説明

回転電気機器、主として自動車のスタータ用回転電気機器

【課題】アーマチュアの磁気反作用を低減する。
【解決手段】周辺部のまわりに延び、永久的磁化状態に磁化された構造体を含むステータと、ロータと、前記ロータのセクションで電流をスイッチングすることにより、前記ロータに給電するようになっている1つのグループのブラシとを備える、主として自動車のスタータのための直流回転電気機器において、前記ステータの前記磁化された構造体(5)は、前記磁化された構造体の連続する2つの磁極(N;S)の間に、少なくとも1つのセクターを備え、前記セクターは、前記ステータの円周部のまわりに実質的にサイン状に変化する磁化ベクトルを有し、前記回転電気機器が作動中のスイッチングを改善するように、中性ラインの回転角方向のオフセット量が選択されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電気機器、主として自動車のスタータ用回転電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第EP-B1-985,334号は、ヨークの内側円周表面に複数の磁極が配置されたステータを備えるスタータについて述べている。各磁極は、フェライトの永久磁石によって形成され、この永久磁石は、N極とS極とが放射状に配向されるように磁化されている。これら永久磁石の間には、補助的な磁石を設けることができる。この補助磁石は、フェライト製であり、N極とS極が、円周方向に配向されるよう磁化されている。各補助磁石とヨークとの間には、スペースが設けられており、このような配置により、磁気の漏れは低減されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ブラシを有するDC電気機器では、極めて低い電圧、および1kWより大きい使用可能な電力において、大きい起磁力(mf)を有するスタータにおける、アーマチュアの強力な磁気反作用が、電気機器の性能を低下させることが分かった。ある場合には、アーマチュアの反作用の効果を緩和するために、ブラシおよび/または補償巻線、すなわちスイッチング補助巻線を、回転角の方向にオフセットさせている。このようなブラシの回転角方向へのオフセットは、所定の電流に対してのみしか好適ではない。更に、上記巻線は、一般にかさばる。
【0004】
「ブラシレスACサーボモータへのハルバッハシリンダの適用」と題する論文(K.アタラーおよびD.ハウ著、磁気学に関するIEEEトランザクション、第34巻第4号、1998年7月)により、エアーギャップ内の電気角に対する誘導変化がサイン状となっているブラシレス電気機器も知られている。「電気機器のための永久磁石の励磁の新しい概念、分析的および数値計算」なる論文(M.マリネスクおよびN.マリネスク著、磁気学に関するIEEEトランザクション、第28巻第2号、1992年3月)は、スロットレスタイプの電気機器における磁化に関するものであり、この電気機器では、電気機器のロータまたはステータのいずれかにより、励磁が行われる。
【0005】
自動車用スタータでは、ステータのヨークに永久磁石を接着することにより、ステータまたはアーマチュアを製造することが知られている。ある場合には、永久磁石に接着剤を塗布することは困難である。また、クリップを使って、ヨークに永久磁石を固定することも知られている。この場合、各クリップは、1つの永久磁石に対してのみ適合しうるものである。欧州特許出願第EP1035629号および米国特許第6,465,925号は、メイン磁石の間に、補助磁石を保持するためのクリップの例について述べている。米国特許第4,707,630号は、永久磁石の内側円周部に支承されたシート状のスチールから製造されたシリンダを使って、ヨークに対して永久磁石を保持することを開示している。
【0006】
本発明の主目的は、アーマチュアの磁気反作用の効果を低減することである。
【0007】
本発明の別の目的は、スタータのステータに対する磁石の固定を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの特徴は、周辺部のまわりに延び、永久磁化状態に磁化された構造体を含むステータまたは磁界アセンブリと、
ロータまたはアーチュアと、
前記ロータのうちのセクションごとに電流をスイッチングすることにより、前記ロータに給電するようになっている1つのグループのブラシとを備える直流回転電気機器、主として自動車のスタータのための直流回転電気機器において、
前記ステータの磁化された構造体は、前記ステータの径方向および径方向に直角な方向とは異なる磁化方向を有する少なくとも1つのセクターを備えることを特徴とする直流回転電気機器に関するものである。
【0009】
上に記載した発明は、電気機器の連続する2つの磁極の間に、2つ以上の回転角方向の遷移部を有する磁化された構造体を提供するものである。したがって、この磁化方向は、磁化された構造体の円周のまわりで、相対的に徐々に変化する。
【0010】
本出願人は、予期しないことに、かかる磁化された構造は、電気機器の単位質量当たりのトルクおよびパワーを増加すると共に、アーマチュア電流が増加したときに、中性磁力線の変位を、低減または実質的になくすことができ、これら効果を、実質的に解消できることを発見した。この中性磁力線は、連続する2つの磁界磁極の間で、誘導がキャンセルされる位置にある。
【0011】
したがって、本発明によれば、補償巻線、および/またはスイッチング補助巻線、すなわち、ブラシの回転角方向のオフセットを不要にできる。
【0012】
本発明は更に、スイッチングを改善し、ブラシの摩耗を制限するとともに、回転電気機器からの振動音響の放射を制限しうる。
【0013】
回転角方向の遷移部は、磁化された構造体内の永久磁石の機械的安定性を更に改善する。
【0014】
アタラー外の上記論文およびマリネスク外の上記論文は、磁極の間に、複数の回転角方向の遷移部を有する磁化状態について述べているが、これら論文の内容は、電気角に対する誘導変化が、理想的にサイン波状となっている回転電気機器に限定されている。
【0015】
現在、ブラシを有するタイプの回転電気機器では、可能な最も広い回転角方向の範囲にわたって、誘導が最大となるよう、電気角に対する誘導変化が、広い高原部を有する台形に近似していなければならないとの考えが、一般に受け入れられている。
【0016】
したがって、本発明の対象とする技術分野において、受け入れられている考えによれば、アタラー外の上記論文、およびマリネスク外の上記論文の教示内容は、ブラを有するタイプの回転電気機器には適していない。
【0017】
径方向および径方向に直角な方向と異なる磁化方向を有するセクターは、10°より大、特に20°、更には30°または40°より大きい電気角をなしていることが好ましい。
【0018】
この電気角は、機械的角度としても知られる回転電気機器で測定された角度を、回転電気機器の磁極のペア数で乗算した値に対応し、このことは、任意の電気機器を、各々が1対の磁極しか有さない複数の回転電気機器の同じ組内に並置された電気機器と見なすことに等しい。
【0019】
径方向および径方向に直角な方向とは異なる磁化方向を有するセクターにおける磁化方向は、ステータの径方向に直角な方向と共に、例えば5°〜85°の角度、特に10°〜80°の角度、更には20°〜70°の角度、または30°〜60°の角度をなしていることが好ましい。
【0020】
本発明の一実施形態では、磁化された構造体内における磁化方向は、ステータの1つの回路にわたって、自らに対して平行でない方向を向いている。
【0021】
必要であれば、径方向に対する磁化された構造体内での磁化方向は、ステータの円周部のまわりで、90°より大きい回転角方向の不連続部を生じることなく、特に45°以上の回転角方向の不連続部を生じることなく変化する。
【0022】
ステータの磁化された構造体は、ヨークに配置することができ、前記ヨークが存在しない場合に測定した磁化された構造体の外部で、磁化された構造体によって発生される磁界が、磁化された構造体の内部で発生される磁界よりも小さく、磁化された構造体の外部の磁気エネルギーが、磁化された構造体の内部の磁気エネルギーの30%または20%よりも少なくなるように選択された磁化状態となっており、ヨークが存在しない場合に測定した磁化された構造体の外部磁気エネルギーは、実質的にゼロである。
【0023】
磁化された構造体の連続する2つの磁極の間で、磁化された構造体の磁化方向とステータの径方向との間の角度は、ある磁極から次の磁極に向かって、単調に変化する。すなわち、この角度は、ある磁極から次の磁極に移動する際に、常に増減する。
【0024】
そのため、回転電気機器のエアギャップに、磁気エネルギーを集中させている。
【0025】
ある実施例においては、ステータの磁化された構造体は、複数の永久磁石を備え、この永久磁石のうちの少なくとも1つは、径方向および径方向に直角な方向とは異なる磁化方向を、ステータの円周部に沿う中心領域に有する。
【0026】
例えば、ステータの磁化された構造体は、複数の永久磁石を備え、これら永久磁石のうちの少なくとも1つの永久磁石は、径方向および径方向に直角な方向とは異なる磁化方向を、すべての個所で有する。
【0027】
必要であれば、この永久磁石は、磁石内の任意のポイントで、自らに対して実質的に平行な磁化方向を有する。
【0028】
本発明のある実施形態では、ステータの磁化された構造体は、磁化された構造体の連続する2つの磁極を構成する少なくとも2つの永久磁石を備え、磁化された構造体は、磁極を構成する2つの磁極の間に配置された2つの永久磁石を更に含んでいる。
【0029】
必要であれば、磁化された構造体の径方向に測定した厚さは、磁化された構造体のある磁極から、次の磁極に円周方向に移動した場合に、実質的に一定となっている。
【0030】
上記とは異なり、磁化された構造体は、そのある磁極から次の磁極に円周方向に移動する際に、厚さが変化するようにすることができる。
【0031】
磁化された構造体には、例えば異なる厚さの永久磁石が含まれる。
【0032】
本発明の一実施形態では、磁化された構造体は、1°より大、特に2°または5°よりも大きい電気角アパーチャーを有する、中断された領域を有することはない。この中断された領域は、例えば磁化された構造体のラジアルスロット内に挿入された、磁化された構造体の支持体のタングの存在に対応し、このタングは、磁化された構造体の2つの永久磁石の間に、エアギャップを構成している。
【0033】
本発明の一実施形態では、磁化された構造体内の磁化方向の向きは、連続する2つの磁極の間で、実質的に不連続に、または交互に、または連続的に変化している。
【0034】
本発明の回転電気機器は、二極タイプまたは四極タイプのものとすることができ、特に六極以上のタイプとすることが好ましい。
【0035】
磁化された構造体は、厳密には回転電気機器の磁極数より多く、特に磁極の数の2倍の数の永久磁石を含むことができる。
【0036】
例えば回転電気機器を、六極タイプのものとすることができ、磁化された構造体は、24個の永久磁石を備えるようにする。
【0037】
これとは異なり、磁化された構造体は、回転電気機器の磁極数以下、特に磁極の数の半分と等しい数の永久磁石を備えている。
【0038】
例えば、この回転電気機器は、六極タイプのものとすることができ、磁化された構造体は、実質的に120°の角度をなす3つの永久磁石を有している。
【0039】
必要であれば、磁化された構造体は、NdFeBをベースとする少なくとも1つの永久磁石、特にこのタイプの焼結された磁石を有するものとされる。これとは異なり、磁化された構造体は、少なくとも1つのフェライト磁石を有するものとすることもある。
【0040】
本発明は、周辺部のまわりに延び、永久磁化状態に磁化された構造体を含むステータと、
ロータと、
ロータのうちのセクションで電流をスイッチングすることにより、ロータに給電するようになっている1つのグループのブラシとを備える、直流回転電気機器、主として自動車のスタータのための直流回転電気機器において、
ステータの磁化された構造体は、磁化された構造体の連続する2つの磁極の間に、少なくとも1つのセクターを備え、このセクターは、ステータの円周部のまわりに実質的にサイン波状に変化する磁化ベクトルを有することを特徴とする、直流回転電気機器にも関する。
【0041】
磁化状態のサイン波形状は、アーマチュアの反作用に対する感受性を低減させ、適用可能な場合には、この回転電気機器が発生するトルクを増加させる。
【0042】
中性ラインの回転角方向のオフセット量は、回転電気機器の反転中のロータ内の電流のアクティブな加速により、回転電気機器の作動中のスイッチングを改善させるように選択することが好ましい。
【0043】
オプションとして比較的大きくできる、回転角方向のオフセットの発生を、特に径方向に磁化する場合と比較して、良好に制御できる。その理由は、この回転角方向のオフセットは、実質的にリニアな誘導法則、または局部的なリニア誘導法則に従って生じるからである。
【0044】
本発明の一実施形態では、中性ラインの回転角方向のオフセット量を、特に15電気角度より大きく、更には20電気角度より大きくすることができる。
【0045】
磁化された構造体における磁化ベクトルは、必要であれば、この磁化された構造体の円周部全体にわたって、実質的にサイン状に変化できる。
【0046】
これとは異なり、磁化された構造体は、例えばセクター内で、径方向に非サイン状に変化する磁化ベクトルを有する少なくとも1つのセクターを有し、このセクターは、10°より大、特に20°より大きい電気角をなしている。
【0047】
適当な場合には、この回転電気機器により、アーマチュアの反作用が大きい自動車用スタータが形成される。
【0048】
この回転電気機器は、減速機を備えることができる。
【0049】
トルクの増加により、同じトルク作動ポイントにおいて、回転電気機器の集電気の回転速度を遅くすることができ、これにより、スイッチング時間をより長くし、電気アーク(スパーク)によるブラシの損失および摩耗を低減できる。
【0050】
更に本発明によれば、スイッチングの改善により、電気アークの大きさを小さくできるので、放射される電磁波干渉を制限できる。このことは、車載または非車載の電気および電子機器と回転電気機器の電磁的互換性(コンパチビリティ、EMC)に関して特に有利である。
【0051】
上記特徴とは別の、または上記特徴と組み合わせた本発明の別の特徴は、厳密に回転電気機器の磁極の数N(Nは、整数である)よりも多い、複数の永久磁石と、
支持体に締結されている、ステータのすべての永久磁石を支持する支持体とを含むステータとを備える、N個の磁極を有するタイプの、主として自動車のスタータ用の回転電気機器にある。
【0052】
本発明によれば、上記のようにして得られたアセンブリを、回転電気機器の他の部分に固定する前に、支持体に対して、複数の磁石を取り付けることができる。したがって、支持体と永久磁石により形成された一体的アセンブリを、あらかじめ製造し、次に、ステータのヨークに対してこのアセンブリを取り付けることが可能となる。したがって、この回転電気機器の製造を簡略化できる。
【0053】
更に、必要であれば、本発明により、支持体の上に永久磁石を、実質的に2個ずつ隣接した状態に配置できる。永久磁石を、2つずつ接触状態にすることができ、これら磁石の間には、ギャップは生じない。これとは異なり、連続する2つの磁石の間に、小さいギャップまたはエアギャップを形成してもよい。
【0054】
本発明の1実施形態では、支持体は、少なくとも永久磁石の軸方向端部のうちの1つにおいて、例えば軸方向の両端部において永久磁石を保持するようになっている。
【0055】
例えば、支持体は、磁石を少なくともそれらの軸方向端部のうちの1つで保持するようになっている複数のラグを備えている。
【0056】
支持体の少なくとも1つは、永久磁石を覆うように折りたたまれるか、折り曲げられ、永久磁石を係止することができるようになっている。
【0057】
本発明の一実施形態では、支持体は、1つの部品として製造されている。
【0058】
上記とは異なり、支持体は、少なくとも2つの別個の部品を備え、部品のうちの少なくとも1つを、特に永久磁石の軸方向端部のうちの1つに配置することもある。
【0059】
支持体は、必要であれば、巻かれた状態となるように変形可能であり、かつ巻く前に、支持体へ磁石を取付けるようになっている。
【0060】
例えば、支持体は、支持体の円周部に対して直角に延びる複数の平行なブランチを備え、各ブランチは、永久磁石を係止するためのラグを2つの両端に有する。磁石を覆って係止するように、これらのラグを折りたたむ必要はない。支持体は、狭い幅を形成するヒンジ部分を有することができる。一旦磁石を支持体上に置くと、ヒンジ部分は、支持体のロールアップを容易にする。
【0061】
この支持体には、磁石の外側面を、一部がカバーされていない状態のままにする切り欠きを設けることがある。
【0062】
本発明の別の実施形態では、永久磁石を取り付ける前に、支持体を環状または円筒状にあらかじめ成形する。
【0063】
この支持体には、永久磁石を、径方向かつ円周方向に正しく係止するための複数のタングを設けることができ、各タングは、連続する2つの永久磁石の間に差し込まれ、これら連続する2つの磁石の間に、小さいエアギャップを形成する。
【0064】
例えば、板金を折り曲げることにより、少なくとも板金の一部から支持体を製造する。この支持体は、例えば環状となるように、平らな金属ストリップを折り曲げたものとすることができる。このようにすると、例えばカットによる材料の無駄を防止できる。これとは異なり、板金をカットし、プレス加工することによって、支持体を製造することもできる。
【0065】
ステータの軸方向に沿って延びる円筒壁を支持体が備え、この円筒壁に、永久磁石が当接している場合、例えば板金から形成されたこの円筒壁は、磁束が通過するためのフープとして作用する。必要であれば、ヨークの厚さを薄くできる。
【0066】
本発明の一実施形態では、永久磁石のうちの少なくとも1つは、オルソラジアル(直角径方向)の磁化方向を有する。
【0067】
磁石のうちの少なくとも1つは、ステータの径方向および径方向と直角な方向とは異なる磁化方向を有することができる。必要であれば、各支持体を、径方向の磁化方向を有する複数のメイン磁石と連続する2つのメイン磁石の間に配置し、径方向に直角な磁化方向を有する複数の補助磁石を支持するようにする。補助磁石は、例えばステータの径方向に測定した場合に、メイン磁石の厚さより薄い厚さを有するものとする。この補助磁石は、例えばメイン磁石と補助磁石との間の厚さの差に実質的に対応するギャップだけ、ヨークから分離されている。
【0068】
本発明の別の目的は、共通する支持体に、複数の永久磁石をフィットさせるステップと、
その結果得られたアセンブリを、ステータのヨークに取り付けるステップとを含む、上記回転電気機器を製造するための方法にある。
【0069】
この方法は、適当な場合、まず支持体を巻くステップと、このロールアップされた支持体に、永久磁石を取り付けるステップを含むことができる。
【0070】
上記とは異なり、この方法は、平らな場合に支持体に永久磁石を載せるステップと、次に支持体を巻くステップとを含むことができる。
【0071】
支持体が磁石係止ラグを含む場合、支持体に磁石を載せた後に、磁石を覆うように、ラグを折りたたんでもよい。
【0072】
上記とは異なり、支持体に永久磁石を載せる前に、支持体のラグをあらかじめ折り曲げることもある。磁石は、例えばラグを弾性変形することにより、支持体にクリップ留めされる。
【0073】
例えば支持体は、ステータのヨーク内にボタン留めされるが、ヨークに支持体を固定するための他の任意の方法も採用できる。
【0074】
上記目的とは別個の、または上記目的と組み合わせた本発明の別の目的は、ロータと、少なくとも1つの永久磁石、および少なくとも1つの永久磁石の支持体を含むステータとを備える、主として自動車のスタータ用の回転電気機器において、
磁石の支持体は、少なくとも1つのラグを備え、磁石は、この磁石を支持体に載せたときに支持体のラグと協働するようになっている少なくとも1つの凹状または直立した固定部分を備え、少なくとも1つの永久磁石は、内側面および外側面を有し、この内側面はロータに向いており、磁石の固定部分は、磁石の内側面の全体に、または外側面の全体に設けられている回転電気機器にある。
【0075】
支持体のラグは、特に磁石を支持体上で径方向に保持し、適当な場合には、円周方向にも保持する。
【0076】
磁石の上に凹状固定部を製造することにより、この固定部で支持体のラグを受けることが可能となり、これによって、ステータ内にロータを正しく装着することを阻害し得る径方向の望ましくない突起が生じることを防止できる。
【0077】
この回転電気機器は、ロータを備え、少なくとも1つの永久磁石は、内側面と外側面とを有し、内側面はロータに向き、磁石の固定部分の全体を、磁石の内側面および外側面の一方に製造できる。
【0078】
本発明の一実施形態では、永久磁石は、凹状または直立した固定部分を有し、双方の部分は、磁石の内側面および外側面に位置している。
【0079】
必要であれば、磁石の1つの面に形成されたノッチにより、固定部分を形成することができる。
【0080】
このノッチは、例えば磁石の軸方向エッジに開口している。
【0081】
このノッチは、実質的に長方形とすることができる。これとは異なり、ノッチを、他の任意の形状、例えば実質的に台形または円弧状としてもよい。
【0082】
支持体のラグは、ノッチの形状に実質的に従った形状であることが好ましく、特に実質的に長方形であるのが好ましい。
【0083】
必要であれば、固定部分は、磁石の一方の面で突出するビードを含み、支持体のラグは、磁石を支持体に保持するよう、このビードと協働するようにできる。
【0084】
本発明の一実施形態では、磁石の一方の面だけに、特に内側面だけに、凹状または直立した固定部が設けられる。
【0085】
必要であれば、磁石のうちの少なくとも1つの軸方向エッジに、ノッチを形成することがある。
【0086】
この磁石は、焼結することが好ましく、磁石の固定部分は、焼結方法によって製造される。
【0087】
支持体のラグは、例えば磁石の凹状または直立した部分に対して折り曲げられ、この支持体は、板金を折り曲げることによって製造しうる。
【0088】
本発明の回転電気機器は、例えば500W〜200Wの最大電力で作動することができる。
【0089】
本発明の非限定的な実施形態の次の詳細な説明を読み、添付図面を検討すれば、本発明について良好に理解できると思う。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態の自動車用スタータの部分略図である。
【0091】
【図2】本発明の一実施形態の、磁化された構造体の部分略図である。
【0092】
【図3】本発明の一実施形態の、磁化された構造体の部分略図である。
【0093】
【図4a】本発明に係る、エアーギャップ内の角度を関数とするベクトル電位の変化を示すグラフである。
【0094】
【図4b】従来技術における、エアーギャップ内の角度を関数とするベクトル電位の変化を示すグラフである。
【0095】
【図5】本発明の磁化された構造体の別の例の部分略図である。
【0096】
【図6】本発明の一実施形態における永久磁石の部分略図である。
【0097】
【図7】図6に示す磁石支持体の部分略図である。
【0098】
【図8】組み立てにおける1つのステップにおいて、ステータのヨーク内に、永久磁石と共に図7に示す支持体を載せる部分略図である。
【0099】
【図9】組み立てにおける1つのステップで、ステータのヨーク内に永久磁石と共に図7に示された支持体を載せる部分略図である。
【0100】
【図10】本発明の別の実施形態のステータの部分略図である。
【0101】
【図11】本発明の別の実施形態の永久磁石の部分斜視略図である。
【0102】
【図12】図11に示す磁石支持体の部分略図である。
【0103】
【図13】図12に示す支持体と、頂部に固定された永久磁石の部分略図である。
【0104】
【図14】本発明の別の実施形態のステータの部分略図である。
【0105】
【図15】ロールアップする前に平坦になっているときの、本発明の一実施形態による支持体の部分斜視略図である。
【0106】
【図16】図15に示す支持体に配置するべき、本発明の一実施形態の永久磁石の部分略図である。
【0107】
【図17】ロールアップした後の、図15に示された支持体の部分略図である。
【0108】
【図18】本発明の別の実施形態に係わる、頂部の永久磁石が載っている状態の支持体の部分略図である。
【0109】
【図19】本発明の別の実施形態による、ステータの部分略図である。
【0110】
【図20】図19に示すステータ内に配置するべき永久磁石の部分略図である。
【0111】
【図21】図19に示すステータの永久磁石に加わる力の部分略図である。
【0112】
【図22】ノッチを有する磁石の別の例の部分略図である。
【0113】
【図23】ノッチを有する磁石の別の例の部分略図である。
【0114】
【図24】本発明の別の実施形態の磁化された構造体内のサイン状の磁化状態を示す図である。
【0115】
【図25】角度を関数とする、従来の磁化された構造体によって発生される誘導磁界の変化の略図である。
【0116】
【図26】角度を関数とする、図24内に示された磁化状態に磁化された構造体によって発生される誘導磁界の変化の略図である。
【0117】
【図27】図24に示された磁化状態に磁化された構造体に対する中性ラインの回転角方向の1つのタイプを示す図である。
【0118】
【図28】図24に示された磁化状態に磁化された構造体に対する中性ラインの回転角方向の1つのタイプを示す図である。
【0119】
【図29】本発明の別の実施形態のステータの部分略図である。
【0120】
【図30】本発明の一実施形態の自動車用スタータの部分略図である。
【0121】
【図31】本発明の一実施形態の、磁化された構造体の部分略図である。
【0122】
【図32】本発明の別の実施形態のステータの部分略図である。
【0123】
【図33】図32のステータの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
図1には、自動車の内燃機関のためのスタータ1が、極めて略した形態で示されている。
【0125】
このDCスタータ1は、軸線Xを中心として回転できる、一方のアーマチュアとも称されるロータ2と、ロータ2を中心として配置された、界磁アセンブリとも称される他方のステータ3とを備えている。
【0126】
ステータ3は、永久的に磁化された構造体を支持するヨーク4を備えている。
【0127】
ロータ2は、ロータ本体7と、ロータ本体7のノッチ内に巻かれた巻線部8とを備えている。
【0128】
図示の例では、スタータ1によって形成されている回転電気機器は、六極タイプのものである。
【0129】
巻線部8は、ロータ本体7のそれぞれの対向する側に、前方のロールパン形状のアセンブリ9と、後方のロールパン形状のアセンブリ10とを形成している。
【0130】
ロータ2の後方には、集電器12が設けられている。この集電器は、本明細書で示す例では、ワイヤーによって形成された巻線部8の導電性要素に電気接続された複数の接点部品を備えている。
【0131】
巻線部8に給電するために、1つのグループのブラシ13と14が設けられている。一方のブラシ13は、ワイヤー16によって、スタータ1のアースに接続されており、他方のブラシ14は、コンタクタ17の電気ターミナル15に接続されている。ここでは、4つのブラシが設けられている。
【0132】
ロータ2が回転しているとき、ブラシ13および14は、集電器12を擦り、ロータ2のセクションごとに、電流をスイッチングすることにより、ロータ2を付勢する。
【0133】
スタータ1は、更に発進アセンブリ19を含み、この発進アセンブリ19は、駆動シャフト18上にスライド可能に取り付けられており、ロータ2によって、軸線Xを中心として共に回転するように駆動されるようになっている。
【0134】
ロータ2と駆動シャフト18との間には、当技術分野で公知の態様で、減速アセンブリ20が配置されている。
【0135】
これとは異なり、スタータ1を減速機を有しない(ダイレクトドライブ)タイプのものにすることもできる。
【0136】
発進アセンブリ19は、プーリー21によって形成された駆動要素を含み、この駆動要素は、図示していない内燃機関の駆動部材に係合するようになっている。この駆動部材は、例えばベルトである。
【0137】
プーリー21は、内燃機関を駆動するよう、ギア部品、特に歯車に置換することができる。
【0138】
ローンチャーアセンブリ19は更に、フリーホイール22とプーリーワッシャー23とを含み、これらは、両者の間にフォーク27の端部25が嵌合されるための溝24を形成している。
【0139】
このフォーク27は、例えばプラスチック材料から成形されている。
【0140】
フォーク27は、コンタクタ17により作動され、発進アセンブリ19が、プーリー21を介して内燃機関を駆動する第1位置と発進アセンブリ19が内燃機関から外れる第2位置との間で、軸線Xに沿って、駆動シャフト18に対し、発進アセンブリ19を移動させる。
【0141】
コンタクタ17は、ブラシ14に接続されたターミナル15の他に、ターミナル29を備え、このターミナル29は、電気接続要素、例えばワイヤー30により、車両の電源であるバッテリーに接続されている。
【0142】
図2には、本発明の第1実施例に合致した、磁化された構造体5の一例が示されている。
【0143】
この実施形態では、磁化された構造体5は、多数の永久磁石を備え、この永久磁石の数は、24個に等しく、6個である電気機器の磁極の数よりも多くなっている。
【0144】
24個の磁石のうちの6個は、図1に示す矢印F1と平行に、径方向に磁化された状態となっている。
【0145】
これら磁石40aは、3つのN極と3つのS極とを含む電気機器の6個の磁極を構成し、これらの磁極は、ステータの内側を向いている。
【0146】
連続する2つの磁石40aの間には3つの永久磁石、すなわち:
− 方向F1に直交する、実質的に径方向に直角な磁化方向F2を有する磁石40bと、
− この磁石40bのそれぞれの両側に設けられ、径方向および径方向に直角な方向とは異なる磁化方向を有する2つの磁石40c、
とが配置されている。
【0147】
ここで検討する実施形態では、磁化方向は、各磁石40c内で実質的に均一であり、この磁化方向と径方向F1とは、概ね45°の角度A1をなしている。
【0148】
したがって、これら磁石40cの各々は、磁化された構造体5のセクターを構成し、このセクターは、径方向および径方向に直角な方向と異なる磁化方向を有すると共に、45°の電気角に等しい15°の開口角A2を有する。
【0149】
理解できるように、磁石40cは、すべての点で、特にステータ3の円周F3に沿った中心領域において、径方向F1および径方向に直角な方向F2とは異なる磁化方向を有する。
【0150】
永久磁石40a〜40cは、図2に示すように、同一の寸法としうるため、磁化された構造体5は、径方向F1に測定した場合に、円周F3のまわりに、実質的に一定の厚さとなっている。
【0151】
2つのN極とS極との間において、磁化された構造体5の磁化方向は、回転角方向の4つの不連続部を有し、この不連続部は、各々45°の位置にある。
【0152】
次に、磁化方向は、2つのN極とS極との間で、ある数の回転角方向の遷移部を有し、この数は、3と等しくなっている。
【0153】
磁化された構造体5の連続する2つのN極とS極との間において、構造体の磁化方向と径方向F1との間の角度は、単調に、かつ不連続に変化し、回転角方向には戻らない。
【0154】
これによって、磁化された構造体5の外側における誘導磁界の大幅な減少、および磁化された構造体5の内部における誘導磁界の大幅な増加に対応して、ロータ2とステータ3の間のエアギャップに向けて、磁気エネルギーを集中させている。
【0155】
換言すれば、ヨーク4が存在しない状態で測定した場合に、磁化された構造体の外側において、この磁化された構造体において発生される磁界は、磁化された構造体内部で発生される磁界よりも弱く、磁化された構造体の外部の電気エネルギーは、構造体の内部の磁気エネルギーよりも、特に30%または20%小さく、ヨークがない状態で測定した場合の、構造体外部の磁気エネルギーは、特に無視できる大きさとなっている。
【0156】
十分な数、例えば3に等しい数の回転角方向の遷移部は、磁石40a〜40cの良好な機械的安定性を保証できることを発見した。
【0157】
図4aは、電流Iの数値、および2に等しい回転角方向の遷移部の数に対するエアギャップの角度を関数とするベクトルポテンシャル(単位Wb/m)の変化を示す。この変化は、有限要素分析によって得られたものである。
【0158】
図4aのグラフは、中性磁気ラインのオフセットを示す2つの次元の標準的表示形態となっていることを示している。
図4aでは、電流Iが変化した場合に、電磁誘導が連続する磁極の間で、キャンセルし合う場所に対応する中性磁気ラインの変位の仮想的な不存在について注目されたい。
換言すれば、連続する磁極の間の、2以上の回転角方向の移行部の数により、アーマチュアの反作用を実質的にキャンセルすることが可能となっており、このことは、スイッチングおよび電磁結合に関して有利となっている。
【0159】
これとは対照的に、磁化された構造体が回転角方向の移行部を有しない、図4bに示された状況では、中性磁気ラインの変位量dが分かる。
本発明によると、単位質量当たりのトルクおよび動力を増加できることが分かった。
【0160】
ここで検討する実施形態では、永久磁石40a〜40cは、異方的に焼結されたフェライト磁石である。
40a〜40cは、例えばヨーク4の外側で磁化されている。
これとは異なり、永久磁石40a〜40cは、希土類元素を含むことができ、例えばNdFeBから製造できる。
【0161】
これまでに説明した実施形態では、磁化された構造体5は、電気機器のN極とS極の数に等しい数の永久磁石40a〜40cを有している。
上記とは異なり、図3に示すように、磁化された構造体5は、電気機器の磁極の数よりも少ない数の永久磁石を含むことができる。
【0162】
図3に示す実施形態では、磁化された構造体5は、3つの永久磁石41を備え、これらの磁石は、120°に等しい角度A3を有する、実質的に部分円筒形状となっている。
【0163】
これらの磁石41は、例えば等方性特性、および磁石41に沿って、ステータ3の円周F2のまわりにサイン状に変化する磁化方向を有するNdFeBから製造されている。
必要であれば、これらの磁石41を、ヨーク4の内部で磁化できる。
【0164】
図3の実施形態では、電気機器の連続する2つの磁極の間の回転角方向の遷移部の数は、3に等しい。
【0165】
当然ながら、本発明の範囲内では、遷移部の数を3以外の数にすることもできる。
【0166】
回転電気機器のタイプによっては、この数を3にしてもよいし、4つ以上としてもよい。例えば図5では、連続する2つの磁極の間に、6つの回転角方向の移行部を有する、磁化された構造体5が示されている。
磁極の数は、6とは異なっていてもよく、6よりも大きくすることもできる。この回転電気機器は、例えば8個の磁極を有するものとすることができる。
これとは異なり、回転電気機器は、6未満の数の磁極、例えば2つまたは4つの磁極を有するものとすることができる。
【0167】
次に、本発明に従って、ステータ内に永久磁石を固定するための異なる方法について説明する。図6〜図9には、例えばスタータ1に装備するための、本発明の一実施形態におけるステータ50の種々の要素が示されている。
これらの要素は、支持体51と、この支持体51に取り付けられるようになっている複数の永久磁石52とを含んでいる。
図7に示すように、支持体51は、軸線Xを中心とする円形断面の円筒壁52を有している。この壁53は、2つの両端52を有し、この各端部には、壁53の内部に向かって突出する複数の脚部55が接続されている。
これら脚部55のうちの24個は、24個の永久磁石52の取り付けを可能にするよう、壁51の各端部において対応するエッジ54に規則的に配置されている。
各脚部55は、軸線Xに対して直角な第1ブランチ57を有し、この第1ブランチは、この第1ブランチに直交する第2ブランチ58として端部で延長している。
【0168】
支持体51には、更に固定部材59が設けられている。この固定部材59は、ヨーク61の内側表面60に対して、支持体51をボタン留めするようになっている。
ヨーク61に対して支持体51を固定するのに、任意の適当な手段を使用できる。
例えば、板金をロール加工することによって、支持体51を製造できる。
この板金は、磁気材料、例えばスチールとすることができる。
【0169】
各永久磁石52は、図6から分かるように、内側面63と外側面64とを有する。
これら面63および64は、支持体51にすべての磁石52を載せたとき、すべての磁石の面63と64とが、実質的に円筒形の2つの面を形成するよう、円筒形部分から構成されている。
各磁石52は、支持体51の方向に収束する2つの側面65を有する。
永久磁石52を、ラグ55によって支持体51に固定するよう、永久磁石52の各面63には、凹状の固定部分67が形成されている。
【0170】
ここで検討する実施形態では、各固定部分67は、永久磁石52の軸方向側面69に開口するノッチによって形成されている。
ノッチ67は、実質的に長方形となっているが、この形状とは異なり、他の任意の適当な形状とすることができる。
支持体51に磁石52を載せたときに、ラグ55のブランチ58が、ノッチ67嵌合するように、ノッチの寸法および形状は選択されている。
【0171】
したがって、支持体51の所定位置に磁石が載ると、各ブランチ58は磁石52のノッチ67内に嵌合し、各ブランチ57は、磁石52の軸方向端部に押圧される。
次に、図8に示すように、磁石52を、径方向かつ円周方向に係止する。
次に、ラグ55を塑性変形することにより、支持体51に、磁石52をクリップ留めする。
これとは異なり、磁石52が支持体51の所定の場所に位置すると、磁石52を覆うように、ラグ55を曲げることにより、ラグ55を折りたたむことができる。
ノッチ67の深さは、ブランチ58が回転電気機器のエアギャップ内に突出しないよう、ラグ55のブランチ58の厚さと実質的に等しくなっている。
【0172】
磁石52は、例えば焼結され、ノッチ67は、この焼結法によって製造される。この方法とは異なり、材料を除去することによって、これらのノッチ67を製造することもできる。
この一体的な円筒形の壁53は、磁気飽和を減少させ、適当な場合には、ヨーク61の厚さを薄くするように、ヨーク61内で、フープとして働くことができる。
【0173】
ここで検討する実施形態では、支持体51に2つずつ接触するよう磁石が載っている。これによって、磁石52の側面65の間に、エアギャップが存在することを防止できる。
当然ながら、条件によっては、永久磁石52の数を、24と異ならせてもよい。
例えば図10に示すように、ステータは8つのペアのラグ55を有する支持体51に固定された8個の永久磁石52を有するものとすることができる。
特に、比較的少数の磁石、例えば8個よりも少ない数の磁石を使用しようとするとき、各磁石の寸法はより大きくなり、この場合、これよりも多い数のラグ55を使って各磁石を係止することが、有利となり得る。例えば4個のラグにより、各磁石55を係止できる。
【0174】
上記実施形態では、永久磁石はノッチを有している。
凹状または直立した固定部分を、特に上記ノッチ67を有さない1つ以上の永久磁石を支持体に載せることは、本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0175】
図11〜図13には、本発明のかかる実施形態が示されており、ここでは、凹状、または直立した固定部分を有しない複数の同一の永久磁石72(上記実施形態では24個の磁石)が、支持体71に載っている。
各磁石70は、同心円筒体の実質的な一部である径方向内側面74と、径方向外側面75と、径方向内側に収束する側面76とを有する。支持体71は、図12に示すように、永久磁石70の設置を可能にするよう、当初は平らになっている。
この支持体71は、軸線Xに平行な複数のブランチ78を含み、各ブランチは磁石70を係止するためのラグ79を両端に有する。
ラグ79は、対応するブランチ78に対して直角に延び、各ラグは、実質的に長方形となっている。
支持体71には、更にブランチ78に対して直角な複数のタング80が設けられており、各タングは、磁石を円周方向かつ径方向に係止するよう、連続する2つの磁石70の間に差し込まれている。
【0176】
これらタング80が存在していることにより、小さいエアギャップは、連続する2つの磁石70を分離している。磁石70によって形成される磁化された構造体は、1°より大きい、特に2°または5°の電気角アパーチャーを有するエアギャップに対応する、中断された領域を有していない。
【0177】
タング80の数、寸法および形状は、特に係止すべき磁石70に応じて選択される。
【0178】
支持体71は、この支持体の頂部に磁石70が一旦載せられた後に、支持体71の巻きを容易にする、より狭いヒンジ部分82を含んでいる。これらヒンジ部分82は、ブランチ78と交互に位置している。
この支持体71は、例えば板金のストリップを切断し、曲げることによって製造される。この支持体71は、磁石70の外側面75を部分的にカバーしない状態のままにするカットアウト83を有している。
【0179】
支持体71の一端には、この支持体を巻き状態に維持するためのアーム85が設けられている。
これらアーム85は、例えば支持体71の他端においてラグ79に形成されたノッチ86に係合している。
これとは異なり、支持体71をヨーク内に設置するだけで、支持体71を巻き状態に維持できる。
【0180】
これまでに説明した例は、本発明の範囲から逸脱することなく、24よりも少ない数の磁石、例えば12、8、6、4、3または2個の磁石に適合できる。
上記実施形態では、磁石の支持体は、単一部品として、特に板金を切断し、曲げることにより製造される。
【0181】
図14〜図16には、2つの別個の部品92から形成された支持体91を含む、本発明の一実施形態に合致するステータ90の異なる要素が示されている。各部品92は、切断された板金ストリップを、図17に示すように、平らな形状から環状形状に折り曲げることによって製造されている。
当然ながら、これらの部品92は、他の材料からも製造できる。
【0182】
部品91の外径は、永久磁石95を有する支持体91が取り付けられているヨーク94の内径と等しくなっている。
各部品92は、磁石95を係止するための複数のラグ97を有し、これらのラグ97は、例えば実質的に長方形となっている。
これらのラグ97の一部は、径方向に延び、各ラグは、対応する部品92の周面に配置された隣接する2つの磁石95の間に配置されている。
2つずつ向き合っている他のラグ97は、部品92の周面に沿って実質的に延び、磁石95を径方向に係止している。
【0183】
これらの各磁石95は、部品92に磁石95を取り付けたときに、部品92のラグ97が嵌合されるようになっている、実質的に長方形の2対のノッチ99を含み、磁石95の両端に部品92が配置されている。
ノッチ99のうちの2つは、磁石の外面100に位置し、内面101には、他の2つのノッチ99が位置している。これらノッチ99は、磁石95の両端において、エッジ102に開口している。
【0184】
ここで検討する実施形態では、磁石95には2つのタイプがある。すなわち第1グループ95aの磁石は、メイン磁石と称され、交互に配置されたN極とS極とを構成するように、径方向の磁化方向を有する。
第2グループ95bの磁石95は、補助磁石であり、各補助磁石は、2つのメイン磁石の間に配置されており、これら補助磁石は、実質的に径方向に直角な磁化方向を有する。
図14には、かかる補助磁石が示されている。
このような補助磁石が存在することによって、磁気の漏れが少なくなっている。
これらの補助磁石を、径方向に測定した場合に、メイン磁石と同じ厚さを有するものとすることができる。
これとは異なり、補助磁石の厚みを、メイン磁石の厚さと異ならせてもよい。
【0185】
これらの磁石とヨーク94との間に、ギャップを残すように、補助磁石を位置決めすることが可能である。換言すれば、補助磁石は、ヨーク94に押圧されない。
補助磁石とヨークの間のスペースは、これら磁石を係止するラグ97の位置によって決定されることが望ましい。
【0186】
図示されていない変形例では、磁石95は、上記のように、2つ以上の回転角方向の移行部を有するように配置できる。
部品92は、これら部品92をヨーク94にボタン留めするためのタング103を、更に含んでいる。
支持体91を固定するための他の適当な手段を採用することもできる。
【0187】
この支持体91の部品92と磁石95とは、ヨーク94内に押し込む前に自律的なアセンブリを形成することができ、これにより、組み立て作業を簡略化できる。
図示の実施形態では、回転電気機器は6つの磁極を有する。
【0188】
径方向に延びるラグ97を、可能な場合には不要にすることができ、円周方向のラグ97と磁石95内のノッチ99との協働作用により、磁石95が回転しないように磁石を係止できる。
メイン磁石と補助磁石との間に、エアギャップが生じることを防止することが可能であり、これにより、回転電気機器の効率は改善される。
これまで示した実施形態では、部品92は、切断および曲げ加工によって製造される。
これとは異なり、支持体91の部品92を、図8に示すように、切断およびプレス加工によって製造してもよい。
【0189】
図18の実施形態では、支持体92は、交互に配置されたメイン磁石と補助磁石95を支持している。
メイン磁石95は、図9〜図21に示すように、ノッチ99を有することはできない。
この場合、各メイン磁石95は、円周方向のラグ97ではなく、磁石95の側面105の形状により、ヨーク94に対して保持される。
【0190】
図21に示すように、各側面105は平坦部分106を有し、この平坦部分の上に、実質的に径方向を向くラグ97が押圧されている。
ラグ97が、磁石95の側面に2つの応力T1を加え、この結果生じる径方向の応力T2が、ヨークに対して磁石97を押圧するように、これら平坦部分106およびラグ97が、配置されている。
【0191】
図19に示すように、支持体92は、補助磁石95を係止するためのラグ97を備えている。当然ながら、本発明は、これまでに説明した実施形態のみに限定されるものではない。
【0192】
凹状または直立した固定部分、特にノッチが磁石上に存在することを防止しなければならない場合、磁石の外側面に押圧される係止ラグを用いることなく、磁石のための支持体上に、磁石の外側面だけに押圧されるようなラグを設けることが可能である。支持体のラグは、この支持体に取り付けられる磁石の組の所定の直径よりも小さい直径にわたって延びている。これは、ロータをステータ内に常に正しく取り付けできることを保証するためである。
【0193】
更に、必要な場合、磁石の内側面または外側面上に突出する1つ以上のビードにより、永久磁石の固定部分のうちの少なくとも1つを形成できる。この場合、支持体の係止ラグは、このビードまたはこれらビードと協働し、磁石を径方向かつ回転角方向に係止するようになっている。
【0194】
本発明の別の実施形態では、上記支持体51は、径方向および径方向に直角な磁化方向をそれぞれ有し、交互に配置されたメイン磁石と補助磁石とを、上記支持体51が支持するようにできる。
支持体上に磁石を係止するためのラグは、長方形以外の形状、例えば台形とすることができる。
【0195】
図22および図23に示す実施形態では、永久磁石95は各々が磁石の軸方向エッジ111を覆うように延びるノッチ110を有している。
図22の実施形態では、各ノッチ110は、実質的に長方形であり、この長方形は、このノッチ内に係合した係止ラグが、径方向かつ回転角方向に係止するように、選択された傾きで傾斜している。
図23の実施形態では、各ノッチ110は台形であり、長い底辺112は、内側円周面に位置し、径方向かつ回転角方向の係止を行っている。
【0196】
図6の変形例では、磁石の側面65にノッチを形成することが可能である。
【0197】
図4には、本発明の別の実施形態に合致した、磁化された構造体5が示されている。この構造体5は、構造体5の周辺全体にわたって、実質的にサイン状に変化する磁化ベクトルを、磁化された構造体5内に有する。
【0198】
上記とは異なり、この磁化ベクトルは、構造体5の円周全体ではなく、構造体5の一部のセクターだけにわたって、サイン状のプロフィルを有してもよい。
ここで検討する実施形態では、磁化された構造体5は、6つのN磁極およびS磁極を有する。
【0199】
図26は、図24に示された磁化された構造体5における、角度を関数とする磁界Bn.no−load(無負荷誘導)、Bn.arm.reac(アーマチュアの反作用にリンクした誘導)、およびBn.result(Bn.no−loadとBn.arm.reacの合成誘導)の変化を示す。この誘導磁界Bn.resultは、実質的にサイン状であり、中性ライン(誘導磁界がキャンセルする場合)の回転角方向のオフセット量は、図27から、より明瞭に分かるように、約5°である。
【0200】
比較として、図25は、専ら径方向の磁化方向を有する磁化された構造体に対する同じ磁界を示す。誘導磁界Bn.resultは、実質的に台形のプロフィルを有し、中性ラインの回転角方向のオフセット量は、約30°、すなわち本発明の場合よりも、かなり大きくなっている。
【0201】
負荷を受けて、スイッチング状態を低下させる方向(ロータ内の電流の反転の制動効果、したがって、電気アークによる損失の増加)に起電力が発生される、専ら径方向の磁化をするケースとは対照的に、本発明によれば、小さい回転角方向のオフセットによって生じるスイッチング状態を若干低下させるように保証できる。
【0202】
本発明は、径方向の磁化の通常の欠点を生じることなく、電流の反転を加速するように、別の回転角方向のオフセットを導入できる。
【0203】
本発明によれば、局部的サインプロフィルに関連するリニア法則に従い、電流の反転を加速する起電力を発生するのに、より局部的な誘導レベルを利用している。これにより、ゼロ誘導領域のまわりでの集中スイッチングをするのに、回転角方向のより小さいオフセットだけで十分であるので、トルク損失が大きいという欠点を生じることなく、回転電気機器のロバストな設計をより容易にできる。
【0204】
更に、本発明の磁化された構造体5は、回転電気機器の条件に応じて利用できる「トルクリザーブ」を提供するので、スイッチングを更に改善するように、回転角方向の大きいオフセットを課すことが可能であり、本発明によると、同じ質および量の磁石で、トルクを増加することができる。
【0205】
この回転角方向のオフセットは、上に説明した実施形態のように(図28参照)、10電気角度、または20電気角度よりも大きい値に選択することができる。
【0206】
本発明は、サイン誘導により、高調波にリンクした欠点の大きさを小さくするので、アーマチュア内の鉄損を更に低減できる。
【0207】
また、磁気ノイズも低減できる。
【0208】
図29及び図30は、本発明の他の実施態様を示す。図29は、本実施形態のステータの斜視図であり、図30は、このステータを備える自動車用スタータの外観図である。
【0209】
図29に示されるように、本実施形態のステータ200は、ヨーク材204の内側に、縦長に細分化された永久磁石202を長手方向に沿って整列させ、円周方向に一巡させて成る構成を有している。このヨーク材は、長手方向に斜角をなして延びる一端とこれと相補的な斜角をなして延びる他端とが摺動可能に当接して略円筒形を成している。別の言い方をすれば、長手方向に、軸線方向に対して斜めに切断されているような構成である。
【0210】
図29に示されるように、ヨーク材204は、その端面206どうしが摺動可能である。このヨーク材204を外側から締め付ければ、切断面に沿った摺動が生じ、ヨーク材204の径が縮小する。このとき、内面に配置されている各永久磁石202同士に適度な隙間をあけておくことにより、ヨーク材204の縮径に応じて永久磁石202の配列も、これに追従することができる。また、外側から締め付ける力を弱めてヨーク材204を広げることにより、縮径した径を再度広げることも可能であり、このときも、内面に配置する永久磁石を、細長いブロックに分割したことにより、拡径に対しても追従することが可能である。
【0211】
このような構成を採用することで、ヨーク材204を外側から締め付けて縮径させて、細分化された永久磁石202を円周方向に強固に固定することができる。この際、ヨーク材204の切断面206の方向を、磁界の方向、すなわちヨーク材204の外周の円の中心を通る方向に位置合わせすることにより、損失を低減することも可能である。
【0212】
図30は、このステータ200を組み込んだ自動車用スタータ208の外観図を示す。
【0213】
図31には、本願発明の別の実施形態に係るステータ210を示す。図31に示されるように、このステータ210は、ヨーク材214の内側に、縦長に細分化された永久磁石212を長手方向に沿って整列させている構成を有し、さらに、この細分化された永久磁石212の外周面の軸線方向に凸条を設け、かつヨーク材214の内周面の軸線方向に係合溝を設けて、各永久磁石を円周方向に移動しないようにして、細分化された永久磁石を円筒状に保持することを特徴とする。
【0214】
このように構成することにより、細分化された磁石212を容易に設置することができるようになるとともに、各磁石212を正確に位置決めすることができ、さらに、使用中においても、各磁石212の位置のずれを防止することができ、ひいては長時間の使用において信頼性の高い自動車用スタータを提供することが可能となる。
【0215】
本願発明のさらに別の実施形態に係る発明を、図32及び図33に示す。図32は、本実施形態に係るステータ220の分解斜視図であり、図33は、永久磁石を組み込む様子を示す外観図である。
【0216】
図32及び図33に示すように、本実施形態のステータは220においては、細分化された永久磁石222を軸線方向にくさび形に形成する。そして、隣接する永久磁石222同士を互い違いに入れ子に配列する。このように配列された永久磁石222を、円周方向に沿って整列した場合の外径より極わずか小さな内径を有するように選んだ円筒形のヨーク材224にはめ込んで、ステータ220を構成する。この際、はめ込みの前は、互い違いに入れ子に配列した永久磁石222を、長手方向にずらすことにより配列全体の径を小さくした上で、これらをヨーク材にはめ込む。そして、ずらした配列を直して、永久磁石を正しく整列させることにより、永久磁石222の配列全体の径を大きくすることにより、ヨーク材内に永久磁石を堅固に固定することが可能となる。
【0217】
このような構成により、簡易かつ正確に、細分化された永久磁石222を堅固に固定することが可能となり、長時間の使用においても、永久磁石の位置のずれを低減することが可能となる、このため、信頼性の高い自動車用スタータを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0218】
2 ロータ
3 ステータ
4 ヨーク
5 磁化された構造体
13、14 ブラシ
40a、40b、40c 永久磁石
55 ラグ
61 支持体
67 固定部分
78 ブランチ
79 ラグ
97 ラグ
99 固定部材
200 ステータ
202 永久磁石
204 ヨーク材
206 端面
210 ステータ
212 永久磁石
204 ヨーク材
220 ステータ
222 永久磁石
224 ヨーク材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺部のまわりに延び、永久的磁化状態に磁化された構造体を含むステータと、
ロータと、
前記ロータのセクションで電流をスイッチングすることにより、前記ロータに給電するようになっている1つのグループのブラシとを備える、直流回転電気機器、主として自動車のスタータのための直流回転電気機器であって、
前記ステータの前記磁化された構造体は、前記ステータの径方向および径方向に直角な方向と異なる磁化方向を有する少なくとも1つのセクターを備え、
前記ステータの前記磁化された構造体は、略円筒形のヨーク内に配置されており、
前記磁化された構造体は、細分化した複数の永久磁石を前記ヨークの長手方向に沿って整列させ円周方向に一巡させて成り、
前記ヨークは、長手方向に斜角をなして延びる一端とこれと相補的な斜角をなして延びる他端とが摺動可能に当接して略円筒形を成し、前記ヨーク材を外側から締め付ければ、前記当接面に沿った摺動が生じて前記ヨークの径が縮小するように構成されており、
前記ヨークが存在しない場合に測定した前記磁化された構造体の外部で、前記磁化された構造体によって発生される磁界が、前記磁化された構造体の内部で発生される磁界よりも小さく、前記磁化された構造体の外部の磁気エネルギーが、前記磁化された構造体の内部の磁気エネルギーの20%よりも少なくなるように選択された磁化状態となっていることを特徴とする直流回転電気機器。
【請求項2】
周辺部のまわりに延び、永久的磁化状態に磁化された構造体を含むステータと、
ロータと、
前記ロータのセクションで電流をスイッチングすることにより、前記ロータに給電するようになっている1つのグループのブラシとを備える、直流回転電気機器、主として自動車のスタータのための直流回転電気機器であって、
前記ステータの前記磁化された構造体は、前記ステータの径方向および径方向に直角な方向と異なる磁化方向を有する少なくとも1つのセクターを備え、
前記ステータの前記磁化された構造体は、略円筒形のヨーク内に配置されており、
前記磁化された構造体は、細分化した複数の永久磁石を前記ヨークの長手方向に沿って整列させ円周方向に一巡させて成り、
前記永久磁石は外周に凸部を有し、前記ヨークは内面に前記永久磁石の凸部に対応した凹部を有し、前記ヨークの前記凹部に前記永久磁石の前記凸部が係合することにより、前記永久磁石が前記ヨークに固定され、
前記ヨークが存在しない場合に測定した前記磁化された構造体の外部で、前記磁化された構造体によって発生される磁界が、前記磁化された構造体の内部で発生される磁界よりも小さく、前記磁化された構造体の外部の磁気エネルギーが、前記磁化された構造体の内部の磁気エネルギーの20%よりも少なくなるように選択された磁化状態となっていることを特徴とする直流回転電気機器。
【請求項3】
周辺部のまわりに延び、永久的磁化状態に磁化された構造体を含むステータと、
ロータと、
前記ロータのセクションで電流をスイッチングすることにより、前記ロータに給電するようになっている1つのグループのブラシとを備える、直流回転電気機器、主として自動車のスタータのための直流回転電気機器であって、
前記ステータの前記磁化された構造体は、前記ステータの径方向および径方向に直角な方向と異なる磁化方向を有する少なくとも1つのセクターを備え、
前記ステータの前記磁化された構造体は、略円筒形のヨーク内に配置されており、
前記磁化された構造体は、長手方向に縮径したプロファイルを有した細分化した複数の永久磁石を前記ヨークの長手方向に沿って、縮径方向を互い違いにして整列させ円周方向に一巡させて成り、
前記ヨークが存在しない場合に測定した前記磁化された構造体の外部で、前記磁化された構造体によって発生される磁界が、前記磁化された構造体の内部で発生される磁界よりも小さく、前記磁化された構造体の外部の磁気エネルギーが、前記磁化された構造体の内部の磁気エネルギーの20%よりも少なくなるように選択された磁化状態となっていることを特徴とする直流回転電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−139625(P2011−139625A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246596(P2010−246596)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(508075579)ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール (49)
【Fターム(参考)】