説明

固定刃支持装置、用紙切断装置、およびプリンタ

【課題】可動刃との噛み合い時に固定刃の変形を招来することなく固定刃を揺動可能に支持することができる固定刃支持装置を提供する。
【解決手段】付勢手段と、固定刃支持部材11とを有している。固定刃支持部材11は、基面部11aと、立面部11bと、リテーナ部11cとを備えている。立面部11bは、基面部11aはから固定刃12の刃先部と反対側の根元部後方を塞ぐように付勢方向に延び、固定刃12が可動刃との噛合方向に離脱することを制限する。リテーナ部11cは、立面部11bから固定刃12の根元部に被さるように延び、固定刃12が付勢方向に離脱することを制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙やラベルシート等の用紙に印字を行うプリンタに搭載され、印字された用紙を自動的に切断する用紙切断装置に関し、特に、用紙切断装置に用いられ、印字された用紙を可動刃と噛み合うことによって切断する固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の用紙切断装置は、固定刃ユニットと、可動刃ユニットとを有している。固定刃ユニットは、固定刃と、固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持装置と、固定刃を可動刃に対して加圧する付勢手段とを有している。一方、可動刃ユニットは、可動刃と、駆動源に接続され、可動刃をストローク方向に駆動する駆動手段とを有している。プリンタ内において、固定刃および可動刃は、用紙通路における印字済みの用紙の表裏面を挟んで対向するように配置される。
【0003】
固定刃支持装置を有する用紙切断装置の具体例は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたものに類似した用紙切断装置は、その要部のみを示す図1(a)および(b)を参照すると、固定刃62と、図示しない駆動手段によって駆動される可動刃22と、固定刃62を揺動可能に支持する固定刃支持部材61と、固定刃62を可動刃22に対して加圧する図示しない付勢手段とを有している。後述する鋏の原理を利用した動作をするために、固定刃62は可動刃22に向かって中央が突出するように湾曲している一方、可動刃22はV字形の刃先部を備え、ストローク方向Kに駆動される。尚、図1(a)および(b)をも含め、本明細書に添付の幾つかの図面においては、説明の便宜上、各部材の大きさや形状を誇張的かつ概略的に描いている。
【0004】
この用紙切断装置は、次のように動作する。固定刃62と可動刃22との間に搬送される用紙(図示せず)が一旦停止され、駆動手段によって可動刃22がストローク方向Kに動く。可動刃22がV字形の刃先部を備えている一方、固定刃62が、可動刃22に向かって湾曲していると共に付勢手段によって可動刃22に対して圧接(噛み合わせ)状態にあるため、鋏の原理で用紙は切断される。切断された用紙は、プリンタ(図示せず)から排出される。
【0005】
尚、固定刃62の湾曲の度合いは、これが大きいほど、紙粉の発生が抑制される反面、可動刃22の駆動手段への負荷が大きくなる。このため、紙粉低減と駆動手段への負荷軽減とのバランスを考慮して、固定刃62の湾曲の度合いは設計される。
【0006】
図2(a)および(b)に示されるように、固定刃62は、付勢手段63によって可動刃22に向かう向きに付勢されている。ここで、固定刃62の刃先部の反対側の根元部における刃幅方向の両端には、突出部62bが形成されている。一方、固定刃支持部材61には、固定刃62の突出部62bが挿入される角孔状の支持孔部61cが形成されている。固定刃62の突出部62bが固定刃支持部材61の支持孔部61cに遊嵌され、固定刃62は支持孔部61cを支点として揺動可能に固定刃支持部材61によって支持される。尚、突出部62bの支持孔部61cへの遊嵌は、付勢手段63によって付勢された固定刃62が固定刃支持部材61から離脱することを防ぐことにも働いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−347485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1および図2に示された用紙切断装置において、固定刃62は固定刃支持部材61によって揺動可能に支持されるが、実際には、固定刃62の揺動支点としての突出部62b自体も固定刃62と可動刃22との噛み合い時に変位する。即ち、図3(a)に示されるように固定刃62に対して可動刃(図示せず)が図中上方から噛み合い始める初期段階から、図3(b)に示されるように固定刃62に対する可動刃の上方からの噛み合いが進行すると、固定刃62が図中下方に揺動すると共に、固定刃62の突出部62bも固定刃支持部材61の支持孔部61c内において図中下方に変位する。
【0009】
ところが、固定刃支持部材61の支持孔部61cは、その角孔寸法、即ち、図中の左右方向および上下方向の孔壁面の位置が規定されているため、図3(b)に示されるように固定刃62に対する可動刃の噛み合いが進行した場合に、固定刃62の突出部62bが固定刃支持部材61の支持孔部61cの孔壁面に突き当たり、可動刃の圧接力の逃げ場が無くなる。この結果、前述のように適宜の湾曲の度合いで設計されている固定刃62が潰される(湾曲の度合いが小さくなる)ことになる。その場合、鋏の原理を利用した用紙切断装置の正常な切断動作が阻害されると共に、紙粉の発生量が増えることになり、好ましくない。
【0010】
それ故、本発明の課題は、可動刃との噛み合い時に固定刃の変形を招来することなく固定刃を揺動可能に支持することができる固定刃支持装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の課題は、上記のような固定刃支持装置を有し、正常な切断動作を実行することができる用紙切断装置を提供することである。
【0012】
本発明の他の課題は、上記のような用紙切断装置を有するプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、用紙に印字を行うプリンタに搭載されて印字された用紙を切断する用紙切断装置に用いられ、噛合方向に可動刃が噛み合うことによって印字された用紙を切断する固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持装置において、固定刃を可動刃に向かう付勢方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段を介して配置された固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持部材とを有し、前記固定刃支持部材は、前記付勢手段を介して固定刃が配置される基面部と、前記基面部から固定刃の刃先部と反対側の根元部後方を塞ぐように前記付勢方向に延び、固定刃が前記噛合方向に離脱することを制限する立面部と、前記立面部から固定刃の根元部に被さるように延び、固定刃が前記付勢方向に離脱することを制限するリテーナ部とを備えている固定刃支持装置が得られる。
【0014】
前記固定刃支持部材の前記リテーナ部は、固定刃の刃幅方向中央部に被さるように形成されていてもよい。
【0015】
前記固定刃支持部材と別体であって、該基面部と前記付勢手段としてのコイルばねとの間に取り付けられ、コイルばねの位置決めをなすばねホルダをさらに有し、前記ばねホルダは、前記コイルばねを介して配置された固定刃の刃先部の刃幅方向両端部に被さり、前記固定刃支持部材の前記リテーナ部と共に固定刃が前記付勢方向に離脱することを制限する第2のリテーナ部を備えていてもよい。
【0016】
前記ばねホルダの前記第2のリテーナ部は、コイルばねを介して配置された固定刃の刃先部の刃幅方向両端部前方を塞ぎ、前記固定刃支持部材の前記立面部と共に固定刃が前記噛合方向に離脱することを制限する部分を含んでいてもよい。
【0017】
前記固定刃支持部材が、刃幅方向中央部が可動刃に向かう方向に反っている固定刃を揺動可能に支持するものであると共に、コイルばねとして、固定刃の刃幅方向中央部ならびに刃幅方向両側に対応し、相互に同一形状を呈する奇数個のコイルばねを用いる固定刃支持装置であり、前記ばねホルダは、固定刃の刃幅方向外側に対応するコイルばねから中央部に対応するコイルばねまで順次前記固定刃支持部材の前記基面部からの高さ位置が高くなるようなコイルばねの位置決め面を備えることにより、固定刃に対して付勢力を均一に印加するようになっていてもよい。
【0018】
本発明によればまた、前記固定刃支持装置と、前記固定刃と、前記可動刃と、前記付勢手段とを有し、印字された用紙を介して前記固定刃に前記可動刃が前記噛合方向に噛み合うことによって用紙を切断することを特徴とする用紙切断装置が得られる。
【0019】
本発明によればさらに、用紙に印字を行う構成と、前記用紙切断装置とを有することを特徴とするプリンタが得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による固定刃支持装置は、可動刃との噛み合い時に固定刃の変形を招来することなく固定刃を揺動可能に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)および(b)は、本発明の関連技術としての用紙切断装置の要部を示す斜視図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明の関連技術としての固定刃支持装置を示す斜視図および断面図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明の関連技術としての固定刃支持装置を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例による固定刃支持装置を有する用紙切断装置を搭載したプリンタを示す図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明の実施例による固定刃支持装置を示す斜視図および断面図である。
【図6】本発明の実施例による固定刃支持装置を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例による固定刃支持装置を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施例による固定刃支持装置の要部を示す部分的な斜視図である。
【図9】本発明の実施例による固定刃支持装置を示す断面図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明の実施例による用紙切断装置を示す斜視図である。
【図11】(a)および(b)は、本発明の実施例による固定刃支持装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による固定刃支持装置は、用紙に印字を行うプリンタに搭載されて印字された用紙を切断する用紙切断装置に用いられ、噛合方向に可動刃が噛み合うことによって印字された用紙を切断する固定刃を揺動可能に支持するものである。
【0023】
本固定刃支持装置は、固定刃を可動刃に向かう付勢方向に付勢する付勢手段と、付勢手段を介して配置された固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持部材とを有している。
【0024】
特に、固定刃支持部材は、基面部と、立面部と、リテーナ部とを備えている。基面部は、これに付勢手段を介して固定刃が配置されるものである。立面部は、基面部から固定刃の刃先部と反対側の根元部後方を塞ぐように付勢方向に延び、固定刃が噛合方向に離脱することを制限する。リテーナ部は、立面部から固定刃の根元部に被さるように延び、固定刃が付勢方向に離脱することを制限する。
【0025】
本発明による固定刃支持装置は、可動刃との噛み合い時に固定刃の変形を招来することなく固定刃を揺動可能に支持することができる。
【0026】
即ち、本固定刃支持装置は、リテーナ部が付勢方向のうちの付勢力の正方向に固定刃が離脱することを制限するのみであるため、可動刃との噛み合い時に固定刃が揺動するのに加えて根元部を含む全体が付勢方向のうちの付勢力(圧接力)に抗う向きに変位したときに、固定刃は、付勢力に抗う向き、ならびに、刃幅方向のいずれにも規制されることがない。この結果、適宜の湾曲の度合いで設計されている固定刃は、潰されるなどの変形を来たすことがない。よって、固定刃と可動刃とによる鋏の原理を利用した用紙切断装置の正常な切断動作が実現されると共に、紙粉の発生量が増えることもない。
【0027】
以下、図面を参照して、本発明による固定刃支持装置、用紙切断装置、およびプリンタの実施例を説明する。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例の用紙切断装置は、ロール紙やラベルシート等の用紙に印字を行うプリンタに搭載され、印字された用紙を自動的に切断する装置である。また、本発明の実施例による固定刃支持装置は、前記のような用紙切断装置に用いられ、印字された用紙を可動刃と噛み合うことによって切断する固定刃を揺動可能に支持する装置である。さらに、本発明の実施例によるプリンタは、用紙に印字を行う構成と、前記のような用紙切断装置とを有するものである。
【0029】
図4を参照すると、本発明の実施例のプリンタは、ロール紙S1が装填される下フレーム110と、下フレーム110を開放自在に覆蓋する上フレーム120と、下フレーム110に搭載され、ロール紙S1から用紙Sを図中左向きに繰り出すプラテン130と、プラテン130の周面上の用紙Sに対して印字を行う例えばサーマルタイプの印字ヘッド140とを有している。
【0030】
本プリンタはさらに、印字がなされた用紙Sを切断する用紙切断装置160と、本プリンタの動作を司る下フレーム110内に組み込まれた制御基板150とを有している。
【0031】
用紙切断装置160は、上フレーム120に取り付けられ、固定刃12を備えた固定刃ユニット10と、固定刃ユニット10の下方に印字がなされたロール紙Sを介して対向するように下フレーム110に取り付けられ、可動刃22を備えた可動刃ユニット20とによって構成されている。
【0032】
固定刃ユニット10は、固定刃支持部材11を有する固定刃支持装置と、固定刃支持部材11に支持された固定刃12と、固定刃12を可動刃22に対して加圧する付勢手段としてのコイルばね13とを有している。
【0033】
可動刃ユニット20は、可動刃ハウジング21と、可動刃ハウジング21内にて噛合方向(ストローク方向)Kに可動に支持された可動刃22と、可動刃22に取り付けられた図示しないラックと、図示しない駆動源に接続され、ラックおよび可動刃22をストローク方向Kに駆動する図示しないピニオンギアとを有している。
【0034】
尚、鋏の原理を利用した動作をするために、固定刃12は可動刃22に向かって中央が突出するように湾曲している(反っている)一方、可動刃22はV字形の刃先部を備えている。固定刃12は、用紙切断時に発生する紙粉の低減と、可動刃22の駆動手段への負荷の軽減とのバランスを考慮して、適宜の度合いで湾曲している。
【0035】
図5(a)および(b)ならびに図6を参照すると、本固定刃支持装置は、固定刃12を可動刃22に向かう付勢方向に付勢する付勢手段としてのコイルばね13と、コイルばね13を介して配置された固定刃12を揺動可能に支持する固定刃支持部材11とを有している。
【0036】
特に図5(a)および(b)に示されるように、固定刃支持部材11は、基面部11aと、立面部11bと、リテーナ部11cとを備えている。
【0037】
基面部11aは、これにコイルばね13を介して固定刃12が配置されるものである。
【0038】
立面部11bは、基面部11aはから固定刃12の刃先部と反対側の根元部後方を塞ぐように付勢方向に延び、固定刃12が可動刃との噛合方向に離脱することを制限する。
【0039】
リテーナ部11cは、立面部11bから固定刃12の根元部に被さるように延び、固定刃12が付勢方向に離脱することを制限する。本実施例において、リテーナ部11cは、固定刃12の刃幅方向中央部に被さるように形成されている。
【0040】
図7〜図9をさらに参照すると、本固定刃支持装置はさらに、ばねホルダ14を有している。
【0041】
ばねホルダ14は、固定刃支持部材11と別体であって、固定刃支持部材11の基面部11aとコイルばね13との間に取り付けられ、コイルばね13の位置決めをなす部材である。
【0042】
特に図8に示されるように、ばねホルダ14は、コイルばね13を介して配置された固定刃12の刃先部の刃幅方向両端部に被さり、固定刃支持部材のリテーナ部11cと共に固定刃12が付勢方向に離脱することを制限する第2のリテーナ部14cを備えている。第2のリテーナ部14cは、コイルばね13を介して配置された固定刃12の刃先部の刃幅方向両端部前方を塞ぎ、固定刃支持部材11の立面部11bと共に固定刃12が噛合方向に離脱することを制限する部分をも含んでいる。
【0043】
ここで、固定刃支持部材11は、刃幅方向中央部が可動刃22に向かう方向に反っている固定刃12を揺動可能に支持するものである。そして、コイルばねとしては、固定刃12の刃幅方向中央部ならびに刃幅方向両側に対応し、相互に同一形状を呈する奇数個(本実施例においては、3個)のコイルばね13が用いられている。
【0044】
特に図9に示されるように、ばねホルダ14は、固定刃12の刃幅方向外側に対応するコイルばね13から中央部に対応するコイルばね13まで順次、固定刃支持部材11の基面部11aからの高さ位置が高くなるようなコイルばねの位置決め面を備えている。これにより、適宜の湾曲の度合いで設計されている固定刃12に対して付勢力が均一に印加される。
【0045】
次に、本固定刃支持装置の動作を説明する。
【0046】
固定刃12は、固定刃支持部材のリテーナ部11cによって揺動可能に支持されるが、実際には、揺動支点としての根元部を含む固定刃12全体も、可動刃22との噛み合い時に変位する。即ち、図10(a)、図11(a)に示されるように固定刃12に対して可動刃22(図10(a)のみに図示)が噛み合い始める初期段階から、図10(b)、図11(b)に示されるように固定刃12に対する可動刃22(図10(b)のみに図示)の噛み合いが進行すると、固定刃12は、揺動すると共に、根元部を含む固定刃12全体も、付勢方向(圧接方向)のうちの付勢力に抗う向きに変位する。
【0047】
ここで、本固定刃支持装置は、リテーナ部11cが付勢方向のうちの付勢力の正方向に固定刃12が離脱することを制限するのみであるため、固定刃12は、付勢方向のうちの付勢力に抗う向き、ならびに、刃幅方向のいずれにも規制されることがない。この結果、適宜の湾曲の度合いで設計されている固定刃12は、潰されるなどの変形を来たすことがない。よって、可動刃の駆動手段の駆動力としては、固定刃の潰されるなどの変形による負荷の増大を考慮する必要がなく、固定刃の湾曲の度合いによるものだけを考慮すればよいため、比較的小さいものとすることができる。また、固定刃12と可動刃22とによる鋏の原理を利用した本用紙切断装置の正常な切断動作が実現され、紙粉の発生量が増えることもない。
【0048】
尚、上記実施例においては、コイルばねを付勢手段として用いたが、板ばね等の他の付勢手段を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本願特許請求の範囲に記載された技術範囲内であれば、種々の変形が可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
10 固定刃ユニット
11 固定刃支持部材
11a 基面部
11b 立面部
11c リテーナ部
12 固定刃
13 コイルばね
14 ばねホルダ
14c 第2のリテーナ部
20 可動刃ユニット
21 可動刃ハウジング
22 可動刃
61 固定刃支持部材
61c 支持孔部
62 固定刃
62b 突出部
63 付勢手段
110 下フレーム
120 上フレーム
130 プラテン
140 印字ヘッド
150 回路基板
160 用紙切断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に印字を行うプリンタに搭載されて印字された用紙を切断する用紙切断装置に用いられ、噛合方向に可動刃が噛み合うことによって印字された用紙を切断する固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持装置において、
固定刃を可動刃に向かう付勢方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段を介して配置された固定刃を揺動可能に支持する固定刃支持部材とを有し、
前記固定刃支持部材は、
前記付勢手段を介して固定刃が配置される基面部と、
前記基面部から固定刃の刃先部と反対側の根元部後方を塞ぐように前記付勢方向に延び、固定刃が前記噛合方向に離脱することを制限する立面部と、
前記立面部から固定刃の根元部に被さるように延び、固定刃が前記付勢方向に離脱することを制限するリテーナ部とを備えている固定刃支持装置。
【請求項2】
前記固定刃支持部材の前記リテーナ部は、固定刃の刃幅方向中央部に被さるように形成されている請求項1に記載の固定刃支持装置。
【請求項3】
前記固定刃支持部材と別体であって、該基面部と前記付勢手段としてのコイルばねとの間に取り付けられ、コイルばねの位置決めをなすばねホルダをさらに有し、
前記ばねホルダは、前記コイルばねを介して配置された固定刃の刃先部の刃幅方向両端部に被さり、前記固定刃支持部材の前記リテーナ部と共に固定刃が前記付勢方向に離脱することを制限する第2のリテーナ部を備えている請求項1または2に記載の固定刃支持装置。
【請求項4】
前記ばねホルダの前記第2のリテーナ部は、コイルばねを介して配置された固定刃の刃先部の刃幅方向両端部前方を塞ぎ、前記固定刃支持部材の前記立面部と共に固定刃が前記噛合方向に離脱することを制限する部分を含んでいる請求項3に記載の固定刃支持装置。
【請求項5】
前記固定刃支持部材が、刃幅方向中央部が可動刃に向かう方向に反っている固定刃を揺動可能に支持するものであると共に、コイルばねとして、固定刃の刃幅方向中央部ならびに刃幅方向両側に対応し、相互に同一形状を呈する奇数個のコイルばねを用いる固定刃支持装置であり、
前記ばねホルダは、固定刃の刃幅方向外側に対応するコイルばねから中央部に対応するコイルばねまで順次前記固定刃支持部材の前記基面部からの高さ位置が高くなるようなコイルばねの位置決め面を備えることにより、固定刃に対して付勢力を均一に印加するようになっている請求項3または4に記載の固定刃支持装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固定刃支持装置と、前記固定刃と、前記可動刃と、前記付勢手段とを有し、印字された用紙を介して前記固定刃に前記可動刃が前記噛合方向に噛み合うことによって用紙を切断することを特徴とする用紙切断装置。
【請求項7】
用紙に印字を行う構成と、請求項6に記載の用紙切断装置とを有することを特徴とするプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−125876(P2012−125876A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279303(P2010−279303)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【特許番号】特許第4839494号(P4839494)
【特許公報発行日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】