説明

回転体装置

【課題】簡素なリミット機構を設け、調整、交換および保守を容易に行える回転体装置を提供する。
【解決手段】回転体3上に第2の取付け板14、第2の回転部材19、第1の回転部材17および第1の取付け板11からなるリミット機構を設け、回転体と共に第1の取付け板が時計回転方向の所定位置まで回転した時に第1の回転部材の第1の突出部で第1のリミットスイッチ13を作動させ、回転体を停止させる。この時には、第2の取付け板の回転に伴って第2のピンを第2のレール溝の円周方向一端部に当接させて第2の突出部と第2のリミットスイッチの接触端子とを非接触状態に維持して第2の取付け板および第2の回転部材を一体回転させ、第2のリミットスイッチを作動させない。反時計回転方向は、前記同様な機構により、第1のリミットスイッチを作動させることなく第2のリミットスイッチを作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体装置に関し、特に、回転体が回転端まで回転したときに回転体の回転を自動停止させるようにした回転体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットにおけるロボット基部と旋回胴、あるいはアンテナ装置の基台とアンテナ装置を搭載する回転体、監視カメラの基台と監視カメラ等はそれぞれ互いに回転自在に連結されており、一方を非回転体としたときに他方の回転体の左右方向の回転量の限度を設定して、回転体が左右の回転端まで回転したときに、回転体を回転駆動する駆動手段の駆動を停止するようにしたものがある。
【0003】
従来、この種の回転体装置としては、回転側の回転を、固定側に対して所定の位置で停止させる回転機構における回転端リミット構造において、回転側あるいは固定側に、渦巻状で、かつその両端部に浅溝部を有するガイド溝を形成し、そのガイド溝とは反対側となる固定側あるいは回転側に、回転側の回転を停止するためのリミットスイッチを設け、ガイド溝に挿入されるガイド溝側突起部と、そのガイド溝側突起部をガイド溝に追従させて移動自在に支持するとともに、ガイド溝側突起部とは逆方向のリミットスイッチ側に延びたリミットスイッチ側突起部を備えた固定部材とを有したリミットドグを設け、このリミットドグをガイド溝側に付勢する付勢手段を設けて、回転端にて浅溝部でリミットドグのガイド溝側突起部がリミットスイッチ側に押し戻されてリミットスイッチ側突起部がリミットスイッチを押して回転を停止させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−63832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の回転体装置にあっては、回転側あるいは固定側に、渦巻状で、かつその両端部に浅溝部を有するガイド溝を形成しているため、ガイド溝の加工が非常に複雑なものとなってしまい、回転側または固定側の加工コストが増大してしまった。この結果、回転体装置の製造コストが増大してしまうという問題があった。
また、リミット機構を回転側と固定側の間に位置させているため、このリミット機構の調整や交換および保守が困難となるという問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、安価、かつ簡素な構成のリミット機構を設けることができ、製造コストが増大するのを抑制することができるとともに、リミット機構の調整、交換および保守を容易に行うことができる回転体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る回転体装置は、非回転体に対して回転自在に設けられた回転体と、前記回転体を回転駆動する駆動手段と、回転体の回転を前記非回転体に対して所定の位置で停止させるようにしたリミット機構とを備えた回転体装置において、前記回転体は、前記非回転体に設けられた固定軸に対して回転自在に支持され、前記リミット機構は、前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記回転体に固定され、作動時に前記駆動手段の駆動を停止させる第1のリミットスイッチが上面に固定された第1の取付け板と、前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記第1の取付け板の下方に位置するようにして前記回転体に固定され、作動時に前記駆動手段の駆動を停止させる第2のリミットスイッチが上面に固定された第2の取付け板と、前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記第1の取付け板の上方に位置するようにして配設され、下面に円周方向に亘って所定長さ延在する第1のレール溝が形成された第1の回転部材と、前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記第1の取付け板と前記第2の取付け板の間に位置するようにして配設され、下面に円周方向に亘って所定長さ延在する第2のレール溝が形成された第2の回転部材と、前記第1の取付け板上に設けられ、前記第1のレール溝に嵌合する第1のピンと、前記第2の取付け板上に設けられ、前記第2のレール溝に嵌合する第2のピンと、前記第1の回転部材の外周部から突出して設けられ、前記回転体と共に前記第1の取付け板が一方向の所定位置まで回転したときに前記第1のリミットスイッチに接触して前記第1のリミットスイッチを作動させる第1の突出部と、前記第2の回転部材の外周部から突出して設けられ、前記回転体と共に前記第2の取付け板が他方向の所定位置まで回転したときに前記第2のリミットスイッチに接触して前記第2のリミットスイッチを作動させる第2の突出部とを備え、前記回転体が他方向に回転したときに、前記第1の取付け板の回転に伴って前記第1のピンが前記第1のレール溝の円周方向一端部に当接して前記第1の突出部と前記第1のリミットスイッチとを非接触状態に維持して前記第1の取付け板および前記第1の回転部材を一体回転させ、前記回転体が一方向に回転したときに、前記第2の取付け板の回転に伴って前記第2のピンが前記第2のレール溝の円周方向一端部に当接して前記第2の突出部と前記第2のリミットスイッチとを非接触状態に維持して前記第2の取付け板および前記第2の回転部材を一体回転させるようにしたものから構成されている。
【0007】
この構成により、回転体上に第2の取付け板、第2の回転部材、第1の取付け板および第1の回転部材からなる四層構造のリミット機構を設け、回転体と共に第1の取付け板が一方向の所定位置まで回転したときに第1の回転部材の第1の突出部に第1のリミットスイッチを接触させて第1のリミットスイッチを作動させることにより、駆動手段の駆動を停止して回転体を停止させることができる。
【0008】
このように回転体が一方向に回転したときには、第2の取付け板の回転に伴って第2のピンが第2のレール溝の円周方向一端部に当接して第2の突出部と第2のリミットスイッチとを非接触状態に維持して第2の取付け板および第2の回転部材を一体回転させるので、第2のリミットスイッチを作動させないようにすることができる。
【0009】
一方、回転体と共に第2の取付け板が他方向の所定位置まで回転したときに第2の回転部材の第2の突出部に第2のリミットスイッチを接触させて第2のリミットスイッチを作動させることにより、駆動手段の駆動を停止して回転体を停止させることができる。
【0010】
このように回転体が他方向に回転したときには、第1の取付け板の回転に伴って第1のピンが第1のレール溝の円周方向一端部に当接して第1の突出部と第1のリミットスイッチとを非接触状態に維持して第1の取付け板および第1の回転部材を一体回転させるので、第1のリミットスイッチを作動させないようにすることができる。
【0011】
この結果、安価、かつ簡単な構成の四層構造のリミット機構によって回転体の回転を簡単に規制することができ、回転体装置の製造コストが増大するのを抑制することができる。
【0012】
また、回転体側にリミット機構を設けたので、リミット機構の調整、交換および保守を容易に行うことができる。また、第1のリミットスイッチを第1の回転部材の外方に位置するようにして第1の取付け板に設けるとともに、第2のリミットスイッチを第2の回転部材の外方に位置するようにして第2の取付け板に設けたので、リミット機構の高さを低くすることができ、回転体装置の高さを低くすることができる。
【0013】
また、本発明に係る回転体装置は、固定軸に一端部が固定された第1の軸部材および第2の軸部材を備え、前記第1の取付け板に円周方向に亘って所定長延在する複数の第1の貫通孔を形成するとともに、前記第2の取付け板に円周方向に亘って所定長延在する1つの第2の貫通孔を形成し、前記第1の軸部材の他端部を第1の貫通孔の一方および前記第2の貫通孔に挿通するとともに前記第2の軸部材の他端部を前記第1の貫通孔の他方に挿通し、前記第1の回転部材と前記第2の軸部材の間に第1のスプリングを縮設するとともに、前記第2の回転部材と前記第1の軸部材の間に第2のスプリングを縮設し、前記第1のピンが前記第1のレール溝の円周方向一端部に当接して前記第1の取付け板および前記第1の回転部材が一体回転したときに、前記第1のスプリングを伸長させるとともに、前記第2のピンが前記第2のレール溝の円周方向一端部に当接して第2の取付け板および前記第2の回転部材が一体回転したときに、前記第2のスプリングを伸長させるようにしたものから構成されている。
【0014】
この構成により、第1のピンが第1のレール溝の円周方向一端部に当接して第1の取付け板および第1の回転部材が一体回転したときに、第1のスプリングを伸長させるとともに、第2のピンが第2のレール溝の円周方向一端部に当接して第2の取付け板および第2の回転部材が一体回転したときに、第2のスプリングを伸長させるようにしたので、第1の回転部材および第2の回転部材の回転を許容することができるとともに、第1のスプリングおよび第2のスプリングによって第1の回転部材および第2の回転部材をホームポジョンに容易に復帰させることができる。
【0015】
また、本発明に係る回転体装置は、前記第1の回転部材が前記固定軸の軸方向に移動するのを規制して前記第1の回転部材を前記固定軸に回転自在に支持する第1の軸受部材と、前記第2の回転部材が前記固定軸の軸方向に移動するのを規制して前記第2の回転部材を前記固定軸に回転自在に支持する第2の軸受部材とを有するものから構成されている。
【0016】
この構成により、第1の軸受部材および第2の軸受部材によって第1の回転部材および第2の回転部材をそれぞれ固定軸に回転自在に支持しているので、第1の回転部材および第2の回転部材を滑らかに回転させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、安価、かつ簡素な構成のリミット機構を設けることができ、製造コストが増大するのを抑制することができるとともに、リミット機構の調整、交換および保守を容易に行うことができる回転体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る回転体装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図23は本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1、図2において、非回転体としての基台1には固定軸2が設けられており、この固定軸2には軸受4を介して回転体3が回転自在に支持されている。固定軸2の上部にはフランジ部5が設けられており、このフランジ部5は図1に示すように減速歯車機構6の図示しない内側非回転部に取付けられている。また、減速歯車機構6の外側回転部には取付け足6aを介して回転板7が回転自在に設けられている。すなわち、減速歯車機構6は公知のカップ型ハーモニックドライブから構成されている。なお、図2においては減速歯車機構6を図示省略している。
【0019】
この減速歯車機構6は回転体3上に固定された図示しないモータにタイミングベルト10を介して接続された小径の回転軸8を備えており、この回転軸8の周囲に設けられた減速歯車によってモータの回転が減速されて回転板7に伝達されるようになっている。なお、本実施の形態では、モータ、タイミングベルト10および減速歯車機構6が駆動手段を構成している。
【0020】
回転板7に周囲には4つの軸部材9の一端部が取付けられており、この軸部材9の他端部は回転体3に取付けられている。したがって、回転板7の回転が軸部材9を介して回転体3に伝達されることにより、回転体3が固定軸2に対して回転する。
【0021】
また、図3〜図5および図9〜図12に示すように、固定軸2の周囲には四角形状の第1の取付け板11が回転自在に設けられており、この第1の取付け板11は連結軸12を介して回転体3に取付けられている。
【0022】
また、第1の取付け板11の放射方向外端部の上面には接触端子13aを有する第1のリミットスイッチ13が設けられており、この第1のリミットスイッチ13はモータを駆動する制御回路に接続されている。この制御回路はCPU等を備えており、第1のリミットスイッチ13が作動すると、モータの駆動を停止するようになっている。
【0023】
また、固定軸2の周囲には、図3、図4、図6および図9〜図12に示すように円板状の第2の取付け板14が回転自在に設けられており、この第2の取付け板14は第1の取付け板11の下方に位置するとともに連結軸15を介して回転体3に取付けられている。
【0024】
また、第2の取付け板14の放射方向外端部の上面には接触端子16aを有する第2のリミットスイッチ16が設けられており、この第2のリミットスイッチ16はモータを駆動する上述した制御回路に接続され、この制御回路は第2のリミットスイッチ16が作動すると、モータの駆動を停止するようになっている。
【0025】
また、第1の取付け板11の上方には図7に示す第1の回転部材17が設けられており、この第1の回転部材17は固定軸2の周囲に第1の軸受部材としての第1のブッシュ18を介して回転自在に設けられている。
【0026】
この第1のブッシュ18は第1の回転部材17を固定軸2に回転自在に支持するとともに、環状フランジ18aに第1の回転部材17を載置するように構成されており、第1の回転部材17が固定軸2に対して軸方向下方に移動するのを規制している。
【0027】
なお、第1のブッシュ18に第1の回転部材17の上面に当接する環状フランジを設け、第1の回転部材17が固定軸2の軸方向上方に移動するのを規制するようにしても良い。
【0028】
また、第1の取付け板11と第2の取付け板14の間には図8に示す第2の回転部材19が設けられており、この第2の回転部材19は固定軸2の周囲に第2の軸受部材としての第2のブッシュ20を介して回転自在に設けられている。
【0029】
この第2のブッシュ20は第2の回転部材19を固定軸2に回転自在に支持するとともに、環状フランジ20aに第2の回転部材19を載置するように構成されており、第2の回転部材19が固定軸2に対して軸方向下方に移動するのを規制している。
【0030】
なお、第2のブッシュ20に第2の回転部材19の上面に当接する環状フランジを設け、第2の回転部材19が固定軸2の軸方向上方に移動するのを規制するようにしても良い。
【0031】
また、図7に示すように、第1の回転部材17には第1の貫通孔21a、21bが形成されており、この第1の貫通孔21a、21bは第1の回転部材17の円周方向に沿って延在している。
【0032】
また、第1の貫通孔21aの円周方向長さは第1の貫通孔21bの円周方向長さに対して長く形成されている。本実施の形態では、第1の貫通孔21aが延在する角度は約100°に設定されており、第1の貫通孔21bが延在する角度は約60°に設定されている。
【0033】
また、図8に示すように、第2の回転部材19には第2の貫通孔22aが形成されており、この第2の貫通孔22aは第2の回転部材19の円周方向に沿って延在している。
【0034】
本実施の形態では、第2の貫通孔22aが延在する角度は約60°に設定されている。
【0035】
また、第1の貫通孔21aおよび第2の貫通孔22aには第1の軸部材23が挿通されており、この第1の軸部材23の一端部は固定軸2のフランジ部5に取付けられているとともに、第1の軸部材23の他端部は自由端となっている。
【0036】
また、第1の貫通孔21bには第2の軸部材24が挿通されており、この第2の軸部材24の一端部は固定軸2のフランジ部5に取付けられているとともに、第2の軸部材24の他端部は自由端となっている。
【0037】
また、図7、図14、図15に示すように、第1の回転部材17の下面には第1のレール溝25が形成されており、この第1のレール溝25は第1の回転部材17の円周方向に亘って所定長さ、例えば、350°の角度で延在している。この第1のレール溝25には第1のピン27が摺動自在に嵌合しており、この第1のピン27は第1の取付け板11の上面に設けられている。なお、図14、図15では第1のレール溝25を分かりやすく説明するために、第1のレール溝25を実線で示している。
【0038】
また、第1の回転部材17の外周部には第1の突出部17aが突出しており、この第1の突出部17aは第1のリミットスイッチ13の接触端子13aに接触するようになっている。また、第1の突出部17a以外の第1の回転部材17の外周面は第1のリミットスイッチ13の接触端子13aには接触しない。
【0039】
本実施の形態では、回転体3と共に第1の取付け板11が一方向(時計回転方向)の所定位置まで回転したときに第1の回転部材17の第1の突出部17aが第1のリミットスイッチ13の接触端子13aに接触して第1のリミットスイッチ13を作動させるようになっている。
【0040】
また、回転体3が他方向(反時計回転方向)に回転したときに、第1の取付け板11の回転に伴って第1のピン27が第1のレール溝25の円周方向一端部に当接して第1の突出部17aと第1のリミットスイッチ13の接触端子13aとを非接触状態に維持して第1の取付け板11および第1の回転部材17を一体回転させるようになっている。
【0041】
また、図8、図16、図17に示すように、第2の回転部材19の下面には第2のレール溝26が形成されており、この第2のレール溝26は第2の回転部材19の円周方向に亘って所定長さ、例えば、350°の角度で延在している。この第2のレール溝26には第2のピン28が摺動自在に嵌合しており、この第2のピン28は第2の取付け板14の上面に設けられている。なお、図16、図17では第2のレール溝26を分かりやすく説明するために、第2のレール溝26を実線で示している。
【0042】
なお、回転体3が中立位置にあるときには、第1のレール溝25および第2のレール溝26の位相がずれるように第1のレール溝25および第2のレール溝26が第1の回転部材17および第2の回転部材19にそれぞれ形成されている。
【0043】
また、第2の回転部材19の外周部には第2の突出部19aが突出しており、この第2の突出部19aは第2のリミットスイッチ16の接触端子16aに接触するようになっている。また、第2の突出部19a以外の第2の回転部材19の外周面は第2のリミットスイッチ16の接触端子16aに接触しない。
【0044】
本実施の形態では、回転体3と共に第2の取付け板14が他方向(反時計回転方向)の所定位置まで回転したときに第2の回転部材19の第2の突出部19aが第2のリミットスイッチ16の接触端子16aに接触して第2のリミットスイッチ16を作動させるようになっている。
【0045】
また、回転体3が一方向(時計回転方向)に回転したときに、第2の取付け板14の回転に伴って第2のピン28が第2のレール溝26の円周方向一端部に当接して第2の突出部19aと第2のリミットスイッチ16の接触端子16aとを非接触状態に維持して第2の取付け板14および第2の回転部材19を一体回転させるようになっている。
【0046】
一方、第1の取付け板11の上面には固定軸29が突出して設けられており、この固定軸29と第2の軸部材24との間には第1のスプリング30が縮設されている。この第1のスプリング30は第1のピン27が第1のレール溝25の円周方向一端部に当接して第1の取付け板11および第1の回転部材17が一体回転したときに伸長するようになっており、したがって、第1の回転部材17を第1の回転部材17の回転方向と反対方向に付勢するようになっている。
【0047】
また、第2の取付け板14の上面には固定軸31が突出して設けられており、この固定軸31と第1の軸部材23との間には第2のスプリング32が縮設されている。この第2のスプリング32は第2のピン28が第2のレール溝26の円周方向一端部に当接して第2の取付け板14および第2の回転部材19が一体回転したときに伸長するようになっており、したがって、第2の回転部材19を第2の回転部材19の回転方向と反対方向に付勢するようになっている。
【0048】
このように本実施の形態では、第2の取付け板14、第2の回転部材19、第1の取付け板11および第1の回転部材17が固定軸2の周囲に四層構造で回転自在に設けられており、これら第2の取付け板14、第2の回転部材19、第1の取付け板11および第1の回転部材17がリミット機構を構成している。また、本実施の形態では、基台1、固定軸2、回転体3、減速歯車機構6、タイミングベルト10およびモータが回転体装置を構成している。
【0049】
次に、図18〜図23に基づいて回転体装置の作動について説明する。なお、本実施の形態では、回転体装置の作動状態を解り易くするために、第1の取付け板11および第1の回転部材17と、第2の取付け板14および第2の回転部材19とを別々に図示して説明することにする。
【0050】
ここで、図18、図20、図22は回転体3、第1の取付け板11および第1の回転部材17を上面から見たときの作動状態を示しており、図19、図21、図23は回転体3、第2の取付け板14および第2の回転部材19を上面から見たときの作動状態を示している。
【0051】
また、図20、図21は回転体3が反時計回転方向に回転したときの回転体3のそれぞれの角度における第1の取付け板11と第2の取付け板14の状態を示しており、図22、図23は回転体3が時計回転方向に回転したときの回転体3のそれぞれの角度における第1の取付け板11と第2の取付け板14の状態を示している。
【0052】
まず、回転体3が中立位置にあるときには、図18に示すように、第1の回転部材17の第1の突出部17aは右斜め上方に位置するとともに第1のリミットスイッチ13が下方に位置しており、図19に示すように第2の回転部材19の第2の突出部19aは左斜め上方に位置するとともに第2のリミットスイッチ16が下方に位置している。
【0053】
この中立位置から回転体3が反時計回転方向に回転すると、図20(a)に示すように、第1の取付け板11が回転体3と共に回転する。なお、図20(a)は回転体3が中立位置から140°回転した状態を示している。
【0054】
このとき、第1の取付け板11が反時計回転方向に回転するのに伴って第1のピン27が第1の回転部材17の第1のレール溝25に沿って移動するため、第1の回転部材17は回転しない。
【0055】
また、回転体3が中立位置から回転体3が反時計回転方向に回転すると、図21(a)に示すように、第2の取付け板14も回転体3と共に回転する。なお、図21(a)は回転体3が中立位置から140°回転した状態を示している。
【0056】
このとき、第2の取付け板14が回転するのに伴って第2のピン28が第2の回転部材19の第2のレール溝26に沿って移動するため、第2の回転部材19は回転しない。
【0057】
回転体3がさらに反時計回転方向に回転して190°の位置まで回転すると、図20(b)に示すように、第1のピン27が第1の回転部材17の第1のレール溝25の円周方向一端部に当接するため、第1の回転部材17が第1の取付け板11と共に反時計回転方向に回転する。このとき、第1の回転部材17が第1の貫通孔21a、21bを介して第1の軸部材23および第2の軸部材24に沿って回転し、固定軸29が第2の軸部材24から円周方向に離隔するため、第1のスプリング30が伸長する。
【0058】
また、このときに第1の突出部17aと第1のリミットスイッチ13の接触端子13aが非接触状態に維持されたままとなるため、第1の突出部17aが第1のリミットスイッチ13の接触端子13aに接触することがなく、第1のリミットスイッチ13が作動しない。
【0059】
一方、回転体3が反時計回転方向に回転して190°の位置まで回転すると、図21(b)に示すように、第2のピン28が第2の回転部材19の第2のレール溝26に沿って移動し、第2のレール溝26の円周方向他端部に向かって移動した状態となり、第2のレール溝26の円周方向他端部には当接しないため、第2の回転部材19が回転しない。
【0060】
このため、第2の取付け板14の回転に伴って第2のリミットスイッチ16の接触端子16aが第2の回転部材19の第2の突出部19aに接触して第2のリミットスイッチ16が作動する。このため、モータの駆動が停止されて回転体3の反時計回転方向への回転が停止される。
【0061】
この状態からモータを駆動することにより、図20(b)の状態から回転体3を時計回転方向に回転させて中立位置に向かって戻すと、第1のスプリング30によって第1の回転部材17が引っ張られて第2の軸部材24と第1の回転部材17の貫通穴21bの円周方向他端部に当接することによって図20(a)に示されるホームポジョン位置に戻される。
【0062】
一方、回転体3が図18、図19に示すように中立位置から時計回転方向に回転されると、図22(a)に示すように、第1の取付け板11が回転体3と共に時計回転方向に回転する。なお、図22(a)は回転体3が中立位置から−140°回転した状態を示している。
【0063】
このとき、第1の取付け板11が回転するのに伴って第1のピン27が第1の回転部材17の第1のレール溝25に沿って移動するため、第1の回転部材17は回転しない。
【0064】
また、中立位置から回転体3が反時計回転方向に回転すると、図23(a)に示すように、第2の取付け板14も回転体3と共に回転する。なお、図23(a)は回転体3が中立位置から−140°回転した状態を示している。
【0065】
このとき、第2の取付け板14が回転するのに伴って第2のピン28が第2の回転部材19の第2のレール溝26に沿って移動するため、第2の回転部材19は回転しない。
【0066】
回転体3がさらに反時計回転方向に回転して−190°の位置まで回転すると、図22(b)に示すように、第1のピン27が第1の回転部材17の第1のレール溝25の円周方向他端部に向かって移動した状態となり、第1のレール溝25の円周方向他端部には当接しないため、第1の回転部材17が回転しない。
【0067】
このため、第1の取付け板11の回転に伴って第1のリミットスイッチ13の接触端子13aが第1の回転部材17の第1の突出部17aに接触して第1のリミットスイッチ13が作動する。このため、モータの駆動が停止されて回転体3の時計回転方向への回転が停止される。
【0068】
回転体3が時計回転方向に回転して−190°の位置まで回転すると、図23(b)に示すように、第2のピン28が第2の回転部材19の第2のレール溝26の円周方向一端部に当接するため、第2の回転部材19が第2の取付け板14と共に時計回転方向に回転する。
【0069】
このとき、第2の回転部材19が第2の貫通孔22aを介して第1の軸部材23に沿って回転し、固定軸31が第1の軸部材23から円周方向に離隔するため、第2のスプリング32が伸長する。
【0070】
また、このときに第2の突出部19aと第2のリミットスイッチ16の接触端子16aが非接触状態に維持されたままとなるため、第2の突出部19aが第2のリミットスイッチ16の接触端子16aに接触することがなく、第2のリミットスイッチ16が作動しない。
【0071】
この状態から回転体3を反時計回転方向に回転させて中立位置に戻すと、第2のスプリング32によって第2の回転部材19が引っ張られて第1の軸部材23と第2の回転部材19の貫通孔22aの円周方向他端部に当接することによって図23(a)に示されるホームポジョン位置に戻される。
【0072】
すなわち、本実施の形態では、回転体3が時計回転方向に回転すると、第1のリミットスイッチ13が作動することにより、回転体3が時計回転方向の所定位置(中立位置から−190°の位置)で回転規制され、回転体3が反時計回転方向に回転すると、第2のリミットスイッチ16が作動することにより、回転体3が反時計回転方向の所定位置(中立位置から190°の位置)で回転規制される。
【0073】
このように本実施の形態では、回転体3の回転を基台1に対して所定の位置で停止させるようにしたリミット機構を設け、このリミット機構を、固定軸2の周囲に回転自在に支持されるとともに回転体3に固定され、作動時にモータの駆動を停止させる第1のリミットスイッチ13が上面に固定された第1の取付け板11と、固定軸2の周囲に回転自在に支持されるとともに第1の取付け板11の下方に位置するようにして回転体3に固定され、作動時にモータの駆動を停止させる第2のリミットスイッチ16が上面に固定された第2の取付け板14と、固定軸2の周囲に回転自在に支持されるとともに第1の取付け板11の上方に位置するようにして配設され、下面に円周方向に亘って所定長さ延在する第1のレール溝25が形成された第1の回転部材17と、固定軸2の周囲に回転自在に支持されるとともに第1の取付け板11と第2の取付け板14の間に位置するようにして配設され、下面に円周方向に亘って所定長さ延在する第2のレール溝26が形成された第2の回転部材19と、第1の取付け板11上に設けられ、第1のレール溝25に嵌合する第1のピン27と、第2の取付け板14上に設けられ、第2のレール溝26に嵌合する第2のピン28と、第1の回転部材17の外周部から突出して設けられ、回転体3と共に第1の取付け板11が時計回転方向の所定位置まで回転したときに第1のリミットスイッチ13の接触端子13aに接触して第1のリミットスイッチ13を作動させる第1の突出部17aと、第2の回転部材19の外周部から突出して設けられ、回転体3と共に第2の取付け板14が反時計回転方向の所定位置まで回転したときに第2のリミットスイッチ16の接触端子16aに接触して第2のリミットスイッチ16を作動させる第2の突出部19aとを備え、回転体3が反時計回転方向に回転したときに、第1の取付け板11の回転に伴って第1のピン27を第1のレール溝25の円周方向一端部に当接させて第1の突出部17aと第1のリミットスイッチ13の接触端子13aとを非接触状態に維持して第1の取付け板11および第1の回転部材17を一体回転させ、回転体3が時計回転方向に回転したときに、第2の取付け板14の回転に伴って第2のピン28を第2のレール溝26の一端部に当接させて第2の突出部19aと第2のリミットスイッチ16の接触端子16aとを非接触状態に維持して第2の取付け板14および第2の回転部材19を一体回転させるようにしたものから構成した。
【0074】
このように回転体3上に第2の取付け板14、第2の回転部材19、第1の取付け板11および第1の回転部材17からなる四層構造のリミット機構によって回転体3の回転を簡単に規制することができ、回転体装置の製造コストが増大するのを抑制することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、回転体3の上側にリミット機構を設けたので、リミット機構の調整、交換および保守を容易に行うことができる。また、第1のリミットスイッチ13を第1の回転部材17の放射方向外端部に位置するように第1の取付け板11に設けるとともに、第2のリミットスイッチ16を第2の回転部材19の放射方向外端部に位置するように第2の取付け板に設けたので、リミット機構の高さを低くすることができ、回転体装置の高さを低くすることができる。
【0076】
また、本実施の形態では、固定軸2のフランジ部5に一端部が固定された第1の軸部材23および第2の軸部材24を備え、第1の取付け板11に円周方向に亘って所定長延在する複数の第1の貫通孔21a、21bを形成するとともに、第2の取付け板14に円周方向に亘って所定長延在する第2の貫通孔22aを形成し、第1の軸部材23の他端部を第1の貫通孔21aおよび第2の貫通孔22aに挿通するとともに第2の軸部材24の他端部を第1の貫通孔21bに挿通し、第1の回転部材17と第2の軸部材24の間に第1のスプリング30を縮設するとともに、第2の回転部材19と第1の軸部材23の間に第2のスプリング32を縮設し、第1のピン27が第1のレール溝25の円周方向一端部に当接して第1の取付け板11および第1の回転部材17が一体回転したときに、第1のスプリング30を伸長させるとともに、第2のピン28が第2のレール溝26の円周方向一端部に当接して第2の取付け板14および第2の回転部材19が一体回転したときに、第2のスプリング32を伸長させるようにした。
【0077】
このため、第1の回転部材17および第2の回転部材19の回転を許容することができるとともに、第1のスプリング30および第2のスプリング32によって第1の回転部材17および第2の回転部材19をホームポジョンに容易に復帰させることができる。
【0078】
また、本実施の形態では、第1の回転部材17が固定軸2の軸方向に移動するのを規制して第1の回転部材17を固定軸2に回転自在に支持する第1のブッシュ18と、第2の回転部材19が固定軸2の軸方向に移動するのを規制して第2の回転部材19を固定軸2に回転自在に支持する第2のブッシュ20とを設けたので、第1の回転部材17および第2の回転部材19を滑らかに回転させることができる。
【0079】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明に係る回転体装置は、安価、かつ簡素な構成のリミット機構を設けることができ、製造コストが増大するのを抑制することができるとともにリミット機構の調整、交換および保守を容易に行うことができるという効果を有し、回転体が回転端まで回転したときに回転体の回転を自動停止させるようにした回転体装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、回転体装置の正面図である。
【図2】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、回転体装置の側面図である。
【図3】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、リミット機構の正面図である。
【図4】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、回転体装置の側面図である。
【図5】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第1の取付け板の上面図である。
【図6】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第2の取付け板の上面図である。
【図7】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第1の回転部材の上面図である。
【図8】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第2の回転部材の上面図である。
【図9】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、リミット機構の斜視図である。
【図10】図9とは別の方向から見たリミット機構の斜視図である。
【図11】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、リミット機構の正面図である。
【図12】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、リミット機構の側面図である。
【図13】図12とは別の方向から見たリミット機構の側面図である。
【図14】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第1のレール溝を分かり易く図示したリミット機構の斜視図である。
【図15】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第1の取付け板が図14と異なる位置に回転したときに第1のレール溝を分かり易く図示したリミット機構の斜視図である。
【図16】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第2のレール溝を分かり易く図示したリミット機構の斜視図である。
【図17】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、第2の取付け板が図16と異なる位置に回転したときに第2のレール溝を分かり易く図示したリミット機構の斜視図である。
【図18】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、回転体が中立位置にあるときの第1の取付け板の状態を示す図である。
【図19】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、回転体が中立位置にあるときの第2の取付け板の状態を示す図である。
【図20】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、(a)は回転体が中立位置から140°回転したときの第1の取付け板の状態を示す図、(b)は回転体が回転端である190°まで回転したときの第1の取付け板の状態を示す図である。
【図21】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、(a)は回転体が中立位置から140°回転したときの第2の取付け板の状態を示す図、(b)は回転体が回転端である190°まで回転したときの第2の取付け板の状態を示す図である。
【図22】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、(a)は回転体が中立位置から−140°回転したときの第1の取付け板の状態を示す図、(b)は回転体が回転端である−190°まで回転したときの第1の取付け板の状態を示す図である。
【図23】本発明に係る回転体装置の一実施の形態を示す図であり、(a)は回転体が中立位置から−140°回転したときの第2の取付け板の状態を示す図、(b)は回転体が回転端である−190°まで回転したときの第2の取付け板の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 基台(非回転体)
2 固定軸
3 回転体
6 減速歯車機構(駆動手段)
10 タイミングベルト(駆動手段)
11 第1の取付け板
13 第1のリミットスイッチ
14 第2の取付け板
16 第2のリミットスイッチ
17 第1の回転部材
17a 第1の突出部
18 第1のブッシュ(第1の軸受部材)
19 第2の回転部材
19a 第2の突出部
20 第2のブッシュ(第2の軸受部材)
21a、21b 第1の貫通孔
22a 第2の貫通孔
23 第1の軸部材
24 第2の軸部材
25 第1のレール溝
26 第2のレール溝
27 第1のピン
28 第2のピン
30 第1のスプリング
32 第2のスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非回転体に対して回転自在に設けられた回転体と、前記回転体を回転駆動する駆動手段と、回転体の回転を前記非回転体に対して所定の位置で停止させるようにしたリミット機構とを備えた回転体装置において、
前記回転体は、前記非回転体に設けられた固定軸に対して回転自在に支持され、
前記リミット機構は、
前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記回転体に固定され、作動時に前記駆動手段の駆動を停止させる第1のリミットスイッチが上面に固定された第1の取付け板と、
前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記第1の取付け板の下方に位置するようにして前記回転体に固定され、作動時に前記駆動手段の駆動を停止させる第2のリミットスイッチが上面に固定された第2の取付け板と、
前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記第1の取付け板の上方に位置するようにして配設され、下面に円周方向に亘って所定長さ延在する第1のレール溝が形成された第1の回転部材と、
前記固定軸の周囲に回転自在に支持されるとともに前記第1の取付け板と前記第2の取付け板の間に位置するようにして配設され、下面に円周方向に亘って所定長さ延在する第2のレール溝が形成された第2の回転部材と、
前記第1の取付け板上に設けられ、前記第1のレール溝に嵌合する第1のピンと、
前記第2の取付け板上に設けられ、前記第2のレール溝に嵌合する第2のピンと、
前記第1の回転部材の外周部から突出して設けられ、前記回転体と共に前記第1の取付け板が一方向の所定位置まで回転したときに前記第1のリミットスイッチに接触して前記第1のリミットスイッチを作動させる第1の突出部と、
前記第2の回転部材の外周部から突出して設けられ、前記回転体と共に前記第2の取付け板が他方向の所定位置まで回転したときに前記第2のリミットスイッチに接触して前記第2のリミットスイッチを作動させる第2の突出部とを備え、
前記回転体が他方向に回転したときに、前記第1の取付け板の回転に伴って前記第1のピンが前記第1のレール溝の円周方向一端部に当接して前記第1の突出部と前記第1のリミットスイッチとを非接触状態に維持して前記第1の取付け板および前記第1の回転部材を一体回転させ、
前記回転体が一方向に回転したときに、前記第2の取付け板の回転に伴って前記第2のピンが前記第2のレール溝の円周方向一端部に当接して前記第2の突出部と前記第2のリミットスイッチとを非接触状態に維持して前記第2の取付け板および前記第2の回転部材を一体回転させるようにしたことを特徴とする回転体装置。
【請求項2】
固定軸に一端部が固定された第1の軸部材および第2の軸部材を備え、
前記第1の取付け板に円周方向に亘って所定長さ延在する複数の第1の貫通孔を形成するとともに、前記第2の取付け板に円周方向に亘って所定長延在する1つの第2の貫通孔を形成し、前記第1の軸部材の他端部を第1の貫通孔の一方および前記第2の貫通孔に挿通するとともに前記第2の軸部材の他端部を前記第1の貫通孔の他方に挿通し、
前記第1の回転部材と前記第2の軸部材の間に第1のスプリングを縮設するとともに、前記第2の回転部材と前記第1の軸部材の間に第2のスプリングを縮設し、
前記第1のピンが前記第1のレール溝の円周方向一端部に当接して前記第1の取付け板および前記第1の回転部材が一体回転したときに、前記第1のスプリングを伸長させるとともに、前記第2のピンが前記第2のレール溝の円周方向一端部に当接して第2の取付け板および前記第2の回転部材が一体回転したときに、前記第2のスプリングを伸長させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の回転体装置。
【請求項3】
前記第1の回転部材が前記固定軸の軸方向に移動するのを規制して前記第1の回転部材を前記固定軸に回転自在に支持する第1の軸受部材と、前記第2の回転部材が前記固定軸の軸方向に移動するのを規制して前記第2の回転部材を前記固定軸に回転自在に支持する第2の軸受部材とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−293688(P2008−293688A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135503(P2007−135503)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ハーモニックドライブ
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】