説明

図面管理システム、図面管理方法

【課題】図面管理システムにおいて、図面データの登録情報を、効率良く確認することができるようにする。
【解決手段】図面管理システムは、図面データを管理するためのシステムである。図面管理システムは、登録受付手段50と、登録者抽出手段51と、メール送信手段54とを、備えている。登録受付手段50は、図面データの登録を受け付ける。登録者抽出手段51は、図面データの登録者の情報を抽出する。メール送信手段54は、図面データの登録が完了した時に、登録者の情報に基づいて、登録者にメールを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図面管理システム、特に、図面データを管理するための図面管理システムに関する。また、本発明は、このシステムを実行可能な図面管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の図面管理システムでは、ユーザが、図面データを、サーバに設けられた共有フォルダに、手動で配置することによって、この図面データが、サーバに登録されるようになっていた。詳細には、ユーザが、図面データを共有フォルダに配置すると、サーバは、この共有フォルダを参照して、この共有フォルダに保存された図面データを、サーバの記録部に記録していた。なお、上記のような図面管理システムとは別に、情報処理装置のデータベース機能を利用して、図面の登録及び管理を行う図面管理システムが、開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−89181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の図面管理システムでは、図面の登録者が、図面データを共有フォルダに配置することによって、この図面データがサーバに登録されていた。しかしながら、従来の図面管理システムでは、単に図面データだけがサーバに登録されていたので、図面の登録者は、図面データがサーバに登録されたか否かを、確認することができなかった。
このように、従来の図面管理システムでは、図面データの登録情報を確認することができなかったので、図面の登録者が、図面データの登録情報を確認するためには、図面管理システムとは独立した他のシステム、例えば部品管理システム(BOMシステム;Bills of Materials System)を、その都度、起動する必要があった。しかしながら、図面の登録者は、図面データが登録されたか否かが把握できていない状況で、図面データが登録されるまでは、上記の他のシステムを繰り返し起動しなければならず、登録情報の確認作業が非常に効率の悪いものとなっていた。
【0005】
本発明の課題は、図面データの登録情報を、効率良く確認することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る図面管理システムは、図面データを管理するためのシステムである。図面管理システムは、登録受付手段と、登録者抽出手段と、メール送信手段とを、備えている。登録受付手段は、図面データの登録を受け付ける。登録者抽出手段は、図面データの登録者の情報を抽出する。メール送信手段は、図面データの登録が完了した時に、登録者の情報に基づいて、登録者にメールを送信する。
本図面管理システムでは、まず、登録受付手段において、図面データの登録が受け付けられる。次に、登録者抽出手段において、図面データの登録者の情報が抽出される。最後に、メール送信手段において、図面データの登録が完了した時に、登録者の情報に基づいて、登録者にメールが送信される。このように、本図面管理システムでは、図面データの登録完了時に、登録者にメールが送信されるので、図面の登録者は、図面データの登録が完了した事を、このメール(登録完了メール)によって把握することができる。言い換えると、登録者は、登録完了メールを受信していない状態では、図面データの登録が未完であると、判断することができる。このように、本図面管理システムでは、図面データの登録情報を、効率良く確認することができる。
【0007】
本図面管理システムは、図面データの登録中に異常が発生したことを把握する異常把握手段を、さらに備えていてもよい。この場合、メール送信手段は、異常発生時に登録者にメールを送信する。これにより、図面データの登録中に異常が発生した場合、登録者は、図面データの登録時の異常を、メールによって把握することができる。
【0008】
本図面管理システムは、図面データの登録中に異常が発生したことを把握する異常把握手段を、さらに備えていてもよい。この場合、メール送信手段は、異常発生時に、予め登録されたシステム管理者に、メールを送信する。これにより、図面データの登録中に異常が発生した場合、システム管理者は、図面データの登録時の異常を、メールによって把握することができる。
【0009】
本図面管理システムは、登録情報管理手段と、アクセス手段とを、さらに備えていてもよい。登録情報管理手段は、登録情報を管理する。アクセス手段は、登録情報にアクセスする。この場合、登録情報管理手段において登録情報が管理されている状態において、登録者は、アクセス手段を用いて、登録情報にアクセスすることができる。このように、本図面管理システムでは、図面データの登録情報を、容易に確認することができる。
【0010】
本発明の一見地に係る図面管理方法は、図面データを管理するための図面管理方法である。図面管理方法は、登録受付ステップと、登録者抽出ステップと、メール送信ステップとを備えている。登録受付ステップは、図面データの登録を受け付ける。登録者抽出ステップは、図面データの登録者の情報を抽出する。メール送信ステップは、図面データの登録が完了した時に、登録者の情報に基づいて、登録者にメールを送信する。
【発明の効果】
【0011】
本図面管理システムでは、図面データの登録情報を、効率良く確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図面管理システムの概略構成を示す図。
【図2】図面管理システムにおける各端末の基本構成を示す図。
【図3】図面管理システムにおける機能ブロック図。
【図4】登録画面を示す図。
【図5】検索画面を示す図。
【図6】図面管理システムのフロー。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)図面管理システムを構成する装置の説明
・全体構成
図面管理システム1は、図面データを管理するためのシステムである。ここでは、図面管理システム1を構成する各装置について、説明する。図面管理システム1は、図1に示すように、例えば、サーバ10と、クライアント20と、外部記録装置30とを、有している。サーバ10とクライアント20とは、ネットワーク7を介して接続されている。ネットワーク7には、LAN(Local Area Network)などの内部ネットワークが、用いられている。サーバ10と外部記録装置30とは、ネットワーク8を介して接続されている。ネットワーク8には、LAN(Local Area Network)などの内部ネットワークが、用いられている。
【0014】
まず、サーバ10、クライアント20、及び外部記録装置30の概要を説明する。
サーバ10は、管理サーバ11と、第1処理サーバ12と、第2処理サーバ13とを、有している。管理サーバ11、クライアント20、第1処理サーバ12、及び第2処理サーバ13に対して、各種のサービスを提供する。例えば、管理サーバ11は、クライアント20からの要求に応じて、各種の処理を実行する。また、管理サーバ11は、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13に対して、各種の処理を指示する。なお、管理サーバ11と、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13とは、ネットワーク9例えばLAN(Local Area Network)などの内部ネットワークを介して、データを送受信する。
【0015】
クライアント20は、図面を登録する登録者が操作する端末である。クライアント20は、登録者が図面の登録に関する情報を入力したときに、この入力情報に基づいて、図面の登録処理を、実行する。また、クライアント20は、登録者が、図面の確認に関する情報を入力したときに、この入力情報に基づいて、図面の確認処理を、実行する。さらに、クライアント20は、ネットワーク7を介して、データを送受信する。
外部記録装置30は、例えばデータベースであり、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の少なくともいずれか一方によって処理されたデータを、記録する。外部記録装置30と、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13とは、ネットワーク8を介して、データを送受信する。
【0016】
・各装置の構成
次に、サーバ10(11,12,13)、クライアント20、及び外部記録装置30の構成を示す。図2に示すように、サーバ10(11,12,13)、クライアント20、及び外部記録装置30それぞれは、記録部10a,20a,30a、制御部10b,20b,30b、画像制御部10c,20c,30cと、通信部10d,20d,30dと、入力部10e,20e,30eとを、有している。
記録部10a,20a,30aは、各種のデータを記憶する。例えば、記録部10a,20a,30aは、基本プログラム、基本データ、基本パラメータ、各種のプログラム(基本プログラムを除く)、各種のデータ(基本データを除く)、及び処理中のデータ等を、一時的及び/又は長期的に記憶する。記録部10a,20a,30aは、例えば、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、補助記録装置例えばハードディスクを含んでいる。
【0017】
制御部10b,20b,30bは、各種処理を制御する。制御部10b,20b,30bでは、制御及び計算に関するプログラムを、記録部10a,20a,30aから読み出すことによって、各種制御及び各種計算を行い、これらの結果を記録部10a,20a,30aに記録する。また、制御部10b,20b,30bは、各種の画像制御及び画像処理を行い、これらの結果を記録部10a,20a,30aに記録する。制御部10b,20b,30bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を、含んでいる。
画像制御部10c,20c,30cは、画像の表示に関する処理を行う。画像制御部10c,20c,30cは、例えば、ディスプレイを、含んでいる。画像制御部10c,20c,30cは、制御部10b,20b,30bにおいて制御及び処理された画像を、静止画及び/又は動画として、ディスプレイに出力する。なお、画像データは、記録部10a,20a,30aに記録されており、適宜、記録部10a,20a,30aから読み出される。
【0018】
通信部10d,20d,30dは、端末の通信接続に関する制御を、実行する。通信部10d,20d,30dは、制御部10b,20b,30bからの命令に応じて、本端末を他の端末に接続するための接続信号を、制御し発信する。また、通信部10d,20d,30dは、制御部10b,20b,30bからの命令に応じて、本端末から他の端末へと各種のデータを送信するための送信信号を、制御し発信する。
入力部10e,20e,30eは、種々の入力命令を制御する。入力部10e,20e,30eは、例えば、キーボード及びマウスを、含んでいる。入力部10e,20e,30eは、操作者がキーボード及びマウスを用いて様々な命令を入力したときに、入力信号を発行する。すると、この入力信号に対応する処理が、制御部10b,20b,30b、記録部10a,20a,30a、画像制御部10c,20c,30c、及び通信部10d,20d,30dの少なくともいずれか1つにおいて、実行される。
【0019】
(2)図面管理システムの各種機能の説明
ここでは、図面管理システム1の制御において、図3を参照して、主たる役割を果たす機能について、説明する。
【0020】
サーバ10は、登録受付手段50と、登録者抽出手段51と、登録情報管理手段52と、異常把握手段53と、メール送信手段54とを有している。
登録受付手段50は、図面データの登録を受け付ける手段である。登録受付手段50は、クライアント20から図面の登録要求を受け付ける。また、登録受付手段50は、クライアント20から受信した登録データを、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方に、振り分ける。登録データには、登録者のID番号と図面データとが、含まれている。登録受付手段50は、管理サーバ11において実行される。
【0021】
登録者抽出手段51は、図面データの登録者の情報を抽出する手段である。登録者抽出手段51は、登録データ(登録者のID番号、図面データ)の中から、登録者のID番号を検出する。また、登録者抽出手段51は、登録者のID番号に基づいて、登録者の情報を検出する。ここでは、例えば、登録者のID番号と登録者の情報との対応関係を示す対応テーブルが、参照され、この対応テーブルに基づいて、登録者のID番号に対応する登録者の情報が、検出される。対応テーブルは、例えば外部記録装置30に格納されている。登録者の情報には、登録者のメールアドレス及び登録者の名前等が、含まれている。登録者抽出手段51は、管理サーバ11から登録データを受信した処理サーバ12,13において、実行される。
なお、登録者抽出手段51において登録者の情報が抽出された後、図面に関する登録情報、例えば登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データが、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方の記録部10a,20a,30a例えばハードディスクに、記録された時を、登録完了時と定義している。
【0022】
登録情報管理手段52は、図面に関する登録情報を管理する手段である。登録情報管理手段52は、図面に関する登録情報、例えば登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを、管理する。図面に関する登録情報は、管理サーバ11から登録データを受信した処理サーバ12,13の記録部10a,20a,30a例えばハードディスクに格納されている。
また、登録情報管理手段52は、管理サーバ11がクライアント20からアクセス要求を受けたときに、クライアント20に対して、図面に関する登録情報を送信する処理を、管理サーバ11に依頼する。すると、管理サーバ11は、図面に関する登録情報を送信する。これにより、登録者は、クライアント20において、図面に関する登録情報を確認することができる。
【0023】
さらに、登録情報管理手段52は、図面に関する登録情報、例えば登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを、外部記録装置30に送信する。例えば、登録情報管理手段52は、図面データを、所定のフォーマットのデータ例えばPDF形式(Portable Document Format)のデータに、変換する。そして、登録情報管理手段52は、変換後の図面データに、登録者のID番号及び登録者の情報を関連付けて、所定の時間間隔で、外部記録装置30に送信する。
なお、上記の登録情報管理手段52は、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13において、実行される。
【0024】
異常把握手段53は、図面データの登録中に異常が発生したことを、把握する手段である。異常把握手段53は、図面データの登録中に異常が発生した場合、登録異常を示すフラグを設定する。異常把握手段53は、例えば、登録時に異常が発生した処理サーバを区別可能なフラグデータF(I)に1を割り当てることによって、図面データの登録異常を認識する。異常把握手段53は、管理サーバ11において、実行される。
例えば、フラグデータF(I)の初期値は0に設定されている。ここで、第1処理サーバ12に異常が発生した場合は、フラグデータF(1)に1が割り当てられる。また、第2処理サーバ13に異常が発生した場合は、フラグデータF(2)に1が割り当てられる。これにより、管理サーバ11は、フラグデータF(I)に基づいて、どの処理サーバ12,13に異常が発生したか否かを、判断することができる。
【0025】
メール送信手段54は、図面データの登録が完了した時に、登録者の情報に基づいて、登録者にメールを送信する手段である。このメール送信手段54は、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方が、図面データの登録を完了したときに、登録者の情報に基づいて、クライアント20、例えば登録者のメールアドレスに、登録完了メールを送信する。
また、メール送信手段54は、図面データの登録時に異常が発生した時に、登録者及び予め登録されたシステム管理者の少なくともいずれか一方に、メールを送信する手段である。このメール送信手段54は、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方において図面データを登録している時に異常が発生した場合、クライアント20、例えば登録者の情報に含まれる登録者のメールアドレス、及び予め登録されたシステム管理者のメールアドレスの少なくともいずれか一方に、異常発生メールを送信する。より具体的には、メール送信手段54は、フラグデータF(I)を参照して、フラグデータF(I)が1である場合に、登録者の情報に含まれる登録者のメールアドレス、及び予め登録されたシステム管理者のメールアドレスの少なくともいずれか一方に、異常発生メールを送信する。
【0026】
なお、メール送信手段54は、管理サーバ11において実行される。登録者及びシステム管理者が異なる端末を利用しており、登録者用の端末及びシステム管理者用の端末において登録者及びシステム管理者がメールを受信する場合は、クライアント20という文言は、登録者用のクライアント及びシステム管理者用のクライアントから構成される2台のクライアントを、示す。
【0027】
クライアント20は、登録入力手段60と、メール受信手段61と、アクセス手段62とを有している。
登録入力手段60は、図面を登録する手段である。登録入力手段60は、登録者が入力部20e例えばキーボードから、図面の登録に関する情報を入力したときに、この入力情報に基づいて、サーバ10例えば管理サーバ11に、図面の登録を要求する。図面の登録に関する情報は、図4に示すように、登録者のID番号と、登録用の図面データを示すファイル名とを、含んでいる。この場合、登録者のID番号と登録用の図面データとを含む登録データが、クライアント20から、サーバ10例えば管理サーバ11に送信される。
メール受信手段61は、メールを受信する手段である。メール受信手段61は、サーバ10例えば管理サーバ11から送信されたメールを、受信する。このメールは、登録の完了を報知する登録完了メールや、登録時の異常の発生を報知する異常発生メール等が、含まれる。
【0028】
アクセス手段62は、登録情報にアクセスする手段である。アクセス手段62は、登録者が入力部20e例えばキーボードから、図面に関する情報を入力したときに、この入力情報に基づいて、サーバ10例えば管理サーバ11に、登録情報管理手段52において管理中の管理情報へのアクセスを要求する。図面に関する情報は、図5に示すように、例えば、登録者のID番号、登録者の情報(登録者の名前等)、及び図面データのファイル名等を、含んでいる。
外部記録装置30は、データ記録手段70を有している。
データ記録手段70は、例えばハードディスクであり、サーバ10から受信したデータを記録する。データ記録手段は、例えば、登録情報管理手段52から送信された図面に関する登録情報を、記録する。
【0029】
(3)図面管理システムの処理及びその方法
ここでは、図6を参照して、図面管理システム1の処理及びその方法について、説明する。以下に示す、サーバ10、クライアント20、及び外部記録装置30それぞれにおける各種の処理は、特に記載しない限り、各装置の制御部10b,20b,30bによって実行される。また、サーバ10、クライアント20、及び外部記録装置30それぞれにおける各種データは、特に記載しない限り、各装置の記録部10a,20a,30aに記録される。さらに、サーバ10、クライアント20、及び外部記録装置30それぞれにおける各種の入力処理は、特に記載しない限り、各装置の入力部10e,20e,30eにおいて実行される。
【0030】
まず、図4に示す登録画面において、登録者が、例えばクライアント20のキーボードやマウスを用いて、図面の登録に関する情報、例えば登録者のID番号及びファイル名を入力し、OKボタンを押すと(S1)、登録者のID番号及びファイル名に対応する登録用の図面データ(登録データ)が、クライアント20から管理サーバ11に送信される(S2)。なお、図面データは、クライアント20の記録部20a例えばハードディスクに記録されている。
次に、管理サーバ11が、登録データを受信すると(S101)、管理サーバ11は、クライアント20から受信した登録データを、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方に、振り分ける(S102)。具体的には、管理サーバ11は、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の作業プロセスを、監視している。そして、管理サーバ11は、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の中で処理負荷の低い方の処理サーバに対して、登録データを送信する。
【0031】
続いて、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方が、登録データを受信すると、登録データを受信した処理サーバ12,13(以下では、登録処理サーバと呼ぶ)は、登録者のID番号及び図面データを含む登録データから、登録者のID番号を検出する。登録処理サーバは、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方であるので、以下では、登録処理サーバの符号は、「12,13」とする。続いて、登録処理サーバ12,13は、登録者のID番号と登録者の情報との対応関係を示す対応テーブルに基づいて、登録者のID番号に対応する、登録者の情報(登録者のメールアドレス及び登録者の名前等)を、検出する(S103)。このようにして、登録処理サーバ12,13は、図面データの登録者の情報を抽出する。
【0032】
続いて、登録処理サーバ12,13は、図面に関する登録情報、例えば登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の記憶部に、記録する(S104)。すると、登録処理サーバ12,13は、クライアント20、例えば登録者のメールアドレスに、図面データの登録完了を示す登録完了メールを、送信する(S105)。そして、クライアント20において登録完了メールが受信されると(S3)、この登録完了メールによって、登録者は、サーバ10における登録処理が完了したことを把握することができる。
【0033】
続いて、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、図面に関する登録情報、例えば登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを、管理する。例えば、登録処理サーバ12,13において処理された登録者のID番号及び登録者の情報と、図面データとは、上記のステップ104(S104)において、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の記憶部に、格納されている。この状態において、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを互いに関連付けて管理する(S106)。
【0034】
より具体的には、ここで管理される、登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを一連の関連データとして認識するための第1認識テーブルを、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は作成する。これにより、図面に関する複数の登録情報が、繰り返し登録されても、この第1認識テーブルに基づいて、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、これら複数の登録情報を識別することができる。
【0035】
続いて、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、図面に関する登録情報、例えば登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データを、外部記録装置30に送信する(S107)。例えば、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、図面データを、所定のフォーマットのデータ例えばPDF形式(Portable Document Format)のデータに、変換する。そして、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、登録者のID番号、登録者の情報、及び変換後の図面データを一連の関連データとして認識するための第2認識テーブルを作成する。そして、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、登録者のID番号、登録者の情報、変換後の図面データ、及び第2認識テーブルを、所定の時間間隔で、外部記録装置30に送信する。
【0036】
続いて、外部記録装置30が、登録者のID番号、登録者の情報、変換後の図面データ、及び第2認識テーブルを受信すると(S201)、外部記録装置30は、登録者のID番号、登録者の情報、変換後の図面データ、及び第2認識テーブルを、バックアップデータとして、データ記録手段70例えばハードディスクに記録する(S202)。
上記のような登録処理が、第1処理サーバ12、及び第2処理サーバ13において実行されている間では、登録処理に異常が発生したか否かが、管理サーバ11において監視されている(S108)。そして、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の少なくともいずれか1つのサーバにおいて、登録時に異常が発生した場合(S108でYes)、管理サーバ11は、クライアント20に異常発生メールを送信する(S109)。
【0037】
具体的には、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の少なくともいずれか1つのサーバにおいて、登録時に異常が発生した場合、管理サーバ11は、登録異常を示すフラグを、設定する。例えば、処理サーバ12,13において登録時に異常が発生した場合、フラグデータF(I)には、1が割り当てられる。ここで、Iは1又は2である。すると、管理サーバ11は、フラグデータF(I)を参照して、このフラグデータF(I)が1である場合に、登録者のメールアドレス及び予め登録されたシステム管理者のメールアドレスに、登録時の異常を示す異常発生メールを、送信する。
そして、クライアント20において異常発生メールが受信されると(S4)、この異常発生メールによって、登録者やシステム管理者は、サーバ10における登録処理中に異常が発生したことを把握することができる。システム管理者のメールアドレスは、サーバ10例えば管理サーバ11に予め登録されている。
【0038】
ここで、システム管理者の異常発生メールには、異常が発生した処理サーバ12,13の名前が、示されている。これにより、システム管理者は、どの処理サーバ12,13に異常が発生したかを把握することができる。異常が発生した処理サーバ12,13は、フラグデータF(I)のIの値が1であるか2であるかによって、管理サーバ11によって判断される。
なお、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13の少なくともいずれか1つのサーバにおいて、登録時に異常が発生しなかった場合(S108でNo)、後述するステップ110(S110)の処理が、実行される。
【0039】
さらに、管理サーバ11は、クライアント20からのアクセス要求を、監視している(S110)。例えば、図5に示す検索画面において、登録者が、例えばクライアント20のキーボードやマウスを用いて、図面に関する情報(検索情報)、例えば登録者のID番号、登録者の情報(登録者の名前等)、及び図面データのファイル名の少なくともいずれか1つの情報を入力し(S5)、OKボタンを押すと、クライアント20は、アクセス要求、及び検索情報を管理サーバ11に送信する(S6)。
そして、管理サーバ11がクライアント20からアクセス要求を受けると(S110でYes)、管理サーバ11は、クライアント20から受信した検索情報(登録者のID番号、登録者の情報、図面データのファイル名)を、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13に送信する。すると、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13は、検索情報に基づいて、この検索情報に対応する登録情報を検索する(S111)。
【0040】
そして、この情報に対応する登録情報が検出された場合、この登録情報が、この登録情報が検出された処理サーバ12,13(第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方)から、管理サーバ11へと送信される。すると、管理サーバ11は、この登録情報をクライアント20へと送信する(S112)。すると、クライアント20では、この登録情報に基づいて、登録者のID番号、登録者の情報、及び図面データが、ディスプレイに表示される(S8)。これにより、登録者は、クライアント20において、図面に関する登録情報を、確認することができる。
なお、管理サーバ11がクライアント20からのアクセス要求を受信していない状態では(S110でNo)、ステップ101(S101)の登録データを待機している。
【0041】
(4)特徴
上記実施形態は、下記のように表現可能である
本発明の一見地に係る図面管理システム1は、図面データを管理するためのシステムである。図面管理システム1は、登録受付手段50と、登録者抽出手段51と、メール送信手段54とを、備えている。登録受付手段50は、図面データの登録を受け付ける。登録者抽出手段51は、図面データの登録者の情報を抽出する。メール送信手段54は、図面データの登録が完了した時に、登録者にメールを送信する。
【0042】
本図面管理システム1では、まず、登録受付手段50において、図面データの登録が受け付けられる。次に、登録者抽出手段51において、図面データの登録者の情報が抽出される。最後に、メール送信手段54において、図面データの登録が完了した時に、登録者にメールが送信される。このように、本図面管理システム1では、図面データの登録完了時に、登録者にメールが送信されるので、図面の登録者は、図面データの登録が完了した事を、このメール(登録完了メール)によって把握することができる。言い換えると、登録者は、登録完了メールを受信していない状態では、図面データの登録が未完であると、判断することができる。このように、本図面管理システム1では、図面データの登録情報を、効率良く確認することができる。
【0043】
本図面管理システム1は、図面データの登録中に異常が発生したことを把握する異常把握手段53を、さらに備えていてもよい。この場合、メール送信手段54は、異常発生時に登録者にメールを送信する。これにより、図面データの登録中に異常が発生した場合、登録者は、図面データの登録時の異常を、メールによって把握することができる。
【0044】
本図面管理システム1は、図面データの登録中に異常が発生したことを把握する異常把握手段53を、さらに備えていてもよい。この場合、メール送信手段54は、異常発生時に、予め登録されたシステム管理者に、メールを送信する。これにより、図面データの登録中に異常が発生した場合、システム管理者は、図面データの登録時の異常を、メールによって把握することができる。
【0045】
本図面管理システム1は、登録情報管理手段52と、アクセス手段62とを、さらに備えていてもよい。登録情報管理手段52は、登録情報を管理する。アクセス手段62は、登録情報にアクセスする。この場合、登録情報管理手段52において登録情報が管理されている状態において、登録者は、アクセス手段62を用いて、登録情報にアクセスすることができる。このように、本図面管理システム1では、図面データの登録情報を、容易に確認することができる。
【0046】
(5)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
(a)前記実施形態では、1つの図面データを登録する場合を一例として説明したが、複数の図面データを同時に登録するようにしても良い。
(b)前記実施形態では、図面データの登録中の異常を把握する処理が管理サーバ11において実行される場合の例を示したが、異常把握処理は他のサーバによって実行されるようにしてもよい。例えば、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか一方のサーバが、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13のいずれか他方のサーバで発生した図面データの登録異常を把握する処理を、実行するようにしてもよい。また、第1処理サーバ12及び第2処理サーバ13それぞれが、自らのサーバ12,13で発生した図面データの登録異常を把握する処理を、実行するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、図面データを管理するための図面管理システムに広く用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 サーバ
11 管理サーバ
12 第1処理サーバ
13 第2処理サーバ
20 クライアント
30 外部記録装置
50 登録受付手段
51 登録者抽出手段
52 登録情報管理手段
53 異常把握手段
54 メール送信手段
60 登録入力手段
61 メール受信手段
62 アクセス手段
70 データ記録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面データを管理するための図面管理システムであって、
前記図面データの登録を受け付ける登録受付手段と、
前記図面データの登録者の情報を抽出する登録者抽出手段と、
前記図面データの登録が完了した時に、前記登録者の情報に基づいて、前記登録者にメールを送信するメール送信手段と、
を備える図面管理システム。
【請求項2】
前記図面データの登録中に異常が発生したことを把握する異常把握手段、
をさらに備え、
前記メール送信手段は、異常発生時に前記登録者にメールを送信する、
請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項3】
前記図面データの登録中に異常が発生したことを把握する異常把握手段、
をさらに備え、
前記メール送信手段は、異常発生時に、予め登録されたシステム管理者に、メールを送信する、
請求項1又は2に記載の図面管理システム。
【請求項4】
登録情報を管理する登録情報管理手段と、
前記登録情報にアクセスするアクセス手段と、
をさらに備えた請求項1から3のいずれかに記載の図面管理システム。
【請求項5】
図面データを管理するための図面管理方法であって、
前記図面データの登録を受け付ける登録受付ステップと、
前記図面データの登録者の情報を抽出する登録者抽出ステップと、
前記図面データの登録が完了した時に、前記登録者の情報に基づいて、前記登録者にメールを送信するメール送信ステップと、
を備える図面管理方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−155387(P2012−155387A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11793(P2011−11793)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】