固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法
【課題】反りを抑制できる固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法を提供する。
【解決手段】燃料極2の材料から構成される燃料極シートの一方の面に電解質1の材料から構成される電解質シート、他方の面に電解質の材料と同等の膨張率を有する所定の材料からなる反り抑制層シートそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成する。これにより、生成される単セルの反りを抑制することができる。
【解決手段】燃料極2の材料から構成される燃料極シートの一方の面に電解質1の材料から構成される電解質シート、他方の面に電解質の材料と同等の膨張率を有する所定の材料からなる反り抑制層シートそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成する。これにより、生成される単セルの反りを抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の単セルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られることから、燃料電池が次世代のコジェネレーションシステムに用いられる発電手段として注目されている。燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、空気極と呼ばれる陽極と、燃料極と呼ばれる陰極とで電解質の層を挟んだ単セルを、複数重ね合わせたスタック構造を用いている。一組のセル(単セル)で得られる電気の電圧は、約0.7Vであるが、複数の単セルを重ね合わせて用いることで、所望とする電圧の供給が可能である。
【0003】
このような燃料電池において、単セルの電解質の材料として酸化物イオン伝導体を用いた固体酸化物形燃料電池は、カルノー効率の制約を受けないために本質的に高いエネルギー変換効率を有し、かつ、良好な環境保全が期待されるなどの優れた特徴を有するので、関心が高まりつつある。この固体酸化物形燃料電池における電解質は、空気極との界面で酸素が電子と反応して生成された酸化物イオン(酸素イオン)を燃料極に供給するという役割を有するので、発電効率を向上させるために速やかな酸化物イオンの伝導が要求されている。そこで、近年では、電解質の薄肉化により速やかな酸化物イオンの伝導が図られており、600〜800℃程度の低温作動や高出力化が実現されている。
【0004】
このとき、単に電解質のみを薄肉化していくと、この薄肉化による電解質の強度の低下に伴って、単セル全体としての強度も低下してしまう。そこで、単セル全体の強度を担保するために、燃料極および空気極の何れかの電極の厚肉化してその電極を支持体とした電極支持型の単セルが開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。このような電極支持型の単セルは、例えば、支持体となる一方の電極の構成材料を含むシートと、電解質の構成材料を含むシートとを貼り合わせ、これらを焼成した後、電解質の、支持体となる電極が設けられた面の他方の面に、他方の電極の材料を含むスラリーを塗布して焼成することにより製造される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H. Orui, K. Nozawa, K. Watanabe, S. Sugita, R. Chiba, T. Komatsu, H. Arai and M. Arakawa、Development of Practical Size Anode-Supported Solid Oxide Fuel Cells with Multilayer Anode Structures、Journal of The Electrochemical Society、155(11) B1110-B1116 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように電極の構成材料を含むシートと電解質の構成材料を含むシートとを貼り合わせて焼成するとき、電極と電解質の構成材料が異なるので、材料の持つ熱膨張率の差によって応力が発生、それによって単セルに反りが生じてしまう。
【0007】
反りが発生すると、支持体とはならない他方の電極を均一に形成するのが困難となる。すなわち、反りが発生した支持体の上に、他方の電極を形成するためのスラリーを均一に塗布することが困難となり、その結果、焼成した電極の膜厚等を均一にすることも困難となる。また、単セルを収容するインターコネクタとの接触点が減少するので、接触抵抗が増大してしまう。このため、例えば、電極と電解質の構成材料に同等の膨張率を有する材料を用いることによって反りを防ぐことが行われているが、このような方法では、電極と電解質に用いることができる材料が制限されてしまう。
【0008】
そこで、本願発明は、反りを抑制できる固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法は、電解質の材料を含む第1のシート、この第1のシートと同等の熱膨張率を有する所定の材料を含む第2のシート、ならびに、燃料極および空気極のうちの一の電極の材料を含む第3のシートを形成する第1のステップと、第3のシートの一方の面に第1のシート、第3のシートの他方の面に第2のシートをそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成することにより、一の電極の一方の面に電解質、他方の面に所定の材料の焼成体を形成する第2のステップと、所定の材料の焼成体を除去し、一の電極の他方の面を露出させる第3のステップと、電解質の一の電極が形成された面と反対側の面に、燃料極および空気極のうちの他の電極を形成する第4のステップとを有することを特徴とするものである。
【0010】
上記固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法において、所定の材料は、電解質の材料から構成されるようにしてもよい。
【0011】
また、上記固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法において、第3のシートは、燃料極の材料を含むようにしてもよい。
【0012】
また、上記固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法において、第3のステップは、表面研磨により所定の材料の焼成体を除去するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料極および空気極のうちの一方の材料から構成される第3のシートの一方の面に電解質の材料から構成される第1のシート、この第1のシートと同等の膨張率を有する所定の材料からなる第2のシートをそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成するので、生成される単セルの反りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明に係る単セルの構成を模式的に示す断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図2B】図2Bは、本発明に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図2C】図2Cは、本発明に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図3A】図3Aは、比較例に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図3B】図3Bは、比較例に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図3C】図3Cは、比較例に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】図4は、単セルの反りの測定を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明に係る具体例と比較例の反りの測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
<単セルの構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池セル用の単セルは、燃料極支持型の構造を有し、平板状の電解質1、この電解質1の一方の面に形成された平板状の燃料極2、電解質1の他方の面に形成された平板状の空気極3とを備えている。また、図1には示されていないが、製造過程において、燃料極2の電解質1と接触する面と反対側の面に、単セルの完成時には消失する反り抑制層4が形成される。
【0017】
電解質1は、例えば、酸化スカンジウム(Sc2O3)および酸化アルミニウム(Al2O3)安定化ZrO2(SASZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などのジルコニア材料の粉体の焼結体から構成される。
【0018】
燃料極2は、例えば、ニッケル−イットリア安定化ジルコニアサーメット(Ni−YSZ)、ニッケル−アルミナ添加スカンジア安定化ジルコニア(Ni−SASZ)などの電解質1を構成する酸化物材料に金属ニッケルが混合された電子伝導性を有する金属−酸化物混合体(サーメット)の粉体の焼成体(多孔質焼結体)から構成される。
【0019】
空気極3は、例えば、La1-XSrXMnO3、La1-XSrXCoYFe1-YO3、LaSrCoO3やLaNi0.6Fe0.4O3(LNF)La(Ni、Co、Fe)O3(LNC)F)など、AMO3のペロブスカイト構造の金属酸化物から構成される。
【0020】
反り抑制層4は、電解質1と同じ材料から構成される。
【0021】
<単セルの製造方法>
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池セル用の単セルの製造方法について説明する。
【0022】
まず、電解質1の材料、燃料極2の材料、ならびに、空気極3の材料それぞれにバインダー溶液を加えてスラリーを作製する。便宜上、以下において、電解質1の材料を含むスラリーを電解質スラリー、燃料極2の材料を含むスラリーを燃料極スラリー、空気極3の材料を含むスラリーを空気極スラリーと呼ぶ。
【0023】
各スラリーを作製すると、電解質スラリーおよび燃料極スラリーに対して攪拌および減圧脱泡処理を行い、それらのスラリーの粘度の調整と脱泡を行う。
【0024】
粘度調整および脱泡を行うと、ドクターブレード法やスクリーン印刷法などにより、電解質スラリーおよび燃料極スラリーそれぞれを所定の厚さを有するシート状の成形体を形成する。便宜上、以下において、電解質スラリーから形成され最終的に電解質1となるシート状の成形体を電解質シート、燃料極スラリーから形成され最終的に燃料極2となるシート状の成形体を燃料極シート、電解質スラリーから形成され最終的に反り抑制層4となるシート状の成形体を反り抑制層シートと呼ぶ。
【0025】
電解質シート、燃料極シートおよび反り抑制層シートを生成すると、図2Aに示すように、これらをこの順番で貼り合わせ、脱脂処理を行った後、1000〜1400℃で焼成する。このとき、燃料極シートの両面には、同等の膨張率を有する材料からなる電解質シートまたは反り抑制層シートが設けられている。したがって、焼成の際、燃料極シートの両面のシートが同等に膨張するので、燃料極シートの両面に同等の応力が生じることとなり、燃料極シートは、何れか一方の面の側に反ることなく、平坦な状態のまま焼結する。これにより、燃料極2の一方の面に電解質1、燃料極2の他方の面に反り抑制層4が形成された平坦な焼結体が形成される。
【0026】
電解質1、燃料極2および反り抑制層4からなる焼結体を形成すると、図2Bに示すように、ブラスト研磨、ベルト研磨またはバフ研磨によって反り抑制層4を除去する。このとき、反り抑制層4を確実に除去するために、符号aの点線で示すよう燃料極2の一部も共に除去される。これにより、燃料極2の電解質1が形成された面とは反対側の面が露出することとなる。
【0027】
反り抑制層4を除去すると、電解質1の燃料極2が形成されていない側の面上に、ドクターブレード法やスクリーン印刷法などにより空気極スラリーを塗布し、1000〜1300℃で焼成する。このようにして空気極3が生成されることにより、図2Cに示すように、電解質1の一方の面に燃料極2、他方の面に空気極3が形成された単セルが完成することとなる。
【0028】
このように形成された単セルをセパレータに収容し、所定の温度下において燃料極2に燃料ガス、空気極3に酸化剤ガスを供給すると、燃料極2および空気極3と電解質1との界面で電気化学反応が発生する。このような状態で、燃料極2側のセパレータと空気極3側のセパレータとを端子として負荷回路に接続すると、電力を取り出すことができる。
【0029】
<具体例>
次に、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法の具体例について、図2を参照して説明する。
【0030】
まず、ドクターブレード法により、8YSZ(0.92ZrO2−0.08Y2O3)を一体焼結時30μm程度の厚みとなるようにシート状に形成することにより、電解質シートを生成する。また、電解質シートの場合と同様、ドクターブレード法により、NiO−8YSZのスラリ(平均粒径が約0.6μmの10mol%、Y2O3添加ジルコニア粉末、平均粒径が約0.2μmのNiO粉末が60wt%)を一体焼結時1.1mm程度の厚みになるようにシート状に形成することにより、燃料極シートを生成する。
【0031】
電解質シートおよび燃料極シートを生成すると、図2Aに示すように、電解質1となる電解質シート、燃料極2となる燃料極シート、反り抑制層4となる電解質シートの順番で貼り合わせ、成形および脱脂した後、1300〜1400℃で熱処理する。これにより、燃料極2の両面に電解質(一方が電解質1、他方が反り抑制層4となる。)が一体形成された焼結体が生成される。
【0032】
焼結体を生成すると、図2Bに示すように、燃料極2の何れか一方の面にバフ研磨を施し、表面を100μmほど研磨する。これにより、その一方の面に形成されていた電解質と同じ材料からなる反り抑制層4が除去されることとなる。
【0033】
反り抑制層4を除去すると、平均粒径が1.0μmのLa0.8Sr0.2MnO3粉末のスラリを作製し、このスラリを電解質1の燃料極2が形成されていない側の面上にスクリーン印刷法により塗布し、空気極塗布膜を形成する。この空気極塗布膜の厚さは、焼成後に形成される空気極の厚さが100μmとなるように設定する。
【0034】
空気極塗布膜を形成すると、この空気極塗布膜が形成された電解質1および燃料極2を、1100℃で2時間の熱処理条件で焼成する。これにより、図2Cに示すように、電解質1の一方の面に燃料極2、他方の面に空気極3が形成された単セルが生成される。この具体例であるところの単セルを、セル#1−0−1と呼ぶこととする。
【0035】
<比較例>
次に、上述した具体例と比較するための比較例について図3を参照して説明する。
【0036】
まず、ドクターブレード法により、8YSZ(0.92ZrO2−0.08Y2O3)を一体焼結時30μm程度の厚みとなるようにシート状に形成することにより、電解質シートを生成する。また、電解質シートの場合と同様、ドクターブレード法により、NiO−8YSZのスラリ(平均粒径が約0.6μmの10mol%、Y2O3添加ジルコニア粉末、平均粒径が約0.2μmのNiO粉末が60wt%)を一体焼結時1.0mm程度の厚みになるようにシート状に形成することにより、燃料極シートを生成する。ここで、比較例における燃料極シートを一体焼結時1.0mm程度の厚みになるように形成するのは、具体例のように電解質と共に燃料極を除去する必要がないためである。
【0037】
電解質シートおよび燃料極シートを生成すると、図3Aに示すように、電解質11となる電解質シートと燃料極12となる燃料極シートとを貼り合わせ、成形および脱脂した後、1300〜1400℃で熱処理する。これにより、図3Bに示すような電解質11と燃料極12とが一体形成された焼結体が生成される。
【0038】
電解質11と燃料極12との焼結体を生成すると、平均粒径が1.0μmのLa0.8Sr0.2MnO3粉末のスラリを作製し、このスラリを電解質11の燃料極12が形成されていない側の面上にスクリーン印刷法により塗布し、空気極塗布膜を形成する。この空気極塗布膜の厚さは、焼成後に形成される空気極の厚さが100μmとなるように設定する。
【0039】
空気極塗布膜を形成すると、この空気極塗布膜が形成された電解質および燃料極を、1100℃で2時間の熱処理条件で焼成する。これにより、図3Cに示すように、電解質11の一方の面に燃料極12,他方の面に空気極13が形成された燃料極支持型の単セルが生成される。この比較例であるところの単セルを、セル#1−0−0と呼ぶこととする。
【0040】
<反りの測定>
上述した方法により製造した具体例および比較例に係る単セルについて、レーザー変位計(キーエンス社製、E−4000)を用い、常温で空気雰囲気下において反りを測定した。この反りとは、図4に示すように、セルの外縁部と中央部との距離t(μm)を示すものである。この測定結果は、図5に示すように、比較例であるセル#1−0−0が2000μmであるのに対して、具体例であるセル#1−0−1が210μmであった。この測定結果からも明らかなように、反り抑制層4を設けることにより、単セルの反りを抑制できることがわかる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、燃料極2の材料から構成される燃料極シートの一方の面に電解質1の材料から構成される電解質シート、他方の面に電解質の材料と同等の膨張率を有する所定の材料からなる反り抑制層シートそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成することにより、生成される単セルの反りを抑制することができる。
【0042】
また、反り抑制層シートを設けることにより、単セルの構成材料に膨張率が異なる材料を用いた場合であっても平坦な単セルを製造することができるので、その構成材料の選択の自由度を向上させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、反り抑制層4に、電解質1と同じ材料を用いる場合を例に説明したが、電解質1と同等の膨張率を有する材料であるならば、反り抑制層4に用いる材料は電解質1と同じ材料に限定されず、適宜自由に材料を設定することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、燃料極支持型に適用した場合を例に説明したが、空気極支持型にも適用できることは言うまでもない。この場合、反り抑制層4は、空気極3における電解質1と接触する面とは反対側の面に形成される。また、反り抑制層4の材料は、電解質1と同じ材料、または、電解質1と同等の膨張率を有する材料が用いられる。
【0045】
また、本実施の形態では、研磨により反り抑制層4を除去する場合を例に説明したが、反り抑制層4を除去できるのであれば例えばサンドブラストなど各種方法を適宜適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、固体酸化物形燃料電池用の単セルに適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…電解質、2…燃料極、3…空気極、4…反り抑制層。
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の単セルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られることから、燃料電池が次世代のコジェネレーションシステムに用いられる発電手段として注目されている。燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、空気極と呼ばれる陽極と、燃料極と呼ばれる陰極とで電解質の層を挟んだ単セルを、複数重ね合わせたスタック構造を用いている。一組のセル(単セル)で得られる電気の電圧は、約0.7Vであるが、複数の単セルを重ね合わせて用いることで、所望とする電圧の供給が可能である。
【0003】
このような燃料電池において、単セルの電解質の材料として酸化物イオン伝導体を用いた固体酸化物形燃料電池は、カルノー効率の制約を受けないために本質的に高いエネルギー変換効率を有し、かつ、良好な環境保全が期待されるなどの優れた特徴を有するので、関心が高まりつつある。この固体酸化物形燃料電池における電解質は、空気極との界面で酸素が電子と反応して生成された酸化物イオン(酸素イオン)を燃料極に供給するという役割を有するので、発電効率を向上させるために速やかな酸化物イオンの伝導が要求されている。そこで、近年では、電解質の薄肉化により速やかな酸化物イオンの伝導が図られており、600〜800℃程度の低温作動や高出力化が実現されている。
【0004】
このとき、単に電解質のみを薄肉化していくと、この薄肉化による電解質の強度の低下に伴って、単セル全体としての強度も低下してしまう。そこで、単セル全体の強度を担保するために、燃料極および空気極の何れかの電極の厚肉化してその電極を支持体とした電極支持型の単セルが開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。このような電極支持型の単セルは、例えば、支持体となる一方の電極の構成材料を含むシートと、電解質の構成材料を含むシートとを貼り合わせ、これらを焼成した後、電解質の、支持体となる電極が設けられた面の他方の面に、他方の電極の材料を含むスラリーを塗布して焼成することにより製造される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H. Orui, K. Nozawa, K. Watanabe, S. Sugita, R. Chiba, T. Komatsu, H. Arai and M. Arakawa、Development of Practical Size Anode-Supported Solid Oxide Fuel Cells with Multilayer Anode Structures、Journal of The Electrochemical Society、155(11) B1110-B1116 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように電極の構成材料を含むシートと電解質の構成材料を含むシートとを貼り合わせて焼成するとき、電極と電解質の構成材料が異なるので、材料の持つ熱膨張率の差によって応力が発生、それによって単セルに反りが生じてしまう。
【0007】
反りが発生すると、支持体とはならない他方の電極を均一に形成するのが困難となる。すなわち、反りが発生した支持体の上に、他方の電極を形成するためのスラリーを均一に塗布することが困難となり、その結果、焼成した電極の膜厚等を均一にすることも困難となる。また、単セルを収容するインターコネクタとの接触点が減少するので、接触抵抗が増大してしまう。このため、例えば、電極と電解質の構成材料に同等の膨張率を有する材料を用いることによって反りを防ぐことが行われているが、このような方法では、電極と電解質に用いることができる材料が制限されてしまう。
【0008】
そこで、本願発明は、反りを抑制できる固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法は、電解質の材料を含む第1のシート、この第1のシートと同等の熱膨張率を有する所定の材料を含む第2のシート、ならびに、燃料極および空気極のうちの一の電極の材料を含む第3のシートを形成する第1のステップと、第3のシートの一方の面に第1のシート、第3のシートの他方の面に第2のシートをそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成することにより、一の電極の一方の面に電解質、他方の面に所定の材料の焼成体を形成する第2のステップと、所定の材料の焼成体を除去し、一の電極の他方の面を露出させる第3のステップと、電解質の一の電極が形成された面と反対側の面に、燃料極および空気極のうちの他の電極を形成する第4のステップとを有することを特徴とするものである。
【0010】
上記固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法において、所定の材料は、電解質の材料から構成されるようにしてもよい。
【0011】
また、上記固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法において、第3のシートは、燃料極の材料を含むようにしてもよい。
【0012】
また、上記固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法において、第3のステップは、表面研磨により所定の材料の焼成体を除去するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料極および空気極のうちの一方の材料から構成される第3のシートの一方の面に電解質の材料から構成される第1のシート、この第1のシートと同等の膨張率を有する所定の材料からなる第2のシートをそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成するので、生成される単セルの反りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明に係る単セルの構成を模式的に示す断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図2B】図2Bは、本発明に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図2C】図2Cは、本発明に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図3A】図3Aは、比較例に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図3B】図3Bは、比較例に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図3C】図3Cは、比較例に係る単セルの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】図4は、単セルの反りの測定を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明に係る具体例と比較例の反りの測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
<単セルの構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池セル用の単セルは、燃料極支持型の構造を有し、平板状の電解質1、この電解質1の一方の面に形成された平板状の燃料極2、電解質1の他方の面に形成された平板状の空気極3とを備えている。また、図1には示されていないが、製造過程において、燃料極2の電解質1と接触する面と反対側の面に、単セルの完成時には消失する反り抑制層4が形成される。
【0017】
電解質1は、例えば、酸化スカンジウム(Sc2O3)および酸化アルミニウム(Al2O3)安定化ZrO2(SASZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などのジルコニア材料の粉体の焼結体から構成される。
【0018】
燃料極2は、例えば、ニッケル−イットリア安定化ジルコニアサーメット(Ni−YSZ)、ニッケル−アルミナ添加スカンジア安定化ジルコニア(Ni−SASZ)などの電解質1を構成する酸化物材料に金属ニッケルが混合された電子伝導性を有する金属−酸化物混合体(サーメット)の粉体の焼成体(多孔質焼結体)から構成される。
【0019】
空気極3は、例えば、La1-XSrXMnO3、La1-XSrXCoYFe1-YO3、LaSrCoO3やLaNi0.6Fe0.4O3(LNF)La(Ni、Co、Fe)O3(LNC)F)など、AMO3のペロブスカイト構造の金属酸化物から構成される。
【0020】
反り抑制層4は、電解質1と同じ材料から構成される。
【0021】
<単セルの製造方法>
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池セル用の単セルの製造方法について説明する。
【0022】
まず、電解質1の材料、燃料極2の材料、ならびに、空気極3の材料それぞれにバインダー溶液を加えてスラリーを作製する。便宜上、以下において、電解質1の材料を含むスラリーを電解質スラリー、燃料極2の材料を含むスラリーを燃料極スラリー、空気極3の材料を含むスラリーを空気極スラリーと呼ぶ。
【0023】
各スラリーを作製すると、電解質スラリーおよび燃料極スラリーに対して攪拌および減圧脱泡処理を行い、それらのスラリーの粘度の調整と脱泡を行う。
【0024】
粘度調整および脱泡を行うと、ドクターブレード法やスクリーン印刷法などにより、電解質スラリーおよび燃料極スラリーそれぞれを所定の厚さを有するシート状の成形体を形成する。便宜上、以下において、電解質スラリーから形成され最終的に電解質1となるシート状の成形体を電解質シート、燃料極スラリーから形成され最終的に燃料極2となるシート状の成形体を燃料極シート、電解質スラリーから形成され最終的に反り抑制層4となるシート状の成形体を反り抑制層シートと呼ぶ。
【0025】
電解質シート、燃料極シートおよび反り抑制層シートを生成すると、図2Aに示すように、これらをこの順番で貼り合わせ、脱脂処理を行った後、1000〜1400℃で焼成する。このとき、燃料極シートの両面には、同等の膨張率を有する材料からなる電解質シートまたは反り抑制層シートが設けられている。したがって、焼成の際、燃料極シートの両面のシートが同等に膨張するので、燃料極シートの両面に同等の応力が生じることとなり、燃料極シートは、何れか一方の面の側に反ることなく、平坦な状態のまま焼結する。これにより、燃料極2の一方の面に電解質1、燃料極2の他方の面に反り抑制層4が形成された平坦な焼結体が形成される。
【0026】
電解質1、燃料極2および反り抑制層4からなる焼結体を形成すると、図2Bに示すように、ブラスト研磨、ベルト研磨またはバフ研磨によって反り抑制層4を除去する。このとき、反り抑制層4を確実に除去するために、符号aの点線で示すよう燃料極2の一部も共に除去される。これにより、燃料極2の電解質1が形成された面とは反対側の面が露出することとなる。
【0027】
反り抑制層4を除去すると、電解質1の燃料極2が形成されていない側の面上に、ドクターブレード法やスクリーン印刷法などにより空気極スラリーを塗布し、1000〜1300℃で焼成する。このようにして空気極3が生成されることにより、図2Cに示すように、電解質1の一方の面に燃料極2、他方の面に空気極3が形成された単セルが完成することとなる。
【0028】
このように形成された単セルをセパレータに収容し、所定の温度下において燃料極2に燃料ガス、空気極3に酸化剤ガスを供給すると、燃料極2および空気極3と電解質1との界面で電気化学反応が発生する。このような状態で、燃料極2側のセパレータと空気極3側のセパレータとを端子として負荷回路に接続すると、電力を取り出すことができる。
【0029】
<具体例>
次に、本実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法の具体例について、図2を参照して説明する。
【0030】
まず、ドクターブレード法により、8YSZ(0.92ZrO2−0.08Y2O3)を一体焼結時30μm程度の厚みとなるようにシート状に形成することにより、電解質シートを生成する。また、電解質シートの場合と同様、ドクターブレード法により、NiO−8YSZのスラリ(平均粒径が約0.6μmの10mol%、Y2O3添加ジルコニア粉末、平均粒径が約0.2μmのNiO粉末が60wt%)を一体焼結時1.1mm程度の厚みになるようにシート状に形成することにより、燃料極シートを生成する。
【0031】
電解質シートおよび燃料極シートを生成すると、図2Aに示すように、電解質1となる電解質シート、燃料極2となる燃料極シート、反り抑制層4となる電解質シートの順番で貼り合わせ、成形および脱脂した後、1300〜1400℃で熱処理する。これにより、燃料極2の両面に電解質(一方が電解質1、他方が反り抑制層4となる。)が一体形成された焼結体が生成される。
【0032】
焼結体を生成すると、図2Bに示すように、燃料極2の何れか一方の面にバフ研磨を施し、表面を100μmほど研磨する。これにより、その一方の面に形成されていた電解質と同じ材料からなる反り抑制層4が除去されることとなる。
【0033】
反り抑制層4を除去すると、平均粒径が1.0μmのLa0.8Sr0.2MnO3粉末のスラリを作製し、このスラリを電解質1の燃料極2が形成されていない側の面上にスクリーン印刷法により塗布し、空気極塗布膜を形成する。この空気極塗布膜の厚さは、焼成後に形成される空気極の厚さが100μmとなるように設定する。
【0034】
空気極塗布膜を形成すると、この空気極塗布膜が形成された電解質1および燃料極2を、1100℃で2時間の熱処理条件で焼成する。これにより、図2Cに示すように、電解質1の一方の面に燃料極2、他方の面に空気極3が形成された単セルが生成される。この具体例であるところの単セルを、セル#1−0−1と呼ぶこととする。
【0035】
<比較例>
次に、上述した具体例と比較するための比較例について図3を参照して説明する。
【0036】
まず、ドクターブレード法により、8YSZ(0.92ZrO2−0.08Y2O3)を一体焼結時30μm程度の厚みとなるようにシート状に形成することにより、電解質シートを生成する。また、電解質シートの場合と同様、ドクターブレード法により、NiO−8YSZのスラリ(平均粒径が約0.6μmの10mol%、Y2O3添加ジルコニア粉末、平均粒径が約0.2μmのNiO粉末が60wt%)を一体焼結時1.0mm程度の厚みになるようにシート状に形成することにより、燃料極シートを生成する。ここで、比較例における燃料極シートを一体焼結時1.0mm程度の厚みになるように形成するのは、具体例のように電解質と共に燃料極を除去する必要がないためである。
【0037】
電解質シートおよび燃料極シートを生成すると、図3Aに示すように、電解質11となる電解質シートと燃料極12となる燃料極シートとを貼り合わせ、成形および脱脂した後、1300〜1400℃で熱処理する。これにより、図3Bに示すような電解質11と燃料極12とが一体形成された焼結体が生成される。
【0038】
電解質11と燃料極12との焼結体を生成すると、平均粒径が1.0μmのLa0.8Sr0.2MnO3粉末のスラリを作製し、このスラリを電解質11の燃料極12が形成されていない側の面上にスクリーン印刷法により塗布し、空気極塗布膜を形成する。この空気極塗布膜の厚さは、焼成後に形成される空気極の厚さが100μmとなるように設定する。
【0039】
空気極塗布膜を形成すると、この空気極塗布膜が形成された電解質および燃料極を、1100℃で2時間の熱処理条件で焼成する。これにより、図3Cに示すように、電解質11の一方の面に燃料極12,他方の面に空気極13が形成された燃料極支持型の単セルが生成される。この比較例であるところの単セルを、セル#1−0−0と呼ぶこととする。
【0040】
<反りの測定>
上述した方法により製造した具体例および比較例に係る単セルについて、レーザー変位計(キーエンス社製、E−4000)を用い、常温で空気雰囲気下において反りを測定した。この反りとは、図4に示すように、セルの外縁部と中央部との距離t(μm)を示すものである。この測定結果は、図5に示すように、比較例であるセル#1−0−0が2000μmであるのに対して、具体例であるセル#1−0−1が210μmであった。この測定結果からも明らかなように、反り抑制層4を設けることにより、単セルの反りを抑制できることがわかる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、燃料極2の材料から構成される燃料極シートの一方の面に電解質1の材料から構成される電解質シート、他方の面に電解質の材料と同等の膨張率を有する所定の材料からなる反り抑制層シートそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成することにより、生成される単セルの反りを抑制することができる。
【0042】
また、反り抑制層シートを設けることにより、単セルの構成材料に膨張率が異なる材料を用いた場合であっても平坦な単セルを製造することができるので、その構成材料の選択の自由度を向上させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、反り抑制層4に、電解質1と同じ材料を用いる場合を例に説明したが、電解質1と同等の膨張率を有する材料であるならば、反り抑制層4に用いる材料は電解質1と同じ材料に限定されず、適宜自由に材料を設定することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、燃料極支持型に適用した場合を例に説明したが、空気極支持型にも適用できることは言うまでもない。この場合、反り抑制層4は、空気極3における電解質1と接触する面とは反対側の面に形成される。また、反り抑制層4の材料は、電解質1と同じ材料、または、電解質1と同等の膨張率を有する材料が用いられる。
【0045】
また、本実施の形態では、研磨により反り抑制層4を除去する場合を例に説明したが、反り抑制層4を除去できるのであれば例えばサンドブラストなど各種方法を適宜適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、固体酸化物形燃料電池用の単セルに適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…電解質、2…燃料極、3…空気極、4…反り抑制層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質の材料を含む第1のシート、この第1のシートと同等の熱膨張率を有する所定の材料を含む第2のシート、ならびに、燃料極および空気極のうちの一の電極の材料を含む第3のシートを形成する第1のステップと、
前記第3のシートの一方の面に前記第1のシート、前記第3のシートの他方の面に前記第2のシートをそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成することにより、前記一の電極の一方の面に前記電解質、他方の面に前記所定の材料の焼成体を形成する第2のステップと、
前記所定の材料の焼成体を除去し、前記一の電極の前記他方の面を露出させる第3のステップと、
前記電解質の前記一の電極が形成された面と反対側の面に、前記燃料極および前記空気極のうちの他の電極を形成する第4のステップと
を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項2】
前記所定の材料は、前記電解質の材料から構成される
ことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項3】
前記第3のシートは、前記燃料極の材料を含む
ことを特徴とする請求項1または2記載の固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項4】
前記第3のステップは、表面研磨により前記所定の材料の焼成体を除去する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項1】
電解質の材料を含む第1のシート、この第1のシートと同等の熱膨張率を有する所定の材料を含む第2のシート、ならびに、燃料極および空気極のうちの一の電極の材料を含む第3のシートを形成する第1のステップと、
前記第3のシートの一方の面に前記第1のシート、前記第3のシートの他方の面に前記第2のシートをそれぞれ貼り合わせた後、これらを焼成することにより、前記一の電極の一方の面に前記電解質、他方の面に前記所定の材料の焼成体を形成する第2のステップと、
前記所定の材料の焼成体を除去し、前記一の電極の前記他方の面を露出させる第3のステップと、
前記電解質の前記一の電極が形成された面と反対側の面に、前記燃料極および前記空気極のうちの他の電極を形成する第4のステップと
を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項2】
前記所定の材料は、前記電解質の材料から構成される
ことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項3】
前記第3のシートは、前記燃料極の材料を含む
ことを特徴とする請求項1または2記載の固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【請求項4】
前記第3のステップは、表面研磨により前記所定の材料の焼成体を除去する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−142241(P2012−142241A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1056(P2011−1056)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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