説明

固体電解コンデンサ

【課題】 小型化が可能で、かつ、製造歩留まりが高く、信頼性の高い固体電解コンデンサを提供すること。
【解決手段】 表面を拡面化した板状又は箔状のアルミニウムから成る陽極体10と、陽極体10の表面に形成された陽極体10の酸化物から成る誘電体層11と、誘電体層11の表面を第1の領域と第2の領域とに分離する絶縁部9と、前記第1の領域の誘電体層11の表面に順次形成された導電性高分子層および陰極層とからなり、前記第1の領域を含む部分を陰極部、前記第2の領域を含む部分を陽極部とする素子部1を有し、前記陰極部および陽極部とそれぞれ接続された実装用の陰極端子5および陽極端子4を有する固体電解コンデンサにおいて、前記陽極部が硬質導電フィラーを含有する接着物質である陽極用導電性接着剤3により陽極端子4と接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体電解コンデンサに関し、特にアルミニウムを陽極体とした固体電解コンデンサにおいて陽極部と実装用の電極端子との接続方法を改善した固体電解コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型・薄型化が進展しており、アルミ固体電解コンデンサは小型で大きな容量が得られるため、その様な電子機器において多数採用されている。しかし、今後より一層の小型化が求められてくると従来の固体電解コンデンサでは対応が困難になると予想される。その原因の一つはコンデンサ素子の陽極部と外部の実装用の電極端子との従来の接続部分が上述の小型化に対応できないことにある。
【0003】
従来のアルミ固体電解コンデンサの代表的な断面構造を図4に示す。また、アルミ固体電解コンデンサの素子部の断面構造を拡大して図2に示す。図2において、表面を拡面化した板状又は箔状のアルミニウムから成る陽極体10と、陽極体10の表面に形成された陽極体10の酸化物から成る誘電体層11と、誘電体層11の表面を第1の領域と第2の領域とに分離する絶縁部9と、前記第1の領域の誘電体層11の表面に順次形成された導電性高分子層12および陰極層となるグラファイト層13、銀層14とからなり、前記第1の領域を含む部分を陰極部8、前記第2の領域を含む部分を陽極部7とする素子部1を有し、図4に示すように陰極部8と接続された実装用の陰極端子5および陽極部7と接続された実装用の陽極端子4を有している。
【0004】
図4において、陰極部8と陰極端子5は、導電性接着剤2により接続され、一方、陽極部7は陽極端子4と溶接により接続され、端子溶接部15が形成される。陽極部7と陽極端子4の接続に溶接を用いる理由は、接続箇所の陽極体10の表面に存在する誘電体層11、或いは誘電体層11を削除後に自然酸化により発生するアルミ酸化皮膜による接続部の電気抵抗の増大を防ぐためである。例えば、接続前に陽極体10の表面の誘電体層11を除去し、その部分と陽極端子4を陰極部8の導電性接着剤2と同様な導電性接着剤により接続すると、初期的には接続部の抵抗は低いが、接着剤の樹脂は酸素を完全に遮断できないため、時間と共に陽極体10の表面に自然酸化による酸化皮膜が形成され接続部が高抵抗化してしまう。
【0005】
この現象は陽極体10にアルミを使用している限り避けることができない。そのため、陽極部7と陽極端子4の接続に関しては溶接を用い接続部に酸素が進入できないようにすることが一般的となっている。
【0006】
陽極部と陽極端子の接続部の抵抗値の増大を溶接以外の手段で解決する方法としては、大きく分けて機械的に強く固着させる方法と、陽極体であるアルミ箔側にメッキをする方法の2種類がある。前者の方法は、一般的に液体電解質を用いるコンデンサにおいて、陽極端子の一部となる陽極タブと呼ばれる金属片とアルミ箔との接続に用いられる方法で、陽極タブとアルミ箔を重ねた状態で針状の金属を打ち込むことで酸化皮膜が成長できないような気密性の高い接続界面を形成する方法である。しかし、この方法の場合、針状の金属を打ち込むための面積が必要となり、コンデンサの小型化が難しくなる。
【0007】
一方、後者の方法は、特許文献1および2等で示されている方法で、アルミ箔側の酸化皮膜を除去するとともにメッキ層を形成することによりアルミ−メッキ層界面での酸化皮膜の成長を防いだ上でメッキ層と陽極端子を導電性接着剤等で接続する方法である。この方法の場合、小型化は可能となるが、アルミにメッキ層を形成すること自体が困難で製造工程でのばらつきが発生しやすいこと、およびメッキの際に使用する薬品がアルミそのものを腐食させるため長期信頼性を保証し難いこと等の難点を有している。
【0008】
上記の様な技術的な背景があるため、小型化を要求される固体電解コンデンサにおいても陽極部7と陽極端子4の接続には溶接が選択されることが多い。
【0009】
【特許文献1】特開平8−273983号公報
【特許文献2】特許第3276113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、溶接による接続では、コンデンサの小型化への対応が制限され、十分ではない。溶接による接続の場合、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接等が使われるが、小型化に伴い陰極部8が陽極部7に近接してくるため、レーザー溶接時の散乱光、溶接火花、溶接時に発生するストレスや変形等により陰極部8に損傷が加わり易くなるため製造工程での歩留まりが低下するからである。
【0011】
また、上述のように、溶接以外の方法も小型化の困難性や製造上および信頼性上の課題等を有している。
【0012】
そこで、本発明の課題は、小型化が可能で、かつ、製造歩留まりが高く、信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を達成するため、本発明の固体電解コンデンサは、表面を拡面化した板状又は箔状のアルミニウムから成る陽極体と、該陽極体の表面に形成された該陽極体の酸化物から成る誘電体層と、該誘電体層の表面を第1の領域と第2の領域とに分離する絶縁部と、前記第1の領域の誘電体層表面に順次形成された導電性高分子層および陰極層とからなり、前記第1の領域を含む部分を陰極部、前記第2の領域を含む部分を陽極部とする素子部を有し、前記陰極部および陽極部とそれぞれ接続された実装用の電極端子を有する固体電解コンデンサにおいて、前記陽極部が硬質導電フィラーを含有する接着物質により前記実装用の電極端子と接続されていることを特徴とする。
【0014】
ここで、前記硬質導電フィラーは硬質金属粒子または硬質金属粒子に金属メッキ処理をした粒子であってもよく、具体的にはニッケル粒子、または金メッキ処理をしたニッケル粒子、または銀メッキ処理をしたニッケル粒子のいずれかを含んでもよい。
【0015】
また、前記硬質導電フィラーは硬質非金属粒子に金属メッキ処理をした粒子であってもよく、具体的には金メッキ処理をした硬質カーボン粒子または金メッキ処理をしたシリカ粒子を含んでもよい。
【0016】
また、前記陽極部と前記電極端子とが加圧および加熱を伴う接着により接続されてもよく、また、前記接着物質を前記陽極部に塗布し第1の温度により半硬化した後、該陽極部と前記電極端子とが前記第1の温度よりも高い第2の温度において加圧を伴う接着により接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明では陽極部と陽極端子の接続を、特殊な接着剤を用い、加圧・加熱を併用して行うことにより、小型化が可能で、かつ、製造歩留まりが高く、信頼性の高い固体電解コンデンサが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明による固体電解コンデンサの一実施の形態であるアルミ固体電解コンデンサの断面構造を示す図である。図1において、従来のアルミ固体電解コンデンサと同様に、図2に示すような、表面を拡面化した板状又は箔状のアルミニウムから成る陽極体10と、陽極体10の表面に形成された陽極体10の酸化物から成る誘電体層11と、誘電体層11の表面を第1の領域と第2の領域とに分離する絶縁部9と、前記第1の領域の誘電体層11の表面に順次形成された導電性高分子層12および陰極層となるグラファイト層13、銀層14とからなり、前記第1の領域を含む部分を陰極部8、前記第2の領域を含む部分を陽極部7とする素子部1を有している。
【0020】
さらに、図1に示すように、陰極部8と接続された実装用の陰極端子5および陽極部7と接続された実装用の陽極端子4を有している。
【0021】
但し、本実施の形態のアルミ固体電解コンデンサでは、陽極部7と陽極端子4の接続部分に導電性の陽極用導電性接着剤3を用いている点が異なっている。この陽極用導電性接着剤3は、導電性フィラーとして、通常の導電性接着剤において使用されている銀、カーボン等の軟質・低脆性な粒子ではなく、ニッケル、金メッキニッケル等の硬質の導電性粒子を使用している。
【0022】
図3(a)は、この陽極用導電性接着剤3を塗布する前の陽極部7の断面の模式図である。陽極体10である多孔質化されたアルミの表面が陽極酸化により誘電体層11となる酸化皮膜16で覆われており、陽極体10のアルミ部分がその多孔質の内部にも存在している様子を示している。図3(b)は、この陽極部7に硬質導電性粒子17を含有する陽極用導電性接着剤3を塗布し、陽極端子4を重ねて加圧・加熱硬化した状態の陽極部の一部の断面の模式図である。硬質導電性粒子17が陽極部の酸化皮膜を突き破り陽極体である金属のアルミに到達することで微小接続部18が形成されている。
【0023】
この状態は、前述したアルミ箔と陽極タブを針状金属で接続する方法で得られる状態と類似しており、微小接続部18における硬質導電性粒子17と金属のアルミとの接合面に酸化皮膜が成長せず、安定した電気的接続が実現できるとともに、微小なピンを多数打ち込んだ状態となっているため接続点が多数確保できるため接続面積が小さくできるとともに初期的な接続抵抗も低くすることが可能となる
【0024】
このように陽極部7における陽極端子4との接続が接着により実現できるため、溶接と比較して、陰極部8に加わるストレスが軽減できる。その結果、製造歩留りが向上する。また従来の溶接による接続の場合に溶接時のストレス軽減のために広く設けられていた陽極部7と陰極部8の間の距離を縮めることができるため、小型化が可能となる。また、接着剤材料として一般的にBステージと呼ばれる半硬化状態が実現できる材料を用いると、加圧・加熱硬化時の接着剤の滲み出しを抑制できるため、接着領域を小さくすることができ、小型化の面でさらに有利となる。
【実施例】
【0025】
以下に、上記の実施の形態のアルミ固体電解コンデンサの具体的な実施例を説明する。図1および図2において、まず、素子部1の作製方法について説明する。陽極体10の母材としては、箔状の陽極酸化後のアルミ箔を用いるが、これは市販されている電解コンデンサ用のものを使用した。このアルミ箔は、既にエッチングによる多孔質化によりその両面が拡面化されており、またその表面には誘電体層11となる陽極酸化による酸化皮膜形成がなされているものである。今回用いたアルミ箔は1平方センチメートル当り195μF、公称化成電圧9Vのものであった。上述のアルミ箔から、使用する素子部1の大きさである長辺7mm、短辺4mmの長方形の箔を切り出し、側面に露出したアルミ金属母材の部分に陽極酸化法を用いて再度酸化皮膜を形成した上で、この切り出した箔の両面の長辺両端部から1mm内側の部分にエポキシを主成分とする樹脂を0.5mmの幅で短辺と同じ長さで塗布し、多孔質化したアルミの酸化皮膜上に含浸・硬化させることで絶縁部9を形成した。
【0026】
この絶縁部9により、箔は、コンデンサの陽極となる領域の陽極部7と以降の工程で導電性高分子層12等が形成され陰極の領域となる陰極部8に分けられる。前記絶縁部9を形成した後、陰極部8の酸化皮膜からなる誘電体層11上にポリピロールからなる導電性高分子層12を形成し、次いでその上にグラファイト層13、銀層14を形成することで素子部1を得た。この際、グラファイト層13、銀層14は、それぞれの材質からなるペーストに陰極部8の部分を浸漬し、引き上げ、150℃にて30分間乾燥硬化させることで形成した。
【0027】
上記のような工程を経て得られた素子の平均的な特性は、測定周波数120Hzでの容量25μF,100kHzでの等価直列抵抗(ESR)18mΩ,および4V印加時の漏れ電流5μAであった。
【0028】
次いで、上記の作製法により得られた素子部1に対して、陽極部7、陰極部8にそれぞれ実装用の陽極端子4および陰極端子5を接続した。このとき、陰極端子5と陰極部8は、従来から用いられている導電性接着剤2により接続した。具体的には、銀をフィラーとしたエポキシ接着剤を陰極部8に塗布し、陰極端子5をその部分に重ねた後、150℃にて60分間硬化して接続した。
【0029】
一方、陽極端子4と陽極部7の接続は以下の方法で行った。まず、平均粒径10μmの金メッキ処理したニッケル粒子を40重量%含んだBステージ化が可能なエポキシ接着剤を陽極部7に印刷法により塗布した後、80℃にて30分間乾燥させ平均厚み30μmの導電性の陽極用導電性接着剤3による層を形成した。続いて、陽極用導電性接着剤3の上に陽極端子4を重ね、温度180℃、圧力2MPaの条件で20秒間加熱、加圧して陽極端子4を陽極部7と接続した。
【0030】
ここで使用した金メッキニッケル粒子およびそれを含んだ接着剤に関しては、一般的に異方導電性接着剤と呼ばれるものを基剤として使用した。但し、一般的な異方導電性接着剤では金メッキニッケル粒子の含有率が10〜20%程度であるのに対して、本実施例では、その含有率を40%まで上げたものを使用した。これは、本実施例のような接続の場合、導電性が異方である必要がなく、また可能な限り接続部の抵抗を下げる必要があったためである。また、金メッキニッケル粒子の含有率を更に増大させると接続部の抵抗は更に低下するが、接続強度が下がることと、高価格化するため、それらとの兼ね合いで40%の含有率を選択した。
【0031】
上記のように陽極端子4および陰極端子5を素子部1に接続した後、トランスファモールド工法により素子部1をエポキシ樹脂等からなる外装樹脂6にて外装し、さらに外装樹脂6の外側に出た陽極端子4および陰極端子5を実装に適するように屈曲させて図1のような形状とした。
【0032】
(比較例1)
上記実施例にて作製したアルミ固体電解コンデンサと比較するために図4に示す従来工法によるアルミ固体電解コンデンサを作製した。素子部1は実施例で用いたものと同一である。実施例の作製方法と異なる点は陽極部7と陽極端子4の接続方法のみであるため、その工程のみを説明する。本比較例では、陽極部7と陽極端子4を重ねた後、レーザー溶接にて接続し、端子溶接部15を形成した。レーザー溶接の場合、溶接対象物の間に隙間があると溶接不良が起こるため、本比較例の場合も陽極部7と陽極端子4を挟むように固定させて隙間をなくすような治具を使用した。そのような治具を使用しても、陽極体であるアルミと銅を主材とした陽極端子の溶融温度が300℃以上離れているため、溶接条件の設定が難しく、また、溶接後の溶接部周辺の変形も発生していた。
【0033】
(比較例2)
更に、比較のために実施例と同様な工法で接着剤のみを通常の銀粒子を使用した導電性接着剤に変えてアルミ固体電解コンデンサを作製し、比較例2とした。製造方法の中で実施例と異なる部分は、陽極部7と陽極端子4の接続用の接着剤のみであるため、その工程のみ説明する。本比較例では、陽極部7と陽極端子4の接続の際に、陰極部8と陰極端子5の接続に用いたものと同一の導電性接着剤を使用したが、接着剤に含まれる銀粒子は軟質であるため、陽極部7の酸化皮膜を機械的に除去した後、接着剤を塗布し、陽極端子4を重ねた後、150℃の温度で60分間加熱硬化させた。
【0034】
実施例および比較例1、2にて作製したアルミ固体電解コンデンサの125℃における等価直列抵抗の時間変化を図5に示す。実施例と比較例1は、ほぼ同等の挙動となった。このことから、実施例にて使用した陽極部7と陽極端子4の接続方法が溶接と同程度の接続信頼性を有することが判る。一方、比較例2は抵抗の増大が著しく、通常の導電性接着剤では陽極部の接続は困難であることが判る。
【0035】
以上のように、本発明によるアルミ固体電解コンデンサでは、素子部の陽極部と実装用の電極端子との接続には溶接と同等の信頼性が得られ、かつ変形等による陰極部へのストレスを小さくすることが可能となり、製品歩留り向上、小型化等が可能となる。
【0036】
なお、本発明は、上記の実施の形態や実施例に限定されるものではないことは言うまでもなく、各部材の材質、形状、および製造条件などは目的とする性能、用途に応じて設計変更可能である。例えば、上記実施例では陽極部の陽極体の酸化皮膜上に硬質導電性フィラーを含有する陽極用導電性接着剤を塗布したが、酸化皮膜を除去してから塗布することももちろん可能である。また、硬質導電性フィラーとしては、銀メッキ処理したニッケル粒子、金メッキ処理した硬質カーボン粒子やシリカ粒子などを用いることができる。この他、粒子材料としてはパラジウムやステンレスなどのアルミよりも硬い金属材料やそれらの合金材料、さらにはポリスチレン樹脂などの非金属材料、メッキ材料としてはパラジウム、白金、また、金とニッケルの多層メッキなど、異方導電性接着剤で使用可能なものを用いることができる。また、陽極用導電性接着剤中の硬質導電性フィラーの含有率は要求される抵抗値、接続強度、価格などに基づいて目的に合わせて調整可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による固体電解コンデンサの一実施の形態であるアルミ固体電解コンデンサの断面構造を示す図。
【図2】アルミ固体電解コンデンサの素子部の断面構造の拡大図。
【図3】本発明の実施の形態において陽極部の断面の一部を示す模式図、図3(a)は、接着剤を塗布する前の陽極部の断面の模式図。図3(b)は、陽極部に陽極用導電性接着剤を塗布し、陽極端子を重ねて加圧・加熱硬化した状態の陽極部の一部の断面の模式図。
【図4】従来のアルミ固体電解コンデンサの代表的な断面構造を示す図。
【図5】本発明の実施例および比較例1、比較例2にて作製したアルミ固体電解コンデンサの125℃における等価直列抵抗の時間変化を示す図。
【符号の説明】
【0038】
1 素子部
2 導電性接着剤
3 陽極用導電性接着剤
4 陽極端子
5 陰極端子
6 外装樹脂
7 陽極部
8 陰極部
9 絶縁部
10 陽極体
11 誘電体層
12 導電性高分子層
13 グラファイト層
14 銀層
15 端子溶接部
16 酸化皮膜
17 硬質導電性粒子
18 微小接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を拡面化した板状又は箔状のアルミニウムから成る陽極体と、該陽極体の表面に形成された該陽極体の酸化物から成る誘電体層と、該誘電体層の表面を第1の領域と第2の領域とに分離する絶縁部と、前記第1の領域の誘電体層の表面に順次形成された導電性高分子層および陰極層とからなり、前記第1の領域を含む部分を陰極部、前記第2の領域を含む部分を陽極部とする素子部を有し、前記陰極部および陽極部とそれぞれ接続された実装用の電極端子を有する固体電解コンデンサにおいて、前記陽極部が硬質導電フィラーを含有する接着物質により前記実装用の電極端子と接続されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項2】
前記硬質導電フィラーが硬質金属粒子または硬質金属粒子に金属メッキ処理をした粒子であることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
前記硬質導電フィラーが、ニッケル粒子、または金メッキ処理をしたニッケル粒子、または銀メッキ処理をしたニッケル粒子のいずれかを含むことを特徴とする請求項2記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
前記硬質導電フィラーが硬質非金属粒子に金属メッキ処理をした粒子であることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
【請求項5】
前記硬質導電フィラーが、金メッキ処理をした硬質カーボン粒子または金メッキ処理をしたシリカ粒子を含むことを特徴とする請求項4記載の固体電解コンデンサ。
【請求項6】
前記陽極部と前記電極端子とが加圧および加熱を伴う接着により接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項7】
前記接着物質を前記陽極部に塗布し第1の温度により半硬化した後、該陽極部と前記電極端子とが前記第1の温度よりも高い第2の温度において加圧を伴う接着により接続されていることを特徴とする請求項6に記載の固体電解コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−305826(P2008−305826A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148956(P2007−148956)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)