説明

回転式粉末圧縮成型機の回転盤着脱支援方法、及び回転盤着脱支援設備を備えた回転式粉末圧縮成型機。

【課題】成型機本体に対して横方向に移動して着脱される回転盤の着脱操作を円滑にできる回転盤着脱支援設備を備えた回転式粉末圧縮成型機を提供する。
【解決手段】回転式の打錠機は、被支持部49及びキー状の動力受け部を有した回転盤42を備える回転盤ユニット41と、回転盤着脱支援設備を具備する。支援設備は、キー溝状の駆動力伝達部13aを有した成型機本体2に対しユニット41が横移動されて成型機本体2に着脱される際に用いる。この設備は、成型機本体2内の本体側レール81、ガイドレール96を有した台車ガイド85、回転盤昇降機構、及び被支持部49を下側から支持する着脱台車151を備える。台車ガイド85を成型機本体2の一側に配設して両レール81,96を連続させる。回転盤昇降機構はユニット41の下側からユニット41を昇降させて動力受け部を駆動力伝達部13aに係脱させる。着脱台車151を両レールで導いて成型機本体2内と台車ガイド85にわたって移動させて、ユニット41の着脱を支援することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば錠剤等を圧縮成型する回転式粉末圧縮成型機が備える回転盤を、成型機本体に対して横方向から着脱する際に、この着脱を支援する回転盤着脱支援方法、及びこの支援方法を実施するための回転盤着脱支援設備を備えた回転式粉末圧縮成型機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転盤を本体フレーム(成型機本体)に対して横方向から着脱できる回転式粉末圧縮成型機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1の回転式粉末圧縮成型機では、回転盤を備えた回転盤ユニットの下端部に設けられた駆動力受け体に噛み合い凸部を形成するとともに、回転盤を回転させる主軸の上端部に設けられた駆動力伝達体に噛み合い溝部を形成し、これらを係合させて主軸の回転を回転盤に伝えている。噛み合い溝部が延びる方向の噛み合い溝部の端は開放されているので、駆動力伝達体に対する位置決めを解除した状態で噛み合い凸部が延びる方向に回転盤ユニットを移動させることにより、回転盤ユニットを本体フレームに対して横方向移動させて本体フレーム外に取出すことができる。これとともに、この逆の操作で、本体フレームに対して横方向から回転盤ユニットを挿入し、その噛み合い凸部を動力伝達体の噛み合い溝部に係合させることができる。
【0004】
こうした回転盤の着脱の際フォークリフトが使用される。この場合、フォークリフトのフォークを本体フレームの横方向から差し込んで上昇させることで、回転盤ユニットをこの下面から支持し、その上で、フォークリフトを後退させることで回転盤を本体フレーム外に引出すことができる。又、この取出しと逆の手順により、フォークリフトに支持された回転盤ユニットを、本体フレームにその横方向から装着できる。
【特許文献1】特許第2831277号公報(段落0011-0092、図1−図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転盤が水平となるように床面に設置されている本体フレームに対して、このフレームに位置決めされることなく床面上を自由に移動するフォークリフトを用いて回転盤ユニットを本体フレームに横方向から着脱する従来技術では、以下の改善すべき課題がある。
【0006】
即ち、回転式粉末圧縮成型機が設置された床面が水平ではなく傾いている場合、及びフォークリフトのフォークが前後・左右に傾いている場合等においては、これらの影響を受けてフォークと回転盤ユニット及び動力伝達体との位置決め精度が変化する。特に、回転盤ユニットを装着する場合には、主軸の上端に設けられた駆動力伝達体の噛み合い溝部に対し、フォークに支持された回転盤ユニットの噛み合い凸部が正確に位置出されないことがある。この場合、本体フレームに向けてのフォークリフトの前進に伴い、噛み合い溝部と噛み合い凸部が干渉して、回転盤ユニットの挿入操作が円滑に行えなくなることがある。
【0007】
このような不具合は、複数台の回転式粉末圧縮成型機に対して一台のフォークリフトを共用して、各回転式粉末圧縮成型機の回転盤ユニットを着脱する際にも、個々の回転式粉末圧縮成型機の寸法や設置条件などの微妙な違いに起因して発生することがある。
【0008】
本発明の目的は、成型機本体に対して横方向に移動して着脱される回転盤ユニットの着脱操作を円滑にできる回転式粉末圧縮成型機の回転盤着脱支援方法、及び回転盤着脱支援設備を備えた回転式粉末圧縮成型機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の回転盤着脱支援方法は、回転盤を備えて成型機本体内に配置された回転盤ユニットが、被支持部、及び前記回転盤を駆動する駆動力伝達体に形成されたキー状又はキー溝状の駆動力伝達部に係脱可能なキー溝状又はキー状の動力受け部を有し、この動力受け部及び前記駆動力伝達部が延びる方向に沿って前記成型機本体に対して前記回転盤ユニットを横方向に移動させて、前記回転盤ユニットを着脱する回転式粉末圧縮成型機の回転盤着脱支援方法であって、ガイドレールを有した台車ガイドを、前記回転盤の取出し側に位置された前記成型機本体の一側に配設して、前記ガイドレールを前記成型機本体内に設置された本体側レール又は前記回転盤ユニットが着脱されるごとに前記成形機本体内に設置される本体側レールに連続させた後、前記被支持部を下側から支持する着脱台車を、前記両レールで導いて、前記成型機本体内で前記回転盤ユニットを下側から受け得る第1の位置と前記台車ガイド上に配置される第2の位置とにわたって移動させるとともに、前記回転盤ユニットにその下側から接離する昇降体で前記回転盤ユニットを昇降させることにより、前記回転盤ユニットを取出す際に前記第1の位置に移動された前記着脱台車に前記駆動力伝達体から前記回転盤ユニットを受け渡すとともに、前記回転盤ユニットを装着する際に前記駆動力伝達体に前記第1の位置に移動された前記着脱台車から前記回転盤ユニットを受け渡すことを特徴としている。
【0010】
請求項1及び2の発明で、台車ガイドは、成型機本体にこれに対して移動可能に組み付けられていて、回転盤ユニットを着脱する場合に、成型機本体に対して移動されて成型機本体の一側に配設されるものでも、或いは、成型機本体とは別に付属品として用意されていて、回転盤ユニットを着脱する場合に、その都度、成型機本体の一側にボルト止めにより配設して使用されるものでもよい。後者の台車ガイドを用いる場合、複数台の回転式粉末圧縮成型機に対して、台車ガイド及び着脱台車等を共用できるので、設備費を軽減できる利点がある。請求項1及び2の発明で、回転盤の昇降は、実施形態で説明する回転盤昇降機構に代えて、着脱台車にボルトのような昇降体を組み込み、この昇降体によって行うようにしても良い。
【0011】
請求項1の発明で、回転盤ユニットを着脱する際には、成型機本体の一側に配設されて成型機本体と一体化した台車ガイドを使用し、成型機本体内の第1の位置と台車ガイド上に第2の位置とにわたって、着脱台車を用いて回転盤ユニットを横方向に移動して着脱作業を実行する。そのため、成型機本体を、この成型機本体の動力伝達体、回転盤ユニット、及び本体側レール又はガイドレールに接している着脱台車の各高さ位置の基準とできる。これとともに、連続した本体側レール及びガイドレールによって、これらレールが延びる方向と直交する左右方向に着脱台車を位置決めできる。したがって、成型機本体が設置された床面が傾斜していても、動力伝達体、回転盤ユニット、及び本体側レール又はガイドレールに接している着脱台車の適正な相互位置関係が維持された状態で、回転盤を備えた回転盤ユニットが横方向に着脱されるので、その操作を円滑に行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明の回転式粉末圧縮成型機は、キー状又はキー溝状の駆動力伝達部が形成された駆動力伝達体を有した成型機本体と、被支持部を有した回転盤、及び駆動力伝達部に係脱可能なキー溝状又はキー状の動力受け部を有して前記成型機本体内に配置されるとともに、前記動力受け部及び前記駆動力伝達部が延びる方向に沿って前記成型機本体に対し横方向に移動されることにより前記成型機本体に着脱される回転盤ユニットと、この回転盤ユニットを前記成型機本体に着脱させる回転盤着脱支援設備と、を具備した回転式粉末圧縮成型機であって、前記回転盤着脱支援設備が、前記回転盤ユニットに下側から接離して前記回転盤ユニットを昇降させる昇降軸、及びこの軸を昇降させる昇降駆動部を有して、前記成型機本体に設けられた回転盤昇降機構と、前記成型機本体内に前記横方向に延びて設置された本体側レール、又は前記回転盤ユニットが着脱されるごとに前記成形機本体内に前記横方向に延びて設置される本体側レールと、ガイドレールを有し、このガイドレールが前記本体側レールに連続するように、前記回転盤ユニットを着脱する際に前記回転盤ユニットの取出し側に位置された前記成型機本体の一側に配設される台車ガイドと、前記被支持部を下側から支持する受け部を有し、前記両レールで導かれて前記成型機本体内で前記回転盤ユニットを下側から受け得る第1の位置と前記台車ガイド上に配置される第2の位置とにわたって移動される着脱台車と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
この請求項2の発明で回転盤を備えた回転盤ユニットを取出す場合、まず、回転盤ユニットの動力受け部及び駆動力伝達部が回転盤ユニットの着脱方向と一致する取出し位置に回転盤を回転させた後に、成型機本体の一側に台車ガイドを配設する。次に、回転盤昇降機構の昇降軸を上昇させて回転盤ユニットを押上げる。この後、着脱台車を台車ガイド上に配置してから、この着脱台車をガイドレール及び本体側レールで導いて成形機本体内に挿入して第1の位置に配置する。この状態で、回転盤昇降機構の昇降軸を下降させることにより、回転盤ユニットを降下させて着脱台車の受け部に受け渡して載置させるとともに、昇降軸を回転盤ユニットの下方に離脱させた状態に保持する。次に、着脱台車を本体側レール及びガイドレールで導いて台車ガイド上の第2の位置に引出す。こうして回転盤ユニットを成型機本体から台車ガイド上に取出すことができる。なお、この後、回転盤ユニットは適宜な方法で台車ガイド上から搬出される。
【0014】
又、請求項2の発明で回転盤ユニットを装着する場合、まず、成型機本体の一側に配設された台車ガイド上に、適宜な方法で着脱台車を介して回転盤ユニットを配置する。この後、着脱台車をガイドレール及び本体側レールで導いて成型機本体内に挿入することにより、着脱台車に載置されている回転盤ユニットを第1の位置に配置して駆動力伝達部と動力受け部とを係合させる。次に、回転盤昇降機構を駆動して、既述の取出し動作で下降した状態に保持されていた昇降軸を上昇させることにより、この昇降軸で回転盤ユニットを着脱台車の上方に離した状態に押上げて保持する。この状態で、着脱台車を本体側レール及びガイドレールで導いて引き戻して台車ガイド上の第2の位置に引出す。この後、回転盤昇降機構を駆動して昇降軸を下降させることにより、動力伝達体上に回転盤ユニットが受け渡されるとともに、駆動力伝達部と動力受け部とがより深く係合して、所定の係合状態となる。この後、再び回転盤昇降機構の昇降軸が上昇されることにより、この昇降軸が回転盤ユニットに係合される。こうして台車ガイド上から成型機本体に挿入された回転盤ユニットを成型機本体に装着することができる。
【0015】
以上のように請求項2の発明は、請求項1の発明の回転盤着脱支援方法を実行するので、回転盤ユニットの着脱操作を円滑に行うことができる。しかも、回転盤ユニットを着脱するのに必要な回転盤ユニットの上げ下げを、人力に寄らずして回転盤昇降機構により簡便に行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明の回転式粉末圧縮成型機は、請求項2の発明において、前記本体側レールが前記成型機本体に固定されているとともに、前記台車ガイドが前記成型機本体の前記一側に回動可能に取付けられていて、前記台車ガイドが、その回動によって前記成型機本体の前記一側に沿う格納位置又は本体側レールに前記ガイドレールが連続する使用位置に選択配置されることを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明では、台車ガイドが成型機本体に付設されていて、この台車ガイドを回動させて使用位置又は格納位置に選択的に配置できるので、回転盤ユニットを着脱する際に、成型機本体にこれとは別に用意された台車ガイドを固定する手間を要しない。これとともに、本体側レールも成型機本体に固定されているので、回転盤ユニットを着脱する際に、本体側レールを成型機本体に固定する手間も要しない。したがって、成型機本体に、回転盤ユニットを着脱するたびに本体側レールを取付ける場合に比較して、回転盤着脱に要する手間を軽減できる。
【0018】
請求項4に係る発明の回転式粉末圧縮成型機は、請求項3の発明において、前記着脱台車が前記成型機本体に対する挿脱方向に延びる一対の前記受け部を有して平面視コの字形状をなしていて、この着脱台車が前記成型機本体から離れる方向に前記台車ガイドに対して引出し可能で、かつ、前記台車ガイドが一対のレール設置部を有して前記着脱台車とは逆向きの平面視コの字形状をなしているとともに、前記回転盤着脱支援設備が、前記成型機本体に設けられて前記使用位置に配置された前記台車ガイドを昇降させるガイド昇降機構と、前記使用位置に配置された前記台車ガイドの下方に配置される搬送台車を備え、かつ、前記搬送台車が、前記台車ガイドの昇降に伴って一対の前記レール設置部間及び一対の前記受け部間を挿通可能な回転盤支持部を有していることを特徴としている。
【0019】
請求項4の発明では、成型機本体から台車ガイド上に着脱台車を用いて移動された回転盤ユニットを以下の手順で搬送台車に搬出できる。まず、使用位置に配置された台車ガイドの下方に搬送台車を配置した後に、回転盤ユニットを載置している着脱台車が配置されている台車ガイドを、ガイド昇降機構を駆動させて下降させる。この下降に伴い、相対的には、台車ガイドが有した一対のレール設置部間及び着脱台車が有した一対の受け部間を、搬送台車の回転盤支持部が上方に通るようになる。そのため、回転盤支持部により回転盤ユニットが押上げられ、この回転盤ユニットが着脱台車の受け部に対して上方に離された状態に支持される。次に、成型機本体を向いた一端が開放されている着脱台車を、成型機本体から遠ざかるように移動させて台車ガイド上から引き外す。この後、ガイド昇降機構を駆動させて台車ガイドを使用位置に上昇させることにより、搬送台車への回転盤の受け渡しが完了する。
【0020】
この逆に、搬送台車から台車ガイドに回転盤ユニットを受け渡すには、まず、使用位置に配置された台車ガイドをガイド昇降機構の駆動により下降させた状態で、回転盤ユニットが載置された回転盤支持部が台車ガイドのレール設置部間に配置されるように、搬送台車を台車ガイドに対して組み合わせる。この場合、台車ガイドのレール設置部間は、成型機本体から遠ざかった端で開放されているので、そこから支持部を通して搬送台車を配置できる。次に、台車ガイド上に着脱台車を載せて、この台車の一対の受け部が回転盤の被支持部に下方から対向した状態とする。この後、台車ガイドをその使用位置にガイド昇降機構の駆動により上昇させる。これにより、回転盤ユニットが台車ガイド上の着脱台車に載置されるとともに、回転盤ユニットが搬送台車の上方に台車ガイドと一緒に移動されて、搬送台車から台車ガイドへの回転盤ユニットの受け渡しが完了する。
【0021】
以上のように請求項4の発明は、使用位置の台車ガイドを昇降させることに伴い、回転盤ユニットを、台車ガイド上から搬送台車に受け渡すことができるとともに、この逆に、搬送台車から台車ガイド上に受け渡すことができる。
【0022】
請求項5に係る発明の回転式粉末圧縮成型機は、請求項2又は3の発明において、前記回転盤着脱支援設備が前記成型機本体に設けられた吊り装置を備え、この吊り装置が、昇降部材と、この昇降部材を昇降させる吊り駆動部と、前記昇降部材にこの部材を中心に回転可能に支持されて前記使用位置の台車ガイドの上方に配置される位置とこの位置から外れた他の位置にわたって移動される吊下げアームと、このアームに前記台車ガイド上に引出された前記回転盤ユニットを吊下げる吊下げ部材とを有していることを特徴としている。
【0023】
請求項5の発明では、成型機本体から使用位置の台車ガイド上に着脱台車を用いて引出された回転盤ユニットを以下の手順で台車ガイド外に搬出できる。まず、使用位置に配置された台車ガイドの上方に吊下げアームを配置して、このアームと回転盤ユニットを吊下げ部材を用いて連結する。この後、吊り駆動部により昇降部材を上昇させて回転盤を吊下げてから、吊下げアームを押して昇降部材を中心に回転させることにより、回転盤ユニットを台車ガイドから外れた位置に搬出できる。なお、この後に、吊り駆動部により昇降部を介して吊下げアームとともに回転盤ユニットを降下させることにより、この回転盤ユニットを搬送台車等に受け渡すことができる。
【0024】
又、この逆に、搬送台車等に支持された回転盤ユニットを、吊下げ部材を用いて吊下げアームに連結した後に、吊り駆動部により昇降部材を上昇させて回転盤ユニットを吊下げてから、吊下げアームを押して昇降部材を中心に回転させることにより、回転盤ユニットを使用位置の台車ガイド上に移動させ、この状態で吊り駆動部により昇降部材を介して吊下げアームとともに回転盤ユニットを降下させることにより、この回転盤ユニットを台車ガイド上に配置されている着脱台車に受け渡すことができる。
【0025】
以上のように請求項5の発明は、回転盤ユニットを吊下げる吊下げアームを、回転させるとともに昇降させることに伴い、回転盤ユニットを、台車ガイド上の着脱台車と台車ガイドから外れた位置とにわたって受け渡すことができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に係る発明の回転盤着脱支援方法、及び請求項2から5に係る発明の回転盤着脱支援設備を備えた回転式粉末圧縮成型機によれば、成型機本体に対して横方向に移動して着脱される回転盤ユニットの着脱操作を円滑にできる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1〜図15を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0028】
図1及び図2中符号1は回転式粉末圧縮成型機(回転式粉末圧縮成型装置)例えば錠剤を製造する回転式打錠機を示している。この打錠機1は、成型機本体2と、回転盤ユニット41と、回転盤着脱支援設備(以下、支援設備と略称する。)71等を具備している。
【0029】
成型機本体2は、図4等に示した下部フレーム3上に4本の柱(図示しない)を介して上部フレーム4を連結して形成されている。各柱は四隅に配設されている。下部フレーム3と上部フレーム4との間は成形室2aをなしている。下部フレーム3の内側は駆動ルームをなしている。成型機本体2の前後左右の側面の夫々には、図1で代表するように成形室2aに臨んでこの成形室2aを覗き見可能な透視パネルを有した開閉扉5が取付けられている。
【0030】
図4に示すように下部フレーム3の成形室2aに臨んだ上壁部3aに、上方から挿入して軸受ブラケット11が固定されている。この軸受ブラケット11の内側に複数の軸受を介して下主軸12が回転自在に支持されている。下主軸12は、複数の主軸部材を連結してなり軸受ブラケット11を上下方向に貫通している。
【0031】
下主軸12の最も上側の主軸部材は、平面視円形の駆動力伝達体13をなしている。駆動力伝達体13は成形室2a内に突出されている。図3等に示すように駆動力伝達体13はこの上面に開放するキー溝状の駆動力伝達部13aを有している。駆動力伝達部13aは、駆動力伝達体13の好ましくは中心を通って径方向に延びて形成されているとともに、この延びた方向の両端は駆動力伝達体13の側面に夫々開放されている。
【0032】
なお、駆動力伝達部13aは、駆動力伝達体13の径方向と平行に複数設けることができるとともに、キー溝状に制約されず、駆動力伝達体13の上面から上方に突出しかつ径方向又はこれに平行に延びる少なくとも一つのキー状の凸部で形成することもできる。
【0033】
下部フレーム3の内部には図5に一部を示した回転盤駆動装置15が配設されている。この回転盤駆動装置15に下部フレーム3の内部(駆動ルーム)に突出された下主軸12の下部が連結されていて、この回転盤駆動装置15は下主軸12を回転駆動する。下主軸12の回転は図示しないロータリーエンコーダ等のセンサにより検出される。
【0034】
図4に示すように上部フレーム4に回転盤ユニット41を支持する回転盤支持装置21が設けられている。回転盤支持装置21は、上主軸22、主軸ホルダ23、ボールねじ24、上主軸昇降機構25、皿ばね26等を備えている。
【0035】
上主軸22は下方に向けて先細となる円錐台部を有している。上主軸22は円筒状の主軸ホルダ23の下端に連結されている。この上主軸22は成形室2aに出没可能である。主軸ホルダ23は、上部フレーム4の成形室2aに臨んだ壁部4aに固定されたスリーブ27の内側に昇降可能に嵌合され、図示しないキーによりスリーブ27に対して回り止めされている。
【0036】
ボールねじ24は、外周にボール転動溝を有したボールねじ軸24aと、内周にボール転動溝を有してボールねじ軸24aに嵌合されたナット24bと、これら両部材のボール転動溝にわたって回転自在に設けられて図示しない経路を得て循環しつつ移動する多数のボール(図示しない)とを有して形成されている。ナット24bは主軸ホルダ23の内部に挿入されているとともに主軸ホルダ23の上端に固定されている。ボールねじ軸24aはナット24bより長く、その上部は上部フレーム4の壁部4aの上方に突出されている。ボールねじ軸24aは、その中心軸線を下主軸12の中心軸線の上方への延長線と一致させて配置されている。
【0037】
上主軸昇降機構25は壁部4a上に配設されている。この上主軸昇降機構25は、連結されたウォーム減速部25aと、これを駆動する正逆回転可能な駆動モータ25bを有している。ウォーム減速部25aに連動させて外側中継筒28aと内側中継筒28bを回転させるために、ウォーム減速部25aのウォームホイールとこの内側を貫通して配設された外側中継筒28aとが、図示しないキーを介して接続されているとともに、外側中継筒28aとこの内側に配設された内側中継筒28bとが、図示しないキーを介して接続されている。そして、内側中継筒28bとこの内側に通されたボールねじ軸24aとが図示しないキーを介して接続されている。
【0038】
上主軸昇降機構25の上側には機構カバー29が連結され、この機構カバー29には皿ばね26が収容された皿ばね保持器30が収容されている。皿ばね保持器30はボールねじ軸24aの上端に皿ばね26によって押付けられている。皿ばね保持器30は上向きの中心軸30aを有していて、この中心軸30aは機構カバー29を上方に貫通している。中心軸30aの上端に被検出部材31が固定されている。これとともに、機構カバー29の上面に上昇センサ32が取付けられている。上昇センサ32は透過式の光電センサからなる。上昇センサ32の光路を遮光する高さ位置まで被検出部材31が上昇されることで、回転盤ユニット41が成型機本体2内に所定状態にセットされたことが検出されるようになっている。
【0039】
回転盤ユニット41は、成型機本体2に対して横方向から着脱可能であって、図4に示されるように回転盤42、上カムホルダ43、上カム44、位置決め部材45、動力受け体46、軸受ホルダ47、下杵軌道支持体48等を備えている。
【0040】
回転盤42は回転盤上部材42aと回転盤下部材42bを連結して形成されている。回転盤上部材42aの周部には、この周部を上下動可能に貫通する上杵51が、回転盤上部材42aの周方向に沿って一定間隔毎に取付けられている。回転盤上部材42aの上側に上カムホルダ43が配置されている。上カムホルダ43の周部に平面視円環状をなす上カム44が固定されている。上カム44は上杵51を昇降させるカム面を有していて、各上杵51は回転盤42の回転に伴い前記カム面を摺動する。
【0041】
上カムホルダ43に対して回転盤42は軸受を介して回転自在に設けられている。なお、上カムホルダ43は、回転盤ユニット41が成型機本体2内の所定位置にセットされた状態では、上部フレーム4側に設けられた図示しないストッパにより回転止めされるようになっている。
【0042】
回転盤下部材42bは、その中央部に円筒部42cを有し、周部に、臼取付け部42dとこれに下側から対向する下杵取付け部42eを有している。回転盤下部材42bは、円筒部42cより大径の軸受ホルダ47に軸受を介して回転自在に支持されている。軸受ホルダ47の下端は中継リング50を介して下杵軌道支持体48が連結されている。軸受ホルダ47、下杵軌道支持体48、及び中継リング50は、いずれも回転盤42に対しては固定部材である。
【0043】
臼取付け部42dには、その周方向に沿って一定間隔毎に臼(成形型)53が取付けられている。これらの臼53は上杵51に対向して配設されていて、その臼孔に上杵51の下端部が挿脱される。下杵取付け部42eには、これを上下動可能に貫通する下杵52が、回転盤上部材42aの周方向に沿って一定間隔毎に取付けられている。これらの下杵52の上端部は夫々対向した臼53の臼孔に下方から挿入して臼孔の底をなしている。各下杵52は、下杵軌道支持体48上に取付けられた各種の下杵案内軌道54によって昇降される。下杵案内軌道54としては、溝カム状の低下器、重量調節軌道、受け渡し軌道、突き上げ軌道等がある。
【0044】
粉末供給位置に設けられた低下器は、下杵52を下降させて、臼取付け部42d上面に近接して配置された粉末供給器56内の粉末を臼53内に吸込ませる。重量調節軌道は、低下器に対して回転盤42の回転方向下流側に隣接した秤量位置に配置されて、これを通過する下杵52の高さ位置を変える。それにより、臼53内に取り込まれた粉末の充填量、言い換えれば、圧縮成形される錠剤(成型品)の重量が所定値に設定される。受け渡し軌道は、重量調節軌道に対して回転盤42の回転方向下流側に隣接して配置されて、下杵52を予圧用または本圧用の下杵加圧ローラ57(図3及び図7に示す)に導く。突上げ軌道は、本圧用の下杵加圧ローラ57に対して回転盤42の回転方向下流側に隣接した錠剤の取出し位置に配置され、下杵52を上昇させて成形された錠剤を臼取付け部42dの上面に押し出す。そして、この突き上げ軌に対して回転盤42の回転方向下流側に隣接して低下器が配設されている。
【0045】
下杵加圧ローラ57は下部フレーム3の上壁部3a上に配置された図示しないローラ支持装置に回転自在に支持されている。これとともに、この下杵加圧ローラ57に上方から対向する図示しない予圧用及び本圧用の上杵加圧ローラが、上部フレーム4の壁部4aに回転自在に支持されている。そのため、回転盤42が回転されて臼53の臼孔に挿入された上杵51と下杵52とが、上杵加圧ローラと下杵加圧ローラ57との間を通過するに伴って、上杵51と下杵52が互いに接近する方向に移動されて臼53内の粉末が圧縮成型される。なお、予圧用の下杵加圧ローラとこれに対応する予圧用の上杵加圧ローラを省略してもよい。又、図4中符号58は、上部フレーム4に設けた図示しない粉末供給ホッパから送出された粉末を粉末供給器56に導くシュートを示している。
【0046】
下杵取付け部42eの周部は粉末受け部を兼ねる被支持部49をなしている。被支持部49の下面は水平面からなり、この被支持部49の下方は後述の着脱台車の挿入の妨げとなる部材が存在しない空間となっている。被支持部49の直径は臼取付け部42dの直径より大きく、この被支持部49の上面は、臼取付け部42dの上面から粉末が落下した場合にそれを受けるために凹んでいる。被支持部49には複数の通孔49aが例えば図13に示すように90度間隔で開けられている。これらの通孔49aは、被支持部49を水洗いする場合には、水抜きとして使用される他、後述する着脱台車151を位置決めして保持するための保持孔として用いられる。なお、打錠機1の運転状態では、各通孔49aはこれらに着脱可能なゴム栓(図示しない)で塞がれるようになっている。
【0047】
図4に示すように前記位置決め部材45は、上下両端が開口された中空構造をなしていて、回転盤上部材42aの中央に軸受を介して回転可能に取付けられている。この位置決め部材45は、回転盤支持装置21により加えられる押し下げ力を回転盤42に波及させる伝達部材として機能する。そのために、位置決め部材45の上部は上カムホルダ43の中央部に露出しており、この上部に前記上主軸22の下向きの円錐台部が上方から接離するテーパ孔の受圧孔61が開口されている。更に、位置決め部材45は、その開口された下端部と上端部の受圧孔61との間に、上下方向に延びるねじ孔62を有している。
【0048】
前記動力受け体46は、回転盤42と一体に回転するように回転盤下部材42bの円筒部42cの下端部に連結されている。この連結により、動力受け体46は、その中心軸線を回転盤42の中心軸線の下方への延長線と一致させて配置されている。動力受け体46の下部は動力受け部46aをなしている。動力受け部46aは、動力受け体46の径方向に延びるキー状の凸部からなり、その両側面に好ましい例として摺動板を有している。この動力受け部46aは、駆動力伝達部13aに対して成型機本体2の横方向から着脱可能に係合されていて、その着脱の際には駆動力伝達部13aが延びる方向に沿って駆動力伝達部13aに前記摺動板が摺動するようになっている。
【0049】
動力受け体46は上下方向に貫通する孔を有している。この孔の下部は、動力受け部46aの長手方向中央部に位置して動力受け体46の下端面に開放された円形の位置決め孔65をなしている。更に、動力受け体46は、位置決め孔65の上側に連続するとともにこの位置決め孔65より小径な孔部と位置決め孔65との境をなして段部66を有している。なお、図4中符号67は動力受け体46に固定された着座板を示している。この着座板67を前記駆動力伝達体13の上面に接して回転盤ユニット41が下主軸12上に載置される。それにより、駆動力伝達部13aに対する動力受け部46aの上方からの嵌合深さが規定される。
【0050】
支援設備71は、成型機本体2に対する回転盤ユニット41の着脱操作を支援するための設備であって、回転盤昇降機構72、本体側レール81、台車ガイド85、ガイド昇降機構121、着脱台車151、及び搬送台車161等を備えている。
【0051】
支援設備71の回転盤昇降機構72は、下主軸12及び上主軸22に対して回転盤ユニット41をセンタリングする位置決めを兼ねるものであって、図4に示すように昇降体例えば昇降軸73とこれを昇降させる昇降駆動部74を有している。
【0052】
昇降軸73は、複数の軸部材を連結して形成されていて、下主軸12を軸方向に貫通して昇降可能に設けられている。昇降軸73の上端部73aは、駆動力伝達体13の中央部に位置されていて、昇降軸73の所定ストロークの昇降に伴い動力受け体46の位置決め孔65にその下方から挿脱される。この昇降軸73の上端部73aは円柱状をなしていて、その直径は位置決め孔65の孔径に等しい。これら上端部73aと位置決め孔65の嵌合により、回転盤ユニット41が、センタリングされた位置に保持されるとともに、総力受け体46との係合が維持される。
【0053】
昇降駆動部74は下部フレーム3の底板3bに設置されている。この昇降駆動部74は、ウォーム減速をする減速部75、回転体76、ボールねじ77を有している。
【0054】
底板3bに固定された駆動部ケース78に内蔵され減速部75は図示しない正逆回転可能なモータにより駆動され、この減速部75に連動して駆動部ケース78に回転自在に軸支された回転体76が回転される。ボールねじ77は、外周にボール転動溝を有したボールねじ軸77aと、内周にボール転動溝を有してボールねじ軸77aに嵌合されたナット77bと、これら両部材のボール転動溝にわたって回転自在に設けられて図示しない経路を得て循環しつつ移動する多数のボール(図示しない)とを有して形成されている。このボールねじ77のナット77bは回転体76の内部に固定されている。ボールねじ77のボールねじ軸77aは、ナット77b、回転体76、及び駆動部ケース78を、上下方向に貫通しており、その上端部は軸継手79を介して昇降軸73の下端部に連結されている。
【0055】
そのため、昇降駆動部74のモータが駆動されると、その回転がボールねじ77のボールねじ軸77aの上下動に変換されるので、同時に昇降軸73が昇降される。昇降駆動部74の駆動はロータリーエンコーダ等の回転センサで検出されていて、その情報を元に昇降軸73の昇降が制御される。なお、打錠時(粉末圧縮成型時)において、昇降軸73の上端部73aは、位置決め孔65に嵌合しているが、この位置決め孔65の孔底をなした前記段部66の下方に離れた高さ位置に配置されるようになっている。
【0056】
支援設備71の本体側レール81は、図6及び図7に示されるように下部フレーム3の上壁部3aの左右両側部上面に夫々固定されている。これら一対の本体側レール81は、成型機本体2の前後方向(横方向)に延びている。なお、本明細書では、成型機本体2の正面となる一側面が位置する側を前側と称し、成型機本体2の背面が位置する側を後側と称しており、従って、前記左右両側部とは水平面内で前後方向と直交する方向に位置されている側部を指している。
【0057】
支援設備71の台車ガイド85は、図5及び図6に示した格納位置又は図1〜図3及び図7に示した使用位置のいずれかを選択して配置されるように成型機本体2の正面(一側)に回動可能に取付けられているとともに、使用位置に配置された状態でガイド昇降機構121により昇降される。
【0058】
詳しくは、図8〜図11等に示すように台車ガイド85は、ベース86、ガイド板95、ブラケット101、フロントストッパ106、及びサイドストッパ111等を備えている。
【0059】
図8及び図10に示すように台車ガイド85のベース86は、金属例えばAl製のベース主部86aの左右両端に、このベース主部86aより遥かに強度が大きい鉄製の端部材86bを夫々連結してなる。このベース86は一対のリニアガイド87で成型機本体2に昇降可能に取付けられている。
【0060】
即ち、図8〜図10に示すようにリニアガイド87は、スライドレール87a、キャリッジ87b、及びこれら両者間に設けられた循環する多数の図示しない鋼球等からなるボールを備えてなる。そして、スライドレール87aは、成型機本体2の正面をなした一側面の左右両側部に、下部フレーム3の上壁部3aと底板3bとにわたって夫々垂直に配置されている。キャリッジ87bは、ベース86の左右両端部背面に夫々固定されていて、夫々対応するスライドレール87aに嵌合されている。
【0061】
左右の端部材86bには、枢軸88が両端支持されているとともに、この枢軸88を中心に上下方向に回転するアーム89が取付けられている。更に、端部材86bの夫々には枢軸88の下方に位置して受け金具90が取付けられている。図9及び図10に示すように受け金具90は、底壁90a、左右の側壁90b、及び背壁90cを有していて、上方及び正面方向に開放されている。底壁90a及び側壁90bは端部材86bの正面をなした前面から突出されている。
【0062】
受け金具90の背壁90cには、検知孔90dが開けられているとともに、ブラケットセンサ91が取付けられている。ブラケットセンサ91は、その一部を検知孔90dに挿入して配設された近接センサからなり、後述するブラケット101が受け金具90に適正に支持されたことを検出する。ブラケットセンサ91が後述するブラケット101を検出しない限り、後述する取出しモードで回転盤ユニット41を押上げる動作に移行できないようになっている。それにより、成型機本体2の一側面に台車ガイド85が適正に支持された状態でのみ回転盤ユニット41を横方向に移動させて成型機本体2から引出すことを可能として、引出し操作を行う上での安全性を確保している。
【0063】
図6及び図7に示すように台車ガイド85のガイド板95は、金属例えばAlの一体成形品であり、互いに平行な左右一対のレール設置部95aと、これらの一端間にわたる連結部95bを有している。図9で代表して示すように連結部95bの左右両端部は夫々アーム89に連結されている。そのため、ベース86が上限位置に配置された状態でガイド板95はアーム89を介して上下方向に回動可能である。ガイド板95は、その自由端側が開放されていて、平面視コの字形状をなしている。
【0064】
台車ガイド85は、その回動により図6に示す格納位置と、図7に示す使用位置とにわたって移動される。台車ガイド85は格納位置において成型機本体2の下部フレーム3の前面に沿って上下方向に延びるように縦に配置される。台車ガイド85は使用位置において成型機本体2の前側に水平となって配置され、この状態でガイド板95は下部フレーム3の上壁部3aの上面に連続する。台車ガイド85の使用位置は後述するブラケット101により保持される。ガイド板95が有した一対のレール設置部95aの表面には夫々ガイドレール96が固定されている。これらのガイドレール96は、台車ガイド85が使用位置に配置された状態で、前記本体側レール81に連続する。
【0065】
ガイド板95のレール設置部95aの裏面に、金属例えばAl製のブラケット101がヒンジ102により取付けられている。これら左右一対のブラケット101は、図8中二点鎖線に示した格納位置と実線に示した使用位置とにわたってヒンジ102を中心に回動可能である。ブラケット101は、その格納位置ではガイド板95gの裏面に沿って配置され、又、使用位置ではガイド板95に対して直角に配置される。
【0066】
図9に示すように台車ガイド85のブラケット101は、下部フレーム3及びベース86に対して近い方の基端部101aと、下部フレーム3及びベース86に対して遠い方の先端面101bを有している。ブラケット101の幅は、先端面101bから基端部101aに行くに従い次第に広くなっている。ブラケット101の基端部101aは、このブラケット101が使用位置に配置された際に、前記受け金具90の内側に嵌合して、この受け金具90に支持される。
【0067】
なお、図1、図2、及び図5中符号103はガススプリングを示している。ガススプリング103の基端部はベース86に枢支され、ガススプリング103の先端部はガイド板95に枢支されている。このガススプリング103は、台車ガイド85のガイド板95が使用位置に配置された時に、このガイド板95を斜め下側から支持するとともに、台車ガイド85の回動操作を補助するために用いられている。
【0068】
図9及び図12に示すようにガイド板95の先端部、具体的には一対のレール設置部95aの先端部にはブラケットストッパ104が夫々固定されている。台車ガイド85のブラケットストッパ104は、その上部を、レール設置部95aの先端部裏面に形成された下溝105に嵌合させた状態で固定されている。このブラケットストッパ104の後面には、図9に示すように使用位置に配置されたブラケット101の先端面101bが係合される。ブラケットストッパ104は、図12に示すようにレール設置部95aの表側に突出するようにレール設置部95aの側面に回り込んだ支持部104aを有している。
【0069】
レール設置部95aの先端部に台車ガイド85のフロントストッパ106が取付けられている。フロントストッパ106は後述する着脱台車151が台車ガイド85の前方へ抜け出すことを規制するために使用されている。本実施形態の場合、フロントストッパ106は、棒材例えば角棒で作られていて、支持部104aに枢軸107を支点として閉じ位置と開き位置とにわたって回動可能に取付けられている。フロントストッパ106が閉じ位置に配置された際、その根元部は図9に示すようにレール設置部95aの先端部裏面に形成された上溝108に嵌合される。
【0070】
図7等に示すように左右一対のフロントストッパ106は、それらが閉じ位置に配置された場合に、両フロントストッパ106の先端部が互いに重なり合った状態に連続してガイド板95の自由端側の開放部を閉じる長さを有している。これとともに、両フロントストッパ106を連続した状態に保持する抜き差しピン109が、図12に示すように閉じ位置に配置された左右フロントストッパ106同士の重なり端部に、上方から着脱可能に挿入されるようになっている。
【0071】
なお、以上の棒材からなるフロントストッパ106に代えて、下溝105及び上溝108に同時に嵌合可能なコの字形状のストッパ部材を用いて、これをレール設置部95aの先端部にその側方から着脱するようにしても良い。この場合、レール設置部95aの先端部に取付けられたストッパ部材の下部は、レール設置部95aの裏面から突出してブラケットストッパとして機能するとともに、同ストッパ部材の上部は、レール設置部95aの表面から突出してフロントストッパとして機能する。
【0072】
台車ガイド85のサイドストッパ111は、左右一対のレール設置部95aにヒンジ112により回動可能に取付けられている。図7に示すようにサイドストッパ111はレール設置部95aより短い。図11に示すようにサイドストッパ111は、ヒンジ112が固定されたストッパ主部の幅方向一端に第1のストッパ端部111aを折り曲げるとともに、前記ストッパ主部の幅方向他端に第2のストッパ端部111bを折り曲げて形成されている。第1のストッパ端部111aと第2のストッパ端部111bは平行である。そのため、サイドストッパ111の長手方向と直交する方向の断面形状は略コ字形状をなしている。サイドストッパ111は鉄系金属からなる。
【0073】
サイドストッパ111は、図11中二点鎖線で示す伏せ位置と実線で示す起こし位置とにわたってヒンジ112を中心に回動可能である。伏せ位置に配置されたサイドストッパ111は、そのストッパ主部がレール設置部95aの表面に沿って平行となるように設けられる。又、起こし位置に配置されたサイドストッパ111は、そのストッパ主部がレール設置部95aに対して直角になる。その場合に下側となる第1のストッパ端部111aがレール設置部95aの裏面に引っ掛かり、かつ、上側となる第2のストッパ端部111bが後述する着脱台車151の上方への動きを規制するようになっている。なお、図11で代表するようにレール設置部95aには、サイドストッパ111を起こし位置に保持するためのマグネット113が少なくとも一つ取付けられている。
【0074】
なお、図5中符号115は駆動ルームカバーを示している。駆動ルームカバー115は、格納位置に配置された台車ガイド85を覆い隠して、下部フレーム3の正面となる前面に着脱可能に取付けられている。
【0075】
支援設備71のガイド昇降機構121は、使用位置に配置された台車ガイド85を昇降させるために成型機本体2に設けられている。ガイド昇降機構121は、図5及び図8に示すようにボールねじ122とねじ駆動部123を備えている。
【0076】
ボールねじ122は、外周にボール転動溝を有したボールねじ軸122aと、内周にボール転動溝を有してボールねじ軸122aに嵌合されたナット122bと、これら両部材のボール転動溝にわたって回転自在に設けられて図示しない経路を得て循環しつつ移動する多数の鋼球等からなるボール(図示しない)とを有して形成されている。ナット122bを支持したナットホルダ122cは、前記ベース86の中央部裏面に固定されている。ボールねじ軸122aはナット122bを上下に貫通している。
【0077】
ねじ駆動部123は前記底板3bに固定されていて、図示しない正逆回転可能なモータと、このモータにより駆動されるウォーム減速部123aを有している。このウォーム減速部123aのウォームホイールにボールねじ軸122aの下端部が接続されている。ボールねじ軸122aの上端部は下部フレーム3の上壁部に回転自在に支持されている。したがって、ねじ駆動部123の駆動によりボールねじ軸122aが回転されると、その回転方向に従って台車ガイド85が、前記リニアガイド87に導かれて上下方向に平行移動される。
【0078】
支援設備71の着脱台車151は、回転盤ユニット41を、成型機本体2に対して図1において横方向(成型機本体2を正面に見た場合には前後方向)に移動させて着脱するのに使用される。互いに連続した前記本体側レール81とガイドレール96で着脱台車151が有した複数の車輪152(図8及び図11参照)を導くことにより、この着脱台車151は、使用位置に配置された台車ガイド85上から成型機本体2内に挿入されて回転盤ユニット41を下側から受け得る第1の位置と、使用位置に配置された台車ガイド85上に配置される第2の位置とにわたって作業者の押し引き操作により移動される。
【0079】
図13に示すように着脱台車151は平面視コの字状をなしている。この着脱台車151は、そのコの字形状の開放端を成型機本体2に向けて使用され、したがって、使用位置に配置された台車ガイド85とはコの字の向きを逆にして使用される。
【0080】
着脱台車151の互いに平行な左右両側部は回転盤ユニット41を下側から受ける受け部153をなしているとともに、これら一対の側部を一体に接続した前側部も回転盤ユニット41を下側から受ける受け部154をなしている。これら受け部153,154は、その上面に受け部材を有しているとともに、ピン受け孔155を有している。ピン受け孔155の上端は受け部材の上面に開口されている。これら3箇所のピン受け孔155は、前記被支持部49の通孔49aの配置に合わせて90度毎に設けられている。
【0081】
図11で代表して示すように各車輪152の車軸152aの一端部は他端部より長く突出されている。この長い方の一端部は、着脱台車151が台車ガイド85上に配置された状態で、起こし位置に配置されている前記サイドストッパ111の第2のストッパ端部111bに下方から近接して対向する。それによって、仮に、着脱台車151が浮き上がることがあっても、直ちに第2のストッパ端部111bに車軸152aが引っ掛かって、上側にそれ以上動くことが妨げられる。これとともに、仮に、車輪152がガイドレール96から外れて台車ガイド85の左右方向に移動されても、直ちに車軸152aがサイドストッパ111のストッパ主部に当たって、それ以上左右方向に動くことが抑制される。
【0082】
支援設備71の搬送台車161は、図2及び図14に示すように金属パイプを曲げて形成された取手162を有する手押し車であり、その台部163上に図2及び図15に示すように回転盤受け部164が固定されている。回転盤受け部164は、やぐら状をなしていて、その上部中央にねじ孔165aを有したねじ受け部165が形成されている。ねじ受け部165の上端面にねじ孔が開口されている。図15に示すように台部163には上方に開放するU字溝を有した一対の冶具受け部166が設けられている。
【0083】
回転盤受け部164の高さは搬送台車161の高さより高い。図14に示すように搬送台車161は台部163上に着脱可能に載せられるようになっている。搬送台車161は、取手162の内側を通して出し入れ可能である。
【0084】
図15中符号167は締め付け冶具を示している。締め付け冶具167は、ねじ軸167aと押え頭部167bとからなる。この締め付け冶具167は、ねじ軸167aの両端部を冶具受け部166のU字溝に上方から着脱可能に嵌合させて搬送台車161に取外し可能に支持されている。ねじ軸167aは、回転盤ユニット41の中央部を上下方向に貫通する長さを有しているとともに、ねじ受け部165に着脱可能にねじ込み可能である。押え頭部167bの直径は回転盤ユニット41が有した位置決め部材45の受圧孔61の径より大きい。
【0085】
打錠機1の通常の状態は図4に示されている。この状態では、下主軸12上に回転盤ユニット41が載置され、駆動力伝達体13のキー溝状の駆動力伝達部13aと動力受け体46のキー状の動力受け部46aとが嵌り合った状態に係合されている。これとともに、回転盤昇降機構72の昇降軸73が第1の上昇位置に配置されている。第1の上昇位置に昇降軸73が配置された状態では、その上端部73aが動力受け体46の段部66に接することなく位置決め孔65に嵌合しているので、下主軸12に対して回転盤ユニット41がセンタリングされた状態に位置決めされている。
【0086】
更に、打錠機1の通常の状態では、回転盤支持装置21により、その上主軸22が、回転盤ユニット41の受圧孔61に上方から嵌合されて所定の力で下向きに付勢されている。それにより、回転盤ユニット41が、上主軸22に対してセンタリングされた状態に位置決めされるとともに、下主軸12と上主軸22との間に挟持された状態となっている。
【0087】
なお、回転盤ユニット41の下方への付勢は以下のようになされる。まず、上主軸昇降機構25の駆動によりボールねじ24のボールねじ軸24aが回転されて、ナット24bと主軸ホルダ23と上主軸22が一体に下降されるに伴い、上主軸22の円錐台部が成形室2a内に突出するので、この円錐台部が位置決め部材45の位置決め65に上方から嵌り込んで、回転盤ユニット41をセンタリングする。この時点以降、上主軸22は下降できないが、ボールねじ軸24aの回転は継続しているので、ボールねじ軸24aは回転しながら上昇する。それにより、皿ばね保持器30を介して皿ばね26が圧縮されるので、回転盤ユニット41に下向きに付勢力が与えられる。そして、この付勢力が所定の値になった時点で、皿ばね保持器30とともにボールねじ軸24aで押上げられた被検出部材31が上昇センサ32で検出され、その検出信号を元に上主軸昇降機構25の駆動が停止される。それにより、回転盤ユニット41を所定のばね力で下向きに付勢した状態が保持される。
【0088】
こうした状態で、回転盤駆動装置15により下主軸12が回転駆動されると、駆動力伝達部13aと動力受け部46aとを介して回転盤42が下主軸12と共に回転されるので、この回転に伴い錠剤の成形動作が行われる。なお、この場合、回転盤ユニット41の位置決め部材45及び上カムホルダ43とこれに固定された上カム44は回転しないとともに、軸受ホルダ47、下杵軌道支持体48、及び各種の下杵案内軌道54は回転しない。
【0089】
次に、回転盤42等の洗浄や外段取りのために、取出しモードを実行して回転盤ユニット41を成型機本体2から取出す手順を説明する。
【0090】
まず、そのための準備として、回転盤ユニット41を成型機本体2の前側に横移動させる上で障害となるユニット周りに設置された機器を、成形室2aを開いた状態で取除く。この場合の対称機器としては、粉末供給器、スクレーパ、このスクレーパに連続して配置された流れ口、集塵ノズル、棚板、重量調節軌道等を挙げることができる。
【0091】
引き続いて、回転盤駆動装置15を低速で駆動して、回転盤ユニット41を横方向に引出し可能となる位置に回転させる。ここに、回転盤引出し可能位置とは、互いに嵌合している駆動力伝達部13a及び動力受け部46aが延びる方向(長手方向)が、成型機本体2の前後方向(図1では左右方向)と平行となる位置を指している。なお、このように回転盤ユニット41を引出し可能位置に配置することは、前記機器を取除く上で、回転盤ユニット41が引出し可能位置に配置される場合は、それで代用できる。
【0092】
又、前記機器の取除きにおいて、上杵51と下杵52の内で少なくとも下杵52を取除かない場合には、下杵52の脱落止め作業を行う。この作業は、引出し可能位置に配置された回転盤42に、正面から見て後部側に下杵受け部材69(図1、図2参照)を取付けて行う。これにより、前記引出し可能位置で下杵加圧ローラ57の真上に位置されている下杵52が、以下説明する回転盤ユニット41の引出し作業に伴って回転盤42から抜け落ちることを防止できる。なお、下杵加圧ローラ57の真上以外の位置に配置されている下杵52は、下杵軌道支持体48上の各種の下杵案内軌道54等により脱落止めされている。又、以上の下杵脱落止め作業は、下杵52の内で少なくとも回転盤ユニット41の引き出しに伴って脱落する可能性がある下杵52を回転盤42から取除いた場合には省略できる。
【0093】
以上の準備完了後に、駆動ルームカバー115を外した上で、台車ガイド85を、図6に示した格納位置から枢軸88を中心に回動させて上向きに引き起こし、図7に示した使用位置に配置する。
【0094】
この場合、左右一対のブラケット101を、ヒンジ102を中心に回動操作して図8中二点鎖線で示した格納位置から実線で示した使用位置に動かし、これらブラケット101の基端部101aを図9に示すように受け金具90内に嵌合させる。これによって、ブラケット101がガイド板95に対して下側に直角に配置された状態に保持されるとともに、使用位置に配置されたブラケット101の先端面101bがブラケットストッパ104の後面に係合される。
【0095】
こうして使用位置に配置された台車ガイド85は、図1〜図3に示すように水平を保持して成型機本体2の前方に突出され、そのガイド板95上に固定されているガイドレール96は、図7に示すように下部フレーム3に固定されている本体側レール81の前端に真っ直ぐ連続する。
【0096】
更に、使用位置に配置された台車ガイド85の左右一対のサイドストッパ111を、夫々ヒンジ112を中心に起こすように回動させて、図11中二点鎖線で示した伏せ位置から実線で示した起こし位置に配置する。それにより、サイドストッパ111は、マグネット113の磁力で起こし位置に保持される。
【0097】
次に、回転盤支持装置21が駆動されて上主軸22が上昇される。この場合、ボールねじ軸24aが回転盤ユニット41を押し下げる場合とは逆方向に回転されるので、ナット24b、主軸ホルダ23、及び上主軸22が共に上昇される。これにより、上主軸22が受圧孔61から上方へ抜けて上部フレーム4内に没入する高さ位置まで上昇されると、それが図示しないセンサで検出される。そのため、このセンサの検出信号を元に回転盤支持装置21の駆動が停止されて、上主軸22が上昇上限位置に保持される。
【0098】
この後、回転盤昇降機構72が駆動されて昇降軸73が上昇されるので、その上端部73aが、動力受け体46の段部66に下方から当たって、回転盤ユニット41を押上げる。この押上げは、既述のように上主軸22が上方へ待避しているとともに、図4に示すように回転盤ユニット41の上端面と上部フレーム4との間に隙間があることにより可能である。そして、この場合の回転盤ユニット41の押上げ寸法は数mm以下であればよく、駆動力伝達部13aと動力受け部46aとの嵌合を外すほど押上げる必要がない。こうした回転盤ユニット41の押上げにより、回転盤42の被支持部49の下方空間に着脱台車151を挿入する上で、この着脱台車151が被支持部49に干渉しないような高さ位置に回転盤ユニット41が配置される。
【0099】
この状態で、被支持部49の通孔49aを塞いでいたゴム栓を取除くとともに、台車ガイド85のフロントストッパ106をストッパ位置から退避位置に移動させる。待避位置へのフロントストッパ106の移動は、抜き差しピン109を外すとともに、両フロントストッパ106が互いに離れる方向に枢軸107を中心に180度回動させて行う。
【0100】
こうした台車挿入準備の後、用意した着脱台車151を、台車ガイド85にその先端側から手作業で載せた上で、ガイドレール96及びこれに連続した本体側レール81で着脱台車151を導いて、台車ガイド85上から成形室2a内に手作業で挿入する。この挿入の際、着脱台車151の車輪152は、起こし位置に配置されているサイドストッパ111と干渉することがないとともに、その第2のストッパ端部111bの下側を通過して、ガイドレール96から本体側レール81に乗り移る。
【0101】
以上の着脱台車151の移動により、その受け部153,154が回転盤42の被支持部49の下方空間に挿入される。この挿入が予め定められた位置、つまり、被支持部49を下側から受け得る第1の位置に達した状態で、その位置に着脱台車151を保持する。この保持は、例えば、着脱台車151の下端部にその上方から通される図示しない固定ピンを、下部フレーム3に設けられている図示しない固定孔に挿入することでなされる。着脱台車151が第1の位置に保持されることにより、着脱台車151と既述のように引出し可能位置に配置されている回転盤ユニット41との相互位置関係が定められるので、着脱台車151のピン受け孔155が前記通孔49aの直下に対向する。
【0102】
この後、図示しない位置決めピンを、回転盤42の前側と左右両側に位置された通孔49a及びそれらの下方に対向しているピン受け孔155の夫々に上方から挿入した上で、回転盤昇降機構72が駆動されて昇降軸73が下降される。そして、昇降軸73の上端部73aが動力受け体46の位置決め孔65の下方に抜けた下降下限位置まで昇降軸73が下降されると、それが図示しないセンサで検出されるので、その検出信号を元に回転盤昇降機構72の駆動が停止されて、昇降軸73が下限位置に保持される。
【0103】
こうした昇降軸73の下降に伴い、その初期に、回転盤ユニット41が降下するので、この回転盤ユニット41が着脱台車151にその上方から受け渡される。この際、通孔49aを貫通している前記図示しない位置決めピンの下部が、着脱台車151のピン受け孔155に更に深く挿入される。なお、この位置決めピンの挿入は、着脱台車151に回転盤ユニット41が載置されてから行っても良い。以上のように回転盤ユニット41が着脱台車151に載置された状態では、着脱台車151の上下方向の厚みにより、回転盤ユニット41の着座板67と駆動力伝達体13とは僅かに離れている。又、昇降軸73が下降下限位置まで下降されたことにより、昇降軸73による回転盤ユニット41の拘束が解除されるので、下主軸12に対して回転盤ユニット41が成型機本体2の前方へ引出し可能な状態となる。
【0104】
次いで、前記固定ピンを抜き外した上で、回転盤ユニット41が載置されている着脱台車151を、本体側レール81及びこの前側に連続しているガイドレール96で導いて、手作業により成型機本体2内から台車ガイド85上に引出す。こうして台車ガイド85上の所定の位置、つまり、第2の位置に引出された着脱台車151は、その下端部に上方から通される前記固定ピンを、ガイド板95に設けられている図示しない固定孔に挿入することで、台車ガイド85に保持される。
【0105】
以上の取出しモードにより回転盤ユニット41が成型機本体2から取出される。即ち、この取出しモードは、既に説明したように、ガイドレール96を有した台車ガイド85を、成型機本体2内に設置された本体側レール81にガイドレール96が連続するように回転盤ユニット41の取出し側に位置された成型機本体2の一側に配設する工程と、回転盤ユニット41を駆動力伝達部13aに対して上昇させる工程と、回転盤42の被支持部49を下側から支持する受け部153,154を有した着脱台車151を、台車ガイド85上に配置した後に、両レール81,96で導いて成型機本体2内に挿入し、上昇された回転盤ユニット41の被支持部49を下側から受け得る第1の位置に配置する工程と、回転盤ユニット41を下降させて着脱台車151上に回転盤ユニット41を載置させる工程と、着脱台車151を両レール81,96で導いて横方向に移動し成型機本体2内から台車ガイド85の第2の位置上に引出す工程とを具備し、これらの工程を実行して回転盤ユニット41が成型機本体2から取出される。
【0106】
そのため、この取出しモードでは、成型機本体2を、この成型機本体2の駆動力伝達体13、回転盤ユニット41、及び着脱台車151の各高さ位置の基準とできる。これとともに、前後方向に連続した本体側レール81及びガイドレール96によって、これらレール81,96が延びる方向と直交する左右方向に着脱台車151を位置決めできる。これにより、成型機本体2が設置された床面が傾斜していても、駆動力伝達体13、回転盤ユニット41、及び着脱台車151の適正な相互位置関係が維持される。したがって、フォークリフトを用いて回転盤ユニット41を成型機本体2から取出す場合のように成型機本体2内に挿入されるフォークの先端が回転盤ユニット等に干渉することがないので、回転盤42を備えた回転盤ユニット41の取出し操作を円滑に行うことができる。
【0107】
次に、本実施形態の打錠機1で、台車ガイド85から回転盤ユニット41を取除いて搬送台車161に受け渡す手順を説明する。
【0108】
まず、用意された搬送台車161を、図1及び図2に示すように使用位置に配置されている台車ガイド85の下側に配置して、成型機本体2の前側に保持する。この保持は、図1に示すように成型機本体2に設けた左右一対の位置決めブラケット6の上面に、搬送台車161に設けた連結部161aを重ねた上で、連結ピン169を連結部161a及び位置決めブラケット6にわたって上方から取外し可能に挿入することで行う。これにより、台車ガイド85に対して搬送台車161が位置決めされる。
【0109】
この後、台車ガイド85が下降するようにガイド昇降機構121を駆動させる。この場合、ボールねじ軸122aの回転によりナット122bが下降されることで、台車ガイド85のベース86がリニアガイド87に沿って下降される。それにより、台車ガイド85が下限位置まで下降するに伴って、この台車ガイド85に載置されている回転盤ユニット41が、図1中二点鎖線で示すように搬送台車161の回転盤受け部164上に受け渡される。これにより、回転盤ユニット41は着脱台車151の上方に離間する。なお、この場合、前記位置決めピンは妨げにならない。
【0110】
この状態で、回転盤受け部162に載置された回転盤ユニット41を搬送台車161に保持する。この保持は、台部163から外した締め付け冶具167を用いて行う。つまり、締め付け冶具167を、そのねじ軸167aを先頭にして回転盤ユニット41の受圧孔61に挿入して、その下側に順次設けられているねじ孔62と位置決め孔65に挿通させるとともに、回転盤受け部164が有したねじ受け部165のねじ孔165aにねじ込んで締め付けることで実施する。この締め付けにより、回転盤ユニット41が締め付け冶具167の押え頭部167bと回転盤受け部164との間に挟持されるので、回転盤ユニット41が搬送台車161に保持される。
【0111】
次に、通孔49aに通された3本の前記図示しない位置決めピンを上方へ抜き外すとともに、着脱台車151を第2の位置に保持している固定ピンを上方へ抜き外した上で、着脱台車151を手作業で台車ガイド85から取出す。この場合、着脱台車151は成型機本体2から離れる方向に移動されて、搬送台車161の取手162の内側を通って取出される。
【0112】
この後、前記連結ピン169を上方へ抜き外して、成型機本体2と搬送台車161との連結を解除した上で、回転盤ユニット41が保持された搬送台車161を、使用位置の台車ガイド85の下方から適当な場所に移動させる。これにより、回転盤ユニット41を台車ガイド85から取除く作業が完了する。
【0113】
なお、引き続いて、台車ガイド85を格納する後処理が行われる。この後処理では、まず、フロントストッパ106を、ガイド板95の開放端を横切ったストッパ位置に保持する。この作業は、一対のフロントストッパ106をそれらの先端部が互いに合わさるように回動させた上で、互いに重なり合った先端部に抜き差しピン109を上方から挿入することでなされる。次に、ガイド昇降機構121を駆動して台車ガイド85を上限位置(使用位置)まで上昇させる。この後、台車ガイド85を畳む。つまり、ブラケット101を回動させて図8中二点鎖線で示した格納位置に配置すると共に、サイドストッパ111を回動させて図11中二点鎖線で示す伏せ位置に配置することで、台車ガイド85が畳まれる。その上で、台車ガイド85を下方に回動させて格納位置に縦に配置させると共に、成型機本体2に駆動ルームカバー115を取付ける。
【0114】
次に、本実施形態の打錠機1で、取出された回転盤ユニット41を成型機本体2に装着する手順を説明する。この手順は、概ね既述の取出し手順と逆の手順で行われる。
【0115】
即ち、装着モードの準備として、まず、回転盤駆動装置15を低速で駆動して、回転盤ユニット41を横方向から受け入れ可能となる位置に回転させた上で、搬送台車161から使用位置の台車ガイド85上に清掃等が施された回転盤ユニット41を受け渡す手順を実施する。なお、ここに、受入れ可能位置とは、前記回転盤引出し可能位置と同じである。
【0116】
まず、駆動ルームカバー115を成型機本体2から外した上で、格納位置に配置されている台車ガイド85を組立てて使用位置に配置する。この手順は、回転盤ユニット41を取外す際に既に述べた手順と同じに行われる。なお、この場合、フロントストッパ106はストッパ位置に配置されており、サイドストッパ111は前記組立により起こし位置に配置される。引き続いて、ガイド昇降機構121を駆動させて、使用位置に配置されている台車ガイド85を下限位置に下降させる。
【0117】
次に、この状態で、フロントストッパ106を待避位置に移動させた上で、ガイド板95の開放端に搬送台車161の回転盤受け部164を通して、成型機本体2及び台車ガイド85に対して搬送台車161をセットする。これにより、回転盤ユニット41が載置されている回転盤受け部164が、ガイド板95の左右一対のレール設置部95a間に挿入して配置されるとともに、下限位置の台車ガイド85の下側に搬送台車161の台部163が挿入して配置される。そして、搬送台車161を成型機本体2の位置決めブラケット6に連結ピン169を用いて連結する。これにより、搬送台車161に保持されている回転盤ユニット41が台車ガイド85に対して前後左右に位置決めされる。
【0118】
引き続いて、台車ガイド85に着脱台車151をセットする。この場合、着脱台車151は、搬送台車161の取手162の内側を通して台車ガイド85のガイド板95と回転盤ユニット41との間に挿入された上で、図示しない固定ピンの差込みにより着脱台車151を台車ガイド85に保持する。これにより、着脱台車151がその上方に配置されている回転盤ユニット41に対して前後左右に保持される。更に、この状態で、図示しない位置決めピンを、回転盤42の3箇所の通孔49aに上方から通すと共に、これらの下方に対向している着脱台車151のピン受け孔155にも挿入する。
【0119】
この後、締め付け冶具167を弛む方向に回転させてねじ受け部165から外した後、この締め付け冶具167を回転盤ユニット41の上方に引き抜いた上で、ガイド昇降機構121を駆動させて台車ガイド85を下限位置から上限位置(使用位置)まで上昇させる。これにより、回転盤受け部164に載置されていた回転盤ユニット41が、台車ガイド85と共に上昇する着脱台車151の受け部153,154上に跨って受け渡されて、台車ガイド85が使用位置に上昇して配置されることにより、清掃などが施された回転盤ユニット41が載置された着脱台車151が第2の位置に配置される。
【0120】
以上の装着準備作業の後、以下の手順で装着モードを実行して回転盤ユニット41が成型機本体2に装着される。
【0121】
この装着モードでは、まず、第2の位置に配置されている着脱台車151と台車ガイド85との連結を、前記図示しない固定ピンを抜き外して解除した上で、着脱台車151を、ガイドレール96及びこれに連続した本体側レール81で導いて、台車ガイド85上から成形室2a内の第1の位置に手作業で挿入する。この挿入後に、前記固定ピンを用いて第1の位置に着脱台車151を保持する。
【0122】
こうして着脱台車151が横方向に移動されて第1の位置に挿入されるに伴い、この着脱台車151に載置された回転盤ユニット41のキー状をなした動力受け部46aが、下主軸12側の駆動力伝達体13が有したキー溝状の駆動力伝達部13aに嵌合される。
【0123】
次に、回転盤昇降機構72が駆動されて昇降軸73が上限位置まで上昇される。それに伴い昇降軸73の上端部73aが、回転盤42の位置決め孔65に挿入されると共に、段部66に当たるので、回転盤ユニット41が押上げられて、着脱台車151の上方に回転盤ユニット41が離間された状態に保持される。
【0124】
この状態で、着脱台車151を第2の位置へ引出す準備がなされる。この準備作業では、まず、成型機本体2と搬送台車161との連結を解除して、使用位置に配置されている台車ガイド85の下側から外れた位置に搬送台車161を移動させる。この後、回転盤42の被支持部49に挿入されている3本の前記位置決めピン(図示しない)を上方へ引き抜き、更に、前記図示しない固定ピンを引き抜いて、成型機本体2と着脱台車151との連結を解除する。
【0125】
この準備作業後に、着脱台車151を、本体側レール81及びこの前側に連続しているガイドレール96で導いて、手作業により成型機本体2内から使用位置の台車ガイド85上に引出す。この状態で、フロントストッパ106を退避位置に移動させてから、台車ガイド85上から着脱台車151を外すと共に、こうして外された着脱台車151を搬送台車161の台部163上に載置して片付ける。又、この後、フロントストッパ106をストッパ位置に配置すると共に、サイドストッパ111を夫々伏せ位置に回動配置する。
【0126】
以上のように着脱台車151が取除かれた後に、再び、回転盤昇降機構72が駆動されて昇降軸73が回転盤ユニット41を押上げない中間の高さ位置まで下降される。この中間の高さ位置で、昇降軸73の上端部73aは、前記位置決め孔65には挿入されているが、この上端部73aの上端面は段部66より若干下がって配置されている。そして、このような昇降軸73の下降に伴って、回転盤ユニット41が下がって、その着座板67が駆動力伝達体13の上端面に着座される。
【0127】
この後、回転盤駆動装置15が駆動されて、上主軸22が下降され、この上主軸22が回転盤ユニット41の受圧孔61に挿入されるので、既述のように皿ばね26の力により回転盤ユニット41が所定のばね力で下向きに付勢された状態に保持される。
【0128】
以上の装着モードにより回転盤ユニット41が成型機本体2に装着される。そして、この装着モードは、既に説明したように、回転盤ユニット41が載置された着脱台車151を、本体側レール81とガイドレール96が連続するように成型機本体2の一側に配設された使用位置の台車ガイド85上から前記両レール81,96で導いて成型機本体2内の第1の位置に配置する工程と、第1の位置の着脱台車151に対して回転盤ユニット41を上昇させる工程と、第1の位置の着脱台車151を両レール81,96で導いて成型機本体2内から使用位置の台車ガイド85上に引出す工程と、上昇された回転盤ユニット41を下降させて駆動力伝達体13に載置させる工程と、具備し、これらの工程を実行して回転盤ユニット41を成型機本体2に装着する。
【0129】
そのため、この装着モードでも、前記取出しモードと同様に成型機本体2を、この成型機本体2の駆動力伝達体13、回転盤ユニット41、及び着脱台車151の各高さ位置の基準とできる。これとともに、前後方向に連続した本体側レール81及びガイドレール96によって、これらレール81,96が延びる方向と直交する左右方向に着脱台車151を位置決めできる。これにより、成型機本体2が設置された床面が傾斜していても、駆動力伝達体13、回転盤ユニット41、及び着脱台車151の適正な相互位置関係が維持されて、フォークリフトを用いて回転盤ユニット41を成型機本体2から取出す場合のように成型機本体2内に挿入されるフォークが回転盤ユニット等に干渉することがない。これとともに、駆動力伝達体13のキー溝状の駆動力伝達部13aに対して動力受け体46のキー状の動力受け部46aとの相互位置関係がずれて、これらが干渉することがない。したがって、回転盤42を備えた回転盤ユニット41の装着操作を円滑に行うことができる。
【0130】
なお、以上の手順で回転盤ユニット41が装着された後には、台車ガイド85を格納する後処理が行われる。この後処理では、既に、使用位置に配置されている台車ガイド85のフロントストッパ106がストッパ位置に配置されているとともに、サイドストッパ111が伏せ位置に配置されているので、台車ガイド85のブラケット101を格納位置に畳んだ上で、この台車ガイド85を下方に回動させて格納位置に配置させると共に、成型機本体2に駆動ルームカバー115を取付けることで実施する。これとともに、この後処理の前後において、既に取外された各種機器の取付けが行われる。又、以上説明した回転盤ユニット41の着脱における回転盤駆動装置15、回転盤支持装置21の上主軸昇降機構25、回転盤昇降機構72、及びガイド昇降機構121の運転は、いずれも操作盤等で作業者が逐一指示することにしたがってなされる。
【0131】
打錠機1が備えた既述の回転盤着脱支援設備71は、その成型機本体2内に回転盤昇降機構72を組み込んでおり、この回転盤昇降機構72を用いて、回転盤ユニット41を着脱するのに必要な回転盤ユニット41の上げ下げを行っている。そのため、通常数十kg〜1000kgと極めて重い回転盤ユニット41の上げ下げを、人力に寄らずして回転盤昇降機構72により簡便に行うことができる。同様に、台車ガイド85上の着脱台車151と搬送台車161との間での回転盤ユニット41の受け渡し作業も、ガイド昇降機構121により台車ガイド85を昇降させることに基づいて、人力に寄らずして簡便に行うことができる。
【0132】
更に、既述の回転盤着脱支援設備71を備えた打錠機1において、台車ガイド85は、回転盤ユニット41を着脱する度に成型機本体2に設置するのではなく、成型機本体2の一側に回動可能に付設されていて、この台車ガイド85を使用位置又は格納位置に選択的に配置できる。このため、回転盤ユニット41を着脱する際に成型機本体2にこれとは別の台車ガイドを固定する手間を要しない点で取扱いが容易である。これとともに、本体側レール81も成型機本体2に固定されているので、回転盤ユニット41を着脱する際に本体側レール81を成型機本体2に固定する手間を要しない点でも取扱いが容易である。
【0133】
しかも、台車ガイド85は、そのブラケット101を格納位置に畳むと共に、サイドストッパ111も伏せ位置に畳んだ状態にして格納されるので、格納時の厚みを使用時の厚みに比較して薄くできる。このため、成型機本体2の正面となる一側に対する駆動ルームカバー115の出幅を小さくできる点で好ましい。
【0134】
又、着脱台車151を介して使用位置の台車ガイド85上に回転盤ユニット41が載せられた状態で、ブラケット101で下側から支持された台車ガイド85には、上方から回転盤ユニット41の大重量が作用する。それにも、拘らず台車ガイド85は安定した状態に保持される。
【0135】
即ち、台車ガイド85が使用位置に配置されている状態では、ブラケット101の基端部101aがベース86の受け金具90の内側に嵌合している。それにより、受け金具90の底壁90aにより、基端部101aがずり下がることが防止される。それだけではなく、受け金具90の左右の側壁90bにより、ヒンジ102に中心とするブラケット101の回動が防止される。このようにブラケット101を使用位置に確実に保持できるので、使用位置の台車ガイド85が、回転盤ユニット41等の重量で、不用意に下向きに回動される恐れがない。
【0136】
更に、台車ガイド85の回転中心となる枢軸88は強度が高い鉄製の端部材86bに両端支持されているので、アーム89を介して枢軸88に加わる回転盤ユニット41の重量で、枢軸88が片持ち支持されている場合のように枢軸が変形することが抑制される。そのため、台車ガイド85を安定した状態に保持できる。
【0137】
その上、使用位置のブラケット101の先端面101bを、ガイド板95の裏面部に設けたブラケットストッパ104の後面に係合させたので、回転盤ユニット41等の重量でブラケット101及びガイド板95が前下がりになることを、ブラケットストッパ104で防止できる。そのため、台車ガイド85が安定した状態に保持されて、万が一にも回転盤ユニット41が台車ガイド85から脱落しないようにできる。
【0138】
しかも、ストッパ位置に配置された左右一対のフロントストッパ106は、抜き差しピン109で接続されるので、回転盤ユニット41等の重量によって、ガイド板95の左右一対のレール設置部95aが互いに離れる方向に開くことを抑制できる。この点でも、台車ガイド85を安定した状態に保持できる。
【0139】
又、回転盤ユニット41が使用位置の台車ガイド85上に着脱台車151を介して載っている状態では、台車ガイド85から着脱台車151等が脱落する恐れがない。
【0140】
即ち、台車ガイド85の左右一対のサイドストッパ111が起きた位置に配置されているので、これらのサイドストッパ111を越えて着脱台車151が左右方向にずれ動くことが防止される。これと共に、サイドストッパ111の第2のストッパ端部111bが、着脱台車151が有した車輪152の車軸152aに上方から近接して対向しているので、着脱台車151が第1のストッパ端部111aを越えて浮き上がることが防止される。更に、台車ガイド85のフロントストッパ106がストッパ位置に配置されているので、このフロントストッパ106を超えて着脱台車151が前方に脱落することが防止される。したがって、回転盤ユニット41が使用位置の台車ガイド85上に配置された状態で、地震等に遭遇することがあっても、着脱台車151等が台車ガイド85から脱落する恐れがない。
【0141】
しかも、回転盤42の被支持部49が有した通孔49aに位置決めピンを通すことにより、台車ガイド85に載置された回転盤ユニット41を台車ガイド85に位置決めするようにしたので、既存の通孔49aを用いることができ、前記位置決めをするために回転盤42にそれ用の特別な加工を要することがない。
【0142】
図16〜図19を参照して本発明の第2実施形態の回転式粉末圧縮成型機(打錠機1)を説明する。第2実施形態は、吊り装置を設けて、使用位置に配置された回転盤ユニット41を他の場所に受け渡すようにした点が、第1実施形態とは異なり、それ以外の構成は図16〜図19に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。そのため、第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
【0143】
この第2実施形態では、図18に示した台車ガイド85は格納位置と使用位置とを選択して配置できるが、第1実施形態で説明したガイド昇降機構及びリニアガイドを省略することに代えて、吊り装置201を設けている。なお、台車ガイド85は使用位置に固定して格納できないようにすることも可能である。
【0144】
吊り装置201は、図16に示すように回転盤ユニット41の取出し側に配設されている2本の柱の内の一方の柱2bに組み付けられている。図17および図18に示すように吊り装置201は、昇降部材202と、吊り駆動部211と、吊下げアーム221と、吊下げ部材231とを備えている。
【0145】
柱2bにはスライドレール203が上下方向に延びて設けられていて、このスライドレール203に昇降部材202が複数のスライド軸受204を介して昇降可能に支持されている。昇降部材202は複数の部材を組み合わせてなり、これらの部材には旋回ベース205が含まれている。この旋回ベース205は円筒体からなり昇降部材202の上端部に回転可能に軸支されている。
【0146】
柱2bの下部に吊り駆動部211が内蔵されている。吊り駆動部211は、ボールねじ212とねじ駆動部213とからなる。
【0147】
ボールねじ212は、外周にボール転動溝を有したボールねじ軸212aと、内周にボール転動溝を有してボールねじ軸212aに嵌合されたナット122bと、これら両部材のボール転動溝にわたって回転自在に設けられて図示しない経路を得て循環しつつ移動する多数の鋼球等からなるボール(図示しない)とを有して形成されている。ボールねじ軸212aは上下方向に延びて設けられ、その上端部は柱2bに固定されたねじ軸ホルダ214に軸受を介して回転自在に支持されている。ねじ駆動部213は、ウォーム減速部213aと、これを駆動する正逆回転可能な駆動モータ213bを有している。ウォーム減速部213aにはボールねじ軸212aの下端部が連結されている。
【0148】
ナット212bには昇降部材202の下端部202aが固定されている。そのため、ねじ駆動部213によってボールねじ軸212aが回転されるに伴い、その回転方向に従って昇降するナット212bとともに昇降部材202が上昇又は下降される。
【0149】
吊下げアーム221は、アーム部222と、部材支持部223を備えている。アーム部222は、その基端部を前記旋回ベース205に固定して柱2bの側方に突出されている。そのため、吊下げアーム221は昇降部材202の軸まわりに回動可能で旋回ベース205と共に回動してスイングできる。
【0150】
アーム部222の先端部に形成された部材支持部223は、吊下げ部材231を着脱可能に支持するものであって、図19(A)(B)に示すようにアーム部222の先端部を上下方向に貫通すると共に側方に開放された溝223aと、この溝223aを側方から開閉する開閉体223bを有している。
【0151】
開閉体223bはアーム部222の先端部に蝶番224により取付けられている。この開閉体223bの自由端部とアーム部222の先端部とには、開閉体223bを閉じ位置に保持する錠手段225が設けられている。錠手段225を開錠した状態で、開閉体223bは、図19(B)中に点鎖線で示した開き位置と実線で示した閉じ位置とにわたって蝶番224を中心として回動可能である。部材支持部223は、その上端面に開放する段差226を有している。開閉体223bもその上端面に開放する段差227を有している。開閉体223bが閉じ位置に配置された状態で、段差226と段差227は、溝223aの上端と開閉体223bの上端とにわたって連続するように設けられる。
【0152】
吊下げ部材231は、図18に示すように吊下げ軸232と、この上部に軸まわりに沿って回転可能に軸支する軸受筒233とを備えている。
【0153】
吊下げ軸232の下端部にねじ部232aが形成されている。このねじ部232aは回転盤ユニット41が備えた位置決め部材45のねじ孔62に着脱可能に螺合することができる。軸受筒233は溝223aの上下方向の長さよりも長い筒体からなり、その上端部233a及び下端部は夫々外側に張り出している。軸受筒233の上端部233aは段差226及び段差227に上方から着脱可能に引っ掛かって着座できる。なお、軸受筒233の上下両端部間の中間部の外径は、図19(B)に示すように溝223aが閉じられた状態での溝223aの径寸法Dに略等しい。
【0154】
図18中符号234は、吊下げ軸232の中間部に取付けられた回転操作部であり、この回転操作部234を利用して吊下げ軸232を回すことができるようになっている。又、図18中符号235,236はいずれも吊下げ軸232に装着されたゴムや樹脂等からなるパッキンを示している。上位置のパッキン235は、位置決め部材45の上端面が回転操作部234で擦れて傷付くことを抑制するために設けられている。下位置のパッキン236は受圧孔61に入り込んで、この受圧孔61が傷付くことを抑制すると共に、ねじ孔62へのねじ部232aの挿入を容易にするために設けられている。なお、以上説明した以外の構成は第1実施形態と同じである。
【0155】
したがって、第2実施形態で回転盤ユニット41を着脱する手順は第1実施形態と同じであるので、この第2実施形態においても本発明の所期の課題を解決できる。
【0156】
次に、使用位置の台車ガイド85に配置された回転盤ユニット41を取除く手順を説明する。
【0157】
まず、吊下げ部材231を、そのねじ部232aを先頭にして、回転盤ユニット41の受圧孔61にその上方から挿入し、回転盤ユニット41のねじ孔62にねじ部232aをねじ込む。それにより、吊下げ部材231が回転盤ユニット41の中心部上面から上向きに垂直に突出した状態に取付けられる。
【0158】
この後、吊下げ部材231の軸受筒233の高さ位置に見合った高さ位置に配置されている吊下げアーム221の開閉体223bを開いた状態にしてから、この吊下げアーム221を手作業でスイングさせて図16中実線に示すように回転盤ユニット41の上方に配置する。それにより、部材支持部223の溝223a内に吊下げ部材231の軸受筒233が入り込む。この状態で、開閉体223bを、閉じ位置に回動配置した上で、その位置に錠手段225により保持する。これにより、吊下げ部材231が吊下げアーム221の部材支持部223に連結される。
【0159】
次に、吊り駆動部211を駆動して、昇降部材202を上限位置まで上昇させる。これに伴い、軸受筒233の上端部233aが部材支持部223の段差226及び段差227に上方から引っ掛かるので、吊下げ部材231を介して回転盤ユニット41が着脱台車151の上方に吊り上げられる。
【0160】
この状態で、吊下げアーム221を台車ガイド85の上方から外れるように手作業でスイングさせて、回転盤ユニット41を移動させる。この移動により、成型機本体2の近くに待機させた搬送台車(これは第1実施形態で説明した)上に対向させることができる。引き続いて、必要に応じて吊下げ部材231を手作業で回動させて、回転盤ユニット41の被支持部49の通孔49aを、搬送台車の回転盤支持部の位置決め孔の真上に対向させる。
【0161】
この後、吊り駆動部211を駆動して、昇降部材202を下限位置まで下降させる。それにより、吊下げアーム221に吊持されていた回転盤ユニット41が、搬送台車の回転盤支持部に載置される。この場合、載置直後から吊下げ部材231の上部が部材支持部223に対して上方に突出されることで、下限位置への昇降部材202の下降が許容される。
【0162】
そして、前記載置が完了した状態で、前記通孔49aに通される位置決めピンを用いて、回転盤支持部に回転盤ユニット41を位置決めするとともに、必要により開閉体223bを開いた状態にする。この上で、吊下げ部材231を回転操作して、そのねじ部232aをねじ孔62から外してから、この吊下げ部材231を上方に引き抜く。
【0163】
以上の手順により、使用位置の台車ガイド85に配置された回転盤ユニット41を取除いて、搬送台車に受け渡すことができる。なお、この後に、搬送台車の移動に先立って、締め付け冶具を用いて回転盤ユニット41を固定することは第1実施形態と同じである。
【0164】
又、洗浄などが施されて搬送台車に載置された回転盤ユニット41を台車ガイド上に載せる手順は、以上の手順とは逆の手順で行えば良い。
【0165】
以上のように第2実施形態では、使用位置の台車ガイド85に配置された回転盤ユニット41を取除く際に、吊下げアーム221をスイングさせるので、使用位置の台車ガイド85の前側に搬送台車を出し入れするための作業スペースを要しない。そのため、こうした作業スペースが確保できないように打錠機1が設置されても、使用位置の台車ガイド85に配置された回転盤ユニット41を取除いて、搬送台車に受け渡すことができる。
【0166】
なお、前記実施形態では、着脱台車上の所定位置に回転盤ユニットを位置決め保持するために、上方から孔に挿入されるピンを用いたが、これに代えて、着脱台車151に複数のねじ孔を設けて、これらねじ孔の夫々に挿脱可能に螺合して上向きに挿通するボルトを用い、これらのボルトの上部を回転盤42の通孔49aに挿入させて、回転盤ユニットを着脱台車上に位置決めすることが可能である。
【0167】
又、本発明は、錠剤を製造する回転式打錠機のみに実施を制約されるものではなく、打錠機以外の回転式粉末圧縮成型機成型機全般に適用できる。更に、本発明で、使用位置の台車ガイド85上に引出された回転盤ユニット41を、台車ガイド85の外部例えば搬送台車161に受け渡す場合、及び台車ガイド85の外部から使用位置の台車ガイド85上に回転盤ユニット41を受け渡す場合には、前記両実施形態で説明した手法に代えて、ホイストやフォークリフト等のように回転盤ユニットを昇降しかつ移動させる機能を持った機器を用いて行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の第1実施形態の回転盤着脱支援方法により打錠機本体から回転盤が引き出された状態を示す側面図。
【図2】図1の回転盤引き出し状態を示す斜視図。
【図3】図1の回転盤引き出し状態を図2とは別の方向から見て示す斜視図。
【図4】図1の回転盤着脱支援方法の実施に好適な打錠機の回転盤まわりの構成を示す断面図。
【図5】図4の打錠機の一部の構成を示す断面図。
【図6】図4の打錠機の一部を台車受け渡し用の台車ガイドが格納位置に配置された状態で示す斜視図。
【図7】図4の打錠機の一部を台車ガイドが使用位置に配置された状態で示す斜視図。
【図8】図4の打錠機の台車ガイドまわりを図1の回転盤引き出し状態で示す正面図。
【図9】図4の打錠機で使用位置に配置された台車ガイドまわりを示す断面図。
【図10】図4の打錠機の台車ガイドの一部をスライドレールとともに示す斜視図。
【図11】図8中F11部を拡大して示す断面図。
【図12】図4の打錠機の台車ガイドに取付けられたフロントストッパまわりを示す斜視図。
【図13】図4の打錠機の回転盤と着脱台車との平面的位置関係を概略的に示す図。
【図14】本発明の回転盤着脱支援方法で使用される搬送台車を示す側面図。
【図15】図14の搬送台車の一部を示す斜視図。
【図16】本発明の回転盤着脱支援方法により打錠機本体から引き出された回転盤ユニットを受け渡すための他の例を示す斜視図。
【図17】図16の例で使用する昇降機構を示す断面図。
【図18】図17の昇降機構で回転盤ユニットが吊持された状態を示す断面図。
【図19】(A)は図17の昇降機構の吊りアーム先端部の構成を示す斜視図。(B)は同吊りアーム先端部の構成を示す平面図。
【符号の説明】
【0169】
1…打錠機(回転式粉末圧縮成型機)、2…成型機本体、12…下主軸、13…駆動力伝達体、13a…駆動力伝達部、15…回転盤駆動装置、21…回転盤支持装置、22…上主軸、25…上主軸昇降機構、41…回転盤ユニット、42…回転盤、46…動力受け体、46a…動力受け部、49…被支持部、61…受圧孔、62…ねじ孔、71…回転盤着脱設備、72…回転盤昇降機構、73…昇降軸(昇降体)、81…本体側レール、85…台車ガイド、88…枢軸、89…アーム、95…ガイド板、95a…レール設置部、96…ガイドレール、121…ガイド昇降機構、151…着脱台車、153,154…受け部、161…搬送台車、164…回転盤受け部、201…吊り装置、202…昇降部材、211…吊り駆動部、221…吊下げアーム、231…吊下げ部材、232…吊下げ軸、232a…ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転盤を備えて成型機本体内に配置された回転盤ユニットが、被支持部、及び前記回転盤を駆動する駆動力伝達体に形成されたキー状又はキー溝状の駆動力伝達部に係脱可能なキー溝状又はキー状の動力受け部を有し、この動力受け部及び前記駆動力伝達部が延びる方向に沿って前記成型機本体に対して前記回転盤ユニットを横方向に移動させて、前記回転盤ユニットを着脱する回転式粉末圧縮成型機の回転盤着脱支援方法であって、
ガイドレールを有した台車ガイドを、前記回転盤の取出し側に位置された前記成型機本体の一側に配設して、前記ガイドレールを前記成型機本体内に設置された本体側レール又は前記回転盤ユニットが着脱されるごとに前記成形機本体内に設置される本体側レールに連続させた後、
前記被支持部を下側から支持する着脱台車を、前記両レールで導いて、前記成型機本体内で前記回転盤ユニットを下側から受け得る第1の位置と前記台車ガイド上に配置される第2の位置とにわたって移動させるとともに、
前記回転盤ユニットにその下側から接離する昇降体で前記回転盤ユニットを昇降させることにより、前記回転盤ユニットを取出す際に前記第1の位置に移動された前記着脱台車に前記駆動力伝達体から前記回転盤ユニットを受け渡すとともに、前記回転盤ユニットを装着する際に前記駆動力伝達体に前記第1の位置に移動された前記着脱台車から前記回転盤ユニットを受け渡すことを特徴とする回転式粉末圧縮成型機の回転盤着脱支援方法。
【請求項2】
キー状又はキー溝状の駆動力伝達部が形成された駆動力伝達体を有した成型機本体と、
被支持部を有した回転盤、及び駆動力伝達部に係脱可能なキー溝状又はキー状の動力受け部を有して前記成型機本体内に配置されるとともに、前記動力受け部及び前記駆動力伝達部が延びる方向に沿って前記成型機本体に対し横方向に移動されることにより前記成型機本体に着脱される回転盤ユニットと、
この回転盤ユニットを前記成型機本体に着脱させる回転盤着脱支援設備と、を具備した回転式粉末圧縮成型機であって、
前記回転盤着脱支援設備が、
前記成型機本体内に前記横方向に延びて設置された本体側レール、又は前記回転盤ユニットが着脱されるごとに前記成形機本体内に前記横方向に延びて設置される本体側レールと、
前記回転盤ユニットに下側から接離して前記回転盤ユニットを昇降させる昇降軸、及びこの軸を昇降させる昇降駆動部を有して、前記成型機本体に設けられた回転盤昇降機構と、
ガイドレールを有し、このガイドレールが前記本体側レールに連続するように、前記回転盤ユニットを着脱する際に前記回転盤ユニットの取出し側に位置された前記成型機本体の一側に配設される台車ガイドと、
前記被支持部を下側から支持する受け部を有し、前記両レールで導かれて前記成型機本体内で前記回転盤ユニットを下側から受け得る第1の位置と前記台車ガイド上に配置される第2の位置とにわたって移動される着脱台車と、
を備えたことを特徴とする回転式粉末圧縮成型機。
【請求項3】
前記本体側レールが前記成型機本体に固定されているとともに、前記台車ガイドが前記成型機本体の前記一側に回動可能に取付けられていて、前記台車ガイドが、その回動によって前記成型機本体の前記一側に沿う格納位置又は本体側レールに前記ガイドレールが連続する使用位置に選択配置されることを特徴とする請求項2に記載の回転式粉末圧縮成型機。
【請求項4】
前記着脱台車が前記成型機本体に対する挿脱方向に延びる一対の前記受け部を有して平面視コの字形状をなしていて、この着脱台車が前記成型機本体から離れる方向に前記台車ガイドに対して引出し可能で、かつ、前記台車ガイドが一対のレール設置部を有して前記着脱台車とは逆向きの平面視コの字形状をなしているとともに、
前記回転盤着脱支援設備が、前記成型機本体に設けられて前記使用位置に配置された前記台車ガイドを昇降させるガイド昇降機構と、前記使用位置に配置された前記台車ガイドの下方に配置される搬送台車を備え、かつ、前記搬送台車が、前記台車ガイドの昇降に伴って一対の前記レール設置部間及び一対の前記受け部間を挿通可能な回転盤支持部を有していることを特徴とする請求項3に記載の回転式粉末圧縮成型機。
【請求項5】
前記回転盤着脱支援設備が前記成型機本体に設けられた吊り装置を備え、この吊り装置が、昇降部材と、この昇降部材を昇降させる吊り駆動部と、前記昇降部材にこの部材を中心に回転可能に支持されて前記使用位置の台車ガイドの上方に配置される位置とこの位置から外れた他の位置にわたって移動される吊下げアームと、このアームに前記台車ガイド上に引出された前記回転盤ユニットを吊下げる吊下げ部材とを有していることを特徴とする請求項2又は3に記載の回転式粉末圧縮成型機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−269079(P2009−269079A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124024(P2008−124024)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000153801)株式会社畑鉄工所 (14)