回転伝達構造、交換ユニット、現像剤収容体及び画像形成装置
【課題】回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができるようにする。
【解決手段】駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有する。回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝66、67が形成され、回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、係止溝66、67と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、回転伝達部材及び回転部材の他方における係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられる。係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられるので、回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができる。
【解決手段】駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有する。回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝66、67が形成され、回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、係止溝66、67と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、回転伝達部材及び回転部材の他方における係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられる。係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられるので、回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転伝達構造、交換ユニット、現像剤収容体及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ローラ、定着器等を備え、前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、トナーを収容する現像剤収容体としての、かつ、交換ユニットとしてのトナーカートリッジから成り、前記画像形成ユニット本体内に、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングブレード等が配設されるようになっている。
【0003】
前記プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、現像ローラによって静電潜像が現像され、該静電潜像に、前記トナーカートリッジから供給されたトナーが付着させられてトナー像が形成される。そして、該トナー像は、転写ローラによって用紙に転写され、定着器において定着させられる。
【0004】
また、前記プリンタにおいては、画像形成ユニット本体、トナーカートリッジ等、例えば、トナーカートリッジ内の所定の箇所に、トナーを攪拌するためのトナー攪拌機構が配設される。該トナー攪拌機構は、回転自在に配設された回転部材としてのトナー攪拌バーを備え、画像形成ユニット本体に配設されたモータと、前記トナー攪拌バーの回転軸に取り付けられた回転伝達部材としての攪拌駆動ギヤとが、ギヤトレイン等の回転伝達系を介して連結され、前記モータからの回転が攪拌駆動ギヤに伝達され、更にトナー攪拌バーに伝達され、該トナー攪拌バーが回転させられるようになっている。
【0005】
ところで、前記攪拌駆動ギヤとトナー攪拌バーとを係脱自在に係合させるようにした回転伝達構造が提供されている。
【0006】
該回転伝達構造においては、トナー攪拌バーの回転軸の端部にDカット面が形成されるとともに、回転軸の端部の外周面に係止溝が形成され、前記攪拌駆動ギヤの中心に、回転軸の端部を嵌入するための「D」字状の嵌入孔が形成されるとともに、該嵌入孔の円弧面に沿って、所定の曲率で形成され、弾性を有するスナップフィット部が形成される。したがって、回転軸の端部が嵌入孔に嵌入されると、スナップフィット部が弾性変形し、スナップフィット部の係止突起と係止溝とが係止させられ、攪拌駆動ギヤとトナー攪拌バーとが係合させられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−112467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の回転伝達構造においては、スナップフィット部の係止突起が小さいと、係止突起と係止溝とを係止させた後に、振動、衝撃等によって回転軸が嵌入孔から抜ける方向に外力が加わった場合に、トナー攪拌バーが攪拌駆動ギヤから外れる恐れがある。
【0009】
そこで、係止突起を大きくすることが考えられるが、スナップフィット部は、嵌入孔の円弧面に沿って、所定の曲率で形成されているので、係止突起を大きくすると、スナップフィット部の剛性が極端に高くなり、スナップフィット部を弾性変形させることが困難になり、攪拌駆動ギヤとトナー攪拌バーとを係合させる際の作業性が低くなってしまう。
【0010】
本発明は、前記従来の回転伝達構造の問題点を解決して、回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができる回転伝達構造、交換ユニット、現像剤収容体及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明の回転伝達構造においては、駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有する。
【0012】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成される。
【0013】
また、前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設される。
【0014】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転伝達構造においては、駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有する。
【0016】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成される。
【0017】
また、前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設される。
【0018】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられる。
【0019】
この場合、回転伝達部材及び回転部材の他方における係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられるので、回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す正面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第1の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第2の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す断面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第1の図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0022】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0023】
図に示されるように、プリンタ内には、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤としてのトナー14ごとに画像形成部Bk、Y、M、Cが配設され、該各画像形成部Bk、Y、M、Cに沿って転写部としての転写ユニット21が配設される。各画像形成部Bk、Y、M、Cは、それぞれ、プリンタの本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設された第1の交換ユニットとしての画像形成ユニット15、及び該画像形成ユニット15に対応させて配設された露光装置としてのLEDヘッド23を備える。
【0024】
前記転写ユニット21の下方には、媒体としての図示されない用紙を収容する媒体収容部としての給紙カセット31が配設され、該給紙カセット31から用紙が一枚ずつ繰り出され、各画像形成部Bk、Y、M、Cと転写ユニット21との間に送られる。
【0025】
前記画像形成ユニット15は、画像形成ユニット15の本体、すなわち、画像形成ユニット本体15a、及び該画像形成ユニット本体15aに対して着脱自在に配設された第2の交換ユニットとしての、かつ、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ13を備え、該トナーカートリッジ13内に形成された現像剤収容部としてのトナー収容部61に、前記トナー14が収容される。なお、前記トナーカートリッジ13は、トナー14が消費されたり、構成部品が劣化したりしたときに、新しいトナーカートリッジ13と交換することができる。
【0026】
前記画像形成ユニット本体15aは、ドラム状に形成され、表面が有機感光体によって形成され、潜像としての静電潜像を担持する像担持体としての感光体ドラム11を備えるとともに、該感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11と当接させて配設され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ12、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像を現像し、現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ16、該現像ローラ16の表面にトナー14の薄層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード17、前記トナーカートリッジ13から供給されたトナー14を現像ローラ16に供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18、及びクリーニング部材としてのクリーニングブレード19を備える。なお、前記現像ローラ16、現像ブレード17、トナー供給ローラ18等によって現像装置としての現像器が構成される。
【0027】
そして、駆動部としての図示されない駆動モータが駆動され、図示されないギヤによって回転が伝達されると、感光体ドラム11が一定の周速度で回転させられ、それに伴って、前記帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18等が矢印方向に回転させられる。
【0028】
前記構成の画像形成ユニット15においては、帯電ローラ12によって一様に帯電させられた感光体ドラム11の表面がLEDヘッド23によって露光されて静電潜像が形成され、現像ローラ16によってトナー14が静電潜像に付着させられて現像が行われ、トナー像が形成される。
【0029】
そして、前記転写ユニット21は、前記各感光体ドラム11と当接させて、走行自在に張設されたベルト部材としての転写ベルト24、該転写ベルト24を介して各感光体ドラム11と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ22等を備える。該各転写ローラ22は、各感光体ドラム11上の各色のトナー像を、給紙カセット31から送られ、転写ベルト24の走行に伴って搬送される用紙に順次重ねて転写し、カラーのトナー像を形成する。
【0030】
なお、転写後、感光体ドラム11の表面に残留したトナー14は、クリーニングブレード19によって掻き取られ、除去される。
【0031】
用紙の搬送方向における画像形成部Bk、Y、M、Cより下流側には、定着装置としての定着器35が配設される。該定着器35は、第1のローラとしての定着ローラR1及び第2のローラとしての加圧ローラR2を備え、画像形成部Bk、Y、M、Cから送られた用紙上のカラーのトナー像を用紙に定着させ、カラーの画像を形成する。そして、カラーの画像が形成された用紙は、装置本体外に排出される。
【0032】
なお、前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、LEDヘッド23、現像ローラ16、トナー供給ローラ18、転写ローラ22及び定着器35は、図示されない制御部によって制御される。該制御部は、直流電圧を、あらかじめ設定されたタイミングで帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18及び転写ローラ22に印加し、前記駆動モータを駆動することによって、感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18及び定着ローラR1を矢印方向に回転させる。
【0033】
そして、第1の搬送部57は、クリーニングブレード19によって掻き取られたトナー14を廃棄トナーとして、画像形成部Bk、Y、M、Cの長手方向(感光体ドラム11の軸方向)に、図における手前に向けて搬送する。また、第2の搬送部58は、前記第1の搬送部57によって搬送された各色の廃棄トナーを一括して用紙の搬送方向における最も上流側に配設された廃棄現像剤収容器としての廃棄トナー収容器62に搬送する。該廃棄トナー収容器62は、第2の搬送部58によって搬送された廃棄トナーを収容する。
【0034】
次に、トナーカートリッジ13について説明する。
【0035】
図1は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視断面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図、図7は本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図、図8は本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図、図9は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す正面図である。
【0036】
図に示されるように、トナーカートリッジ13は、内部にトナー収容部61が形成された現像剤収容部本体としてのカートリッジ本体40、該カートリッジ本体40によって回動自在に支持された操作部としての操作レバー42、前記カートリッジ本体40内において回転自在に配設され、回転に伴って、トナー収容部61内に収容されたトナー14を攪拌する攪拌部材としての、かつ、回転部材としてのトナー攪拌バー43、回転伝達部材としての攪拌駆動ギヤ44、トナー収容部61内のトナー14がトナーカートリッジ13外に漏れるのを防止するための、スポンジ等の弾性部材から成るシール部材45等を備える。また、図示されない所定の部品間の当接箇所、摺動箇所等に形成される隙間をシールするために、スポンジ等の弾性部材から成る他のシール部材が配設される。
【0037】
前記攪拌駆動ギヤ44は、画像形成ユニット本体15aの所定の箇所に配設された駆動部としてのモータと図示されないギヤトレイン等の回転伝達系を介して連結され、前記モータからの回転を受けて回転させられる。なお、前記モータとして、感光体ドラム11等を回転させるための駆動モータを使用することができる。
【0038】
前記攪拌駆動ギヤ44及びトナー攪拌バー43によって回転伝達構造が形成され、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを係合させることによって、攪拌駆動ギヤ44の回転をトナー攪拌バー43に伝達し、トナー攪拌バー43を回転させることができる。
【0039】
前記カートリッジ本体40は、筒状体から成る筐体40aを備え、該筐体40aの一端が前記操作レバー42によって閉鎖され、他端が蓋体としてのサイドカバー40bによって閉鎖される。また、前記筐体40aの下端部には、トナー収容部61内のトナー14を画像形成ユニット本体15aに供給(排出)するための複数のトナー排出口40cが長手方向において隣接させて形成される。
【0040】
また、前記操作レバー42は、回動角度θの範囲内で回動させられることによって、前記トナー排出口40cを開閉したり、画像形成ユニット本体15aに対してトナーカートリッジ13を係脱させたりする機能を備える。そのために、前記操作レバー42は、円形の形状を有し、筐体40aの一端を閉鎖する本体部42a、該本体部42aの所定の箇所から径方向外方に向けて突出させて形成された取手部としての操作片42b、前記本体部42aの中央部に形成され、画像形成ユニット本体15aに形成された係脱用の第1の係止部としてのリブ41と選択的に係止させられる係脱用の第2の係止部としての環状の固定係止部42c、及び本体部42aからトナー収容部61の長手方向に延在させて形成された円筒部46を備える。
【0041】
前記本体部42aには、下部が開放され、馬蹄形の形状を有し、攪拌駆動ギヤ44を収容する収容室42arが形成され、該収容室42ar内で攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とが係合させられる。また、前記収容室42arは、円筒部46側において第1の壁部w1によって、円筒部46と反対側において第2の壁部w2によって包囲され、第1の壁部w1にトナー攪拌バー43の一端を回転自在に支持するための軸受要素としての軸支持孔h1が形成され、第2の壁部w2に、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除する際に、操作者が図示されないマイナスドライバ等の操作具を挿入するための解除操作孔h2が形成される。
【0042】
なお、前記トナー攪拌バー43の他端は、サイドカバー40bに形成された軸受要素としての軸受部40dによって回転自在に支持される。そして、前記シール部材45は、第1の壁部w1における円筒部46側の面に当接させて固定され、軸支持孔h1とトナー攪拌バー43との隙間をシールする。
【0043】
前記固定係止部42cは、円周方向における所定の箇所に前記リブ41を固定係止部42c内に進入させるための溝42dを備え、トナーカートリッジ13を画像形成ユニット本体15aに取り付ける際に、リブ41を溝42dを介して固定係止部42c内に進入させ、その後、操作レバー42を回動させると、リブ41と固定係止部42cとが係止させられ、トナーカートリッジ13を画像形成ユニット本体15aに対して固定することができる。
【0044】
また、前記円筒部46は、円筒形の形状を有し、円筒部46の上部にトナー収容部61内のトナー14を通過させるための複数の通過孔部46aが長手方向において隣接させて形成され、円筒部46の下部にトナー収容部61内のトナー14を排出するための複数の排出孔部46bが長手方向において隣接させて形成される。前記操作レバー42を回動させ、トナーカートリッジ13を画像形成ユニット本体15aに対して固定すると、前記トナー排出口40cと排出孔部46bとが連通させられ、トナー収容部61内のトナー14は画像形成ユニット本体15a内に落下させられる。
【0045】
前記トナー攪拌バー43は、回転軸43a、該回転軸43aと一体に、かつ、回転軸43aに沿って長手方向に延在させて形成され、回転軸43aの回転に伴って回転軸43aの周囲を旋回させられる摺動体保持部としてのシート把持部43b、及び該シート把持部43bによって保持され、可撓性を有する樹脂製の攪拌シート50を備える。前記シート把持部43bを旋回させると、攪拌シート50の先端が筐体40aの内壁を摺擦する。なお、回転軸43aとシート把持部43bとを別体で形成することができる。
【0046】
そして、前記回転軸43aは、軸本体部43ad、該軸本体部43adのサイドカバー40b側の端部に回転軸43aと隣接させて形成され、前記軸受部40dによって支持される第1の被支持部としての回転軸端部43ae、軸本体部43adの本体部42a側の端部に前記シール部材45と当接させて形成され、回転軸43aの回転に伴ってシール部材45に対して摺動させられる円板状のシール部43af、該シール部43afより更に本体部42a側の端部にシール部43afと隣接させて形成された環状部49、該環状部49より更に本体部42a側の端部に環状部49と隣接させて形成され、前記軸支持孔h1によって支持される第2の被支持部としての円柱状の回転軸端部43ag、該回転軸端部43agより更に本体部42a側の端部に回転軸端部43agと隣接させて形成され、攪拌駆動ギヤ44と嵌合させられる角柱状の柱状体から成る嵌合部43ah等を備える。
【0047】
前記シール部43afの径をd1とし、環状部49の径をd2とし、回転軸端部43agの径をd3とし、本体部43adの径をd4としたとき、各径d1〜d4は、
d1>d2>d3>d4
にされる。
【0048】
また、嵌合部43ahは、回転軸端部43agの外周内に収まる寸法を有するように形成され、四角形の断面形状を有し、四角形の各辺の長さをe1としたとき、
d3>e1>d4
にされる。したがって、シール部43afと環状部49との間、環状部49と回転軸端部43agとの間、及び回転軸端部43agと嵌合部43ahとの間に段差が形成される。
【0049】
ところで、本実施の形態において、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とは係脱自在に配設される。
【0050】
そのために、前記攪拌駆動ギヤ44は、中央部に配設された環状のボス部65、外周部に配設された複数の図示されない歯から成る噛合部63、及びボス部65と噛合部63との間に形成されたハブ部64を備え、前記ボス部65の径方向内方に、前記嵌合部43ahを嵌合させるための、四角形の形状を有する嵌合孔h3が形成され、該嵌合孔h3の四つの内面s21〜s24のうちの互いに対向する二つの内面s21、s22において、ボス部65に対して片持ち梁式に、係止部材としての一対のスナップフィット部47、48が、軸方向に延在させて、互いに平行に、かつ、互いに対向させて舌片状(平坦な板状)に形成される。
【0051】
前記スナップフィット部47、48は、表面が水平な面で形成される平坦な平板状の本体部47c、48c、該本体部47c、48cの対向面における先端の近傍に突出させて形成された第1の係止要素としてのラッチ爪47a、48a、及び前記本体部47c、48cの対向面における先端とラッチ爪47a、48aとの間に傾斜させて形成され、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除するための係合解除部47b、48bを備える。なお、前記スナップフィット部47、48のボス部65に対する根元稜線部47d、48d、及びラッチ爪47a、48aの係合解除部47b、48bに対する根元稜線部47e、48eは、いずれも、攪拌駆動ギヤ44の回転接線方向において嵌合孔h3の四角形の辺の長さにわたり、湾曲することなく、直線状に形成される。
【0052】
そして、前記嵌合部43ahの四つの面のうちの所定の面、本実施の形態においては、互いに平行な二つの面Sa、Sbに、第2の係止要素としての係止溝66、67が、トナー攪拌バー43の回転接線方向において、嵌合部43ahの四角形の辺の長さにわたって形成され、前記係止溝66、67の底面としての溝面66a、67aが、湾曲することなく、直線状に延在させられ、平坦な水平面を形成する。
【0053】
この場合、攪拌駆動ギヤ44は樹脂によって形成されるので、スナップフィット部47、48は弾性部材として機能し、変形自在に配設される。したがって、スナップフィット部47、48を撓ませながらラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とを係止させ、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを係合させたり、操作者が、操作具を係合解除部47b、48bに当てることによって、スナップフィット部47、48を撓ませながらラッチ爪47a、48aと係止溝66、67との係止を解除し、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除することができる。
【0054】
なお、前記ボス部65における前記スナップフィット部47、48より径方向外方の部分には、スナップフィット部47、48の最大の撓み量を規定し、スナップフィット部47、48が破損するのを防止するための規制部65a、65bが、スナップフィット部47、48に向けて突出させて形成される。また、前記ボス部65における前記スナップフィット部47、48の横方には、嵌合部43ahを嵌合孔h3に嵌合させる際に嵌合部43ahを位置決めするための案内部65c、65dが突出させて形成される。
【0055】
本実施の形態において、前記係止溝66、67における嵌合部43ahの先端側の係止面としての内側面s1、s2は、トナー攪拌バー43の軸に対して直交させて形成される。
【0056】
なお、内側面s1、s2を、トナー攪拌バー43の軸に対して直交する面に対して回転軸端部43ag側に所定の角度α
0〔°〕<α≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0057】
また、前記ラッチ爪47a、48aにおけるスナップフィット部47、48の先端側の係止面としての外側面s3、s4は、トナー攪拌バー43の軸に対して直交させて形成される。
【0058】
なお、外側面s3、s4を、トナー攪拌バー43の軸に対して直交する面に対して先端側に所定の角度β
0〔°〕<β≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0059】
したがって、前記内側面s1、s2を角度αだけ、外側面s3、s4を角度βだけ傾斜させることによって、内側面s1、s2の最外周部分である先端、及び外側面s3、s4の最外周部分である先端が鋭角を成すようにすると、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを分離させる方向に外力が加わっても、ラッチ爪47a、48aを係止溝66、67に食い込ませる力が発生するので、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とを確実に係止させることができる。
【0060】
なお、前記二つの面Sa、Sbの先端の近傍にテーパ面tp1、tp2が形成され、ラッチ爪47a、48aの外側面s3、s4と反対側にはテーパ面tp3、tp4が形成される。したがって、テーパ面tp1、tp2をテーパ面tp3、tp4に滑らせることによって、嵌合部43ahを嵌合孔h3に容易に嵌合させることができる。
【0061】
次に、前記構成の回転伝達構造の組立方法について説明する。
【0062】
図10は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第1の図、図11は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第2の図である。
【0063】
図10に示されるように、トナー攪拌バー43を、操作レバー42の円筒部46内において矢印方向に移動させると、嵌合部43ahが、シール部材45の貫通孔h4及び軸支持孔h1を通過して攪拌駆動ギヤ44の嵌合孔h3と嵌合させられる。このとき、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とが係止させられて、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とが嵌合させられる。
【0064】
また、回転軸端部43agと嵌合部43ahとの間に段差が形成され、回転軸端部43agの径d3は嵌合孔h3の径d5より大きいので、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との軸方向における相対的な移動が規制され、トナー攪拌バー43が、図11に示される位置より本体部42a側に移動するのが阻止される。
【0065】
なお、嵌合部43ahの四角形の辺の長さe1は嵌合孔h3の径d5より小さくされる。また、スナップフィット部47、48が撓まない状態でのラッチ爪47a、48a間の距離をe2とし、係止溝66、67の各底面間の距離をe3としたとき、距離e2は距離e3より短くされる。
【0066】
次に、回転伝達構造による回転の伝達状態について説明する。
【0067】
図12は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【0068】
図に示されるように、攪拌駆動ギヤ44及びトナー攪拌バー43は、それぞれ四角形の形状を有する嵌合部43ah及び嵌合孔h3によって回転軸が決まり、攪拌駆動ギヤ44が前記モータからの回転を受けて矢印A方向に回転させられると、嵌合孔h3の四つの面がそれぞれ対応する嵌合部43ahの四つの面に回転力C1〜C4を加える。
【0069】
このようにして、攪拌駆動ギヤ44の回転がトナー攪拌バー43に伝達される。
【0070】
次に、前記回転伝達構造の分解方法について説明する。
【0071】
図13は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための図である。
【0072】
操作者が、解除操作孔h2を介して操作具100を挿入し、操作具100の先端を係合解除部47b、48bに当て、スナップフィット部47、48を、規制部65a、65bに当たるまで撓ませると、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67との係止が解除される。この状態において、トナー攪拌バー43を矢印E方向に移動させることによって、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除することができる。
【0073】
このように、本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ44のスナップフィット部47、48の根元稜線部47d、48dが直線状に延在させられるので、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とを係止させた後に、振動、衝撃等によって嵌合部43ahが嵌合孔h3から抜ける方向に外力が加わっても、トナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れるのを抑制することができる。また、係止溝66、67の溝面66a、67aが直線状に形成されるので、トナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れるのを一層抑制することができる。
【0074】
しかも、スナップフィット部47、48の根元稜線部47d、48dが直線状に延在させられるので、スナップフィット部47、48の剛性を低くすることができ、スナップフィット部47、48を容易に弾性変形させることができる。その結果、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを係合させる際の作業性を高くすることができる。
【0075】
なお、仮に、嵌合部43ahの外周が曲面形状を有していて、係止溝の溝面が湾曲して形成されると、ラッチ爪47a、48aと係止溝とを係止させた後に、振動、衝撃等によって嵌合部43ahが嵌合孔h3から抜ける方向に外力が加わってもトナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れないようにスナップフィット部47、48を大きくする必要がある。ところが、スナップフィット部47、48を大きくしてトナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れないようにすると、スナップフィット部47、48の剛性が高くなり、トナー攪拌バー43と攪拌駆動ギヤ44とを係脱させるのが困難になる。
【0076】
ところで、通常、新しいトナーカートリッジ13と交換されたトナーカートリッジ13は、トナーが充填され、再生されて使用されるようになっている。本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係脱を容易に行うことができるので、トナーカートリッジ13を再生する際の作業性を向上させることができる。
【0077】
本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ44にラッチ爪47a、48aが、トナー攪拌バー43に係止溝66、67が形成されるようになっているが、攪拌駆動ギヤ44に係止溝を、トナー攪拌バー43にラッチ爪を形成することができる。
【0078】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0079】
図14は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図、図15は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図、図17は本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図、図18は本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図、図19は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す断面図である。
【0080】
図において、42は操作部としての操作レバー、91は攪拌部材としての、かつ、回転部材としてのトナー攪拌バー、92は回転伝達部材としての攪拌駆動ギヤである。なお、前記攪拌駆動ギヤ92及びトナー攪拌バー91によって回転伝達構造が形成され、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とを係合させることによって、攪拌駆動ギヤ92の回転をトナー攪拌バー91に伝達することができる。
【0081】
前記トナー攪拌バー91は、回転軸91a、該回転軸91aと一体に、かつ、回転軸91aに沿って長手方向に延在させて形成され、回転軸91aの回転に伴って回転軸91aの周囲を旋回させられる摺動体保持部としてのシート把持部91b、及び該シート把持部91bによって保持され、可塑性を有する樹脂製の攪拌シート50を備える。シート把持部91bを旋回させると、攪拌シート50の先端が筐体40a(図3)の内壁を摺擦する。
【0082】
そして、前記回転軸91aは、軸本体部91ad、該軸本体部91adの蓋体としてのサイドカバー40b(図4)側の端部に形成され、軸受要素としての前記軸受部40dによって支持される第1の被支持部としての前記回転軸端部40ae、軸本体部91adの操作レバー42の本体部42a側の端部にシール部材45と当接させて形成され、回転軸91aの回転に伴ってシール部材45に対して摺動させられる円板状のシール部91af、該シール部91afより更に本体部42a側の端部にシール部91afと隣接させて形成された環状部99、該環状部99より更に本体部42a側の端部に環状部99と隣接させて形成され、前記軸支持孔h1によって支持される第2の被支持部としての円柱状の回転軸端部91ag、該回転軸端部91agより更に本体部42a側の端部に回転軸端部91agと隣接させて形成され、攪拌駆動ギヤ92と嵌合させられる角柱状の嵌合部91ah等を備える。
【0083】
前記シール部91afの径をd11とし、環状部99の径をd12とし、回転軸端部91agの径をd13とし、本体部91adの径をd14としたとき、各径d11〜d14は、
d11>d12>d13>d14
にされる。
【0084】
また、嵌合部91ahは、回転軸端部91agの外周内に収まる寸法を有するように形成され、変形四角形の断面形状を有し、変形四角形の辺の長さをe11としたとき、
d13>e11>d14
にされる。したがって、シール部91afと環状部99との間、環状部99と回転軸端部91agとの間、及び回転軸端部91agと嵌合部91ahとの間に段差が形成される。
【0085】
ところで、本実施の形態において、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とは係脱自在に配設される。
【0086】
そのために、前記攪拌駆動ギヤ92は、中央部に配設された環状のボス部65、外周部に配設された複数の図示されない歯から成る噛合部63、及びボス部65と噛合部63との間に形成されたハブ部64を備え、前記ボス部65の径方向内方に、回転軸端部91agを支持する軸支持孔h12、及び前記嵌合部91ahを嵌合させるための、四角形の形状を有する嵌合孔h13が形成され、軸支持孔h12の内周面に、回転軸端部91agと当接する軸支持受け部92aが、嵌合孔h13の内周面に、後述される回転伝達受け面97と当接する回転伝達面92bが形成される。
【0087】
前記嵌合孔h13は、回転中心から距離Rだけ離れた三つの平面s31〜s33、及び回転中心から距離rだけ離れた回転伝達面92bから成り、回転伝達面92bと対向する平面s31に、係止部材としてのスナップフィット部93が、軸方向に延在させて、舌片状に形成される。
【0088】
前記スナップフィット部93は、表面が水平な面で形成される平坦な平板状の本体部93b、及び該本体部93bの内側面における先端の近傍に突出させて形成された第1の係止要素としてのラッチ爪93aを備える。なお、前記スナップフィット部93のボス部65に対する根元稜線部93c、及びラッチ爪93aの本体部93bに対する根元稜線部93dは、いずれも、攪拌駆動ギヤ92の回転接線方向において嵌合孔h13の四角形の長さにわたり、湾曲することなく、直線状に形成される。
【0089】
そして、前記嵌合部91ahの先端の一箇所、本実施の形態においては、湾曲する面に、第2の係止要素としての係止溝96が、トナー攪拌バー91の回転接線方向において湾曲することなく形成され、前記係止溝96の底面としての溝面96aが、湾曲することなく、直線状に延在させられ、平坦な水平面を形成する。また、前記嵌合部91ahの、前記係止溝96が形成された面と反対側の面に、第3の係止要素としての、かつ、第1の平面部としての回転伝達受け面97が、直線状に形成され、前記回転伝達受け面97及び係止溝96によって、攪拌駆動ギヤ92からの回転がトナー攪拌バー91に伝達される。
【0090】
ところで、前記嵌合部91ahは、攪拌駆動ギヤ92側から軸方向に見て、トナー攪拌バー91の回転中心に対して半径rで90〔°〕の扇角を有する小円弧面95、該小円弧面95の一端から接線方向に、かつ、回転方向における下流側に延在させて形成された前記回転伝達受け面97、前記小円弧面95の他端から接線方向に、かつ、回転方向における上流側に延在させて形成された第2の平面部としての回転規制面98、及び前記小円弧面95と対向させて形成され、トナー攪拌バー91の回転中心に対して半径R(>r)で、回転伝達受け面97及び回転規制面98と交差する部位までの範囲に及ぶ扇角を有する曲面部としての大円弧面94を有し、該大円弧面94の回転中心からの距離Rは、小円弧面95、回転伝達受け面97及び回転規制面98の回転中心からの距離rより大きくされる。そして、前記係止溝96は大円弧面94の一部を湾曲させることによって形成される。なお、前記大円弧面94における嵌合部91ahの先端に、テーパ面tp11が形成される。
【0091】
本実施の形態において、前記係止溝96における嵌合部91ahの先端側の係止面としての内側面s11は、トナー攪拌バー91の軸に対して直交させて形成される。
【0092】
なお、内側面s11を、トナー攪拌バー91の軸に対して直交する面に対して回転軸端部91ag側に所定の角度α
0〔°〕<α≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0093】
また、前記ラッチ爪93aにおけるスナップフィット部93の先端側の係止面としての外側面s13は、トナー攪拌バー91の軸に対して直交させて形成される。
【0094】
なお、外側面s13を、トナー攪拌バー91の軸に対して直交する面に対して先端側に所定の角度β
0〔°〕<β≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0095】
したがって、前記内側面s11を角度αだけ、外側面s13を角度βだけ傾斜させることによって、内側面s11の最外周部分である先端、及び外側面s13の最外周部分である先端が鋭角を成すようにすると、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とを分離させる方向に外力が加わっても、ラッチ爪83aを係止溝96に食い込ませる力が発生するので、ラッチ爪93aと係止溝96とを確実に係止させることができる。
【0096】
次に、回転伝達構造による回転の伝達状態について説明する。
【0097】
図20は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【0098】
この場合、攪拌駆動ギヤ92及びトナー攪拌バー91は、それぞれ回転軸端部91ag及び軸支持受け部92aによって回転軸が決まり、図に示されるように、攪拌駆動ギヤ92が駆動部としての前記モータからの回転を受けて矢印G方向に回転させられたときに、回転伝達面92bが回転伝達受け面97に回転力Hを加える。
【0099】
次に、前記回転伝達構造の分解方法について説明する。
【0100】
図21は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第1の図、図22は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第2の図である。
【0101】
図21及び22に示されるように、攪拌駆動ギヤ92が、トナー攪拌バー91に対して矢印I、J方向(逆方向)に回転させられると、係止溝96と係止させられていたラッチ爪93aが、スナップフィット部93を撓ませながら、係止溝96の端部から大円弧面94上に乗り上げる。
【0102】
そして、攪拌駆動ギヤ92をトナー攪拌バー91に対して90〔°〕回転させたところで、回転伝達面92bが回転規制面98と当接すると、それ以上の回転が規制される。このとき、ラッチ爪93aは大円弧面94上に完全に乗り上げて係止溝96との係止が解除されているので、トナー攪拌バー91を攪拌駆動ギヤ92から抜いて、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91との係合を解除することができる。
【0103】
なお、ラッチ爪93aと係止溝96とは、スナップフィット部93の付勢力によって係止させられた状態を保持するので、画像形成装置としてのプリンタを輸送中に、攪拌駆動ギヤ92が、トナー攪拌バー91に対して矢印I、J方向に回転させられることがない。したがって、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91との係合が解除されることはない。
【0104】
このように、本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ92のスナップフィット部93の根元稜線部93cが直線状に延在させられるので、ラッチ爪93aと係止溝96とを係止させた後に、振動、衝撃等によって嵌合部91ahが嵌合孔h13から抜ける方向に外力が加わっても、トナー攪拌バー91が攪拌駆動ギヤ92から外れるのを抑制することができる。また、係止溝96の溝面96aが直線状に形成されるので、トナー攪拌バー91が攪拌駆動ギヤ92から外れるのを一層抑制することができる。
【0105】
しかも、スナップフィット部93の根元稜線部93cが直線状に延在させられるので、トナー攪拌バー91の剛性を低くすることができ、スナップフィット部93を容易に弾性変形させることができる。その結果、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とを係合させる際の作業性を高くすることができる。
【0106】
また、攪拌駆動ギヤ92をトナー攪拌バー91に対して逆方向に回転させることによって、ラッチ爪93aと係止溝96との係止を解除することができるので、操作具100(図13)を使用することなく、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91との係合を容易に解除することができる。
【0107】
前記各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0108】
また、前記各実施の形態においては、回転伝達構造がトナーカートリッジに配設されるようになっているが、回転伝達構造を交換ユニットとしての現像装置、廃トナー収容装置、転写ユニット等に配設することもできる。
【0109】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0110】
43、91 トナー攪拌バー
44、92 攪拌駆動ギヤ
47、48、93 スナップフィット部
47a、48a、93a ラッチ爪
47d、48d、93c 根元稜線部
66、67、96 係止溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転伝達構造、交換ユニット、現像剤収容体及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ローラ、定着器等を備え、前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、トナーを収容する現像剤収容体としての、かつ、交換ユニットとしてのトナーカートリッジから成り、前記画像形成ユニット本体内に、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングブレード等が配設されるようになっている。
【0003】
前記プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、現像ローラによって静電潜像が現像され、該静電潜像に、前記トナーカートリッジから供給されたトナーが付着させられてトナー像が形成される。そして、該トナー像は、転写ローラによって用紙に転写され、定着器において定着させられる。
【0004】
また、前記プリンタにおいては、画像形成ユニット本体、トナーカートリッジ等、例えば、トナーカートリッジ内の所定の箇所に、トナーを攪拌するためのトナー攪拌機構が配設される。該トナー攪拌機構は、回転自在に配設された回転部材としてのトナー攪拌バーを備え、画像形成ユニット本体に配設されたモータと、前記トナー攪拌バーの回転軸に取り付けられた回転伝達部材としての攪拌駆動ギヤとが、ギヤトレイン等の回転伝達系を介して連結され、前記モータからの回転が攪拌駆動ギヤに伝達され、更にトナー攪拌バーに伝達され、該トナー攪拌バーが回転させられるようになっている。
【0005】
ところで、前記攪拌駆動ギヤとトナー攪拌バーとを係脱自在に係合させるようにした回転伝達構造が提供されている。
【0006】
該回転伝達構造においては、トナー攪拌バーの回転軸の端部にDカット面が形成されるとともに、回転軸の端部の外周面に係止溝が形成され、前記攪拌駆動ギヤの中心に、回転軸の端部を嵌入するための「D」字状の嵌入孔が形成されるとともに、該嵌入孔の円弧面に沿って、所定の曲率で形成され、弾性を有するスナップフィット部が形成される。したがって、回転軸の端部が嵌入孔に嵌入されると、スナップフィット部が弾性変形し、スナップフィット部の係止突起と係止溝とが係止させられ、攪拌駆動ギヤとトナー攪拌バーとが係合させられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−112467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の回転伝達構造においては、スナップフィット部の係止突起が小さいと、係止突起と係止溝とを係止させた後に、振動、衝撃等によって回転軸が嵌入孔から抜ける方向に外力が加わった場合に、トナー攪拌バーが攪拌駆動ギヤから外れる恐れがある。
【0009】
そこで、係止突起を大きくすることが考えられるが、スナップフィット部は、嵌入孔の円弧面に沿って、所定の曲率で形成されているので、係止突起を大きくすると、スナップフィット部の剛性が極端に高くなり、スナップフィット部を弾性変形させることが困難になり、攪拌駆動ギヤとトナー攪拌バーとを係合させる際の作業性が低くなってしまう。
【0010】
本発明は、前記従来の回転伝達構造の問題点を解決して、回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができる回転伝達構造、交換ユニット、現像剤収容体及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明の回転伝達構造においては、駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有する。
【0012】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成される。
【0013】
また、前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設される。
【0014】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転伝達構造においては、駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有する。
【0016】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成される。
【0017】
また、前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設される。
【0018】
そして、前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられる。
【0019】
この場合、回転伝達部材及び回転部材の他方における係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられるので、回転部材が回転伝達部材から外れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す正面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第1の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第2の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す断面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第1の図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0022】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0023】
図に示されるように、プリンタ内には、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤としてのトナー14ごとに画像形成部Bk、Y、M、Cが配設され、該各画像形成部Bk、Y、M、Cに沿って転写部としての転写ユニット21が配設される。各画像形成部Bk、Y、M、Cは、それぞれ、プリンタの本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に配設された第1の交換ユニットとしての画像形成ユニット15、及び該画像形成ユニット15に対応させて配設された露光装置としてのLEDヘッド23を備える。
【0024】
前記転写ユニット21の下方には、媒体としての図示されない用紙を収容する媒体収容部としての給紙カセット31が配設され、該給紙カセット31から用紙が一枚ずつ繰り出され、各画像形成部Bk、Y、M、Cと転写ユニット21との間に送られる。
【0025】
前記画像形成ユニット15は、画像形成ユニット15の本体、すなわち、画像形成ユニット本体15a、及び該画像形成ユニット本体15aに対して着脱自在に配設された第2の交換ユニットとしての、かつ、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ13を備え、該トナーカートリッジ13内に形成された現像剤収容部としてのトナー収容部61に、前記トナー14が収容される。なお、前記トナーカートリッジ13は、トナー14が消費されたり、構成部品が劣化したりしたときに、新しいトナーカートリッジ13と交換することができる。
【0026】
前記画像形成ユニット本体15aは、ドラム状に形成され、表面が有機感光体によって形成され、潜像としての静電潜像を担持する像担持体としての感光体ドラム11を備えるとともに、該感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11と当接させて配設され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ12、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像を現像し、現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ16、該現像ローラ16の表面にトナー14の薄層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード17、前記トナーカートリッジ13から供給されたトナー14を現像ローラ16に供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18、及びクリーニング部材としてのクリーニングブレード19を備える。なお、前記現像ローラ16、現像ブレード17、トナー供給ローラ18等によって現像装置としての現像器が構成される。
【0027】
そして、駆動部としての図示されない駆動モータが駆動され、図示されないギヤによって回転が伝達されると、感光体ドラム11が一定の周速度で回転させられ、それに伴って、前記帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18等が矢印方向に回転させられる。
【0028】
前記構成の画像形成ユニット15においては、帯電ローラ12によって一様に帯電させられた感光体ドラム11の表面がLEDヘッド23によって露光されて静電潜像が形成され、現像ローラ16によってトナー14が静電潜像に付着させられて現像が行われ、トナー像が形成される。
【0029】
そして、前記転写ユニット21は、前記各感光体ドラム11と当接させて、走行自在に張設されたベルト部材としての転写ベルト24、該転写ベルト24を介して各感光体ドラム11と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ22等を備える。該各転写ローラ22は、各感光体ドラム11上の各色のトナー像を、給紙カセット31から送られ、転写ベルト24の走行に伴って搬送される用紙に順次重ねて転写し、カラーのトナー像を形成する。
【0030】
なお、転写後、感光体ドラム11の表面に残留したトナー14は、クリーニングブレード19によって掻き取られ、除去される。
【0031】
用紙の搬送方向における画像形成部Bk、Y、M、Cより下流側には、定着装置としての定着器35が配設される。該定着器35は、第1のローラとしての定着ローラR1及び第2のローラとしての加圧ローラR2を備え、画像形成部Bk、Y、M、Cから送られた用紙上のカラーのトナー像を用紙に定着させ、カラーの画像を形成する。そして、カラーの画像が形成された用紙は、装置本体外に排出される。
【0032】
なお、前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、LEDヘッド23、現像ローラ16、トナー供給ローラ18、転写ローラ22及び定着器35は、図示されない制御部によって制御される。該制御部は、直流電圧を、あらかじめ設定されたタイミングで帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18及び転写ローラ22に印加し、前記駆動モータを駆動することによって、感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18及び定着ローラR1を矢印方向に回転させる。
【0033】
そして、第1の搬送部57は、クリーニングブレード19によって掻き取られたトナー14を廃棄トナーとして、画像形成部Bk、Y、M、Cの長手方向(感光体ドラム11の軸方向)に、図における手前に向けて搬送する。また、第2の搬送部58は、前記第1の搬送部57によって搬送された各色の廃棄トナーを一括して用紙の搬送方向における最も上流側に配設された廃棄現像剤収容器としての廃棄トナー収容器62に搬送する。該廃棄トナー収容器62は、第2の搬送部58によって搬送された廃棄トナーを収容する。
【0034】
次に、トナーカートリッジ13について説明する。
【0035】
図1は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視断面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図、図7は本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図、図8は本発明の第1の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図、図9は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す正面図である。
【0036】
図に示されるように、トナーカートリッジ13は、内部にトナー収容部61が形成された現像剤収容部本体としてのカートリッジ本体40、該カートリッジ本体40によって回動自在に支持された操作部としての操作レバー42、前記カートリッジ本体40内において回転自在に配設され、回転に伴って、トナー収容部61内に収容されたトナー14を攪拌する攪拌部材としての、かつ、回転部材としてのトナー攪拌バー43、回転伝達部材としての攪拌駆動ギヤ44、トナー収容部61内のトナー14がトナーカートリッジ13外に漏れるのを防止するための、スポンジ等の弾性部材から成るシール部材45等を備える。また、図示されない所定の部品間の当接箇所、摺動箇所等に形成される隙間をシールするために、スポンジ等の弾性部材から成る他のシール部材が配設される。
【0037】
前記攪拌駆動ギヤ44は、画像形成ユニット本体15aの所定の箇所に配設された駆動部としてのモータと図示されないギヤトレイン等の回転伝達系を介して連結され、前記モータからの回転を受けて回転させられる。なお、前記モータとして、感光体ドラム11等を回転させるための駆動モータを使用することができる。
【0038】
前記攪拌駆動ギヤ44及びトナー攪拌バー43によって回転伝達構造が形成され、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを係合させることによって、攪拌駆動ギヤ44の回転をトナー攪拌バー43に伝達し、トナー攪拌バー43を回転させることができる。
【0039】
前記カートリッジ本体40は、筒状体から成る筐体40aを備え、該筐体40aの一端が前記操作レバー42によって閉鎖され、他端が蓋体としてのサイドカバー40bによって閉鎖される。また、前記筐体40aの下端部には、トナー収容部61内のトナー14を画像形成ユニット本体15aに供給(排出)するための複数のトナー排出口40cが長手方向において隣接させて形成される。
【0040】
また、前記操作レバー42は、回動角度θの範囲内で回動させられることによって、前記トナー排出口40cを開閉したり、画像形成ユニット本体15aに対してトナーカートリッジ13を係脱させたりする機能を備える。そのために、前記操作レバー42は、円形の形状を有し、筐体40aの一端を閉鎖する本体部42a、該本体部42aの所定の箇所から径方向外方に向けて突出させて形成された取手部としての操作片42b、前記本体部42aの中央部に形成され、画像形成ユニット本体15aに形成された係脱用の第1の係止部としてのリブ41と選択的に係止させられる係脱用の第2の係止部としての環状の固定係止部42c、及び本体部42aからトナー収容部61の長手方向に延在させて形成された円筒部46を備える。
【0041】
前記本体部42aには、下部が開放され、馬蹄形の形状を有し、攪拌駆動ギヤ44を収容する収容室42arが形成され、該収容室42ar内で攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とが係合させられる。また、前記収容室42arは、円筒部46側において第1の壁部w1によって、円筒部46と反対側において第2の壁部w2によって包囲され、第1の壁部w1にトナー攪拌バー43の一端を回転自在に支持するための軸受要素としての軸支持孔h1が形成され、第2の壁部w2に、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除する際に、操作者が図示されないマイナスドライバ等の操作具を挿入するための解除操作孔h2が形成される。
【0042】
なお、前記トナー攪拌バー43の他端は、サイドカバー40bに形成された軸受要素としての軸受部40dによって回転自在に支持される。そして、前記シール部材45は、第1の壁部w1における円筒部46側の面に当接させて固定され、軸支持孔h1とトナー攪拌バー43との隙間をシールする。
【0043】
前記固定係止部42cは、円周方向における所定の箇所に前記リブ41を固定係止部42c内に進入させるための溝42dを備え、トナーカートリッジ13を画像形成ユニット本体15aに取り付ける際に、リブ41を溝42dを介して固定係止部42c内に進入させ、その後、操作レバー42を回動させると、リブ41と固定係止部42cとが係止させられ、トナーカートリッジ13を画像形成ユニット本体15aに対して固定することができる。
【0044】
また、前記円筒部46は、円筒形の形状を有し、円筒部46の上部にトナー収容部61内のトナー14を通過させるための複数の通過孔部46aが長手方向において隣接させて形成され、円筒部46の下部にトナー収容部61内のトナー14を排出するための複数の排出孔部46bが長手方向において隣接させて形成される。前記操作レバー42を回動させ、トナーカートリッジ13を画像形成ユニット本体15aに対して固定すると、前記トナー排出口40cと排出孔部46bとが連通させられ、トナー収容部61内のトナー14は画像形成ユニット本体15a内に落下させられる。
【0045】
前記トナー攪拌バー43は、回転軸43a、該回転軸43aと一体に、かつ、回転軸43aに沿って長手方向に延在させて形成され、回転軸43aの回転に伴って回転軸43aの周囲を旋回させられる摺動体保持部としてのシート把持部43b、及び該シート把持部43bによって保持され、可撓性を有する樹脂製の攪拌シート50を備える。前記シート把持部43bを旋回させると、攪拌シート50の先端が筐体40aの内壁を摺擦する。なお、回転軸43aとシート把持部43bとを別体で形成することができる。
【0046】
そして、前記回転軸43aは、軸本体部43ad、該軸本体部43adのサイドカバー40b側の端部に回転軸43aと隣接させて形成され、前記軸受部40dによって支持される第1の被支持部としての回転軸端部43ae、軸本体部43adの本体部42a側の端部に前記シール部材45と当接させて形成され、回転軸43aの回転に伴ってシール部材45に対して摺動させられる円板状のシール部43af、該シール部43afより更に本体部42a側の端部にシール部43afと隣接させて形成された環状部49、該環状部49より更に本体部42a側の端部に環状部49と隣接させて形成され、前記軸支持孔h1によって支持される第2の被支持部としての円柱状の回転軸端部43ag、該回転軸端部43agより更に本体部42a側の端部に回転軸端部43agと隣接させて形成され、攪拌駆動ギヤ44と嵌合させられる角柱状の柱状体から成る嵌合部43ah等を備える。
【0047】
前記シール部43afの径をd1とし、環状部49の径をd2とし、回転軸端部43agの径をd3とし、本体部43adの径をd4としたとき、各径d1〜d4は、
d1>d2>d3>d4
にされる。
【0048】
また、嵌合部43ahは、回転軸端部43agの外周内に収まる寸法を有するように形成され、四角形の断面形状を有し、四角形の各辺の長さをe1としたとき、
d3>e1>d4
にされる。したがって、シール部43afと環状部49との間、環状部49と回転軸端部43agとの間、及び回転軸端部43agと嵌合部43ahとの間に段差が形成される。
【0049】
ところで、本実施の形態において、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とは係脱自在に配設される。
【0050】
そのために、前記攪拌駆動ギヤ44は、中央部に配設された環状のボス部65、外周部に配設された複数の図示されない歯から成る噛合部63、及びボス部65と噛合部63との間に形成されたハブ部64を備え、前記ボス部65の径方向内方に、前記嵌合部43ahを嵌合させるための、四角形の形状を有する嵌合孔h3が形成され、該嵌合孔h3の四つの内面s21〜s24のうちの互いに対向する二つの内面s21、s22において、ボス部65に対して片持ち梁式に、係止部材としての一対のスナップフィット部47、48が、軸方向に延在させて、互いに平行に、かつ、互いに対向させて舌片状(平坦な板状)に形成される。
【0051】
前記スナップフィット部47、48は、表面が水平な面で形成される平坦な平板状の本体部47c、48c、該本体部47c、48cの対向面における先端の近傍に突出させて形成された第1の係止要素としてのラッチ爪47a、48a、及び前記本体部47c、48cの対向面における先端とラッチ爪47a、48aとの間に傾斜させて形成され、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除するための係合解除部47b、48bを備える。なお、前記スナップフィット部47、48のボス部65に対する根元稜線部47d、48d、及びラッチ爪47a、48aの係合解除部47b、48bに対する根元稜線部47e、48eは、いずれも、攪拌駆動ギヤ44の回転接線方向において嵌合孔h3の四角形の辺の長さにわたり、湾曲することなく、直線状に形成される。
【0052】
そして、前記嵌合部43ahの四つの面のうちの所定の面、本実施の形態においては、互いに平行な二つの面Sa、Sbに、第2の係止要素としての係止溝66、67が、トナー攪拌バー43の回転接線方向において、嵌合部43ahの四角形の辺の長さにわたって形成され、前記係止溝66、67の底面としての溝面66a、67aが、湾曲することなく、直線状に延在させられ、平坦な水平面を形成する。
【0053】
この場合、攪拌駆動ギヤ44は樹脂によって形成されるので、スナップフィット部47、48は弾性部材として機能し、変形自在に配設される。したがって、スナップフィット部47、48を撓ませながらラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とを係止させ、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを係合させたり、操作者が、操作具を係合解除部47b、48bに当てることによって、スナップフィット部47、48を撓ませながらラッチ爪47a、48aと係止溝66、67との係止を解除し、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除することができる。
【0054】
なお、前記ボス部65における前記スナップフィット部47、48より径方向外方の部分には、スナップフィット部47、48の最大の撓み量を規定し、スナップフィット部47、48が破損するのを防止するための規制部65a、65bが、スナップフィット部47、48に向けて突出させて形成される。また、前記ボス部65における前記スナップフィット部47、48の横方には、嵌合部43ahを嵌合孔h3に嵌合させる際に嵌合部43ahを位置決めするための案内部65c、65dが突出させて形成される。
【0055】
本実施の形態において、前記係止溝66、67における嵌合部43ahの先端側の係止面としての内側面s1、s2は、トナー攪拌バー43の軸に対して直交させて形成される。
【0056】
なお、内側面s1、s2を、トナー攪拌バー43の軸に対して直交する面に対して回転軸端部43ag側に所定の角度α
0〔°〕<α≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0057】
また、前記ラッチ爪47a、48aにおけるスナップフィット部47、48の先端側の係止面としての外側面s3、s4は、トナー攪拌バー43の軸に対して直交させて形成される。
【0058】
なお、外側面s3、s4を、トナー攪拌バー43の軸に対して直交する面に対して先端側に所定の角度β
0〔°〕<β≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0059】
したがって、前記内側面s1、s2を角度αだけ、外側面s3、s4を角度βだけ傾斜させることによって、内側面s1、s2の最外周部分である先端、及び外側面s3、s4の最外周部分である先端が鋭角を成すようにすると、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを分離させる方向に外力が加わっても、ラッチ爪47a、48aを係止溝66、67に食い込ませる力が発生するので、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とを確実に係止させることができる。
【0060】
なお、前記二つの面Sa、Sbの先端の近傍にテーパ面tp1、tp2が形成され、ラッチ爪47a、48aの外側面s3、s4と反対側にはテーパ面tp3、tp4が形成される。したがって、テーパ面tp1、tp2をテーパ面tp3、tp4に滑らせることによって、嵌合部43ahを嵌合孔h3に容易に嵌合させることができる。
【0061】
次に、前記構成の回転伝達構造の組立方法について説明する。
【0062】
図10は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第1の図、図11は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の組立方法を説明するための第2の図である。
【0063】
図10に示されるように、トナー攪拌バー43を、操作レバー42の円筒部46内において矢印方向に移動させると、嵌合部43ahが、シール部材45の貫通孔h4及び軸支持孔h1を通過して攪拌駆動ギヤ44の嵌合孔h3と嵌合させられる。このとき、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とが係止させられて、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とが嵌合させられる。
【0064】
また、回転軸端部43agと嵌合部43ahとの間に段差が形成され、回転軸端部43agの径d3は嵌合孔h3の径d5より大きいので、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との軸方向における相対的な移動が規制され、トナー攪拌バー43が、図11に示される位置より本体部42a側に移動するのが阻止される。
【0065】
なお、嵌合部43ahの四角形の辺の長さe1は嵌合孔h3の径d5より小さくされる。また、スナップフィット部47、48が撓まない状態でのラッチ爪47a、48a間の距離をe2とし、係止溝66、67の各底面間の距離をe3としたとき、距離e2は距離e3より短くされる。
【0066】
次に、回転伝達構造による回転の伝達状態について説明する。
【0067】
図12は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【0068】
図に示されるように、攪拌駆動ギヤ44及びトナー攪拌バー43は、それぞれ四角形の形状を有する嵌合部43ah及び嵌合孔h3によって回転軸が決まり、攪拌駆動ギヤ44が前記モータからの回転を受けて矢印A方向に回転させられると、嵌合孔h3の四つの面がそれぞれ対応する嵌合部43ahの四つの面に回転力C1〜C4を加える。
【0069】
このようにして、攪拌駆動ギヤ44の回転がトナー攪拌バー43に伝達される。
【0070】
次に、前記回転伝達構造の分解方法について説明する。
【0071】
図13は本発明の第1の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための図である。
【0072】
操作者が、解除操作孔h2を介して操作具100を挿入し、操作具100の先端を係合解除部47b、48bに当て、スナップフィット部47、48を、規制部65a、65bに当たるまで撓ませると、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67との係止が解除される。この状態において、トナー攪拌バー43を矢印E方向に移動させることによって、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係合を解除することができる。
【0073】
このように、本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ44のスナップフィット部47、48の根元稜線部47d、48dが直線状に延在させられるので、ラッチ爪47a、48aと係止溝66、67とを係止させた後に、振動、衝撃等によって嵌合部43ahが嵌合孔h3から抜ける方向に外力が加わっても、トナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れるのを抑制することができる。また、係止溝66、67の溝面66a、67aが直線状に形成されるので、トナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れるのを一層抑制することができる。
【0074】
しかも、スナップフィット部47、48の根元稜線部47d、48dが直線状に延在させられるので、スナップフィット部47、48の剛性を低くすることができ、スナップフィット部47、48を容易に弾性変形させることができる。その結果、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43とを係合させる際の作業性を高くすることができる。
【0075】
なお、仮に、嵌合部43ahの外周が曲面形状を有していて、係止溝の溝面が湾曲して形成されると、ラッチ爪47a、48aと係止溝とを係止させた後に、振動、衝撃等によって嵌合部43ahが嵌合孔h3から抜ける方向に外力が加わってもトナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れないようにスナップフィット部47、48を大きくする必要がある。ところが、スナップフィット部47、48を大きくしてトナー攪拌バー43が攪拌駆動ギヤ44から外れないようにすると、スナップフィット部47、48の剛性が高くなり、トナー攪拌バー43と攪拌駆動ギヤ44とを係脱させるのが困難になる。
【0076】
ところで、通常、新しいトナーカートリッジ13と交換されたトナーカートリッジ13は、トナーが充填され、再生されて使用されるようになっている。本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ44とトナー攪拌バー43との係脱を容易に行うことができるので、トナーカートリッジ13を再生する際の作業性を向上させることができる。
【0077】
本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ44にラッチ爪47a、48aが、トナー攪拌バー43に係止溝66、67が形成されるようになっているが、攪拌駆動ギヤ44に係止溝を、トナー攪拌バー43にラッチ爪を形成することができる。
【0078】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0079】
図14は本発明の第2の実施の形態におけるトナーカートリッジの要部を示す断面図、図15は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解斜視図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるトナー攪拌バーの要部を示す断面図、図17は本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの要部を示す断面図、図18は本発明の第2の実施の形態における攪拌駆動ギヤの正面図、図19は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の要部を示す断面図である。
【0080】
図において、42は操作部としての操作レバー、91は攪拌部材としての、かつ、回転部材としてのトナー攪拌バー、92は回転伝達部材としての攪拌駆動ギヤである。なお、前記攪拌駆動ギヤ92及びトナー攪拌バー91によって回転伝達構造が形成され、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とを係合させることによって、攪拌駆動ギヤ92の回転をトナー攪拌バー91に伝達することができる。
【0081】
前記トナー攪拌バー91は、回転軸91a、該回転軸91aと一体に、かつ、回転軸91aに沿って長手方向に延在させて形成され、回転軸91aの回転に伴って回転軸91aの周囲を旋回させられる摺動体保持部としてのシート把持部91b、及び該シート把持部91bによって保持され、可塑性を有する樹脂製の攪拌シート50を備える。シート把持部91bを旋回させると、攪拌シート50の先端が筐体40a(図3)の内壁を摺擦する。
【0082】
そして、前記回転軸91aは、軸本体部91ad、該軸本体部91adの蓋体としてのサイドカバー40b(図4)側の端部に形成され、軸受要素としての前記軸受部40dによって支持される第1の被支持部としての前記回転軸端部40ae、軸本体部91adの操作レバー42の本体部42a側の端部にシール部材45と当接させて形成され、回転軸91aの回転に伴ってシール部材45に対して摺動させられる円板状のシール部91af、該シール部91afより更に本体部42a側の端部にシール部91afと隣接させて形成された環状部99、該環状部99より更に本体部42a側の端部に環状部99と隣接させて形成され、前記軸支持孔h1によって支持される第2の被支持部としての円柱状の回転軸端部91ag、該回転軸端部91agより更に本体部42a側の端部に回転軸端部91agと隣接させて形成され、攪拌駆動ギヤ92と嵌合させられる角柱状の嵌合部91ah等を備える。
【0083】
前記シール部91afの径をd11とし、環状部99の径をd12とし、回転軸端部91agの径をd13とし、本体部91adの径をd14としたとき、各径d11〜d14は、
d11>d12>d13>d14
にされる。
【0084】
また、嵌合部91ahは、回転軸端部91agの外周内に収まる寸法を有するように形成され、変形四角形の断面形状を有し、変形四角形の辺の長さをe11としたとき、
d13>e11>d14
にされる。したがって、シール部91afと環状部99との間、環状部99と回転軸端部91agとの間、及び回転軸端部91agと嵌合部91ahとの間に段差が形成される。
【0085】
ところで、本実施の形態において、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とは係脱自在に配設される。
【0086】
そのために、前記攪拌駆動ギヤ92は、中央部に配設された環状のボス部65、外周部に配設された複数の図示されない歯から成る噛合部63、及びボス部65と噛合部63との間に形成されたハブ部64を備え、前記ボス部65の径方向内方に、回転軸端部91agを支持する軸支持孔h12、及び前記嵌合部91ahを嵌合させるための、四角形の形状を有する嵌合孔h13が形成され、軸支持孔h12の内周面に、回転軸端部91agと当接する軸支持受け部92aが、嵌合孔h13の内周面に、後述される回転伝達受け面97と当接する回転伝達面92bが形成される。
【0087】
前記嵌合孔h13は、回転中心から距離Rだけ離れた三つの平面s31〜s33、及び回転中心から距離rだけ離れた回転伝達面92bから成り、回転伝達面92bと対向する平面s31に、係止部材としてのスナップフィット部93が、軸方向に延在させて、舌片状に形成される。
【0088】
前記スナップフィット部93は、表面が水平な面で形成される平坦な平板状の本体部93b、及び該本体部93bの内側面における先端の近傍に突出させて形成された第1の係止要素としてのラッチ爪93aを備える。なお、前記スナップフィット部93のボス部65に対する根元稜線部93c、及びラッチ爪93aの本体部93bに対する根元稜線部93dは、いずれも、攪拌駆動ギヤ92の回転接線方向において嵌合孔h13の四角形の長さにわたり、湾曲することなく、直線状に形成される。
【0089】
そして、前記嵌合部91ahの先端の一箇所、本実施の形態においては、湾曲する面に、第2の係止要素としての係止溝96が、トナー攪拌バー91の回転接線方向において湾曲することなく形成され、前記係止溝96の底面としての溝面96aが、湾曲することなく、直線状に延在させられ、平坦な水平面を形成する。また、前記嵌合部91ahの、前記係止溝96が形成された面と反対側の面に、第3の係止要素としての、かつ、第1の平面部としての回転伝達受け面97が、直線状に形成され、前記回転伝達受け面97及び係止溝96によって、攪拌駆動ギヤ92からの回転がトナー攪拌バー91に伝達される。
【0090】
ところで、前記嵌合部91ahは、攪拌駆動ギヤ92側から軸方向に見て、トナー攪拌バー91の回転中心に対して半径rで90〔°〕の扇角を有する小円弧面95、該小円弧面95の一端から接線方向に、かつ、回転方向における下流側に延在させて形成された前記回転伝達受け面97、前記小円弧面95の他端から接線方向に、かつ、回転方向における上流側に延在させて形成された第2の平面部としての回転規制面98、及び前記小円弧面95と対向させて形成され、トナー攪拌バー91の回転中心に対して半径R(>r)で、回転伝達受け面97及び回転規制面98と交差する部位までの範囲に及ぶ扇角を有する曲面部としての大円弧面94を有し、該大円弧面94の回転中心からの距離Rは、小円弧面95、回転伝達受け面97及び回転規制面98の回転中心からの距離rより大きくされる。そして、前記係止溝96は大円弧面94の一部を湾曲させることによって形成される。なお、前記大円弧面94における嵌合部91ahの先端に、テーパ面tp11が形成される。
【0091】
本実施の形態において、前記係止溝96における嵌合部91ahの先端側の係止面としての内側面s11は、トナー攪拌バー91の軸に対して直交させて形成される。
【0092】
なお、内側面s11を、トナー攪拌バー91の軸に対して直交する面に対して回転軸端部91ag側に所定の角度α
0〔°〕<α≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0093】
また、前記ラッチ爪93aにおけるスナップフィット部93の先端側の係止面としての外側面s13は、トナー攪拌バー91の軸に対して直交させて形成される。
【0094】
なお、外側面s13を、トナー攪拌バー91の軸に対して直交する面に対して先端側に所定の角度β
0〔°〕<β≦30〔°〕
だけ傾斜させて形成することができる。
【0095】
したがって、前記内側面s11を角度αだけ、外側面s13を角度βだけ傾斜させることによって、内側面s11の最外周部分である先端、及び外側面s13の最外周部分である先端が鋭角を成すようにすると、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とを分離させる方向に外力が加わっても、ラッチ爪83aを係止溝96に食い込ませる力が発生するので、ラッチ爪93aと係止溝96とを確実に係止させることができる。
【0096】
次に、回転伝達構造による回転の伝達状態について説明する。
【0097】
図20は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造による回転の伝達状態を示す図である。
【0098】
この場合、攪拌駆動ギヤ92及びトナー攪拌バー91は、それぞれ回転軸端部91ag及び軸支持受け部92aによって回転軸が決まり、図に示されるように、攪拌駆動ギヤ92が駆動部としての前記モータからの回転を受けて矢印G方向に回転させられたときに、回転伝達面92bが回転伝達受け面97に回転力Hを加える。
【0099】
次に、前記回転伝達構造の分解方法について説明する。
【0100】
図21は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第1の図、図22は本発明の第2の実施の形態における回転伝達構造の分解方法を説明するための第2の図である。
【0101】
図21及び22に示されるように、攪拌駆動ギヤ92が、トナー攪拌バー91に対して矢印I、J方向(逆方向)に回転させられると、係止溝96と係止させられていたラッチ爪93aが、スナップフィット部93を撓ませながら、係止溝96の端部から大円弧面94上に乗り上げる。
【0102】
そして、攪拌駆動ギヤ92をトナー攪拌バー91に対して90〔°〕回転させたところで、回転伝達面92bが回転規制面98と当接すると、それ以上の回転が規制される。このとき、ラッチ爪93aは大円弧面94上に完全に乗り上げて係止溝96との係止が解除されているので、トナー攪拌バー91を攪拌駆動ギヤ92から抜いて、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91との係合を解除することができる。
【0103】
なお、ラッチ爪93aと係止溝96とは、スナップフィット部93の付勢力によって係止させられた状態を保持するので、画像形成装置としてのプリンタを輸送中に、攪拌駆動ギヤ92が、トナー攪拌バー91に対して矢印I、J方向に回転させられることがない。したがって、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91との係合が解除されることはない。
【0104】
このように、本実施の形態においては、攪拌駆動ギヤ92のスナップフィット部93の根元稜線部93cが直線状に延在させられるので、ラッチ爪93aと係止溝96とを係止させた後に、振動、衝撃等によって嵌合部91ahが嵌合孔h13から抜ける方向に外力が加わっても、トナー攪拌バー91が攪拌駆動ギヤ92から外れるのを抑制することができる。また、係止溝96の溝面96aが直線状に形成されるので、トナー攪拌バー91が攪拌駆動ギヤ92から外れるのを一層抑制することができる。
【0105】
しかも、スナップフィット部93の根元稜線部93cが直線状に延在させられるので、トナー攪拌バー91の剛性を低くすることができ、スナップフィット部93を容易に弾性変形させることができる。その結果、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91とを係合させる際の作業性を高くすることができる。
【0106】
また、攪拌駆動ギヤ92をトナー攪拌バー91に対して逆方向に回転させることによって、ラッチ爪93aと係止溝96との係止を解除することができるので、操作具100(図13)を使用することなく、攪拌駆動ギヤ92とトナー攪拌バー91との係合を容易に解除することができる。
【0107】
前記各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0108】
また、前記各実施の形態においては、回転伝達構造がトナーカートリッジに配設されるようになっているが、回転伝達構造を交換ユニットとしての現像装置、廃トナー収容装置、転写ユニット等に配設することもできる。
【0109】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0110】
43、91 トナー攪拌バー
44、92 攪拌駆動ギヤ
47、48、93 スナップフィット部
47a、48a、93a ラッチ爪
47d、48d、93c 根元稜線部
66、67、96 係止溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、
(b)該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有するとともに、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(d)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(e)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする回転伝達構造。
【請求項2】
前記係止溝の溝面は、直線状に延在させて形成される請求項1に記載の回転伝達構造。
【請求項3】
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に嵌合部が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に嵌合孔が形成され、
(c)前記係止溝は嵌合部に、前記係止部材は嵌合孔に形成される請求項1又は2に記載の回転伝達構造。
【請求項4】
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方の先端部に回転軸端部が、該回転軸端部より更に先端側に嵌合部が隣接させて形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、嵌合部を嵌合させるための嵌合孔が形成され、
(c)前記回転軸端部の径は嵌合部の径より大きくされて段差が形成され、該段差によって前記回転伝達部材と回転部材との軸方向における相対的な移動が規制される請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項5】
(a)前記係止要素と係止溝とは、各係止面において係止させられ、
(b)該各係止面は、先端が鋭角を成すように、前記回転伝達部材及び回転部材の回転軸に対して直交する面に対して所定の角度だけ傾斜させて形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項6】
(a)前記嵌合部は四角形の断面形状を有し、
(b)前記嵌合部の所定の面に前記係止溝が形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項7】
(a)前記嵌合部は平面部及び曲面部を備えた変形四角形の断面形状を有し、
(b)前記曲面部に前記係止溝が形成される請求項請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項8】
前記曲面部の回転中心からの距離は平面部の回転中心からの距離より大きくされる請求項7に記載の回転伝達構造。
【請求項9】
駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材、及び該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材を有する回転伝達構造を備えた交換ユニットにおいて、
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする交換ユニット。
【請求項10】
駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材、及び該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材を有する回転伝達構造を備えた現像剤収容体において、
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする現像剤収容体。
【請求項11】
駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材、及び該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材を有する回転伝達構造を備えた画像形成装置において、
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
(a)駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材と、
(b)該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材とを有するとともに、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(d)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(e)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする回転伝達構造。
【請求項2】
前記係止溝の溝面は、直線状に延在させて形成される請求項1に記載の回転伝達構造。
【請求項3】
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に嵌合部が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に嵌合孔が形成され、
(c)前記係止溝は嵌合部に、前記係止部材は嵌合孔に形成される請求項1又は2に記載の回転伝達構造。
【請求項4】
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方の先端部に回転軸端部が、該回転軸端部より更に先端側に嵌合部が隣接させて形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、嵌合部を嵌合させるための嵌合孔が形成され、
(c)前記回転軸端部の径は嵌合部の径より大きくされて段差が形成され、該段差によって前記回転伝達部材と回転部材との軸方向における相対的な移動が規制される請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項5】
(a)前記係止要素と係止溝とは、各係止面において係止させられ、
(b)該各係止面は、先端が鋭角を成すように、前記回転伝達部材及び回転部材の回転軸に対して直交する面に対して所定の角度だけ傾斜させて形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項6】
(a)前記嵌合部は四角形の断面形状を有し、
(b)前記嵌合部の所定の面に前記係止溝が形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項7】
(a)前記嵌合部は平面部及び曲面部を備えた変形四角形の断面形状を有し、
(b)前記曲面部に前記係止溝が形成される請求項請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転伝達構造。
【請求項8】
前記曲面部の回転中心からの距離は平面部の回転中心からの距離より大きくされる請求項7に記載の回転伝達構造。
【請求項9】
駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材、及び該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材を有する回転伝達構造を備えた交換ユニットにおいて、
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする交換ユニット。
【請求項10】
駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材、及び該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材を有する回転伝達構造を備えた現像剤収容体において、
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする現像剤収容体。
【請求項11】
駆動部から伝達された回転を受けて回転させられる回転伝達部材、及び該回転伝達部材の回転を受けて回転させられる回転部材を有する回転伝達構造を備えた画像形成装置において、
(a)前記回転伝達部材及び回転部材の一方に係止溝が形成され、
(b)前記回転伝達部材及び回転部材の他方に、変形自在に形成され、前記係止溝と係止させられる係止要素を備えた係止部材が配設され、
(c)前記回転伝達部材及び回転部材の他方における前記係止部材の根元稜線部が直線状に延在させられることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−7456(P2013−7456A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141007(P2011−141007)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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