説明

圧力充填可能な多量定量バルブ

従来から圧力充填可能な定量バルブは、種々開発されてきた。しかし、いずれも短所があった。本来、定量の噴出が可能の定量バルブの構造が、実際は、バルブハウジング内で定量噴出させる準備をしても定量噴出をさせ得るものではなかった。本発明は、上記問題を解決する。
【構成】加圧ガスの圧力充填用通路4を形成したマウンテンキャップ1の内側に嵌めた構造とその構造に取り付けたバルブハウジング2とバルブステム7とそのバルブステム7支持構造体とからなり、前記バルブハウジング2とバルブステム7とそのバルブステム7支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとどもに前記マウンテンキャップ1の内側に嵌めた構造の下面部分と前記バルブハウジング2の上端の間から加圧ガスの圧力充填可能な多量定量バルブである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力充填可能な多量定量バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から圧力充填可能な定量バルブは、種々開発されてきた。しかし、いずれの圧力充填可能な定量バルブでも、長所がある反面、短所もあり、特に、本来、定量の噴出が可能でなければならないはずの定量バルブの構造でありながら、実際は、バルブハウジング内で定量噴出させるために準備していた定量噴出物の全てを、定量バルブの弁開放時に、外部に放出させることなく、バルブハウジング内に、その一部を残留させるようなことが生じてしまっていた。云うまでもなく、定量バルブは、ある圧力条件のもとで、バルブの開閉が行なわれ、一般には、大気圧の外界の圧力よりも高い内部圧力の加圧容器のバルブを開いて加圧容器の内部圧力よりも低い大気圧の外界の圧力条件のもとで、内容物が噴出し、拡散し霧化されるものである。そこで、定量バルブでは、バルブが開かれた時に、定量の流体の噴出を可能とし得るものであるから、定量噴出させる構造でなければならない。それ故に、定量バルブの構造は、定量噴出バルブの構造であり、そして、定量噴出させ得る機能が期待されるはずである。そこで、実際に、種々の形式の定量バルブにより、それらの定量バルブの使用試験を重ねてみたのであるが、期待されるはずの定量噴出を可能にさせることはきわめて難しい。そこで、このような問題を解決するために、種々の適切な解決策を模索したのであるが、その適切な解決策は、いまだ得られず、関係者は、その問題の解決に苦慮している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、定量バルブにおいて、マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下に加圧ガスの圧力充填用通路を形成して加圧ガスの圧力充填を可能とする定量バルブを提供することを本発明の第一の目的とする。また、定量バルブの使用に際して、最も、問題なのが定量噴出しないことであり、定量噴出しない原因の主となるものは、あらかじめ、定量バルブのバルブハウジング内で準備していた定量噴出物の噴出予定の内容物の全てを、噴出させ得ないことであった。そこで、発明者は、バルブハウジング内で定量噴出させるために準備していた定量噴出物の全てを、定量バルブの弁開放時に、外部に放出させようとしても、バルブハウジング内で準備していた定量噴出予定の内容物の全てを、噴出させることなく、バルブハウジング内に、その一部を残留させるようになる原因を探究してみた。云うまでもなく、定量バルブのバルブハウジング内で準備していた定量噴出物の全てを、噴出させるためには、その定量噴出物の全てを、定量バルブの弁開放時に、外部に放出させようとしても、バルブハウジング内で準備していた定量噴出予定の内容物の全てを、噴出させることなく、バルブハウジング内に、その一部を残留させるようになる原因を突き止めて、その原因の排除に成功すればよいと発明者は、考えた。云うまでもなく、定量バルブのバルブハウジング内で一時的に定量噴出予定の内容物を定量貯留し、そして、その定量貯留物を、全て噴出させるための構造について徹底的に研究した結果、定量バルブのバルブハウジング内に形成される、そのバルブハウジング内で一時的に定量噴出予定の内容物を定量貯留する部分の構造や部分の機能に問題があることが分かってきた。そして、その定量取り出し口の位置が関係していることが分かってきた。本発明は、上記問題を解決することを第二の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記バルブハウジングの上端部分の間で一か所或いは数か所の加圧ガスの圧力充填用通路を形成した圧力充填可能な多量定量バルブである。
【0005】
【作用】本発明は、加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記バルブハウジングの上端部分の間で一か所或いは数か所の加圧ガスの圧力充填用通路を形成した圧力充填可能な多量定量バルブであるから、マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記定量バルブのバルブハウジングの上端部分の間の加圧ガスの圧力充填用通路を形成したので定量バルブでありながら圧力充填を可能にし得る。
【0006】
【実施例1】本発明は、加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の外側をバルブハウジングの上部部分に密嵌させ、そのバルブハウジングの内部に位置するバルブステムの塊状部の下部中心部の部分から下向きに定量取り出し用小径長円筒部分を設け、その定量取り出し用小径長円筒部分の下方部分に定量取り出し開口部を設け、前記バルブハウジングの下端開口部を設けた下底部上側に位置させたバルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下端部支持用環状弾性気密構造体の上部のコイルばね座部にコイルばねの下端部を位置させ、そのコイルばねの上端部を前記バルブステムの塊状部の下端のばね座部に位置させ、前記バルブステムの塊状部の外同面部分に設けた環状溝部にOリングを配設し、そのOリングの外周面に前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の内側を接触させた圧力充填可能な多量定量バルブである。
【0007】
【実施例2】本発明は、加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の外側をバルブハウジングの上部部分に溶着させ、そのバルブハウジングの内部に位置するバルブステムの塊状部の下部中心部の部分から下向きに定量取り出し用小径長円筒部分を設け、その定量取り出し用小径長円筒部分の下方部分に定量取り出し開口部を設け、前記バルブハウジングの下端開口部を設けた下底部上側に位置させたバルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下端部支持用環状弾性気密構造体の上部のコイルばね座部にコイルばねの下端部を位置させ、そのコイルばねの上端部を前記バルブステムの塊状部の下端のばね座部に位置させ、前記バルブステムの塊状部の外周面部分に設けた環状溝部にOリングを配設し、そのOリングの外周面に前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の内側を接触させた圧力充填可能な多量定量バルブである。
【0008】
【実施例3】本発明は、加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の外側をバルブハウジングの上部部分に溶着させ、そのバルブハウジングの内部に位置するバルブステムの塊状部の下部中心部の部分から下向きに定量取り出し用小径長円筒部分を設け、その定量取り出し用小径長円筒部分の下方部分に定量取り出し開口部を設け、前記バルブハウジングの下端開口部を設けた下底部上側に位置させたバルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下端部支持用環状弾性気密構造体の上部のコイルばね座部にコイルばねの下端部を位置させ、そのコイルばねの上端部を前記バルブステムの塊状部の下端のばね座部に位置させ、コイルばねの上端部の部分から上方に向けて前記バルブステムの塊状部の下端のばね座部を、上向きに押圧することとなり、常時は、前記バルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下部に設けた小径長円筒部分の定量取り出し口を開放状態にして前記バルブハウジングの下端開口部から前記バルブハウジング内に内容物が移動し得るようにし、前記バルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下端部支持用環状弾性気密構造体の上部をコイルばねにより常時押圧するので、前記環状弾性気密構造体の上下を押えることとなり、前記環状弾性気密構造体の側部の周面部分は膨らんで前記定量取り出し用小径長円筒部分の下降時、その定量取り出し用小径長円筒部分の下部を絞めることとなり、その定量取り出し用小径長円筒部分の下部に設けた小径長円筒部分の定量取り出し口を確実に閉鎖し得るとともに前記環状弾性気密構造体の側部の外周面部分の外側に設けた間隙のために前記環状弾性気密構造体の膨らんでいく余地を残し、前記バルブステムの昇降運動を軽快にし得るようにした圧力充填可能な多量定量バルブである。
【0009】
【効果】本発明は、加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記バルブハウジングの上端部分の間で一か所或いは数か所の加圧ガスの圧力充填用通路を形成した圧力充填可能な多量定量バルブであるから、マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記定量バルブのバルブハウジングの上端部分の間の加圧ガスの圧力充填用通路を形成したので定量バルブでありながら圧力充填を可能にし得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を施した圧力充填可能な多量定量バルブの縦断面図である。
【符号の説明】
1 マウンテンキャップ 2 バルブハウジング
3 加圧ガスの圧力充填用通孔 4 加圧ガスの圧力充填用通路
5 コイルばね 6 コイルばね下端のばね座部
7 バルブステム 8 バルブステム塊状部下端のばね座部
9 Oリング 10 Oリングを配設した環状溝部
11 環状弾性気密構造体 12 定量取り出し用小径長円筒部分
13 可撓性内容物導通管 14 バルブハウジング固着用下向き短筒
15 導通管保持用下向き短円筒 16 小径長円筒部分の定量取り出し口
17 定量取り出し口 18 マウンテンキャップ内側構造体
19 シール材 20 バルブステム横穴閉鎖部材
21 加圧ガスの圧力充填用入口 22 環状弾性気密構造体外側の間隙
23 バルブステムの上部の横穴 24 バルブステムの中間部の横穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体との関連構成により、定量噴出構造を設けてなるとともに前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記バルブハウジングの上端部分の間で一か所或いは数か所の加圧ガスの圧力充填用通路を形成した圧力充填可能な多量定量バルブ。
【請求項2】加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側にバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の外側をバルブハウジングの上部で固着し、そのバルブハウジングの上端部分の突当面に対向して位置するマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の下面部分と前記バルブハウジングの上端部分の間で数か所の加圧ガスの圧力充填用通路を形成した請求項1記載の圧力充填可能な多量定量バルブ。
【請求項3】加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記バルブハウジングの内部に位置するバルブステムの下部部分から下向きに定量取り出し用小径長円筒部分を設け、その定量取り出し用小径長円筒部分の下方部分に定量取り出し開口部を設け、前記バルブハウジングの下底部上側に位置させたバルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下端部支持用環状弾性気密構造体の通孔に挿入し得るようにし、前記バルブステムを上下動させ得るようにした定量噴出を可能にした請求項1記載の圧力充填可能な多量定量バルブ。
【請求項4】加圧ガスの圧力充填用通路を形成したマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分とそのマウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分に取り付けたバルブハウジングとバルブステムとそのバルブステム支持構造体とからなり、前記マウンテンキャップの内側に嵌めた構造部分の短筒状下向き突起部分の外側をバルブハウジングの上部部分に密嵌或いは溶着させるなどして固着し、そのバルブハウジングの内部に位置するバルブステムの塊状部の下部中心部の部分から下向きに定量取り出し用小径長円筒部分を設け、その定量取り出し用小径長円筒部分の下方部分に定量取り出し開口部を設け、前記バルブハウジングの下端開口部を設けた下底部上側に位置させたバルブステムの定量取り出し用小径長円筒部分の下端部支持用環状弾性気密構造体の周側面の部分と前記バルブハウジングの下端開口部を設けた下底部の周縁部から起立した短円筒状内側周側面の部分との間で間隙部分を設定し得るようにし、その間隙部分を生かして前記バルブステムの上下動を容易にした請求項1記載の圧力充填可能な多量定量バルブ。

【図1】
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