回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具
【課題】回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具を提供する。
【解決手段】加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具が規定される。工具は、ディスク形状のブローチホイール(2)またはブローチホイール(2)の少なくとも1つのセグメント(1)を含む。切削チップ(9)に対して、少なくとも1つの切削チップ保持具(8、10)が、円周面(3)に隣接する領域で、ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の端面(6、7)に設けられる。2つの端面の少なくとも一方(6)で、当該切削チップ保持具(8)が、軸方向クランプ楔(13)を用いてブローチホイール(2)またはセグメント(1)に対して軸方向に調整可能なカートリッジ(11)として形成される。この場合に、当該カートリッジ(11)は、円周面(3)の方向に、関連する軸方向クランプ楔(13)を少なくとも部分的に覆うように設計される。
【解決手段】加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具が規定される。工具は、ディスク形状のブローチホイール(2)またはブローチホイール(2)の少なくとも1つのセグメント(1)を含む。切削チップ(9)に対して、少なくとも1つの切削チップ保持具(8、10)が、円周面(3)に隣接する領域で、ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の端面(6、7)に設けられる。2つの端面の少なくとも一方(6)で、当該切削チップ保持具(8)が、軸方向クランプ楔(13)を用いてブローチホイール(2)またはセグメント(1)に対して軸方向に調整可能なカートリッジ(11)として形成される。この場合に、当該カートリッジ(11)は、円周面(3)の方向に、関連する軸方向クランプ楔(13)を少なくとも部分的に覆うように設計される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段による、加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具に関する。一般的な工具は、国際公開第2009/135555A1号パンフレットから公知である。
【背景技術】
【0002】
回転/回転ブローチ工具は、特に、クランクシャフトの機械加工に使用される。そのような回転/回転ブローチ工具は、基本的に、円周面および円周面に隣接する端面の領域に、切削チップが取り付けられたディスク形状のブローチホイールによって形成される。この場合に、回転/回転ブローチ工具のブローチホイールは通常その軸のまわりに高速回転で作動され、低速で回転する加工物に向かって、ブローチホイールの軸に対して直角方向に進む。ただし、この原則的な手法とは反対に、ブローチホイールを低速で回転させ、加工物を高速で回転させることも可能である。
【0003】
ブローチホイールは、一体化して作製することができる。特許文献1から公知のブローチホイールは、これとは異なり、交換可能な複数のセグメントから形成される。この場合に、これらのセグメントの1つは、交換可能な切削チップが挿入され得る、または挿入された3つの切削チップ保持具を担持する。(円周上の)切削チップ保持具は、ブローチホイールの円周面上で中央に配置される。他の2つの切削チップ保持具は、この円周上の切削チップ保持具に対して互いに軸方向反対側にずれており、これらの他の2つの切削チップ保持具のそれぞれは、いずれの場合も、ブローチホイールの2つの端面のそれぞれ一方に隣接する。
【0004】
これらの2つの端面の切削チップ保持具は、ブローチホイールセグメントに直接形成されるのではなくて、その代わりに、いずれの場合も、ブローチホイールセグメントに対してブローチホイールの軸方向に調整可能なカートリッジに形成される。
【0005】
この場合に、これらの2つのカートリッジは、いずれの場合も、クランプ楔を用いて軸方向に調整される。この場合に、これらの2つのクランプ楔およびそれぞれに付属するセットスクリューは、簡単な調整を可能にするために、ブローチホイールの円周面から自由に到達することができる。一方、これの欠点は、クランプ楔およびそれらのセットスクリューが、この領域にある切り屑に起因する苛酷な負荷を受けることである。特に、クランプ楔およびセットスクリューは、存在する切り屑によってしばしば動きを妨げられるようになり、その結果として、カートリッジのさらなる再調整が妨害されるか、または不可能になることさえある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/135555A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が根底にもつ目的は、この問題に関して改良された、加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具を規定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を用いて達成される。結果的に、工具は、ブローチホイールまたはそのようなブローチホイールの少なくとも1つのセグメントを含む。この場合に、切削チップ用の少なくとも1つの切削チップ保持具が、いずれの場合も、ブローチホイールまたはセグメントの円周面に隣接する、ブローチホイールまたはセグメントの端面の領域に配置される。これらの切削チップ保持具は、挿入された切削チップが、少なくとも、ブローチホイールのそれぞれ割り当てられた端面で切削するように配置される。したがって、上記の切削チップ保持具は、以下に「端面切削チップ保持具」と称される。これらの端面切削チップ保持具に加えて、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントは、必要に応じて、関連する切削チップを2つの端面から距離を置いて挿入してもよく、これは、以下に「円周切削チップ保持具」と称される、少なくとも1つのさらなる切削チップ保持具をその上に配置されて有する。
【0009】
ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントの2つの端面の少なくとも一方に配置された切削チップ保持具または各切削チップ保持具は、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントに直接形成されるのではなく、その代わりに、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントに対して軸方向に調整可能なカートリッジに形成される。
【0010】
この場合に、「軸方向」とは、ブローチホイールの回転軸に対して平行に向けられた方向である。ブローチホイールセグメントの場合、軸方向の定義は、ブローチホイールにセグメントを取り付けた状態に適用する。ブローチホイールセグメントの場合、「円周面」および「端面」という用語は、同様にセグメントを取り付けた状態に適用する。したがって、これらの面は、セグメントの「円周面」および「端面」と称され、セグメントを取り付けた状態のブローチホイールの円周面および端面に位置する。
【0011】
調整、しかも軸方向の調整の場合、当該カートリッジまたは各カートリッジは、軸方向でカートリッジに作用し、したがって、以下に「軸方向クランプ楔」と称されるクランプ楔を割り当てられる。本発明によれば、一のカートリッジまたは各カートリッジは、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントの円周面の方向に、関連する軸方向クランプ楔を少なくとも部分的に覆うように設計される。好ましい改良型では、このために、一のカートリッジまたは各カートリッジは屋根状突起を有し、この屋根状突起を用いて、関連する軸方向クランプ楔およびそのセットスクリューを取り付けられた状態において完全に、または部分的に覆うように押し付けられる。
【0012】
本発明に従って一のカートリッジまたは各カートリッジを設計することにより、関連する軸方向クランプ楔およびそのセットスクリューが、ブローチホイールの円周面上で覆いのないまま保護されない状態に置かれる状況が、簡易な方法で防止される。したがって、ブローチ作業時に、発生する切り屑によって軸方向クランプ楔が圧力を受けること、およびその移動を妨害されることを確実に阻止する。
【0013】
当該軸方向クランプ楔または各軸方向クランプ楔が隠されるという事実にもかかわらず、関連するカートリッジの単純で素速く、かつ正確な軸方向の調整を確実にするために、本発明の有益な発展形態では、カートリッジが軸方向クランプ楔を覆う屋根領域にオリフィスが設けられ、軸方向クランプ楔(より具体的には、そのセットスクリュー)を調整するために、前記オリフィスから回し工具を導入することができる。その結果として切り屑がこのオリフィスを通って軸方向クランプ楔の領域に侵入する状況を回避するために、このオリフィスは、可能な限り小さい適切な寸法とされる。特に、オリフィスは、回し工具が軸方向クランプ楔およびセットスクリューまで進むことができるのを保証する最低限の大きさに寸法を決められる。いずれにしても、オリフィスは、クランプ楔の直径よりも大幅に小さい寸法とされる。
【0014】
代替案として、同様に、一のカートリッジまたは各カートリッジの単純で素速く、かつ正確な軸方向調整を可能にするために、当該軸方向クランプ楔または各軸方向クランプ楔のセットスクリューにブローチホイールまたはセグメントの端面の一方から到達可能なように、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントを設計することが規定される。特に、ブローチホイールまたはセグメントに軸方向クランプ楔のセットスクリューを螺入するのに用いる当該穴または各穴が半径方向内側の方向に延長され、それにより、この穴は、ブローチホイールまたはセグメントの端面の一方に出る。
【0015】
ブローチホイールまたはセグメントの製造およびその設定の両方を単純化するために、一の端面切削チップ保持具または各端面切削チップ保持具を形成する、軸方向に調整可能なカートリッジが2つの端面の一方だけに配置され、それに対して、端面切削チップ保持具が、他方の端面でブローチホイールまたはセグメントに直接導入されると規定するのが好ましい。なお、各円周切削チップ保持具が、ブローチホイールまたはセグメントに直接形成されてもよい。
【0016】
本発明において、一のカートリッジまたは各カートリッジは、カートリッジの軸方向位置とは無関係に、関連する軸方向クランプ楔を完全に覆うと規定してもよい。ただし、一のカートリッジまたは各カートリッジが、(クランプ楔の半径方向外側縁部で軸方向に測定して)クランプ楔の直径の少なくとも90%にわたって、関連する軸方向クランプ楔を覆う場合でも、軸方向クランプ楔は、存在する切り屑から十分良好に保護される。
【0017】
簡便な改良型では、一のクランプ楔または各クランプ楔は、関連するカートリッジ用の単なる突き合わせ具として機能するが、カートリッジをブローチホイールまたはブローチホイールセグメントに固定する働きはしない。その代わりに、簡便な改良型では、この固定は、ブローチホイールの接線方向でカートリッジに作用し、取り付けた状態で、ブローチホイールまたはセグメントの対向する突き合わせ具との間でこのカートリッジを支持するさらなるクランプ楔によって行われる。
【0018】
ブローチホイールセグメントの場合、軸方向と同様に、接線方向もブローチホイールにセグメントを意図した通りに取り付けた状態に適用する。接線方向でカートリッジに作用する一のクランプ楔または各クランプ楔は、このクランプ楔を上記の軸方向クランプ楔から限定するために「接線方向クランプ楔」と称される。
【0019】
本発明において、ブローチホイールは一体化して形成されてよいし、または、適切な場合、複数の交換可能なセグメントを含んでもよい。本発明の好ましい改良型では、ブローチホイールは、中心にある基本本体と、基本本体に取り付け可能であるか、または中央基本本体に取り付けられ、上記の方法で形成されるリング形状セグメントとを含む。リングの形態の閉じた単一セグメントの代わりに、それぞれがリングセグメントの形態の複数のセグメントを設けてもよく、そのセグメントの少なくとも1つは上記の方法で形成される。
【0020】
本発明の例示的な実施形態が、図面を用いて以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】部分的に取り付けられた状態の回転/回転ブローチ工具用のブローチホイールセグメントの斜視図を示している。
【図2】部分的に取り付けられた状態の回転/回転ブローチ工具用のブローチホイールセグメントの斜視図を示している。
【図3】部分的に取り付けられた状態の回転/回転ブローチ工具用のブローチホイールセグメントの部分の斜視図を示している。
【図4】図1〜図3によるブローチホイールセグメントの円周面の平面図である。
【図5】ブローチホイールセグメントを図4に示すV−V位置で切断した断面を示している。
【図6】ブローチホイールセグメントを図5に示すVI−VI位置で切断した断面を示している。
【図7】図1〜6によるブローチホイールセグメントの端面の平面図である。
【図8】ブローチホイールセグメントに挿入可能で、切削チップを軸方向に調整可能に保持するカートリッジと、カートリッジを軸方向に調整および固定するための2つのクランプ楔の斜視図を示している。
【図9】ブローチホイールセグメントの第2の実施形態の図4に準じた図を示している。
【図10】ブローチホイールの基本本体上で取り付けた状態にあるブローチホイールセグメントを図9に示すX−X位置で切断した断面を示している。
【図11】さらなる実施形態のブローチホイールの図10に準じた図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜9は、回転/回転ブローチ工具用のブローチホイール2のセグメント1を細部の形態で示している。
【0023】
なお、すべての図において、互いに相当する部品には、同じ参照符号が常に付与される。
【0024】
環状セグメント1の半径方向外側面は円周面3と称される。この円周面3上で、セグメント1は複数の切削チップ保持具4を備え、8つの要素の割り出し可能な切削チップ5は各保持具4に挿入することができ、これらの切削チップ5の正方形のベース部は、いずれの場合も、円周面3に対してほぼ平行に向けられる。図1、図2、図4〜6、および図7は、割り出し可能な切削チップ5が挿入されたセグメント1を示している。図3は、切削チップ5が外された2つの保持具4を示している。
【0025】
特に図4から明らかなように、切削チップ5は、円周面3の範囲内だけに配置され、したがって、この円周面3を越えて横に突出しないように保持具4に配置される。したがって、切削チップ5は、円周切削チップと称される。保持具4は、相応して円周切削チップ保持具とも称される。
【0026】
横方向で円周面3に隣接するセグメント1の面は、端面6、7と称される。端面6の円周に近い領域では、割り出し可能なさらなる切削チップ9用の複数の切削チップ保持具8がセグメント1に設けられている。同様に、割り出し可能なさらなる切削チップ9用の複数の切削チップ保持具10も、円周面3に隣接する端面7の領域に配置されている。いずれの場合も保持具8、10に挿入可能である、割り出し可能な切削チップ9は、細長い、2つの要素の割り出し可能な切削チップであり、この切削チップは、端面6、7に対してほぼ平行に向けられて、切削チップの長方形のベース部で保持部8、10に固定される。したがって、割り出し可能な切削チップ9は端面切削チップと称される。保持具8、10は、相応して端面切削チップ保持具と称される。
【0027】
図1〜7は、単なる細部としてセグメント1を示している。実際には、セグメント1は、ブローチホイール2の円周全体に延びる環状に閉じた形態を有する。この場合に、図1〜7に示す切削チップ保持具4、8、10の順番は、同型の繰り返しパターンでセグメント1の円周のまわりに周期的に連続する。
【0028】
円周切削チップ保持具4と同様に、端面7に導入された保持具10もセグメント1に直接的に、したがって、ブローチホイール2に直接的に形成されている。これとは対照的に、各保持具8は、セグメント1の形状に合わせた凹部12に挿入体として挿入できる、割り当てられたカートリッジ11に形成されている。
【0029】
セグメント1に対してカートリッジ11の軸方向位置を調整するために、各カートリッジ11は、関連するセットスクリュー14を用いて凹部12の底部にある穴15にねじ留めされる軸方向クランプ楔13を割り当てられる。この場合に、クランプ楔13は、凹部12内のカートリッジ11の軸方向押し込み深さを制限する突き合わせ具として機能する。各カートリッジ11に割り当てられ、割り当てられたセットスクリュー17を用いて凹部12の縁部の割り当てられた穴18にねじ留めされるそれぞれのさらなる接線方向クランプ楔16は、カートリッジ11をセグメント1に固定する働きをする。クランプ楔16がねじ留めされると、この場合に、カートリッジ11は、クランプ楔16とセグメント1の対向する突き合わせ面19(図5)との間でクランプされる。
【0030】
特に、図6および図8から明らかなように、カートリッジ11が挿入されると、各軸方向クランプ楔13は、カートリッジ11の凹部20に収容される。この凹部20は、屋根領域21によって円周面3の方向に閉鎖されている。したがって、カートリッジ11が挿入されると、関連する軸方向クランプ楔13は、カートリッジ11の屋根領域21によって、円周面3の方向に完全に、または少なくとも事実上完全に覆いをされる。
【0031】
上記の本発明の第1の実施形態では、カートリッジ11の屋根領域21は、円周面3の方向に完全に閉鎖される。したがって、カートリッジ11が導入されると、軸方向クランプ楔13およびそのセットスクリュー14は、もはや円周面3から到達することができない。それでもなお、カートリッジ11を取り外す必要なしに、クランプ楔13を調整できるように、この実施形態では、セットスクリュー14に割り当てられた穴15が、セットスクリュー14を螺入するのに必要な深さを越えて延長されて、セグメント1の内側面22に出ており、適切な回し工具、例えば、ねじ回し、または六角レンチを用いて、内側面22からセットスクリュー14に達することができる。
【0032】
図9および図10は、セグメント1の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態は、別途以下に説明した部分を除き、上記の改良型と同一である。
【0033】
上記の改良型とは反対に、図9および図10による改良型では、オリフィス23が、各カートリッジ11の屋根領域21に導入され、回し工具は、円周面3から前記オリフィスを通ってセットスクリュー14に到達することができる。この場合に、オリフィス23は、回し工具の直径に合わされる。特に、前記オリフィスは、回し工具がまだかろうじて通ることができる程度に狭い大きさとされる。したがって、オリフィス23は、半径方向上側端部で軸方向に測定して、軸方向クランプ楔13の直径よりも明らかに小さい直径を有する。
【0034】
セットスクリュー14には、円周面3からオリフィス23を通って到達できるので、図9および図10による改良型では、穴15は止まり穴として設計することができ、相応して、その半径方向内側端部で閉鎖することができる。
【0035】
図10から明らかなように、セグメント1は、その取り付けた状態において、基本本体24上で円周方向に配置され、基本本体24は、ブローチホイール2の中心部を形成し、ブローチホイール2を回転軸25のまわりに回転駆動するための駆動スピンドル26に連結されている。
【0036】
図11は、ブローチホイール2を変更した実施形態を示している。これもやはり上記の実施形態と基本的に同じである。ただし、図11によれば、ブローチホイール2が一体化して作製されている。したがって、図9および図10に示す改良型のセグメント1および基本本体24が、図11による改良型では統合されて、一体のホイール本体27を形成している。
【0037】
上記の3つの例示的な実施形態の個別の特徴は、互いに自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 セグメント
2 ブローチホイール
3 円周面
4 切削チップ保持具
5 割り出し可能な切削チップ
6 端面
7 端面
8 切削チップ保持具
9 割り出し可能な切削チップ
10 切削チップ保持具
11 カートリッジ
12 凹部
13 軸方向クランプ楔
14 セットスクリュー
15 穴
16 接線方向クランプ楔
17 セットスクリュー
18 穴
19 突き合わせ面
20 凹部
21 屋根領域
22 内側面
23 オリフィス
24 基本本体
25 回転軸
26 駆動スピンドル
27 ホイール本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段による、加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具に関する。一般的な工具は、国際公開第2009/135555A1号パンフレットから公知である。
【背景技術】
【0002】
回転/回転ブローチ工具は、特に、クランクシャフトの機械加工に使用される。そのような回転/回転ブローチ工具は、基本的に、円周面および円周面に隣接する端面の領域に、切削チップが取り付けられたディスク形状のブローチホイールによって形成される。この場合に、回転/回転ブローチ工具のブローチホイールは通常その軸のまわりに高速回転で作動され、低速で回転する加工物に向かって、ブローチホイールの軸に対して直角方向に進む。ただし、この原則的な手法とは反対に、ブローチホイールを低速で回転させ、加工物を高速で回転させることも可能である。
【0003】
ブローチホイールは、一体化して作製することができる。特許文献1から公知のブローチホイールは、これとは異なり、交換可能な複数のセグメントから形成される。この場合に、これらのセグメントの1つは、交換可能な切削チップが挿入され得る、または挿入された3つの切削チップ保持具を担持する。(円周上の)切削チップ保持具は、ブローチホイールの円周面上で中央に配置される。他の2つの切削チップ保持具は、この円周上の切削チップ保持具に対して互いに軸方向反対側にずれており、これらの他の2つの切削チップ保持具のそれぞれは、いずれの場合も、ブローチホイールの2つの端面のそれぞれ一方に隣接する。
【0004】
これらの2つの端面の切削チップ保持具は、ブローチホイールセグメントに直接形成されるのではなくて、その代わりに、いずれの場合も、ブローチホイールセグメントに対してブローチホイールの軸方向に調整可能なカートリッジに形成される。
【0005】
この場合に、これらの2つのカートリッジは、いずれの場合も、クランプ楔を用いて軸方向に調整される。この場合に、これらの2つのクランプ楔およびそれぞれに付属するセットスクリューは、簡単な調整を可能にするために、ブローチホイールの円周面から自由に到達することができる。一方、これの欠点は、クランプ楔およびそれらのセットスクリューが、この領域にある切り屑に起因する苛酷な負荷を受けることである。特に、クランプ楔およびセットスクリューは、存在する切り屑によってしばしば動きを妨げられるようになり、その結果として、カートリッジのさらなる再調整が妨害されるか、または不可能になることさえある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/135555A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が根底にもつ目的は、この問題に関して改良された、加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具を規定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を用いて達成される。結果的に、工具は、ブローチホイールまたはそのようなブローチホイールの少なくとも1つのセグメントを含む。この場合に、切削チップ用の少なくとも1つの切削チップ保持具が、いずれの場合も、ブローチホイールまたはセグメントの円周面に隣接する、ブローチホイールまたはセグメントの端面の領域に配置される。これらの切削チップ保持具は、挿入された切削チップが、少なくとも、ブローチホイールのそれぞれ割り当てられた端面で切削するように配置される。したがって、上記の切削チップ保持具は、以下に「端面切削チップ保持具」と称される。これらの端面切削チップ保持具に加えて、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントは、必要に応じて、関連する切削チップを2つの端面から距離を置いて挿入してもよく、これは、以下に「円周切削チップ保持具」と称される、少なくとも1つのさらなる切削チップ保持具をその上に配置されて有する。
【0009】
ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントの2つの端面の少なくとも一方に配置された切削チップ保持具または各切削チップ保持具は、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントに直接形成されるのではなく、その代わりに、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントに対して軸方向に調整可能なカートリッジに形成される。
【0010】
この場合に、「軸方向」とは、ブローチホイールの回転軸に対して平行に向けられた方向である。ブローチホイールセグメントの場合、軸方向の定義は、ブローチホイールにセグメントを取り付けた状態に適用する。ブローチホイールセグメントの場合、「円周面」および「端面」という用語は、同様にセグメントを取り付けた状態に適用する。したがって、これらの面は、セグメントの「円周面」および「端面」と称され、セグメントを取り付けた状態のブローチホイールの円周面および端面に位置する。
【0011】
調整、しかも軸方向の調整の場合、当該カートリッジまたは各カートリッジは、軸方向でカートリッジに作用し、したがって、以下に「軸方向クランプ楔」と称されるクランプ楔を割り当てられる。本発明によれば、一のカートリッジまたは各カートリッジは、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントの円周面の方向に、関連する軸方向クランプ楔を少なくとも部分的に覆うように設計される。好ましい改良型では、このために、一のカートリッジまたは各カートリッジは屋根状突起を有し、この屋根状突起を用いて、関連する軸方向クランプ楔およびそのセットスクリューを取り付けられた状態において完全に、または部分的に覆うように押し付けられる。
【0012】
本発明に従って一のカートリッジまたは各カートリッジを設計することにより、関連する軸方向クランプ楔およびそのセットスクリューが、ブローチホイールの円周面上で覆いのないまま保護されない状態に置かれる状況が、簡易な方法で防止される。したがって、ブローチ作業時に、発生する切り屑によって軸方向クランプ楔が圧力を受けること、およびその移動を妨害されることを確実に阻止する。
【0013】
当該軸方向クランプ楔または各軸方向クランプ楔が隠されるという事実にもかかわらず、関連するカートリッジの単純で素速く、かつ正確な軸方向の調整を確実にするために、本発明の有益な発展形態では、カートリッジが軸方向クランプ楔を覆う屋根領域にオリフィスが設けられ、軸方向クランプ楔(より具体的には、そのセットスクリュー)を調整するために、前記オリフィスから回し工具を導入することができる。その結果として切り屑がこのオリフィスを通って軸方向クランプ楔の領域に侵入する状況を回避するために、このオリフィスは、可能な限り小さい適切な寸法とされる。特に、オリフィスは、回し工具が軸方向クランプ楔およびセットスクリューまで進むことができるのを保証する最低限の大きさに寸法を決められる。いずれにしても、オリフィスは、クランプ楔の直径よりも大幅に小さい寸法とされる。
【0014】
代替案として、同様に、一のカートリッジまたは各カートリッジの単純で素速く、かつ正確な軸方向調整を可能にするために、当該軸方向クランプ楔または各軸方向クランプ楔のセットスクリューにブローチホイールまたはセグメントの端面の一方から到達可能なように、ブローチホイールまたはブローチホイールセグメントを設計することが規定される。特に、ブローチホイールまたはセグメントに軸方向クランプ楔のセットスクリューを螺入するのに用いる当該穴または各穴が半径方向内側の方向に延長され、それにより、この穴は、ブローチホイールまたはセグメントの端面の一方に出る。
【0015】
ブローチホイールまたはセグメントの製造およびその設定の両方を単純化するために、一の端面切削チップ保持具または各端面切削チップ保持具を形成する、軸方向に調整可能なカートリッジが2つの端面の一方だけに配置され、それに対して、端面切削チップ保持具が、他方の端面でブローチホイールまたはセグメントに直接導入されると規定するのが好ましい。なお、各円周切削チップ保持具が、ブローチホイールまたはセグメントに直接形成されてもよい。
【0016】
本発明において、一のカートリッジまたは各カートリッジは、カートリッジの軸方向位置とは無関係に、関連する軸方向クランプ楔を完全に覆うと規定してもよい。ただし、一のカートリッジまたは各カートリッジが、(クランプ楔の半径方向外側縁部で軸方向に測定して)クランプ楔の直径の少なくとも90%にわたって、関連する軸方向クランプ楔を覆う場合でも、軸方向クランプ楔は、存在する切り屑から十分良好に保護される。
【0017】
簡便な改良型では、一のクランプ楔または各クランプ楔は、関連するカートリッジ用の単なる突き合わせ具として機能するが、カートリッジをブローチホイールまたはブローチホイールセグメントに固定する働きはしない。その代わりに、簡便な改良型では、この固定は、ブローチホイールの接線方向でカートリッジに作用し、取り付けた状態で、ブローチホイールまたはセグメントの対向する突き合わせ具との間でこのカートリッジを支持するさらなるクランプ楔によって行われる。
【0018】
ブローチホイールセグメントの場合、軸方向と同様に、接線方向もブローチホイールにセグメントを意図した通りに取り付けた状態に適用する。接線方向でカートリッジに作用する一のクランプ楔または各クランプ楔は、このクランプ楔を上記の軸方向クランプ楔から限定するために「接線方向クランプ楔」と称される。
【0019】
本発明において、ブローチホイールは一体化して形成されてよいし、または、適切な場合、複数の交換可能なセグメントを含んでもよい。本発明の好ましい改良型では、ブローチホイールは、中心にある基本本体と、基本本体に取り付け可能であるか、または中央基本本体に取り付けられ、上記の方法で形成されるリング形状セグメントとを含む。リングの形態の閉じた単一セグメントの代わりに、それぞれがリングセグメントの形態の複数のセグメントを設けてもよく、そのセグメントの少なくとも1つは上記の方法で形成される。
【0020】
本発明の例示的な実施形態が、図面を用いて以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】部分的に取り付けられた状態の回転/回転ブローチ工具用のブローチホイールセグメントの斜視図を示している。
【図2】部分的に取り付けられた状態の回転/回転ブローチ工具用のブローチホイールセグメントの斜視図を示している。
【図3】部分的に取り付けられた状態の回転/回転ブローチ工具用のブローチホイールセグメントの部分の斜視図を示している。
【図4】図1〜図3によるブローチホイールセグメントの円周面の平面図である。
【図5】ブローチホイールセグメントを図4に示すV−V位置で切断した断面を示している。
【図6】ブローチホイールセグメントを図5に示すVI−VI位置で切断した断面を示している。
【図7】図1〜6によるブローチホイールセグメントの端面の平面図である。
【図8】ブローチホイールセグメントに挿入可能で、切削チップを軸方向に調整可能に保持するカートリッジと、カートリッジを軸方向に調整および固定するための2つのクランプ楔の斜視図を示している。
【図9】ブローチホイールセグメントの第2の実施形態の図4に準じた図を示している。
【図10】ブローチホイールの基本本体上で取り付けた状態にあるブローチホイールセグメントを図9に示すX−X位置で切断した断面を示している。
【図11】さらなる実施形態のブローチホイールの図10に準じた図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜9は、回転/回転ブローチ工具用のブローチホイール2のセグメント1を細部の形態で示している。
【0023】
なお、すべての図において、互いに相当する部品には、同じ参照符号が常に付与される。
【0024】
環状セグメント1の半径方向外側面は円周面3と称される。この円周面3上で、セグメント1は複数の切削チップ保持具4を備え、8つの要素の割り出し可能な切削チップ5は各保持具4に挿入することができ、これらの切削チップ5の正方形のベース部は、いずれの場合も、円周面3に対してほぼ平行に向けられる。図1、図2、図4〜6、および図7は、割り出し可能な切削チップ5が挿入されたセグメント1を示している。図3は、切削チップ5が外された2つの保持具4を示している。
【0025】
特に図4から明らかなように、切削チップ5は、円周面3の範囲内だけに配置され、したがって、この円周面3を越えて横に突出しないように保持具4に配置される。したがって、切削チップ5は、円周切削チップと称される。保持具4は、相応して円周切削チップ保持具とも称される。
【0026】
横方向で円周面3に隣接するセグメント1の面は、端面6、7と称される。端面6の円周に近い領域では、割り出し可能なさらなる切削チップ9用の複数の切削チップ保持具8がセグメント1に設けられている。同様に、割り出し可能なさらなる切削チップ9用の複数の切削チップ保持具10も、円周面3に隣接する端面7の領域に配置されている。いずれの場合も保持具8、10に挿入可能である、割り出し可能な切削チップ9は、細長い、2つの要素の割り出し可能な切削チップであり、この切削チップは、端面6、7に対してほぼ平行に向けられて、切削チップの長方形のベース部で保持部8、10に固定される。したがって、割り出し可能な切削チップ9は端面切削チップと称される。保持具8、10は、相応して端面切削チップ保持具と称される。
【0027】
図1〜7は、単なる細部としてセグメント1を示している。実際には、セグメント1は、ブローチホイール2の円周全体に延びる環状に閉じた形態を有する。この場合に、図1〜7に示す切削チップ保持具4、8、10の順番は、同型の繰り返しパターンでセグメント1の円周のまわりに周期的に連続する。
【0028】
円周切削チップ保持具4と同様に、端面7に導入された保持具10もセグメント1に直接的に、したがって、ブローチホイール2に直接的に形成されている。これとは対照的に、各保持具8は、セグメント1の形状に合わせた凹部12に挿入体として挿入できる、割り当てられたカートリッジ11に形成されている。
【0029】
セグメント1に対してカートリッジ11の軸方向位置を調整するために、各カートリッジ11は、関連するセットスクリュー14を用いて凹部12の底部にある穴15にねじ留めされる軸方向クランプ楔13を割り当てられる。この場合に、クランプ楔13は、凹部12内のカートリッジ11の軸方向押し込み深さを制限する突き合わせ具として機能する。各カートリッジ11に割り当てられ、割り当てられたセットスクリュー17を用いて凹部12の縁部の割り当てられた穴18にねじ留めされるそれぞれのさらなる接線方向クランプ楔16は、カートリッジ11をセグメント1に固定する働きをする。クランプ楔16がねじ留めされると、この場合に、カートリッジ11は、クランプ楔16とセグメント1の対向する突き合わせ面19(図5)との間でクランプされる。
【0030】
特に、図6および図8から明らかなように、カートリッジ11が挿入されると、各軸方向クランプ楔13は、カートリッジ11の凹部20に収容される。この凹部20は、屋根領域21によって円周面3の方向に閉鎖されている。したがって、カートリッジ11が挿入されると、関連する軸方向クランプ楔13は、カートリッジ11の屋根領域21によって、円周面3の方向に完全に、または少なくとも事実上完全に覆いをされる。
【0031】
上記の本発明の第1の実施形態では、カートリッジ11の屋根領域21は、円周面3の方向に完全に閉鎖される。したがって、カートリッジ11が導入されると、軸方向クランプ楔13およびそのセットスクリュー14は、もはや円周面3から到達することができない。それでもなお、カートリッジ11を取り外す必要なしに、クランプ楔13を調整できるように、この実施形態では、セットスクリュー14に割り当てられた穴15が、セットスクリュー14を螺入するのに必要な深さを越えて延長されて、セグメント1の内側面22に出ており、適切な回し工具、例えば、ねじ回し、または六角レンチを用いて、内側面22からセットスクリュー14に達することができる。
【0032】
図9および図10は、セグメント1の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態は、別途以下に説明した部分を除き、上記の改良型と同一である。
【0033】
上記の改良型とは反対に、図9および図10による改良型では、オリフィス23が、各カートリッジ11の屋根領域21に導入され、回し工具は、円周面3から前記オリフィスを通ってセットスクリュー14に到達することができる。この場合に、オリフィス23は、回し工具の直径に合わされる。特に、前記オリフィスは、回し工具がまだかろうじて通ることができる程度に狭い大きさとされる。したがって、オリフィス23は、半径方向上側端部で軸方向に測定して、軸方向クランプ楔13の直径よりも明らかに小さい直径を有する。
【0034】
セットスクリュー14には、円周面3からオリフィス23を通って到達できるので、図9および図10による改良型では、穴15は止まり穴として設計することができ、相応して、その半径方向内側端部で閉鎖することができる。
【0035】
図10から明らかなように、セグメント1は、その取り付けた状態において、基本本体24上で円周方向に配置され、基本本体24は、ブローチホイール2の中心部を形成し、ブローチホイール2を回転軸25のまわりに回転駆動するための駆動スピンドル26に連結されている。
【0036】
図11は、ブローチホイール2を変更した実施形態を示している。これもやはり上記の実施形態と基本的に同じである。ただし、図11によれば、ブローチホイール2が一体化して作製されている。したがって、図9および図10に示す改良型のセグメント1および基本本体24が、図11による改良型では統合されて、一体のホイール本体27を形成している。
【0037】
上記の3つの例示的な実施形態の個別の特徴は、互いに自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 セグメント
2 ブローチホイール
3 円周面
4 切削チップ保持具
5 割り出し可能な切削チップ
6 端面
7 端面
8 切削チップ保持具
9 割り出し可能な切削チップ
10 切削チップ保持具
11 カートリッジ
12 凹部
13 軸方向クランプ楔
14 セットスクリュー
15 穴
16 接線方向クランプ楔
17 セットスクリュー
18 穴
19 突き合わせ面
20 凹部
21 屋根領域
22 内側面
23 オリフィス
24 基本本体
25 回転軸
26 駆動スピンドル
27 ホイール本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク形状のブローチホイール(2)またはディスク形状のブローチホイール(2)のセグメント(1)を有する、加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具であって、
切削チップ(9)に対して、切削チップ保持具(8、10)が、ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の端面(6、7)上で、ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の円周面(3)に隣接する領域に設けられ、
前記2つの端面の少なくとも一方(6)上で、前記切削チップ保持具(8)が、軸方向クランプ楔(13)を用いて前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)に対して、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の軸方向に調整可能なカートリッジ(11)として形成され、
前記カートリッジ(11)が、関連する前記軸方向クランプ楔(13)を前記円周面(3)の方向に少なくとも部分的に覆う、工具。
【請求項2】
前記カートリッジ(11)は、屋根領域(21)で、関連する前記軸方向クランプ楔(13)を越えて突出し、
前記屋根領域(21)は、前記軸方向クランプ楔(13)または割り当てられたセットスクリュー(14)を調整するために回し工具を通すことができる、前記軸方向クランプ楔(13)の直径と比較して細いオリフィス(23)を有する、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
回し工具を用いて前記軸方向クランプ楔(13)を調整するために、前記軸方向クランプ楔(13)または割り当てられたセットスクリュー(14)に、前記ブローチホイール(2)の前記端面の一方(7)から到達できる、請求項1に記載の工具。
【請求項4】
前記2つの端面の一方(6)でのみ、前記端面(6)に配置される前記切削チップ保持具(8)がカートリッジ(11)に形成され、それに対して、他方の前記端面(7)では、他方の端面(7)に配置される前記切削チップ保持具(10)が、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)に直接形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の工具。
【請求項5】
前記カートリッジ(11)は、前記軸方向に測定して、前記クランプ楔の外径の少なくとも90%にわたって、関連する前記軸方向クランプ楔(13)を覆う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の工具。
【請求項6】
前記カートリッジ(11)は、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の接線方向で前記カートリッジ(11)に作用するさらなる接線方向クランプ楔(16)を用いて、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)に固定され得る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の工具。
【請求項7】
前記ブローチホイール(2)は、中心にある基本本体(24)と、前記基本本体(24)上で円周方向に取り付け可能か、または取り付けられた、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセグメント(1)とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の工具。
【請求項1】
ディスク形状のブローチホイール(2)またはディスク形状のブローチホイール(2)のセグメント(1)を有する、加工物の回転/回転ブローチ加工または外面フライス加工用の工具であって、
切削チップ(9)に対して、切削チップ保持具(8、10)が、ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の端面(6、7)上で、ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の円周面(3)に隣接する領域に設けられ、
前記2つの端面の少なくとも一方(6)上で、前記切削チップ保持具(8)が、軸方向クランプ楔(13)を用いて前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)に対して、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の軸方向に調整可能なカートリッジ(11)として形成され、
前記カートリッジ(11)が、関連する前記軸方向クランプ楔(13)を前記円周面(3)の方向に少なくとも部分的に覆う、工具。
【請求項2】
前記カートリッジ(11)は、屋根領域(21)で、関連する前記軸方向クランプ楔(13)を越えて突出し、
前記屋根領域(21)は、前記軸方向クランプ楔(13)または割り当てられたセットスクリュー(14)を調整するために回し工具を通すことができる、前記軸方向クランプ楔(13)の直径と比較して細いオリフィス(23)を有する、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
回し工具を用いて前記軸方向クランプ楔(13)を調整するために、前記軸方向クランプ楔(13)または割り当てられたセットスクリュー(14)に、前記ブローチホイール(2)の前記端面の一方(7)から到達できる、請求項1に記載の工具。
【請求項4】
前記2つの端面の一方(6)でのみ、前記端面(6)に配置される前記切削チップ保持具(8)がカートリッジ(11)に形成され、それに対して、他方の前記端面(7)では、他方の端面(7)に配置される前記切削チップ保持具(10)が、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)に直接形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の工具。
【請求項5】
前記カートリッジ(11)は、前記軸方向に測定して、前記クランプ楔の外径の少なくとも90%にわたって、関連する前記軸方向クランプ楔(13)を覆う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の工具。
【請求項6】
前記カートリッジ(11)は、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)の接線方向で前記カートリッジ(11)に作用するさらなる接線方向クランプ楔(16)を用いて、前記ブローチホイール(2)またはセグメント(1)に固定され得る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の工具。
【請求項7】
前記ブローチホイール(2)は、中心にある基本本体(24)と、前記基本本体(24)上で円周方向に取り付け可能か、または取り付けられた、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセグメント(1)とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−187705(P2012−187705A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−55013(P2012−55013)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】
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