説明

固形状インク除去剤及びインク除去具

【課題】インク除去作業を効率よく行うことができ、液垂れ等により衣服や床を汚すこともなく、手肌に接触しても安全な固形状インク除去剤を提供する。
【解決手段】固形状インク除去剤6は、インク除去用溶媒と低分子有機ゲル化剤とを含み、固形化してなる。かかる固形状インク除去剤6は、筒状容器本体2と、筒状容器本体2の一端に回動可能に設けられた回転子3と、筒状容器本体3内に筒状容器本体3の長手方向に延伸するように回転子3に設けられ、回転子3の回動により回動するネジ杆4と、ネジ杆4に螺合し、回転子3の回動により筒状容器本体2内を軸線方向に昇降するスライダー5とを備えるインク除去具1において、スライダー5に保持されるようにして筒状容器本体2内に収容されて使用し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性インク等を除去し得る固形状インク除去剤及びインク除去具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油性マーカーや油性ペイント等の油性インクを除去するインク除去剤として、除光液、アルコール、シンナー等の有機溶剤が用いられている。具体的には、油性インク等が塗布されているインク除去対象部位から油性インク等を除去する場合、布やコットン等に液体状のインク除去剤を染み込ませて、当該布やコットン等を除去対象部位に接触させることで、インク除去剤を塗布している。
【0003】
また、従来、揮発性溶剤に酸化チタン等の白色顔料を分散含有させた修正液が提案されている。この修正液は、紙面等の筆記面の筆記跡等のインク除去対象部位に必要量の修正液を塗布し、当該修正液を乾燥させることで、筆記内容を修正することができるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のアルコール等のインク除去剤は、液体であるため、インク除去剤をインク除去対象部位に接触させると、インク除去剤がインク除去対象部位以外にも拡がり、インク除去作業を効率よく行うことができなかったり、液垂れ等により衣服や床等を汚してしまったりするという問題があった。また、インク除去剤を布やコットン等に染み込ませる際に、インク除去剤がこぼれて手肌に直接触れてしまうことがあり、かかる場合に、人によっては手荒れを引き起こしてしまうというという問題があった。
【0005】
また、従来の修正液は、インク除去対象部位に必要量の修正液を供給するのに適してはいるが、インク除去対象部位にマスキングをし、塗膜を形成することでインク除去対象部位を隠蔽消去するものであり、油性インク自体を除去するものではない。
【0006】
かかる問題点に鑑みて、本発明は、インク除去作業を効率よく行うことができ、液垂れ等により衣服や床を汚すこともなく、手肌に接触しても安全な固形状インク除去剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、インク除去用溶媒と低分子有機ゲル化剤とを含み、固形化してなることを特徴とする固形状インク除去剤を提供する(請求項1)。
【0008】
上記発明(請求項1)によれば、インク除去用溶媒が低分子有機ゲル化剤によりゲル化され、固形化されることで、液垂れ等により衣服や床を汚すおそれのない固形状のインク除去剤を提供することができる。
【0009】
本発明において、低分子有機ゲル化剤とは、分子量10000以下の有機化合物で、インク除去用溶媒に添加し、例えば、熱等のエネルギーを与えて溶解させ均一溶液として放置しておくと、2次元的な配列で繊維状の会合体が形成され、それらが絡み合って3次元網目構造を形成し、その中にインク除去用溶媒を取り込んで、インク除去用溶媒をゲル化させることができる物質のことをいう。
また、本発明の固形状インク除去剤は、例えば、油性インクの除去処理や粘着剤(シール剤)の剥離処理等に使用可能であるとともに、マニキュア用リムーバー等として使用可能であるが、本発明の固形状インク除去剤の用途は、これらに限定されるものではない。
【0010】
上記発明(請求項1)においては、前記低分子有機ゲル化剤が、ジベンジリデン−D−ソルビトールであることが好ましい(請求項2)。ジベンジリデン−D−ソルビトールは、インク除去用溶媒にごく少量を添加するだけでインク除去用溶媒をゲル化し、固形化することができるため、かかる発明(請求項2)によれば、固形状インク除去剤におけるインク除去用溶媒の配合割合をより多くすることができる。
【0011】
上記発明(請求項1,2)においては、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール及び部分けん化型ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種をさらに含むことが好ましく(請求項3)、上記発明(請求項1〜3)においては、前記セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースであることが好ましい(請求項4)。
【0012】
セルロース誘導体、ポリエチレングリコール及び部分けん化型ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種を低分子有機ゲル化剤とともにインク除去用溶媒に溶解させると、これらの高分子鎖が低分子有機ゲル化剤によって形成された繊維状会合体と複雑に絡み合い、より強固な3次元網目構造を形成するため、上記発明(請求項3,4)によれば、より安定的な固形状インク除去剤を得ることができる。特にヒドロキシプロピルセルロースは、ごく少量を添加するだけで固形状インク除去剤を安定化させることができるため、上記発明(請求項4)によれば、インク除去用溶媒の配合割合が多く、かつ安定な固形状インク除去剤とすることができる。
【0013】
上記発明(請求項1〜4)においては、前記インク除去用溶媒が、アルコール類であることが好ましく(請求項5)、かかる発明(請求項5)においては、前記アルコール類が、エタノールであることが好ましい(請求項6)。
【0014】
また、本発明は、筒状容器本体と、前記筒状容器本体の一端に回動可能に設けられた回転子と、前記筒状容器本体内に前記筒状容器本体の長手方向に延伸するように前記回転子に設けられ、前記回転子の回動により回動するネジ杆と、前記ネジ杆に螺合し、前記回転子の回動により前記筒状容器本体内を軸線方向に昇降するスライダーと、前記スライダーの上面に保持された上記発明(請求項1〜6)に係る固形状インク除去剤とを備えることを特徴とするインク除去具を提供する(請求項7)。
【0015】
上記発明(請求項7)によれば、回転子を回動させることで、固形状インク除去剤を容易に繰り出すことができるとともに、繰り出された固形状インク除去剤をインク除去対象部位に接触させるだけで、インクを除去することができる。これにより、インク除去用溶媒が液垂れすることもなく、インク除去作業を効率よく行うことができる。
【0016】
上記発明(請求項7)においては、前記筒状容器本体の一端に嵌合される蓋体をさらに備え、前記蓋体は、その上底部に前記固形状インク除去剤の上端面を切削する切削刃を有することが好ましい(請求項8)。
【0017】
固形状インク除去剤を用いてインク除去作業を行うと、固形状インク除去剤の上端面に除去したインクが付着し、次回にインク除去作業を行うときに、上端面に付着したインクがインク除去対象部位に再度付着してしまうおそれがあるが、上記発明(請求項8)によれば、蓋体の上程部に切削刃が設けられていることで、インクが付着することで汚れた固形状インク除去剤の上端面を容易に切削することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、インク除去作業を効率よく行うことができ、液垂れ等により衣服や床を汚すこともなく、手肌に接触しても安全な固形状インク除去剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係るインク除去具について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るインク除去具を示す断面図であり、図2は、本実施形態に係るインク除去具のスライダーを示す斜視図であり、図3は、本実施形態に係るインク除去具の斜視図であり、図4は、本実施形態に係るインク除去具のキャップ部材を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係るインク除去具1は、略円筒状の容器本体2と、容器本体2の下端に回動可能に設けられている回転子3と、容器本体2内に長手方向に延伸するようにして回転子3に一体に形成され、回転子3の回動により回動するネジ杆4と、ネジ杆4に螺合するスライダー5と、スライダー5の上面に保持される柱状の固形インク除去剤6と、容器本体2の上端に嵌合するキャップ部材7とを備える。
【0021】
容器本体2の内周面には、容器本体2の長手方向に延伸するようにして2つの案内突条21,22が設けられている。
【0022】
図2に示すように、スライダー5の側面には、容器本体2内に設けられている2つの案内突条21,22のそれぞれに嵌合する凹溝51,52が形成されている。
【0023】
スライダー5の略中央部には、ネジ穴53が形成されており、このネジ穴53にネジ杆4が螺挿されることにより、ネジ杆4とスライダー5とが螺合している。
【0024】
図1に示すように、キャップ部材7の上面には、キャップ部材7の外側から内側に貫通するスリット71が形成されており、キャップ部材7の内部におけるスリット71の縁部には、切削刃71が設けられている。
【0025】
スライダー5に保持され、容器本体2内に収容されている柱状の固形インク除去剤6は、インク除去用溶媒と低分子有機ゲル化剤とを含み、固形化されてなるものである。
【0026】
インク除去用溶媒としては、油性インク等の顔料が溶解し得る溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、2−エチルヘキサノール、長鎖分岐アルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類等を使用することができる。
【0027】
低分子有機ゲル化剤とは、分子量10000以下の有機化合物で、インク除去用溶媒に添加し、例えば、熱等のエネルギーを与えて溶解させ均一溶液として放置しておくと、2次元的な配列で繊維状の会合体が形成され、それらが絡み合って3次元網目構造を形成し、その中にインク除去用溶媒を取り込んで、インク除去用溶媒をゲル化させることができる物質のことをいう。
【0028】
このような低分子有機ゲル化剤としては、例えば、ジベンジリデン−D−ソルビトール、メチルベンジリデン−D−ガラクトース、イソプロピリデングリセルアルデヒド誘導体、12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミンサン−α,γ−ビス−n−ブチルアミド、スピンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキルリン酸アルミニウム、フェノール系環状オリゴマー、2,3−ビス−n−ヘキサデシロキシアントラセン、環状デプシペプチド、部分フッ素化アルカン、シスチン誘導体、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、トリフェニルアミン誘導体、ブチロラクトン誘導体、4級アンモニウム塩、フッ素化アルキル化オリゴマー、尿素誘導体、ビタミンH誘導体、グルコンアミド誘導体、コール酸誘導体、L−イソロイシン誘導体、L−バリン誘導体、環状ジペプチド誘導体、ジアミドやジ尿素誘導体等のシクロヘキサンジアミン誘導体等が挙げられる。これらの低分子有機ゲル化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0029】
これらの低分子有機ゲル化剤のうち、ジベンジリデン−D−ソルビトールを使用することが好ましい。ジベンジリデン−D−ソルビトールは、ごく少量をインク除去用溶媒に添加するだけでインク除去用溶媒をゲル化し、固形化することができる。そのため、ジベンジリデン−D−ソルビトールを用いてインク除去用溶媒をゲル化し、固形化すれば、インク除去用溶媒の配合割合が極めて高い固形インク除去剤6を得ることができる。具体的には、インク除去用溶媒1質量部に対して、0.01〜0.1質量部のジベンジリデン−D−ソルビトールを添加すればよい。
【0030】
しかしながら、低分子有機ゲル化剤によるゲル化原動力は、水素結合やファンデルワールス力、π−π相互作用、静電相互作用等に代表される非共有結合的な比較的弱い力であるため、低分子有機ゲル化剤によりインク除去用溶媒をゲル化した場合、得られた固形インク除去剤6は、長期間放置したり強い外力が加わったりするとゲルを構成する繊維状会合体が崩壊し、固液分離してしまう等の障害を起こすおそれがある。
【0031】
そこで、このような問題を解決するために、低分子有機ゲル化剤とともに固形インク除去剤6の安定化剤として、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール及び部分けん化型ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種をごく少量添加することが好ましい。これにより、固形インク除去剤6を安定化することができる。これらの安定化剤を低分子有機ゲル化剤とともにインク除去用溶媒に溶解させると、安定化剤の高分子鎖が低分子有機ゲル化剤によって形成された繊維状会合体と複雑に絡み合い、より強固な3次元網目構造を形成するため、より安定的な固形インク除去剤6を得ることができる。
【0032】
なお、ポリビニルアルコールのうち完全けん化型ポリビニルアルコールは、アルコール類等のインク除去用溶媒には不溶であるので、ポリビニルアルコールを安定化剤として用いる場合は、部分けん化型ポリビニルアルコールを用いることが好ましく、特にけん化度が70以下の部分けん化型ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
【0033】
このような安定化剤としては、セルロース誘導体を使用することが好ましく、特にヒドロキシプロピルセルロースを使用することが好ましい。
【0034】
上述したような安定化剤は、インク除去用溶媒に対してごく少量添加すればよく、具体的には、インク除去用溶媒1質量部に対し、0.001質量部〜0.05質量部程度の安定化剤を添加すればよい。
【0035】
本実施形態における固形インク除去剤6を製造する方法としては、インク除去用溶媒に低分子有機ゲル化剤と、必要に応じて安定化剤とを添加して溶解させればよく、添加する順序や溶解させる方法に特に制限はない。また、インク除去用溶媒を製造する際の温度条件及び圧力条件も特に限定はなく、常温・常圧下で行なえばよい。
【0036】
例えば、インク除去用溶媒に低分子有機ゲル化剤と安定化剤とを加えて、加熱しながら十分に攪拌することにより、低分子有機ゲル化剤と安定化剤とがインク除去用溶媒に溶解するので、その後、容器本体2に当該溶液を充填し、そのまま放冷しておくことで、インク除去用溶媒がゲル化して固形化した固形状インク除去剤6がスライダー5に保持されるようにして容器本体2内に収容された固形インク除去具1を得ることができる。
【0037】
このようにして得られる固形インク除去剤6における低分子有機ゲル化剤及び安定化剤の配合量は、固形インク除去剤6全体の10質量%未満であることが好ましい。
【0038】
このような構成を有するインク除去具1は、図3に示すように、回転子3を一の方向(矢印の方向)に回動させると、回転子3に一体に形成されているネジ杆4も同方向に回動し、ネジ杆4に螺合するスライダー5が、案内突条21,22に沿ってネジ杆4の軸線方向に上昇する。これにより、スライダー5に保持されている固形インク除去剤6が容器本体2から繰り出される。
【0039】
一方、回転子3を他の方向(矢印の方向と逆方向)に回動させると、回転子3に一体に形成されているネジ杆4も同方向に回動し、ネジ杆4に螺合するスライダー5が、案内突条21,22に沿ってネジ杆4の軸線方向に下降する。これにより、スライダー5に保持されている固形インク除去剤6が容器本体2内に収容される。
【0040】
容器本体2から繰り出された固形インク除去剤6を油性インク等が付着しているインク除去対象部位に接触させると、固形インク除去剤6からインク除去用溶媒が染み出し、インク除去対象部位の油性インク等を除去することができる。
【0041】
インク除去用溶媒により除去された油性インク等は、固形インク除去剤6の上面部に付着するため、固形インク除去剤6の上面部が油性インク等で汚れてしまう。固形インク除去剤6の上面部が油性インク等で汚れた状態のまま、再度インク除去対象部位に固形インク除去剤6を接触させると、インク除去対象部位の油性インク等を除去し難くなるとともに、固形インク除去剤6の上面部に付着している油性インク等がインク除去対象部位に再度付着してしまい、インク除去対象部位が汚れてしまうおそれがある。
【0042】
そこで、図4に示すように、容器本体2から固形インク除去剤6をある程度繰り出し、キャップ部材7の切削刃72と固形インク除去剤6の上面部とを当接させた状態で容器本体2にキャップ部材7を嵌合し、そのままキャップ部材7を回転させると、切削刃72により固形インク除去剤6の上面部を切削することができる。そして、切削された固形インク除去剤6は、キャップ部材7のスリット71から排出される。これにより、油性インク等で汚れた固形インク除去剤6の上面部を汚れていない状態にすることができ、再度インク除去対象部位の油性インク等を除去する際に、当該インク除去対象部位を汚すことなく油性インク等を除去することができる。
【0043】
以上説明した本実施形態に係るインク除去具1は、回転子3を回動させるだけで固形インク除去剤6を容易に繰り出すことができ、インク除去作業を効率よく行うことができる。特に、インク除去剤6が固形化されていることで、液垂れをすることがなく、衣服や床を汚してしまうこともないし、手肌に接触することで手荒れ等を引き起こすこともない。
【0044】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0045】
本実施形態では、固形インク除去剤6を容器本体2内に収容して使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、不織布、繊維、多孔体、発泡体等にインク除去用溶媒を担持させるようにしてもよい。これにより、インク除去用溶媒が担持された不織布、繊維、多孔体、発泡体等をインク除去対象部位に接触させることにより、油性インク等を除去することができる。
【実施例】
【0046】
1gのジベンジリデン−D−ソルビトール及び0.2gのヒドロキシプロピルセルロースにエタノール48.8gを加えて、加熱しながら攪拌してジベンジリデン−D−ソルビトールとヒドロキシプロピルセルロースとをエタノールに溶解させた。その後、当該溶液を図1に示す容器本体2に流し込み、室温で放冷して、固形状インク除去剤を得た。
【0047】
油性インクペン(商品名:マッキー,ゼブラ社製)を用いて、机、戸棚、窓ガラスに試書きをした。得られた固形状インク除去剤を試書きした箇所に接触させたところ、油性インクを除去できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るインク除去具を示す断面図である。
【図2】同実施形態に係るインク除去具のスライダーを示す斜視図である。
【図3】同実施形態に係るインク除去具を示す斜視図である。
【図4】同実施形態に係るインク除去具のキャップ部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…インク除去具
2…容器本体(筒状容器本体)
21,22…案内突条
3…回転子
4…ネジ杆
5…スライダー
6…固形インク除去剤(固形状インク除去剤)
7…キャップ部材(蓋体)
72…切削刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク除去用溶媒と低分子有機ゲル化剤とを含み、固形化してなることを特徴とする固形状インク除去剤。
【請求項2】
前記低分子有機ゲル化剤が、ジベンジリデン−D−ソルビトールであることを特徴とする請求項1に記載の固形状インク除去剤。
【請求項3】
セルロース誘導体、ポリエチレングリコール及び部分けん化型ポリビニルアルコールのうちの少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形状インク除去剤。
【請求項4】
前記セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする請求項3に記載の固形状インク除去剤。
【請求項5】
前記インク除去用溶媒が、アルコール類であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固形状インク除去剤。
【請求項6】
前記アルコール類が、エタノールであることを特徴とする請求項5に記載の固形状インク除去剤。
【請求項7】
筒状容器本体と、
前記筒状容器本体の一端に回動可能に設けられた回転子と、
前記筒状容器本体内に前記筒状容器本体の長手方向に延伸するように前記回転子に設けられ、前記回転子の回動により回動するネジ杆と、
前記ネジ杆に螺合し、前記回転子の回動により前記筒状容器本体内を軸線方向に昇降するスライダーと、
前記スライダーの上面に保持された請求項1〜6のいずれかに記載の固形状インク除去剤と
を備えることを特徴とするインク除去具。
【請求項8】
前記筒状容器本体の一端に嵌合される蓋体をさらに備え、
前記蓋体は、その上底部に前記固形状インク除去剤の上端面を切削する切削刃を有することを特徴とする請求項7に記載のインク除去具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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