説明

回路基板

【課題】 小型で、安価な回路基板を提供する。
【解決手段】 本発明の回路基板は、配線パターン2に接続された1つの共通ランド部3と、3つの選択ランド部4を有し、1つの共通ランド部3と3つの選択ランド部4は、それぞれが四角形の角部に位置するように配置されると共に、チップ部品7は、共通ランド部3と3つの選択ランド部4の内の1つに選択的に接続可能としたため、共通ランド部3は1つで共通化できると共に、4つのランド部3,4が四角形状に配置されることによって、共通ランド部3と選択ランド部4の占有面積が小さくなって、回路基板1を小型に出来ると共に、この小型化によって、安価な回路基板1を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は送受信ユニット等の電子回路ユニットに使用して好適な回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の回路基板の斜視図であり、この従来の回路基板の構成を図6に基づいて説明すると、回路基板51には、配線パターン52が設けられ、この配線パターン52は、直線状の導体部52aと、この導体部52aに接続され、一列状態に配置された複数の共通ランド部52bと、この複数の共通ランド部52bから間隔を置いて対応し、一列状態に配置された複数の個別ランド部52cが設けられている。
【0003】
また、個別ランド部52cのそれぞれは、接地されると共に、共通ランド部52bと個別ランド部52cとの間のそれぞれには、スイッチ手段53が設けられ、このスイッチ手段53の切り換によって、複数の個別ランド部52cを選択的に接地するようにしたものである。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開2002−261533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の回路基板において、配線パターン52は、直線状の導体部52aに一列状態に接続された複数の共通ランド部52bと、この共通ランド部52bに対応して、一列状態に設けられた個別ランド部52cを有するため、共通ランド部52bと個別ランド部52cの占有面積が大きくなって、回路基板1が大型になると共に、コスト高になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は小型で、安価な回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、電子部品が接続された配線パターンを有し、この配線パターンは、この配線パターンに接続された1つの共通ランド部と、3つの選択ランド部を有し、1つの前記共通ランド部と3つの前記選択ランド部は、それぞれが四角形の角部に位置するように配置されると共に、前記共通ランド部と前記選択ランド部の1つには、チップ部品が接続され、前記チップ部品は、前記共通ランド部と3つの前記選択ランド部の内の1つに選択的に接続可能とした構成とした。
【0008】
また、第2の解決手段として、前記共通ランド部と前記選択ランド部は、四角形状に形成されると共に、斜向かいに位置する前記共通ランド部と前記選択ランド部、又は/及び前記選択ランド部同士は、4つの前記ランド部で囲まれた中央部側の角部を除去した削除部が設けられて、中央部側の空間部を大きくした構成とした。
【0009】
また、第3の解決手段として、前記共通ランド部に対して直交する方向に配置された2つの前記選択ランド部は、直交する方向の長さが前記共通ランド部の長さよりも大きくした構成とした。
また、第4の解決手段として、前記共通ランド部と前記選択ランド部が円形状に形成された構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の回路基板は、配線パターンに接続された1つの共通ランド部と、3つの選択ランド部を有し、1つの共通ランド部と3つの選択ランド部は、それぞれが四角形の角部に位置するように配置されると共に、チップ部品は、共通ランド部と3つの選択ランド部の内の1つに選択的に接続可能としたため、共通ランド部は1つで共通化できると共に、4つのランド部が四角形状に配置されることによって、共通ランド部と選択ランド部の占有面積が小さくなって、回路基板を小型に出来ると共に、この小型化によって、安価な回路基板を提供できる。
【0011】
また、斜向かいに位置する共通ランド部と選択ランド部、又は/及び選択ランド部同士は、4つのランド部で囲まれた中央部側の角部を除去した削除部が設けられて、中央部側の空間部を大きくしたため、4つのランド部間の間隔を狭めた状態で、チップ部品の接続が可能となって、回路基板の小型化を図ることが出来る。
【0012】
また、共通ランド部に対して直交する方向に配置された2つの選択ランド部は、直交する方向の長さが共通ランド部の長さよりも大きくしたため、共通ランド部の隣りに位置する2つの選択ランド部は、共通ランド部に対して斜向かいにある選択ランド部よりも近くにあるが、長さ大きくすることによって、共通ランド部に対して斜向かいにある選択ランド部と同等の距離に配置でき、チップ部品の半田付が確実に出来る。
【0013】
また、共通ランド部と選択ランド部が円形状に形成されたため、中央部側の空間部を大きくでき、4つのランド部間の間隔を狭めた状態で、チップ部品の接続が可能となって、回路基板の小型化を図ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の回路基板の図面を説明すると、図1は本発明の回路基板の第1実施例に係る要部の平面図、図2は本発明の回路基板の第1実施例に係り、第1の使用形態を示す平面図、図3は本発明の回路基板の第1実施例に係り、第2の使用形態を示す平面図、図4は本発明の回路基板の第1実施例に係り、第3の使用形態を示す平面図、図5は本発明の回路基板の第2実施例に係る要部の平面図である。
【0015】
次に、本発明の回路基板の第1実施例に係る構成を図1〜図4に基づいて説明すると、回路基板1には、銅箔等からなる配線パターン2が設けられ、この配線パターン2は、その一端側に設けられた1つの四角形状の共通ランド部3と、この共通ランド部3の近傍に間隔を置いて配置された3つの四角形状の選択ランド部4と、共通ランド部3に配線パターン2を介して繋がった電極部5と、3つの選択ランド部4のそれぞれに繋がった接続パターン6を有する。
【0016】
そして、1つの共通ランド部3と3つの選択ランド部4は、それぞれが四角形の角部に位置するように配置されると共に、斜向かいに位置する共通ランド部3と選択ランド部4、及び選択ランド部4同士は、4つのランド部で囲まれた中央部側の角部を除去した削除部3a、4aが設けられて、中央部側の空間部を大きくした状態となっている。
【0017】
ゼロオーム等のチップ部品7は、共通ランド部3と3つの選択ランド部4の内の1つに半田付けによって選択的に接続可能となっており、チップ部品7は、図2に示すように、共通ランド部3と共通ランド部3の下方に位置する選択ランド部4との間、図3に示すように、共通ランド部3と共通ランド部3の横に位置する選択ランド部4との間、図4に示すように、共通ランド部3と共通ランド部3に対して斜向かいに位置する選択ランド部4との間を選択的に接続できるようになっている。
【0018】
また、回路基板1には、半導体部品等の種々の電子部品8が搭載されて、所望の電気回路が形成されており、電子部品8である半導体部品の1つの端子8aが電極部5に接続されている。
そして、電子回路ユニットは、種々の機種が存在し、その種々の機種に対応するために、チップ部品7は、1つの共通ランド部3と3つの選択ランド部4の内の1つを選択的に接続できるようになっていて、例えば、図2に示す状態では、半導体部品の端子8aが接地され、図3に示す状態では、端子8aが信号線路に接続され、図4に示す状態では、端子8aが電源に接続された状態となるものである。
【0019】
なお、上記実施例では、共通ランド部3と3つの選択ランド部4がほぼ同じ大きさで形成されたもので説明したが、共通ランド部3に対して直交する方向に配置された2つの選択ランド部4は、直交する方向の長さが共通ランド部3の長さよりも大きくして、チップ部品7の半田付を確実にするようにしても良い。
【0020】
また、図5は本発明の回路基板の第2実施例を示し、この第2実施例は、共通ランド部3と選択ランド部4を円形状にしたもので、その他の構成は、前記実施例と同様な構成を有し、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0021】
なお、共通ランド部3と選択ランド部4の形状は、四角形状や円形状の他、種々の形状が適用できること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の回路基板の第1実施例に係る要部の平面図。
【図2】本発明の回路基板の第1実施例に係り、第1の使用形態を示す平面図。
【図3】本発明の回路基板の第1実施例に係り、第2の使用形態を示す平面図。
【図4】本発明の回路基板の第1実施例に係り、第3の使用形態を示す平面図。
【図5】本発明の回路基板の第2実施例に係る要部の平面図。
【図6】従来の回路基板の斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1:回路基板
2:配線パターン
3:共通ランド部
3a:削除部
4:選択ランド部
4a:削除部
5:電極部
6:接続パターン
7:チップ部品
8:電子部品
8a:端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が接続された配線パターンを有し、この配線パターンは、この配線パターンに接続された1つの共通ランド部と、3つの選択ランド部を有し、1つの前記共通ランド部と3つの前記選択ランド部は、それぞれが四角形の角部に位置するように配置されると共に、前記共通ランド部と前記選択ランド部の1つには、チップ部品が接続され、前記チップ部品は、前記共通ランド部と3つの前記選択ランド部の内の1つに選択的に接続可能としたことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記共通ランド部と前記選択ランド部は、四角形状に形成されると共に、斜向かいに位置する前記共通ランド部と前記選択ランド部、又は/及び前記選択ランド部同士は、4つの前記ランド部で囲まれた中央部側の角部を除去した削除部が設けられて、中央部側の空間部を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
前記共通ランド部に対して直交する方向に配置された2つの前記選択ランド部は、直交する方向の長さが前記共通ランド部の長さよりも大きくしたことを特徴とする請求項2記載の回路基板。
【請求項4】
前記共通ランド部と前記選択ランド部が円形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−303252(P2006−303252A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−124278(P2005−124278)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】