支持位置において、前記スリット部に嵌合可能な形状を有する突起部と、前記締結部材挿通部の位置に対応して設けられて締結部を有する締結保持部とを有し、
前記突起部は、前記回路基板のスリット部を挿入してから前記締結保持部側に該回路基板を載置する向きに該回路基板を揺動させる支点部として用いられ、揺動した回路基板側の締結部材挿通部と前記締結保持部との位置決めが可能な部分であることを特徴とする回路基板支持構造。
【請求項2】
前記突起部は、前記回路基板を挟み込むことができる隙間を備え、該隙間内に前記回路基板を挿入することにより前記締結保持部と前記回路基板の締結部材挿通部の位置決めが行えることを特徴とする請求項1記載の回路基板支持構造。
【請求項3】
前記突起部および締結保持部は、前記シャーシあるいは電装ボックスの基部から切り起こされた片部で構成され、これら片部には前記回路基板を水平に維持するための基板受け部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板支持構造。
【請求項4】
前記突起部は、上端部に側面視形状がくの字状の曲片部からなる挿入ガイド部が設けられ、該挿入ガイド部の下方に連続して前記回路基板の載置部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の回路基板支持構造。
【請求項5】
前記締結保持部には、前記回路基板の側縁に対向して締結時の回り止めをなす係止片が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の回路基板支持構造。
【請求項6】
前記締結保持部の一つには、前記回路基板の表面に向け突出する倒れ防止片が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のうちの一つに記載の回路基板支持構造。
【請求項7】
回路基板を実装したシャーシーあるいは電装ボックスを備えた画像形成装置であって、
前記回路基板の支持構造として請求項1乃至6のうちの一つに記載の回路基板支持構造が用いられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
電子部品が実装された回路基板をシャーシーあるいは電装ボックスにて支持するために用いられる回路基板支持構造であって、
矩形外形の端縁の一つにおける1カ所に形成されたスリット部と、該スリット部が設けられている端縁と対向する端縁において複数箇所に設けられた締結部材挿通部とを備えた回路基板と、
前記シャーシーあるいは電装ボックスにおける回路基板支持位置において、前記スリット部に嵌合可能な形状を有する突起部と、前記締結部材挿通部の位置に対応して設けられて締結部を有する締結保持部とを有し、
前記突起部は、前記回路基板のスリット部を挿入してから前記締結保持部側に該回路基板を載置する向きに該回路基板を揺動させる支点部として用いられ、揺動した回路基板側の締結部材挿通部と前記締結保持部との位置決めが可能な部分であることを特徴とする回路基板支持構造。
【請求項2】
前記突起部は、前記回路基板を挟み込むことができる隙間を備え、該隙間内に前記回路基板を挿入することにより前記締結保持部と前記回路基板の締結部材挿通部の位置決めが行えることを特徴とする請求項1記載の回路基板支持構造。
【請求項3】
前記突起部および締結保持部は、前記シャーシあるいは電装ボックスの基部から切り起こされた片部で構成され、これら片部には前記回路基板を水平に維持するための基板受け部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板支持構造。
【請求項4】
前記突起部は、上端部に側面視形状がくの字状の曲片部からなる挿入ガイド部が設けられ、該挿入ガイド部の下方に連続して前記回路基板の載置部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の回路基板支持構造。
【請求項5】
前記締結保持部には、前記回路基板の側縁に対向して締結時の回り止めをなす係止片が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の回路基板支持構造。
【請求項6】
前記締結保持部の一つには、前記回路基板の表面に向け突出する倒れ防止片が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のうちの一つに記載の回路基板支持構造。
【請求項7】
回路基板を実装したシャーシーあるいは電装ボックスを備えた画像形成装置であって、
前記回路基板の支持構造として請求項1乃至6のうちの一つに記載の回路基板支持構造が用いられることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−110163(P2013−110163A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251930(P2011−251930)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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