説明

回路装置の出力値自動調整回路

【課題】計器を使用することなく、短時間で且つ高精度で増幅装置のゲイン調整等を行うことができる回路装置の出力値自動調整回路を提供する。
【解決手段】入力端子21と増幅器23の(−)端子との間に抵抗器22を接続し、増幅器23の(+)端子を接地する。また、増幅器23の出力端と(−)端子との間に粗調整用デジタル可変抵抗器25及び微調整用デジタル可変抵抗器26を直列に接続すると共に、この微調整用デジタル可変抵抗器26に対して抵抗値の小さい抵抗器27を並列に接続する。CPU28は、予め設定されたソフトウェアに従って増幅器23の出力値を読込み、増幅器23の出力が目標値となるように粗調整用デジタル可変抵抗器25を調整し、その後、更に微調整用デジタル可変抵抗器26の抵抗値を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば増幅装置のゲイン調整や電圧/周波数変換素子における変換係数の調整等に用いられる回路装置の出力値自動調整回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、増幅装置のゲイン調整や電圧/周波数変換素子における電圧/周波数変換係数を調整するために可変抵抗器(ポテンショメータ)が用いられている。
【0003】
上記可変抵抗器を用いて増幅装置のゲインを調整する場合、入力に対する出力電圧を電圧計で読取り、目標の出力電圧となるように可変抵抗器を手動で操作して調整している。また、電圧/周波数変換素子の電圧/周波数変換係数を調整する場合は、入力に対する出力周波数を周波数カウンタで読取り、目標の出力周波数となるように可変抵抗器で調整している。
【0004】
図4は、ゲイン調整をアナログの可変抵抗器により行う場合の従来の反転増幅回路の構成図である。図4において、1は入力信号Vinが入力される入力端子で、この入力端子1は抵抗器2を介して増幅器3の(−)端子に接続される。この増幅器3は、(+)端子が接地され、出力側が出力端子4に接続される。また、増幅器3の出力端と(−)端子との間に負帰還用のアナログ可変抵抗器5が接続される。
【0005】
上記のように構成された反転増幅回路において、入力をVin、出力をVout、抵抗器2の抵抗値をR1、可変抵抗器5の抵抗値をVR1とすると、出力Voutは、
Vout=Vin *(VR1/R1)
で表される。
【0006】
上記図4に示した反転増幅回路において、ゲインを調整する場合は、出力端子4に電圧計(図示せず)を接続し、入力端子1に所定レベルの基準信号Vinを入力する。
【0007】
そして、操作者は、図5に示すフローチャートに従って可変抵抗器5を操作し、反転増幅回路のゲインを調整する。操作者は、ゲイン調整に際して先ず電圧計に示される出力値を目視にて確認し(ステップA1)、その出力値が目標値より大きいかどうかを判断する(ステップA2)。上記出力値が目標値より大きい場合は、可変抵抗器5の抵抗値が小さくなるように調整し(ステップA3)、また、上記出力値が目標値より小さい場合は、可変抵抗器5の抵抗値が大きくなるように調整する(ステップA4)。
【0008】
上記ステップA3又はステップA4で可変抵抗器5を調整した後、出力値が目標値に最も近いかどうかを判断し(ステップA5)、目標値に最も近い状態になっていなければステップA1に戻って上記の処理を再度実行する。
【0009】
そして、上記ステップA5で、出力値が目標値に最も近いと判断した場合にゲイン調整処理を終了する。
【0010】
図6は、従来の電圧/周波数変換回路における電圧/周波数変換係数の調整をアナログの可変抵抗器により行う場合の回路構成図を示している。
【0011】
図6において、11は入力信号Vinが入力される入力端子で、この入力端子11は抵抗器12及びアナログ可変抵抗器13を直列に介して電圧/周波数変換器(V/F変換器:Voltage-to-Frequency converter)14の一方の入力端に入力される。この電圧/周波数変換器14の他方の入力端はコンデンサ15を介して接地され、出力端は出力端子16に接続される。
【0012】
上記のように構成された電圧/周波数変換回路において、入力をVin、出力をFout[Hz]、抵抗器12の抵抗値をR1、可変抵抗器13の抵抗値をVR1、コンデンサ15の容量をCとすると、出力Fout[Hz]は、
Fout[Hz]=Vin/{(R1+VR1)*7500*C*10−3
で表される。尚、上式は電圧/周波数変換器14としてテキサスインスツルメンツ社製の「VFC32」を使用した場合を例として示している。
【0013】
上記図6に示した電圧/周波数変換回路において、出力Fout[Hz]を調整する場合は、出力端子16に周波数カウンタ(図示せず)を接続し、図4に示した反転増幅回路の場合と同様にして行う。
【0014】
上記のようにアナログ可変抵抗器を用いて反転増幅回路や電圧/周波数変換回路の出力値を調整する方法では、アナログ調整のため比較的高い精度が得られるものの、出力端に接続した電圧計や周波数カウンタ等の計器を目視しながら可変抵抗器を手動で調整するため、計器を必要とすると共に調整に時間が掛かるという問題がある。
【0015】
また、本発明に関連する公知技術として、アナログ音声信号又はデジタルデータ信号の両方で変調が可能な回路を有した携帯型無線機において、送信搬送波周波数及び受信局部発振周波数の周波数偏差を制御し、基地局の偏差を有した送信周波数に、受信周波数を整合させる発振周波数補正回路を備え、高い周波数精度が要求されるデータ伝送システムでの利用を可能にした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−229045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来では、増幅器のゲイン調整や電圧/周波数変換回路の変換係数等を調整する場合、上記したようにアナログ可変抵抗器を使用して電圧計や周波数カウンタ等の計器を目視しながら手動で調整するようにしているので、調整操作が面倒であると共に出力値を計測するための計器が必要であり、且つ調整に時間が掛かるという問題があった。
【0017】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、計器を使用することなく、短時間で且つ高精度で増幅装置等の出力値を自動的に調整することができる回路装置の出力値自動調整回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る回路装置の出力値自動調整回路は、入力信号に応じて所定の信号を出力する回路装置の出力値を自動調整する出力値自動調整回路において、
前記回路装置の出力値を調整する粗調整用デジタル可変抵抗器と、前記粗調整用デジタル可変抵抗器に直列に接続される微調整用デジタル可変抵抗器と、前記微調整用デジタル可変抵抗器に並列に接続される低抵抗器と、前記回路装置の出力調整時に前記粗調整用デジタル可変抵抗器及び微調整用デジタル可変抵抗器を自動調整する制御部とを具備し、前記制御部は、前記回路装置の出力調整時に基準入力に対して該回路装置の出力値が目標値に近付くように前記粗調整用デジタル可変抵抗器を粗調整し、その後、前記微調整用デジタル可変抵抗器を微調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、粗調整用デジタル可変抵抗器及び微調整用デジタル可変抵抗器を2段構成とし、回路装置の出力値を粗調整用デジタル可変抵抗器で粗調整した後、微調整用デジタル可変抵抗器で微調整することにより、計器を使用することなく、短時間で且つ高精度で自動的に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は本発明を回路装置である増幅装置例えば反転増幅回路に実施した場合の回路構成図である。
【0022】
図1において、21は入力信号Vinが入力される入力端子で、この入力端子21は抵抗器22を介して増幅器(オペアンプ)23の(−)端子に接続される。この増幅器23は、(+)端子が接地され、出力側が出力端子24に接続される。また、増幅器23の出力端と(−)端子との間に粗調整用デジタル可変抵抗器(デジタルポテンショメータ)25及び微調整用デジタル可変抵抗器(デジタルポテンショメータ)26が直列に接続されると共に、この微調整用デジタル可変抵抗器26に対して抵抗器27が並列に接続される。上記デジタル可変抵抗器25、26及び抵抗器27によって負帰還回路を構成している。この場合、上記抵抗器27の抵抗値を例えば1kΩ程度の低い値に設定し、抵抗器27とデジタル可変抵抗器26との合成抵抗値を低くしてデジタル可変抵抗器26による微調整を可能としている。
【0023】
そして、上記粗調整用デジタル可変抵抗器25及び微調整用デジタル可変抵抗器26は、CPU28によって抵抗値が自動的に制御される。CPU28は、予め設定されたソフトウェアに従って増幅器23の出力値を読込んで粗調整用デジタル可変抵抗器25及び微調整用デジタル可変抵抗器26の抵抗値を自動的に調整する。
【0024】
上記のように構成された反転増幅回路において、入力をVin、出力をVout、抵抗器22の抵抗値をR1、抵抗器27の抵抗値をR2、粗調整用デジタル可変抵抗器25の抵抗値をVR1、微調整用デジタル可変抵抗器26の抵抗値をVR2とすると、出力Voutは、
Vout=Vin *[{VR1+(VR2//R2)}/R1]
VR2//R2=(VR2*R2)/(VR2+R2)
で表される。尚、VR2//R2は、VR2とR2の並列合成抵抗値を示している。
【0025】
上記各回路素子の抵抗値R1、R2、VR1、VR2の値は、例えば次のように設定される。
【0026】
R1:18kΩ
R2:1kΩ
VR1、VR2:最大値:10kΩ(10035Ω)、最小値:0Ω(74Ω)、可変ステップ数:128bit(1bit:78Ω)
次に上記のように構成された反転増幅回路において、CPU28によるゲイン調整を図2のフローチャートに従って説明する。
【0027】
CPU28は、反転増幅回路の初期設定時あるいは外部からのゲイン調整指示が与えられると、予め設定されているゲイン調整用ソフトウェアに従って図2に示すゲイン調整処理を実行する。
【0028】
CPU28は、ゲイン調整処理を開始すると、最初に増幅器23の出力値を読込み(ステップB1)、この出力値から目標出力の理論値を決定する(ステップB2)。次いで、この目標出力の理論値に対応する抵抗値を算出して粗調整用デジタル可変抵抗器25の初期設定値とすると共に、微調整用デジタル可変抵抗器26を最大値に設定する(ステップB3、B4)。
【0029】
この状態でCPU28は、増幅器23の出力値を読込み(ステップB5)、負帰還合成抵抗値が目標値より大きいか否かを判断し(ステップB6)、大きければデジタル可変抵抗器25の抵抗値を1ステップ下げ(ステップB7)、小さければデジタル可変抵抗器25の抵抗値を1ステップ上げる(ステップB8)。
【0030】
CPU28は、上記ステップB7あるいはステップB8によりデジタル可変抵抗器25の抵抗値を調整した後、負帰還合成抵抗値が目標値に最も近いかどうかを判断し(ステップB9)、最も近い値になっていなければステップB5に戻り、ステップB5〜B9の処理を繰り返して実行する。そして、ステップB9で負帰還合成抵抗値が目標値に最も近くなったと判断されると、デジタル可変抵抗器25の抵抗値を1ステップ上げる(ステップB10)。
【0031】
以上で粗調整用デジタル可変抵抗器25の調整を終了し、次に微調整用デジタル可変抵抗器26の調整に移行する。上記粗調整用デジタル可変抵抗器25の調整を終了した段階では、ステップB10の処理により負帰還合成抵抗値が目標値より少し大きい値に設定されている。
【0032】
また、微調整用デジタル可変抵抗器26の抵抗値は最大値に初期設定されているので、微調整の段階では、先ずデジタル可変抵抗器26の抵抗値を1ステップ下げ(ステップB11)、負帰還合成抵抗値が目標値より小さくなったかどうかを判断し(ステップB12)、目標値より小さい値になっていなければステップB11に戻り、デジタル可変抵抗器26の抵抗値を更に1ステップ下げる。
【0033】
そして、ステップB12において、負帰還合成抵抗値が目標値より小さくなったと判断されると、現在の負帰還合成抵抗値とデジタル可変抵抗器26の値が1ステップ大きいときの合成抵抗値とを比較し、どちらが目標値に近いかを判断する(ステップB13)。この判断結果に従って微調整用デジタル可変抵抗器26の値を目標値により近い方に設定する(ステップB14)。
【0034】
以上で増幅装置のゲイン調整処理を終了する。
【0035】
上記実施形態で示したように増幅装置のゲイン調整回路に粗調整用デジタル可変抵抗器25と微調整用デジタル可変抵抗器26を2段に設け、増幅器23の出力値が目標値となるようにCPU28によりデジタル可変抵抗器25、26の抵抗値を調整することにより、電圧計等の計器を使用することなく短時間で且つ高精度で自動的にゲイン調整を行うことができる。
【0036】
例えばデジタル可変抵抗器25、26の具体的な仕様が
最大抵抗値:10035Ω
最小抵抗値:74Ω
可変ステップ数:128bit
である場合、1bit当りの抵抗値は、約78Ω((10035−74)/128≒78)となる。従って、微調整用デジタル可変抵抗器26を設けず、デジタル可変抵抗器25のみの場合の最小調整幅は78Ωとなる。
【0037】
また、微調整用デジタル可変抵抗器26の値(VR2)と抵抗器27の値(R2)の並列合成抵抗値(VR2//R2)は、
VR2//R2=(VR2*R2)/(VR2+R2)
により求められるので、デジタル可変抵抗器26の値が大きいほど変化の幅が少なくなる。
【0038】
すなわち、デジタル可変抵抗器26が最大値(10035Ω)の場合の抵抗器27との並列合成抵抗値(VR2//R2)は、
(VR2//R2)=(10035*1000)/(10035+1000)
≒909.37(Ω)
である。
【0039】
また、デジタル可変抵抗器26の値(VR2)が最大値より1ステップ小さい場合の値は、「10035−78=9957(Ω)」であり、この場合のVR2とR2の並列合成抵抗値(VR2//R2)は、
(VR2//R2)=(9957*1000)/(9957+1000)
≒908.73(Ω)
である。従って、デジタル可変抵抗器26の最大値「10035Ω」と1ステップ小さい「9957Ω」での1bitによる並列合成抵抗値の差は、0.64Ω(909.37−908.73=0.64(Ω))となる。
【0040】
また、デジタル可変抵抗器26が最小値(74Ω)の場合の抵抗器27との並列合成抵抗値(VR2//R2)は、
(VR2//R2)=(74*1000)/(74+1000)
≒68(Ω)
である。
【0041】
デジタル可変抵抗器26が最小値より1ステップ大きい場合の値は、「74+78=152(Ω)」であり、この場合のVR2とR2の並列合成抵抗値(VR2//R2)は、
(VR2//R2)=(152*1000)/(152+1000)
≒131(Ω)
となる。従って、デジタル可変抵抗器26の最小値「74Ω」と1ステップ大きい「152Ω」での1bitによる並列合成抵抗値の差は、63Ω(131−68=63(Ω))となる。
【0042】
上記のようにデジタル可変抵抗器26と抵抗器27との並列合成抵抗値(VR2//R2)は、デジタル可変抵抗器26の値が大きいほど変化の幅が少なくなる。このため本実施形態では、より細かい調整から開始できるように微調整用デジタル可変抵抗器26の初期値を最大値に設定している。
【0043】
上記第1実施形態で示したように微調整用デジタル可変抵抗器26の最大抵抗値が10035Ω、最小抵抗値が74Ωである場合において、抵抗器27の抵抗値を1kΩに設定した場合、最小調整幅は0.64Ωとなり、微調整用デジタル可変抵抗器26を設けず、デジタル可変抵抗器25のみの場合の最小調整幅である78Ωに比べて高精度とすることができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、抵抗器27の値を1kΩに設定した場合について説明したが、抵抗器27の値を変えることによってデジタル可変抵抗器26による調整幅を変更することができる。
【0045】
また、上記デジタル可変抵抗器25、26及び抵抗器22、27の値は、上記実施形態で設定した値に限定されるものではなく、用途に応じて任意に設定し得るものである。
【0046】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態に係る回路装置の出力値自動調整回路について説明する。
【0047】
図3は本発明を電圧/周波数変換回路に実施した場合の回路構成図である。
【0048】
図3において、31は入力信号Vinが入力される入力端子で、この入力端子31は抵抗器32及び粗調整用デジタル可変抵抗器33、微調整用デジタル可変抵抗器34を直列に介して電圧/周波数変換器(V/F変換器:Voltage-to-Frequency converter)36の一方の入力端に接続されると共に、上記微調整用デジタル可変抵抗器34に対して低抵抗値の抵抗器35が並列に接続される。上記電圧/周波数変換器36の他方の入力端はコンデンサ37を介して接地され、出力端は出力端子38に接続される。
【0049】
上記粗調整用デジタル可変抵抗器33及び微調整用デジタル可変抵抗器34は、CPU28によって抵抗値が自動的に制御される。CPU28は、予め設定されたソフトウェアに従って電圧/周波数変換器36の出力値を読込んで粗調整用デジタル可変抵抗器33及び微調整用デジタル可変抵抗器26の抵抗値を自動的に調整する。
【0050】
上記のように構成された電圧/周波数変換回路において、入力をVin、出力をFout[Hz]、抵抗器32の抵抗値をR1、抵抗器35の抵抗値をR2、粗調整用デジタル可変抵抗器33の抵抗値をVR1、微調整用デジタル可変抵抗器34の抵抗値をVR2、コンデンサ37の容量をCとすると、出力Fout[Hz]は、
Fout[Hz]=
Vin/{(R1+VR1+(VR2//R2))*7500*C*10−3
VR2//R2=(VR2*R2)/(VR2+R2)
で表される。尚、上式は電圧/周波数変換器36としてテキサスインスツルメンツ社製の「VFC32」を使用した場合を例として示している。
【0051】
上記各回路素子の抵抗値R1、R2、VR1、VR2及びコンデンサCの値は、例えば次のように設定される。
【0052】
R1:18kΩ
R2:1kΩ
C:3300pF
VR1、VR2:最大値:10kΩ(10035Ω)、最小値:0Ω(74Ω)、可変ステップ数:128bit(1bit:78Ω)
上記図3に示した電圧/周波数変換回路において、出力Fout[Hz]を調整する場合、CPU28は、図1に示した反転増幅回路の場合と同様に電圧/周波数変換器36の出力周波数を読込み、その出力周波数が目標値に最も近付くように最初に粗調整用デジタル可変抵抗器33を調整し、その後、更に電圧/周波数変換器36の出力周波数が目標値に近付くように微調整用デジタル可変抵抗器34を微調整する。上記CPU28によるデジタル可変抵抗器33、34の調整は、第1実施形態で示した増幅装置の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0053】
上記実施形態で示したように電圧/周波数変換器36に粗調整用デジタル可変抵抗器33と微調整用デジタル可変抵抗器34を2段に設け、電圧/周波数変換器36の出力周波数が目標の周波数となるようにCPU28によりデジタル可変抵抗器33、34を調整することにより、周波数カウンタ等の計器を使用することなく短時間で且つ高精度で電圧/周波数変換係数を自動的に調整することができる。
【0054】
尚、上記デジタル可変抵抗器33、34、抵抗器32、35、コンデンサ37の値は、上記実施形態で設定した値に限定されるものではなく、用途に応じて任意に設定し得るものである。
【0055】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態に係る反転増幅回路の構成図である。
【図2】同実施形態における反転増幅回路のゲイン調整方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電圧/周波数変換回路の構成図である。
【図4】従来の反転増幅回路の構成図である。
【図5】従来の反転増幅回路のゲイン調整方法を示すフローチャートである。
【図6】従来の電圧/周波数変換回路の構成図である。
【符号の説明】
【0057】
21…入力端子、22…抵抗器、23…増幅器、24…出力端子、25…粗調整用デジタル可変抵抗器、26…微調整用デジタル可変抵抗器、27…抵抗器、28…CPU、31…入力端子、32…抵抗器、33…粗調整用デジタル可変抵抗器、34…微調整用デジタル可変抵抗器、35…抵抗器、36…電圧/周波数変換器(V/F変換器)、37…コンデンサ、38…出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に応じて所定の信号を出力する回路装置の出力値を自動調整する出力値自動調整回路において、
前記回路装置の出力値を調整する粗調整用デジタル可変抵抗器と、前記粗調整用デジタル可変抵抗器に直列に接続される微調整用デジタル可変抵抗器と、前記微調整用デジタル可変抵抗器に並列に接続される低抵抗器と、前記回路装置の出力調整時に前記粗調整用デジタル可変抵抗器及び微調整用デジタル可変抵抗器を自動調整する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記回路装置の出力調整時に基準入力に対して該回路装置の出力値が目標値に近付くように前記粗調整用デジタル可変抵抗器を粗調整し、その後、前記微調整用デジタル可変抵抗器を微調整することを特徴とする回路装置の出力値自動調整回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−284016(P2009−284016A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131074(P2008−131074)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(507207498)株式会社五洋電子 (43)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】