説明

固定付皮下心臓リード線

埋込式皮下装置及び方法は、心臓モニタリング及び/又は刺激用にリード線及び/又は電極を使用する。1つ又はそれ以上の固定要素が含まれ、例えば、膨張可能な要素、孔、螺旋状固定要素、溝、リッジ、歯、有刺歯、バネ荷重歯、可撓性のある歯又は折り畳み可能な歯、及び、電極又はリード線の本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に、恒常的に、又は緊急且つ恒常的に、能動的に及び/又は受動的に固定するように構成された他の固定機構である。本発明による皮下リード線を埋め込む方法は、リード本体と電極と1つ又はそれ以上の固定要素とを具備するリード線を提供することと、固定要素を使用してリード本体と電極との一方又は両方を1つ又はそれ以上の固定部位で皮下非胸腔組織に固定することと、に関与する。この方法は、皮下非胸腔埋込部位にリード線を送出するためにシース等の送出装置を使用することに関与してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、皮下埋込式心臓モニタリング及び/又は刺激装置用のリード線に関し、より詳細には、皮下リード線及び/又は電極用の固定要素に関する。
【背景技術】
【0002】
埋込式心臓リズム管理システムは、深刻な不整脈の患者用の効果的な治療として使用されている。これらのシステムは典型的に、1つ又はそれ以上のリード線及び回路を含み、心臓の1つ又はそれ以上の内部表面及び/又は外部表面からの信号を検知する。そのようなシステムはまた、心臓の1つ又はそれ以上の内部表面及び/又は外部表面で心臓組織に加えられる電気パルスを生成するための回路も含む。例えば、患者の心臓内に延在するリード線は電極に接続され、それは、不整脈を治療するための様々な療法にしたがって、心臓の電気信号をモニタするために、且つ、心臓へパルスを送出するために、心筋に接触する。
【0003】
典型的な埋込式除細動器(ICD)は、1つ又はそれ以上の心内膜リード線を含み、それに対して少なくとも1つの除細動電極が接続される。そのようなICDは、高エネルギショックを心臓に送ることができ、心室頻脈性不整脈又は心室細動を遮断し、心臓が正常な洞律動を再開するのを可能にする。ICDはまた、ペーシング機能を含んでもよい。
【0004】
ICDは、突然心臓死(SCD)を防止するには非常に効果的であるが、SCDのリスクがある多くの人々には、埋込式除細動器が与えられてはいない。この残念な現実の主な理由として、経静脈リード線/電極埋込を行う資格のある医師の数が限られていること、そのような心臓手術に適応するように適切に装備された手術設備の数が限られていること、及び、必要な心内膜又は心外膜のリード線/電極埋込手術を安全に耐えることができる危険な状態にある患者の数が限られていること、が挙げられる。これらの理由のため、皮下ICDが開発されている。
現在のICDは、例えば、重力、患者の動き又は患者の相互作用(例えば腕回旋症候群)のために、皮下組織層に移動する傾向があり得る皮下電極を使用する。そのような移動は、モニタリング、検出及び除細動の有効性が典型的に電極位置/配向に対して非常に敏感であるため、皮下電極システムの性能に有害であることもある。
【0005】
既存の皮下リード線は典型的に、皮下電極移動の問題に対処する冗長性に依存する。例えば、皮下アレイは3つの長いコイル電極を含んでもよく、適切に配置されるときには全3つのコイルが必要ではないこともある。移動が発生することもあるため、除細動の有効性を維持するために3つの長いフィンガが適切なカバーを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
皮下電極移動の問題を解決するより精密な電極配置が必要である。例えば、より一貫した除細動及び/又はペーシング閾値を提供することによって且つ潜在的にそのような閾値を下げることによって、改良された皮下システム性能を提供する皮下リード線用の固定アプローチがさらに必要である。本発明は、これらの必要性及び他の必要性を満たし、公知のシステム及び技術における欠陥に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
埋込式皮下装置及び方法は、心臓モニタリング及び/又は刺激のためにリード線及び/又は電極を使用する。装置及び方法は、1つ又はそれ以上の固定要素を使用し、例えば、膨張可能な要素、孔、螺旋状固定要素、溝、リッジ、歯、有刺歯、バネ荷重歯、可撓性のある歯又は折り畳み可能な歯、及び、電極又はリード線の本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に、恒常的に、又は緊急且つ恒常的に、能動的に及び/又は受動的に固定するように構成された他の固定機構を含む。
【0008】
埋込式皮下リード線の1つの実施形態は、リード本体によって支持された電極を備えたリード本体に関し、電極は、患者内の皮下非胸腔配置用に構成されている。1つ又はそれ以上の固定要素が埋込式リード線に設けられ、固定要素は電極及びリード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に受動的に固定するように構成される。
【0009】
固定要素は、歯、有刺歯、折り畳み可能な歯、剛性歯、バネ荷重歯、及び、ポリマー、金属又は形状記憶合金から形成された歯を含んでもよい。歯は、リード線に位置してもよく、リード線が遠位方向に軸方向変位するのを可能にし、リード線が近位方向に軸方向変位するのに応答して皮下非胸腔組織に設定されるのを可能にする。
【0010】
リード本体及び電極を有するリード線を含む埋込式皮下リードシステムもまた企図され、リード線は、患者内の皮下非胸腔配置用に構成されている。電極及びリード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に受動的に固定する複数の固定要素がリード線に設けられる。送出シースは、リード線を患者内の所望の皮下非胸腔場所へ導入するように構成される。シースのルーメンは、リード線をルーメン内に軸方向配置するのを可能にしながら、固定要素の歯を少なくとも部分的に折り畳むように寸法づけられる。
【0011】
本発明に従ったリード線の別の実施形態は、本体断面直径を有するリード本体を含む埋込式リードシステムに関する。皮下電極はリード本体によって支持され、皮下電極は患者内の皮下非胸腔配置用に構成されている。固定要素は埋込式リード線に設けられ、固定要素は、リード線を皮下非胸腔組織に固定するように構成される。
【0012】
固定要素は、例えば、リード線を組織に固定する螺旋状コイルであってもよい。固定要素はまた、モニタリング及び/又は刺激用の電極を含んでもよい。リード線は、リード本体の断面直径よりも大きな断面直径を備えた固定要素を有してもよい。別の実施形態において、リード線はリード線長手方向軸を有し、固定要素は固定要素長手方向軸を有し、リード線長手方向軸は固定要素長手方向軸に対して一致しない。
【0013】
本発明の別の実施形態に従った埋込式リード線は、支持された電極を備えたリード本体に関する。電極は、患者内の皮下非胸腔配置用に構成されている。膨張固定要素は埋込式リード線に設けられ、皮下電極及びリード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に固定するように構成される。有用な膨張可能な固定要素は、例えば強膜スポンジ等のスポンジと、添加剤を含む膨張可能なポリマー等の膨張可能な部分と、を含む。リード線を患者内の所望の皮下非胸腔場所に導入するように構成されるシースを具備する送出装置が含まれてもよい。シースを使用して、膨張可能な固定要素を圧縮してもよい。
【0014】
本発明に従った方法は、リード本体、心臓電極及び複数の固定要素を有するリード線を提供することに関与する。リード本体、心臓電極、及び/又は、複数の固定要素の1つ又はそれ以上を操作して、固定を提供する。複数の固定要素は、皮下非胸腔組織に固定可能であるように構成され、皮下非胸腔組織に固定して係合するように構成される歯を含んでもよい。複数の固定要素の位置又は配向は、リード線が遠位方向に軸方向変位するのを容易にしてもよく、リード線が近位方向に軸方向変位にするのに抵抗してもよい。複数の固定要素の位置又は配向は、交互に又は追加して、リード線が遠位方向に軸方向変位するのを容易にし且つリード線が時計回り方向及び反時計回り方向の両方に回転変位するのに抵抗してもよい。
【0015】
ルーメンを有する除去可能なシースが、リード線がルーメン内にあるときに、複数の固定要素の少なくともいくつかの位置又は配向を修正するために設けられてもよい。シースからリード線を除去することは、受動係合用に複数の固定要素を有効にしてもよく、シースのルーメンを越えて進むときに又はそれから引き抜かれるときに、複数の固定要素の少なくともいくつかを初期の位置又は配向に戻してもよい。
【0016】
複数の固定要素の他の実施形態は、リード線が長手方向の遠位方向に進むのを可能にし且つリード線が長手方向の近位方向に進むのに抵抗するように構成される。固定要素は、リード本体及び心臓電極の一方又は両方を緊急的に固定するように構成された少なくとも1つの緊急固定要素、及び、リード本体及び心臓電極の一方又は両方を恒常的に固定するように構成された少なくとも1つの恒常固定要素、を含んでもよい。
【0017】
本発明に従った方法の別の実施形態は、リード本体、心臓電極、及び、リード線を皮下非胸腔組織に膨張可能に固定するように構成された膨張可能な固定要素を有するリード線を提供することに関与する。膨張可能な固定要素は、固定部位で膨張されてもよい。膨張可能な固定要素は、リード本体の直径よりも大きな有効直径へ膨張してもよい。方法は、ルーメンを有するシースを提供することと、シースを通ってリード線を進めることと、シースをリード線から除去することと、にさらに関与してもよい。
【0018】
シースを除去することは、シースを長手方向に裂くことと、1つ又はそれ以上の膨張可能な固定要素の少なくとも1つの固定要素を有効にすることと、に関与してもよい。シースを通ってリード線を進めることは、1つ又はそれ以上の膨張可能な固定要素の少なくとも1つの膨張可能な固定要素の位置又は配向を修正することに関与してもよく、例えば、1つ又はそれ以上の膨張可能な固定要素の少なくとも1つの膨張可能な固定要素を圧縮することによる。
【0019】
緊急固定要素の例は、リード本体及び心臓電極の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に固定するように構成された螺旋状コイルである。緊急固定要素の別の例は、リード本体及び心臓電極の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に固定するように構成された縫合糸である。恒常固定要素の例は、リード本体及び心臓電極の一方又は両方と皮下非胸腔組織との間で組織の内植を促進するように構成されたリード線の一部である。
【0020】
埋込式皮下リード線の1つの実施形態は、リード本体によって支持された電極を備えたリード本体に関し、電極は、患者内の皮下非胸腔配置用に構成されている。リード線は、埋込式リード線に設けられた1つ又はそれ以上の恒常固定要素と組み合わされた螺旋状コイル又は縫合ループ等の緊急固定要素を含み、固定要素は、電極及びリード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に固定するように構成される。
【0021】
本発明に従った埋込式皮下リードシステムは、リード本体及び電極を有するリード線に関し、リード線は、患者内の皮下非胸腔配置用に構成されている。電極及びリード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に固定する恒常固定要素が、リード線に設けられる。送出シースは、リード線を患者内の所望の皮下非胸腔場所に導入するように構成される。
【0022】
本発明の上記概要は、本発明の各実施形態又はすべての実施を記載するようには意図されていない。利点及び達成したものは、本発明のより完全な理解とともに、添付の図面と併せて示された下記の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって、明らかになり認識される。
【0023】
本発明は、様々な修正例及び代替の形態に従うが、その詳細は、図面に例として示されており、下記に詳細に説明される。しかし、記載された特定の実施形態に本発明を限定する意図はないことを理解すべきである。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に入るすべての修正例、等価物及び代替例を包含するように意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
例示された実施形態の下記の説明では、その一部を形成する添付の図面が参照され、本発明が実施されて得る様々な実施形態が例として示される。他の実施形態が使用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的な変更がなされてもよいことを理解すべきである。
【0025】
本発明にしたがって実施された埋込式リード線を使用する装置は、後述されるその特徴、構造物、方法又はその組み合わせの1つ又はそれ以上を組み込んでもよい。例えば、皮下心臓モニタ又はスティミュレータ用のリード線は、後述される特徴及び/又はプロセスの1つ又はそれ以上を含むように実施されてもよい。そのような装置又は方法は、本願に記載されるすべての特徴又は機能を含む必要はないが、組み合わせて独特な構造及び/又は機能性を提供する選択された特徴及び機能を含むように実施されてもよいことが意図される。
本発明に従った埋込式皮下装置及び方法は、心臓モニタリング及び/又は刺激用にリード線及び/又は電極を使用する。リード線及び/又は電極は、1つ又はそれ以上の固定要素、例えば、膨張可能な要素、孔、螺旋状固定要素、溝、リッジ、歯、有刺歯、バネ荷重歯、可撓性のある歯又は折り畳み可能な歯、及び、電極又はリード線の本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に、恒常的に、又は緊急且つ恒常的に、能動的に及び/又は受動的に固定するように構成された他の固定機構を含む。
【0026】
本発明による皮下リード線を埋め込む方法は、リード本体と電極と1つ又はそれ以上の固定要素とを具備するリード線を提供することと、固定要素を使用してリード本体と電極との一方又は両方を1つ又はそれ以上の固定部位で皮下非胸腔組織に固定することと、に関与する。この方法は、皮下非胸腔埋込部位にリード線を送出するためにシース等の送出装置を使用することに関与してもよい。
【0027】
一般的に言うと、本発明にしたがって実施された埋込式リード線は、皮下心臓モニタリング及び/又は刺激装置とともに使用されてもよい。1つのそのような装置は、患者の胸部領域で皮膚の下に埋め込まれてもよい埋込式経胸腔的心臓モニタリング及び/又は刺激(ITCS)装置である。ITCS装置は、例えば、装置のすべての要素又は選択された要素が、心臓の活動をモニタし心臓刺激療法を送出するのに適切な患者の正面、背面、側部又は他の身体的場所に位置決めされるように、皮下に埋め込まれてもよい。ITCS装置の要素は、数種類の異なる身体的場所、例えば、胸部、腹部又は鎖骨下部領域に位置してもよく、電極要素はそれぞれ、心臓の近傍、そのまわり、その中又はその上等の異なる領域に位置決めされることが理解される。
【0028】
ITCS装置の一次ハウジング(例えば、活性又は非活性のキャン)は、例えば、肋間部又は肋骨下の場所で胸郭の外部に、腹部内に、又は、上部胸部領域(例えば、鎖骨下部の場所、例えば第3肋骨の上など)に位置決めするために構成されてもよい。1つの実施において、1つ又はそれ以上の電極が、一次ハウジングに、及び/又は、心臓、大血管又は冠状血管のまわりではあるがそれらに直接接触しない他の場所に、位置してもよい。
【0029】
別の実施において、電極を組み込む1つ又はそれ以上のリード線は、例えば、従来の経静脈送出アプローチを使用することによって埋め込まれた1つ又はそれ以上のリード線を経由して、心臓、大血管又は冠状血管に直接接触して位置してもよい。別の実施において、例えば、1つ又はそれ以上の皮下電極サブシステム又は電極アレイを使用して、活性キャンを使用するITCS装置構成で、又は、非活性キャンを使用する構成で、心臓の活動を検知し、心臓刺激エネルギを送出してもよい。電極は、心臓に対して前部及び/又は後部の場所に位置してもよい。
【0030】
次に、図面の図1A及び1Bを参照すると、切開器具を使用することによって患者の胸部領域の異なる場所に埋め込まれたITCS装置の構成が示される。図1A及び1Bに示された特定の構成において、ITCS装置は、ハウジング102を含み、その中に様々な心臓モニタリング、検出、処理及びエネルギ送出回路が収容されてもよい。ハウジング102は、典型的に、1つ又はそれ以上の電極を含むように構成される(例えば、キャン電極及び/又は不関電極)。ハウジング102は典型的に活性キャンとして構成されるが、非活性キャン構成が実施されてもよいことが認識され、その場合、ハウジング102から間隔をおいて離れた2つの電極が使用される。このアプローチに従ったITCSシステムは、皮下に埋め込まれる2つ又はそれ以上の電極サブシステムの組み合わせを含むように構成されることが好ましいため、従来のアプローチとははっきり識別される。
【0031】
図1A及び1Bに示される構成において、皮下電極104は、胸部領域の皮膚の下に位置決めされてもよく、ハウジング102から遠位に位置してもよい。皮下の及び妥当な場合はハウジングの電極は、様々な場所及び配向で心臓のまわりに、例えば心臓に対して様々な前部場所及び/又は後部場所に、位置決めされてもよい。皮下電極104は、リードアセンブリ106を経由してハウジング102内の回路に電気的に連結される。1つ又はそれ以上の導体(例えば、コイル又はケーブル)がリードアセンブリ106内に設けられ、皮下電極104をハウジング102の回路に電気的に連結する。1つ又はそれ以上の検知、検知/ペース又は除細動の電極が、電極サポート、ハウジング102及び/又は遠位電極アセンブリ(図1A及び1Bに示された構成では皮下電極104として示される)の細長い構造物に位置してもよい。
【0032】
1つの構成において、リードアセンブリ106は、一般に可撓性がある。別の構成において、リードアセンブリ106は、幾分可撓性のあるように作られるが、弾性のあるバネ、又は、医者によって形状づけられるか又は操作された後に所望の構成を維持する機械的記憶を有する。例えば、リードアセンブリ106は、グースネック又はブレードシステムを含んでもよく、それは、所望の形状を取るために手動力下で歪められてもよい。このようにして、リードアセンブリ106は、所与の患者の独特な解剖学的構成を収容するように形状嵌めされてもよく、一般に、埋込後に特製の形状を維持する。この構成にしたがってリードアセンブリ106を形状づけることは、ITCS装置の埋込前及び埋込中に発生してもよい。
【0033】
さらなる構成にしたがって、リードアセンブリ106は、剛性電極サポートアセンブリを含み、例えば、ハウジング102に対して皮下電極104を位置的に安定させる剛性の細長い構造物等である。この構成において、細長い構造物の剛性は、皮下電極104とハウジング102との間に所望の間隔を維持し、患者の心臓に対する皮下電極104/ハウジング102の所望の配向を維持する。細長い構造物は、構造的柔軟(構造プラスティック)複合材料又は金属材料から作られてもよく、生体適合性材料を含むか又はそれによって覆われる。ハウジング102と皮下電極104との間の適切な電気的絶縁は、細長い構造物が金属等の導電性材料から形成される場合に、提供される。
【0034】
1つの構成において、剛性電極サポートアセンブリ及びハウジング102は、単一(ユニタリ)構造物(すなわち、単一のハウジング/ユニット)を画成する。電子構成要素及び電極導体/コネクタは、単一ITCS装置のハウジング/電極サポートアセンブリ内に又はその上に配置される。少なくとも2つの電極が、ハウジング/電極サポートアセンブリの対向する端の近くで単一構造物に支持される。単一構造物は、例えば、弓形形状又は傾斜形状を有してもよい。
【0035】
別の構成にしたがって、剛性電極サポートアセンブリは、ハウジング102に対して物理的に分離可能なユニットを画成する。剛性電極サポートアセンブリは、ハウジング102の対応する機械的及び電気的カップリングに噛み合い係合するのを容易にする機械的及び電気的カップリングを含む。例えば、ヘッダーブロック配列は、剛性電極サポートアセンブリとハウジング102との間に機械的及び電気的接続を提供する電気的及び機械的カップリングの両方を含むように構成されてもよい。ヘッダーブロック配列は、ハウジング102に、又は、剛性電極サポートアセンブリに、又は、両方に設けられてもよい。あるいは、機械/電気カプラーを使用して、剛性電極サポートアセンブリとハウジング102との間に機械的及び電気的接続を設けてもよい。そのような構成において、色々な形状、サイズ及び電極構成の様々な異なる電極サポートアセンブリが、物理的に且つ電気的に標準ITCS装置に接続するために利用可能にされてもよい。
【0036】
電極及びリードアセンブリ106は、様々な形状を想定されるように構成されてもよいことが注意される。例えば、リードアセンブリ106は、楔形、山形、平らな楕円又はリボン形状を有してもよく、皮下電極104は、多数の間隔をおいた電極、例えば、電気のアレイ又はバンドを含んでもよい。さらに、2つ又はそれ以上の皮下電極104は、複数の電極サポートアセンブリ106に装着されて、皮下電極104の中に所望の間隔をおいた関係を達成してもよい。それに応じて、本発明の皮下リード線は、特定の電極又は電極及び電極サポートアセンブリのファミリー用に適切に形状づけられてもよい。
【0037】
次に、図2を参照すると、皮下切開路220内に挿入されたリード線241を備えたキャン250を含むITCS装置200が例示される。リード線241は、電極230及びリード本体240を含む。電極230は、ここでは、リード本体240の遠位端に例示される。皮下切開路220は、図1A及び1Bに示されるように、患者の皮下組織内にある。リード線241は、それ自体で皮下切開路220内に挿入されてもよく、又は、図3Aに示されるようにシース320を使用して挿入されてもよい。
【0038】
図3Aにおいて、リード本体240の近位端は、シース320から延在し、電極230はシース320のルーメン内に入れられる。電極230は、それぞれ、電極230の遠位端及び近位端に設けられた固定要素232及び234を含んで例示される。そのような固定要素を任意の数使用して、電極230を皮下組織内に固定してもよいことが理解されなければならない。
【0039】
固定要素232及び234は、例えば、拡張可能な固定機構、例えば、必須ではないか送出中にシース320のルーメン内に圧縮されることが好ましいスポンジ状材料を含んでもよい。1つの送出アプローチにしたがって、リード線241は、シース320内部にある間に、例えば図2に示されるような皮下切開路220等の皮下切開路内に挿入されてもよい。シース320を皮下組織内の所望の場所に位置決めした後に、シース320は引き抜かれてもよく、又は、他のやり方でリード線241から分離されてもよい。シース320を電極230及びリード本体240から引き抜かれることは、固定要素232及び234が膨張して電極230を皮下組織内に貼付することを可能にする。
【0040】
固定要素232及び234を作るための適切な材料は、強膜スポンジである。しかし、固定要素232及び234は、膨張することができるいずれの埋込可能材料から作られてもよい。固定要素232及び234の膨張は、体液の摂取から、注入された材料から、又は、他の膨張理由から、シース320から解放されることにより、発生してもよい。例えば、流体は、一方向弁又はストッパーで膨張可能なバルーン固定要素内に注入されてもよい。
【0041】
膨張固定要素の他の実施形態は、図3B及び3Cに例示される。図3Bにおいて、膨張カラー330及び膨張リード部分340は、膨張前の構成で例示されている。膨張カラー330及びリード部分340は、例えば、生体適合性ポリマー及び水溶性添加剤の混合物から作られた構成要素であってもよい。実例として、シリコーンゴム及びグリセロール等の水溶性添加剤が、膨張カラー330及び膨張リード部分340を作るのに有用な材料の1つの組み合わせを表す。
【0042】
この組み合わせの材料は、浸透作用による水の進入のため、埋込後に膨張する。ポリマー/添加剤組成を使用して、身体の水性環境によって供給された吸収された水は、ポリマーに浸透し、分離した添加剤粒子を溶解して構成要素の膨張を提供する。ポリマーフェーズ内に生成されたその後の反応の力は、最終的に浸透力のバランスを取り、そのため、破壊的な膨張は発生しない。膨張した先端又はカラー330は、それ自体が、嚢(ポケット)内に圧入を提供してもよく、固定を確実にする。加えて、他の組成を使用することによって、水の嚢は、構成要素表面と連通する孔を形成するのに十分なほど構成要素内で結合してもよく、それは、組織の内植を促進する。
【0043】
図3Cは、膨張したカラー350及び膨張したリード部分360を例示する。埋込後に、カラー330及びリード部分340(図3Bに示される)は、膨張し、膨張したカラー350及び膨張したリード部分360になる。リード線241を組織内に固定するために、膨張したカラー350及び部分360は、組み合わせて且つ/又はそれだけで使用されてもよい。
【0044】
次に、図4を参照すると、別の固定配列が設けられた電極230を含むリード線241の実施形態が例示される。リード線241は、ここでは、電極230の本体/リード本体240から外向きに突出する歯410、420、430、440、450及び460を有する電極230を含むように示される。また、多数の対角線の溝470、471、472、473及び474も例示される。
【0045】
歯410〜460は、例えば、金属又はプラスチック等のバネ状品質を有する機械的に弾性のある材料を使用して、歯410〜460を製造することによって、リード本体240から離れて偏倚して示される。歯410〜460は、図4に例示されるように、離れて傾斜し近位に配向されてもよく、リード線241が遠位方向で切開路内に容易に挿入されるのを可能にするが、近位方向に引かれるのに抵抗する。歯410〜460は、リード線241を皮下組織内に緊急的に固定する。
【0046】
リード線241を皮下組織内に配置し緊急的に固定した後に、溝470〜474は、組織の内植を促進するための領域を提供し、これは、リード線241を皮下組織内に恒常的に固定する。溝470〜474は、リード本体240の長手方向軸に対して対角線に配向された一連の平行な線によって示される。任意の数の溝が任意の角度で又は異なる角度で実施されてもよいことが企図される。例えば、図5に例示されるように、クロスハッチパターンの溝510は、リード線241が皮下組織内に配置された後に組織の内植を促進するように組み込まれてもよい。溝470〜474は、いずれの適切なサイズ、形状、深さ又は間隔であってもよい。
【0047】
図6に例示されるように、1つ又はそれ以上のリッジ610は、恒常的な組織固着のために溝と組み合わせて又はその代わりに、使用されてもよい。リッジ610は、組織の内植から生じるリード本体240の恒常固定を提供するように構成されてもよい。溝510(図5)及びリッジ610の両方はまた、溝510又はリッジ610のサイズに依存して、一定程度の緊急固定も提供してもよい。緊急的に、溝510又はリッジ610は、組織との初期固着を提供する。時が立つにつれて、初期には未完成の封入は収縮し、結果として、リード線241でより固い固着になる。図6にさらに例示されるように、複数の歯620、630、640、650、660及び670は、前述のように、リード本体240及び/又はリード電極を緊急的に固定するために、他の固定技術と組み合わせて使用されてもよい。複数の歯620、630、640、650、660及び670等の特徴部は、リード本体240及び/又は電極230に位置してもよい。歯620〜670及び/又はリッジ610及び/又は溝は、例えば、リード線241の縫合接着点(図示せず)等の当該技術分野で公知の他の緊急固定技術とともに様々な組み合わせで使用されてもよい。
【0048】
次に、図7を参照すると、本発明に従った別の固定配列が例示される。この実施形態にしたがって、固定配列は、リード本体240及び/又はリード線241の電極230上に1つ又はそれ以上のテクスチャ表面又は領域710を含む。テクスチャ表面710は、単独の恒常固定方法として、又は、図7に示された1セットの溝720等の他の恒常固定配列と組み合わせて、使用されてもよい。
【0049】
テクスチャ表面710は、組織の内植を促進し、リード本体240を皮下組織内へ恒常的に固定する。テクスチャ表面710は、例えば、リード本体240の多孔性領域、表面不整を有するコーティング、リード本体240及び/又はリード電極230内に成形される窪み、サンディング又はスクラッチング等の製造プロセスからの表面処理又は他の適切なテクスチャリングであってもよい。
【0050】
一般に、少なくとも1つの緊急固定機構を恒常固定機構と組み合わせて使用して、恒常固定機構を皮下組織内に固定するために十分な時間を可能にする。適切な緊急固定機構は、例えば、リード線241の遠位端に配置された縫合糸である。
【0051】
上述のものに類似した他の固定配列にしたがって、且つ、図7を参照すると、リード本体240及び/又は電極230は、リード本体240及び/又は電極230を皮下組織内に恒常的に固定するのを容易にする組織接着部位を組み込むように構成されてもよい。例えば、接着部位は、スリーブの1つ又はそれ以上の場所でリード本体240のスリーブに間隙を含んでもよい。接着部位は、1つ又はそれ以上の電極230の露出部分又はリード線241の絶縁又はカバーの他の露出部分を含んでもよい。
【0052】
別の構成にしたがって、接着部位は、皮下組織の内植を促進するか接着部位に接着するのを促進する多孔性表面を有する縫合糸を含んでもよい。例えば、金属製環状構造物が、接着部位に配置されてもよい。例えば多孔性表面特性を有する金属製リングを使用して、接着部位に細胞接着するのを促進してもよい。環状構造物は、電極230を組み込んでもよく、又は、電極230から分離してもよい。
【0053】
さらなる構成にしたがって、接着部位は、皮下組織の内植を促進するか接着部位に接着するのを促進する材料を含んでもよい。例えば、リード本体240のバルク外側スリーブは、実質的に組織の内植を防止する第1のポリマー材料を含んで作られてもよい。リード本体240の選択的な部分は、組織の内植を促進するか、又は、接着部位と接着部位に接触する皮下組織との間の接着を促進する第2のポリマー材料を使用して形成される接着部位を含んでもよい。第2のポリマー材料は、例えば、第1のポリマー材料のものとは異なる孔、孔サイズ又は孔サイズの分布を有してもよい。さらなる例として、第2のポリマー材料は、第1のポリマー材料に対して、疎水性に関して異なってもよい。
【0054】
1つの特定な構成において、第1のポリマー材料は第1の種類のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含んでもよく、接着部位の第2のポリマー材料は第2の種類のPTFEを含んでもよい。1つの特定な配列において、第1の種類のPTFEは、第1の種類のePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)を含み、第2の種類のPTFEは、第2の種類のePTFEを含む。第2の種類のePTFEは、孔、孔サイズ又は孔サイズの分布の1つ又はそれ以上に対して、第1の種類のePTFEと異なることが好ましい。表面テクスチャ、選択的材料使用、及び、組織の内植を経てリード線/電極固定を容易にする他の配列に関与する固定アプローチのさらなる詳細は、同一出願人の2001年12月4日に出願された米国特許出願第10/004,708号(GUID.031US01)、発明の名称「埋込式リード線を安定させるための装置及び方法(Apparatus and Method for Stabilizing an Implantable Lead)」に開示されており、これは、参照して本願明細書に組み込まれる。
【0055】
次に、図8A及び8Bを参照すると、本発明の別の実施形態に従った緊急固定要素の詳細が示される。リード線800は、複数の歯810、820、830、840、845(図8B)、850、860、870、880及び890(図8A)を含んで例示される。歯810〜890は、90度の円周配置で規則的に配置され且つリード線800の長さ方向に沿って規則的に間隔をおいて示される。しかし、この実施形態にしたがって、他の角度、規則性又は不規則性、又は歯の数を使用してもよい。歯810〜890は、この例示的な例では、リード線800の本体から延在するときに湾曲するように示される。湾曲は、リード線800が第1の方向に容易に動くことを提供することによって(例えば、遠位方向における軸方向変位)、緊急固定を容易にするのを補助してもよく、一方、第2の方向に動くのに応答して(例えば、近位方向における軸方向変位)、歯を組織内に設定するのを助ける。歯は真直ぐであってもよく、又は、リード線800の本体から離れるか又はそれに向かう傾向がある湾曲を有してもよいことが企図される。
【0056】
本発明にしたがって構成された歯はまた、図9A及び9Bに例示されるように、2つ以上の平面に湾曲してもよい。リード線900(リード線及び/又は電極)は、歯910、920、930、935(図9B)、940、950及び960(図9A)を含んで示される。図示のように、歯910〜960は、リード線900の長手方向軸に対してリード線900から離れ上方へ湾曲する。歯910〜960はまた、第2の基準平面に対してリード線900の本体の円周のまわりに湾曲する。
【0057】
図9A及び9Bに例示された複雑な湾曲は、リード線900を皮下組織内に最適に配置し固定するのに有利であってもよい。この複雑な湾曲は、リード線900が第1の方向に回転するときに、リード線900を挿入し引き抜くのを容易にする。リード線900が回転しない場合には、歯910〜960は、組織内に設定される。さらに、リード線900が反対方向に回転する場合には、歯910〜960は、皮下組織内に強制されてもよい。
【0058】
複雑な湾曲を使用する別の歯構成が、リード線900を皮下組織内に最適に配置し固定するために、図9C及び9Dに例示される。この複雑な湾曲は、近位変位からの、及び、リード線900の回転からの、固定を提供する。歯921、923、931、933、951及び953は、リード線900の外向き且つ上向きのバネ偏倚のため、組織内に設定される。この種類のリード線固定の配置は、直接遠位挿入によって達成されてもよく、変位中に歯921、923、931、933、951及び953を圧縮し、遠位運動の解放時に、歯921、923、931、933、951及び953は、固定のためにリード線900から外向きに跳ねる。
【0059】
複雑な湾曲を使用するさらなる歯構成が、リード線900を皮下組織内に最適に配置し固定するために、図9E及び9Fに例示される。この複雑な湾曲は、近位変位及び遠位変位の両方からの、及び、リード線900の回転からの、固定を提供する。歯922、932、942、952、962及び972は、リード線900の外向き且つ上向きのバネ偏倚のため、組織内に設定される。この種類のリード線固定の配置は、先に記載されたようにシースの使用によって達成されてもよく、変位中に歯922、932、942、952、962及び972を圧縮し、シースの除去時に、歯922、932、942、952、962及び972は、固定のためにリード線900から外向きに跳ねる。
【0060】
図9Gは、本発明に従った固定配列を含むように実施されたリード線の別の実施形態の拡大断面図である。歯973及び974は、リード線900から外向きに及び上向きにバネ偏倚するため、組織内に設定される。この種類のリード線固定の配置は、先に記載されたようにシースの使用によって達成されてもよく、変位中に歯973及び974を圧縮し、シースの除去時に、歯973及び974は、固定のためにリード線900から外向きに跳ねる。
【0061】
図10A、10B、10C及び10Dは、本発明に従った歯の様々な形状を例示する。図10Aでは、歯1010は、リード線900から突出して示される。歯1010は、単一の先端1080を有する。歯1010は、リード線900本体から離れて跳ねるように形状づけられる。
【0062】
説明を容易にするために、図10A、10B、10C及び10Dの平面におけるリード線を考慮し、リード線900は、図面の平面で左から右へ動く。リード線900が、この図面では左から右へ、挿入された場合には、歯1010は、リード線900内に折り畳まれる傾向があり、リード線900が前方へ進むのを可能にする。リード線900が図10Aで右から左へ引かれるときには、歯1010は、単一先端1080によって組織内に設定される傾向がある。
【0063】
図10Aの歯と同様に、図10Bの歯1020もまた屈曲し、同一の運動下で設定される。しかし、歯1020は、図10Aの歯1010ほど実質的ではなく、より容易に折り畳まれ、左から右への運動下で圧縮し、右から左への運動に対して少ない抵抗を提供してもよい。
【0064】
次に、図10Cを参照すると、歯1030は、第1の点1050及び第2の点1040を備えて例示される。歯1030の形状は、第2の点1040に沿って、返し1060を形成する。返し1060は、釣り針の返しに類似して、右から左への運動への抵抗を提供するだけではなく、設定された後に、さらに左から右への運動への抵抗も提供する。この配列は、左から右への方向における挿入の容易さ、右から左への運動への抵抗を提供し、その後、設定された後に、さらに左から右への運動への抵抗も提供する。
【0065】
図10Dを参照すると、直立した歯1012が、リード線900本体から垂直に突出して例示される。直立した歯1012は、リード線900の送出中に、圧縮されてもよく、且つ/又は、シース(例えば図3Aのシース320等)のルーメンにバネ偏倚されてもよく、シースが除去されるときには直立した歯1012が組織内に設定されるようにする。別の実施形態において、直立した歯1012の剛性は、組織内に動くときに、設定レベルの抵抗が直立した歯1012によって提供されるように、設計されてもよい。剛性を調整することによって、リード線900の固定のレベル、及び、挿入/再配置の関連した容易さは、設計によって予め決定されてもよい。剛性は、材料の選択、形状、当該技術分野で公知の他の手段によって変えられてもよい。
【0066】
次に、図11を参照すると、切開路220内に挿入されたリード線241を備えたキャン250を含むITCSシステム200が例示される。リード線241は、電極230を含み、ここではリード本体240の遠位端に例示される。皮下切開路220は、図1A及び1Bに例示されるように、患者の皮下組織内にある。本発明にしたがってリード線241を組織内に固定するために有効な固定要素として、オフセット螺旋260が使用される。典型的に、螺旋260は、電極230のすべて又は少なくともその一部を画成するように構成される。
【0067】
図12は、先の実施形態で説明されたように、引き離しシース320内に挿入されたリード線241を例示する。リード線241を皮下組織内に配置した後に、シース320は、皮下トンネルから、典型的には剥がすように、引き抜かれる。リード線241は、下記にさらに詳細に説明されるように、リード線241を回転することによって組織内に固定されてもよい。
【0068】
図13及び14は、それぞれ、本発明の実施形態の平面図及び端面図を示す。図13において、螺旋状コイル260は、電極230が所望の場所に位置決めされるときに、リード本体240を組織内に固定する固定要素として使用されてもよい。螺旋状コイル260は、接着点262でリード本体240の遠位端に接着される。リード本体240の回転は、螺旋状コイル260の回転を発生させ、それによって鋭い端400を回転させる。
【0069】
螺旋状コイル260は、コイルの均一のピッチ、円筒形断面、一定の厚さを有して例示されるが、本発明にしたがって、いずれの螺旋又はネジ状構造物が使用されてもよいことが企図される。螺旋は、非均一であってもよく、且つ/又は、テーパする断面であってもよく、ピッチは非均一であってもよく、コイルの形状及び厚さは、本発明の範囲から逸脱することなく、変動してもよい。
【0070】
リード線241が回転するにつれて、鋭い端400は、切開された組織路の壁に接触し、皮下組織内に貫入する。リード線241がさらに回転すると、鋭い端400は、組織を通って進み、繰り返し壁に貫入し、螺旋状コイル260の巻きが示すように前方へ進む。これは、螺旋状コイル260を組織の壁内に効果的にねじ込み、したがってリード線241を固定する。
【0071】
図13及び14に例示された実施形態において、螺旋状コイル260は、リード本体240よりも直径が大きいように見える。リード本体240よりも大きい螺旋状コイル260を使用する利点は、切開された組織トンネル内にリード線があるときに鋭い端400がトンネル壁に貫入し回転時に固定を提供することを確実にする。螺旋状コイル260がリード本体240の直径と同一か又はそれよりも小さい場合には、貫入が発生するまでリード本体240が切開トンネルに沿って遠位に押されるのでなければ、リード本体は、鋭い端400が貫入を開始するのを防止してもよい。リード線をこのように押すことは、電極230を最適な固定場所から遠位に動かしてもよい。
【0072】
次に、図15及び16を参照すると、それぞれ、本発明の別の実施形態の平面図及び端面図が例示される。図15において、オフセット螺旋状コイル661は、電極230が所望の場所に位置決めされるときに、リード本体240を組織内に固定する固定要素として使用されてもよい。オフセット螺旋状コイル661は、接着点662でリード本体240の遠位端に接着される。リード本体240の回転は、オフセット螺旋状コイル661の回転を発生させ、鋭い端600を回転させる。
【0073】
リード本体240が回転するにつれて、鋭い端600は、切開された組織路の壁に接触し、皮下組織内に貫入する。リード本体240がさらに回転すると、鋭い端600は、組織を通って進み、繰り返し壁に貫入し、オフセット螺旋状コイル661の巻きが示すように前方へ進む。これは、オフセット螺旋状コイル661を組織の壁内に効果的にねじ込み、したがってリード線241を固定する。
【0074】
図15及び16に例示された実施形態において、図16に最良に見られるように、オフセット螺旋状コイル661は、リード本体240の長手方向軸に対してずれた中心軸を有するように見える。リード本体240からずれたオフセット螺旋状コイル661を使用する利点は、切開された組織トンネル内にリード線があるときに鋭い端600がトンネル壁に貫入し回転時に固定を提供することを確実にする。
【0075】
コイル260及び661は、例えば、金属等のバネ材料を使用して製造されてもよく、コイル260及び661は、その固定場所に進められるときに、シース320内に変形するようにする。シース320の除去時に、コイル260及び661はより大きな構成又はずれた構成になり、組織内への固定に影響を与える。コイル260及び661はまた、例えばニチノール等の形状記憶合金を使用して製造されてもよく、コイル260及び661が、切開路を通って進められるときに、第1の非貫入形状を有するようにする。体温を受けるか人工的に加熱されるときに、コイル260及び661は、上述のような形状に戻り、固定に影響を与える。
【0076】
任意の数、種類又は組み合わせの固定要素が企図されており、上記に呈された数、種類及び組み合わせは単に例であることを理解しなければならない。本発明の範囲から逸脱することなく、上記に検討された好適な実施形態に、様々な修正例及び変形例を作ることができる。したがって、本発明の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、下記に述べられる特許請求の範囲及びその等価物によってのみ規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1A】患者に埋め込まれた経胸腔心臓モニタリング及び/又は刺激装置の図である。
【図1B】患者に埋め込まれた経胸腔心臓モニタリング及び/又は刺激装置の図である。
【図2】本発明に従ったリード線の図であり、キャンから通っている切開された皮下路に挿入されている。
【図3A】本発明にしたがって固定要素を展開する前にシース内に入れられたリード線の平面図である。
【図3B】本発明に従った、膨張前の膨張領域を有するリード線の平面図である。
【図3C】本発明に従った、膨張後の膨張領域を有するリード線の平面図である。
【図4】電極を有するリード線の1つの実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図5】電極を有するリード線の別の実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図6】電極を有するリード線のさらなる実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図7】電極を有するリード線のさらに別の実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図8A】電極を有するリード線のさらなる実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図8B】図8Aに例示された実施形態の端面図である。
【図9A】電極を有するリード線の別の実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図9B】図9Aに例示された実施形態の端面図である。
【図9C】電極を有するリード線の別の実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図9D】図9Cに例示された実施形態の端面図である。
【図9E】電極を有するリード線の別の実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図9F】図9Eに例示された実施形態の端面図である。
【図9G】本発明にしたがって固定配列を含むように実施されたリード線の別の実施形態の拡大断面図である。
【図10A】本発明に従った様々な歯の断面図である。
【図10B】本発明に従った様々な歯の断面図である。
【図10C】本発明に従った様々な歯の断面図である。
【図10D】本発明に従った様々な歯の断面図である。
【図11】本発明に従ったリード線の図であり、キャンから通っている切開された皮下路に挿入されており、オフセット螺旋状電極/固定要素が組織に固定して例示される。
【図12】本発明にしたがって固定要素を展開する前にシース内に入れられたリード線の平面図である。
【図13】電極を有するリード線の1つの実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図14】図13の実施形態の拡大端面図である。
【図15】電極を有するリード線のさらなる実施形態の拡大図であり、リード線は本発明にしたがって固定配列を含むように実施される。
【図16】図15の実施形態の拡大端面図である。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込式リード線配列であって、
リード本体と、
前記リード本体によって支持され、患者内の皮下非胸腔配置用に構成された心臓電極と、
前記心臓電極及び前記リード本体の一方又は両方に設けられ、前記リード線配列を皮下非胸腔組織に固定するように構成された複数の固定要素と、
を具備する埋込式リード線配列。
【請求項2】
前記複数の固定要素は歯を具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項3】
前記歯は刺を具備する請求項2記載のリード線配列。
【請求項4】
前記歯の長手方向軸の突出は、前記リード本体の長手方向軸に対して非平行である請求項2記載のリード線配列。
【請求項5】
前記複数の固定要素は、バネ記憶を有する材料から形成された歯を具備し、前記歯は、前記リード線配列に位置し、前記リード線配列が遠位方向に軸方向変位するのを可能にし、前記リード線配列が近位方向に軸方向変位するのに応答して皮下非胸腔組織に設定される請求項1記載のリード線配列。
【請求項6】
前記複数の固定要素は折り畳み可能な歯を具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項7】
前記折り畳み可能な歯を少なくとも部分的に折り畳むように寸法づけられたルーメンを有し、前記リード線配列が前記ルーメン内に軸方向変位するのを可能にするシースを具備する請求項6記載のリード線配列。
【請求項8】
前記シースは、長手方向プレストレス線配列を具備し、前記シースが患者から引き抜かれる間にシースの分離を容易にする請求項7記載のリード線配列。
【請求項9】
前記複数の固定要素は、前記リード線配列から半径方向に外向きに偏倚した歯を具備し、前記歯は、前記リード線配列に配向され、前記リード線配列が第1の方向に回転するのを可能にし、前記リード線配列が第2の方向に回転するのに抵抗する請求項1記載のリード線配列。
【請求項10】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は固定要素断面直径を有し、前記固定要素断面直径は前記リード本体の断面直径よりも大きい請求項1記載のリード線配列。
【請求項11】
前記複数の固定要素の前記少なくとも1つの固定要素は、螺旋状コイルを具備する請求項10記載のリード線配列。
【請求項12】
前記螺旋状コイルは、非展開構成にあるときに圧縮性であるように構成され、前記螺旋状コイルの断面直径は、非展開構成にある前記リード本体の断面直径に実質的に等しいか又はそれよりも小さい請求項11記載のリード線配列。
【請求項13】
前記リード本体はリード線長手方向軸を有し、前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は固定要素長手方向軸を有し、前記リード線長手方向軸は前記固定要素長手方向軸に対して一致しない請求項1記載のリード線配列。
【請求項14】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、前記電極の一部である請求項1記載のリード線配列。
【請求項15】
前記リード本体は長手方向軸を具備し、
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、前記リード本体の長手方向軸に実質的に垂直に整列配置された長手方向軸を具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項16】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、前記リード本体又は電極を皮下非胸腔組織に能動的に固定するように構成される請求項1記載のリード線配列。
【請求項17】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、前記心臓電極及び前記リード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に膨張可能に固定するように構成される請求項1記載のリード線配列。
【請求項18】
前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に固定するように構成された前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素を具備する請求項17記載のリード線配列。
【請求項19】
前記リード線配列は、長手方向プレストレス線配列を有するシースを具備して前記シースが患者から引き抜かれる間にシースの分離を容易にし、前記シースは、前記少なくとも1つの膨張可能な固定要素を少なくとも部分的に折り畳むように寸法づけられたルーメンを具備し、前記リード線配列が前記ルーメン内に軸方向変位するのを可能にする請求項17記載のリード線配列。
【請求項20】
前記少なくとも1つの膨張可能な固定要素は、前記心臓電極に設けられる請求項17記載のリード線配列。
【請求項21】
前記少なくとも1つの膨張可能な固定要素は、スポンジを具備する請求項17記載のリード線配列。
【請求項22】
前記少なくとも1つの膨張可能な固定要素は、強膜スポンジを具備する請求項17記載のリード線配列。
【請求項23】
前記複数の固定要素は、間隔をおいた関係に配列された複数のスポンジを具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項24】
前記複数の固定要素は、前記リード本体の膨張可能な部分を具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項25】
前記リード本体の前記膨張可能な部分は、ポリマーに添加剤を含む請求項24記載のリード線配列。
【請求項26】
前記添加剤は、グリセロールを含む請求項25記載のリード線配列。
【請求項27】
前記リード本体の前記膨張可能な部分は、膨張可能なポリマーを含む請求項24記載のリード線配列。
【請求項28】
前記膨張可能なポリマーは、ヒドロゲルを含む請求項27記載のリード線配列。
【請求項29】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、前記リード本体に連結された膨張可能なカラーを具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項30】
前記膨張可能なカラーは、ポリマーに添加剤を含む請求項29記載のリード線配列。
【請求項31】
前記添加剤は、グリセロールを含む請求項30記載のリード線配列。
【請求項32】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、前記埋込式リード線配列に設けられた膨張可能な部分を具備し、前記膨張可能な部分は、恒常的な固定のために組織の内植を促進する孔を提供するように構成される請求項1記載のリード線配列。
【請求項33】
前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に固定するように構成された前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素を具備する請求項32記載のリード線配列。
【請求項34】
前記膨張可能な部分は、第1及び第2の添加剤を含み、前記第1の添加剤は膨張を提供するように構成され、前記第2の添加剤は前記孔を提供するように構成される請求項32記載のリード線配列。
【請求項35】
前記膨張可能な部分は、第1及び第2の添加濃度を有するポリマー含み、前記第1の添加濃度は膨張を提供するように構成され、前記第2の添加濃度は前記孔を提供するように構成される請求項32記載のリード線配列。
【請求項36】
前記複数の固定要素の少なくとも1つの固定要素は、組織の内植を促進するように構成されたテクスチャ表面を具備する請求項1記載のリード線配列。
【請求項37】
前記テクスチャ表面はリッジを具備する請求項36記載のリード線配列。
【請求項38】
前記テクスチャ表面は溝を具備する請求項36記載のリード線配列。
【請求項39】
リード本体と心臓電極と複数の固定要素とを具備するリード線を提供することと、
前記リード本体と、前記心臓電極と、前記複数の固定要素の1つ又はそれ以上と、の少なくとも1つを操作することと、を含み、前記複数の固定要素は、皮下非胸腔組織に固定可能であるように構成される、
方法。
【請求項40】
前記複数の固定要素は、皮下非胸腔組織に固定して係合するように構成される歯を具備する請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記複数の固定要素の位置又は配向は、前記リード線が遠位方向に軸方向変位するのを容易にし、前記リード線が近位方向に軸方向変位するのに抵抗する請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記複数の固定要素の位置又は配向は、前記リード線が遠位方向に軸方向変位するのを容易にし、前記リード線が時計回り方向及び反時計回り方向の両方に回転変位するのに抵抗する請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記複数の固定要素の1つ又はそれ以上は、前記リード線が第1の方向に回転するのに抵抗し、前記リード線が第2の方向に回転するのを可能にする請求項39記載の方法。
【請求項44】
ルーメンを有する除去可能なシースを提供することと、
前記リード線が前記ルーメン内にあるときに、前記複数の固定要素の少なくともいくつかの位置又は配向を修正することと、
を含む請求項39記載の方法。
【請求項45】
前記シースから前記リード線を除去することは、受動係合用に複数の固定要素を有効にすることを含む請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記複数の固定要素の前記少なくともいくつかが前記シースの前記ルーメンを越えて進むか又はそれから引き抜かれるときに、前記複数の固定要素の前記少なくともいくつかを初期の位置又は配向へ戻すことを含む請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記リード線は、前記リード線を第1の方向に回転することで複数の固定要素を係合させ、前記リード線を第2の方向に回転することで前記複数の固定要素の係合解除に抵抗するように、構成される請求項39記載の方法。
【請求項48】
前記複数の固定要素は、前記リード線が遠位方向に長手方向に進むのを可能にし、前記リード線が近位方向に長手方向に進むのに抵抗するように構成される請求項39記載の方法。
【請求項49】
前記複数の固定要素は、前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方を緊急的に固定するように構成された少なくとも1つの緊急固定要素と、前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方を恒常的に固定するように構成された少なくとも1つの恒常固定要素と、を具備する請求項39記載の方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの緊急固定要素は、前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に固定するように構成された螺旋状コイルを具備する請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの緊急固定要素は、前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方を皮下非胸腔組織に緊急的に固定するように構成された縫合糸を具備する請求項49記載の方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つの恒常固定要素は、前記リード本体及び前記心臓電極の一方又は両方と皮下非胸腔組織との間で組織の内植を促進するように構成された前記リード線の一部を具備する請求項49記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの緊急固定要素は、前記リード線が回転するときに皮下非胸腔組織に貼付するように構成された螺旋状固定要素を具備する請求項49記載の方法。
【請求項54】
リード本体と心臓電極と膨張可能な固定要素とを具備するリード線を提供することと、
前記膨張可能な固定要素を膨張することと、を含み、膨張した固定要素は、リード線配列を皮下非胸腔組織に固定するように構成される、
方法。
【請求項55】
前記膨張可能な固定要素が、前記リード本体の直径よりも大きな有効直径へ膨張する請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記膨張可能な固定要素は、1つ又はそれ以上の固定部位で皮下非胸腔組織に固定して係合するよう膨張するように構成される1つ又はそれ以上の前記膨張可能な固定要素を具備する請求項54記載の方法。
【請求項57】
ルーメンを有するシースを提供することと、
前記シースを通って前記リード線を進めることと、
前記シースを前記リード線から除去することと、
を含む請求項54記載の方法。
【請求項58】
前記シースを除去することは、前記シースを長手方向に裂くことを含む請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記シースを除去することは、前記1つ又はそれ以上の膨張可能な固定要素の少なくとも1つの固定要素を有効にすることを含む請求項57記載の方法。
【請求項60】
前記シースを通って前記リード線を進めることは、前記1つ又はそれ以上の膨張可能な固定要素の少なくとも1つの膨張可能な固定要素の位置又は配向を修正することを含む請求項57記載の方法。
【請求項61】
前記シースを通って前記リード線を進めることは、前記1つ又はそれ以上の膨張可能な固定要素の少なくとも1つの膨張可能な固定要素を圧縮することを含む請求項57記載の方法。
【請求項62】
埋込式リード線であって、
リード本体と、
前記リード本体によって支持され、患者内の皮下非胸腔配置用に構成された心臓電極と、
前記埋込式リード線に設けられた膨張可能な固定要素であって、前記心臓電極及び前記リード本体の一方又は両方を皮下非胸腔組織に膨張可能に固定するように構成された膨張可能な固定要素と、
を具備する埋込式リード線。
【請求項63】
前記膨張可能な固定要素は、前記心臓電極に設けられる請求項62記載のリード線。
【請求項64】
前記膨張可能な固定要素は、スポンジを具備する請求項62記載のリード線。
【請求項65】
前記膨張可能な固定要素は、強膜スポンジを具備する請求項62記載のリード線。
【請求項66】
前記膨張可能な固定要素は、間隔をおいた関係に配列された複数のスポンジを具備する請求項62記載のリード線。
【請求項67】
前記膨張可能な固定要素は、前記リード本体の膨張可能な部分を具備する請求項62記載のリード線。
【請求項68】
前記リード本体の前記膨張可能な部分は、ポリマーに添加剤を含む請求項67記載のリード線。
【請求項69】
前記添加剤は、グリセロールを含む請求項68記載のリード線。
【請求項70】
前記リード本体の前記膨張可能な部分は、膨張可能なポリマーを含む請求項67記載のリード線。
【請求項71】
前記膨張可能なポリマーは、ヒドロゲルを含む請求項70記載のリード線。
【請求項72】
前記膨張可能な固定要素は、前記リード本体に連結された膨張可能なカラーを具備する請求項62記載のリード線。
【請求項73】
前記膨張可能なカラーは、ポリマーに添加剤を含む請求項72記載のリード線。
【請求項74】
前記添加剤は、グリセロールを含む請求項73記載のリード線。
【請求項75】
前記リード線を患者内の所望の皮下非胸腔場所に導入するように構成された送出装置をさらに具備する請求項62記載のリード線。
【請求項76】
前記送出装置のルーメンは、前記膨張可能な固定要素を圧縮するように寸法づけられながら、前記リード線が前記ルーメン内に軸方向変位するのを可能にする請求項75記載のリード線システム。
【請求項77】
前記送出装置は、長手方向プレストレス線配列を有するシースを具備し、前記シースが患者から引き抜かれる間にシースの分離を容易にする請求項75記載のリード線システム。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−522661(P2006−522661A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509835(P2006−509835)
【出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/010916
【国際公開番号】WO2004/091717
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(592245720)カーディアック ペースメーカーズ,インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】