説明

固形分率の高いバイオマスをメタン化するためのバイオガスプラント

【課題】固形分率の高いバイオマスをメタン化する為のバイオガスプラントの仕様を提供する。
【解決手段】バイオガスプラントが、気密及び液密閉鎖されるように構成した複数の消化タンク106を有し、各消化タンクが、バイオマスをチャージし、バイオマスを引出す為の開口部を備える消化タンクシステムと、バイオガス放出手段と、浸出液貯蔵槽20と、複数の消化タンクから浸出液を排出し、浸出液を浸出液貯蔵に供給する為の浸出液排出手段100と、浸出液貯蔵槽からの浸出液を複数の消化タンク内のバイオマス全体に分配する為の浸出液分配手段200と、複数の消化タンク106内の浸出液レベルを調節する為の浸出液調節手段を備える。浸出液貯蔵槽22は第1の浸出液容器及び第2の浸出液貯蔵槽24を備え、浸出液を第1の浸出液容器及び/又は第2の浸出液容器に供給し、浸出液を第1の浸出液容器及び/又は第2の浸出液容器から排出する仕様からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに従ってバイオマス、特に、固形分率の高いバイオマスをメタン化するためのバイオガスプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
「固形分率の高いバイオマス」という表現は、湿式発酵プロセスで使用されるような、液体の、ポンプで汲み上げられるバイオマスとは反対の意味を持つと理解されたい。したがって、「固形分率の高いバイオマス」は、ポンプで汲み上げることが不可能なバイオマスと理解されたい。
【0003】
請求項1のプリアンブルに記載のバイオガスプラントは、国際公開第2007/096392号パンフレットから知られる。この既知のバイオガスプラントは、気密閉鎖又は液密閉鎖されるように構成された複数の消化(digestion)タンクを備え、これらの消化タンクのそれぞれは、浸出液ポンプと共通浸出液貯蔵槽に通じる開口部とを有する浸出液排出導管を備える。浸出液は、共通浸出液貯蔵槽から、個々の消化タンクに向かって分岐する、浸出液再循環ポンプが備えられている浸出液戻り管路を介して消化タンクに運ばれて戻される。個々の消化タンクの充填レベル又は浸出液レベルは、圧力センサーの形態の各充填レベルセンサーによって検出される。
【0004】
この知られているバイオガスプラントには、複数の消化タンクを均一な1つの全体システムとしてみなさなければならないという短所があるが、それというのも、それぞれの消化タンクが同じ浸出液を受け入れ、この全体システム内のすべての消化タンクで実質的に同一の転換プロセスが行われるからである。したがって、この知られているバイオガスプラントは、プロセス技術に関して同質であり、その処理能力に関して複数の部分システム(個別の消化タンク)から累積的に構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、国際公開第2007/096392号パンフレットに記載のバイオガスプラントに鑑みて、プロセス技術に関して異質な部分からなる全体システムを形成しつつ、個別の消化タンク内の転換プロセスを視野に入れてより柔軟な複数の消化タンクを有するバイオガスプラントの仕様を定めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴により達成される。
【0007】
本発明によれば、浸出液貯蔵槽は、複数の消化タンクのうちのそれぞれの単一のタンクに導管系を介して接続されるようにそれぞれ構成されている第1の浸出液容器及び第2の浸出液容器を備え、浸出液を浸出液容器に供給し、浸出液を浸出液容器から排出する動作は、消化タンク毎に別々に調節されうる。したがって、2つの別々の浸出液回路が存在し、消化タンクの第1の部分集合体は、第1の浸出液容器から浸出液を受け入れ、消化タンクの第2の部分集合体は、第2の浸出液容器から浸出液を受け入れることができる。同様に、浸出液は、消化タンクの第1の部分集合体から第1の浸出液貯蔵槽内に運ばれて戻され、消化タンクの第2の部分集合体からの浸出液は、第2の浸出液容器内に運ばれて戻される。このようにして、例えば、Nawro’s(nachwachsende Rohstoffe=再生可能資源)を消化タンクの第1の部分集合体の中でバイオガスに転換することが可能であるが、一般廃棄物の有機物分は、消化タンクの第2の部分集合体の中で転換される。両方のタイプのバイオマスが、同じ浸出液を受け入れたとすると、一般廃棄物の汚染された有機物分から出る浸出液が、再生可能資源の「より純粋な」浸出液を「汚染する」ことになる。バイオガスの生産は、いずれのタイプの消化タンク内でも最適な形で展開しないが、それは、再生可能資源であっても、一般廃棄物の有機物分であっても、それらのうちのそれぞれに特に適している浸出液を受け入れないからである。浸出液回路が互いに分離される結果として、浸出液は、発酵が行われる各バイオマス(例えば、再生可能資源又は別々に回収される有機廃棄物及び有機一般廃棄物分)に適合されうる。言うなれば、プロセス技術に関して、1つのバイオガスプラントが、バイオガスを一緒に生産する2つのバイオガスプラントになるということである。
【0008】
請求項12によれば、2つより多い別々の浸出液回路を形成することも可能である。関連する浸出液容器を有する別々の浸出液回路の数は、本発明のバイオガスプラントで発酵させることができる異なるバイオマスの数を決める。
【0009】
請求項2の特徴によれば、第1の浸出液容器及び第2の浸出液容器から出る第1の主排出管路及び第2の主排出管路は、各消化タンク排出管路に分岐し、したがって、消化タンクはすべて第1の浸出液容器及び/又は第2の浸出液容器に接続されうる。稼働時に、第1の転換プロセスが実行される消化タンクは第1の浸出液容器に接続され、第2の転換プロセスが実行される消化タンクは第2の浸出液容器に接続されるように、第1の転換プロセス及び第2の転換プロセスの分離が実現される。どのようなプロセスがどの消化タンク内で実行されるかは、本発明に従って随意に決定されうる。
【0010】
請求項3に記載の一態様によれば、浸出液は、浸出液貯蔵槽内に導入されるのに先立って濾過される。このような濾過は、その代わりに、又はそれに加えて、浸出液を浸出液貯蔵槽から消化タンクへ再循環させる管路内で行うこともできる。濾過を行うことで、浸出液中に存在する汚れ粒子、懸濁物などによる分配ユニット、例えば、噴霧ユニットの詰まりが生じないようにできる。さらに、このような濾過により浸出液から重金属及び同様の物質を除去することが可能である。
【0011】
請求項4の特徴の結果として、建設的簡素化が達成され、これにより、2つの主排出管路のうちのそれぞれの1つの管路から複数の消化タンクのそれぞれの1つのタンクに至る別の管路の代わりに、主排出セクションと称される単一管路が複数の消化タンクのうちのそれぞれの1つのタンクから出て、次いで単一管路が第1の二次排出セクション及び第2の二次排出セクションと称される、それぞれ第1の主排出管路及び第2の主排出管路に接続されている各管路内に分岐する。二次排出セクション内に配列されている遮断弁を制御することにより、複数の消化タンクのうちのそれぞれの1つのタンクを第1の浸出液容器及び/又は第2の浸出液容器に接続することが可能である。
【0012】
請求項5の特徴により、消化タンクと浸出液貯蔵槽との間に任意の三次元関係を与えることができる。特に、浸出液はポンプの助けを借りてより高い位置に運ばれうるため、浸出液貯蔵槽は、消化タンクより高い位置に配置されうる。
【0013】
請求項6の特徴の結果として、それぞれの個別の消化タンクの浸出液レベルが検出されるため、これらの消化タンクに対し互いに独立してチャージする操作と空にする操作を実行することができる。充填レベルセンサーの助けを借りて浸出液調節ユニットによって検出されるデータ(浸出液レベルの高さ)は、浸出液を汲み出すことにより浸出液レベルを目標レベルまで下げる各ポンプに適した信号として、消化タンク内の状態に応じて、供給される。目標レベルは、例えば、消化タンクのチャージ量又はバイオマスの組成又は同様の特性に基づいて決定されうる。
【0014】
本発明のバイオリアクターでは、浸出液排出手段及び浸出液を浸出液貯蔵槽から引き出し、消化タンク内のバイオマス全体に分配する浸出液分配手段は、ほぼ対称的な構造を有する(請求項7及び8)。
【0015】
消化タンクの断面の領域を横切る形で分配されつつ複数の消化タンクのうちのそれぞれの消化タンク内に延びる複数の主分配セクションを有する請求項9に記載の本発明の有利な態様の結果として、各消化タンク内のバイオマスの表面全体の浸出液の一様な分配が容易に行える。浸出液の一様な分配は、さらに、主分配セクションの数と無関係に、それぞれの主分配セクションに適した位置に配列されるリバウンドプレートによって最適化され、この主分配セクションから出る浸出液はこのリバウンドプレートに衝撃を与え、リバウンドの結果バイオマス上に噴霧される。
【0016】
請求項8及び11に定義されているような対応する弁アセンブリによって、複数の消化タンクのうちのそれぞれの消化タンクは、浸出液排出手段と同様に第1の浸出液容器及び/又は第2の浸出液容器に接続されうる。都合のよいことに、弁の制御は自動的に行われ、したがって、各消化タンクは、その排出手段及びその浸出液分配手段を介して異なる浸出液容器に接続されない。
【0017】
請求項13に記載の浸出液容器の配列の結果として、浸出液貯蔵槽に必要な空間の大きさは、浸出液容器の隣り合わせの配列に比べて低減され、例えば、請求項14に記載の特別な配列では約半分に縮小される。さらに、これは、浸出液容器を消化タンクに接続する導管の簡素化されたシステムを伴う。それに加えて、外側浸出液容器は、内側浸出液容器の断熱ジャケットとして働く。
【0018】
請求項15の特徴を使用することで、適切な農業機械器具の助けを借りて消化タンクの簡単で安全なチャージを行える。
【0019】
請求項17によれば、弁は空気圧で動作するように構成され、したがって、電動弁のスパークが引き金となって生じるおそれのある、転換プロセスにおいて発生するガスの爆発が排除される。
【0020】
残りの下位請求項は、本発明のさらに有利な態様に関するものである。
【0021】
本発明の他の特徴及び利点は、付属の図面を参照しつつ、好ましい一実施形態の以下の詳細な説明を読むと明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の好ましい一実施形態によるバイオリアクターの略図である。
【図2】浸出液排出手段の回路詳細を示す略図である。
【図3】浸出液分配手段の回路詳細を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に表されている略図によれば、好ましい一実施形態によるバイオガスプラント10は、浸出液貯蔵槽20、浸出液排出手段100、浸出液分配手段200、及び複数の(この実施形態では7個の)消化タンク106を備える。
【0024】
浸出液貯蔵槽20は、第1の−内側の−カラム型浸出液容器22及び第2の−外側の−カラム型浸出液容器24を備え、浸出液容器22、24を互いから、また浸出液貯蔵槽20の外壁28から隔てる隔壁26は、断面図内に同心円を形成する。
【0025】
浸出液排出手段100は、内側の浸出液容器22と外側の浸出液容器24に通じている第1の主排出管路102及び第2の主排出管路104、並びに第1の消化タンク排出管路108及び第2の消化タンク排出管路110を備え、複数の消化タンク106のうちのそれぞれの消化タンクは、第1の消化タンク排出管路108を介して第1の主排出管路102に接続され、第2の消化タンク排出管路110を介して第2の主排出管路104に接続される。各消化タンク106の第1の消化タンク排出管路108及び第2の消化タンク排出管路110は、消化タンク106の内側の浸出液領域114から消化タンク106の外側の分岐点116まで延びる共通の主排出セクション112、並びに分岐点116から第1の主排出管路102及び第2の主排出管路104までそれぞれ延びる第1の二次排出セクション118及び第2の二次排出セクション120を備える。言い換えると、第1の消化タンク排出管路108は、主排出セクション112及び第1の二次排出セクション118を備え、第2の消化タンク排出管路110は、主排出セクション112及び第2の二次排出セクション120を備え、これは図2に(弁なしで)明確に示されている。
【0026】
主排出セクション112のうちのそれぞれのセクションには、浸出液貯蔵槽20内に浸出液を運ぶためのポンプ122が配列され、それぞれの二次排出セクション118、120の内側に、遮断弁124があり、これにより、このセクションを通る流れを阻止したり許可したりすることができる。特に、ポンプ122によって運ばれる浸出液は、第1の二次排出セクション118内の遮断弁124を閉じて、第2の二次排出セクション120内の遮断弁124を開くことによって主排出セクション112、第2の二次排出セクション120、及び第2の主排出管路104を介して第2の浸出液容器24に供給され、また第1の二次排出セクション118内の遮断弁124を開き、第2の二次排出セクション120内の遮断弁124を閉じることによって主排出セクション112、第1の二次排出セクション118、及び第1の主排出管路102を介して第1の浸出液容器22に供給されうる。
【0027】
消化タンク106に関連する遮断弁124の対応する切り替え位置の結果として、さらに、i番目の消化タンク106の浸出液を第1の浸出液容器22に供給し、j番目の消化タンク106の浸出液を第2の浸出液容器24に供給することが可能であるが、但し、i、j∈{1,...,n}、この実施形態ではn=7であって、i=j(これらの消化タンク106のすべてのタンクにおける転換プロセスが同一の場合、つまり、分離が必要又は望ましいという場合でない場合)、又はi≠j(異なる転換プロセスの場合)である。消化タンク106と浸出液貯蔵槽20との間で、第1の濾過器システム126が第1の主排出管路102及び第2の主排出管路104内に配列されている。第1の濾過器システムと浸出液貯蔵槽20との間で、浸出液のスループットを検出する流量測定デバイス128が第1の主排出管路102及び/又は第2の主排出管路104内に配列されている。検出されたデータ及び追加データに基づき、弁を最適制御することができる。
【0028】
浸出液排出手段100の第1の主排出管路102及び第2の主排出管路104と同様に、浸出液分配手段200は、それぞれ第1の浸出液容器22及び第2の浸出液容器24に通じる第1の主分配管路202及び第2の主分配管路204(図3にもある)を備える。消化タンク106はそれぞれ、2つの第1の消化タンク分配管路208を介して第1の主分配管路202に接続され、また2つの第2の消化タンク分配管路210を介して第2の主分配管路204に接続される(図3を参照)。第1の消化タンク分配管路208のうちの1つの管路と第2の消化タンク分配管路210のうちの1つの管路は、消化タンク106のガス領域から接続点216まで延びる共通の主分配セクション212、並びに接続点216からそれぞれ第1の主分配管路202及び第2の主分配回路204に延びる第1の二次分配セクション218及び第2の二次分配セクション220を備えるように互いに接続される。これに対応する形で、第1の消化タンク分配管路208のうちの第2の管路と第2の消化タンク分配管路210のうちの第2の管路が互いに接続される。言い換えると、第1の消化タンク分配管路208はそれぞれ、主分配セクション212及び二次分配セクション218を備え、第2の消化タンク分配管路210はそれぞれ、主分配セクション214及び二次分配セクション220を備えるということである。
【0029】
それぞれの二次分配セクション218、220内に、各流量調節弁224が配列され、それぞれの主分配セクション212内に、各遮断弁228が配列される。消化タンク106と浸出液貯蔵槽20との間で、濾過器システム226が主分配管路202、204内に配列される。さらに、浸出液を浸出液貯蔵槽20から各消化タンク106に運ぶためのポンプ230とともに流量調節弁232及び遮断弁234が、主分配管路202、204の内側に配列される。浸出液排出手段100と同様に、弁224及び228の適切な位置の結果として、浸出液を第1の浸出液容器22及び第2の浸出液容器24から一緒に供給することが可能であるか、或いは浸出液を第1の浸出液容器22及び第2の浸出液容器24のうちの一方のみから消化タンク106のうちのそれぞれのタンクに別々に供給することが可能である。言い換えると、弁224、228を使用することで、第1の浸出液容器22及び/又は第2の浸出液容器24からの任意の浸出液混合物を、消化タンク106のうちのそれぞれのタンクについて、消化タンク106のその他のタンクとは無関係に、供給することができ、次いで主分配セクション212を用いてこの混合物をバイオマス全体に分配することができるということである。浸出液排出手段100と同様に、第1の主分配管路202及び/又は第2の主分配管路204内の浸出液のスループットを検出するための流量測定デバイスは、濾過器システム226と浸出液貯蔵槽20との間に配列される。
【0030】
消化タンク106はそれぞれ、各消化タンク106内で発生したバイオガスが放出される際に通過するバイオガス放出導管(図に示されていない)を備える。
【0031】
この実施形態によれば、弁及びポンプはすべて、浸出液調節ユニット(図に示されていない)によって駆動される。例えば、調節は、例えば圧力センサーの助けを借りて検出可能な浸出液レベル、バイオマスの温度、放出されるバイオガスの組成などの検出された値に基づいて実行される。
【0032】
本発明は、理解が高まるように、好ましい実施形態を参照しつつ開示されているけれども、本発明は、本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな方法で実現できることは理解されるであろう。したがって、本発明は、付属の請求項に記載されているように本発明の範囲から逸脱することなく実現されうる可能な実施形態及び示されている実施形態の態様を包含するという趣旨において解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0033】
10 バイオガスプラント
20 浸出液貯蔵槽
22 第1の内側浸出液容器
24 第2の外側浸出液容器
26 22と24との間の隔壁
28 20の外壁
100 浸出液排出手段
102 第1の主排出管路
104 第2の主排出管路
106 消化タンク
108 第1の消化タンク排出管路
110 第2の消化タンク排出管路
112 主排出セクション
114 浸出液領域
116 112と116、118との間の分岐点
118 第1の二次排出管路
120 第2の二次排出管路
122 112にあるポンプ
124 118、120の遮断弁
126 100の濾過器システム
128 流量測定デバイス
200 浸出液分配手段
202 第1の主分配管路
204 第2の主分配管路
208 第1の消化タンク分配管路
210 第2の消化タンク分配管路
212 主分配セクション
216 214と218、220との間の接続点
218 第1の二次分配管路
220 第2の二次分配管路
224 218、220の流量調節弁
228 212の遮断弁
226 202、204の濾過器システム
230 202、204のポンプ
232 202、204の流量調節弁
234 202、204の遮断弁
236 流量測定デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形分率の高いバイオマスをメタン化するためのバイオガスプラント(10)であって、
気密及び液密閉鎖されるように構成された複数の消化タンク(106)を有し、前記消化タンクのそれぞれが、バイオマスをチャージし、前記バイオマスを引き出すためのチャージと引き出し用の開口部を備える、消化タンクシステムと、
バイオガス放出手段と、
浸出液貯蔵槽(20)と、
前記複数の消化タンク(106)から浸出液を排出し、前記浸出液を前記浸出液貯蔵槽(20)に供給するための浸出液排出手段(100)と、
前記浸出液貯蔵槽(20)からの前記浸出液を前記複数の消化タンク(106)内のバイオマス全体に分配するための浸出液分配手段(200)と、
前記複数の消化タンク(106)内の浸出液レベルを調節するための浸出液調節手段と
を備えるバイオガスプラント(10)において、
前記浸出液貯蔵槽(20)が、第1の浸出液容器(22)及び第2の浸出液容器(24)を備え、
前記浸出液を前記第1の浸出液容器(22)及び/又は前記第2の浸出液容器(24)に供給し、前記浸出液を前記第1の浸出液容器(22)及び/又は前記第2の浸出液容器(24)から排出する工程が、前記浸出液調節手段を用いて実行されることを特徴とするバイオガスプラント。
【請求項2】
前記浸出液排出手段(100)は、前記第1の浸出液容器(22)及び前記第2の浸出液容器(24)を前記消化タンク(106)に接続するための第1の主排出管路(102)及び第2の主排出管路(104)を備え、
前記第1の主排出管路(102)及び前記第2の主排出管路(104)は、第1の消化タンク排出管路(108)及び第2の消化タンク排出管路(110)に分岐し、前記消化タンク(106)の浸出液領域内に通じている、前記第1の消化タンク排出管路(108)のうちの1つの管路及び前記第2の消化タンク排出管路(110)のうちの1つの管路は、前記複数の消化タンク(106)のそれぞれに付随することを特徴とする請求項1に記載のバイオガスプラント。
【請求項3】
前記消化タンクシステムと浸出液貯蔵槽(20)との間で、排出濾過器システム(126)が前記第1の主排出管路(102)及び/又は前記第2の主排出管路(104)内に配列されることを特徴とする請求項2に記載のバイオガスプラント。
【請求項4】
消化タンク(106)の前記第1の消化タンク排出管路(108)及び前記第2の消化タンク排出管路(110)は、分岐点(116)において前記第1の主排出管路(102)に接続された第1の二次排出セクション(118)及び前記第2の主排出管路(104)に接続された第2の二次排出セクション(120)及び前記消化タンク(106)内に延びる共通主排出セクション(112)にさらに分割され、遮断弁(124)は、前記二次排出セクション(118、120)のそれぞれに配列されることを特徴とする請求項2又は3に記載のバイオガスプラント。
【請求項5】
各消化タンク排出管路(108、110)は、浸出液を前記浸出液貯蔵槽(20)内に運ぶためのポンプ(122)を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項6】
各消化タンク(106)は、浸出液調節ユニットに接続されている、浸出液レベルを測定するための充填レベルセンサーを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項7】
前記浸出液分配手段(200)は、前記第1の浸出液容器(22)及び前記第2の浸出液容器(24)を前記消化タンク(106)に接続する第1の主分配管路(202)及び第2の主分配管路(204)を備え、
前記第1の主分配管路(202)及び前記第2の主分配管路(204)は、各第1の消化タンク分配管路(208)及び第2の消化タンク分配管路(210)に分岐し、前記消化タンク(106)のガス領域内に通じている、前記第1の消化タンク分配管路(208)のうちの1つの管路及び前記第2の消化タンク分配管路(210)のうちの1つの管路は、前記複数の消化タンク(106)のそれぞれに付随することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項8】
消化タンク(106)の前記第1の消化タンク分配管路(208)及び前記第2の消化タンク分配管路(210)は、接続点(216)において第1の二次分配セクション(218)及び第2の二次分配セクション(220)及び前記消化タンク(106)内に延びる共通主分配セクション(212)にさらに分割され、流量調節弁(224)は、前記二次分配セクション(218、220)のそれぞれに配列されることを特徴とする請求項7に記載のバイオガスプラント。
【請求項9】
前記消化タンク(106)のそれぞれに複数の主分配セクション(212)が延びており、前記主分配セクションのそれぞれは前記接続点(216)において前記第1の主分配管路(202)に接続されている前記第1の二次分配セクション(218)及び前記第2の主分配管路(204)に接続されている前記第2の二次分配セクション(220)に分岐することを特徴とする請求項8に記載のバイオガスプラント。
【請求項10】
前記消化タンクシステムと浸出液貯蔵槽(20)との間で、分配濾過器システム(226)が前記第1の主分配管路(202)及び/又は前記第2の主分配管路(204)内に配列されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項11】
前記主分配セクション(212)のそれぞれに遮断弁(228)が配列されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項12】
少なくとも1つの第3の浸出液容器、少なくとも1つの第3の主分配管路、及び少なくとも1つの第3の主排出管路を有する少なくとも3つの別々の浸出液回路が備えられることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項13】
前記単一の浸出液容器(22、24)は、入れ子構成で配列されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項14】
前記単一の浸出液容器(22、24)は、同心円状パイプの形態であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項15】
前記チャージ及び引き出しを行うための開口部は、地表レベルで消化タンク(106)を閉じる、油圧作動するように好ましくは構成されているフラップであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項16】
前記複数の消化タンク(106)はそれぞれ、チャージされたバイオマスが保持手段に当たる形で少なくとも部分的には支持されるようにチャージ方向から見て前記消化タンク(106)内の前記フラップの背後に配列されている保持手段を備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。
【請求項17】
前記弁(124、224、228)は、空気圧作動するように構成されていることを特徴とする請求項4〜16のいずれか一項に記載のバイオガスプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−162018(P2010−162018A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−266411(P2009−266411)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(508071272)ベーコン・エナジー・テクノロジーズ・ジーエムビーエイチ・アンド・シーオー.ケージー (8)
【Fターム(参考)】