説明

図面管理装置、技術提携先端末及び図面管理システム

【課題】 製品の標準的な図面だけでなく、転化図面についても一元的に管理することができるようにする。
【解決手段】 技術提携先端末2〜4から図面の送付要求を受信すると、図面データベース12に管理されている図面の電子データを送付要求元の技術提携先端末に送信する図面送信部14と、技術提携先端末2〜4から転化図面の電子データを受信して、その図面の審査依頼を受け付ける審査依頼受付部15とを設け、技術提携先端末2〜4による転化図面の審査結果が“良”であれば、その審査依頼受付部15により受信された転化図面の電子データを図面データベース12に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、図面の電子データを一元的に管理して、その図面の電子データを技術提携先端末に送信する図面管理装置及び図面管理システムと、図面管理装置から図面の電子データを受信して表示する技術提携先端末とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
広域(グローバル)に亘って複数の設計拠点と製造拠点が存在する場合、同一製品の図面であっても、各拠点の現地事情(例えば、法規・調達・据付等の事情)に合わせるために、バリエーション展開(転化設計)された図面が拠点毎に分散されて管理されることがある。
例えば、拠点Z(例えば、販売会社が設置されている拠点)が、拠点Xの転化図面(製品の標準的な図面に手直しが加えられた図面)を必要とする場合、技術提携契約上、図面の送付依頼をマザー工場(例えば、日本)に発送する。
マザー工場(例えば、日本)は、拠点Zから図面の送付依頼を受けると、拠点Zに対する転化図面の代行送付を拠点Xに依頼する。
ただし、拠点Xは、技術提携契約上、一般的には、転化図面の送付義務を有しておらず、ボランティアで送付するに過ぎず、転化図面の代行送付を断ることもできる。
この場合、マザー工場が拠点Xから転化図面を一旦収集して、その転化図面を拠点Zに転送する必要がある。
【0003】
したがって、マザー工場が製品の標準的な図面だけでなく、転化図面についても一元的に管理することが望ましいが、転化図面を管理するにあたって、その転化図面の審査を行うワークフロー(例えば、転化図面が技術提携契約上、問題があるか否かを審査するフロー)の起動技術や、製品の標準的な図面と転化図面の関係を明確化する技術が確立していないため、現状では、転化図面は一元的に管理されていない。
【0004】
なお、自社製の部品だけでなく、グローバルな部品(国内外のメーカの部品)も含めて標準となる部品をコンピュータで一元的に管理している部品管理方法は、例えば、以下の特許文献1に開示されている。
しかし、この部品管理方法は、あくまでも、部品管理を行うものであり、転化図面の審査を行うワークフローの起動技術や、製品の標準的な図面と転化図面の関係を明確化する技術を開示するものではない。
【0005】
【特許文献1】特開平5−266044号公報(段落番号[0013]から[0018]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の図面管理システムは以上のように構成されているので、例えば、拠点Zが拠点Xの転化図面を必要とする場合、技術提携契約上、その転化図面の送付要求をマザー工場に依頼するが、拠点Xから転化図面を直接的に送付してもらえる保証がなく、速やかに転化図面を入手することができないことがある課題があった。
また、製品の標準的な図面はマザー工場で管理されるが、転化図面については広域に展開している拠点毎に管理されるため、現存する転化図面を正確に把握することが困難であり、転化図面を有効に活用することができない課題もあった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、製品の標準的な図面だけでなく、転化図面についても一元的に管理することができる図面管理装置及び図面管理システムを得ることを目的とする。
また、この発明は、図面管理装置から図面の電子データを受信して、その図面の表示や編集を実施することができる技術提携先端末を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る図面管理装置は、技術提携先端末から図面の送付要求を受信すると、電子データ管理手段に管理されている図面の電子データを技術提携先端末に送信する図面送信手段と、その技術提携先端末により手直しされた図面の電子データを受信して、その図面の審査依頼を受け付ける審査依頼受付手段とを設け、その技術提携先端末により手直しされた図面の審査結果が良であれば、その審査依頼受付手段により受信された図面の電子データを電子データ管理手段に登録し、その図面の審査結果が否であれば、その図面の審査結果が否である旨を技術提携先端末に通知するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、技術提携先端末から図面の送付要求を受信すると、電子データ管理手段に管理されている図面の電子データを技術提携先端末に送信する図面送信手段と、その技術提携先端末により手直しされた図面の電子データを受信して、その図面の審査依頼を受け付ける審査依頼受付手段とを設け、その技術提携先端末により手直しされた図面の審査結果が良であれば、その審査依頼受付手段により受信された図面の電子データを電子データ管理手段に登録し、その図面の審査結果が否であれば、その図面の審査結果が否である旨を技術提携先端末に通知するように構成したので、製品の標準的な図面だけでなく、技術提携先端末により手直しされた図面(転化図面)についても一元的に管理することができるようになり、その結果、転化図面を必要とする拠点に速やかに転化図面を送付することができるとともに、現存する転化図面を正確に把握することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による図面管理システムを示す構成図であり、図において、図面管理装置1は例えば国内のマザー工場に設置され、製品の標準的な図面の電子データだけでなく、例えば技術提携先端末2,3により手直しされた図面(転化図面)の電子データも一元的に管理して、その図面の電子データを例えば技術提携先端末4に送信するなどの機能を備えている。
技術提携先端末2は海外拠点Xに設置され、図面管理装置1から図面の電子データを受信して、その図面の表示や編集を実施するなどの機能を備えている。
技術提携先端末3は海外拠点Yに設置され、図面管理装置1から図面の電子データを受信して、その図面の表示や編集を実施するなどの機能を備えている。
技術提携先端末4は海外拠点Zに設置され、図面管理装置1から図面の電子データを受信して、その図面の表示や編集を実施するなどの機能を備えている。
ネットワーク5は例えばインターネットなどのネットワークであり、図面管理装置1及び技術提携先端末2〜4が接続されている。
担当者端末6は例えば製品の標準的な図面の設計者が利用するパーソナルコンピュータなどの端末である。
【0011】
図2はこの発明の実施の形態1による図面管理装置1を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部11はネットワーク5に対するインタフェースであり、各種のデータや情報を送受信するモデムなどの通信機器を実装している。
図面データベース12は例えばハードディスク装置などの記憶装置から構成され、製品の標準的な図面の電子データのほか、転化図面の電子データを管理しているデータベースである。
図面管理部13はネットワークI/F部11が技術提携先端末2〜4から送信された図面の一覧要求を受信すると、ネットワークI/F部11を介して、図面データベース12に管理されている図面の一覧データ(図面リスト)を技術提携先端末2〜4に送信する処理を実施する。なお、図面データベース12及び図面管理部13から電子データ管理手段が構成されている。
【0012】
図面送信部14はネットワークI/F部11が技術提携先端末2〜4から送信された図面の送付要求を受信すると、図面データベース12から送付要求に付加されている図面IDに対応する図面の電子データを収集し、ネットワークI/F部11を介して、その図面の電子データを技術提携先端末2〜4に送信する処理を実施する。なお、図面送信部14は図面送信手段を構成している。
審査依頼受付部15はネットワークI/F部11が技術提携先端末2〜4から送信された転化図面の電子データを受信して、その転化図面の審査依頼を受信すると、その審査依頼を受け付ける処理を実施する。即ち、審査依頼受付部15は転化図面の審査依頼を受信すると、ネットワークI/F部11を介して、その転化図面の電子データを担当者端末6に送信して転化図面の審査を依頼し、その担当者端末6から転化図面の審査結果を受信するなどの処理を実施する。なお、審査依頼受付部15は審査依頼受付手段を構成している。
【0013】
図面登録部16は審査依頼受付部15により受信された転化図面の審査結果(担当者端末6から送信された転化図面の審査結果)が“良”であれば、その転化図面の電子データを図面データベース12に登録するとともに、ネットワークI/F部11を介して、その転化図面の審査結果が“良”である旨を審査依頼元の技術提携先端末2〜4に通知し、その転化図面の審査結果が“否”であれば、ネットワークI/F部11を介して、その転化図面の審査結果が“否”である旨を審査依頼元の技術提携先端末2〜4に通知するなどの処理を実施する。なお、図面登録部16は図面登録手段を構成している。
【0014】
図2の例では、図面管理装置1の構成要素である図面管理部13、図面送信部14、審査依頼受付部15及び図面登録部16が、例えば、マイコン等を実装している半導体集積回路基板などのハードウェアで構成されていることを想定しているが、図面管理装置1がコンピュータで構成されている場合には、図面管理部13、図面送信部14、審査依頼受付部15及び図面登録部16の処理内容が記述されているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、図面管理部13、図面送信部14、審査依頼受付部15及び図面登録部16の機能を実現するようにしてもよい。
【0015】
図3はこの発明の実施の形態1による技術提携先端末2〜4を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部21はネットワーク5に対するインタフェースであり、各種のデータや情報を送受信するモデムなどの通信機器を実装している。
マンマシンI/F部22は例えばキーボードやマウスなどの情報入力機器であり、技術提携先端末2,3,4のユーザが例えば図面の一覧要求や送付要求を指定する際に使用する。
要求送信部23はユーザがマンマシンI/F部22を操作して、図面の一覧要求や送付要求を入力すると、ネットワークI/F部21を介して、その図面の一覧要求や送付要求を図面管理装置1に送信する処理を実施する。
図面受信部24はネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された図面の一覧データや図面の電子データを受信すると、その図面の一覧データや図面の電子データを図面表示処理部25に出力する処理を実施する。なお、要求送信部23及び図面受信部24から図面受信手段が構成されている。
【0016】
図面表示処理部25は例えばグラフィック処理用のマイクロチップを実装しており、図面受信部24が図面の一覧データを受信すると、図面リストをディスプレイ26に表示し、図面受信部24が図面の電子データを受信すると、その電子データにしたがって図面をディスプレイ26に表示する処理を実施する。
ディスプレイ26は例えばCRTや液晶ディスプレイなどの表示装置である。なお、図面表示処理部25及びディスプレイ26から図面表示手段が構成されている。
図面編集部27はディスプレイ26に表示されている図面の編集機能を実装しており、ユーザによるマンマシンI/F部22の操作内容にしたがって図面を編集して、編集後の図面である転化図面の電子データを審査依頼部28に出力する処理を実施する。なお、図面編集部27は図面編集手段を構成している。
審査依頼部28はネットワークI/F部21を介して、図面編集部27により編集された転化図面の電子データを図面管理装置1に送信して、その転化図面の審査を依頼する処理を実施する。なお、審査依頼部28は審査依頼手段を構成している。
【0017】
図3の例では、技術提携先端末2,3,4の構成要素である要求送信部23、図面受信部24、図面表示処理部25、図面編集部27及び審査依頼部28が、例えば、マイコン等を実装している半導体集積回路基板などのハードウェアで構成されていることを想定しているが、技術提携先端末2,3,4がコンピュータで構成されている場合には、要求送信部23、図面受信部24、図面表示処理部25、図面編集部27及び審査依頼部28の処理内容が記述されているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、要求送信部23、図面受信部24、図面表示処理部25、図面編集部27及び審査依頼部28の機能を実現するようにしてもよい。
図4はこの発明の実施の形態1による図面管理システムの処理内容を示す説明図である。
【0018】
次に動作について説明する。
例えば、海外拠点Xのユーザが図面管理装置1に管理されている製品の標準的な図面の入手を希望する場合、技術提携先端末2のマンマシンI/F部22を操作して、図面の一覧要求を入力する。
技術提携先端末2の要求送信部23は、ユーザがマンマシンI/F部22を操作して、図面の一覧要求を入力すると、ネットワークI/F部21を介して、その図面の一覧要求を図面管理装置1に送信する。
【0019】
図面管理装置1のネットワークI/F部11は、技術提携先端末2から送信された図面の一覧要求を受信すると、その図面の一覧要求を図面管理部13に出力する。
図面管理装置1の図面管理部13は、ネットワークI/F部11から図面の一覧要求を受けると、ネットワークI/F部11を介して、図面データベース12に管理されている図面の一覧データ(図面リスト)を要求元の技術提携先端末2に送信する。
例えば、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)と、製品(2)の標準的な図面群(図面E,F,G,H)と、製品(3)の標準的な図面群(図面E,F,G,H)とが図面データベース12に管理されている場合、これらの図面群が管理されていることを示す図面の一覧データ(図面リスト)を要求元の技術提携先端末2に送信する。
【0020】
技術提携先端末2の図面受信部24は、ネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された図面の一覧データを受信すると、その図面の一覧データを図面表示処理部25に出力する。
技術提携先端末2の図面表示処理部25は、図面受信部24から図面の一覧データを受けると、図面リストをディスプレイ26に表示する。
【0021】
これにより、海外拠点Xのユーザは、図面管理装置1に管理されている図面群を認識することができるので、所望の図面群があれば、技術提携先端末2のマンマシンI/F部22を操作して、所望の図面群を指定し、その図面群の送付要求を入力する。
ここでは、説明の便宜上、ユーザが製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)を指定するものとする。
技術提携先端末2の要求送信部23は、ユーザがマンマシンI/F部22を操作して、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の送付要求を入力すると、ネットワークI/F部21を介して、その図面群の送付要求を図面管理装置1に送信する。
【0022】
図面管理装置1のネットワークI/F部11は、技術提携先端末2から送信された製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の送付要求を受信すると、その図面群の送付要求を図面送信部14に出力する。
図面管理装置1の図面送信部14は、ネットワークI/F部11から製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の送付要求を受けると、その送付要求に付加されている図面ID(図面IDは製品(1)の標準的な図面群を特定するID)をキーにして、図面データベース12から製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを収集する。
そして、図面送信部14は、図4に示すように、ネットワークI/F部11を介して、図面データベース12から収集した製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを送付要求元の技術提携先端末2に送信する。
【0023】
技術提携先端末2の図面受信部24は、ネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを受信すると、その標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを図面表示処理部25に出力する。
技術提携先端末2の図面表示処理部25は、図面受信部24から製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを受けると、その電子データにしたがって製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)をディスプレイ26に表示する。
【0024】
これにより、海外拠点Xのユーザは、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)を認識することができる。
海外拠点Xのユーザは、現地事情(例えば、法規・調達・据付等の事情)に合わせるために、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)を転化設計する必要がある場合、技術提携先端末2のマンマシンI/F部22を操作して、その図面群(図面A,B,C,D)の編集内容を指定する。
【0025】
技術提携先端末2の図面編集部27は、ユーザによるマンマシンI/F部22の操作内容にしたがって図面群を編集し、編集後の図面群である転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを審査依頼部28に出力する。
技術提携先端末2の審査依頼部28は、図面編集部27から転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを受けると、図4に示すように、ネットワークI/F部21を介して、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面管理装置1に送信して、その転化図面の審査を依頼する。
【0026】
図面管理装置1のネットワークI/F部11は、技術提携先端末2から送信された転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データと、転化図面の審査依頼とを受信すると、その転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データと、転化図面の審査依頼とを審査依頼受付部15に出力する。
図面管理装置1の審査依頼受付部15は、ネットワークI/F部11から転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データと、転化図面の審査依頼とを受けると、その審査依頼を受け付けて、転化図面の審査を行うワークフローを起動する。
【0027】
即ち、審査依頼受付部15は、審査依頼に付加されている図面ID(図面IDは転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の元図面である製品(1)の標準的な図面群を特定するID)をキーにして、図面データベース12から製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の担当者(例えば、設計者)が使用する担当者端末6を特定する。
そして、審査依頼受付部15は、ネットワークI/F部11を介して、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを担当者端末6に送信して転化図面の審査を依頼する。
【0028】
担当者端末6は、図面管理装置1から送信された転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データと、転化図面の審査依頼とを受信すると、その電子データにしたがって転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)をディスプレイに表示するとともに、その転化図面の審査に必要な情報(例えば、標準的な図面の設計思想や許容設計値など)を表示し、担当者が転化図面の審査を行える状況を構築する。
担当者が転化図面を審査して、その審査結果を担当者端末6に入力すると、担当者端末6が転化図面の審査結果を図面管理装置1に送信する。
【0029】
図面管理装置1の審査依頼受付部15は、ネットワークI/F部11が担当者端末6から送信された転化図面の審査結果を受信すると、その転化図面の審査結果を図面登録部16に出力する。
図面管理装置1の図面登録部16は、審査依頼受付部15から転化図面の審査結果を受けると、その審査結果が“良”であれば、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面データベース12に登録する。
ただし、図面登録部16は、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面データベース12に登録する際、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)と転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の関係を明確化するため、図5に示すように、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)と転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)との対応付けを実施する。
【0030】
図面登録部16は、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面データベース12に登録すると、ネットワークI/F部11を介して、その転化図面の審査結果が“良”である旨を審査依頼元の技術提携先端末2に通知する。
図面登録部16は、転化図面の審査結果が“否”であれば、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを破棄し、ネットワークI/F部11を介して、その転化図面の審査結果が“否”である旨を審査依頼元の技術提携先端末2に通知する。
【0031】
技術提携先端末2の図面受信部24は、ネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された転化図面の審査結果を受信すると、その審査結果を図面表示処理部25に出力する。
技術提携先端末2の図面表示処理部25は、図面受信部24から転化図面の審査結果をディスプレイ26に表示する。
これにより、海外拠点Xのユーザは、技術提携契約上、転化図面群を利用することができるか否かを判断することができる。
【0032】
次に、海外拠点Zのユーザが、海外拠点Xの転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の利用を希望する場合について説明する。
まず、海外拠点Zのユーザは、図面管理装置1に管理されている図面を確認(海外拠点Xの転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)が登録されているかを確認)するため、技術提携先端末4のマンマシンI/F部22を操作して、図面の一覧要求を入力する。
技術提携先端末4の要求送信部23は、ユーザがマンマシンI/F部22を操作して、図面の一覧要求を入力すると、ネットワークI/F部21を介して、その図面の一覧要求を図面管理装置1に送信する。
【0033】
図面管理装置1のネットワークI/F部11は、技術提携先端末4から送信された図面の一覧要求を受信すると、その図面の一覧要求を図面管理部13に出力する。
図面管理装置1の図面管理部13は、ネットワークI/F部11から図面の一覧要求を受けると、ネットワークI/F部11を介して、図面データベース12に管理されている図面の一覧データ(図面リスト)を要求元の技術提携先端末4に送信する。
この場合、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)と、製品(2)の標準的な図面群(図面E,F,G,H)と、製品(3)の標準的な図面群(図面E,F,G,H)とが図面データベース12に管理されているほか、製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)が図面データベース12に管理されているので、これらの図面群が管理されていることを示す図面の一覧データ(図面リスト)を要求元の技術提携先端末4に送信する。
【0034】
技術提携先端末4の図面受信部24は、ネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された図面の一覧データを受信すると、その図面の一覧データを図面表示処理部25に出力する。
技術提携先端末4の図面表示処理部25は、図面受信部24から図面の一覧データを受けると、図面リストをディスプレイ26に表示する。
【0035】
これにより、海外拠点Zのユーザは、図面管理装置1に管理されている図面群を認識することができる。即ち、海外拠点Xの転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)=製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)が管理されていることを認識することができる。
海外拠点Zのユーザは、技術提携先端末4のマンマシンI/F部22を操作して、海外拠点Xの転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)を指定し、その図面群の送付要求を入力する。
技術提携先端末4の要求送信部23は、ユーザがマンマシンI/F部22を操作して、海外拠点Xの転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の送付要求を入力すると、ネットワークI/F部21を介して、その図面群の送付要求を図面管理装置1に送信する。
【0036】
図面管理装置1のネットワークI/F部11は、技術提携先端末4から送信された製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の送付要求を受信すると、その図面群の送付要求を図面送信部14に出力する。
図面管理装置1の図面送信部14は、ネットワークI/F部11から製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の送付要求を受けると、その送付要求に付加されている図面ID(図面IDは製品(1)の転化図面群を特定するID)をキーにして、図面データベース12から製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを収集する。
そして、図面送信部14は、ネットワークI/F部11を介して、図面データベース12から収集した製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを送付要求元の技術提携先端末4に送信する。
【0037】
技術提携先端末4の図面受信部24は、ネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを受信すると、その転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面表示処理部25に出力する。
技術提携先端末4の図面表示処理部25は、図面受信部24から製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを受けると、その電子データにしたがって製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)をディスプレイ26に表示する。
これにより、海外拠点Zのユーザは、製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)を利用することができるようになる。
【0038】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、技術提携先端末2〜4から図面の送付要求を受信すると、図面データベース12に管理されている図面の電子データを送付要求元の技術提携先端末に送信する図面送信部14と、その技術提携先端末2〜4から転化図面の電子データを受信して、その図面の審査依頼を受け付ける審査依頼受付部15とを設け、その技術提携先端末2〜4による転化図面の審査結果が“良”であれば、その審査依頼受付部15により受信された転化図面の電子データを図面データベース12に登録し、その転化図面の審査結果が“否”であれば、その転化図面の審査結果が“否”である旨を審査依頼元の技術提携先端末に通知するように構成したので、製品の標準的な図面だけでなく、技術提携先端末2〜4による転化図面についても一元的に管理することができるようになり、その結果、転化図面を必要とする拠点に速やかに転化図面を送付することができるとともに、現存する転化図面を正確に把握することができる効果を奏する。
【0039】
また、この実施の形態1によれば、技術提携先端末2〜4による転化図面の審査依頼を受け付けると、その転化図面の電子データを担当者端末6に送信して転化図面の審査を依頼し、その担当者端末6から図面の審査結果を受信するように構成したので、審査依頼を受け付けて、直ちに転化図面の審査を行うワークフローを起動することができる効果を奏する。
【0040】
さらに、この実施の形態1によれば、転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面データベース12に登録する際、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)と転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)との対応付けを行うように構成したので、製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)と転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の関係を明確化することができる効果を奏する。
【0041】
この実施の形態1によれば、技術提携先端末4から転化図面の送付要求を受信すると、図面データベース12に管理されている転化図面の電子データを技術提携先端末4に送信するように構成したので、例えば、海外拠点Zのユーザは、標準的な図面だけでなく、転化図面についても速やかに入手することができる効果を奏する。
【0042】
この実施の形態1によれば、図面の送付要求を図面管理装置1に送信して、その図面管理装置1から図面の電子データを受信し、その図面をディスプレイに表示するように構成したので、海外拠点において、図面管理装置1に管理されている標準的な図面や転化図面を確認することができる効果を奏する。
また、ディスプレイに表示されている図面の編集を受け付ける図面編集部27を設け、その図面編集部27により編集された図面の電子データを図面管理装置1に送信して、その転化図面の審査を依頼するように構成したので、その転化図面の利用の可否を速やかに確認することができる効果を奏する。
【0043】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、図面管理装置1が製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを海外拠点Xの技術提携先端末2に送信し、その技術提携先端末2が標準的な図面群(図面A,B,C,D)を編集して、その転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データと、その転化図面の審査依頼とを図面管理装置1に送信するものについて示したが、図4に示すように、図面管理装置1が製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを海外拠点Yの技術提携先端末3に送信し、その技術提携先端末3が転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)を編集して、その転化図面群(図面A”,B”,C”,D”)の電子データと、その転化図面の審査依頼とを図面管理装置1に送信するようにしてもよい。
この場合、転化図面群(図面A”,B”,C”,D”)の審査結果が“良”であれば、転化図面群(図面A”,B”,C”,D”)の電子データが図面データベース12に登録される。
【0044】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、図面管理装置1が製品(1)の標準的な図面群(図面A,B,C,D)の電子データを海外拠点Xの技術提携先端末2に送信し、図面管理装置1が製品(1)の転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを海外拠点Zの技術提携先端末4に送信するものについて示したが、図6に示すように、図面管理装置1が例えば製品(1)の標準的な図面と転化図面とを組み合わせて、組み合わせ図面群(例えば、A,B,C’,D”)の電子データを海外拠点Zの技術提携先端末4に送信するようにしてもよい。
【0045】
即ち、海外拠点Zのユーザが、技術提携先端末4のディスプレイ26に表示されている図面リストを見て、例えば、製品(1)の○○と△△に関する図面としては、標準的な図面A,Bの入手を希望するが、例えば、製品(1)のユニットU2に関する図面は、海外拠点Xによる転化図面C’、製品(1)のサブユニットU3に関する図面は、海外拠点Yによる転化図面D”の入手を希望する場合がある。
この場合、海外拠点Zのユーザは、技術提携先端末4のマンマシンI/F部22を操作して、図面群(図面A,B,C’,D”)を指定して、その図面群の送付要求を入力するようにする。
技術提携先端末4の要求送信部23は、ユーザがマンマシンI/F部22を操作して、図面群の送付要求を入力すると、ネットワークI/F部21を介して、その図面群の送付要求を図面管理装置1に送信する。
【0046】
図面管理装置1の図面送信部14は、ネットワークI/F部11が技術提携先端末4から送信された図面群(図面A,B,C’,D”)の送付要求を受信すると、ネットワークI/F部11を介して、図面データベース12から収集した製品(1)の図面群(図面A,B,C’,D”)の電子データを送付要求元の技術提携先端末4に送信する。
【0047】
技術提携先端末4の図面受信部24は、ネットワークI/F部21が図面管理装置1から送信された製品(1)の図面群(図面A,B,C’,D”)の電子データを受信すると、その転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)の電子データを図面表示処理部25に出力する。
技術提携先端末2の図面表示処理部25は、図面受信部24から製品(1)の図面群(図面A,B,C’,D”)の電子データを受けると、その電子データにしたがって製品(1)の図面群(図面A,B,C’,D”)をディスプレイ26に表示する。
これにより、海外拠点Zのユーザは、製品(1)の図面群(図面A,B,C’,D”)を利用することができるようになる。
【0048】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、図面管理装置1が例えば製品(1)の標準的な図面と転化図面とを組み合わせて、組み合わせ図面群(例えば、A,B,C’,D”)の電子データを海外拠点Zの技術提携先端末4に送信するように構成したので、図面の利用効率や利用価値を高めることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態1による図面管理システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による図面管理装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による技術提携先端末を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1による図面管理システムの処理内容を示す説明図である。
【図5】標準的な図面群(図面A,B,C,D)と転化図面群(図面A’,B’,C’,D’)等との対応関係を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3による図面管理システムの処理内容を示す説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 図面管理装置、2 技術提携先端末、3 技術提携先端末、4 技術提携先端末、5 ネットワーク、6 担当者端末、11 ネットワークI/F部、12 図面データベース(電子データ管理手段)、13 図面管理部(電子データ管理手段)、14 図面送信部(図面送信手段)、15 審査依頼受付部(審査依頼受付手段)、16 図面登録部(図面登録手段)、21 ネットワークI/F部、22 マンマシンI/F部、23 要求送信部(図面受信手段)、24 図面受信部(図面受信手段)、25 図面表示処理部(図面表示手段)、26 ディスプレイ(図面表示手段)、27 図面編集部(図面編集手段)、28 審査依頼部(審査依頼手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の標準的な図面の電子データを管理する電子データ管理手段と、技術提携先端末から図面の送付要求を受信すると、上記電子データ管理手段に管理されている図面の電子データを上記技術提携先端末に送信する図面送信手段と、上記技術提携先端末により手直しされた図面の電子データを受信して、その図面の審査依頼を受け付ける審査依頼受付手段と、上記技術提携先端末により手直しされた図面の審査結果が良であれば、上記審査依頼受付手段により受信された図面の電子データを上記電子データ管理手段に登録し、その図面の審査結果が否であれば、その図面の審査結果が否である旨を上記技術提携先端末に通知する図面登録手段とを備えた図面管理装置。
【請求項2】
審査依頼受付手段は、技術提携先端末により手直しされた図面の審査依頼を受け付けると、その図面の電子データを担当者端末に送信して当該図面の審査を依頼し、その担当者端末から図面の審査結果を受信することを特徴とする請求項1記載の図面管理装置。
【請求項3】
図面登録手段は、技術提携先端末により手直しされた図面の電子データを電子データ管理手段に登録する際、手直し前の図面と手直し後の図面との対応付けを行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の図面管理装置。
【請求項4】
図面送信手段は、第2の技術提携先端末から手直しされた図面の送付要求を受信すると、電子データ管理手段に管理されている手直しされた図面の電子データを上記第2の技術提携先端末に送信することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の図面管理装置。
【請求項5】
図面送信手段は、第2の技術提携先端末から標準的な図面及び手直しされた図面の送付要求を受信すると、電子データ管理手段に管理されている標準的な図面の電子データと手直しされた図面の電子データとを組み合わせて上記第2の技術提携先端末に送信することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の図面管理装置。
【請求項6】
図面の送付要求を図面管理装置に送信して、その図面管理装置から図面の電子データを受信する図面受信手段と、上記図面受信手段により受信された図面の電子データにしたがって図面を表示する図面表示手段と、上記図面表示手段により表示された図面の手直しを行う図面編集手段と、上記図面編集手段により手直しされた図面の電子データを上記図面管理装置に送信して、その図面の審査を依頼する審査依頼手段とを備えた技術提携先端末。
【請求項7】
図面の電子データを管理している図面管理装置と、図面の送付要求を上記図面管理装置に送信して、その図面管理装置から図面の電子データを受信する技術提携先端末とを備えた図面管理システムにおいて、上記図面管理装置が、製品の標準的な図面の電子データを管理する電子データ管理手段と、上記技術提携先端末から図面の送付要求を受信すると、上記電子データ管理手段に管理されている図面の電子データを上記技術提携先端末に送信する図面送信手段と、上記技術提携先端末により手直しされた図面の電子データを受信して、その図面の審査依頼を受け付ける審査依頼受付手段と、上記技術提携先端末により手直しされた図面の審査結果が良であれば、上記審査依頼受付手段により受信された図面の電子データを上記電子データ管理手段に登録し、その図面の審査結果が否であれば、その図面の審査結果が否である旨を上記技術提携先端末に通知する図面登録手段とを備えていることを特徴とする図面管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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