固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ
【課題】箔巻回型コンデンサ素子に導電性高分子の固体電解質を形成してなる固体電解コンデンサを低背で面実装可能なチップ部品とする。
【解決手段】ともにリード端子が接続された陽極電極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回してなる箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成し、上面が開放され側面にリード挿通孔を有する扁平な箱体からなる外装体内に、固体電解質が形成された扁平形コンデンサ素子を収納するとともに、各リード端子の先端部側をリード挿通孔から引き出し、外装体の上面開口部から硬化性樹脂を充填して扁平形コンデンサ素子を外装体内に固定し、各リード端子の先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とする。
【解決手段】ともにリード端子が接続された陽極電極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回してなる箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成し、上面が開放され側面にリード挿通孔を有する扁平な箱体からなる外装体内に、固体電解質が形成された扁平形コンデンサ素子を収納するとともに、各リード端子の先端部側をリード挿通孔から引き出し、外装体の上面開口部から硬化性樹脂を充填して扁平形コンデンサ素子を外装体内に固定し、各リード端子の先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箔巻回型コンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサを低背で面実装可能なチップ部品とする固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体電解コンデンサでは、電解質として導電性高分子からなる固体電解質を用いるため、電解液が含浸されたアルミニウム電解コンデンサで指摘されている液漏れや蒸散と言った問題や、特性劣化がほとんどなく長寿命であり、しかも低ESR化が容易であることなどからして、近年急速に普及されている。
【0003】
箔巻回型コンデンサ素子を用いるアルミニウム固体電解コンデンサは、電解質形成工程を除いて、アルミニウム電解コンデンサとほぼ同じ工程を経て作製される。
【0004】
すなわち、タブ端子がそれぞれ接続されたアルミニウムからなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して渦巻き状に巻回したコンデンサ素子に、電解液の含浸に代えて、導電性高分子からなる固体電解質を形成し、外装体としての有底円筒状のアルミニウムケース内に収納し、その開口部を封口ゴムで封止し、開口部端縁をかしめるとともに、封口ゴムに対応するケース周面に横絞り溝を刻設することにより作製される。
【0005】
したがって、外観上は例えば特許文献1に記載されているアルミニウム電解コンデンサとほとんど同じである。
【0006】
しかしながら、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで封止しているため、他のチップ部品に比べて封口ゴムの厚さ分、背(全体の軸長)が高い、という問題がある。
【0007】
封口ゴムの厚さを薄くすれば、その分、低背化することができるが、他方において、リフローはんだ時の熱によるケース内の圧力上昇に耐えられず、いわゆるリフロー膨れが生じやすくなるため、好ましくない。
【0008】
箔積層型とすれば、低背化することができるが、これには専用設備を新規に導入する必要があり、生産コストが高くなる、という別の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−108865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、箔巻回型コンデンサ素子に導電性高分子の固体電解質を形成してなる固体電解コンデンサを低背で面実装可能なチップ部品とする固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本願の第1の発明は、陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成し、上面が開放され所定の側面に上記陽極リード端子と上記陰極リード端子とに対応するリード挿通孔を有する扁平な箱体からなる外装体内に、上記固体電解質が形成された扁平形コンデンサ素子を収納するとともに、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を上記各リード挿通孔から引き出し、上記外装体の上面開口部から硬化性樹脂を充填して上記扁平形コンデンサ素子を上記外装体内に固定し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴としている。
【0012】
また、本願の第2の発明は、 陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子とし、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成したのち、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を除いて上記扁平形コンデンサ素子の周りに、その扁平形状に沿ってモールド樹脂よりなる樹脂外装体を直接形成し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴としている。
【0013】
上記の各発明において、上記箔巻回型のコンデンサ素子は、リード同一方向型であってもよいし、リード反対方向型であってもよい。
【0014】
また、本発明には、上記の各発明の製造方法によって製造された固体電解コンデンサも含まれる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、例えば既存のアルミニウム電解コンデンサの設備によって作製された円筒状の箔巻回型のコンデンサ素子を、長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、導電性高分子を含む固体電解質を形成し、この扁平化された固体電解質を有するコンデンサ素子を横置き、すなわちコンデンサ素子の巻き取り軸線を回路基板の基板面に対して平行として、コンデンサ素子をそれに見合った扁平な箱形の外装体内に収納して硬化性樹脂により固定するか、もしくはコンデンサ素子の周りに、直接モールド樹脂よりなる扁平形状に見合った外装体を形成することにより、低背で面実装可能なチップ部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】箔巻き取り時の陽極電極箔、陰極電極箔およびセパレータを示す斜視図。
【図1b】円筒状に巻回されたコンデンサ素子を扁平に押し潰す状態を示す模式図。
【図1c】第1実施形態における扁平形コンデンサ素子を示す斜視図。
【図1d】上記扁平形コンデンサ素子用の外装体を示す斜視図。
【図1e】上記扁平形コンデンサ素子を外装体内に収納した状態を示す斜視図。
【図1f】上記第1実施形態による固体電解コンデンサを示す斜視図。
【図2a】第2実施形態に適用される外装体を示す斜視図。
【図2b】上記扁平形コンデンサ素子を外装体内に収納した状態を示す斜視図。
【図2c】上記第2実施形態による固体電解コンデンサを示す斜視図。
【図3】第2実施形態に適用される扁平形コンデンサ素子の別の例を示す斜視図。
【図4】第3実施形態による固体電解コンデンサを模式的示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
本発明の固体電解コンデンサは、箔巻回型のコンデンサ素子を用いることから、まず図1aに示すように、タブ端子15が取り付けられた陽極電極箔11と、タブ端子16が取り付けられた陰極電極箔13とをセパレータ12,14を介して渦巻き状に巻回することにより、図1bに示す円筒状のコンデンサ素子10を作製する。
【0019】
陽極電極箔11には、エッチング処理により表面が粗面化され、その後に例えば陽極酸化法にて、誘電体としての酸化被膜が表面に形成されたアルミニウム箔が好ましく使用される。
【0020】
これに対して、陰極電極箔13には、アルミニウム箔またはその合金箔をエッチングにより表面粗化したもの、あるいはそれに酸化被膜を形成したもの、弁金属箔またはその合金をプレーンのまま、またはエッチングし表面にカーボンやチタンなどの粒子を蒸着等で付着させたものを使用することができる。
【0021】
また、タブ端子15,16には、アルミニウム丸棒線の一端側をプレスして扁平とした羽子板状の端子本体15a,16aの丸棒側の端面に、CP線(ハンダメッキ銅被覆鋼線)15b,16bを溶接してなる端子が用いられてよい。
【0022】
なお、以下の説明において、陽極側のタブ端子15のCP線15bを「陽極リード端子15b」、陰極側のタブ端子16のCP線16bを「陰極リード端子16b」と言うことがある。
【0023】
次に、図1bに示すように、コンデンサ素子10をプレス装置の水平な基台面110上に載置し、プレスヘッド120にてコンデンサ素子10をその巻き取り軸と直交する方向(矢印A方向)から押し潰して、図1cに示す第1実施形態における扁平形コンデンサ素子10Aを作製する。
【0024】
この第1実施形態における扁平形コンデンサ素子10Aは、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bとが、箔巻回体の同一端面側から引き出されているリード同一方向型(ディスクリート型)である。
【0025】
なお、コンデンサ素子10を扁平に押し潰す際、タブ端子15,16の端子本体15a,16aの角によって箔損傷もしくは箔切れが生じないようにするため、図1bに示すように、素子巻き取り時にタブ端子15,16を、円筒状コンデンサ素子10の直径線R1を中心として仮想的に分けられた2つの素子内部のいずれか一方の素子内部に存在させ、直径線R1を基台面110と平行として、円筒状コンデンサ素子10を基台面110と直交する方向から押し潰すことが好ましい。
【0026】
図1cでは、作図の都合上、扁平形コンデンサ素子10Aは楕円形を呈しているが、プレスによって押し潰した場合、実際には一対の平行な平坦面を含む長円形とされる。これとは別に、扁平形コンデンサ素子10Aは楕円状に巻き取られてもよく、この態様も本発明に含まれる。
【0027】
そして、好ましくは扁平形コンデンサ素子10Aを例えばアジピン酸アンモンを主成分とする化成液に浸漬し、タブ端子15を介して陽極電極箔11に所定の電圧を印加して、陽極電極箔11を再化成する。これにより、箔巻回時および扁平化時に生じた陽極電極箔11の酸化皮膜の欠損箇所を修復する。
【0028】
その後、扁平形コンデンサ素子10Aに所定のモノマー(例えば、チオフェンモノマー(3,4−エチレンジオキシチオフェン))と酸化剤を含浸し、化学重合させて導電性高分子からなる固体電解質を形成する。
【0029】
このように、本発明においては、扁平化したコンデンサ素子10Aに対して、固体電解質を形成することにより、以下の工程において良好な固体電解質が維持される。
【0030】
次に、扁平形コンデンサ素子10Aに外装体を形成するため、第1実施形態では、図1dに示すように、外装体として、上面が開放されていて、同一側面に陽極リード端子15b用の第1リード挿通孔21aと陰極リード端子16b用の第2リード挿通孔21bとが穿設されている耐熱性樹脂よりなる扁平な箱体20Aを用いる。
【0031】
この箱体20A内に、図1eに示すように、扁平形コンデンサ素子10Aを横置き状に収納して、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bとを、それぞれ第1リード挿通孔21a,第2リード挿通孔21bから引き出す。
【0032】
そして、図1fに示すように、箱体20Aの上面開口部より硬化性樹脂31を充填し、硬化させて扁平形コンデンサ素子10Aを箱体20A内に固定する。なお、硬化性樹脂31は、熱硬化樹脂もしくは紫外線硬化樹脂のいずれでもよいが、樹脂全体をまんべんなく硬化させる上で、熱硬化樹脂が好ましい。
【0033】
その後、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を図示しない回路基板の基板面に沿うように所定方向に折り曲げて、面実装可能なチップ化された固体電解コンデンサ1Aを得る。
【0034】
この例では、図1fに示すように、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を箱体20Aの側面に沿って下方に向けて折り曲げてから、箱体20Aの底面を含む平面に沿って箱体20Aから離れる方向に折り曲げているが、これとは反対に、箱体20Aの底面に潜り込むように折り曲げてもよい。いずれにしても、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分をプレス等で扁平に押し潰すことが好ましい。
【0035】
この固体電解コンデンサ1によれば、箔巻回型のコンデンサ素子を扁平に押し潰してなる扁平形のコンデンサ素子1Aを用いているため、その分、低背化することができる。また、固体電解質の形成工程を除いて、既存のアルミニウム電解コンデンサの製造設備を使用することができるため、生産コスト的にも有利である。
【0036】
次に、図2a〜図2cにより、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、図1cに示すリード同一方向型の扁平形コンデンサ素子10Aを、見かけ上、リード反対方向型のチップ化された固体電解コンデンサとする。
【0037】
そのため、扁平形コンデンサ素子10Aを収納する外装体として、図2aに示すように、上面が開放されており、陽極リード端子15b用の第1リード挿通孔21aと陰極リード端子16b用の第リード挿通孔21bとが対向する側面に穿設されている耐熱性樹脂よりなる扁平な箱体20Bを用いる。
【0038】
図2bに、扁平形コンデンサ素子10Aを横置き状として箱体20B内に収納し、各リード端子15b,16bをリード挿通孔21a,21bから引き出した状態を示す。
【0039】
この場合、一方のリード端子は、対向する側面に穿設されているリード挿通孔から引き出され、他方のリード端子は、その長さを長くして扁平形コンデンサ素子10Aの他方の端面側に折り曲げられたうえで、反対側の側面に穿設されているリード挿通孔から引き出されることになるが、上記一方のリード端子を陽極リード端子15bとし、上記他方のリード端子を陰極リード端子16bとすることが好ましい。
【0040】
上記のように扁平形コンデンサ素子10Aを箱体20B内に収納したのち、図2cに示すように、箱体20Bの上面開口部より硬化性樹脂31を充填し、硬化させて扁平形コンデンサ素子10Aを箱体20B内に固定する。硬化性樹脂31は、熱硬化樹脂もしくは紫外線硬化樹脂のいずれでもよいが、この第2実施形態においても、樹脂全体をまんべんなく硬化させるうえで、熱硬化樹脂が好ましい。
【0041】
その後、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を図示しない回路基板の基板面に沿うように所定方向に折り曲げることにより、面実装可能なチップ化されたリード反対方向型の固体電解コンデンサ1Bを得る。
【0042】
この第2実施形態においても、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を上記第1実施形態塗同じく所定方向に折り曲げ、プレス等で扁平に押し潰すことが好ましい。
【0043】
なお、図2cに示すリード反対方向型のチップ化された固体電解コンデンサ1Bを得るにあたって、図3に示すリード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bを用いることもできる。
【0044】
この扁平形コンデンサ素子10Bは、図1aにおいて、例えば陰極側のタブ端子16を陽極側のタブ端子15とは反対方向に取り付けて、陽極電極箔11と陰極電極箔13とをセパレータ12,14を介して渦巻き状に巻回したのち、図1bに示すように扁平に押し潰すことにより作製される。
【0045】
このリード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bによれば、上記第2実施形態のように、一方のリード端子を箱体20B内で引き回すことなく、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bとを、それぞれ対応するリード挿通孔21a,21bから直接的に引き出すことができる。
【0046】
次に、図4により、本発明の第3実施形態について説明する。
【0047】
この第3実施形態では、図3に示すリード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bの周りに、その扁平形状に沿ってモールド樹脂よりなる樹脂外装体41を直接形成し、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ化された固体電解コンデンサ1Cとする。
【0048】
樹脂外装体41は、リード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bを図示しない成型金型内に入れ、そのキャビティ内に耐熱性の溶融合成樹脂を注入することにより形成されてよい。
【0049】
図4において、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部側は、樹脂外装体41の底面に沿って互いに近づく方向にいゆわる蟹足状に折り曲げられているが、樹脂外装体41の底面を含む平面内で互いに離れる方向に折り曲げられてもよい。
【0050】
いずれの場合も、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部側は、プレスにより扁平に押し潰されることが好ましい。
【符号の説明】
【0051】
1A,1B,1C 固体電解コンデンサ
10A,10B 扁平形コンデンサ素子
15b 陽極リード端子
16b 陰極リード端子
20A,20B 箱体
21a 第1リード挿通孔
21b 第1リード挿通孔
31 硬化性樹脂
41 樹脂外装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、箔巻回型コンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサを低背で面実装可能なチップ部品とする固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体電解コンデンサでは、電解質として導電性高分子からなる固体電解質を用いるため、電解液が含浸されたアルミニウム電解コンデンサで指摘されている液漏れや蒸散と言った問題や、特性劣化がほとんどなく長寿命であり、しかも低ESR化が容易であることなどからして、近年急速に普及されている。
【0003】
箔巻回型コンデンサ素子を用いるアルミニウム固体電解コンデンサは、電解質形成工程を除いて、アルミニウム電解コンデンサとほぼ同じ工程を経て作製される。
【0004】
すなわち、タブ端子がそれぞれ接続されたアルミニウムからなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して渦巻き状に巻回したコンデンサ素子に、電解液の含浸に代えて、導電性高分子からなる固体電解質を形成し、外装体としての有底円筒状のアルミニウムケース内に収納し、その開口部を封口ゴムで封止し、開口部端縁をかしめるとともに、封口ゴムに対応するケース周面に横絞り溝を刻設することにより作製される。
【0005】
したがって、外観上は例えば特許文献1に記載されているアルミニウム電解コンデンサとほとんど同じである。
【0006】
しかしながら、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで封止しているため、他のチップ部品に比べて封口ゴムの厚さ分、背(全体の軸長)が高い、という問題がある。
【0007】
封口ゴムの厚さを薄くすれば、その分、低背化することができるが、他方において、リフローはんだ時の熱によるケース内の圧力上昇に耐えられず、いわゆるリフロー膨れが生じやすくなるため、好ましくない。
【0008】
箔積層型とすれば、低背化することができるが、これには専用設備を新規に導入する必要があり、生産コストが高くなる、という別の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−108865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、箔巻回型コンデンサ素子に導電性高分子の固体電解質を形成してなる固体電解コンデンサを低背で面実装可能なチップ部品とする固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本願の第1の発明は、陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成し、上面が開放され所定の側面に上記陽極リード端子と上記陰極リード端子とに対応するリード挿通孔を有する扁平な箱体からなる外装体内に、上記固体電解質が形成された扁平形コンデンサ素子を収納するとともに、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を上記各リード挿通孔から引き出し、上記外装体の上面開口部から硬化性樹脂を充填して上記扁平形コンデンサ素子を上記外装体内に固定し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴としている。
【0012】
また、本願の第2の発明は、 陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子とし、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成したのち、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を除いて上記扁平形コンデンサ素子の周りに、その扁平形状に沿ってモールド樹脂よりなる樹脂外装体を直接形成し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴としている。
【0013】
上記の各発明において、上記箔巻回型のコンデンサ素子は、リード同一方向型であってもよいし、リード反対方向型であってもよい。
【0014】
また、本発明には、上記の各発明の製造方法によって製造された固体電解コンデンサも含まれる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、例えば既存のアルミニウム電解コンデンサの設備によって作製された円筒状の箔巻回型のコンデンサ素子を、長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、導電性高分子を含む固体電解質を形成し、この扁平化された固体電解質を有するコンデンサ素子を横置き、すなわちコンデンサ素子の巻き取り軸線を回路基板の基板面に対して平行として、コンデンサ素子をそれに見合った扁平な箱形の外装体内に収納して硬化性樹脂により固定するか、もしくはコンデンサ素子の周りに、直接モールド樹脂よりなる扁平形状に見合った外装体を形成することにより、低背で面実装可能なチップ部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】箔巻き取り時の陽極電極箔、陰極電極箔およびセパレータを示す斜視図。
【図1b】円筒状に巻回されたコンデンサ素子を扁平に押し潰す状態を示す模式図。
【図1c】第1実施形態における扁平形コンデンサ素子を示す斜視図。
【図1d】上記扁平形コンデンサ素子用の外装体を示す斜視図。
【図1e】上記扁平形コンデンサ素子を外装体内に収納した状態を示す斜視図。
【図1f】上記第1実施形態による固体電解コンデンサを示す斜視図。
【図2a】第2実施形態に適用される外装体を示す斜視図。
【図2b】上記扁平形コンデンサ素子を外装体内に収納した状態を示す斜視図。
【図2c】上記第2実施形態による固体電解コンデンサを示す斜視図。
【図3】第2実施形態に適用される扁平形コンデンサ素子の別の例を示す斜視図。
【図4】第3実施形態による固体電解コンデンサを模式的示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
本発明の固体電解コンデンサは、箔巻回型のコンデンサ素子を用いることから、まず図1aに示すように、タブ端子15が取り付けられた陽極電極箔11と、タブ端子16が取り付けられた陰極電極箔13とをセパレータ12,14を介して渦巻き状に巻回することにより、図1bに示す円筒状のコンデンサ素子10を作製する。
【0019】
陽極電極箔11には、エッチング処理により表面が粗面化され、その後に例えば陽極酸化法にて、誘電体としての酸化被膜が表面に形成されたアルミニウム箔が好ましく使用される。
【0020】
これに対して、陰極電極箔13には、アルミニウム箔またはその合金箔をエッチングにより表面粗化したもの、あるいはそれに酸化被膜を形成したもの、弁金属箔またはその合金をプレーンのまま、またはエッチングし表面にカーボンやチタンなどの粒子を蒸着等で付着させたものを使用することができる。
【0021】
また、タブ端子15,16には、アルミニウム丸棒線の一端側をプレスして扁平とした羽子板状の端子本体15a,16aの丸棒側の端面に、CP線(ハンダメッキ銅被覆鋼線)15b,16bを溶接してなる端子が用いられてよい。
【0022】
なお、以下の説明において、陽極側のタブ端子15のCP線15bを「陽極リード端子15b」、陰極側のタブ端子16のCP線16bを「陰極リード端子16b」と言うことがある。
【0023】
次に、図1bに示すように、コンデンサ素子10をプレス装置の水平な基台面110上に載置し、プレスヘッド120にてコンデンサ素子10をその巻き取り軸と直交する方向(矢印A方向)から押し潰して、図1cに示す第1実施形態における扁平形コンデンサ素子10Aを作製する。
【0024】
この第1実施形態における扁平形コンデンサ素子10Aは、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bとが、箔巻回体の同一端面側から引き出されているリード同一方向型(ディスクリート型)である。
【0025】
なお、コンデンサ素子10を扁平に押し潰す際、タブ端子15,16の端子本体15a,16aの角によって箔損傷もしくは箔切れが生じないようにするため、図1bに示すように、素子巻き取り時にタブ端子15,16を、円筒状コンデンサ素子10の直径線R1を中心として仮想的に分けられた2つの素子内部のいずれか一方の素子内部に存在させ、直径線R1を基台面110と平行として、円筒状コンデンサ素子10を基台面110と直交する方向から押し潰すことが好ましい。
【0026】
図1cでは、作図の都合上、扁平形コンデンサ素子10Aは楕円形を呈しているが、プレスによって押し潰した場合、実際には一対の平行な平坦面を含む長円形とされる。これとは別に、扁平形コンデンサ素子10Aは楕円状に巻き取られてもよく、この態様も本発明に含まれる。
【0027】
そして、好ましくは扁平形コンデンサ素子10Aを例えばアジピン酸アンモンを主成分とする化成液に浸漬し、タブ端子15を介して陽極電極箔11に所定の電圧を印加して、陽極電極箔11を再化成する。これにより、箔巻回時および扁平化時に生じた陽極電極箔11の酸化皮膜の欠損箇所を修復する。
【0028】
その後、扁平形コンデンサ素子10Aに所定のモノマー(例えば、チオフェンモノマー(3,4−エチレンジオキシチオフェン))と酸化剤を含浸し、化学重合させて導電性高分子からなる固体電解質を形成する。
【0029】
このように、本発明においては、扁平化したコンデンサ素子10Aに対して、固体電解質を形成することにより、以下の工程において良好な固体電解質が維持される。
【0030】
次に、扁平形コンデンサ素子10Aに外装体を形成するため、第1実施形態では、図1dに示すように、外装体として、上面が開放されていて、同一側面に陽極リード端子15b用の第1リード挿通孔21aと陰極リード端子16b用の第2リード挿通孔21bとが穿設されている耐熱性樹脂よりなる扁平な箱体20Aを用いる。
【0031】
この箱体20A内に、図1eに示すように、扁平形コンデンサ素子10Aを横置き状に収納して、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bとを、それぞれ第1リード挿通孔21a,第2リード挿通孔21bから引き出す。
【0032】
そして、図1fに示すように、箱体20Aの上面開口部より硬化性樹脂31を充填し、硬化させて扁平形コンデンサ素子10Aを箱体20A内に固定する。なお、硬化性樹脂31は、熱硬化樹脂もしくは紫外線硬化樹脂のいずれでもよいが、樹脂全体をまんべんなく硬化させる上で、熱硬化樹脂が好ましい。
【0033】
その後、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を図示しない回路基板の基板面に沿うように所定方向に折り曲げて、面実装可能なチップ化された固体電解コンデンサ1Aを得る。
【0034】
この例では、図1fに示すように、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を箱体20Aの側面に沿って下方に向けて折り曲げてから、箱体20Aの底面を含む平面に沿って箱体20Aから離れる方向に折り曲げているが、これとは反対に、箱体20Aの底面に潜り込むように折り曲げてもよい。いずれにしても、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分をプレス等で扁平に押し潰すことが好ましい。
【0035】
この固体電解コンデンサ1によれば、箔巻回型のコンデンサ素子を扁平に押し潰してなる扁平形のコンデンサ素子1Aを用いているため、その分、低背化することができる。また、固体電解質の形成工程を除いて、既存のアルミニウム電解コンデンサの製造設備を使用することができるため、生産コスト的にも有利である。
【0036】
次に、図2a〜図2cにより、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、図1cに示すリード同一方向型の扁平形コンデンサ素子10Aを、見かけ上、リード反対方向型のチップ化された固体電解コンデンサとする。
【0037】
そのため、扁平形コンデンサ素子10Aを収納する外装体として、図2aに示すように、上面が開放されており、陽極リード端子15b用の第1リード挿通孔21aと陰極リード端子16b用の第リード挿通孔21bとが対向する側面に穿設されている耐熱性樹脂よりなる扁平な箱体20Bを用いる。
【0038】
図2bに、扁平形コンデンサ素子10Aを横置き状として箱体20B内に収納し、各リード端子15b,16bをリード挿通孔21a,21bから引き出した状態を示す。
【0039】
この場合、一方のリード端子は、対向する側面に穿設されているリード挿通孔から引き出され、他方のリード端子は、その長さを長くして扁平形コンデンサ素子10Aの他方の端面側に折り曲げられたうえで、反対側の側面に穿設されているリード挿通孔から引き出されることになるが、上記一方のリード端子を陽極リード端子15bとし、上記他方のリード端子を陰極リード端子16bとすることが好ましい。
【0040】
上記のように扁平形コンデンサ素子10Aを箱体20B内に収納したのち、図2cに示すように、箱体20Bの上面開口部より硬化性樹脂31を充填し、硬化させて扁平形コンデンサ素子10Aを箱体20B内に固定する。硬化性樹脂31は、熱硬化樹脂もしくは紫外線硬化樹脂のいずれでもよいが、この第2実施形態においても、樹脂全体をまんべんなく硬化させるうえで、熱硬化樹脂が好ましい。
【0041】
その後、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を図示しない回路基板の基板面に沿うように所定方向に折り曲げることにより、面実装可能なチップ化されたリード反対方向型の固体電解コンデンサ1Bを得る。
【0042】
この第2実施形態においても、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部分を上記第1実施形態塗同じく所定方向に折り曲げ、プレス等で扁平に押し潰すことが好ましい。
【0043】
なお、図2cに示すリード反対方向型のチップ化された固体電解コンデンサ1Bを得るにあたって、図3に示すリード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bを用いることもできる。
【0044】
この扁平形コンデンサ素子10Bは、図1aにおいて、例えば陰極側のタブ端子16を陽極側のタブ端子15とは反対方向に取り付けて、陽極電極箔11と陰極電極箔13とをセパレータ12,14を介して渦巻き状に巻回したのち、図1bに示すように扁平に押し潰すことにより作製される。
【0045】
このリード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bによれば、上記第2実施形態のように、一方のリード端子を箱体20B内で引き回すことなく、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bとを、それぞれ対応するリード挿通孔21a,21bから直接的に引き出すことができる。
【0046】
次に、図4により、本発明の第3実施形態について説明する。
【0047】
この第3実施形態では、図3に示すリード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bの周りに、その扁平形状に沿ってモールド樹脂よりなる樹脂外装体41を直接形成し、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ化された固体電解コンデンサ1Cとする。
【0048】
樹脂外装体41は、リード反対方向型の扁平形コンデンサ素子10Bを図示しない成型金型内に入れ、そのキャビティ内に耐熱性の溶融合成樹脂を注入することにより形成されてよい。
【0049】
図4において、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部側は、樹脂外装体41の底面に沿って互いに近づく方向にいゆわる蟹足状に折り曲げられているが、樹脂外装体41の底面を含む平面内で互いに離れる方向に折り曲げられてもよい。
【0050】
いずれの場合も、陽極リード端子15bと陰極リード端子16bの各先端部側は、プレスにより扁平に押し潰されることが好ましい。
【符号の説明】
【0051】
1A,1B,1C 固体電解コンデンサ
10A,10B 扁平形コンデンサ素子
15b 陽極リード端子
16b 陰極リード端子
20A,20B 箱体
21a 第1リード挿通孔
21b 第1リード挿通孔
31 硬化性樹脂
41 樹脂外装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、
上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成し、
上面が開放され所定の側面に上記陽極リード端子と上記陰極リード端子とに対応するリード挿通孔を有する扁平な箱体からなる外装体内に、上記固体電解質が形成された扁平形コンデンサ素子を収納するとともに、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を上記各リード挿通孔から引き出し、
上記外装体の上面開口部から硬化性樹脂を充填して上記扁平形コンデンサ素子を上記外装体内に固定し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項2】
陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、
上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子とし、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成したのち、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を除いて上記扁平形コンデンサ素子の周りに、その扁平形状に沿ってモールド樹脂よりなる樹脂外装体を直接形成し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項3】
上記箔巻回型のコンデンサ素子がリード同一方向型である請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項4】
上記箔巻回型のコンデンサ素子がリード反対方向型である請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法により製造された固体電解コンデンサ。
【請求項1】
陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、
上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子としたのち、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成し、
上面が開放され所定の側面に上記陽極リード端子と上記陰極リード端子とに対応するリード挿通孔を有する扁平な箱体からなる外装体内に、上記固体電解質が形成された扁平形コンデンサ素子を収納するとともに、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を上記各リード挿通孔から引き出し、
上記外装体の上面開口部から硬化性樹脂を充填して上記扁平形コンデンサ素子を上記外装体内に固定し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項2】
陽極リード端子と陰極リード端子とを有する箔巻回型のコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質が形成されている固体電解コンデンサの製造方法において、
上記箔巻回型のコンデンサ素子を長円形状もしくは楕円形状に扁平化して扁平形コンデンサ素子とし、上記扁平形コンデンサ素子に導電性高分子を含む固体電解質を形成したのち、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を除いて上記扁平形コンデンサ素子の周りに、その扁平形状に沿ってモールド樹脂よりなる樹脂外装体を直接形成し、上記陽極リード端子と上記陰極リード端子の各先端部側を所定方向に折り曲げて、低背で面実装可能なチップ部品とすることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項3】
上記箔巻回型のコンデンサ素子がリード同一方向型である請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項4】
上記箔巻回型のコンデンサ素子がリード反対方向型である請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法により製造された固体電解コンデンサ。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−3698(P2011−3698A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145090(P2009−145090)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000103220)エルナー株式会社 (48)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000103220)エルナー株式会社 (48)
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