説明

回転システム

【課題】
2つのモータの回転力を回転軸上で合成することで、1つのモータで回転軸を回転させた場合より少ない電力で回転軸を効率よく回転させることができる回転システムを提供することにある。
【解決手段】
回転軸の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有するモータを2つ備え、2つのモータで、回転軸の両端をそれぞれ回転させ、2つのモータの回転力を回転軸上で合成し、また、2つのモータがDCモータであり、2つのモータが電源配線において直列に接続され、1つの直流電源で2つのモータが駆動されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷を有する回転軸を回転させるための回転システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、負荷を有する回転軸を、複数のモータで回転させる方法が提案されている。その1つの方法として、回転軸の両側にそれぞれ別々のモータを設け、回転軸を回転させるものがある。例えば、特許文献1に示すコンベヤ自動除雪装置がある。この従来のコンベヤ自動除雪装置では、回転軸の両側にメカクラッチを設け、このメカクラッチを介して2つのモータを備えている。この2つのモータは、一方が高速モータであり、他方が低速モータである。そして、通常運転時は、高速モータ側のメカクラッチを接続して、高速モータで回転軸を回転させる(通常回転時は、低速モータ側のメカクラッチが解除され、低速モータは回転軸には接続されていない)。他方、除雪運転時は、高速モータ側のメカクラッチが解除され、低速モータ側のメカクラッチを接続して、低速モータで回転軸を回転させるようにしている。これにより、モータの効率的な使用を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−289837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の回転システムであるコンベヤ自動除雪装置では、回転軸が所望の回転数(定常回転)になってしまえば、それぞれのモータの一番効率的な回転が可能になり、モータの効率的な使用が可能になるが、起動回転時にはモータには大きな起動負荷が掛かり、かえって効率的に回転させられない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、1つのモータで回転軸を回転させた場合より少ない電力で回転軸を効率よく回転させることができる回転システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の回転システムは、回転軸の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有するモータを2つ備え、2つのモータで、回転軸の両端をそれぞれ回転させ、2つのモータの回転力を回転軸上で合成することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の回転システムは、モータの一方が、回転軸の起動回転時の回転トルクには満たないが定常回転時の回転トルク分の回転力を有する第1のモータで、モータの他方が、回転軸の起動回転時の回転トルクと第1のモータの回転力との差分の回転力を有する第2のモータであり、回転軸の起動回転時に、第1のモータと第2のモータと両方で回転軸を回転させ、回転軸が定常回転し始めた後に、第2のモータの回転を停止させ、第1のモータのみで回転軸を回転させることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の回転システムは、第2のモータに回転軸の回転トルクが掛からなくなったことで定常回転と判断し、第2のモータが停止することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の回転システムは、回転軸が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断し、第2のモータが停止することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の回転システムは、モータが、DCモータであることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の回転システムは、2つのモータがDCモータであり、2つのモータが電源配線において直列に接続され、1つの直流電源で2つのモータが駆動されることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の回転システムは、回転軸に、フライホイールを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の回転システムは、回転軸が、発電機の回転子であるか、または発電機の回転子に接続され、回転軸が回転することで発電が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び請求項6の発明によれば、回転軸の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有する2つのモータで、回転軸の両端をそれぞれ回転させ、2つのモータの回転力を回転軸上で合成することから、1つのモータで回転軸を回転させた場合より少ない電力で回転軸を効率よく回転させることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、回転軸の起動回転時に、第1のモータと第2のモータと両方で回転軸を回転させ、回転軸が定常回転し始めた後に、第2のモータの回転を停止させ、第1のモータのみで回転軸を回転させることから、大きな回転力が必要な時にはより確実に回転軸を回転させることができ、逆に所定の回転力のみでよい場合には、最適な回転力で効率的に回転軸を回転させることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、第2のモータに回転軸の回転トルクが掛からなくなったことで定常回転と判断し、第2のモータが停止することから、第2のモータが不必要に回転することを抑え、より効率的に回転軸を回転させることができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、回転軸が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断し、第2のモータが停止することから、第2のモータが不必要に回転することを抑え、より効率的に回転軸を回転させることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、モータにDCモータを用いることで、より効率的に回転軸を回転させることができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、回転軸にフライホイールを備えることで、定常回転時に効率的に回転軸を回転させることができる。
【0020】
請求項8の発明によれば、回転軸が、発電機の回転子であるか、または発電機の回転子に接続され、回転軸が回転することで発電が行われることから、大きな回転力が必要な時にはより確実に回転軸を回転させ、逆に所定の回転力のみでよい場合には、最適な回転力で効率的に回転軸を回転させ、より効率的に発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る第1の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る第2の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る第3の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る第4の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の形態における回転システムは、負荷を有する回転軸を回転させるための回転システムで、特に回転軸の両側にそれぞれモータを有するものである。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明に係る第1の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。図1において、回転システム1は、負荷5を備えた回転軸10の両端に、それぞれ軸継手12,14を介して第1のモータ20及び第2のモータ22が接続されている。
【0024】
第1のモータ20は、回転軸10の起動回転時の回転トルクには満たないが定常回転時の回転トルク分の回転力を有するものである。ここで、定常回転とは、回転軸10が所望の回転数で回転する状態のことである。一方、第2のモータ22は、回転軸10の起動回転時の回転トルクと第1のモータ20の回転力との差分の回転力を有するものである。
【0025】
例えば、回転軸10の起動回転時の回転トルクを1.0とし、定常回転時の回転トルクを0.4とした場合、第1のモータ20には回転力が0.6のものを用い、第2のモータ22には回転力が0.4のものを用いるようにする。この第1のモータ20と第2のモータ22の回転力は、あくまでも例示で、この値に限られるものではない。
【0026】
尚、第2のモータ22は、回転軸10が回転している最中に、回転軸10の回転を妨げることなく回転を停止させることが可能な構造を有している。具体的には、第2のモータ22自身が回転力を生まずにエネルギーを消耗しない状態で回転子が空回りするような構造であったり、またはクラッチを設けて回転軸10から解除されるようにしてもよく、その構造によって限定されるものではない。
【0027】
そして、このような構成の回転システム1では、回転軸10が停止した状態で回転を開始させる場合(起動回転時)、回転軸10の両側に設けられた第1のモータ20と第2のモータ22との両方で回転軸10を回転させる。そして、回転軸10が定常回転し始めた後、第2のモータ22の回転を停止させ、第1のモータ20のみで回転軸10を回転させるようにする。
【0028】
尚、回転軸10が定常回転になったと判断し第2のモータ22を停止させる条件としては、第2のモータ22に回転軸10の回転トルクが掛からなくなったことを用いることができる。また、他には、回転軸10が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断する方法もある。尚、他の方法で、定常回転を検出するようにしてもよい。また、第1のモータ20及び第2のモータ22は、上記のような使用方法が可能であれば、どのような構造のモータであってもかまわない。
【0029】
以上のように、本実施例における回転システム1によれば、回転軸10の起動回転時に、第1のモータ20と第2のモータ22と両方で回転軸10を回転させ、回転軸10が定常回転し始めた後に、第2のモータ22の回転を停止させ、第1のモータ20のみで回転軸10を回転させることから、大きな回転力が必要な時にはより確実に回転軸10を回転させることができ、逆に所定の回転力のみでよい場合には、最適な回転力で効率的に回転軸を回転させることができる。
【0030】
また、第2のモータ22に回転軸10の回転トルクが掛からなくなったことで定常回転と判断し、第2のモータ22を停止させることで、第2のモータ22が不必要に回転することを抑え、より効率的に回転軸10を回転させることができる。また、回転軸10が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断し、第2のモータ22を停止させるようにしても、第2のモータ22が不必要に回転することを抑え、より効率的に回転軸10を回転させることができる。
【実施例2】
【0031】
実施例1では、回転軸10で回転させるものとして負荷5として、各種の回転物を想定しているが、より具体的に示すのが、本実施例である。以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図2は、本発明に係る第2の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。図2において、回転システム2は、負荷として発電機6を備えた回転軸30の両端に、それぞれ軸継手32,34を介して第1のモータ40及び第2のモータ42が接続されている。
【0032】
第1のモータ40は、回転軸30の起動回転時の回転トルクには満たないが定常回転時の回転トルク分の回転力を有するものである。ここで、定常回転とは、発電機6で効率的に発電を行うために必要な、回転軸30が所望の回転数で回転する状態のことである。一方、第2のモータ42は、回転軸30の起動回転時の回転トルクと第1のモータ40の回転力との差分の回転力を有するものである。
【0033】
例えば、回転軸30の起動回転時の回転トルクを1.0とし、定常回転時の回転トルクを0.4とした場合、第1のモータ40には回転力が0.6のものを用い、第2のモータ42には回転力が0.4のものを用いるようにする。この第1のモータ40と第2のモータ42の回転力は、あくまでも例示で、この値に限られるものではない。
【0034】
尚、第2のモータ42は、回転軸30が回転している最中に、回転軸30の回転を妨げることなく回転を停止させることが可能な構造を有している。具体的には、第2のモータ42自身が回転力を生まずにエネルギーを消耗しない状態で回転子が空回りするような構造であったり、またはクラッチを設けて回転軸30から解除されるようにしてもよく、その構造によって限定されるものではない。
【0035】
そして、このような構成の回転システム2では、回転軸30が停止した状態で回転を開始させる場合(起動回転時)、回転軸30の両側に設けられた第1のモータ40と第2のモータ42との両方で回転軸30を回転させる。そして、回転軸30が定常回転し始めた後、第2のモータ42の回転を停止させ、第1のモータ40のみで回転軸30を回転させ、発電機6での発電を効率的に行うようにする。
【0036】
尚、回転軸30が定常回転になったと判断し第2のモータ42を停止させる条件としては、第2のモータ42に回転軸30の回転トルクが掛からなくなったことを用いることができる。また、他には、回転軸30が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断する方法もある。尚、他の方法で、定常回転を検出するようにしてもよい。また、第1のモータ40及び第2のモータ42は、上記のような使用方法が可能であれば、どのような構造のモータであってもかまわない。
【0037】
以上のように、本実施例における回転システム2によれば、回転軸30が、発電機6の回転子であり、回転軸30が回転することで発電が行われることから、大きな回転力が必要な時にはより確実に回転軸30を回転させ、逆に所定の回転力のみでよい場合には、最適な回転力で効率的に回転軸30を回転させ、より効率的に発電を行うことができる。
【実施例3】
【0038】
実施例1及び実施例2では、回転軸10及び回転軸30に直接負荷になるものを設けるようにしているが、そのような構造ではない例を本実施例では示す。以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図3は、本発明に係る第3の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。図3において、回転システム3は、負荷としては発電機8を備えるが、回転軸50に直接発電機8を備えていない。回転システム3では、まず、回転軸50の中央にフライホイール9が設けられ、回転軸50の両側がベアリング52,54を介して保持され、その回転軸50の両端に、それぞれ軸継手56,58を介して第1のモータ60及び第2のモータ62が接続されている。
【0039】
そして、フライホイール9の外周に当接してフライホイール9の回転を発電機8に伝える歯車8aを備える発電機8が設けられている。
【0040】
第1のモータ60は、回転軸50の起動回転時の回転トルクには満たないが定常回転時の回転トルク分の回転力を有するものである。ここで、定常回転とは、発電機8で効率的に発電を行うために必要な、回転軸50が所望の回転数で回転する状態のことである。一方、第2のモータ62は、回転軸50の起動回転時の回転トルクと第1のモータ60の回転力との差分の回転力を有するものである。
【0041】
例えば、回転軸50の起動回転時の回転トルクを1.0とし、定常回転時の回転トルクを0.4とした場合、第1のモータ60には回転力が0.6のものを用い、第2のモータ62には回転力が0.4のものを用いるようにする。この第1のモータ60と第2のモータ62の回転力は、あくまでも例示で、この値に限られるものではない。
【0042】
尚、第2のモータ62は、回転軸50が回転している最中に、回転軸50の回転を妨げることなく回転を停止させることが可能な構造を有している。具体的には、第2のモータ62自身が回転力を生まずにエネルギーを消耗しない状態で回転子が空回りするような構造であったり、またはクラッチを設けて回転軸50から解除されるようにしてもよく、その構造によって限定されるものではない。
【0043】
そして、このような構成の回転システム3では、回転軸50が停止した状態で回転を開始させる場合(起動回転時)、回転軸50の両側に設けられた第1のモータ60と第2のモータ62との両方で回転軸50を回転させる。そして、回転軸50が定常回転し始めた後、第2のモータ62の回転を停止させ、フライホイール9の補助を受けつつ、第1のモータ60のみで回転軸50を回転させ、発電機8での発電を効率的に行うようにする。
【0044】
尚、回転軸50が定常回転になったと判断し第2のモータ62を停止させる条件としては、第2のモータ62に回転軸50の回転トルクが掛からなくなったことを用いることができる。また、他には、回転軸50が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断する方法もある。尚、他の方法で、定常回転を検出するようにしてもよい。また、第1のモータ60及び第2のモータ62は、上記のような使用方法が可能であれば、どのような構造のモータであってもかまわない。
【0045】
以上のように、本実施例における回転システム3によれば、回転軸50がフライホイール9及び歯車8aを介して発電機8の回転子に接続され、回転軸50が回転することで発電が行われることから、大きな回転力が必要な時にはより確実に回転軸50を回転させ、逆に所定の回転力のみでよい場合には、最適な回転力で効率的に回転軸50を回転させ、より効率的に発電を行うことができる。
【0046】
また、回転軸50にフライホイール9を備えることで、定常回転時に効率的に回転軸50を回転させることができる。尚、本実施例のようにフライホイール9を発電機8の回転子と繋げないで、フライホイール9を発電機8とは別に回転軸50に設けるようにして、回転軸50をフライホイール9を介さず発電機8の回転子と接続するようにしてもよい。
【0047】
尚、上記の各実施例で、モータの種類を限定していないが、特にモータをDCモータにすることにより、より効率的に上記各種の回転軸を回転させることができる。
【実施例4】
【0048】
実施例1では、回転軸10で回転させる負荷5として、各種の回転物を想定しているが、より具体的に示すのが、本実施例である。以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図4は、本発明に係る第4の実施例の回転システムの構造の一例を示す説明図である。図4において、回転システム4は、負荷として発電機6を備えた回転軸70の両端に、それぞれ軸継手72,74を介して第1のモータ80及び第2のモータ82が接続されている。第1のモータ80と第2のモータ82とは、共にDCモータである。
【0049】
第1のモータ80は、回転軸70の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有するモータで、第2のモータ82も、第1のモータ80と同様に、回転軸70の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有するモータである。そして、軸継手72,74を介して、第1のモータ80と第2のモータ82とで、回転軸70の両端をそれぞれ回転させ、第1のモータ80と第2のモータ82の回転力を回転軸70上で合成するするような構成になっている。電源の接続については、第1のモータ80と第2のモータ82とを直列に接続して1つの直流電源84としている、尚、電源の電圧及び電流を測定するために、直流電源84部分に電圧計86と電流計88とが設けられている。
【0050】
そして、例えば、回転軸70の定常回転時の回転トルクと、第1のモータ80及び第2のモータ82の回転力が、同一のものを用いるようにする。この第1のモータ80と第2のモータ82の回転力は、あくまでも例示で、この構成に限られるものではない。
【0051】
より具体的な実験結果を示すと、まず、第1のモータ80及び第2のモータ82として、入力1.5Vを定格とするDCモータを用い、第1のモータ80及び第2のモータ82に用いたモータを発電機6として用いた。
【0052】
まず、図4とは異なり、第1のモータ80のみを発電機6の回転軸70に接続し、直流電源84を接続した第1のモータ80のみで発電機6の回転軸70を回転させた結果を示すと、第1のモータ80の入力(電圧計86及び電流計88の測定値)が電圧1.5Vで電流が0.44Aの0.66Wで、発電機6の回転軸70を回転させることが可能であった。
【0053】
これに対し、図4の構成のように、第1のモータ80及び第2のモータ82を発電機6の回転軸70の両側にそれぞれ接続して回転させたところ、電圧計86で測定された電圧が1.5Vで、電流計88で測定された電流が0.23Aの0.345Wで、発電機6の回転軸70を回転させることが可能であった。
【0054】
ここで、第1のモータ80のみの場合と、第1のモータ80と第2のモータ82との2個のモータを用いた場合を比較すると、同一の発電機6を回したにも関わらず、0.66Wと0.345Wとの差が生じている。すなわち、入力電力を約2分の1に抑えることができている。このように、本実施例における回転システム4によれば、回転軸70の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有する第1のモータ80と第2のモータ82との2つのモータで、回転軸70の両端をそれぞれ回転させ、2つのモータの回転力を回転軸70上で合成することから、1つのモータで回転軸を回転させた場合より少ない電力で回転軸を効率よく回転させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明によれば、1つのモータで回転軸を回転させた場合より少ない電力で回転軸を効率よく回転させることができる回転システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・回転システム
2・・・・回転システム
3・・・・回転システム
4・・・・回転システム
5・・・・負荷
6・・・・発電機
8・・・・発電機
8a・・・歯車
9・・・・フライホイール
10・・・回転軸
12・・・軸継手
14・・・軸継手
20・・・第1のモータ
22・・・第2のモータ
30・・・回転軸
32・・・軸継手
34・・・軸継手
40・・・第1のモータ
42・・・第2のモータ
50・・・回転軸
52・・・ベアリング
54・・・ベアリング
56・・・軸継手
58・・・軸継手
60・・・第1のモータ
62・・・第2のモータ
70・・・回転軸
72・・・軸継手
74・・・軸継手
80・・・第1のモータ
82・・・第2のモータ
84・・・直流電源
86・・・電圧計
88・・・電流計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を有する回転軸を回転させるための回転システムにおいて、
該回転軸の定常回転時の回転トルク分以上の回転力を有するモータを2つ備え、
該2つのモータで、該回転軸の両端をそれぞれ回転させ、該2つのモータの回転力を該回転軸上で合成することを特徴とする回転システム。
【請求項2】
前記モータの一方が、前記回転軸の起動回転時の回転トルクには満たないが定常回転時の回転トルク分の回転力を有する第1のモータで、
前記モータの他方が、該回転軸の起動回転時の回転トルクと該第1のモータの回転力との差分の回転力を有する第2のモータであり、
該回転軸の起動回転時に、該第1のモータと該第2のモータと両方で該回転軸を回転させ、該回転軸が定常回転し始めた後に、該第2のモータの回転を停止させ、該第1のモータのみで該回転軸を回転させることを特徴とする請求項1記載の回転システム。
【請求項3】
前記第2のモータに前記回転軸の回転トルクが掛からなくなったことで定常回転と判断し、前記第2のモータが停止することを特徴とする請求項2記載の回転システム。
【請求項4】
前記回転軸が所定の回転速度に達したことで定常回転と判断し、前記第2のモータが停止することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の回転システム。
【請求項5】
前記モータが、DCモータであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回転システム。
【請求項6】
前記2つのモータがDCモータであり、該2つのモータが電源配線において直列に接続され、1つの直流電源で該2つのモータが駆動されることを特徴とする請求項1記載の回転システム。
【請求項7】
前記回転軸に、フライホイールを備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の回転システム。
【請求項8】
前記回転軸が、発電機の回転子であるか、または発電機の回転子に接続され、該回転軸が回転することで発電が行われることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の回転システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−90519(P2012−90519A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199041(P2011−199041)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(594121615)株式会社栗田工業 (6)
【Fターム(参考)】