固体電解コンデンサ及びその製造方法
【課題】陽極リードと陽極側リードフレームの接合強度の向上、ESRの減少等の信頼性の高い固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】固体電解コンデンサ1の陽極側リードフレーム3の一部は折曲されて、陽極リード20に向けた突起部4を形成している。突起部4は、陽極リード20よりも上方に位置し陽極リード20と略平行な第1水平部41と、陽極リード20に接する第2水平部40と、第1水平部41の内端部と第2水平部40の外端部を繋ぐ傾斜部42と、該第2水平部40の内側端部から上向き折曲され傾斜部42と略対称な補助折曲部43を具えている。第2水平部40上であって陽極リード20との接触面46は平坦に形成され、第2水平部40上であって該接触面46と反対側の面47は丸みを帯びて湾曲形に形成されている。
【解決手段】固体電解コンデンサ1の陽極側リードフレーム3の一部は折曲されて、陽極リード20に向けた突起部4を形成している。突起部4は、陽極リード20よりも上方に位置し陽極リード20と略平行な第1水平部41と、陽極リード20に接する第2水平部40と、第1水平部41の内端部と第2水平部40の外端部を繋ぐ傾斜部42と、該第2水平部40の内側端部から上向き折曲され傾斜部42と略対称な補助折曲部43を具えている。第2水平部40上であって陽極リード20との接触面46は平坦に形成され、第2水平部40上であって該接触面46と反対側の面47は丸みを帯びて湾曲形に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードフレームを具えた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、固体電解コンデンサ(1)として、図9に示す構成が知られている(特許文献1参照)。これは、細いワイヤ状の陽極リード(20)を突出したコンデンサ素子(2)を具え、該陽極リード(20)に陽極側リードフレーム(3)が抵抗溶接等により、コンデンサ素子(2)の周面に陰極側リードフレーム(30)が導電性接着剤(6)により、夫々取り付けられる。コンデンサ素子(2)及び両リードフレーム(3)(30)の一部は合成樹脂製のハウジング(5)にて覆われ、ハウジング(5)の外側に突出したリードフレーム(3)(30)はハウジング(5)の周面に沿って下向きに曲げられる。
コンデンサ素子(2)は図10に示すように、タンタル等の弁金属の焼結体から形成される陽極体(24)の表面に誘電体酸化被膜(21)、導電性高分子から形成される固体電解質層(22)、カーボン及び銀ペースト層(23)を順次形成し、陽極リード(20)は、陽極体(24)の中心部から突出している。
【0003】
陽極側リードフレーム(3)は、ハウジング(5)内にて折曲されて段部(4)を形成し、該段部(4)は陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)と略平行であって第1水平部(40)よりも上側に位置する第2水平部(41)を具える。陽極側リードフレーム(3)は第2水平部(41)の端部からハウジング(5)の外側に延びて第1垂直部(35)を形成する。第1水平部(40)と第2水平部(41)との間に段差を設けていることにより、陽極リード(20)の先端と陽極側リードフレーム(3)の第1垂直部(35)は該段差分だけ離れており、陽極側リードフレーム(3)をハウジング(5)に沿って折曲して第1垂直部(35)を形成する際に、陽極リード(20)の先端と第1垂直部(35)が接する虞れを防いでいる。
【0004】
【特許文献1】特許3157722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
段部(4)は金属製の陽極側リードフレーム(3)を折曲されて形成されているから、スプリングバックを生じることがある。ここでスプリングバックとは、金属を折曲してから時間が経過すると、図11に角度Y、Zで示す如く、曲げ角度が広がるように、変形することを指す。従って、図12に示すように、コンデンサ素子(2)が陽極側リードフレーム(3)の第1水平部(40)及び陰極側リードフレーム(30)に対し、斜めに取り付けられ、コンデンサ素子(2)と陰極側リードフレーム(30)の接触面積にバラ付きが生じる。または、コンデンサ素子(2)と陰極側リードフレーム(30)間の導電性接着剤(6)の塗布量にバラ付きが生じる。
また、図13に示すように、陽極リード(20)を溶接すると、斜めに溶接されたコンデンサ素子(2)が陰極側リードフレーム(30)を押上げ、該陰極側リードフレーム(30)がハウジング(5)からはみ出し、外観不良を生じる。この結果、コンデンサ素子(2)の接合強度がバラ付き、信頼性に不安があった。
また、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)の位置関係がズレている、即ちコンデンサ素子(2)の周面を陰極側リードフレーム(30)に取り付けたときに、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)とが平行でないから、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)の実質的な接触面積が小さくなる。これにより、接合強度が弱く、且つESRが増加する等の問題があった。
また、斯種コンデンサは、更なる小型化、大容量化も求められている。
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、接合強度の向上、ESRの減少等の信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することにある。また、更なる小型化、大容量化した固体電解コンデンサを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
陽極リード(20)を突出させたコンデンサ素子(2)と、該陽極リード(20)に接続された陽極側リードフレーム(3)とを具え、陽極側リードフレーム(3)の一部とコンデンサ素子(2)とがハウジング(5)に覆われ、陽極側リードフレーム(3)はハウジング(5)内で折曲されて、陽極リード(20)に向けた段部(4)を形成した固体電解コンデンサに於いて、
段部(4)は、陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具え、
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成され、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面は丸みを帯びて湾曲形に形成されている。但し、丸みは複数あっても良い。
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は、プレス加工によって形成されている。
【発明の効果】
【0007】
1.陽極側リードフレーム(3)の段部(4)は、第1水平部(40)から第2水平部(41)と補助折曲部(43)を折曲して形成されている。段部(4)を加工する際は、第1水平部(40)と第2水平部(41)の間である傾斜部(42)、及び補助折曲部(43)の傾斜部(44)の両持構造で加工するため、段部(4)の両側に加わる曲げ荷重が均等になり、これにより陽極側リードフレーム(3)のスプリングバックが抑えられる。また、陽極リード(20)を第1水平部(40)に溶接するとき、溶接電極の押し付け荷重を、段部(4)の傾斜部(42)と補助折曲部(43)の傾斜部(44)の両持ちで支えるため、溶接時に前記第1水平部(40)と第2水平部(41)の平行度が狂うのを防止している。
従って、コンデンサ素子(2)は陽極側リードフレーム(3)に正しく取り付けられて、従来のようなコンデンサ素子(2)の不正確な取り付けによる接合強度の弱さ、ESRの増大等の問題を解消することができる。
2.また、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成されているから、接触面(46)と第1水平部(40)の接触面積が大きくなる。この点でも陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)との接合強度を高め、ESRを小さくすることができる。更に、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面、即ち裏面は丸みを帯びて、補強されているから、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)を平坦に形成する際の割れ等を防止することができる。
3.また、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)は、第1水平部(40)を凸形状に押し出し曲げをするとき、金型で段部(4)の傾斜部(42)及び補助折曲部(43)の傾斜部(44)が薄くなるようにつぶしながら曲げプレス加工するので、第2水平部(41)から第1水平部(40)を経て補助折曲部(43)に至るまでの距離は、接触面(46)をプレス加工しない場合に比して長くなっている。これにより、陽極側リードフレーム(3)の初期の切出し長さを変えることなく、第2水平部(41)から第1水平部(40)までの上下距離を長く設けることができるから、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が大きな場合にも対応できる。コンデンサ素子(2)の周面の大型化に対応できるから、固体電解コンデンサ(1)を大容量化することができる。
更に、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)と、接触面(46)をプレス加工していない陽極側リードフレーム(3)を夫々用いて、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が同じである固体電解コンデンサを形成するとする。この場合、第1水平部(40)から第2水平部(41)までの上下距離が同じであるにも拘わらず、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)の方が、第2水平部(41)から補助折曲部(43)までの距離が長い。これにより、第2水平部(41)から第1水平部(40)への折曲開始点をハウジング(5)の内側に寄せることができる。この点で固体電解コンデンサ(1)のハウジング(5)を小型化、即ち横幅を狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。本例の固体電解コンデンサ(1)に用いられるコンデンサ素子(2)は、図10に示す従来と同じものである。ここで、コンデンサ素子(2)の固体電解質層(22)を形成する材料には、ポリピロールが用いられるが、これに代えて、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性高分子、TCNQ(7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等が挙げられる。また、リードフレーム(3)(30)を形成する材料には、銅を含む合金、鉄とニッケルとの合金等が挙げられる。
更に陽極体(24)及び陽極リード(20)を構成する弁金属には、タンタルの他に、例えばニオブ、チタン、アルミニウムが挙げられる。
【0009】
図1は、本例の固体電解コンデンサ(1)の正面断面図である。コンデンサ素子(2)からは、細いワイヤ状の陽極リード(20)が突出しており、該陽極リード(20)に陽極側リードフレーム(3)が抵抗溶接等により、コンデンサ素子(2)の周面に陰極側リードフレーム(30)が導電性接着剤(6)により、夫々取り付けられる。コンデンサ素子(2)及び両リードフレーム(3)(30)の一部は合成樹脂製のハウジング(5)にて覆われ、ハウジング(5)の外側に突出したリードフレーム(3)(30)は、ハウジング(5)の周面に沿って下向きに曲げられる。
【0010】
図2は、陽極側リードフレーム(3)の先端部の拡大図である。陽極側リードフレーム(3)の先端部は、ハウジング(5)内で折曲されて、陽極リード(20)に向けた段部(4)を形成している。段部(4)は、陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、両水平部(40)(41)を繋ぐ第1傾斜部(42)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具えている。補助折曲部(43)は第1水平部(40)の内側端部から斜め上向きに延びた第2傾斜部(44)と、該第2傾斜部(44)の上端部から内向きに延びた第3水平部(45)を具える。第2、第3水平部(41)(45)の上面は、ハウジング(5)内の陰極側リードフレーム(30)の上面と略同一平面内に位置する。
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は、後記の如くプレス加工によって、平坦に形成されている。第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面は丸みを帯びて湾曲形に形成されている。
【0011】
第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成されているから、陽極リード(20)と接触面(46)は密に接する。この点で、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)との接合強度を高めることができる。特に、段部(4)は金属板である陽極側リードフレーム(3)を折曲して形成しているから、第1水平部(40)と第2水平部(41)の上下間隔(図2のH)が大きいと、接触面(46)が丸みを帯びやすくなる。これは、接合強度の低下、ESRの増大を招来する。
接触面(46)を平坦に形成することにより、接触面(46)と第1水平部(40)の接触面積が大きくなる。従って、第1水平部(40)と第2水平部(41)の上下間隔が大きくとも、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)との接合強度を高め、ESRを小さくすることができる。
更に、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面、即ち裏面は丸みを帯びて、補強されているから、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)を平坦に形成する際の割れ等を防止することができる。
【0012】
図3(a)、(b)は、本例に於ける段部(4)の効果を示す説明図であり、(a)は接触面(46)をプレス加工した段部(4)を、(b)はプレス加工していない段部(4)を夫々示す。又、図2とは上下を逆にしている。図3(a)に於いて、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)はプレス加工により形成されているから、その分の肉(図3(a)にて点線で示す箇所)が補助折曲部(43)及び第2水平部(41)に向けてはみ出る。
従って、図3(a)にて、陽極側リードフレーム(3)に沿う第2水平部(41)の内側端部Aから第1水平部(40)を経て第3水平部(45)の内側端部Bに至るまでの距離は、図3(b)の第2水平部(41)の内側端部A1から第1水平部(40)を経て第3水平部(45)の内側端部B1に至るまでの距離に比して長くなっている。
これにより、陽極側リードフレーム(3)の初期の切出し長さを変えることなく、第1水平部(40)から第2水平部(41)までの上下距離Hを長く設けることができるから、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が大きな場合にも対応できる。コンデンサ素子(2)の周面の大型化に対応できるから、固体電解コンデンサ(1)を大容量化することができる。
【0013】
更に、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)(図3(a))と、接触面(46)をプレス加工していない陽極側リードフレーム(3)(図3(b))を夫々用いて、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が同じである固体電解コンデンサを形成するとする。この場合、上下距離Hが同じであるにも拘わらず、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)の方が、第2水平部(41)から補助折曲部(43)までの距離が長い。これにより、第2水平部(41)から第1水平部(40)への折曲開始点をハウジング(5)の内側に寄せることができる。具体的には、図4に示すように、第2水平部(41)の内側端部AをA2の位置に寄せることができる。この点で固体電解コンデンサ(1)のハウジング(5)を小型化、即ち横幅を狭くすることができる。
また、図3(c)に示すように、打ち抜きダレを残して第3水平部(45)を設けなくともよい。この場合、第3水平部(45)の水平長さ分だけ、段部(4)をコンデンサ素子(2)に寄せることができ、これによっても固体電解コンデンサ(1)のハウジング(5)を小型化することができる。
【0014】
陽極側リードフレームの製造方法
以下に陽極側リードフレーム(3)の製造方法を示す。
図5の平面図に示すように、リードフレーム(3)(30)となる金属板(8)を打ち抜き加工して、互いに離間した陽極構成片(80)と、陰極構成片(81)を設ける。陰極構成片(81)のコンデンサ素子(2)が載置される箇所には凹面(31)が形成され、コンデンサの全体高さが高くなることを抑えている。即ち、リードフレーム(3)(30)は金属板(8)を切り出して形成される。
次に、図6に示すように、陽極構成片(80)の先端部を曲げ加工して、段部(4)を形成する。この場合、周囲の肉を集める深絞り加工にて段部(4)を形成することも考えられるが、段部(4)を高く形成するには、曲げ加工の方が有利と考えられる。勿論、深絞り加工にて段部(4)を形成してもよい。
【0015】
次に、図7の断面図に示すように、受け型(6)を段部(4)の内側に置き、該段部(4)の上からパンチ(60)にてプレス加工し、第1水平部(40)の上面、即ち接触面(46)を水平に形成する。
次に、図8に示す如く、段部(4)の第1水平部(40)の接触面(46)上にコンデンサ素子(2)の陽極リード(20)を置き、コンデンサ素子(2)の周面を凹面(31)に置く。陽極リード(20)を接触面(46)に抵抗溶接し、コンデンサ素子(2)の周面を導電性接着剤にて凹面(31)に取り付ける。この後は、周知の如く、コンデンサ素子(2)をハウジング(5)にて被覆し、陽極構成片(80)及び陰極構成片(80)を切断してリードフレーム(3)(30)となし、該リードフレーム(3)(30)をハウジング(5)に沿って折曲して、固体電解コンデンサ(1)を得る。図8ではコンデンサ素子(2)は長方形であるが、円筒状でもよい。
上記では、コンデンサ素子(2)を陽極側リードフレーム(3)に取り付ける際には、コンデンサ素子(2)を陽極側リードフレーム(3)の上方に配備して、下降させるとした。しかし、これに代えて、コンデンサ素子(2)を陽極側リードフレーム(3)の下方に配備して、上昇させて取り付けてもよい。
【0016】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】固体電解コンデンサの正面断面図である。
【図2】陽極側リードフレームの先端部の拡大図である。
【図3】(a)、(b)は、本例に於ける段部の効果を示す説明図であり、(c)は別の段部を示す図である。
【図4】本例に於ける段部の効果を示す説明図である。
【図5】リードフレームを形成する金属板の平面図である。
【図6】リードフレームを形成する工程を示す斜視図である。
【図7】リードフレームを形成する工程を示す断面図である。
【図8】固体電解コンデンサを形成する工程を示す斜視図である。
【図9】従来の固体電解コンデンサの正面断面図である。
【図10】コンデンサ素子の断面図である。
【図11】従来のリードフレームを示す正面図である。
【図12】コンデンサ素子が傾いて取り付けられる状態を示す図である。
【図13】コンデンサ素子が傾いて取り付けられる状態を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
(1) 固体電解コンデンサ
(2) コンデンサ素子
(3) 陽極側リードフレーム
(4) 段部
(5) ハウジング
(20) 陽極リード
(30) 陰極側リードフレーム
(40) 第1水平部
(41) 第2水平部
(43) 補助折曲部
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードフレームを具えた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、固体電解コンデンサ(1)として、図9に示す構成が知られている(特許文献1参照)。これは、細いワイヤ状の陽極リード(20)を突出したコンデンサ素子(2)を具え、該陽極リード(20)に陽極側リードフレーム(3)が抵抗溶接等により、コンデンサ素子(2)の周面に陰極側リードフレーム(30)が導電性接着剤(6)により、夫々取り付けられる。コンデンサ素子(2)及び両リードフレーム(3)(30)の一部は合成樹脂製のハウジング(5)にて覆われ、ハウジング(5)の外側に突出したリードフレーム(3)(30)はハウジング(5)の周面に沿って下向きに曲げられる。
コンデンサ素子(2)は図10に示すように、タンタル等の弁金属の焼結体から形成される陽極体(24)の表面に誘電体酸化被膜(21)、導電性高分子から形成される固体電解質層(22)、カーボン及び銀ペースト層(23)を順次形成し、陽極リード(20)は、陽極体(24)の中心部から突出している。
【0003】
陽極側リードフレーム(3)は、ハウジング(5)内にて折曲されて段部(4)を形成し、該段部(4)は陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)と略平行であって第1水平部(40)よりも上側に位置する第2水平部(41)を具える。陽極側リードフレーム(3)は第2水平部(41)の端部からハウジング(5)の外側に延びて第1垂直部(35)を形成する。第1水平部(40)と第2水平部(41)との間に段差を設けていることにより、陽極リード(20)の先端と陽極側リードフレーム(3)の第1垂直部(35)は該段差分だけ離れており、陽極側リードフレーム(3)をハウジング(5)に沿って折曲して第1垂直部(35)を形成する際に、陽極リード(20)の先端と第1垂直部(35)が接する虞れを防いでいる。
【0004】
【特許文献1】特許3157722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
段部(4)は金属製の陽極側リードフレーム(3)を折曲されて形成されているから、スプリングバックを生じることがある。ここでスプリングバックとは、金属を折曲してから時間が経過すると、図11に角度Y、Zで示す如く、曲げ角度が広がるように、変形することを指す。従って、図12に示すように、コンデンサ素子(2)が陽極側リードフレーム(3)の第1水平部(40)及び陰極側リードフレーム(30)に対し、斜めに取り付けられ、コンデンサ素子(2)と陰極側リードフレーム(30)の接触面積にバラ付きが生じる。または、コンデンサ素子(2)と陰極側リードフレーム(30)間の導電性接着剤(6)の塗布量にバラ付きが生じる。
また、図13に示すように、陽極リード(20)を溶接すると、斜めに溶接されたコンデンサ素子(2)が陰極側リードフレーム(30)を押上げ、該陰極側リードフレーム(30)がハウジング(5)からはみ出し、外観不良を生じる。この結果、コンデンサ素子(2)の接合強度がバラ付き、信頼性に不安があった。
また、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)の位置関係がズレている、即ちコンデンサ素子(2)の周面を陰極側リードフレーム(30)に取り付けたときに、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)とが平行でないから、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)の実質的な接触面積が小さくなる。これにより、接合強度が弱く、且つESRが増加する等の問題があった。
また、斯種コンデンサは、更なる小型化、大容量化も求められている。
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、接合強度の向上、ESRの減少等の信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することにある。また、更なる小型化、大容量化した固体電解コンデンサを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
陽極リード(20)を突出させたコンデンサ素子(2)と、該陽極リード(20)に接続された陽極側リードフレーム(3)とを具え、陽極側リードフレーム(3)の一部とコンデンサ素子(2)とがハウジング(5)に覆われ、陽極側リードフレーム(3)はハウジング(5)内で折曲されて、陽極リード(20)に向けた段部(4)を形成した固体電解コンデンサに於いて、
段部(4)は、陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具え、
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成され、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面は丸みを帯びて湾曲形に形成されている。但し、丸みは複数あっても良い。
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は、プレス加工によって形成されている。
【発明の効果】
【0007】
1.陽極側リードフレーム(3)の段部(4)は、第1水平部(40)から第2水平部(41)と補助折曲部(43)を折曲して形成されている。段部(4)を加工する際は、第1水平部(40)と第2水平部(41)の間である傾斜部(42)、及び補助折曲部(43)の傾斜部(44)の両持構造で加工するため、段部(4)の両側に加わる曲げ荷重が均等になり、これにより陽極側リードフレーム(3)のスプリングバックが抑えられる。また、陽極リード(20)を第1水平部(40)に溶接するとき、溶接電極の押し付け荷重を、段部(4)の傾斜部(42)と補助折曲部(43)の傾斜部(44)の両持ちで支えるため、溶接時に前記第1水平部(40)と第2水平部(41)の平行度が狂うのを防止している。
従って、コンデンサ素子(2)は陽極側リードフレーム(3)に正しく取り付けられて、従来のようなコンデンサ素子(2)の不正確な取り付けによる接合強度の弱さ、ESRの増大等の問題を解消することができる。
2.また、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成されているから、接触面(46)と第1水平部(40)の接触面積が大きくなる。この点でも陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)との接合強度を高め、ESRを小さくすることができる。更に、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面、即ち裏面は丸みを帯びて、補強されているから、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)を平坦に形成する際の割れ等を防止することができる。
3.また、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)は、第1水平部(40)を凸形状に押し出し曲げをするとき、金型で段部(4)の傾斜部(42)及び補助折曲部(43)の傾斜部(44)が薄くなるようにつぶしながら曲げプレス加工するので、第2水平部(41)から第1水平部(40)を経て補助折曲部(43)に至るまでの距離は、接触面(46)をプレス加工しない場合に比して長くなっている。これにより、陽極側リードフレーム(3)の初期の切出し長さを変えることなく、第2水平部(41)から第1水平部(40)までの上下距離を長く設けることができるから、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が大きな場合にも対応できる。コンデンサ素子(2)の周面の大型化に対応できるから、固体電解コンデンサ(1)を大容量化することができる。
更に、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)と、接触面(46)をプレス加工していない陽極側リードフレーム(3)を夫々用いて、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が同じである固体電解コンデンサを形成するとする。この場合、第1水平部(40)から第2水平部(41)までの上下距離が同じであるにも拘わらず、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)の方が、第2水平部(41)から補助折曲部(43)までの距離が長い。これにより、第2水平部(41)から第1水平部(40)への折曲開始点をハウジング(5)の内側に寄せることができる。この点で固体電解コンデンサ(1)のハウジング(5)を小型化、即ち横幅を狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。本例の固体電解コンデンサ(1)に用いられるコンデンサ素子(2)は、図10に示す従来と同じものである。ここで、コンデンサ素子(2)の固体電解質層(22)を形成する材料には、ポリピロールが用いられるが、これに代えて、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性高分子、TCNQ(7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等が挙げられる。また、リードフレーム(3)(30)を形成する材料には、銅を含む合金、鉄とニッケルとの合金等が挙げられる。
更に陽極体(24)及び陽極リード(20)を構成する弁金属には、タンタルの他に、例えばニオブ、チタン、アルミニウムが挙げられる。
【0009】
図1は、本例の固体電解コンデンサ(1)の正面断面図である。コンデンサ素子(2)からは、細いワイヤ状の陽極リード(20)が突出しており、該陽極リード(20)に陽極側リードフレーム(3)が抵抗溶接等により、コンデンサ素子(2)の周面に陰極側リードフレーム(30)が導電性接着剤(6)により、夫々取り付けられる。コンデンサ素子(2)及び両リードフレーム(3)(30)の一部は合成樹脂製のハウジング(5)にて覆われ、ハウジング(5)の外側に突出したリードフレーム(3)(30)は、ハウジング(5)の周面に沿って下向きに曲げられる。
【0010】
図2は、陽極側リードフレーム(3)の先端部の拡大図である。陽極側リードフレーム(3)の先端部は、ハウジング(5)内で折曲されて、陽極リード(20)に向けた段部(4)を形成している。段部(4)は、陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、両水平部(40)(41)を繋ぐ第1傾斜部(42)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具えている。補助折曲部(43)は第1水平部(40)の内側端部から斜め上向きに延びた第2傾斜部(44)と、該第2傾斜部(44)の上端部から内向きに延びた第3水平部(45)を具える。第2、第3水平部(41)(45)の上面は、ハウジング(5)内の陰極側リードフレーム(30)の上面と略同一平面内に位置する。
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は、後記の如くプレス加工によって、平坦に形成されている。第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面は丸みを帯びて湾曲形に形成されている。
【0011】
第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成されているから、陽極リード(20)と接触面(46)は密に接する。この点で、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)との接合強度を高めることができる。特に、段部(4)は金属板である陽極側リードフレーム(3)を折曲して形成しているから、第1水平部(40)と第2水平部(41)の上下間隔(図2のH)が大きいと、接触面(46)が丸みを帯びやすくなる。これは、接合強度の低下、ESRの増大を招来する。
接触面(46)を平坦に形成することにより、接触面(46)と第1水平部(40)の接触面積が大きくなる。従って、第1水平部(40)と第2水平部(41)の上下間隔が大きくとも、陽極リード(20)と陽極側リードフレーム(3)との接合強度を高め、ESRを小さくすることができる。
更に、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面、即ち裏面は丸みを帯びて、補強されているから、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)を平坦に形成する際の割れ等を防止することができる。
【0012】
図3(a)、(b)は、本例に於ける段部(4)の効果を示す説明図であり、(a)は接触面(46)をプレス加工した段部(4)を、(b)はプレス加工していない段部(4)を夫々示す。又、図2とは上下を逆にしている。図3(a)に於いて、第1水平部(40)上の陽極リード(20)との接触面(46)はプレス加工により形成されているから、その分の肉(図3(a)にて点線で示す箇所)が補助折曲部(43)及び第2水平部(41)に向けてはみ出る。
従って、図3(a)にて、陽極側リードフレーム(3)に沿う第2水平部(41)の内側端部Aから第1水平部(40)を経て第3水平部(45)の内側端部Bに至るまでの距離は、図3(b)の第2水平部(41)の内側端部A1から第1水平部(40)を経て第3水平部(45)の内側端部B1に至るまでの距離に比して長くなっている。
これにより、陽極側リードフレーム(3)の初期の切出し長さを変えることなく、第1水平部(40)から第2水平部(41)までの上下距離Hを長く設けることができるから、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が大きな場合にも対応できる。コンデンサ素子(2)の周面の大型化に対応できるから、固体電解コンデンサ(1)を大容量化することができる。
【0013】
更に、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)(図3(a))と、接触面(46)をプレス加工していない陽極側リードフレーム(3)(図3(b))を夫々用いて、コンデンサ素子(2)の周面高さ又は外径が同じである固体電解コンデンサを形成するとする。この場合、上下距離Hが同じであるにも拘わらず、接触面(46)をプレス加工した陽極側リードフレーム(3)の方が、第2水平部(41)から補助折曲部(43)までの距離が長い。これにより、第2水平部(41)から第1水平部(40)への折曲開始点をハウジング(5)の内側に寄せることができる。具体的には、図4に示すように、第2水平部(41)の内側端部AをA2の位置に寄せることができる。この点で固体電解コンデンサ(1)のハウジング(5)を小型化、即ち横幅を狭くすることができる。
また、図3(c)に示すように、打ち抜きダレを残して第3水平部(45)を設けなくともよい。この場合、第3水平部(45)の水平長さ分だけ、段部(4)をコンデンサ素子(2)に寄せることができ、これによっても固体電解コンデンサ(1)のハウジング(5)を小型化することができる。
【0014】
陽極側リードフレームの製造方法
以下に陽極側リードフレーム(3)の製造方法を示す。
図5の平面図に示すように、リードフレーム(3)(30)となる金属板(8)を打ち抜き加工して、互いに離間した陽極構成片(80)と、陰極構成片(81)を設ける。陰極構成片(81)のコンデンサ素子(2)が載置される箇所には凹面(31)が形成され、コンデンサの全体高さが高くなることを抑えている。即ち、リードフレーム(3)(30)は金属板(8)を切り出して形成される。
次に、図6に示すように、陽極構成片(80)の先端部を曲げ加工して、段部(4)を形成する。この場合、周囲の肉を集める深絞り加工にて段部(4)を形成することも考えられるが、段部(4)を高く形成するには、曲げ加工の方が有利と考えられる。勿論、深絞り加工にて段部(4)を形成してもよい。
【0015】
次に、図7の断面図に示すように、受け型(6)を段部(4)の内側に置き、該段部(4)の上からパンチ(60)にてプレス加工し、第1水平部(40)の上面、即ち接触面(46)を水平に形成する。
次に、図8に示す如く、段部(4)の第1水平部(40)の接触面(46)上にコンデンサ素子(2)の陽極リード(20)を置き、コンデンサ素子(2)の周面を凹面(31)に置く。陽極リード(20)を接触面(46)に抵抗溶接し、コンデンサ素子(2)の周面を導電性接着剤にて凹面(31)に取り付ける。この後は、周知の如く、コンデンサ素子(2)をハウジング(5)にて被覆し、陽極構成片(80)及び陰極構成片(80)を切断してリードフレーム(3)(30)となし、該リードフレーム(3)(30)をハウジング(5)に沿って折曲して、固体電解コンデンサ(1)を得る。図8ではコンデンサ素子(2)は長方形であるが、円筒状でもよい。
上記では、コンデンサ素子(2)を陽極側リードフレーム(3)に取り付ける際には、コンデンサ素子(2)を陽極側リードフレーム(3)の上方に配備して、下降させるとした。しかし、これに代えて、コンデンサ素子(2)を陽極側リードフレーム(3)の下方に配備して、上昇させて取り付けてもよい。
【0016】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】固体電解コンデンサの正面断面図である。
【図2】陽極側リードフレームの先端部の拡大図である。
【図3】(a)、(b)は、本例に於ける段部の効果を示す説明図であり、(c)は別の段部を示す図である。
【図4】本例に於ける段部の効果を示す説明図である。
【図5】リードフレームを形成する金属板の平面図である。
【図6】リードフレームを形成する工程を示す斜視図である。
【図7】リードフレームを形成する工程を示す断面図である。
【図8】固体電解コンデンサを形成する工程を示す斜視図である。
【図9】従来の固体電解コンデンサの正面断面図である。
【図10】コンデンサ素子の断面図である。
【図11】従来のリードフレームを示す正面図である。
【図12】コンデンサ素子が傾いて取り付けられる状態を示す図である。
【図13】コンデンサ素子が傾いて取り付けられる状態を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
(1) 固体電解コンデンサ
(2) コンデンサ素子
(3) 陽極側リードフレーム
(4) 段部
(5) ハウジング
(20) 陽極リード
(30) 陰極側リードフレーム
(40) 第1水平部
(41) 第2水平部
(43) 補助折曲部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極リード(20)を突出させたコンデンサ素子(2)と、該陽極リード(20)に接続された陽極側リードフレーム(3)とを具え、陽極側リードフレーム(3)の一部とコンデンサ素子(2)とがハウジング(5)に覆われ、陽極側リードフレーム(3)はハウジング(5)内で折曲されて、陽極リード(20)に向けた段部(4)を形成した固体電解コンデンサに於いて、
段部(4)は、陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具え、
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成され、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面は丸みを帯びて湾曲形に形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項2】
陽極リード(20)との接触面(46)は、プレス加工によって形成されている、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
コンデンサ素子(2)の周面は、陰極側リードフレーム(30)に取り付けられ、第2水平部(41)とハウジング(5)内に位置する陰極側リードフレーム(30)は略同一面内に位置する請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
陽極リード(20)を突出した素子(2)と、該陽極リード(20)が取り付けられるべき陽極側リードフレーム(3)と、該素子(2)を覆うハウジング(5)を具え、該陽極側リードフレーム(3)はハウジング(5)内で段部(4)を形成し、
該段部(4)は陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
陽極側リードフレーム(3)を曲げ加工又は深絞り加工して、段部(4)を形成する工程と、
該段部(4)の第1水平部(40)をプレス加工して陽極リード(20)との接触面(46)を平坦に形成するとともに、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面を丸みを帯びた湾曲形に形成する工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項1】
陽極リード(20)を突出させたコンデンサ素子(2)と、該陽極リード(20)に接続された陽極側リードフレーム(3)とを具え、陽極側リードフレーム(3)の一部とコンデンサ素子(2)とがハウジング(5)に覆われ、陽極側リードフレーム(3)はハウジング(5)内で折曲されて、陽極リード(20)に向けた段部(4)を形成した固体電解コンデンサに於いて、
段部(4)は、陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具え、
第1水平部(40)上であって陽極リード(20)との接触面(46)は平坦に形成され、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面は丸みを帯びて湾曲形に形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項2】
陽極リード(20)との接触面(46)は、プレス加工によって形成されている、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
コンデンサ素子(2)の周面は、陰極側リードフレーム(30)に取り付けられ、第2水平部(41)とハウジング(5)内に位置する陰極側リードフレーム(30)は略同一面内に位置する請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
陽極リード(20)を突出した素子(2)と、該陽極リード(20)が取り付けられるべき陽極側リードフレーム(3)と、該素子(2)を覆うハウジング(5)を具え、該陽極側リードフレーム(3)はハウジング(5)内で段部(4)を形成し、
該段部(4)は陽極リード(20)に接する第1水平部(40)と、該第1水平部(40)よりも上方であって第1水平部(40)と略平行に位置する第2水平部(41)と、第1水平部(40)の内側端部から上向き折曲された補助折曲部(43)を具えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
陽極側リードフレーム(3)を曲げ加工又は深絞り加工して、段部(4)を形成する工程と、
該段部(4)の第1水平部(40)をプレス加工して陽極リード(20)との接触面(46)を平坦に形成するとともに、第1水平部(40)上であって該接触面(46)と反対側の面を丸みを帯びた湾曲形に形成する工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−201122(P2007−201122A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17210(P2006−17210)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(592181602)古河精密金属工業株式会社 (15)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(592181602)古河精密金属工業株式会社 (15)
[ Back to top ]