説明

固体電解コンデンサ

【課題】付加的な部材を適用することなく、コンデンサ素子をリードフレームに精度よく確実に取り付けることのできる固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2a,2b、陽極リードフレーム10、陰極リードフレーム20およびモールド樹脂40を備えている。陽極リードフレーム10は、陽極端子部11と立ち上がり部12を備え、立ち上がり部12は陽極端子部11と一体的に形成され、陽極端子部11からモールド樹脂40内を陽極部4へ向かって延在して陽極部4に接続されている。立ち上がり部12には、受入れ凹部14と保持部14a,14aが形成され、さらに、受入れ凹部14から下方に向かって第1スリット15が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体電解コンデンサに関し、特に、所定のリードフレームにコンデンサ素子を搭載してモールド樹脂で封止した固体電解コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板等に対して表面実装が可能な電子部品の一つに、固体電解コンデンサがある。図44あるいは図45に示すように、この種の固体電解コンデンサ101は、コンデンサ素子102、陽極リードフレーム110、陰極リードフレーム120およびこれらを封止するモールド樹脂140を備えている。コンデンサ素子102では、ほぼ柱状(直方体)の陽極体103から突出するように陽極部104が形成され、陽極体103の外周面に陰極部105が形成されている。陽極リードフレーム110は、まくら材180を介して陽極部104に電気的に接続され、陰極リードフレーム120は、直接陰極部105に電気的に接続されている。なお、まくら材の他に、所定の形状に成型された異形材を適用したものもある。
【0003】
この種の固体電解コンデンサ101は、以下のようにして製造される。まず、リードフレームを所定の形状に打ち抜くことによって、陽極リードフレームとなる部分および陰極リードフレームとなる部分が形成される。次に、陽極リードフレームとなる部分に導電性のまくら材が溶接される。次に、コンデンサ素子の陽極部を溶接されたまくら材に対して所定の位置に位置決めをするとともに、陰極部を陰極リードフレームとなる部分に対して所定の位置に位置決めをして、コンデンサ素子をリードフレームに取り付ける。
【0004】
次に、陽極リードフレームとなる部分、陰極リードフレームとなる部分およびコンデンサ素子を所定の金型を用いて囲い込み、その金型にモールド樹脂を注入することによって、コンデンサ素子等が封止される。その後、コンデンサ素子等を封止したモールド樹脂をリードフレームの所定の位置から切り離すことによって、固体電解コンデンサが完成する。固体電解コンデンサでは、陽極リードフレームの一部と陰極リードフレームの一部とがそれぞれ端子としてモールド樹脂から突出している。
【0005】
一方、陽極リードフレームとなる部分にまくら材等を溶接する他に、コンデンサ素子の陽極部にまくら材を溶接する手法も提案されている。なお、この種の固体電解コンデンサを開示した文献の例として、特許文献1および特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−319113号公報
【特許文献2】特開2002−367862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の固体電解コンデンサ101では次のような問題点があった。上述したように、コンデンサ素子102の陽極部104と陽極リードフレーム110とを電気的に接続するために、陽極部104と陽極リードフレーム110との間にまくら材180を介在させている。そのため、コンデンサ素子102のリードフレームへの取り付けに際して付加的な部材が必要とされ、また、そのようなまくら材180のリードフレームへの溶接のための工程が増えて、製造コストの低減を阻害する要因の一つになった。
【0008】
また、まくら材180をコンデンサ素子102の陽極部104に溶接する際の溶接箇所や強度等のばらつきによって、コンデンサ素子102をリードフレームに精度よく取り付けることができず、固体電解コンデンサ101としての歩留まりが低下することがあった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、付加的な部材を適用することなく、コンデンサ素子をリードフレームに精度よく確実に取り付けることのできる固体電解コンデンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明の第1の態様は、陽極部および陰極部を有する複数のコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を封止するモールド樹脂と、前記モールド樹脂の内部において、前記コンデンサ素子の前記陽極部の下方から前記陽極部に接続された陽極リードフレームと、前記陰極部に接続される陰極リードフレームとを有し、複数の前記コンデンサ素子のそれぞれの前記陽極部は、同じ向きに配設されて前記陽極リードフレームに接続され、前記陽極リードフレームは、前記モールド樹脂の底面に沿って露出した陽極端子部と、前記陽極端子部と一体的に形成され、前記陽極端子部から前記モールド樹脂の内部を前記コンデンサ素子の前記陽極部に向かって延在して前記陽極部に接続される立ち上がり部とを備え、前記立ち上がり部は、上方に向かって開放された、前記陽極部を受入れる受入れ凹部と、前記受入れ凹部における前記開放されている側において、前記陽極部の通り抜けを阻止する態様で形成され、前記陽極部を上方から押さえ付けることによって前記陽極部の通り抜けを可能とし、前記陽極部が前記受入れ凹部に受入れられた状態で前記陽極部を保持する保持部と、前記受入れ凹部から下方に向かって延在するスリットと、を備え、複数の前記コンデンサ素子のうちの互いに隣接する一のコンデンサ素子と他のコンデンサ素子との間の直下の前記陽極リードフレームの部分には、貫通孔が形成された、固体電解コンデンサである。
【0011】
本願発明の第2の態様は、陽極部および陰極部を有する複数のコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を封止するモールド樹脂と、前記モールド樹脂の内部において、前記コンデンサ素子の前記陽極部の下方から前記陽極部に接続された陽極リードフレームと、前記陰極部に接続される陰極リードフレームとを有し、複数の前記コンデンサ素子のそれぞれの前記陽極部は、同じ向きに配設されて前記陽極リードフレームに接続され、前記陽極リードフレームは、前記モールド樹脂の底面に沿って露出した陽極端子部と、前記陽極端子部と一体的に形成され、前記陽極端子部から前記モールド樹脂の内部を前記コンデンサ素子の前記陽極部に向かって延在して前記陽極部に接続される立ち上がり部とを備え、前記立ち上がり部は、上方に向かって開放された、前記陽極部を受入れる受入れ凹部と、前記受入れ凹部における前記開放されている側において、前記陽極部の通り抜けを阻止する態様で形成され、前記陽極部を上方から押さえ付けることによって前記陽極部の通り抜けを可能とし、前記陽極部が前記受入れ凹部に受入れられた状態で前記陽極部を保持する保持部と、前記受入れ凹部から下方に向かって延在するスリットと、を備え、複数の前記コンデンサ素子のうちの互いに隣接する一のコンデンサ素子と他のコンデンサ素子との間の直下の前記陽極リードフレームの部分には、前記陽極リードフレームの上端から下方に向かって延在する他のスリットが形成された、固体電解コンデンサである。
【発明の効果】
【0012】
上記構成により、保持部と保持部との間の隙間が広げられる際に立ち上がり部に生じる歪がより効果的に緩和されて、立ち上がり部が変形をしたり、あるいは、立ち上がり部の変形に伴って、コンデンサ素子が所定の位置からずれてリードフレームに取り付けられてしまうようなこと等がなくなる。これらの結果、コンデンサ素子をリードフレームにおける所定の位置に精度よく確実に接続(溶接)することができる。
【0013】
また、モールド樹脂によってコンデンサ素子等を封止する際に、モールド樹脂に含まれるガスが抜けやすくなって、モールド樹脂の充填性を向上させることができる。さらに、貫通孔やスリットがモールド樹脂に対してアンカーとしての機能を果たすことになり、モールド樹脂と立ち上がり部等との密着性を向上させることができる。
【0014】
さらに、スリットや貫通孔により、溶接の際の熱を効果的に放熱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。
【図2】同実施の形態において、図1に示す固体電解コンデンサの正面図である。
【図3】同実施の形態において、図1に示す固体電解コンデンサの側面図である。
【図4】同実施の形態において、図1に示す固体電解コンデンサの上面図である。
【図5】同実施の形態において、図1に示す固体電解コンデンサの底面図である。
【図6】同実施の形態において、固体電解コンデンサに適用されるリードフレームの一部を示すとともに、固体電解コンデンサの製造方法の一工程を示す部分斜視図である。
【図7】同実施の形態において、図6に示すリードフレームにおける陽極リードフレームとなる部分を示す部分拡大斜視図である。
【図8】同実施の形態において、図6に示す工程の後に行なわれる工程を示す部分斜視図である。
【図9】同実施の形態において、図8に示す工程の後に行なわれる工程を示す部分斜視図である。
【図10】同実施の形態において、図9に示す工程の後に行なわれる工程を示す正面図である。
【図11】同実施の形態において、図10に示す工程の後に行なわれる工程を示す正面図である。
【図12】同実施の形態において、図11に示す工程の後に行なわれる工程を示す部分正面図である。
【図13】同実施の形態において、図12に示す工程の後に行なわれる工程を示す部分斜視図である。
【図14】同実施の形態において、図13に示す工程の後に行なわれる工程を示す部分斜視図である。
【図15】同実施の形態において、図14に示す工程の後に行なわれる工程を示す斜視図である。
【図16】同実施の形態において、立ち上がり部の作用効果を説明するための第1の正面図である。
【図17】同実施の形態において、立ち上がり部の作用効果を説明するための第2の正面図である。
【図18】同実施の形態において、立ち上がり部の作用効果を説明するための部分斜視図である。
【図19】同実施の形態において、立ち上がり部の作用効果を説明するための、立ち上がり部を模式的に示す部分斜視図である。
【図20】比較例に係る立ち上がり部を模式的に示す部分斜視図である。
【図21】同実施の形態において、立ち上がり部の作用効果を説明するための部分側面図である。
【図22】同実施の形態において、陰極リードフレームの側面部の変形例を示す側面図である。
【図23】同実施の形態において、図22に示す固体電解コンデンサを示す上面図である。
【図24】比較例に係る固体電解コンデンサのモールド樹脂による封止工程を示す部分断面図である。
【図25】同実施の形態において、固体電解コンデンサのモールド樹脂による封止工程を示す部分断面図である。
【図26】同実施の形態において、陽極リードフレームの第1の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図27】同実施の形態において、陽極リードフレームの第2の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図28】同実施の形態において、陽極リードフレームの第3の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図29】同実施の形態において、陽極リードフレームの第4の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図30】同実施の形態において、陽極リードフレームの第5の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図31】同実施の形態において、陽極リードフレームの第6の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図32】同実施の形態において、陽極リードフレームの第7の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図33】同実施の形態において、陽極リードフレームの第8の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図34】同実施の形態において、陽極リードフレームの第9の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図35】同実施の形態において、陽極リードフレームの第10の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図36】同実施の形態において、陽極リードフレームの第11の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図37】同実施の形態において、陽極リードフレームの第12の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図38】同実施の形態において、陽極リードフレームの第13の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図39】同実施の形態において、陽極リードフレームの第14の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図40】同実施の形態において、陽極リードフレームの第15の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図41】同実施の形態において、陽極リードフレームの第16の変形例を適用した固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図42】同実施の形態において、搭載されるコンデンサ素子が1つの場合の固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図43】同実施の形態において、搭載されるコンデンサ素子が3つの場合の固体電解コンデンサを示す正面図である。
【図44】従来の固体電解コンデンサを示す斜視図である。
【図45】従来の他の固体電解コンデンサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
固体電解コンデンサ
本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサについて説明する。図1〜図5に示すように、固体電解コンデンサ1は、2つのコンデンサ素子2,2a,2b、陽極リードフレーム10、陰極リードフレーム20およびこれらを封止するモールド樹脂40を備えている。コンデンサ素子2では、ほぼ柱状(直方体)の陽極体3から突出するように陽極部4が形成され、陽極体3の外周面に陰極部5が形成されている。また、2つのコンデンサ素子2a,2bは、それぞれの陽極部4が同じに向きになるように配設されている。
【0017】
陽極リードフレーム10は、陽極端子部11と立ち上がり部12を備えている。陽極端子部11は、モールド樹脂40の底面40aに沿って露出している。陽極端子部11の上面11aは、モールド樹脂40の底面40aに直接接しており、上面11aと底面40aとはほぼ同一平面上に位置している(図2、図3および図5参照)。立ち上がり部12は陽極端子部11と一体的に形成されている。その立ち上がり部12は、陽極端子部11におけるコンデンサ素子3の陰極部5に近い側の端からモールド樹脂40内を陽極部4へ向かって延在し、2つのコンデンサ素子2a,2bのそれぞれの陽極部4の下方から陽極部4に接続されている。
【0018】
その立ち上がり部12には、陽極部4を受入れるための上方に向かって開放された受入れ凹部14が形成されている。受入れ凹部14における開放されている側には、陽極部4を保持する保持部14a,14aが、陽極部4の通り抜けを阻止する態様で互いに所定の間隔を隔てて形成されている。陽極部4を上方から受入れ凹部14に向かって押さえ付けることによって保持部14aと保持部14aの間の隙間が広げられて、陽極部4の通り抜けが可能となる。保持部14aと保持部14aとの間を通り抜けて受入れ凹部14に陽極部4が受入れられた状態で、陽極部4は保持部14a,14aに保持されることになる。
【0019】
また、その受入れ凹部14から下方に向かって第1スリット15が形成されている。さらに、一方の受入れ凹部14と他方の受入れ凹部14との間には、立ち上がり部12の上端部12aから下方に向かって延在する第2スリット16が形成され、その第2スリット16の下方に、貫通孔13が形成されている(図2参照)。また、立ち上がり部12では、陽極端子部11から立ち上がり部12が延在する方向と直交する方向の一方と他方のそれぞれの側端部12bが、コンデンサ素子2の陰極部5から遠ざかる方向へ曲げられている(図1および図4参照)。
【0020】
陰極リードフレーム20は、陰極端子部21、一対の側面部22および段差部23を備えている(図3参照)。陰極端子部21は、モールド樹脂40の底面に沿って露出している。陰極端子部21の上面21aは、モールド樹脂40の底面40aに直接接しており、上面21aと底面40aとはほぼ同一平面上に位置している(図2、図3および図5参照)。一対の側面部22は、その陰極端子部21から段差部23を介してモールド樹脂40内に延在し、コンデンサ素子2の陽極体3を挟み込むように互いに対向するように立設されている。その側面部22には、陽極部4が位置する側とは反対の側に向かって延在する延在部24が設けられている。
【0021】
リードフレーム
次に、固体電解コンデンサ1の陽極リードフレーム10および陰極リードフレーム20となるリードフレームについて説明する。図6に示すように、リードフレーム30は、所定の幅(矢印92に示す方向)を有して帯状に延びる(矢印93に示す方向)薄い板金を、所定の形状に打ち抜くことによって形成される。なお、矢印92に示す方向は短手方向とされ、矢印93に示す方向は長手方向とされる。陽極リードフレームとなる部分31は、リードフレーム30の短手方向の一端側から短手方向の中央付近に向かって延在する部分30aに形成されている。
【0022】
図7に示すように、その部分30aでは、陽極端子部11および立ち上がり部12が平面的に展開された形状に打ち抜かれている。立ち上がり部12となる部分では、受入れ凹部14、保持部14a,14a、第1スリット15、第2スリット16および貫通孔13が形成されている。陽極端子部11と立ち上がり部12とが繋がっている部分では、立ち上がり部12を上方に向けて曲げる際の曲げ精度を確保するために、湾状に打ち抜かれたくびれが形成されている。さらに、陽極リードフレームとなる部分31の近傍には、完成
した固体電解コンデンサをプリント配線基板等へはんだ付けするためのフィレット孔33が形成されている。
【0023】
一方、図6に示すように、陰極リードフレームとなる部分32は、リードフレーム30の短手方向の他端側から短手方向の中央付近に向かって延在する部分30bに形成されている。その部分30bでは、陰極端子部21、側面部22および段差部23が平面的に展開された形状に打ち抜かれている。側面部22に設けられる延在部24は、陽極リードフレームとなる部分31との接触を避けるために、陽極リードフレームとなる部分31が形成されている側とは反対側に向かって形成されている。また、側面部22と陰極端子部21とが繋がっている部分では、側面部22を上方に向けて曲げる際の曲げ精度を確保するために、湾状に打ち抜かれたくびれが形成されている。さらに、陰極リードフレームとなる部分32の近傍には、完成した固体電解コンデンサをプリント配線基板等へはんだ付けするためのフィレット孔34が形成されている。
【0024】
固体電解コンデンサの製造方法
次に、固体電解コンデンサの製造方法の一例について説明する。まず、図6に示すように、陽極リードフレームとなる部分31および陰極リードフレームとなる部分32を平面的に展開した形状に打ち抜いたリードフレーム30が形成される(プレス打ち抜き工程)。次に、リードフレーム30が所定のリール(図示せず)に巻き取られて、リードフレーム30に所定のめっき処理が施される(めっき工程)。このめっき処理は、次のプレス曲げ工程の前に行うことで、リールにより多くのリードフレームを巻き取って、効率よくめっき処理を施すことができる。
【0025】
次に、図8に示すように、リードフレーム30にプレス曲げ加工が施される(プレス曲げ工程)。陽極リードフレームとなる部分31(図7参照)では、陽極端子部11に対して立ち上がり部12が上方に向けて曲げられる。また、立ち上がり部12の側端部12bが、陰極リードフレームとなる部分32(図7参照)が位置する側とは反対の側に曲げられる。陰極リードフレームとなる部分32では、陰極端子部21に対して段差部23が形成され、側面部22が上方に向けて曲げられる。このとき、曲げられる部分にくびれが形成されていることで、立ち上がり部12等を所定の位置で所定の角度だけ精度よく曲げることができる。
【0026】
次に、コンデンサ素子2がリードフレーム30に載置される(載置工程)。図9に示すように、まず、2つのコンデンサ素子2のうちの一方のコンデンサ素子2aが、受入れ凹部14の保持部14aに陽極部4が接触し、陰極部5が1対の側面部22のうちの一方の側面部22に接触するように、リードフレーム30に載置される。次に、コンデンサ素子2a(陽極部4)を上方から受入れ凹部14に向かって押さえ付けることによって、保持部14aと保持部14a(図10参照)の間の隙間が広げられて、陽極部4が保持部14aと保持部14aとの隙間を通り抜け、図10に示すように、陽極部4が受入れ凹部14に受入れられる。陽極部4が受入れ凹部に受入れられた状態では、保持部14aと保持部14aとの間隔が、陽極部4の通り抜けを阻止する元の間隔に戻って、陽極部4が保持部14a,14aによって保持されることになる。
【0027】
次に、他方のコンデンサ素子2bが、受入れ凹部14の保持部14aに陽極部4が接触し、陰極部5が1対の側面部22のうちの他方の側面部22に接触するように、リードフレーム30に載置される。次に、陽極部4を上方から受入れ凹部14に向かって押さえ付けることによって、陽極部4が保持部14aと保持部14aとの隙間を通り抜けて、図11に示すように、陽極部4が受入れ凹部14に受入れられて、保持部14a,14aによって保持されることになる。
【0028】
次に、陽極部の立ち上がり部への溶接が行なわれる(溶接工程)。図12に示すように、まず、所定の円形の溶接電極50を一方のコンデンサ素子2aの陽極部4に接触させて所定の電流が流される。電流が流されることで、陽極部4が受入れ凹部14に接触している部分では熱が発生し、受入れ凹部14の一部が溶解して陽極部4が立ち上がり部12に溶接される。次に、溶接電極50を移動させて、他方のコンデンサ素子2bの陽極部4についても、同様の処理を施すことで、コンデンサ素子2bの陽極部4が立ち上がり部12に溶接される。こうして、図13に示すように、リードフレーム30の立ち上がり部12に、2つのコンデンサ素子2a,2bの陽極部4が溶接される。
【0029】
次に、モールド樹脂による封止が行なわれる(封止工程)。コンデンサ素子2が溶接されたリードフレーム30は、所定の金型に装着される。金型は、上金型と下金型からなり、上金型および下金型の少なくとも一方には、モールド樹脂が注入されるキャビティが形成されている。そのキャビティ内にモールド樹脂が充填される。こうして、図14に示すように、リードフレーム30に溶接されたコンデンサ素子2、陽極リードフレームとなる部分および陰極リードフレームとなる部分が、モールド樹脂40によって封止されることになる。
【0030】
次に、コンデンサ素子2を封止したモールド樹脂40が、リードフレーム30から切り離される。このとき、陽極リードフレームとなる部分に形成されたフィレット孔33の開口側壁面33aの一部が残される所定の位置(点線参照)でリードフレーム30が切断され、同様に、陰極リードフレームとなる部分に形成されたフィレット孔34(図6等参照)の開口側壁面の一部が残される所定の位置でリードフレーム30が切断される。残された開口側壁面33a等の部分に施されためっきは、固体電解コンデンサをプリント配線基板等に実装する際にはんだを導く機能を果たすことになる。こうして、図15に示すように、コンデンサ素子2等がモールド樹脂40によって封止された固体電解コンデンサ1が完成する。
【0031】
上述した固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子2の陽極部4は、リードフレーム30を曲げ加工することによって、陽極端子部11と一体的に形成された立ち上がり部12に接続される。これにより、まくら材等をリードフレームと陽極部との間に介在させていた従来の固体電解コンデンサの場合と比べて、そのような付加的なまくら材等が不要となり、また、そのようなまくら材等をリードフレームに溶接する工程が不要となって、製造コストの削減を図ることができる。
【0032】
また、図16に示すように、その立ち上がり部12には、受入れ凹部14、保持部14aおよび第1スリット15が形成されている。溶接工程では、陽極部4を保持部14aに接触させた状態から、陽極部4を上方から押さえ付けることによって、保持部14aと保持部14aとの間の隙間が広げられ、その広げられた隙間を陽極部4が通り抜けて受入れ凹部14に受入れられる。このとき、受入れ凹部14の下方に第1スリット15が形成されていることで、保持部14aと保持部14aとの間の隙間が広げられる際に、立ち上がり部に生じる歪(応力)を第1スリット15によって開放させることができる。また、第1スリット15によって受入れ凹部14と保持部14aに弾性をもたせることができ、陽極部4が受入れ凹部14に受入れられた後では、一旦広がった保持部14aと保持部14aとの間隔が元の間隔に容易に戻って、陽極部4を所定の位置に精度よく保持することができる。
【0033】
また、一方の受入れ凹部14と他方の受入れ凹部14との間に位置する立ち上がり部12の部分に、上端部から下方に向かって延在する第2スリット16が形成され、さらに、その第2スリット16の下方に、貫通孔13が形成されている。これにより、矢印97に示すように、保持部14aと保持部14aとの間の隙間が広げられる際に立ち上がり部1
2に生じる歪がより効果的に緩和されて、立ち上がり部12が変形をしたり、あるいは、立ち上がり部12の変形に伴って、コンデンサ素子2が所定の位置からずれてリードフレーム30に取り付けられてしまうようなこと等がなくなる。これらの結果、コンデンサ素子2をリードフレーム30における所定の位置に精度よく確実に接続(溶接)することができる。
【0034】
また、図17に示すように、溶接の際には、受入れ凹部14と陽極部4とが接触している部分のうち、第1スリット14を挟んで位置する2箇所(点線丸印96)において、陽極部4と受入れ凹部14との実質的な溶接が行なわれる。一方、第1スリットがない受入れ凹部の場合には、受入れ凹部の下端部の一箇所において陽極部と受入れ凹部との溶接が行なわれることになる。これにより、陽極部4と受入れ凹部14との溶接箇所が増えて、コンデンサ素子2をリードフレーム30により強固に取り付けることができる。
【0035】
また、モールド樹脂40によってコンデンサ素子2等を封止する際には、第1スリット15や貫通孔13にもモールド樹脂40が流れ込むことになる。これにより、モールド樹脂40に含まれるガスが抜けやすくなって、モールド樹脂40の充填性を向上させることができる。さらに、第1スリット15や貫通孔13にモールド樹脂40が充填されることで、第1スリット15や貫通孔13がモールド樹脂40に対してアンカーとしての機能を果たすことになる。その結果、モールド樹脂40と立ち上がり部12等との密着性を向上させることができる。また、第1スリット15や貫通孔13等により、溶接の際の熱を効果的に放熱させることができる。
【0036】
さらに、立ち上がり部12では、側端部12bがコンデンサ素子2の陰極部5から遠ざかる方向へ曲げられている。これにより、陽極部4を上方から押さえ付けて立ち上がり部12の受入れ凹部14に受入れさせる際の押圧力によって(図16参照)、あるいは、図18に示すように、溶接の際の押圧力(矢印94)によって立ち上がり部12が変形したり、倒れようとするのを確実に阻止することができる。また、側端部12が曲がっていることで、モールド樹脂40との密着性も向上する。
【0037】
また、図19に示すように、立ち上がり部12は、陽極端子部11におけるコンデンサ素子2の陰極部5に近い側の端からコンデンサ素子2の陽極部4へ向かって延在するように形成されている。これにより、図20に示すように、陽極端子部111の一部を切り起こして陽極部104に接触する立ち上がり部112が形成されている比較例の場合と比べて、図21に示すように、陽極端子部11から立ち上がり部12が立ち上げられる位置を、距離Lだけコンデンサ素子2の側に接近させることができる。その結果、陽極部4と陽極端子11間の抵抗を下げることができる。さらに、コンデンサ素子を距離Lだけ大きくすることができて、体積効率を向上させることができる。
【0038】
また、図1等に示すように、上述した固体電解コンデンサ1の陰極リードフレーム20では、互いに対向するように一対の側面部22が設けられている。これにより、コンデンサ素子2をリードフレーム30に載置する際に、一方の側面部22と他方の側面部22との間の領域にコンデンサ素子2を載置すればよく、リードフレーム30に対するコンデンサ素子2の位置合わせが容易になる。
【0039】
また、その側面部22に延在部24を設けることで、コンデンサ素子2の陰極部5と陰極リードフレーム20との接触面積を増やすことができる。これにより、コンデンサ素子2が有する抵抗成分である等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)を低減することができる。
【0040】
さらに、図22に示すように、側面部22にスリット25を設けて、側面部22aと側
面部22bとに分けてもよい。これにより、側面部22を陰極部5に確実に接触させることができる。陰極部5には、陰極部5を銀ペーストに浸漬して引き上げることによって銀ペーストがコーティングされている。そのため、陰極部5では、銀ペーストの溜り6ができることがある。このとき、図23に示すように、側面部22を側面部22aと側面部22bとに分けることで、銀ペーストの溜り6がある部分には側面部22bを接触させ、銀ペーストの溜り6がない部分には側面部22aを接触させることができ、スリットが形成されていない側面部の場合と比較して、側面部22と陰極部5との接触面積を確保することができる。
【0041】
また、上述した固体電解コンデンサ1では、モールド樹脂40の底面40aは、陽極端子部11の上面11aおよび陰極端子部21の上面21aに直接接触している。すなわち、底面40aと上面11a,21aとはほぼ同一平面上に位置している。これにより、金型のキャビティーの端部をフィレット孔により接近させて、キャビティーの容積をより多く確保することができる。このことについて、比較例に係る固体電解コンデンサとの関係で説明する。
【0042】
まず、比較例に係る固体電解コンデンサでは、モールド樹脂の底面は、陽極端子部の下面および陰極端子部の下面とほぼ同じ位置になるように形成される。図24に示すように、モールド樹脂を充填する工程では、モールド樹脂が陽極リードフレームとなる部分131あるいは陰極リードフレームとなる部分132の表面上に漏れ出ないように、リードフレームの表面にポリイミド等からなる絶縁テープ170が貼り付けられる。また、この絶縁テープ170は、リードフレーム130に形成されたフィレット孔133,134を塞ぐように貼り付けられる。モールド樹脂の注入圧力によって、絶縁テープ170とリードフレーム130との間にモールド樹脂が流れ込んでフィレット孔133,134に漏れ出ないように、キャビティ162aの端部とフィレット孔133,134とは所定の距離Sだけ隔てられている。
【0043】
上金型161には、この絶縁テープ170の厚みを考慮した凹み161aが形成されている。上金型161と下金型162とは、絶縁テープ170が貼り付けられている部分以外の部分において締め付け力(矢印190,191)が付与され、下金型162に形成されたキャビティー162aにモールド樹脂が注入されて、コンデンサ素子等が封止されることになる。なお、矢印164は、上金型161と下金型162の割り面(合わせ目)の位置を示す。
【0044】
これに対して、上述した固体電解コンデンサ1では、モールド樹脂の底面は、陽極端子部の上面および陰極端子部の上面とほぼ同じ位置になるように形成される。図25に示すように、モールド樹脂を充填する工程では、リードフレームに絶縁テープを貼り付ける必要がないため、上金型61と下金型62とは、キャビティー62aのごく近傍において締め付け力(矢印90,91)を付与することができる。すなわち、キャビティ62aの端部とフィレット孔33,34との距離を距離Sから距離Tに縮めることができる。また、リードフレーム(陽極端子部11、陰極端子部21)がモールド樹脂40から突出する距離が短くなることで、梱包時や輸送時に起こり得る引っ掛かり等による不良の発生を低減することができる。なお、矢印64は、上金型61と下金型62の割り面(合わせ目)の位置を示す。
【0045】
このように、上述した固体電解コンデンサでは、上金型61と下金型62とを、キャビティー62aのごく近傍において締め付けることができるため、キャビティー62aをフィレット孔33,34のごく近傍にまで接近させることができる。これにより、同じフィレット孔33,34の位置に対して、キャビティーの容積をより多く確保することができて、モールド樹脂40に封止されるコンデンサ素子として、サイズのより大きなコンデン
サ素子を搭載することができる。また、陽極端子部11および陰極端子部21が、モールド樹脂40から突出する距離がより短くなって、梱包時や輸送時に起こり得る引っ掛かり等による不良の発生を低減することができる。なお、2点鎖線は比較例に係る下金型のキャビティの端を示す。
【0046】
また、上金型61がリードフレーム(裏面)に直接接触した状態で、上金型61と下金型62とでリードフレームを挟み込むことで、陽極端子部11の裏面や陰極端子部21の裏面にモールド樹脂が流れ込むのを確実に阻止することができる。
【0047】
陽極リードフレームの変形例
固体電解コンデンサ1の陽極リードフレームの立ち上がり部12に形成される第2スリット16および貫通孔13として、図2等に示される第2スリット16および貫通孔13の他に、図26に示すように、たとえば、円弧の一部を描くような凹みの第2スリット16と、その第2スリット16の形状に対応した貫通孔13としてもよい。また、図27あるいは図28に示すように、略V字型の第2スリット16と、その第2スリット16の形状に対応した貫通孔13としてもよい。さらに、図29あるいは図30に示すように、第2スリットの下方に貫通孔を形成する代わりに、より深い略V字型の第2スリット16を形成してもよい。
【0048】
また、陽極リードフレームとして、図31あるいは図32に示すように、陽極部4の周面に対応した受入れ凹部14が形成された陽極リードフレーム10としてもよい。また、図33、図34、図35、図36あるいは図37に示すように、矩形状の第2スリット16が形成された陽極リードフレーム10としてもよい。さらに、図38、図39、図40あるいは図41に示すように、立ち上がり部の応力を側端部の側に開放することができれば、第2スリットが形成されていない陽極リードフレームとしてもよい。
【0049】
コンデンサ素子の数のバリエーション
上述した固体電解コンデンサ1では、2つのコンデンサ素子2を搭載した固体電解コンデンサ1を例に挙げて説明した(図1等参照)。コンデンサ素子2の数としては、2つのものに限られるものではなく、図42に示すように、1つのコンデンサ素子2を搭載した固体電解コンデンサ1でもよい。また、図43に示すように、3つのコンデンサ素子2を搭載した固体電解コンデンサ1としてもよい。さらには、4つ以上のコンデンサ素子を搭載した固体電解コンデンサ(図示せず)としてもよい。なお、図42および図43では、図2に示す固体電解コンデンサ1と同一部材には同一符号が付されている。
【0050】
また、2以上の複数のコンデンサ素子を搭載することが可能な固体電解コンデンサの場合には、その最大搭載数に満たないコンデンサ素子を搭載するようにしてもよい。この場合には、陰極リードフレームにおける一対の対向する側面部によって挟まれた領域の任意の位置にコンデンサ素子を配置することができる。そして、そのコンデンサ素子の位置に対応した、立ち上がり部の所定の領域に受入れ凹部や第1スリット等を形成すればよい。受入れ凹部や第1スリット等は、打ち抜き用の金型の抜きのブロックの位置を変更するだけで容易にその形成位置を変えることができ、新たな金型を用意する必要がない。
【0051】
なお、上述した固体電解コンデンサの製造方法では、溶接電極による溶接(抵抗溶接)によって、コンデンサ素子の陽極部を立ち上がり部へ接続する方法を例に挙げて説明したが、この他に、レーザ溶接によって陽極部を立ち上がり部へ接続してもよい。また、導電性ペーストを使用して陽極部を立ち上げ部へ接続してもよい。さらに、これらの手法を組み合わせて、たとえば、溶接電極による溶接を行なった後に、導電性ペーストを使用して陽極部と立ち上がり部等との隙間を埋めるようにしてもよい。この場合には、陽極部と立ち上がり部との接続がより強固になるとともに、陽極部と立ち上がり部との接触面積も増
えて、ESRを低減することができる。
【0052】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
1 固体電解コンデンサ、2,2a,2b コンデンサ素子、3 陽極体、4 陽極部、5 陰極部、6 銀ペーストの溜り、10 陽極リードフレーム、11 陽極端子部、12 立ち上がり部、12a 上端部、12b 側端部、13 貫通孔、14 受入れ凹部、14a 保持部、15 第1スリット、16 第2スリット、20 陰極リードフレーム、21 陰極端子部、22 側面部、23 段差部、24 延在部、25 スリット、30 リードフレーム、31 陽極リードフレームとなる部分、32 陰極リードフレームとなる部分、33 開口部、33a 開口側壁面、34 開口部、40 モールド樹脂、40a 底面、50 溶接電極、60 金型、61 上金型、62 下金型、62a
キャビティ、63 樹脂注入口、64 割り面、90,91,92,93,94,95
矢印、96 点線丸印。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極部および陰極部を有する複数のコンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子を封止するモールド樹脂と、
前記モールド樹脂の内部において、前記コンデンサ素子の前記陽極部の下方から前記陽極部に接続された陽極リードフレームと、
前記陰極部に接続される陰極リードフレームと
を有し、
複数の前記コンデンサ素子のそれぞれの前記陽極部は、同じ向きに配設されて前記陽極リードフレームに接続され、
前記陽極リードフレームは、
前記モールド樹脂の底面に沿って露出した陽極端子部と、
前記陽極端子部と一体的に形成され、前記陽極端子部から前記モールド樹脂の内部を前記コンデンサ素子の前記陽極部に向かって延在して前記陽極部に接続される立ち上がり部と
を備え、
前記立ち上がり部は、
上方に向かって開放された、前記陽極部を受入れる受入れ凹部と、
前記受入れ凹部における前記開放されている側において、前記陽極部の通り抜けを阻止する態様で形成され、前記陽極部を上方から押さえ付けることによって前記陽極部の通り抜けを可能とし、前記陽極部が前記受入れ凹部に受入れられた状態で前記陽極部を保持する保持部と、
前記受入れ凹部から下方に向かって延在するスリットと、
を備え、
複数の前記コンデンサ素子のうちの互いに隣接する一のコンデンサ素子と他のコンデンサ素子との間の直下の前記陽極リードフレームの部分には、貫通孔が形成された、固体電解コンデンサ。
【請求項2】
陽極部および陰極部を有する複数のコンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子を封止するモールド樹脂と、
前記モールド樹脂の内部において、前記コンデンサ素子の前記陽極部の下方から前記陽極部に接続された陽極リードフレームと、
前記陰極部に接続される陰極リードフレームと
を有し、
複数の前記コンデンサ素子のそれぞれの前記陽極部は、同じ向きに配設されて前記陽極リードフレームに接続され、
前記陽極リードフレームは、
前記モールド樹脂の底面に沿って露出した陽極端子部と、
前記陽極端子部と一体的に形成され、前記陽極端子部から前記モールド樹脂の内部を前記コンデンサ素子の前記陽極部に向かって延在して前記陽極部に接続される立ち上がり部と
を備え、
前記立ち上がり部は、
上方に向かって開放された、前記陽極部を受入れる受入れ凹部と、
前記受入れ凹部における前記開放されている側において、前記陽極部の通り抜けを阻止する態様で形成され、前記陽極部を上方から押さえ付けることによって前記陽極部の通り抜けを可能とし、前記陽極部が前記受入れ凹部に受入れられた状態で前記陽極部を保持する保持部と、
前記受入れ凹部から下方に向かって延在するスリットと、
を備え、
複数の前記コンデンサ素子のうちの互いに隣接する一のコンデンサ素子と他のコンデンサ素子との間の直下の前記陽極リードフレームの部分には、前記陽極リードフレームの上端から下方に向かって延在する他のスリットが形成された、固体電解コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2012−156568(P2012−156568A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118345(P2012−118345)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【分割の表示】特願2007−317414(P2007−317414)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)