説明

固液混合物の脱水方法、装置及び廃液処理装置

【課題】
固液混合物の脱水を行うときに、圧搾ローラで行われる強い圧搾の前にあらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、比較的無理のない効果的な処理を可能にする。
【解決手段】
脱水装置(1)は複数のローラ(11,12,13)間に回転循環できるように巻き掛けられたスクリーンベルト(14)、スクリーンベルト(14)の横行部に設けられ上下に配された相互の間隔が調節可能なローラ(150,151)を有する圧搾ローラ装置(15)、分離された液分を回収する集液部材(17)、分離された固形分を回収するスクレーパシュート(18)を備えている。上下のローラ(150,151)は、固液混合物の搬送方向にずらして平行に、かつ相互のローラ(150,151)の周面が圧搾に適するよう近接して配してあり、スクリーンベルト(14)は上ローラ(151)の周面下側の曲面に沿うように通り、その後上下ローラ(150,151)間の狭小な隙間を通って動くよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固液混合物の脱水方法、装置及び廃液処理装置に関するものである。更に詳しくは、畜産廃液などの固液混合物を圧搾ローラにより脱水(固液分離)するときに、圧搾ローラで行われる強い圧搾の前に、あらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、いわば段階的に圧搾でき、固液混合物がローラ間を通ることができずに残って圧搾処理が停滞するようなこともなく、比較的無理のない処理を可能にしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、畜産廃液や工場廃液などを処理する工程において、固液混合物を脱水する脱水装置が使用されている。
脱水装置で脱水を行うための構造としては、無端状の帯状布を回転循環させて固液混合物を送りながら圧搾ローラで脱水を行うものが一般的である(特許文献1参照)。
特許文献1記載の脱水装置は、当該文献の図1(a)に示されているように圧搾ローラに相当する上下のローラを軸心が重なるよう配したもの、及び(b)に示されているように上下のローラを軸心が横にずれるように千鳥に配したものを備えたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−273496
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の脱水装置のように圧搾ローラに相当する上下のローラを軸心が重なるよう配したものの場合は、帯状布に載せた固液混合物が移動して上下ローラ間に入るときに、通るところが一度に狭まる。このため、送られる固液混合物の量にムラがあり、一度に大量に送られたような場合は、固液混合物がローラ間を通ることができずに残り、処理が停滞してしまうことがあった。
【0005】
また、上下のローラを軸心が横にずれるように千鳥に配したものの場合は、各ローラ間に大きな隙間があるため上記問題は生じないが、各ローラの間隔が狭いものに比べて強い圧搾はできないので、処理対象物によっては不適合な場合もある。
【0006】
(本発明の目的)
本発明の目的は、畜産廃液や工場廃液などの固液混合物の脱水を行うときに、圧搾ローラで行われる強い圧搾の前に、あらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、いわば段階的に圧搾でき、固液混合物がローラ間を通ることができずに残って圧搾処理が停滞するようなこともなく、比較的無理のない効果的な処理を可能にした固液混合物の脱水方法、装置及び廃液処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
スクリーンベルトに載せた固液混合物を上下に配したローラ間に通して圧搾することにより固液混合物を脱水する方法であって、
上ローラの周面下側の曲面に沿うように通るスクリーンベルトと上ローラの周面で固液混合物をあらかじめ圧搾し、その後スクリーンベルト上の固液混合物を上下ローラ間の狭小な隙間を通し更に圧搾し脱水することを特徴とする、
固液混合物の脱水方法である。
【0008】
第2の発明にあっては、
スクリーンベルトに載せた固液混合物を上下に配したローラ間に通して圧搾することにより固液混合物を脱水する脱水装置であって、
上下のローラは、固液混合物の搬送方向にずらして相互のローラの周面が圧搾に適する範囲で近接するよう配してあり、
スクリーンベルトは上ローラの周面下側の曲面に沿うように通り、その後上下ローラ間の狭小な隙間を通って動くよう構成されていることを特徴とする、
脱水装置である。
【0009】
第3の発明にあっては、
複数のローラ間に無端状に巻き掛けられたスクリーンベルトと、
スクリーンベルトを回転循環させる駆動手段と、
スクリーンベルトの横行部に設けられ、スクリーンベルトの上下に配された相互の間隔が調節可能なローラを有する圧搾ローラ装置と、
圧搾ローラ装置で分離された液分を回収する液分回収手段と、
圧搾ローラ装置で分離された固形分を回収する固形分回収手段と、
を備えており、
上記圧搾ローラ装置の上下のローラは、固液混合物の搬送方向にずらして相互のローラの周面が圧搾に適する範囲で近接するよう配してあり、
スクリーンベルトは上ローラの周面下側の曲面に沿うように通り、その後上下ローラ間の狭小な隙間を通って動くよう構成されていることを特徴とする、
脱水装置である。
【0010】
第4の発明にあっては、
廃液の固液分離を行う一次脱水装置と、
一次脱水装置で分離された液分に凝集剤を供給し混合撹拌してスラリーまたはスラッジを凝集させる凝集撹拌装置と、
凝集撹拌装置により処理された固液混合物の固液分離を行う二次脱水装置と、
を備えており、
上記一次脱水装置と二次脱水装置の何れか一方または双方が請求項2または3記載の脱水装置であることを特徴とする、
廃液処理装置である。
【0011】
圧搾ローラ装置を構成する上下ローラの材質は、圧搾機能に支障がなければ特に限定するものではない。例えば、ステンレススチールなどの金属、ゴム、合成樹脂などである。また、上下の各ローラで共通の材質のものを採用することもできるし、異なる材質のものを採用することもできる。
【0012】
スクリーンベルトの材質は、透液性を有し、固液混合物の圧搾作業によっても傷みにくい強度を有するものであれば特に限定しない。例えば、ポリエチレンなど合成樹脂製のメッシュが細かなネット、布などである。
【0013】
一次脱水装置と二次脱水装置のうち何れかに本発明に係る脱水装置を採用しない場合、他の脱水装置としては、例えばベルトプレス、スクリュープレス、多重円盤型脱水機、縦型脱水機、フィルタープレスがあげられ、特に限定はしない。更に、一次側としては、傾斜スクリーン、振動篩(ふるい)、ローラプレスなどの採用も可能である。
【0014】
(作用)
本発明に係る脱水装置と廃液処理装置の作用を説明する。なお、ここでは本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明の理解を容易にするためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
【0015】
脱水装置(1,3)に導入された固液混合物である廃液は、回転循環するスクリーンベルト(14)に載って圧搾ローラ装置(15)へ送られる。
廃液は、まず上ローラ(151)の下側周面とスクリーンベルト(14)で噛み込まれるときに圧搾され、固液分離される。このときの圧搾は、上ローラ(151)周面とスクリーンベルト(141)が比較的広い面で圧搾し、しかもスクリーンベルト(14)が浮いた状態にあるため圧搾力がやや緩い圧搾となる。
【0016】
上記のように緩く圧搾された廃液は、次に下ローラ(150)と上ローラ(151)の間の最も圧力がかかる狭小となった隙間を通り強く圧搾され、脱水される。
このように、下ローラ(150)と上ローラ(151)の間で行われる強い圧搾の前に、あらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、いわば段階的に圧搾できるので、固液混合物がローラ間を通ることができずに残って圧搾処理が停滞するようなこともなく、比較的無理のない処理が可能になる。
【0017】
(廃液処理装置の作用)
廃液の原水を一次脱水装置(1)へ送り、上記工程により固液分離する。
一次脱水装置(1)で分離された液分を凝集撹拌装置(2)の撹拌部(20)へ送る。
撹拌部(20)内の液分に凝集剤を所要量供給する。
【0018】
上記凝集剤が混合した撹拌部(20)内の液分を撹拌し、スラリーまたはスラッジを凝集させる。
凝集物と液分の固液混合物を二次脱水装置(3)へ送り一次脱水装置(1)と同様に固液分離する。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、畜産廃液や工場廃液などの固液混合物の脱水を行うときに、下ローラと上ローラの間で行われる強い圧搾の前に、あらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、いわば段階的に圧搾できるので、固液混合物がローラ間を通ることができずに残って圧搾処理が停滞するようなこともなく、比較的無理のない状態で効果的な圧搾ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図1は本発明に係る廃液処理装置の第1実施の形態の概略を示す説明図、
図2は廃液処理装置の工程を示すブロック図である。
【0022】
廃液処理装置A1は、一次脱水装置1、凝集撹拌装置2及び二次脱水装置3を備えている。上記凝集撹拌装置2は、撹拌装置20、溶解装置4、粉体定量供給装置5を備えている。
【0023】
一次脱水装置1の後述する廃液導入口105には、廃液の原水を供給する供給管69が接続されている。一次脱水装置1と凝集撹拌装置2の間には、一次脱水装置1で分離された液分を供給する送液管60、中継槽61、送液管62、ポンプ63が設けられている。送液管60の一端は一次脱水装置1の後述する排水管170に接続され、他端は中継槽61に導入されている。また、送液管62の一端は中継槽61に入れられ、他端は撹拌装置20の導入側に接続されている。
【0024】
また、凝集撹拌装置2と二次脱水装置3の間には、凝集物を含む混合液を供給する送液管64、ポンプ65が設けられている。送液管64の一端は槽体200の排出部205に接続されており、他端は二次脱水装置3の廃液導入口(符号省略:一次脱水装置1の廃液導入口105に相当)に接続されている。
【0025】
なお、一次脱水装置1と二次脱水装置3は何れも後述する本発明に係る脱水装置を採用しているが、一方側を異なる構造のものとしてもよい。
次に、一次脱水装置1、凝集撹拌装置2及び二次脱水装置3のそれぞれについて構造を詳細に説明する。
【0026】
図3は本発明に係る脱水装置の構造を示す正面視説明図、
図4は脱水装置の構造を示す平面視説明図、
図5は脱水装置の構造を示す側面視説明図、
図6は脱水装置の圧搾ローラ装置の作用を説明する説明図である。
【0027】
(一次脱水装置1及び二次脱水装置3)
主に図3、図4、図5を参照して説明する。なお、一次脱水装置1と二次脱水装置3は同様の構造であるので、ここでは一次脱水装置1の構造についてのみ説明する。
【0028】
一次脱水装置1は、スクリーンベルトによって廃液である固液混合物を脱水し、固液分離を行うものである。
一次脱水装置1はフレーム10を有している。フレーム10は所要間隔をおいて平行に立設された側板101、102を有している。側板101、102は、複数の連結部材103によって間隔が固定されている。また、フレーム10の下部の四隅には、脚部材104が設けてある。
【0029】
側板101、102の間には、正面視(図3参照)で上側二箇所、下側一箇所にローラ11、12、13を設け、各ローラ間にスクリーンベルト14がほぼ逆三角形状となるよう無端状に巻き掛けてある。なお、スクリーンベルト14はポリエチレン製のネットであり、メッシュの大きさは処理対象物によって適宜設定されるものである。
【0030】
上側左の張り調節ローラ11は、両端部が可動軸受110(側板102側の可動軸受は見えない)によって軸支されている。各可動軸受110は、その上下に平行に設けられた案内部材111に沿って左右方向に移動できるように設けられており、その移動量(移動位置)はボルト・ナットで構成される調節具112によって調節可能である。また、これによってスクリーンベルト14のテンションを調節することができる。
【0031】
上側右の駆動ローラ12は、側板101側のギヤボックス120と側板102側の固定軸受121によって軸支されている。駆動ローラ12は、ギヤボックス120内のギヤ(図示省略)を介し駆動モータ122により所要の回転速度で駆動される。
【0032】
下側の蛇行修正ローラ13は、側板101側の端部が可動軸受130によって軸支されている。側板102側の固定軸受133(図5に図示)は定位置で水平方向に回動できるようになっている。可動軸受130は、その上下に平行に設けられた案内部材131に沿って左右方向に移動できるように設けられており、その移動量(移動位置)は蛇行修正ユニット132によって調節可能である。
【0033】
蛇行修正ローラ13は、上記調節によって、スクリーンベルト14の送り方向に対する水平方向の角度を変えることができる。これにより、各ローラ11、12、13に巻き掛けられたスクリーンベルト14が蛇行しないように調節することができる。
【0034】
上側の張り調節ローラ11と駆動ローラ12の間には、駆動ローラ12寄りに圧搾ローラ装置15が設けてある。圧搾ローラ装置15は受けローラ150と加圧ローラ151を有している。受けローラ150はステンレススチール製で、加圧ローラ151はゴム製である。
受けローラ150は、固定軸受152によって側板101、102間に水平に軸支されている。受けローラ150は、スクリーンベルト14の横行部の下側に位置し、その周面上端がスクリーンベルト14の下面側に接するようにしてある。
【0035】
加圧ローラ151は、スクリーンベルト14の横行部の上側に位置している。加圧ローラ151は、可動軸受153によって側板101、102間に水平に軸支されている。各可動軸受153は、その左右に平行に設けられた案内部材155に沿って上下方向に移動できるように設けられており、その移動量はネジ軸を上下方向にして螺合した圧調節ハンドル154を回転させることによって調節可能である。
【0036】
受けローラ150と加圧ローラ151の回転軸の位置は、図6に示すように左右方向にL分だけずらしてある。これにより、受けローラ150と加圧ローラ151においてスクリーンベルト14を挟んで各ローラにより相互に圧力がかかる位置は、受けローラ150側では周面の頂部ではなく、図3で左側へややずれた低い位置となる。また、加圧ローラ151側では周面の最低部ではなく、図3で右側へややずれた高い位置となる。
【0037】
このように加圧ローラ151周面の最低部が受けローラ150周面の頂部より低くなっているので、スクリーンベルト14のうち加圧ローラ151の下側を通る部分は、受けローラ150の上部を通る部分より低くなる。なお、加圧ローラ151は必ずしも受けローラ150で止められて動けない位置まで下げる必要はなく、やや緩めた位置(受けローラ150と加圧ローラ151の各周面間の隙間がスクリーンベルト14の厚みより大きくなる位置)に設定するなど、廃液の状態(固形分の割合など)に合わせて調節してよい。
【0038】
スクリーンベルト14の横行部の上側には、送り方向(図3、図4で右方向)へ窄まるように傾斜した板状の幅寄せ部材16、16aが設けてある。幅寄せ部材16、16aの下辺部は、スクリーンベルト14の横行部に沿ってほぼ同じ高さに設定されており、スクリーンベルト14で送られる廃液を中央へ寄せる作用を有している。
【0039】
スクリーンベルト14の横行部の下側には、廃液から分離された液分を回収する集液部材17が設けてある。集液部材17の背面側には排水管170が設けてある。集液部材17で回収された液分は、排水管170から次工程へ送られる。
【0040】
駆動ローラ12の下方には、廃液から分離された固形分を掻き取って落とすスクレーパシュート18が傾斜させて設けてある。スクレーパシュート18の上端辺は、スクリーンベルト14に水平に接触させてあり、その上端辺によってスクリーンベルト14表面に付着している固形分を掻き取ることができる。
【0041】
フレーム10の上部左側の連結部材103の前方には、廃液を導入するための廃液導入口105が設けてある。
また、上記幅寄せ部材16、16aで挟まれた部分の中央上方には、給液調整センサ106(接触型センサ)が設けてある。給液調整センサ106は、幅寄せ部材16、16aの間を送られる廃液の固形分の量を感知し、多すぎるときは廃液の導入を一次停止したりスクリーンベルト14の回転を停止するなど、安全で円滑な処理を可能にする制御部を構成する。
【0042】
図7は凝集撹拌装置を構成する溶解装置の構造を示す正面視説明図、
図8は溶解装置の構造を示す平面視説明図、
図9は溶解装置の構造を示す側面視説明図である。
【0043】
図10は凝集撹拌装置を構成する粉体定量供給装置の構造を示す説明図、
図11は粉体定量供給装置の粉体計量部の構造を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【0044】
(凝集撹拌装置2)
凝集撹拌装置2は、上記のように撹拌装置20、溶解装置4、粉体定量供給装置5により構成されている。溶解装置4、粉体定量供給装置5は、撹拌装置20とは別体に設けられており、粉体定量供給装置5は、溶解装置4の上部に取り付けられている。
【0045】
撹拌装置20は、槽体200を有している。槽体200底部には排出部205が設けてある。槽体200の上板201には、中央部に撹拌モータ202が固定されている。撹拌モータ202の回転軸203は上板201を貫通して鉛直方向に設けられ、その先端は槽体200の底部付近まで延長されている。回転軸203の上下二箇所には、撹拌羽根204がそれぞれ設けてある。なお、槽体200に液分を導入する送液管62の先端は、上板201の隅部近傍で上板201を貫通し槽体200の底部付近まで延長されている(図1参照)。
【0046】
溶解装置4は、外形がほぼ直方体状の槽体40を有している。槽体40の正面側の底部右隅には、排出部41が設けてある。槽体40の上部に設けられている上板42の上面には、水を導入する導入管43が設けられている。なお、符号47は給水用電磁弁である。
【0047】
上板42には、中央からやや偏心した位置(図8参照)に撹拌モータ44が固定されている。撹拌モータ44の回転軸440は上板42を貫通して鉛直方向に設けられ、その先端は槽体40の底部付近まで延長されている。回転軸440の上下二箇所には、撹拌羽根45がそれぞれ設けてある。また、上板42には、槽体40内部の清掃やメンテナンスを行うための補修口(符号省略)が設けられており、補修口には螺合式のキャップ46が装着されている。
【0048】
主に図10、図11を参照する。
粉体定量供給装置5は、上板42の上部に固定されており、後述する乾燥空気ユニット56は槽体40の側板上部に固定されている。なお、粉体定量供給装置5で定量供給できるものは、粉体の他、粉体より粒径の大きい粒体(顆粒など)、あるいは更に粒径の大きな流動性固体である。また、「定量」の用語は、厳密な意味での「定量」の他、本質的に定量であれば若干の増減がある場合も含む意味で使用している。
【0049】
粉体定量供給装置5はホッパー型の貯留容器50を有している。貯留容器50は蓋59を有する密閉型であり、廃液から分離された液分と混合して凝集させる高分子凝集剤51の粉体が適量貯留される。
貯留容器50の下端にはほぼ円筒形状の移入管52が縦方向に接続されている。移入管52の下端は閉塞されている。移入管52の上下方向の中間には、横方向に粉体供給管53が貫通して固定してある。
【0050】
粉体供給管53の中央上面側には、円形の入口530が貫通して設けてある。入口530につながる粉体供給管53内の空間部が粉体計量部531となっている。
粉体供給管53の供給先側の端部(図10で右端)には、逆流防止空気供給管を構成する縦供給管54が接続してある。縦供給管54は鉛直方向に設けられ、溶解装置4へ導入されている。
【0051】
移入管52の内部には、粉体供給管53の位置(水平な直径部分)に沿わせるように区画底板520が設けてある。区画底板520には所要数(本実施の形態では合計10個)の噴出孔521が設けてある。区画底板520は、各噴出孔521を除いて移入管52内部を実質的に塞ぐよう設けてある。
また、移入管52には、区画底板520下方の空間部522に繋がる解し空気供給管を構成する通気管55が周壁を貫通して設けてある。
【0052】
粉体供給管53の基端には送気管539の一端が繋がれている。送気管539の経路中には流量調節弁538が設けてある。
縦供給管54の基端には送気管549の一端が繋がれている。送気管549の経路中には流量調節弁548が設けてある。
通気管55には送気管559の一端が繋がれている。送気管559の経路中には流量調節弁558が設けてある。
【0053】
送気管559の他端は送気管539の経路中に接続してある。そして、送気管539と送気管549の他端は三方切替弁563の二方の接続口にそれぞれ接続され、残り一方の接続口には送気管560の一端が接続されている。送気管560の他端は、空気供給装置をコンプレッサ(図示省略)と共に構成する乾燥空気ユニット56に接続されている。送気管560の経路中には、出口ボール弁561と流量計562が設けてある。
【0054】
この構造によれば、三方切替弁563を切り替えることにより、(1)空気が粉体供給管53は通らずに縦供給管54を通り下端の排出口から槽体200内へ排出される経路と、(2)粉体供給管53と通気管55を通り、粉体供給管53を通った空気は縦供給管54を通り下端の排出口から槽体200内へ排出され、通気管55を通った空気は空間部522に入り区画底板520の噴出孔521から移入管52内(区画底板520上部側)へ噴出する(図11(b)参照)経路の二つの異なる経路に切り替えることができる。
なお、粉体固体供給管53と解し通気管55への空気の供給は同時に行うようにしてもよいし、時間をずらして行うようにしてもよい。
【0055】
(作用)
図1ないし図11を参照して本実施の形態に係る脱水装置1(脱水装置3)及びそれを備えた廃液処理装置A1の作用を説明する。
【0056】
(一次脱水装置1及び二次脱水装置3の作用)
廃液導入口105から導入された固液混合物である廃液は、回転循環するスクリーンベルト14に載って圧搾ローラ装置15へ送られる。廃液は、まず加圧ローラ151の下側周面とスクリーンベルト14で噛み込まれるときに圧搾され、固液分離される。
なお、このときの圧搾は、加圧ローラ151周面とスクリーンベルト14が比較的広い面で圧搾し、しかもスクリーンベルト14が浮いた状態にあるため圧搾力がやや緩い圧搾となる(図6参照)。
【0057】
上記のように緩く圧搾された廃液は、次に下ローラ(150)と上ローラ(151)の間の最も圧力がかかる狭小となった隙間を通り強く圧搾され、脱水される。
この強い圧搾と、上記予備的な圧搾により分離された液分はスクリーンベルト14を通り抜け、下方の集液部材17で回収され、送液管60を通り中継槽61へ送られる。
また、スクレーパシュート18で掻き取られた固形分は処理に回される。
【0058】
このように、受けローラ150と加圧ローラ151の間で行われる強い圧搾の前に、あらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、いわば段階的に圧搾できるので、固液混合物がローラ間を通ることができずに残って圧搾処理が停滞するようなこともなく、比較的無理のない効果的な圧搾が可能になる。
【0059】
(廃液処理装置A1の作用)
廃液の原水を送液管69から一次脱水装置1へ送る。廃液処理装置A1での処理に適している廃液は、比重が比較的小さいもの、例えば畜産廃水、食品残渣または工場廃水などであるが、これらに限定するものではない。
【0060】
中継槽61にたまった液分はポンプ63で吸い上げられ送液管62を通り凝集撹拌装置2の撹拌装置20へ送られる。
撹拌装置20の槽体200内に導入された液分が所要量たまると、液分の供給が一旦停止される。撹拌モータ202が作動し、撹拌羽根204が回転する。
次に、粉体定量供給装置5から溶解装置4へ以下に説明する工程を経て、槽体200内の液分の量に対しあらかじめ決められた量の高分子凝集剤51が槽体40へ供給される。
【0061】
まず、貯留容器50に適当な量の高分子凝集剤51を貯留すると、高分子凝集剤51は、移入管52から粉体供給管53の入口530を通り、粉体計量部531に定量が入れられる。
【0062】
高分子凝集剤51を槽体40内へ供給しないときには、三方切替弁563により切り替えられて送気管549だけに乾燥空気が供給される。粉体供給管53と通気管55への供給はしない。乾燥空気はコンプレッサから供給される空気を乾燥空気ユニット56を通すことによってつくられる。
【0063】
送気管549に供給された乾燥空気は縦供給管54を通り、下端の排出口から槽体40内に噴出される。縦供給管54に乾燥空気が供給されているときは、槽体40内の湿気または水分は縦供給管54内部へ入らないので、高分子凝集剤51への吸湿が防止できる。
【0064】
これにより、高分子凝集剤51が貯留容器50内で固まったり、粉体計量部や供給管などの内壁面に付着し固まってしまうことを防止できるので、高分子凝集剤51に無駄が生じたり、管路などの空間部が狭くなって粉体の供給に支障が生じるなどの不都合も生じにくい。また、供給管内壁などに付着した高分子凝集剤51を除去するためのメンテナンスの手間も軽減できる。更には、より一定した量の供給が可能になる。
【0065】
高分子凝集剤51の供給を開始するときには、三方切替弁563が作動し、送気管549への乾燥空気の供給を停止し、粉体供給管53と通気管55につながる送気管539、559に乾燥空気を供給するよう瞬時に切り替わる。
【0066】
粉体供給管53に設けてある粉体計量部531に入っている高分子凝集剤51は、粉体供給管53に供給された乾燥空気の圧力によって縦供給管54を通り、供給先である槽体40内部へ供給される。
【0067】
同時に通気管55に供給された乾燥空気は、区画底板520の各噴出孔521から貯留容器50下部の移入管52内部へ噴出する。噴出した乾燥空気の圧力によって移入管52内部の高分子凝集剤51は解され、高分子凝集剤51にブリッジが発生していた場合はブリッジが崩される。
【0068】
所要時間が経過すると、再び縦供給管54だけに乾燥空気を供給するように切り替わり、縦供給管54の下端の排出口から槽体40内部へ乾燥空気が噴出し、同時に粉体計量部531には高分子凝集剤51が定量入れられる。
【0069】
粉体定量供給装置5によれば上記したように高分子凝集剤51を噴出孔521から噴出した乾燥空気の圧力によって解し、ブリッジが発生していても崩すことができるので、粉体計量部531に定量をほぼ正確に入れることができる。
本実施の形態では、三方切替弁563は粉体供給管側への空気供給を短時間(例えば0.5秒間)、縦供給管54側を比較的長め(例えば3秒間)とした時間間隔で繰り返すように設定されている。
【0070】
各流量調節弁538、548、558は手動弁であり、各送気管539、549、559に供給することができる乾燥空気の量があらかじめ適量に調節されている。
なお、各流量調節弁538、548、558を自動弁として、各送気管539、549、559に乾燥空気を供給しないときには閉じて高分子凝集剤51の吸湿を防止できるようにしてもよい。
そして、タイマーなどの制御手段(図示省略)の制御によって上記工程が必要な回数だけ繰り返され、所要量の高分子凝集剤51が槽体40内部へ供給される。
【0071】
そして、高分子凝集剤51は溶解装置4で撹拌されて水に溶かされ、その溶液は排出部41からポンプ48を備えた送液管49(図1参照)を通り槽体200内に供給される。槽体200内の高分子凝集剤51が混合された液分は撹拌され、スラリーまたはスラッジが凝集する。
【0072】
凝集物が混合した混合液はポンプ65で吸い上げられ、送液管64を通り二次脱水装置3に導入され、一次脱水装置1の場合とほぼ同様に脱水(固液分離)が行われる。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、凝集物である固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
【0073】
図12は本発明に係る廃液処理装置の第2実施の形態の概略を示す説明図、
図13は傾斜撹拌装置の構造を示す斜視図、
図14は傾斜撹拌装置の構造を示す側面図である。
【0074】
廃液処理装置A2は、本発明に係る一次脱水装置1、凝集撹拌装置2a及び二次脱水装置3を備えている。上記凝集撹拌装置2aは、傾斜撹拌装置7、溶解装置4、粉体定量供給装置5により構成されている。
このように、廃液処理装置A2は、上記廃液処理装置A1とは凝集撹拌装置2aを構成する傾斜撹拌装置7が撹拌装置20と相違しているだけで、他は同様の構成を有しているので、ここでは重複する説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0075】
凝集撹拌装置2aを構成する傾斜撹拌装置7は、平面視長方形状で上部が開口した箱状の槽体70を有している。槽体70は台フレーム71(図12参照)に傾斜して取り付けてある。傾斜角度は本実施の形態では20°であるが、これに限定するものではなく、廃液の比重、固液混合率の違いなどに合わせて適宜調節可能である。
【0076】
槽体70の内部には、内槽72が設けてある。内槽72は槽体70の傾斜方向の四箇所に個槽部720を有している。各個槽部720は、底部が断面半円形状に形成されており、各境界部の上縁部721でつながっている。これら上縁部721は、槽体70の両側壁700の上縁部701よりやや低くなるようにしてある。また、槽体70の下部には、全幅にわたり内槽72につながるシュート76が傾斜して設けてある。
【0077】
各個槽部720にそれぞれ対応して四箇所に撹拌体73、73a、73b、73cが設けてある。撹拌体73、73a、73b、73cは、回転軸730を有している。各回転軸730は、軸受731によって槽体70の傾斜方向とは直角かつ水平方向に軸支されている。各回転軸730の一端にはタイミングプーリ732が固着してある。タイミングプーリ732にはギヤ部(符号省略)が内外側の二箇所に設けてある。
【0078】
各回転軸730には、アームロッド734が回転軸30の軸線方向の三箇所に設けてある。各アームロッド734は回転軸30の直径方向に平行に設けてある。各アームロッド734の両先端には、それぞれをつなぐように板状の撹拌羽根735が取り付けてある。撹拌羽根735の先端縁は、上記個槽部720の内周面と若干の隙間をおいて回転移動するよう設定されている。
【0079】
撹拌体73、73a、73b、73cのアームロッド734の角度は、順に45°ずつずらしてある。これによって、固液混合物である廃液を撹拌するときに撹拌体73、73a、73b、73cの駆動部に一度に負荷がかかるのを防止している。なお、撹拌体73、73a、73b、73cのアームロッド734の角度は揃えてもよいし、ずらす角度を上記とは変えてもよい。
【0080】
撹拌体73、73aのタイミングプーリ732の内側のギヤ部間と、撹拌体73b、73cの内側のギヤ部間にはタイミングベルト733が巻き掛けてある。また、撹拌体73a、73bのタイミングプーリ732の外側のギヤ部間にもタイミングベルト733が巻き掛けてある。各タイミングベルト733の中間部にはテンションプーリ具736が装着されている。
【0081】
上部側の撹拌体73の下方には、槽体70の外底部に駆動モータ74が固定してある。駆動モータ74の回転軸に固着してあるタイミングプーリ740と、撹拌体73のタイミングプーリ732の外側のギヤ部の間にはタイミングベルト741が巻き掛けてある。
【0082】
上記構造によれば駆動モータ74の作動により撹拌体73、73a、73b、73cの回転方向は同じになる。撹拌体73、73a、73b、73cの回転方向は図14において左回転、すなわち廃液を上方へ押し戻す方向に回転し、撹拌処理の時間を遅くするようにしている。なお、撹拌体73、73a、73b、73cの回転方向は、本実施の形態のように全部を同じにしてもよいし、任意の一または複数を逆方向に回転させるようにしてもよい。
【0083】
また、槽体70には両側壁700間に渡すように門形の脚部材750、751が槽体70の傾斜方向に所要間隔をおいて取り付けてある。傾斜上部側の脚部材750の高さは、後部側の脚部材751より低く設定してある。脚部材750、751の上部間には、導入された廃液を受ける受板75が傾斜して固定されている。受板75の傾斜方向は槽体70とは逆方向である。受板75の傾斜下方側の辺以外の三辺には、落とされた廃液が跳ね出したりこぼれることを低減するための堰板752が立ち上げて設けてある。
【0084】
(廃液処理装置A2の作用)
廃液の原水を送液管69から一次脱水装置1へ送る。廃液処理装置A2での処理に適している廃液は、比重が比較的大きいもの、例えば建設汚泥、金属スラッジまたはダム残渣などであるが、これらに限定するものではない。一次脱水装置1によって上記廃液処理装置A1の場合と同様に固液分離が行われる。
【0085】
分離され中継槽61にたまった液分はポンプ63で吸い上げられ送液管62を通り凝集撹拌装置2aの傾斜撹拌装置7へ送られる。
撹拌体73、73a、73b、73cは駆動モータ74の作動により同じ方向へ回転している。
送られた液分は受板75に当たり、最上部の個槽部720に落ちる。また、粉体定量供給装置5から溶解装置4へ液分の量に対しあらかじめ決められた量の高分子凝集剤51が上記廃液処理装置A1の場合と同様の工程を経て供給され、その水溶液は、溶解装置4から受板75へ向け送られ、上記個槽部720で液分と混合される。
【0086】
このようにして高分子凝集剤51が混合された個槽部720内の液分は順に撹拌体73、73a、73b、73cで撹拌されながら各個槽部720の境界部を乗り超えて下方の個槽部720へ移動し、スラリーまたはスラッジが凝集する。
凝集物が混合した混合液はシュート76から二次脱水装置3に導入され、一次脱水装置1の場合とほぼ同様に脱水(固液分離)が行われる。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、凝集物である固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
【0087】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る廃液処理装置の第1実施の形態の概略を示す説明図。
【図2】廃液処理装置の工程を示すブロック図。
【図3】本発明に係る脱水装置の構造を示す正面視説明図。
【図4】脱水装置の構造を示す平面視説明図。
【図5】脱水装置の構造を示す側面視説明図。
【図6】脱水装置の圧搾ローラ装置の作用を説明する説明図。
【図7】凝集撹拌装置を構成する溶解装置の構造を示す正面視説明図。
【図8】溶解装置の構造を示す平面視説明図。
【図9】溶解装置の構造を示す側面視説明図。
【図10】凝集撹拌装置を構成する粉体定量供給装置の構造を示す説明図。
【図11】粉体定量供給装置の粉体計量部の構造を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図。
【図12】本発明に係る廃液処理装置の第2実施の形態の概略を示す説明図。
【図13】傾斜撹拌装置の構造を示す斜視図。
【図14】傾斜撹拌装置の構造を示す側面図。
【符号の説明】
【0089】
A1 廃液処理装置
1 一次脱水装置
10 フレーム
101 側板
102 側板
103 連結部材
104 脚部材
105 廃液導入口
106 給液調整センサ
11 調節ローラ
110 可動軸受
111 案内部材
112 調節具
12 駆動ローラ
120 ギヤボックス
121 固定軸受
122 駆動モータ
13 蛇行修正ローラ
130 可動軸受
131 案内部材
132 蛇行修正ユニット
133 固定軸受
14 スクリーンベルト
15 圧搾ローラ装置
150 受けローラ
151 加圧ローラ
152 固定軸受
153 可動軸受
154 圧調節ハンドル
155 案内部材
16、16a 幅寄せ部材
17 集液部材
170 排水管
18 スクレーパシュート
2 凝集撹拌装置
20 撹拌装置
200 槽体
201 上板
202 撹拌モータ
203 回転軸
204 撹拌羽根
205 排出部
3 二次脱水装置
4 溶解装置
40 槽体
41 排出部
42 上板
43 導入管
44 撹拌モータ
440 回転軸
45 撹拌羽根
46 キャップ
47 給水用電磁弁
48 ポンプ
49 送液管
5 粉体定量供給装置
50 貯留容器
51 粉体
52 移入管
520 区画底板
521 噴出孔
522 空間部
53 粉体供給管
530 入口
531 粉体計量部
538 流量調節弁
539 送気管
54 縦供給管
548 流量調節弁
549 送気管
55 通気管
558 流量調節弁
559 送気管
56 乾燥空気ユニット
560 送気管
561 出口ボール弁
562 流量計
563 三方切替弁
59 蓋
60 送液管
61 中継槽
62 送液管
63 ポンプ
64 送液管
65 ポンプ
69 送液管
A2 廃液処理装置
2a 凝集撹拌装置
7 傾斜撹拌装置
70 槽体
700 側壁
701 上縁部
71 台フレーム
72 内槽
720 個槽部
721 上縁部
73、73a、73b、73c 撹拌体
730 回転軸
731 軸受
732 タイミングプーリ
733 タイミングベルト
734 アームロッド
735 撹拌羽根
736 テンションプーリ具
74 駆動モータ
740 タイミングプーリ
741 タイミングベルト
75 受板
750、751 脚部材
752 堰板
76 シュート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンベルト(14)に載せた固液混合物を上下に配したローラ(150,151)間に通して圧搾することにより固液混合物を脱水する方法であって、
上ローラ(151)の周面下側の曲面に沿うように通るスクリーンベルト(14)と上ローラ(151)の周面で固液混合物をあらかじめ圧搾し、その後スクリーンベルト(14)上の固液混合物を上下ローラ(150,151)間の狭小な隙間を通し更に圧搾し脱水することを特徴とする、
固液混合物の脱水方法。
【請求項2】
スクリーンベルト(14)に載せた固液混合物を上下に配したローラ(150,151)間に通して圧搾することにより固液混合物を脱水する脱水装置であって、
上下のローラ(150,151)は、固液混合物の搬送方向にずらして相互のローラ(150,151)の周面が圧搾に適する範囲で近接するよう配してあり、
スクリーンベルト(14)は上ローラ(151)の周面下側の曲面に沿うように通り、その後上下ローラ(150,151)間の狭小な隙間を通って動くよう構成されていることを特徴とする、
脱水装置。
【請求項3】
複数のローラ(11,12,13)間に無端状に巻き掛けられたスクリーンベルト(14)と、
スクリーンベルト(14)を回転循環させる駆動手段(120,122)と、
スクリーンベルト(14)の横行部に設けられ、スクリーンベルト(14)の上下に配された相互の間隔が調節可能なローラ(150,151)を有する圧搾ローラ装置(15)と、
圧搾ローラ装置(15)で分離された液分を回収する液分回収手段(17)と、
圧搾ローラ装置(15)で分離された固形分を回収する固形分回収手段(18)と、
を備えており、
上記圧搾ローラ装置(15)の上下のローラ(150,151)は、固液混合物の搬送方向にずらして相互のローラ(150,151)の周面が圧搾に適する範囲で近接するよう配してあり、
スクリーンベルト(14)は上ローラ(151)の周面下側の曲面に沿うように通り、その後上下ローラ(150,151)間の狭小な隙間を通って動くよう構成されていることを特徴とする、
脱水装置。
【請求項4】
廃液の固液分離を行う一次脱水装置(1)と、
一次脱水装置(1)で分離された液分に凝集剤を供給し混合撹拌してスラリーまたはスラッジを凝集させる凝集撹拌装置(2)と、
凝集撹拌装置(2)により処理された固液混合物の固液分離を行う二次脱水装置(3)と、
を備えており、
上記一次脱水装置(1)と二次脱水装置(3)の何れか一方または双方が請求項2または3記載の脱水装置であることを特徴とする、
廃液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−75688(P2007−75688A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264346(P2005−264346)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000003171)株式会社戸上電機製作所 (29)
【Fターム(参考)】