説明

圧延機の下水平ロールの零点調整方法

【課題】 下水平ロールの零点調整が容易にでき、また、ドライブ側とフリー側とのレベル差を調整可能な圧延機の下水平ロールの零点調整方法を提供する。
【解決手段】 下水平ロール12を回転支持する下ロールチョック24、25及び竪ロールチョック20、21を保持するハウジング10aを有する圧延機10において下水平ロール12の零点調整を行う方法であって、竪ロールチョック20、21の前後端部に設けられハウジング10aに固定された対となる摺動ライナー50、51上に当接して摺動する対となる摺動ガイド52、53に対して平行に、対となるストッパーブロック54、55を摺動ガイド52、53の下方位置のハウジング10aに設け、下ロールチョック20、21をストッパーブロック54、55に押し付けて停止し、この停止位置を基準高さ位置として、基準高さ位置に基づいて下水平ロール12の零点位置の調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニバーサル式形鋼圧延機の下水平ロールの零点調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニバーサル式圧延機のロール零点調整方法として、竪ロールの上下方向の中心位置を自動検出し、検出された中心位置を基準として、例えば、下水平ロールを基準位置にレベル調整し、一方、上水平ロールをそのドライブ側とフリー側との間で荷重差が出ないようにレベル調整を行いながら下水平ロールに所定荷重で締め、一対の竪ロールを上、下水平ロールに順次所定荷重で締めるものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、上下水平ロールの仮零点位置を収集した後、各上下水平ロールに順次左右竪ロールを接触させ、更に竪ロールを押し込むことにより上下水平ロールをセンタリングした後の左右竪ロールの位置実績を収集し、上下水平ロールを各々センタリングした際の左右竪ロール開度差の平均値と、上下水平ロールと左右竪ロールの接触面角度、及び上下水平ロールの仮零点位置から、上下水平ロール及び左右竪ロールそれぞれの零点位置を計算で求めるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−323107号公報
【特許文献2】特開2003−88909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のロールの零点調整方法は未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、圧延機を継続使用した後に、機械的な摩耗等によって発生するドライブ側とフリー側とのレベル差を吸収するための具体的な手段を保有していないので、レベル差を吸収する作業は操作員の目視に頼らざるをえなかった。このため、ドライブ側とフリー側とのレベル差を完全に吸収できず、この結果、製品精度に悪影響を及ぼしていた。即ち、図4に示すように、上下水平ロール70、71と左右竪ロール72、73との直角度の狂いによるフランジ厚み差(例えば、基準厚みtに対して、左上厚みt1 、右下厚みt4 が小さく、右上厚みt2 、左下厚みt3 が大きくなる)が発生したり、また、上、下水平ロール70、71のドライブ側とフリー側とのレベル差に基づくウエブ位置の中心偏りが発生した。
特に、特許文献1については、下水平ロールのレベル調整作業自体が操作員の目視作業となっており、また、特許文献2については、仮零点位置のレベル差が発生すると調整に多くの時間がかかった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、下水平ロールの零点調整が容易にでき、また、ドライブ側とフリー側とのレベル差を調整可能な圧延機の下水平ロールの零点調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る圧延機の下水平ロール零点調整方法は、上下対となる上水平ロール及び下水平ロールと、該下水平ロールのそれぞれの両端部を回転支持する対となるドライブ側及びフリー側下ロールチョックと、該ドライブ側及びフリー側下ロールチョックをそれぞれ圧上するドライブ側及びフリー側圧上装置と、左右対となる竪ロール及び該対となる竪ロールのそれぞれの両端部を回転支持し、左右方向に進退する対となるドライブ側及びフリー側竪ロールチョックと、前記ドライブ側及びフリー側下ロールチョック、及び前記ドライブ側及びフリー側竪ロールチョックを保持するハウジングとを有する圧延機において前記下水平ロールの零点調整を行う方法であって、前記ドライブ側及びフリー側竪ロールチョックの前後端部に設けられ前記ハウジングに固定された対となる摺動ライナー上に当接して摺動する対となる摺動ガイドに対して平行に、対となるストッパーブロックを前記摺動ガイドの下方位置の前記ハウジングに設け、前記ドライブ側及びフリー側下ロールチョックを前記ストッパーブロックに押し付けて停止し、この停止位置を基準高さ位置として、該基準高さ位置に基づいて前記下水平ロールの零点位置の調整を行う。
【0007】
本発明に係る圧延機の下水平ロール零点調整方法において、該圧延機の継続使用により発生する前記ドライブ側下ロールチョックと前記フリー側下ロールチョックとのレベル差に基づいて前記下水平ロールの零点位置の設定を行い、該零点位置に対応して前記ドライブ側及びフリー側圧上装置による圧上位置の設定を行って前記下水平ロールの水平度及び前記竪ロールとの直角度を保持してもよい。
【0008】
本発明に係る圧延機の下水平ロール零点調整方法において、前記ドライブ側及びフリー側下ロールチョックを前記ストッパーブロックに押し付け、前記下水平ロールの零点位置の調整を行うドライブ側及びフリー側圧上位置調整手段は、前記ドライブ側及びフリー側圧上装置に使用する油圧サーボシリンダと、該油圧サーボシリンダのピストンに連結され該ピストンの高さ位置を測定可能な高さ位置検出センサーとを備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜3記載の圧延機の下水平ロール零点調整方法は、ドライブ側及びフリー側竪ロールチョックの前後端部に設けられた摺動ガイドに対して、平行にストッパーブロックを摺動ガイドの下方位置のハウジングに設け、ドライブ側及びフリー側圧下位置調整手段により、ドライブ側及びフリー側下ロールチョックをストッパーブロックに押し付けて停止し、この停止位置を基準高さ位置として、基準高さ位置に基づいて下水平ロールの零点位置の調整を行うので、従来の操作員の目視による調整と比較して、簡単、かつ正確に調整ができ、この結果、操作員の作業負担が軽減されると共に、製品精度が向上する。
【0010】
特に、請求項2記載の圧延機の下水平ロール零点調整方法においては、圧延機の継続使用により発生するドライブ側下ロールチョックとフリー側下ロールチョックとのレベル差に基づいて下水平ロールの零点位置の設定を行い、この零点位置に対応してドライブ側及びフリー側圧上装置による圧上位置の設定を行って下水平ロールの水平度及び竪ロールとの直角度を保持するようにしているので、フランジ厚み差やウエブ位置の中心偏りを防止することができ、更に、製品精度が向上する。
【0011】
請求項3記載の圧延機の下水平ロール零点調整方法においては、ドライブ側及びフリー側下ロールチョックをストッパーブロックに押し付け、下水平ロールの零点位置の調整を行うドライブ側及びフリー側圧上位置調整手段は、ドライブ側及びフリー側圧上装置に使用する油圧サーボシリンダと、油圧サーボシリンダのピストンに連結されピストンの高さ位置を測定可能な高さ位置検出センサーとを備えているので、コンパクトで簡略な構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る圧延機の下水平ロール零点調整方法を適用する圧延機の要部構成図、図2は図1の矢視A−A図、図3(A)、(B)はそれぞれ、下ロールチョックの摩耗の無い場合、摩耗の有る場合の調整方法の模式的な説明図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る圧延機の下水平ロール零点調整方法を適用する圧延機10は、ユニバーサル式H形鋼圧延機であって、対となる上水平ロール11及び下水平ロール12と、左右対となるフリー側(左)竪ロール13及びドライブ側(右)竪ロール14とを備えており、これらのロールを駆動操作して、H形鋼15を圧延するものである。
上水平ロール11の左右方向両端部を回転支持する対となるフリー側上ロールチョック16及びドライブ側上ロールチョック17はそれぞれ、圧下装置18、19により圧下されるようになっている。
【0014】
フリー側竪ロール13、ドライブ側竪ロール14の上下方向両端部を回転支持する対となるフリー側竪ロールチョック20、ドライブ側竪ロールチョック21はそれぞれ、圧下装置22、23により左右方向に進退して圧下されるようになっている。
下水平ロール12の左右方向両端部を回転支持する対となるフリー側下ロールチョック24及びドライブ側下ロールチョック25はそれぞれ、フリー側及びドライブ側圧上装置26、27により圧上されるようになっている。なお、フリー側上ロールチョック16、ドライブ側上ロールチョック17、フリー側竪ロールチョック20、ドライブ側竪ロールチョック21、フリー側下ロールチョック24及びドライブ側下ロールチョック25は、ハウジング10aにより保持されている。
【0015】
フリー側及びドライブ側圧上装置26、27は、コップ状のシリンダ本体28、29と、シリンダ本体28、29内を上下に摺動する円板状のピストン30、31と、ピストン30、31の上面中心部に一体的に設けられた大径のロッド32、33とを備えた油圧サーボシリンダ38、39を有している。油圧サーボシリンダ38、39のピストン30、31の下面中心部には、シリンダ本体28、29のヘッド板34、35の中心部を貫通して配置された高さ位置検出センサーの一例である棒状の測定ロッド36、37が固定されている。ロッド32、33の上端部には、フリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25の下面が載置される水平な載置面を有する荷重受座40、41が形成されている。
【0016】
かかる構成によって、ピストン30、31に一体的に設けられたロッド32、33を介して上下動されるフリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25の上下方向の位置を測定ロッド36、37により測定することができる。
【0017】
図2に示すように、フリー側竪ロールチョック20、ドライブ側竪ロールチョック21の前後端部にはそれぞれ、ブロック状の摺動突起部46、47及び48、49が設けられており、摺動突起部46(48も同じ)、47(49も同じ)の下端には、ハウジング10aに固定された対となる摺動ライナー50、51上に当接して摺動する対となる摺動ガイド52、53が設けられている。摺動ライナー50、51及び摺動ガイド52、53の当接する摺動面は機械加工されているので、水平度が維持されている。
【0018】
摺動ライナー50、51の前後方向の内側で下方位置のハウジング10aには、対となるストッパーブロック54、55がねじ締結により設けられており、ストッパーブロック54、55は摺動ガイド52、53に対して平行に設けられている。フリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25の前後端部の上部には、ストッパーブロック54、55の下面56が上面57に当接するストッパープレート58、59がねじ締結により取付けられている。なお、ストッパーブロック54、55の下面56及びストッパープレート58、59の上面57は機械加工されているので、水平度が維持されている。また、ストッパープレート58、59は硬質で、耐食性のある材料で形成されている。
【0019】
かかる構成によって、油圧サーボシリンダ38、39を作動してフリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25を上下動して、ストッパープレート58、59の上面57をストッパーブロック54、55の下面56に対して接離することができる。フリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25の零点調整時には、下面56と上面57との隙間G=0、一方、圧延時及びロール交換時には、G>0となっている。なお、零点調整時には、油圧サーボシリンダ38、39の油圧の作動圧は、圧上時(圧延時)に比べて低圧としている。ここで、ドライブ側及びフリー側圧上位置調整手段は、低圧で作動する油圧サーボシリンダ38、39と、測定ロッド36、37とを備えて構成されている。
【0020】
次に、圧延機10を用いた本発明の一実施の形態に係る圧延機の水平ロール零点調整方法について、図を参照して説明する。
事前に、上水平ロール11を圧下装置18、19により、フリー側上ロールチョック16及びドライブ側上ロールチョック17を介して上限位置に移動して、下水平ロール12が上水平ロール11に接触しないようにしておく。
【0021】
図2に示すように、フリー側竪ロールチョック20、ドライブ側竪ロールチョック21の摺動ガイド52、53が、ハウジング10aに固定された摺動ライナー50、51上に当接した状態で、油圧力を圧上時(圧延時)の高圧では無く、低圧(即ち、フリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25のみを上昇可能な程度の圧力)にし、油圧サーボシリンダ38、39を作動してフリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25を上昇して、ストッパープレート58、59の上面57を、ハウジング10aに固定されたストッパーブロック54、55の下面56に押し付けてフリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25を停止する。
【0022】
フリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25が停止した状態で、測定ロッド36、37により検出した位置を基準高さ位置(即ち、下水平ロール12の零点位置を調整するための基準位置)とする。
基準高さ位置に基づいて、パスライン(PL)の高さ位置や下水平ロール12の直径Dを考慮して、前記ドライブ側及びフリー側圧上位置調整手段によってフリー側下ロールチョック24及びドライブ側下ロールチョック25を介して下水平ロール12の零点位置の調整を行う。以下に、模式的に示す図3(A)、(B)を参照して具体的に説明する。
【0023】
図3(A)は新設時、即ち、フリー側下ロールチョック24(ドライブ側下ロールチョック25も同じ)の下面60と油圧サーボシリンダ38(39も同じ)の荷重受座40との接触による摩耗が無い場合を表している。
図3(A)は、フリー側下ロールチョック24(ドライブ側下ロールチョック25も同じ)を、油圧サーボシリンダ38により上昇し、ストッパープレート58、59の上面57を、ハウジング10aに固定されたストッパーブロック54、55の下面56に押し付けてフリー側下ロールチョック24を停止した状態を表している。
【0024】
ここで、ストッパーブロック54、55の下面56から油圧サーボシリンダ38のピストン30の下限位置Yまでの垂直距離をT(一定)、下水平ロール12の中心Oからストッパープレート58、59の上面57までの垂直距離をX(一定)、下水平ロール12の中心Oからフリー側下ロールチョック24の下面60までの垂直距離をh1 (一定)、油圧サーボシリンダ38の荷重受座40の上面61からピストン30の下面62までの垂直距離をh2 (一定)とすると、図3(A)からピストン30の基準ストローク(零点調整用ストローク)SS は式(1)で表される。
S =X+T−(h1 +h2 ) ・・・(1)
【0025】
基準ストロークSS を基準として、H、D1 、D2 に応じて、フリー側下ロールチョック24、ドライブ側下ロールチョック25のレベル調整(零点位置の調整)を行うことができる。
1 、h2 は新設時には、一定であるが、圧延機10の継続使用による摩耗によって減少する値である。従って、図3(B)に示すように、例えば、フリー側のh2 はそのままで、ドライブ側のh2 がh3 になった場合には、ドライブ側の基準ストロークSM はSM =SS +(h3 −h2 )となるので、SS 、SM に基づいてフリー側及びドライブ側圧上位置調整手段により下水平ロール12の零点位置の設定を行う。
更に、この零点位置に対応してフリー側及びドライブ側圧上装置26、27による圧上位置の設定を行って圧延する下水平ロール12の水平度及び竪ロール13、14との直角度を保持するように構成されている。
【0026】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の圧延機の下水平ロール零点調整方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
ドライブ側及びフリー側圧上位置調整手段として、ドライブ側及びフリー側圧上装置の油圧サーボシリンダと測定ロッドを用いたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の構造の手段とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧延機の下水平ロール零点調整方法を適用する圧延機の要部構成図である。
【図2】図1の矢視A−A図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、下ロールチョックの摩耗の無い場合、摩耗の有る場合の調整方法の模式的な説明図である。
【図4】従来例の上下水平ロールと竪ロールとの直角度の狂いによるフランジ厚み差の発生状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
10:圧延機、10a:ハウジング、11:上水平ロール、12:下水平ロール、13:フリー側竪ロール、14:ドライブ側竪ロール、15:H形鋼、16:フリー側上ロールチョック、17:ドライブ側上ロールチョック、18、19:圧下装置、20:フリー側竪ロールチョック、21:ドライブ側竪ロールチョック、22、23:圧下装置、24:フリー側下ロールチョック、25:ドライブ側下ロールチョック、26:フリー側圧上装置、27:ドライブ側圧上装置、28、29:シリンダ本体、30、31:ピストン、32、33:ロッド、34、35:ヘッド板、36、37:測定ロッド(高さ位置検出センサー)、38、39:油圧サーボシリンダ、40、41:荷重受座、46〜49:摺動突起部、50、51:摺動ライナー、52、53:摺動ガイド、54、55:ストッパーブロック、56:下面、57:上面、58、59:ストッパープレート、60:下面、61:上面、62:下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下対となる上水平ロール及び下水平ロールと、該下水平ロールのそれぞれの両端部を回転支持する対となるドライブ側及びフリー側下ロールチョックと、該ドライブ側及びフリー側下ロールチョックをそれぞれ圧上するドライブ側及びフリー側圧上装置と、左右対となる竪ロール及び該対となる竪ロールのそれぞれの両端部を回転支持し、左右方向に進退する対となるドライブ側及びフリー側竪ロールチョックと、前記ドライブ側及びフリー側下ロールチョック、及び前記ドライブ側及びフリー側竪ロールチョックを保持するハウジングとを有する圧延機において前記下水平ロールの零点調整を行う方法であって、
前記ドライブ側及びフリー側竪ロールチョックの前後端部に設けられ前記ハウジングに固定された対となる摺動ライナー上に当接して摺動する対となる摺動ガイドに対して平行に、対となるストッパーブロックを前記摺動ガイドの下方位置の前記ハウジングに設け、
前記ドライブ側及びフリー側下ロールチョックを前記ストッパーブロックに押し付けて停止し、この停止位置を基準高さ位置として、該基準高さ位置に基づいて前記下水平ロールの零点位置の調整を行うことを特徴とする圧延機の下水平ロール零点調整方法。
【請求項2】
請求項1記載の圧延機の下水平ロール零点調整方法において、該圧延機の継続使用により発生する前記ドライブ側下ロールチョックと前記フリー側下ロールチョックとのレベル差に基づいて前記下水平ロールの零点位置の設定を行い、該零点位置に対応して前記ドライブ側及びフリー側圧上装置による圧上位置の設定を行って前記下水平ロールの水平度及び前記竪ロールとの直角度を保持することを特徴とする圧延機の下水平ロール零点調整方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の圧延機の下水平ロール零点調整方法において、前記ドライブ側及びフリー側下ロールチョックを前記ストッパーブロックに押し付け、前記下水平ロールの零点位置の調整を行うドライブ側及びフリー側圧上位置調整手段は、前記ドライブ側及びフリー側圧上装置に使用する油圧サーボシリンダと、該油圧サーボシリンダのピストンに連結され該ピストンの高さ位置を測定可能な高さ位置検出センサーとを備えていることを特徴とする圧延機の下水平ロール零点調整方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−297425(P2006−297425A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119943(P2005−119943)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(390022873)日鐵プラント設計株式会社 (275)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】