説明

固定部材及び固定構造

【課題】既設建物の天井パネルに対しスプリンクラー装置を容易かつ的確に取り付けることのできる技術を提供する。
【解決手段】 固定構造40は、天井パネル20下側からの作業によりスプリンクラー装置30を天井パネル20に対して固定できるものであり、一対のレール23,24は、天井パネル20の開口部25上を横切って配置され、固定部材10は、その少なくとも一部が開口部25の上方に位置するように配置され、スプリンクラー装置30は、固定部材10の下側に配置されるスプリンクラーヘッド30hと、スプリンクラーヘッド30hに向かって固定部材10に対して上下方向に延び且つ固定部材10に固定されるスプリンクラー配管30pとを有し、固定部材10は、一対のレール23,24に対してレール23,24の長手方向に沿って摺動可能な状態で仮固定できることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の火災予防のためのスプリンクラー装置を天井パネルに取り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラー装置を天井パネルに固定する技術としては、従来、スプリンクラー用配管とスプリンクラーヘッドを天井躯体から吊り下げた後、天井パネルを取り付けるという工法が一般的である。この工法は、建物の新築現場における取付作業の場合は何ら支障なく施工することができるが、既設建物にスプリンクラー装置を設置する場合には、天井パネルを一旦剥がして取付作業を行う必要があり、多くの労力と時間を要するという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決する方法として、既築建物の天井パネルに開口部を開設してスプリンクラー配管を行い、天井パネルを支える野縁にスプリンクラーヘッドを固定する固定具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4225367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の技術により一定の効果を得ることができるのであるが、既設建物の天井部分に配置された野縁には種々の大きさがあるため、特許文献1で提案されている固定具のみでは対応できないことがある。即ち、高さの異なる野縁に取り付けるには、高さに応じた部材を使用する必要がある。特に、既設建物に対する施工現場では、建物による相違だけでなく、同一建物内においても野縁高さが異なることがあり、現場に全ての野縁高さに対応した部材を準備するのは手間がかかっていた。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、既設建物の天井パネルに対しスプリンクラー装置を容易かつ的確に取り付けることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の固定部材は、天井パネルを上方から保持する天井パネル保持部に対してスプリンクラー装置を固定するための固定部材であって、
前記天井パネル保持部に固定された一対のレールの間を橋渡しするように固定され、前記スプリンクラー装置を固定するための貫通孔若しくは切欠部と、前記天井パネルに対する前記貫通孔又は切欠部の高さ位置を調整するため前記一対のレールに対する固定高さを調整する高さ調整手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このような構成とすれば、スプリンクラー装置の天井パネルに対する高さ位置を決める貫通孔または切欠部の位置を高さ調整手段で調整した状態で、一対のレールに対して固定部材を固定することができるので、施工現場により、天井パネル保持部の高さに違いに起因する一対のレールの高さ位置が異なる状況があっても、高さ調整手段により、天井パネルに対するスプリンクラー装置の高さ位置を常に一定に設定することができる。
【0009】
ここで、前記固定部材は、前記貫通穴若しくは切欠部を有するスプリンクラー装置固定面と、前記スプリンクラー装置固定面に垂直方向に互いに対向した状態で延設された第一側面及び第二側面と、前記一対のレールを保持するため前記第一側面及び前記第二側面にそれぞれ形成された複数対の保持部と、を有し、
複数対の前記保持部は、前記スプリンクラー装置固定面に対する高さが異なる少なくとも二対の保持部からなる構成とすることができる。
【0010】
このような構成とすれば、スプリンクラー装置の固定位置を、少なくとも二種類の位置に設定することができるので、施工現場の状況に応じて、スプリンクラー装置の高さ調整を的確に行うことができる。
【0011】
次に、本発明の固定構造は、前述した固定部材を使用し、天井パネル下側からの作業によりスプリンクラー装置を天井パネルに対して固定可能な固定構造であって、
前記一対のレールは、天井パネルに形成される開口部の上を横切って前記開口部の一方の側から他方の側に延びる方向に配置され、
前記固定部材は、その少なくとも一部が前記開口部の上方に位置するように配置され、
前記スプリンクラー装置は、前記固定部材の下側に配置されるスプリンクラーヘッドと、前記スプリンクラーヘッドに向かって前記固定部材に対して上下方向に延び且つ前記固定部材に固定されるスプリンクラー配管とを有し、
前記固定部材は、前記一対のレールに対して前記レールに沿って摺動可能な状態で仮固定できることを特徴とする。
【0012】
このような構成とすれば、完成後の天井パネルに開設される開口部を利用して、天井パネルの下側からの作業のみにより、スプリンクラー装置を天井パネルに固定することができる。即ち、開口部の上方に位置し且つスプリンクラー装置が固定される固定部材は、その高さ位置を調整した状態で、且つ、レールに沿って摺動可能な状態で仮固定することができるので、天井パネル保持部の高さに対応した状態で一対のレールに仮固定された固定部材をレールに沿って摺動させ、開口部の周縁側へ移動させれば開口部内に手腕などを挿入可能な隙間が生じる結果、天井パネルの下側から開口部を経由して固定部材の上側へのアクセスが容易となり、天井パネル保持部の高さの違いに対応する高さ調整作業を容易に行うことができる。
【0013】
これにより、固定部材の上側に位置する配管作業箇所における作業を、天井パネルの開口部から行うことができる。その結果、天井パネルを必ずしも外す必要がなくなり、スプリンクラー装置の固定作業を、従来の固定装置よりも容易に行うことができる。また、同様に、メンテナンス作業も、従来の固定装置よりも容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、既設建物の天井パネルに対しスプリンクラー装置を容易かつ的確に取り付けることのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態である固定部材を示す斜視図である。
【図2】図1に示す固定部材を用いて形成した固定構造の斜視図である。
【図3】図1に示す固定部材の正面図である。
【図4】図1に示す固定部材の平面図である。
【図5】図1に示す固定部材の底面図である。
【図6】図1に示す固定部材の右側面図である。
【図7】図2に示す固定構造の平面図である。
【図8】図2における矢線A方向から見た図である。
【図9】図2における矢線B方向から見た図である。
【図10】図7のC−C線における断面図である。
【図11】図9における矢線D方向から見た図である。
【図12】図1に示す固定部材の使用状態を示す垂直断面図である。
【図13】図1に示す固定部材の使用状態を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態であるスプリンクラー装置の固定部材及びスプリンクラー装置の固定構造について説明する。
【0017】
図1,図2に示すように、固定部材10は、天井パネル20を上方から保持する天井パネル保持部21,22に対してスプリンクラー装置30を固定するための部材であって、天井パネル保持部21,22上に、これらの天井パネル保持部21,22と立体交差するように固定された一対のレール23,24の間を橋渡しする状態に固定して使用されるものである。固定部材10は、スプリンクラー装置30を固定するための貫通孔13と、天井パネル20に対する貫通孔13の高さ位置を調整するため一対のレール23,24に対する固定高さを調整する高さ調整手段15a,15bと、を備えている。
【0018】
固定部材10は、貫通孔13を有するスプリンクラー装置固定面14と、スプリンクラー装置固定面14に垂直方向に互いに対向した状態で延設された第一側面11及び第二側面12と、前述した一対のレール23,24を保持するため第一側面11及び第二側面12にそれぞれ形成された複数対の保持部1a,1b,2a,2b,3a,3b,4a,4bと、を有している。貫通孔13の周縁には、スプリンクラー装置固定面14の上面14aよりクレーター状に凹んだ凹縁部14bが形成されている。
【0019】
第一側面11に形成された保持部1a,2a,3a,4aによって高さ調整手段15aが構成され、第二側面12に形成された保持部1b,2b,3b,4bによって高さ調整手段15bが構成されている。また、後述するように、保持部1a,2a、保持部3a,4a、保持部1b,2b及び保持部3b,4bがそれぞれ対をなしている。
【0020】
固定部材10の素材や製造方法は限定しないが、本実施形態の固定部材10は、図3〜図6に示すように、矩形状をした板材の中央に貫通孔13を開設し、その両側部分に曲げ加工、スリット加工及び孔明け加工などを施すことによって第一側面11及び第二側面12や高さ調整手段15a,15bなどが形成されている。保持部1a,2a,3a,4aは第一側面11の上縁部11aから先の部分に長手方向LのスリットSを3本設けることによって形成され、同様に保持部1b,2b,3b,4bは、第二側面12の上縁部12aから先の部分に長手方向LのスリットSを3本設けることによって形成されている。
【0021】
ここで、高さ調整手段15aを構成する保持部1a,2a,3a,4aの形状について説明する。保持部1aは、上縁部11aからスプリンクラー装置固定面14と平行に延設された水平部1hと、水平部1h先端から第一側面11と平行方向に起立した垂直部1vと、垂直部1v先端から水平部1hと平行方向に突設された突縁部1eと、を有し、水平部1h及び突縁部1eにそれぞれ雌ネジ孔1sと貫通孔1tが開設されている。
【0022】
保持部2aは、上縁部11aから第一側面11と平行方向に起立した垂直部2vと、垂直部2vの先端からスプリンクラー装置固定面14と平行に延設された水平部2hと、を有している。保持部3aは、上縁部11aから第一側面11と平行方向に垂下した垂直部3vと、垂直部3vの先端からスプリンクラー装置固定面14と平行に延設された水平部3hと、を有し、水平部3hに雌ネジ孔3sと貫通孔3tが長手方向Lに並んで開設されている。保持部4aは、上縁部11aからスプリンクラー装置固定面14と平行に延設された水平部4hと、水平部4hの先端から第一側面11と平行に垂下した垂直部4vと、を有している。
【0023】
図3に示すように、保持部1aの水平部1hと保持部4aの水平部4hとはスプリンクラー装置固定面14から同じ高さに形成され、保持部2aの水平部2hと保持部3aの水平部3hとは、水平部1h,4hの位置を境界に上下同じ距離を隔てた位置に形成されている。保持部1aの水平部1h及び垂直部1vと、保持部2aの垂直部2v及び水平部2hと、の間にレールを挟持可能な上位保持領域H1が形成され、また、保持部3aの垂直部3v及び水平部3hと保持部4aの水平部4h及び垂直部4vと、の間にレールを挟持可能な下位保持領域H2が形成されている。
【0024】
一方、高さ調整手段15bを構成する保持部1b,2b,3b,4bの形状は、高さ調整手段15aを構成する保持部1a,2a,3a,4aの形状と、一部を除いて、貫通孔13の軸心13cを中心に180度回転対称をなしている。即ち、保持部3bの長手方向Lの突出寸法は保持部3aの長手方向Lの突出寸法より小さく、保持部3bには貫通孔3tがない点を除けば、保持部1b,2b,3b,4bの形状と、保持部1a,2a,3a,4aの形状と、は貫通孔13の軸心13cを中心に180度回転対称である。よって、高さ調整手段15bを構成する保持部1b,2b,3b,4bの各部分の形状については、高さ調整手段15aを構成する保持部1a,2a,3a,4aの各部分と同じ符号を付して説明を省略する。
【0025】
次に、図2,図7〜図12に基づいて、図1,図3〜図6に示す固定部材10を用いたスプリンクラー装置の固定構造について説明する。図2に示すように、本実施形態の固定構造40は、天井パネル20下側からの作業によりスプリンクラー装置30を天井パネル20に対して固定することができるものである。
【0026】
図7〜図11に示すように、天井パネル保持部21,22に固定された一対のレール23,24は、天井パネル20に形成された円形の開口部25の上を横切って開口部25の一方の側から他方の側に延びる方向に配置されている。開口部25は、ホールソーやカッターなどを用いて天井パネル20の一部を円形に切り抜くことによって形成することができる。
【0027】
天井パネル保持部21,22に対するレール23,24の固定手段は限定しないが、本実施形態では、天井パネル保持部21,22とレール23,24との交差部分にそれぞれL形断面を有する板状の固定具26を介在させ、天井パネル20の下側からのネジ締め作業により、天井パネル保持部21,22及びレール23,24と固定具26とが複数のネジで固定されている。
【0028】
固定部材10は、その少なくとも一部が開口部25の上方に位置するように配置され、スプリンクラー装置30は、固定部材10の下側に配置されるスプリンクラーヘッド30hと、スプリンクラーヘッド30hに向かって固定部材10に対して上下方向に延び且つ固定部材10に固定されるスプリンクラー配管30pとを有し、固定部材10は、一対のレール23,24に対してレール23,24の長手方向に沿って摺動可能な状態で仮固定することができる構成となっている。
【0029】
即ち、レール23,24に固定部材10を取り付けるとき、図3に示す固定部材10の高さ調整手段15a,15bに形成される二つの上位保持領域H1にそれぞれレール23,24を挿通させた状態で、保持部1a,1bの水平部1h,1hのネジ孔1s,1sにそれぞれ螺着した雄ネジ27を締め付ける前であれば、スプリンクラー装置30が取り付けられた固定部材10は、一対のレール23,24に対してレール23,24の長手方向に沿って摺動可能である。
【0030】
従って、前記摺動可能な固定部材10をレール23,24に沿って一方向へ摺動させることにより開口部25の周縁側へ固定部材10を移動させれば、開口部25内に作業者の手腕などを挿入可能な隙間が生じる。これにより、天井パネル20の下側から開口部25を経由して固定部材10の上側へのアクセスが容易となるため、固定部材10の上側に位置する配管作業箇所における各種作業を天井パネル20の開口部25から行うことができる。その結果、スプリンクラー装置30を、後付け工事にて取り付ける場合、天井パネル20を必ずしも外す必要がなくなり、スプリンクラー装置30の固定作業を、従来の固定装置よりも容易に行うことができる。
【0031】
固定部材10の上側に位置する配管作業箇所における各種作業が完了したら、固定部材10をレール23,24に沿って前述と逆方向へ摺動させ、開口部25の中心まで移動させた後、天井パネル20の下側から開口部25を経由して雄ネジ27を締め付ければ、スプリンクラー装置30とともに固定部材10が所定位置に固定される。
【0032】
この後、図12に示すように、天井パネル20に開口部25を形成する際に天井パネル20から切り抜かれた円板部材25aを嵌め込み、スプリンクラーヘッド30hにヘッドカバー30cを取り付け、円板部材25aと開口部25との境界部を覆うリング状のパネル28を装着すれば、スプリンクラー装置30の取り付けが完了する。前述した円板部材25aの嵌め込みからパネル28の装着に至る一連の作業も天井パネル20の下側から行うことができるので、作業性は良好である。同様に、スプリンクラー装置30を取り付けた後のメンテナンス作業も、前述と逆の手順を採ることによって実行できるので、従来の固定装置よりも容易である。
【0033】
また、図1に示すように、固定部材10の貫通孔13の周縁部には、スプリンクラー装置固定面14の上面より凹んだ凹縁部14bが形成されているため、図2に示す固定構造40を形成したとき、スプリンクラー装置30のスプリンクラー配管30pと固定部材10のスプリンクラー装置固定面14との境界部に下方へ凹んだ周溝14tが形成される。従って、スプリンクラー装置30に発生する結露はスプリンクラー配管30p外周を伝わって周溝14tに流入することとなり、結露水の落下を防止することができる。
【0034】
次に、図3,図12及び図13に基づいて、天井パネル20に対するスプリンクラー装置30の取り付け高さの調整機構について説明する。図3に示すように、固定部材10の高さ調整手段15aには二対の保持部1a,2aと保持部3a,4aとにより、それぞれ上位保持領域H1と下位保持領域H2とが形成されている。同様に、高さ調整手段15bにも二対の保持部1b,2bと保持部3b,4bとにより、それぞれ上位保持領域H1と下位保持領域H2とが形成されている。高さ調整手段15aにおける上位保持領域H1及び下位保持領域H2と、高さ調整手段15bにおける上位保持領域H1及び下位保持領域H2と、はそれぞれスプリンクラー装置固定面14から同じ高さにある。
【0035】
従って、図12に示すように、天井パネル保持部31の高さ31hが比較的高い場合は図3に示す高さ調整手段15a,15bにおける上位保持領域H1にそれぞれレール23,24を挿通させることにより、スプリンクラー装置30を天井パネル20から一定の高さに取り付けることができる。
【0036】
一方、図13に示すように、天井パネル保持部32の高さ32hが前記高さ31hより低い場合は図3に示す高さ調整手段15a,15bにおける下位保持領域H2にそれぞれレール23,24を挿通させることにより、スプリンクラー装置30を天井パネル20から一定の高さに取り付けることができる。
【0037】
このように、スプリンクラー装置30の天井パネル20に対する高さ位置を決める貫通孔14の位置を高さ調整手段15a,15bで調整した状態で、一対のレール23,24に対して固定部材10を固定することができるので、施工現場により、天井パネル保持部31,32の高さ31h,32hに違いに起因する一対のレール23,24の高さ位置が異なる状況があっても、高さ調整手段15a,15bにより、天井パネル20に対するスプリンクラー装置30の高さ位置を常に一定に設定することができる。
【0038】
また、固定部材10が、高さ調整手段15a(15b)にプリンクラー装置固定面14に対する高さが異なる二対の保持部1a,2aと3a,4a(保持部1b,2bと3b,4b)を備えたことにより、スプリンクラー装置30の固定位置を二種類の位置に選択的に設定することができるので、施工現場の状況に応じて、スプリンクラー装置30の高さ調整を的確に行うことができる。
【0039】
なお、天井パネル保持部が低い現場では、天井パネル保持部に一対のレール23,24を固定する際に、天井パネル保持部とレール23,24との間に所定の部材を介在させて一対のレール23,24を高く固定することによって対応可能である一方、天井パネル保持部が高い現場では、天井パネル保持部の一部を切り欠いて低い部分を形成するなどの面倒な現場対応策が採られていたが、前述した構成とすれば、このような現場対応策が一切不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の固定部材及び固定構造は、火災予防のためのスプリンクラー装置を各種建築物の天井パネルに取り付ける工事現場において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 固定部材
11 第一側面
12 第二側面
11a,12a 上縁部
14 スプリンクラー装置固定面
14a 上面
14b 凹縁部
14t 周溝
20 天井パネル
21,22,31,32 天井パネル保持材
23,24 レール
25 開口部
25a 円板部材
26 固定具
27 雄ネジ
28 パネル
30 スプリンクラー装置
30h スプリンクラーヘッド
30p スプリンクラー配管
40 固定構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井パネルを上方から保持する天井パネル保持部に対してスプリンクラー装置を固定するための固定部材であって、
前記天井パネル保持部に固定された一対のレールの間を橋渡しするように固定され、前記スプリンクラー装置を固定するための貫通孔若しくは切欠部と、前記天井パネルに対する前記貫通孔又は切欠部の高さ位置を調整するため前記一対のレールに対する固定高さを調整する高さ調整手段と、を備えたことを特徴とする固定部材。
【請求項2】
前記固定部材は、前記貫通穴若しくは切欠部を有するスプリンクラー装置固定面と、前記スプリンクラー装置固定面に垂直方向に互いに対向した状態で延設された第一側面及び第二側面と、前記一対のレールを保持するため前記第一側面及び前記第二側面にそれぞれ形成された複数対の保持部と、を有し、
複数対の前記保持部は、前記スプリンクラー装置固定面に対する高さが異なる少なくとも二対の保持部からなることを特徴とする請求項1記載の固定部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の固定部材を使用し、天井パネル下側からの作業によりスプリンクラー装置を天井パネルに対して固定可能な固定構造であって、
前記一対のレールは、天井パネルに形成される開口部の上を横切って前記開口部の一方の側から他方の側に延びる方向に配置され、
前記固定部材は、その少なくとも一部が前記開口部の上方に位置するように配置され、
前記スプリンクラー装置は、前記固定部材の下側に配置されるスプリンクラーヘッドと、前記スプリンクラーヘッドに向かって前記固定部材に対して上下方向に延び且つ前記固定部材に固定されるスプリンクラー配管とを有し、
前記固定部材は、前記一対のレールに対して前記レールに沿って摺動可能な状態で仮固定できることを特徴とする固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−67548(P2011−67548A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223197(P2009−223197)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】