説明

圧接ジョイントコネクタの製造方法

【課題】電線の誤配線を防止して布線や切断の際の良好な作業性も維持する。
【解決手段】ハウジング2底部における切断スペース10内に、各電線9の布線部分の両側に位置する透孔11を穿設して、透孔11を貫通可能な複数のリブ14を透孔11の位置に合わせて立設した位置決め治具12を用い、電線9の布線時には、位置決め治具12のリブ14をハウジング2の下方から透孔11を介して電線9の両側に夫々突出させて各電線9の位置決めを行うようにし、電線9の切断時にはリブ14をハウジング2内から退避させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング内に複数の電線を略平行に布線して圧接端子に電線を圧接し、所定の電線を切断することで分岐回路を形成する圧接ジョイントコネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧接ジョイントコネクタは、例えば特許文献1に示すように、両端に電線の挿入口を複数並設したハウジング内に、電線の圧接端子を複数収容して形成されるものが知られている。この圧接端子には、隣接する一対の電線を圧接する2つの刃部が電線との直交方向で連設されており、分岐回路を形成する場合は、圧接端子を一対、電線との直交方向で電線1本分位置をずらせて両端に配置し、3本の電線をハウジング内へ平行に挿通させて各圧接端子に2本の電線を圧接した後、圧接端子間の電線を切断刃で切断する。これにより、分岐数が2つの分岐回路が2組得られることになる。
【0003】
【特許文献1】特許第3541540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この圧接ジョイントコネクタにおいては、省スペースやコスト等の理由からサイズを小さくする要望が強いが、コンパクト化を実現すると、電線を布線する際に交差して誤回路となるおそれがある。これを防止するにはハウジング内に電線の収容溝を形成することが有効であるが、そのために電線間に仕切壁を設けると電線の切断スペースが十分確保できないという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、電線の誤配線を防止して、布線や切断の際の良好な作業性は勿論、コストアップの抑制や省スペースも維持できる圧接ジョイントコネクタの製造方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハウジング底部における少なくとも電線の切断スペース内に、各電線の布線部分の両側に位置する透孔を穿設して、透孔を貫通可能な複数のリブを透孔の位置に合わせて立設した位置決め治具を用い、少なくとも電線の布線時には、位置決め治具のリブをハウジングの下方から透孔を介して電線の両側に夫々突出させて各電線の位置決めを行うようにし、電線の切断時にはリブをハウジング内から退避させるようにしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、電線切断時の位置決め治具のリブの退避を容易に行うために、位置決め治具のリブを、ハウジング内への突出位置と、上方からの押し込みによってハウジング内から退避する没入位置との間で出没可能且つ付勢手段によって突出位置へ付勢した状態で設ける一方、切断治具に、電線の切断時にリブに当接して没入位置へ押し込み可能な押し込み部を設けたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、リブが退避した状態で広い切断スペースを確保可能とするために、位置決め治具のリブを突出させる透孔が、電線の長手方向と直交する方向に略横並びで配置される構成としたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、電線の誤配線をより確実に防止可能とするために、位置決め治具のリブは、透孔からハウジング内に突出した際、電線間を仕切るようにハウジングに立設された仕切壁と電線の長手方向で連続状に繋がる構成としたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの目的に加えて、よりコンパクトな圧接ジョイントコネクタの製造を可能とするために、電線の切断に、端面に開口する軸孔と、その軸孔の直径方向で軸孔と連通するように端面に凹設される固定溝とを備えた固定刃と、軸孔へ回転可能に遊挿され、固定溝側の端面に、固定溝と連続状の可動溝を直径方向に凹設した可動刃とからなる切断刃を備えた切断治具を用いて、切断スペース内で切断刃の固定溝と可動溝とに跨って所定の電線を挿入させて可動刃を回転させることで、当該電線を切断する構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、電線の誤配線を防止できると共に、布線や切断の際の良好な作業性も維持できる。よって、コストアップが抑制可能となる上、省スペースの圧接ジョイントコネクタも製造可能となる。また、リブが電線の切断時に切断治具と干渉することがないため、電線のピッチを切断治具が差し込める最小寸法に設定でき、サイズの小さな圧接ジョイントコネクタでも対応可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、電線の切断時にはリブが切断治具の押し込み部によって自動的に没入位置へ退避するため、位置決め治具自体を移動させなくてもリブの退避が容易に行える。また、押し込み部によって切断時の電線の位置決めも確実に可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、ハウジングの透孔が略横並びに配置されているため、リブが退避した状態で、電線長手方向に直交する方向で広い切断スペースを確保することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、リブとハウジングの仕切壁とが連続状に繋がることで、電線の誤配線をより確実に防止可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、小さな切断スペースでも電線の切断が可能となり、コンパクトな圧接ジョイントコネクタを製造することができる。また、コンパクトでも切断端部間で十分な絶縁距離を確保できるので、電線端部間を仕切る壁等を設けなくても導通のおそれがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明で製造される圧接ジョイントコネクタの一例を示す分解斜視図で、圧接ジョイントコネクタ1は、複数の略平行な収容溝3,3・・を長手方向に凹設した平面矩形状のハウジング2と、そのハウジング2への組み付け状態でハウジング2の上面を閉塞するカバー4とを備えている。
ハウジング2は、底板2aと側壁2bと、仕切壁8とを有する。側壁2bは、底板2aの電線9布線方向(図1における電線9の長手方向)両側に立設されており、仕切壁8は、側壁2bと平行に底板2a上に複数立設されて、仕切壁8の間に電線9の収容溝3を形成している。また、各仕切壁8は、ハウジング2における電線9の布線方向中央部において切り欠かれており、これにより図2に示すように、ハウジング2の中央部において、電線9の布線方向に直交する方向全体(一方の側壁2b側から他方の側壁2b側まで)に亘って一連の切断スペース10(図2の点線部)が形成されている。
【0009】
5,5・・は、ハウジング2における長手方向(ここでは電線9の長手方向と一致)の前後両端に配置される圧接端子で、この圧接端子5は、図3(A)に示すように、収容溝3方向でU字状の受け刃6,6を夫々前後に一対形成した金具5a,5aを、連結部5b、5bによって収容溝3との直交方向に隣接する同士で連結した二連端子となっている(以下この圧接端子を「二連端子」という)。各二連端子5における収容溝3の端部側には、図3(B)に示すように、電線9の絶縁被覆をかしめ固定する一対のインシュレーションバレル7,7が立設されている。
【0010】
二連端子5は、ハウジング2の電線9布線方向両端において、収容溝3と直交する短手方向へ二列となるように3個ずつ並列配置されると共に、両列間の二連端子5が収容溝3の1本分ずれて対向するように千鳥状に配置されている。さらに、ハウジング2における両端の二連端子5,5の間は、収容溝3を形成する仕切壁8が電線長手方向の中間で切除された態様で電線9の切断スペース10が形成され、切断スペース10におけるハウジング2の底部には、布線される各電線9の両側に位置して長手方向に伸びる長円状の透孔11,11・・が、ハウジング2の短手方向(電線9の長手方向と直交する方向)へ複数並設されている。
電線9,9・・は、千鳥状配置によって前後の片側のみに二連端子5が収容される短手方向両端の収容溝3を含めた7つの収容溝3に、電線圧接装置の単一の圧接刃によって各電線9を夫々個別に圧接してインシュレーションバレル7,7でかしめるか、多連の圧接刃によって複数の電線9を夫々同時に圧接してインシュレーションバレル7,7でかしめるかすることで収容可能となっている。
【0011】
以上の如く構成された圧接ジョイントコネクタ1を製造する場合、図4に示すような位置決め治具12が用いられる。この位置決め治具12は、平板状のベース13上に、ハウジング2の透孔11に遊挿可能な板状のリブ14を、透孔11,11・・の間隔で互いに平行となるように複数立設したもので、各リブ14を透孔11の位置に合わせて位置決め治具12の上にハウジング2をセットすることで、リブ14が透孔11を介して各電線9の両サイドでハウジング2内に突出することになる。
この位置決め治具12によってハウジング2内にリブ14を突出させた状態で、各収容溝3に電線9を位置決めし、二連端子5を配置して布線を行う。このリブ14によって電線9の誤配線は生じない。特にここでは、突出したリブ14がハウジング2の仕切壁8と電線9の長手方向で連続状に繋がるようになっているので、誤配線はより確実に防止可能となる。
【0012】
電線9を布線した後、位置決め治具12が下降して各リブ14をハウジング2内から退避させて、所定の電線9の中間部を切断スペース10内において切断する。図5は、圧接ジョイントコネクタ1において形成される電気回路を示す模式図である。同図に示すように、電線9が千鳥状に配置された二連端子5によって圧接固定されることで一体の電気回路を形成しているが、切断スペース10において図中の×点A,A・・のうち何れか一つ以上で電線9を切断することで任意の回路を形成することができる。
この切断には例えば図6,7に示すような切断治具20が採用される。この切断治具20は、ブロック状の治具本体21の下部に、下面に開口する軸孔24を穿設し、下面に、軸孔24と連通してその直径方向に固定溝25を凹設した固定刃23と、その固定刃23の軸孔24に回転可能に収容され、下端に、固定刃23の固定溝25と同じ幅及び深さを有する可動溝27を直径方向に凹設した可動刃26とからなる切断刃22,22・・を、電線9の間隔に合わせたピッチで直線上に複数個突設したものである。治具本体21には、図示しないレバーの操作によってスライド動作するスライダ28が収容されて各切断刃22の可動刃26と図示しないリンク部材を介して連結されており、レバーの操作に伴うスライダ28のスライドにより、各可動刃26が、可動溝27が固定溝25と連続状に繋がり、一条の溝を形成する図6及び図7(A)の待機位置と、可動溝27が固定溝25と直交状となる図7(B)の切断位置との間を同調して回転可能となっている。
【0013】
この切断治具20の切断刃22を、図7(A)に示すように、各可動刃26が待機位置となる状態で夫々切断する電線9を固定溝25と可動溝27とに跨って挿入させて、すなわち前記一条の溝内に電線9を挿入させてレバーを操作すると、スライダ28がスライドして各可動刃26を回転させる。すると、電線9における可動溝27への挿入部分9aが追従して回転することで、挿入部分9aの両端が固定刃23と可動刃26との間で剪断され、同図(B)に示す切断位置では、挿入部分9aが軸孔24内において可動溝27の両端で完全に切断される(なお、両端が切断された電線9はハウジング2外へ除去される)。この切断の際には、位置決め治具12のリブ14の退避によって切断スペース10は十分な広さが確保されているので、切断治具20による切断はスムーズになされる。
【0014】
電線9を切断した後、切断治具20をハウジング2から退避させて、最後に各二連端子5に電線9を圧接する。なお、この圧接時には仕切壁8によって電線9の配置は維持される。
こうして図8の如く、切断スペース10内で所定の電線9を一度に切断して分岐回路を形成した圧接ジョイントコネクタ1が得られる。この場合、切断スペース10内では残った電線9の端部間の絶縁距離も大きく確保される。
【0015】
このように、上記形態の圧接ジョイントコネクタ1の製造方法によれば、ハウジング2底部における切断スペース10内に、各電線9の布線部分の両側に位置する透孔11を穿設して、透孔11を貫通可能な複数のリブ14を透孔11の位置に合わせて立設した位置決め治具12を用い、電線9の布線時には、位置決め治具12のリブ14をハウジング2の下方から透孔11を介して電線9の両側に夫々突出させて各電線9の位置決めを行うようにし、電線9の切断時にはリブ14をハウジング2内から退避させるようにしたことで、電線9の誤配線を防止できると共に、布線や切断の際の良好な作業性も維持できる。よって、コストアップが抑制可能となる上、省スペースの圧接ジョイントコネクタも製造可能となる。また、リブ14が電線9の切断時に切断刃22と干渉しないため、電線9のピッチを切断刃22が差し込める最小寸法に設定でき、サイズの小さな圧接ジョイントコネクタでも対応可能となる。
特にここでは、位置決め治具12のリブ14を突出させる透孔11が、電線9の長手方向と直交する方向に略横並びで配置されているので、リブ14が退避した状態で、電線9の長手方向に直交する方向でより広い切断スペースを確保できるようになっている。
【0016】
また、電線9の切断に、端面に開口する軸孔24と、その軸孔24の直径方向で軸孔24と連通するように端面に凹設される固定溝25とを備えた固定刃23と、軸孔24へ回転可能に遊挿され、固定溝25側の端面に、固定溝25と連続状の可動溝27を直径方向に凹設した可動刃26とからなる切断刃22を備えた切断治具20を用いて、切断スペース10内で切断刃22の固定溝25と可動溝27とに跨って所定の電線9を挿入させて可動刃26を回転させることで、当該電線9を長手方向の二点で切断するようにしたことで、小さな切断スペース10でも電線9の切断が可能となり、コンパクトな圧接ジョイントコネクタを製造することができる。また、コンパクトでも切断端部間で十分な絶縁距離を確保できるので、電線端部間を仕切る壁等を設けなくても導通のおそれがなくなる。
【0017】
なお、上記形態の位置決め治具では、ベース上にリブが固定状態で立設されているが、図9に示すような位置決め治具15も考えられる。この位置決め治具15は、治具本体16に形成した複数の有底孔17,17・・に、夫々個別のリブ18を上方から収容して、ハウジング2の透孔11を貫通してハウジング2内に突出する突出位置と、ハウジング2内から退避して有底孔17内に収容される没入位置との間を出没可能に設けると共に、各有底孔17の底部に設けた付勢手段としてのコイルバネ19によって、常態では各リブ18が突出位置へ付勢されるようにしたものである。
一方、切断治具20の治具本体21には、電線9の切断の際に電線9を跨いで両側のリブ18,18に当接し、リブ18を没入位置へ押し込む逆U字状の押し込み部29が、各切断刃22ごとに一対並設されている。
【0018】
よって、この位置決め治具15及び切断治具20を用いて圧接ジョイントコネクタを製造する場合、先述と同様にハウジング2に電線9を布線して二連端子5に圧接した後、突出位置にある各リブ18を透孔11の位置に合わせて位置決め治具15の上にハウジング2をセットすれば、リブ18が透孔11を介して各電線9の両サイドでハウジング2の切断スペース10内に突出する。
次に、切断治具20の切断刃22を切断する電線9の位置まで下降させると、図9のように、押し込み部29が当該電線9の両側のリブ18,18に当接して両リブ18を没入位置へ押し込む。この状態で電線9を切断することになるが、リブ18が没入しても代わりの押し込み部29によって電線9の位置決めはなされているので、電線9のずれは生じない。
【0019】
このように、変更例の圧接ジョイントコネクタの製造方法によっても、電線9の誤配線を防止して布線や切断の際の良好な作業性も維持できる。よって、コストアップが抑制可能となる上、省スペースの圧接ジョイントコネクタも製造可能となる。特にこの例では、位置決め治具15のリブ18を、ハウジング2内への突出位置と、上方からの押し込みによってハウジング2内から退避する没入位置との間で出没可能且つコイルバネ19によって突出位置へ付勢した状態で設ける一方、切断治具20に、電線9の切断時にリブ18に当接して没入位置へ押し込み可能な押し込み部29を設けたことで、電線9の切断時にはリブ18が押し込み部29によって自動的に没入位置へ退避するため、位置決め治具15自体を移動させなくてもリブ18の退避が容易に行える。また、押し込み部29によって切断時の電線9の位置決めも確実に可能となる。
【0020】
その他、上記形態では複数の切断刃を備えた切断治具で電線の切断を行っているが、単一の切断刃を備えた切断治具であっても、切断回数は増えるものの、位置決め治具による切断は可能である。また、このような切断治具としてはニッパー等の周知の工具でも使用して差し支えない。
一方、圧接ジョイントコネクタに設ける収容溝の数は上記形態に限らず増減可能で、圧接端子も、用いる電線の数や必要な分岐回路に応じて三連以上の端子としたり、二連端子と組み合わせたり等、適宜変更可能である。勿論受け刃の数や形状も変更して差し支えない。さらに、インシュレーションバレルも、数を増やしたり、左右の爪を千鳥状に配置したり等の設計変更が可能で、省略することもできる。
【0021】
そして、ハウジング底部に設ける透孔11も、上記形態のような長円状に限らず、図10(A)(B)に示すような円形、(C)に示す四角形、(D)に示す六角形、(E)(F)に示す菱形等、適宜設計変更可能で、電線の布線方向へ複数設けることもできる。勿論位置決め治具のリブの形状も、透孔の形状に合わせて数や形状は適宜変更して差し支えないし、位置決め治具自体を複数使用することもできるが、上記形態や上記図10(C)のように透孔やリブを電線の長手方向に長くなる形状とすれば、仕切壁との隙間が小さくなって誤配線の防止により好適となる。なお、電線9布線方向について透孔11の数は、図10(A)及び(E)に示すように単数であってもよいが、同図(B)(C)(D)(F)に示すように複数であった方が安定して電線9の誤配線を防止することができる。また、押し込み部29は透孔11の数に応じた数あればよいが、同図(A)(E)に示すように、透孔11の数よりも多く設けておき、透孔11の位置変更に備えた構成としてもよい。
また、上記形態では切断スペースを除いてハウジングに仕切壁を部分的に形成して、電線の布線時にのみ位置決め治具を使用するようにしているが、位置決め治具自体の数やリブの配置形態によっては全ての仕切壁を省略して、電線の圧接の際にも位置決め治具を使用して電線の位置決めを図ることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】電線切断前の圧接ジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図2】ハウジングの中央部分の平面図である。
【図3】(A)は二連端子の斜視図で、(B)は電線の圧接状態を示す。
【図4】位置決め治具の説明図で、上が平面、下が電線との直交方向の断面を夫々示す。
【図5】圧接ジョイントコネクタにおいて形成される電気回路の模式図である。
【図6】切断治具の切断刃部分の斜視図である。
【図7】位置決め治具及び切断治具による電線の切断状態を示す説明図で、(A)が待機位置、(B)が切断位置を夫々示し、上が平面、下がA−A線断面となる。
【図8】電線切断後の圧接ジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図9】位置決め治具の変更例を示す説明図で、上が平面、下がB−B線断面となる。
【図10】(A)〜(F)は夫々透孔の変更例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1・・圧接ジョイントコネクタ、2・・ハウジング、3・・収容溝、4・・カバー、5・・圧接端子(二連端子)、6・・受け刃、7・・インシュレーションバレル、9・・電線、10・・切断スペース、11・・透孔、12,15・・位置決め治具、14,18・・リブ、20・・切断治具、21・・治具本体、22・・切断刃、23・・固定刃、26・・可動刃、29・・押し込み部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの両端に複数の圧接端子を夫々配置して、前記両端の圧接端子間に複数の電線を略平行に布線して夫々前記圧接端子に圧接固定し、前記両端の圧接端子間に形成される切断スペース内で切断治具によって所定の電線を切断して分岐回路を形成する圧接ジョイントコネクタの製造方法であって、
前記ハウジング底部における少なくとも前記切断スペース内に、前記各電線の布線部分の両側に位置する透孔を穿設して、前記透孔を貫通可能な複数のリブを前記透孔の位置に合わせて立設した位置決め治具を用い、少なくとも前記電線の布線時には、前記位置決め治具のリブを前記ハウジングの下方から前記透孔を介して前記電線の両側に夫々突出させて前記各電線の位置決めを行うようにし、前記電線の切断時には前記リブを前記ハウジング内から退避させるようにしたことを特徴とする圧接ジョイントコネクタの製造方法。
【請求項2】
位置決め治具のリブを、前記ハウジング内への突出位置と、上方からの押し込みによって前記ハウジング内から退避する没入位置との間で出没可能且つ付勢手段によって前記突出位置へ付勢した状態で設ける一方、
切断治具に、電線の切断時に前記リブに当接して没入位置へ押し込み可能な押し込み部を設けた請求項1に記載の圧接ジョイントコネクタの製造方法。
【請求項3】
位置決め治具のリブを突出させる透孔が、電線の長手方向と直交する方向に略横並びで配置される請求項1又は2に記載の圧接ジョイントコネクタの製造方法。
【請求項4】
位置決め治具のリブは、透孔からハウジング内に突出した際、電線間を仕切るように前記ハウジングに立設された仕切壁と前記電線の長手方向で連続状に繋がるものとなる請求項1乃至3の何れかに記載の圧接ジョイントコネクタの製造方法。
【請求項5】
電線の切断に、端面に開口する軸孔と、その軸孔の直径方向で前記軸孔と連通するように前記端面に凹設される固定溝とを備えた固定刃と、前記軸孔へ回転可能に遊挿され、前記固定溝側の端面に、前記固定溝と連続状の可動溝を直径方向に凹設した可動刃とからなる切断刃を備えた切断治具を用いて、切断スペース内で前記切断刃の前記固定溝と可動溝とに跨って所定の電線を挿入させて前記可動刃を回転させることで、当該電線を切断する請求項1乃至4の何れかに記載の圧接ジョイントコネクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−147180(P2008−147180A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298305(P2007−298305)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】