説明

固体酸化物燃料電池構造

【課題】固体酸化物燃料電池に供給される外部からのエネルギーが低減されて、作業効率を増加する効果が得られる固体酸化物燃料電池構造を提供する。
【解決手段】陽極入力と出力部及び陰極入力と出力部を有するセルと、陽極入力部に接続される第1の電熱ユニットと、陰極入力部に接続される第2の電熱ユニットと、第1の電熱ユニットに接続される組換えユニットと、第2の電熱ユニットに接続される熱交換ユニットと、組換えユニットと陽極及び陰極出力部に接続されるオフガス続燃焼ユニットと、加湿器を介して組換えユニットに接続される第1の気体供給ユニットと、組換えユニットに接続される第2の気体供給ユニットと、オフガス続燃焼ユニットに接続される第3の気体供給ユニットと、熱交換ユニットに接続される第4の気体供給ユニットとが備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物燃料電池構造に関し、特に、該固体酸化物燃料電池に供給される外部からのエネルギーが低減されて、作業効率を増加する効果が得られるものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の固体酸化物燃料電池は、図4のように、セル20とセル20の陽極入口に接続される第1の加熱器21、第1の加熱器21に接続される組換え器22、セル20の陰極出口と組換え器22に接続される第1の熱交換器23、セル20の陽極出口と第1の熱交換器23に接続されるオフガス続燃焼器24、セル20の陰極入口に接続される第2の加熱器25、オフガス続燃焼器24と第2の加熱器25に接続される第2の熱交換器26、それぞれ、第1の熱交換器23に接続される燃料供給ユニット27と液体供給ユニット28及び第2の熱交換器26に接続される気体供給ユニット29からなり、該燃料供給ユニット27は、少なくとも、燃料供給器271と流量制御器272とがあり、該液体供給ユニット28は、少なくとも、液体供給器281やポンプ282及び第3の加熱器283が備えられ、該気体供給ユニット29は、少なくとも、気体供給器291と流量制御器292がある。
【0003】
燃料供給ユニット27と液体供給ユニット28にある燃料と水は、第1の熱交換器23と組換え器22及び第1の加熱器21に合わせて陽極入口からセル20へ伝送され、また、気体供給ユニット29からの空気は、第2の加熱器25と第2の熱交換器26に合わせて陰極入口からセル20へ伝送され、そして、セル20で反応してから、陽極出力口から、完全に燃焼されていない燃料をオフガス続燃焼ユニット24へ送って持続的に燃焼させ、また、陰極出力口から出力された気体は、第1の熱交換器23を介して、オフガス続燃焼ユニット24に送られて持続的に燃焼させ、これにより、該セル20は化学反応により必要とする電気エネルギーが生成される。
【0004】
しかしながら、上記の従来の固体酸化物燃料電池は、セル20に化学反応させて必要とする電気エネルギーを生成できるが、該第1の加熱器21と第2の加熱器25及び第3の加熱器283は、電熱線による加熱であるため、化学反応するに、セル20に対して比較的に外部エネルギーを供給することが必要であり、これにより、セル20が化学反応を行う時、効率が悪く実用的とは言えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、外部から供給されるエネルギーを低減し、作業効率が向上される効果が得られる固体酸化物燃料電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、陽極入力と出力部及び陰極入力と出力部を有するセルと、陽極入力部に接続される第1の電熱ユニットと、陰極入力部に接続される第2の電熱ユニットと、第1の電熱ユニットに接続される組換えユニットと、第2の電熱ユニットに接続される熱交換ユニットと、組換えユニットと陽極及び陰極出力部に接続されるオフガス続燃焼ユニットと、加湿器を介して、組換えユニットに接続される第1の気体供給ユニットと、組換えユニットに接続される第2の気体供給ユニットと、オフガス続燃焼ユニットに接続される第3の気体供給ユニットと、熱交換ユニットに接続される第4の気体供給ユニットとが備えられる固体酸化物燃料電池構造である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1と図2は、それぞれ、本発明の基本構造概念図と本発明のブロック概念図である。図のように、本発明は固体酸化物燃料電池構造であり、少なくとも、セル10と第1の電熱ユニット11、第2の電熱ユニット12、組換えユニット13、熱交換ユニット14、オフガス続燃焼ユニット15、第1の気体供給ユニット16、第2の気体供給ユニット17、第3の気体供給ユニット18及び第4の気体供給ユニット19から構成され、該固体酸化物燃料電池は外部から供給されるエネルギーを低減でき、作業効率を向上する効果が得られる。
【0008】
上記のセル10は、陽極入力部101と陽極出力部102、陰極入力部103及び陰極出力部104が備えられ、化学反応を行うことにより、必要とする電気エネルギーが生成される。
【0009】
該第1の電熱ユニット11は、上記の陽極入力部101に接続され、陽極入力部101からセル10に入る気体に対して予熱する。
【0010】
該第2の電熱ユニット12は、上記の陰極入力部103に接続され、陰極入力部103からセル10に入る気体に対して予熱する。
【0011】
該組換えユニット13は、上記の第1の電熱ユニット11に接続され、天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油を水素リッチ気体に組換えることができる。
【0012】
該熱交換ユニット14は、上記の第2の電熱ユニット12に接続され、組換えユニット13の出口気体の排気熱を回収でき、そして、新鮮な空気や水蒸気を加熱でき、全体として効率が向上される。
【0013】
該オフガス続燃焼ユニット15は、上記の組換えユニット13や陽極出力部102及び陰極出力部104に接続され、また、該オフガス続燃焼ユニット15と陽極出力部102との間に制御弁151があり、セル10の陽極出力部102と陰極出力部104の残り燃料を燃焼して、オフガスの温度を上昇させ、システムの回収可能の熱エネルギーを向上して、システムの効率が向上される。
【0014】
該第1の気体供給ユニット16は、上記の組換えユニット13に接続されてHやNが供給され、また、該第1の気体供給ユニット16と組換えユニット13との間に管路の水蒸気量を増加できる加湿器161があり、また、該第1の気体供給ユニット16と加湿器161との間に制御弁162があり、そして、該加湿器161と組換えユニット13との間に補助気体供給ユニット163が設けられ、該補助気体供給ユニット163は空気を供給でき、また、該補助気体供給ユニット163と組換えユニット13との間に制御弁164がある。
【0015】
該第2の気体供給ユニット17は、上記の組換えユニット13に接続され、天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油或いは水を供給でき、また、該第2の気体供給ユニット17と組換えユニット13との間に制御弁171がある。
【0016】
該第3の気体供給ユニット18は、上記のオフガス続燃焼ユニット15に接続され、天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油或いは空気を供給でき、また、該第3の気体供給ユニット18とオフガス続燃焼ユニット15との間に、制御弁181がある。
【0017】
該第4の気体供給ユニット19は、上記の熱交換ユニット14に接続される。上記の構造により、新規の固体酸化物燃料電池構造が構成される。
【0018】
図3は、本発明の良い態様のブロック流れの概念図である。図のように、本発明は、第3の気体供給ユニット18からの天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油或いは空気を相当な割合で混合し、また、論理を制御する方式により制御弁181を制御して、天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油或いは空気を必要とする流量に調整した後、オフガス続燃焼ユニット15が燃焼することにより温度を上昇させ、固体酸化物燃料電池において、組換えユニット13が必要とする温度が最も高いため、オフガス続燃焼ユニット15出口端を、まず、組換えユニット13に接続する。
【0019】
該セル10の陽極入力部101に供給される気体が水素ガスである時、第1の気体供給ユニット16により、制御弁162や加湿器161に合わせて、生成した水素ガスを、直接に、陽極入力部101を経てセル10に送り、組換えユニット13による反応が必要しなくて、セル10の陽極入力部101に入る前、第1の電熱ユニット11で、セル10の反応に必要とするエネルギーに加熱するだけで必要とする反応が行われ、該セル10の陽極入力部101に供給される気体が天然ガスやアルコール、ガソリン或いはディーゼル油である時、第2の気体供給ユニット17により、制御弁171に合わせて、天然ガスやアルコール、ガソリン或いはディーゼル油を組換えユニット13へ案内して、天然ガスやアルコール、ガソリン或いはディーゼル油を組換えユニット13の触媒と反応させて水素リッチ気体を生成した後、陽極入力部101からセル10へ送られ、必要とする反応を行い、また、セル10の陽極入力部101に第1の気体供給ユニット16や第2の気体供給ユニット17の気体が供給される時、補助気体供給ユニット163により、制御弁164に合わせて空気を供給して反応に助ける。
【0020】
セル10の陰極入力部103に必要される気体成分は、主として、酸素ガスであるため、空気を第4の気体供給ユニット19から熱交換ユニット14へ案内し、また、組換えユニット13が作動する時の温度が非常に高いため、第4の気体供給ユニット19により気体を供給する時、熱交換ユニット14により有効的に空気を加熱でき、その後、第2の電熱ユニット12でセル10に必要とするエネルギーまで加熱し、そして、陰極入力部103からセル10に送って必要とする反応を行う。
【0021】
また、セル10が反応した後の陽極出力部102と陰極出力部104(即ち、セル10の出口端)において、陽極出力部102で、完全に燃焼されていない燃料をオフガス続燃焼ユニット15へ送られて持続的に燃焼でき、また、陰極出力部104が出力した気体の温度により、オフガス続燃焼ユニット15に必要とするエネルギーを供給でき、これにより、オフガス続燃焼ユニット15の温度がより高くなり、また、該組換えユニット13とオフガス続燃焼ユニット15とは、更に一つの機構に統合されることができ、その中、組換えユニット13に必要とする熱エネルギーはオフガス続燃焼ユニット15が燃焼することにより供給され、その後、余剰の熱エネルギーを利用して、熱交換ユニット14で空気を加熱し、また、セル10に入る前、必要に応じて、第1の電熱ユニット11と第2の電熱ユニット12で加熱する。セル10に入った気体がオフガス続燃焼ユニット15に回収されて再利用される。
【0022】
以上のように、本発明に係わる固体酸化物燃料電池構造は、有効に従来の諸欠点を改善でき、該固体酸化物燃料電池は、外部から供給されるエネルギーを低減でき、作業効率を向上できる効果が得られるため、本発明はより進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0023】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の基本構造概念図
【図2】本発明のブロック概念図
【図3】本発明のより良い態様のブロック流れ概念図
【図4】従来の作動態様概念図
【符号の説明】
【0025】
(本発明部分)
10 セル
101 陽極入力部
102 陽極出力部
103 陰極入力部
104 陰極出力部
11 第1の電熱ユニット
12 第2の電熱ユニット
13 組換えユニット
14 熱交換ユニット
15 オフガス続燃焼ユニット
151 制御弁
16 第1の気体供給ユニット
161 加湿器
162 制御弁
163 補助気体供給ユニット
164 制御弁
17 第2の気体供給ユニット
171 制御弁
18 第3の気体供給ユニット
181 制御弁
19 第4の気体供給ユニット
(従来部分)
20 セル
21 第1の加熱器
22 組換え器
23 第1の熱交換器
24 オフガス続燃焼器
25 第2の加熱器
26 第2の熱交換器
27 燃料供給ユニット
271 燃料供給器
272 流量制御器
28 液体供給ユニット
281 液体供給器
282 ポンプ
283 第3の加熱器
29 気体供給ユニット
291 気体供給器
292 流量制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極入力部と陽極出力部、陰極入力部及び陰極出力部があるセルと、上記の陽極入力部に接続される第1の電熱ユニットと、上記の陰極入力部に接続される第2の電熱ユニットと、上記の第1の電熱ユニットに接続される組換えユニットと、上記の第2の電熱ユニットに接続される熱交換ユニットと、上記の組換えユニットや陽極出力部及び陰極出力部に接続されるオフガス続燃焼ユニットと、上記の組換えユニットに接続され、また、該第1の気体供給ユニットと組換えユニットとの間に位置する加湿器がある第1の気体供給ユニットと、上記の組換えユニットに接続される第2の気体供給ユニットと、上記のオフガス続燃焼ユニットに接続される第3の気体供給ユニットと、上記の熱交換ユニットに接続される第4の気体供給ユニットとが備えられることを特徴とする、固体酸化物燃料電池構造。
【請求項2】
該オフガス続燃焼ユニットと陽極出力部との間に、制御弁があることを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項3】
該加湿器と組換えユニットとの間に、補助気体供給ユニットが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項4】
該補助気体供給ユニットは、空気を供給することを特徴とする、請求項3に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項5】
該補助気体供給ユニットと組換えユニットとの間に、制御弁があることを特徴とする、請求項3に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項6】
該第1の気体供給ユニットは、HとNを供給することを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項7】
該第1の気体供給ユニットと加湿器との間に、制御弁があることを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項8】
該第2の気体供給ユニットは、天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油或いは水を供給することを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項9】
該第2の気体供給ユニットと組換えユニットとの間に、制御弁があることを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項10】
該第3の気体供給ユニットは、天然ガスやアルコール、ガソリン、ディーゼル油或いは空気を供給することを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項11】
該第3の気体供給ユニットとオフガス続燃焼ユニットとの間に、制御弁があることを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。
【請求項12】
該組換えユニットとオフガス続燃焼ユニットとは、一つの機構に統合されることを特徴とする、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−104935(P2009−104935A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276494(P2007−276494)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(595165656)行政院原子能委員会核能研究所 (51)
【Fターム(参考)】