説明

土壌標準物質の製造方法

【課題】土壌の試験・分析における精度管理や測定機器の調整、分析法の開発等に用いられる土壌標準物質の製造方法に関し、試薬の溶解度に制約を受けずに、数十%程度の極めて高濃度の分析目的元素を担持材に均質に担持させた基材を製造することができ、基材を基に10ppm以下の低濃度や1000ppm以上の高濃度の土壌標準物質を任意に作製することができ、自在性と生産性に著しく優れる土壌標準物質の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】分析目的元素を含む試薬の1種若しくは複数種を担持材と混合し混合物を得る混合工程と、前記混合物を100〜1400℃に加熱して加熱処理物を得る加熱工程と、前記加熱処理物を粉砕して基材を調製する基材調製工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌の試験・分析における精度管理や測定機器の調整、分析法の開発等に用いられる土壌標準物質の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、新たに施行された「土壌汚染対策法」に伴い、土壌中の有害元素を迅速に分析することが求められている。土壌の汚染度合いは、環境省告示で定められた公定分析法、即ち溶出試験を行い、その試験値と「土壌汚染対策法」で定められた基準値とを比較して判断している。
ここで、溶出試験は以下のような方法で行われる。まず、採取した土壌を風乾し、土塊や団粒を粗砕した後、2mm以下に篩い分けしたものを四分法などによって縮分し代表試料とする。カドミウム,水銀,セレン,鉛,砒素,六価クロムを分析する場合は、代表試料より6gを秤取り、1M塩酸(六価クロムの場合は弱アルカリ溶液)200mLを入れたポリ容器に入れた後、振幅巾:4〜5cm、振幅(振とう)数:200回/分で2時間振とうする。振とう後、静置もしくは遠心分離し、次いで0.45μmのメンブランフィルターで吸引ろ過する。得られたろ液に、必要に応じて硝酸等を加えて加熱酸分解処理した後、原子吸光光度計やICP発光光度計などの測定装置を使用して、ろ液中に含まれる有害元素の濃度を求めるものである。
即ち、一定の条件下で溶媒(1M塩酸又は弱アルカリ溶液)に溶出した有害元素の量を測る条件分析であり、「土壌汚染対策法」で決められた基準値は、この溶出試験による数値である。
【0003】
このような土壌の試験・分析における精度管理や測定機器の調整等に用いられる土壌標準物質としては、(特許文献1)に「分析目的元素を含む試薬類の溶液を土壌に浸漬させ、これを減圧処理し、次いで1〜3.5kg/cm、90〜150℃で加圧・加熱した後、上澄み液を廃棄し、沈降物を乾燥・粉砕・混合して作製する土壌標準物質の作製方法」が開示されている。
(特許文献1)に開示された発明によれば、任意の溶出試験値及び含有量試験値が得られる土壌標準物質を作製することができ、本発明は、環境分析分野の溶出及び含有量試験の技術の進歩に大きく貢献するものであった。
【0004】
近年、土壌汚染現場において直ちに結果の分かるオンサイト分析法、とりわけ蛍光X線分析法により土壌の試験・分析を行うことが強く求められている。その理由として、溶出試験では、採取した土壌の分析室への運搬、試料の前処理、溶出試験の実施、試験結果の報告まで、これら一連の作業に1〜2週間を要するという問題を有していたからである。また、溶出試験による溶出値だけでなく、土壌中に含有している全ての量(全量)も規制する動きがみられるからである。
蛍光X線分析法は、溶出試験とは異なり、土壌に含まれる有害元素の全量を分析する全量分析法である。従って、蛍光X線分析法による全量分析値は溶出試験による試験値と同等かそれより高くなるため、蛍光X線分析による分析値が「土壌汚染対策法」で定められた基準値を下回っていれば、溶出試験における溶出量は当然それ以下と判定でき、溶出試験による精査は不要と判断できる。また、蛍光X線分析法はいわゆる非破壊分析法であり、土壌標準物質で事前に作成した検量線があれば多元素を同時にかつ迅速に分析できるため、現場におけるスクリニングの迅速化を図ることができ、以後の確認分析や調査にかかるコストの低減並びに納期の短縮に繋がり、かつより綿密な調査を行うことへも繋がるものである。
【特許文献1】特開平11−190685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の技術で作製された土壌標準物質を蛍光X線分析に適用するには、以下のような課題を有していた。
(1)蛍光X線分析法では、測定装置から得られる信号値(以下、強度と称する。)と分析目的元素の濃度を関係付けた検量線を事前に作成しておかないと、未知サンプルの濃度を求めることができない。この検量線は、濃度既知の分析目的元素を含有する土壌標準物質を用いて作成することができる。しかし、(特許文献1)に開示された発明は、分析目的元素を含む試薬を溶液化し土壌に含浸させる方法のため、試薬の溶解度に限度があり、量産できるものとしては50ppm程度以下の低濃度の分析目的元素を含有するものであった。目的分析元素の含有量が50ppm程度では、蛍光X線分析における強度が不十分なため、蛍光X線分析法で使用できる検量線を作成することはできなかった。
(2)分析目的元素を含む試薬の溶液に土壌を長時間(例えば2〜数週間)浸漬させることにより、蛍光X線分析法でも使用可能な100〜800ppm程度の分析目的元素を含有する土壌標準物質を製造することは可能ではある。しかし、土壌の溶液への浸漬時間が著しく長く生産性に欠けるため、試験的には製造可能であるものの、量産技術として適用できないという課題を有していた。
(3)また、(特許文献1)に開示された発明では、溶液化が困難な元素の標準物質は作製することが困難であった。また、難溶性の化合物は酸を用いて溶解して、これを土壌に含浸させることがあるが、土壌が酸性化するため標準物質としては不適当であり、中和するとしてもその処理が煩雑化するという問題があった。また、化合物によっては加水分解する場合があり、均質性が低下するという問題があった。
【0006】
また、以上のように蛍光X線分析用の土壌標準物質が量産された例がないため、蛍光X線分析法による従来の土壌の分析においては、以下のような課題を有していた。
(1)予め純物質により元素の蛍光X線強度を求め、そのデータを基に組成(含有元素とその量)に合った理論X線強度を求め、測定試料(土壌)の蛍光X線強度から、計算によって元素の含有量を推定する方法(ファンダメンタルパラメータ法。以下、FP法という。)がある。しかし、測定試料(土壌)の組成が判らなければ、FP法を利用した計算値は正確性を欠くという課題を有していた。特に、土壌汚染対策法で対象となる元素の含有量は微量なため誤差が大きくなるので、土壌分析ではFP法は殆ど利用できないという課題を有していた。
(2)土壌汚染対策法で対象となる微量有害元素については検量線法が現実的であるが、上述のように100〜1000ppm程度の分析目的元素を含有する土壌標準物質が量産されていないため、土壌と組成の異なる鉄鋼分析用標準物質等で代用して検量線を作成し、分析値の確認・補正を行うことがあった。しかしながら、鉄鋼分析用標準物質は土壌と組成が異なるため、作成された検量線の信頼性は保証できなかった。また、鉄鋼分析用標準物質等の代用物質を分析現場毎に選択して検量線を作成して分析を行っているため、分析の平準化や分析精度の確保、分析装置の精度管理を行うことはできなかった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、試薬の溶解度に制約を受けることがないため、数十%程度の極めて高濃度の分析目的元素を担持材に均質に担持させた基材を製造することができ、基材を基に10ppm以下の低濃度や1000ppm以上の高濃度の土壌標準物質を任意に作製することができ、自在性と生産性に著しく優れる土壌標準物質の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために本発明の土壌標準物質の製造方法は、以下の構成を有している。
【0009】
本発明の請求項1に記載の土壌標準物質の製造方法は、分析目的元素を含む試薬の1種若しくは複数種を担持材と混合し混合物を得る混合工程と、前記混合物を100〜1400℃に加熱して加熱処理物を得る加熱工程と、前記加熱処理物を粉砕して基材を調製する基材調製工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)分析目的元素を含む試薬を担持材と混合する混合工程を備えているので、低濃度から高濃度までの所定濃度の分析目的元素を担持材と混合することができる。次に、混合物を100〜1400℃に加熱処理する加熱工程を備えているので、分析目的元素の吸着や拡散、蒸発凝縮等が起こるため、分析目的元素を固定化させることができる。次に、加熱処理物を粉砕して基材を調製する基材調製工程を備えているので、基材における分析目的元素の均質化を図ることができ、分析目的元素のばらつきを相対標準偏差(RSD)で20%以下に抑えることができ均質性に優れる。
(2)試薬を溶液化させる必要がないため、試薬の溶解度に制約を受けることがなく、高濃度の分析目的元素を含有する土壌標準物質を製造することができる。
【0010】
ここで、分析目的元素としては、常温常圧で固体又は液体の単体又は化合物を構成する元素であれば、特に限定せずに用いることができる。例えば、土壌汚染に係るPb,Cd,Cr,As,Se,Hg等の元素や、Cu,Zn,Ni,Mn,V,B,Sb,Ti,Be,Ca,P,Al,Mg,Co,Fe,Mo等の元素、希土類元素等の一種若しくは複数種を用いることができる。
【0011】
試薬としては、固体、液体いずれの性状の試薬も用いることができる。また、分析目的元素の単体、酸化物,塩化物,硫化物,塩類等、種々の化合物を用いることができる。なお、塩化物,硫化物等を用いる場合には、加熱工程において換気に留意する必要がある。
【0012】
担持材としては、褐色森林土,真砂土,黒ボク土,グライ土,粘土質土壌等の種々の土壌、粘土等を用いることができる。なかでも、粘土質土壌や粘土が好適に用いられる。粘土質土壌や粘土の可塑性により分析目的元素が担持材に付着し強固に担持されるため、分析目的元素を均質に分散できるからである。
【0013】
粘土は、岩石中の鉱物が分解・破壊されてできた微細粒子の集合体であり、主に粘土鉱物の微細粒子からなるものである。粘土質土壌は、粘土鉱物の微細粒子を含有した土壌である。
粘土鉱物としては、カオリナイト,デッカイト等のカオリナイト系、メタハロイサイト,ハロイサイト等のハロイサイト系、クリソタイル,アンチゴライト等の蛇紋石系、セリサイト,海緑石等の加水雲母系、モンモリロナイト,バイデライト等のモンモリロナイト系、緑泥石,マグネシウム緑泥石等の緑泥石系、パイロフィライト、タルク、バーミキュライト等のアルミノケイ酸塩鉱物が用いられる。
なお、粘土としては、陶磁器原料としても用いられる木節粘土,蛙目粘土等の可塑性粘土、カオリン、セリサイト、陶石、ろう石クレー、ベントナイト等が好適に用いられる。可塑性が高いからである。
【0014】
混合工程において固体の試薬と担持材とを混合する場合は、乳鉢やボールミル,ジェットミル等の粉砕機を用いて試薬や担持材を粉砕し、同程度の粒度に合わせておくのが好ましい。篩やサイクロン等を用いて分級することもできる。いずれも試薬と担持材を均一に混合するためである。
なお、混合工程の前に、担持材は複数回化学分析を行い、担持材に予め含まれる分析目的元素の含有量を確定しておく。試薬の添加量を算出するときの根拠にするためである。
【0015】
加熱工程における加熱温度は、分析目的元素の沸点等に応じて100〜1400℃の範囲で適宜決定することができる。加熱温度が100℃より低くなると、分析目的元素の担持材への吸着や拡散、蒸発凝縮等が起こり難くなり、また水分を含んでいる場合は乾燥が不十分になるため好ましくない。加熱温度が1400℃より高くなると、分析目的元素の種類にもよるが、加熱中に蒸発し易くなり含有量にばらつきが生じ、また加熱処理物が焼結して収縮し、基材調製工程において粉砕が困難になるため好ましくない。
【0016】
基材調製工程において加熱処理物を粉砕するのは、乳鉢やボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いることができる。篩やサイクロン等を用いて分級することもできる。
基材は、特に250μm以下に粉砕されたものが好適に用いられる。均質性を高めるとともに、分析目的に応じてプレス成形によりペレット状に成形することがあるが、その成形性を高めるためである。
基材は複数回化学分析を行い、分析目的元素の含有量を確定しておく。
【0017】
土壌標準物質には、基材の他、フミン,フミン酸,フルボ酸等の有機物を含有させることができる。分析の対象となる土壌には、腐植質等の有機物が多量に含まれていることがあるからである。
【0018】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の土壌標準物質の製造方法であって、前記混合工程において水を加えて混練し、前記加熱工程において、混練された前記混合物を加熱する構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)混合工程において水を加えて混練するので、混合物を練土状にして練り易くして均質性を高めることができる。また、試薬が水溶性を示す場合は分散性を高め、これによっても混合の均質性を高めることができる。また、担持材に粘土質土壌や粘土を用いた場合は、水を加えて混練すると高い可塑性を示すため、より均質に混練することができ、さらに加熱工程において強固に分析目的元素を担持させることができる。
【0019】
ここで、混合工程において水を加えて混練するのは、担持材と試薬を混合した後に水を加えて混練する方法、担持材に水を加えて混練した後に試薬を加えてさらに混練する方法等、種々の方法を採用することができる。試薬の量が多く練り難い場合等は、デキストリン,CMC等の可塑剤を加えることもできる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の土壌標準物質の製造方法であって、ベース土壌に前記基材の所定量を混合し分散させる分散工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分析目的元素を担持材に担持させた基材をベース土壌に混合し分散させる分散工程を備えているので、基材とベース土壌の混合割合を任意に変えるだけで、分析目的元素の含有量を低濃度から高濃度まで任意に変えた土壌標準物質を自在に製造でき自在性に優れる。
【0021】
ここで、ベース土壌としては、褐色森林土,真砂土,黒ボク土,グライ土等の種々の土壌を用いることができる。
基材とベース土壌の混合割合は、土壌標準物質における目的分析元素の濃度の設定値に応じて、適宜設定することができる。
【0022】
分散工程において基材とベース土壌とを混合する場合は、乳鉢やボールミル,ジェットミル等の粉砕機を用いてベース土壌を粉砕し、基材と同程度の粒度に合わせておくのが好ましい。篩やサイクロン等を用いて分級することもできる。いずれもベース土壌と基材を均一に混合するためである。
なお、分散工程の前に、ベース土壌は複数回化学分析を行い、ベース土壌に予め含まれる分析目的元素の含有量を確定しておく。基材とベース土壌の混合量を算出するときの根拠にするためである。
分散工程においては、容器回転型混合機、機械的撹拌型,気流撹拌型等の容器固定型混合機を用いて基材とベース土壌とを混合し分散させることができる。
【0023】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の土壌標準物質の製造方法であって、前記混合工程において、前記混合物に対して前記分析目的元素が0.01〜60wt%の含有率になるように前記試薬を前記担持材と混合する構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分析目的元素の含有率が0.01〜60wt%になるように試薬を担持材と混合するので、従来は量産が困難であった1000ppm程度以上の高濃度の分析目的元素を含有する土壌標準物質も生産性良く製造できる。
【0024】
ここで、混合物に対する分析目的元素の含有率としては、0.01〜60wt%、好ましくは0.1〜60wt%が好適である。分析目的元素の含有率が0.1wt%より低下するにつれ、担持材の含有量が多いため、担持材の組成が分析の対象となる土壌の組成と異なる場合には、土壌の分析精度がやや低下する傾向がみられる。特に0.01wt%より少なくなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。また、分析目的元素の含有率が60wt%より多くなると、担持材の含有量が少ないため、担持材に担持されずに単独で分析目的元素が存在することがあり均一分散性に欠けるため好ましくない。
なお、混合工程において水を加えて混練する場合には、混合物の質量は、水を加えて混練する前の乾燥した担持材の質量と試薬中の分析目的元素の質量を合計したものである。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の土壌標準物質の製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)低濃度から高濃度までの所定濃度の分析目的元素を担持材と混合することができ、また分析目的元素の吸着や拡散、蒸発凝縮等が起こり分析目的元素を固定化させることができ、さらに基材における分析目的元素の均質化を図ることができ、分析目的元素のばらつきを相対標準偏差(RSD)で20%以下に抑えた均質性に優れた土壌標準物質の製造方法を提供できる。
(2)試薬を溶液化させる必要がないため、試薬の溶解度に制約を受けることがなく、高濃度の分析目的元素を含有する土壌標準物質を製造できる土壌標準物質の製造方法を提供できる。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)混合工程において水を加えて混練するので、混合物を練土状にして練り易くして均質性を高めることができる土壌標準物質の製造方法を提供できる。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)分析目的元素を担持材に担持させた基材をベース土壌に混合し分散させる分散工程を備えているので、基材とベース土壌の混合割合を任意に変えるだけで、分析目的元素の含有量を低濃度から高濃度まで任意に変えた土壌標準物質を自在に得ることができ自在性に優れた土壌標準物質の製造方法を提供できる。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)従来は量産が困難であった1000ppm程度以上の高濃度の分析目的元素を含有する土壌標準物質も生産性良く製造できる土壌標準物質の製造方法を提供できる。製造された土壌標準物質は、土壌の試験・分析における蛍光X線分析法の標準物質として最適なだけでなく、原子吸光光度法やICP発光分光光度法等を用いた湿式化学分析法の標準物質としても適しており応用性に著しく優れる。さらに本発明の土壌標準物質を用いることで、蛍光X線分析法の平準化や分析精度の確保、分析装置の精度管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Crを分析目的元素とした6水準濃度の土壌標準物質を13kgずつ製造した。なお、6水準濃度における1水準目は、分析目的元素を添加せずベース土壌に含まれる元素の濃度とし、2〜6水準目の目標値はそれぞれ、150,250,500,750,1500(mg/kg)とした。
まず、混合工程において、三酸化クロム試薬(CrO)(和光純薬製)384gの粉砕物と、担持材としての木節粘土384gの粉砕物を混合し混合物を得た。混合物に水を少しずつ加えながら混ぜて練土状にして、捏ねるように練り合わせた。
練り合わせた混合物の水分がほぼ無くなるまで乾燥させた後、塊状のまま電気炉に入れて1000℃で120分間加熱処理した(加熱工程)。放冷後、加熱処理物を取り出し破砕した後、粉砕し篩い分けして106μm以下を十分混合し、Cr元素を担持した基材を得た(基材調製工程)。基材中のCr濃度を化学分析して、29wt%の値を得た。
【0030】
ベース土壌は、褐色森林土を採取し、乾燥・粉砕・篩い分けして十分混合し、106μm以下をとった。ベース土壌中のCr全含有量を化学分析で求めたところ、100mg/kgであった。
【0031】
次に、目標とする150,250,500,750,1500(mg/kg)の2〜6水準濃度の土壌標準物質を製造するため、基材を秤量し、2.18g、6.54g、17.4g、28.3g、61.0gずつ取り分けた。分散工程において容器回転型混合機を用いて、これらの基材の各々と所定量のベース土壌とを十分混合し、2〜6水準濃度の各13kgの土壌標準物質を得た。ベース土壌(基材を混合しない)を1水準目の土壌標準物質とした。
これらの土壌標準物質から1水準あたり10個ずつサンプリングし、化学分析を行ってCr濃度と土壌標準物質の均質性を調べた。また、1〜6水準濃度の土壌標準物質の化学分析で求めた濃度と、蛍光X線分析の強度との関係を調べた。
表1に6水準の土壌標準物質の化学分析によるCrの定量分析値と相対標準偏差(RSD)を示した。表1において、相対標準偏差(RSD)以外の単位は、全てmg/kgである。
また、図1は化学分析で求めた土壌標準物質のCr濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図である。
【0032】
【表1】

【0033】
表1から、2〜6水準濃度の土壌標準物質の相対標準偏差(RSD)はいずれも2%以下であり、十分に均質であることがわかった。また、図1から、化学分析で求めたCr濃度と蛍光X線分析の強度は、相関性が著しく高く直線上にプロットできることが確認された。
以上のことから、本実施例の土壌標準物質の均質性はいずれも十分であり、また蛍光X線分析における検量線を作成する標準物質として用いることができることも確認できた。
【0034】
(実施例2)
Cdを分析目的元素とした6水準濃度の土壌標準物質を13kgずつ製造した。なお、6水準濃度における1水準目は、分析目的元素を添加せずベース土壌に含まれる元素の濃度とし、2〜6水準目の目標値はそれぞれ、75,150,300,600,1200(mg/kg)とした。
混合工程において、酸化カドミウム(CdO)(和光純薬製)228gの粉砕物と、担持材としての黒ボク土228gの粉砕物を混合し混合物を得た。混合物に水を少しずつ加えながら混ぜて練土状にして、捏ねるように練り合わせた。
練り合わせた混合物の水分がほぼ無くなるまで乾燥させた後、塊状のまま電気炉に入れて1000℃で60分間加熱処理した(加熱工程)。放冷後、加熱処理物を取り出し破砕した後、粉砕し篩い分けして106μm以下を十分混合し、Cd元素を担持した基材を得た(基材調製工程)。基材中のCd濃度を化学分析して、46wt%の値を得た。
ベース土壌は実施例1と同様のものを用いた。ベース土壌中のCd全含有量を化学分析で求めたところ、0.48mg/kgであった。
次に、目標とする75,150,300,600,1200(mg/kg)の2〜6水準濃度の土壌標準物質を製造するため、基材を秤量し、2.10、4.22g、8.45g、16.9g、33.8gずつ取り分けた。分散工程において容器回転型混合機を用いて、これらの基材の各々と所定量のベース土壌とを十分混合し、2〜6水準濃度の各13kgの土壌標準物質を得た。ベース土壌(基材を混合しない)を1水準目の土壌標準物質とした。
これらの土壌標準物質から1水準あたり10個ずつサンプリングし、化学分析を行ってCd濃度と土壌標準物質の均質性を調べた。また、1〜6水準濃度の土壌標準物質の化学分析で求めた濃度と、蛍光X線分析の強度との関係を調べた。
表2に6水準の土壌標準物質の化学分析によるCdの定量分析値と相対標準偏差(RSD)を示した。表2において、相対標準偏差(RSD)以外の単位は、全てmg/kgである。
また、図2は化学分析で求めた土壌標準物質のCd濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図である。
【0035】
【表2】

【0036】
表2から、2〜6水準濃度の土壌標準物質の相対標準偏差(RSD)はいずれも約1%以下であり、十分に均質であることがわかった。また、図2から、化学分析で求めたCd濃度と蛍光X線分析の強度は、相関性が著しく高く直線上にプロットできることが確認された。
以上のことから、本実施例の土壌標準物質の均質性はいずれも十分であり、また蛍光X線分析における検量線を作成する標準物質として用いることができることも確認できた。
【0037】
(実施例3)
Pbを分析目的元素とした6水準濃度の土壌標準物質を13kgずつ製造した。なお、6水準濃度における1水準目は、分析目的元素を添加せずベース土壌に含まれる元素の濃度とし、2〜6水準目の目標値はそれぞれ、75,150,300,600,1200(mg/kg)とした。
混合工程において、一酸化鉛(PbO)(和光純薬製)216gの粉砕物と、担持材としての粘土質土壌216gの粉砕物を混合し混合物を得た。混合物に水を少しずつ加えながら混ぜて練土状にして、捏ねるように練り合わせた。
練り合わせた混合物の水分がほぼ無くなるまで乾燥させた後、塊状のまま電気炉に入れて700℃で60分間加熱処理した(加熱工程)。放冷後、加熱処理物を取り出し破砕した後、粉砕し篩い分けして106μm以下を十分混合し、Pb元素を担持した基材を得た(基材調製工程)。基材中のPb濃度を化学分析して、42wt%の値を得た。
ベース土壌は実施例1と同様のものを用いた。ベース土壌中のPb全含有量を化学分析で求めたところ、25mg/kgであった。
次に、目標とする75,150,300,600,1200(mg/kg)の2〜6水準濃度の土壌標準物質を製造するため、基材を秤量し、1.55g、3.87g、8.51g、17.8g、36.4gずつ取り分けた。分散工程において容器回転型混合機を用いて、これらの基材の各々と所定量のベース土壌とを十分混合し、2〜6水準濃度の各13kgの土壌標準物質を得た。ベース土壌(基材を混合しない)を1水準目の土壌標準物質とした。
これらの土壌標準物質から1水準あたり10個ずつサンプリングし、化学分析を行ってPb濃度と土壌標準物質の均質性を調べた。また、1〜6水準濃度の土壌標準物質の化学分析で求めた濃度と、蛍光X線分析の強度との関係を調べた。
表3に6水準の土壌標準物質の化学分析によるPbの定量分析値と相対標準偏差(RSD)を示した。表3において、相対標準偏差(RSD)以外の単位は、全てmg/kgである。
また、図3は化学分析で求めた土壌標準物質のPb濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図である。
【0038】
【表3】

【0039】
表3から、2〜6水準濃度の土壌標準物質の相対標準偏差(RSD)はいずれも2%以下であり、十分に均質であることがわかった。また、図3から、化学分析で求めたPb濃度と蛍光X線分析の強度は、相関性が著しく高く直線上にプロットできることが確認された。
以上のことから、本実施例の土壌標準物質の均質性はいずれも十分であり、また蛍光X線分析における検量線を作成する標準物質として用いることができることも確認できた。
【0040】
(実施例4)
Asを分析目的元素とした6水準濃度の土壌標準物質を13kgずつ製造した。なお、6水準濃度における1水準目は、分析目的元素を添加せずベース土壌に含まれる元素の濃度とし、2〜6水準目の目標値はそれぞれ、75,150,300,600,1200(mg/kg)とした。
混合工程において、三酸化二ヒ素(As)(和光純薬製)264gの粉砕物と、担持材としての蛙目粘土264gの粉砕物を混合し混合物を得た。混合物に水を少しずつ加えながら混ぜて練土状にして、捏ねるように練り合わせた。
練り合わせた混合物の水分がほぼ無くなるまで乾燥させた後、塊状のまま電気炉に入れて300℃で60分間加熱処理した(加熱工程)。放冷後、加熱処理物を取り出し破砕した後、粉砕し篩い分けして106μm以下を十分混合し、As元素を担持した基材を得た(基材調製工程)。基材中のAs濃度を化学分析して、18wt%の値を得た。
ベース土壌は実施例1と同様のものを用いた。ベース土壌中のAs全含有量を化学分析で求めたところ、18mg/kgであった。
次に、目標とする75,150,300,600,1200(mg/kg)の2〜6水準濃度の土壌標準物質を製造するため、基材を秤量し、3.92g、9.08g、19.4g、40.0g、81.3gずつ取り分けた。分散工程において容器回転型混合機を用いて、これらの基材の各々と所定量のベース土壌とを十分混合し、2〜6水準濃度の各13kgの土壌標準物質を得た。ベース土壌(基材を混合しない)を1水準目の土壌標準物質とした。
これらの土壌標準物質から1水準あたり10個ずつサンプリングし、化学分析を行ってAs濃度と土壌標準物質の均質性を調べた。また、1〜6水準濃度の土壌標準物質の化学分析で求めた濃度と、蛍光X線分析の強度との関係を調べた。
表4に6水準の土壌標準物質の化学分析によるAsの定量分析値と相対標準偏差(RSD)を示した。表4において、相対標準偏差(RSD)以外の単位は、全てmg/kgである。
また、図4は化学分析で求めた土壌標準物質のAs濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図である。
【0041】
【表4】

【0042】
表4から、2〜6水準濃度の土壌標準物質の相対標準偏差(RSD)はいずれも約2%以下であり、十分に均質であることがわかった。また、図4から、化学分析で求めたAs濃度と蛍光X線分析の強度は、相関性が著しく高く直線上にプロットできることが確認された。
以上のことから、本実施例の土壌標準物質の均質性はいずれも十分であり、また蛍光X線分析における検量線を作成する標準物質として用いることができることも確認できた。
【0043】
(実施例5)
Seを分析目的元素とした6水準濃度の土壌標準物質を13kgずつ製造した。なお、6水準濃度における1水準目は、分析目的元素を添加せずベース土壌に含まれる元素の濃度とし、2〜6水準目の目標値はそれぞれ、75,150,300,600,1200(mg/kg)とした。
混合工程において、亜セレン酸ナトリウム(NaSeO)(和光純薬製)237gの粉砕物と、担持材としての木節粘土237gの粉砕物を混合し混合物を得た。混合物に水を少しずつ加えながら混ぜて練土状にして、捏ねるように練り合わせた。
練り合わせた混合物の水分がほぼ無くなるまで乾燥させた後、塊状のまま電気炉に入れて200℃で60分間加熱処理した(加熱工程)。放冷後、加熱処理物を取り出し破砕した後、粉砕し篩い分けして106μm以下を十分混合し、Se元素を担持した基材を得た(基材調製工程)。基材中のSe濃度を化学分析して、20wt%の値を得た。
ベース土壌は実施例1と同様のものを用いた。ベース土壌中のSe全含有量を化学分析で求めたところ、0.4mg/kgであった。
次に、目標とする75,150,300,600,1200(mg/kg)の2〜6水準濃度の土壌標準物質を製造するため、基材を秤量し、4.64g、9.31g、18.6g、37.3g、74.6gずつ取り分けた。分散工程において容器回転型混合機を用いて、これらの基材の各々と所定量のベース土壌とを十分混合し、2〜6水準濃度の各13kgの土壌標準物質を得た。ベース土壌(基材を混合しない)を1水準目の土壌標準物質とした。
これらの土壌標準物質から1水準あたり10個ずつサンプリングし、化学分析を行ってSe濃度と土壌標準物質の均質性を調べた。また、1〜6水準濃度の土壌標準物質の化学分析で求めた濃度と、蛍光X線分析の強度との関係を調べた。
表5に6水準の土壌標準物質の化学分析によるSeの定量分析値と相対標準偏差(RSD)を示した。表5において、相対標準偏差(RSD)以外の単位は、全てmg/kgである。
また、図5は化学分析で求めた土壌標準物質のSe濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図である。
【0044】
【表5】

【0045】
表5から、2〜6水準濃度の土壌標準物質の相対標準偏差(RSD)はいずれも2%以下であり、十分に均質であることがわかった。また、図5から、化学分析で求めたSe濃度と蛍光X線分析の強度は、相関性が著しく高く直線上にプロットできることが確認された。
以上のことから、本実施例の土壌標準物質の均質性はいずれも十分であり、また蛍光X線分析における検量線を作成する標準物質として用いることができることも確認できた。
【0046】
(実施例6)
Hgを分析目的元素とした6水準濃度の土壌標準物質を13kgずつ製造した。なお、6水準濃度における1水準目は、分析目的元素を添加せずベース土壌に含まれる元素の濃度とし、2〜6水準目の目標値はそれぞれ、7.5,15,30,60,120(mg/kg)とした。
混合工程において、硝酸第二水銀(Hg(NO・nHO)(和光純薬製)21.3gと、担持材としての木節粘土240gの粉砕物を混合し混合物を得た。混合物に水を少しずつ加えながら混ぜて練土状にして、捏ねるように練り合わせた。
練り合わせた混合物の水分がほぼ無くなるまで乾燥させた後、塊状のまま電気炉に入れて150℃で60分間加熱処理した(加熱工程)。放冷後、加熱処理物を取り出し破砕した後、粉砕し篩い分けして106μm以下を十分混合し、Hg元素を担持した基材を得た(基材調製工程)。基材中のHg濃度を化学分析して、4wt%の値を得た。
ベース土壌は実施例1と同様のものを用いた。ベース土壌中のHg全含有量を化学分析で求めたところ、0.07mg/kgであった。
次に、目標とする7.5,15,30,60,120(mg/kg)の2〜6水準濃度の土壌標準物質を製造するため、基材を秤量し、2.27g、4.57g、9.16g、18.3g、36.7gずつ取り分けた。分散工程において容器回転型混合機を用いて、これらの基材の各々と所定量のベース土壌とを十分混合し、2〜6水準濃度の各13kgの土壌標準物質を得た。ベース土壌(基材を混合しない)を1水準目の土壌標準物質とした。
これらの土壌標準物質から1水準あたり10個ずつサンプリングし、化学分析を行ってHg濃度と土壌標準物質の均質性を調べた。また、1〜6水準濃度の土壌標準物質の化学分析で求めた濃度と、蛍光X線分析の強度との関係を調べた。
表6に6水準の土壌標準物質の化学分析によるHgの定量分析値と相対標準偏差(RSD)を示した。表6において、相対標準偏差(RSD)以外の単位は、全てmg/kgである。
また、図6は化学分析で求めた土壌標準物質のHg濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図である。
【0047】
【表6】

【0048】
表6から、2〜6水準濃度の土壌標準物質の相対標準偏差(RSD)はいずれも約3%以下であり、十分に均質であることがわかった。また、図6から、化学分析で求めたHg濃度と蛍光X線分析の強度は、相関性が著しく高く直線上にプロットできることが確認された。
以上のことから、本実施例の土壌標準物質の均質性はいずれも十分であり、また蛍光X線分析における検量線を作成する標準物質として用いることができることも確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、土壌の試験・分析における精度管理や測定機器の調整、分析法の開発等に用いられる土壌標準物質の製造方法に関し、試薬の溶解度に制約を受けることがないため、数十%程度の極めて高濃度の分析目的元素を担持材に均質に担持させた基材を製造することができ、基材を基に10ppm以下の低濃度や1000ppm以上の高濃度の土壌標準物質を任意に作製することができ、自在性と生産性に著しく優れる土壌標準物質の製造方法を提供できる。これにより、蛍光X線分析の検量線用の標準物質として、また湿式化学分析法等の種々の分析法の標準物質としても用いることができ応用性に優れ、さらにこれまで行うことができなかった蛍光X線分析法の平準化や分析精度の確保、精度管理のできる土壌標準物質を製造できる極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】化学分析で求めた土壌標準物質のCr濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図
【図2】化学分析で求めた土壌標準物質のCd濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図
【図3】化学分析で求めた土壌標準物質のPb濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図
【図4】化学分析で求めた土壌標準物質のAs濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図
【図5】化学分析で求めた土壌標準物質のSe濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図
【図6】化学分析で求めた土壌標準物質のHg濃度と蛍光X線分析の強度との関係を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析目的元素を含む試薬の1種若しくは複数種を担持材と混合し混合物を得る混合工程と、前記混合物を100〜1400℃に加熱して加熱処理物を得る加熱工程と、前記加熱処理物を粉砕して基材を調製する基材調製工程と、を備えていることを特徴とする土壌標準物質の製造方法。
【請求項2】
前記混合工程において水を加えて混練し、前記加熱工程において、混練された前記混合物を加熱することを特徴とする請求項1に記載の土壌標準物質の製造方法。
【請求項3】
ベース土壌に前記基材の所定量を混合し分散させる分散工程を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌標準物質の製造方法。
【請求項4】
前記混合工程において、前記混合物に対して前記分析目的元素が0.01〜60wt%の含有率になるように前記試薬を前記担持材と混合することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の土壌標準物質の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−36550(P2009−36550A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199175(P2007−199175)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(591207415)環境テクノス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】