説明

圧着構造を有する多層薄紙

【課題】糊を使用せずに2層または多層の薄紙を貼り合わせることができる圧着構造を有する多層薄紙を提供する。
【解決手段】圧着構造を有する多層薄紙は、第1の薄紙1aと、少なくとも1つの第2の薄紙1bとを備える。第1の薄紙1aは、第1の積層面F1を有する。少なくとも1つの第2の薄紙1bは、第2の積層面F2を有し、第2の積層面F2と第1の積層面F1とは少なくとも一部が互いに積層され、第1の薄紙1aと第2の薄紙1bとの間に積層エリアを画定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層薄紙の設計に係り、特に圧着構造を有する多層薄紙に関する。
【背景技術】
【0002】
紙ハンカチ、ポケットティッシュ、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、トイレ用ロールペーパーなどの衛生紙製品は、物または身体を拭いて清潔にするために用いる紙製品である。衛生紙製品は、今日、産業分野において様々な用途で大量に使用されている。
【0003】
一般に衛生紙製品は、強度を高めるために、少なくとも1枚の薄紙を基本単位として積層され、製品を使用するときの安定性を高めることができる。そのため、メーカは、ニーズを達成するために、衛生紙製品を加工する際、様々なタイプの方式により、2層または多層の薄紙を貼り合わせ、積層された薄紙がそれぞれの層間で分離しないようにする必要があった。
【0004】
例えば、特許文献1では、少なくとも2層の紙を含み、接着特性が向上された多層紙構造が開示されている。特許文献1では、上層の紙の内面に、少なくとも1つのパターンフレームが設けられ、このパターンフレームの周辺に接着剤を塗布してパターンフレームを突出させ、下層の紙の内面に接着させる。これにより、多層紙を抜き取ったり使用したりするときに、層間で分離することを防ぐことができる。
【0005】
しかし、現在使用されている紙ハンカチ、ポケットティッシュ、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、トイレ用ロールペーパーなどの大部分の衛生紙製品は、2層または多層からなる薄紙を貼り合わせているが、エンボスの模様が単調である。又、従来の衛生紙製品は、糊を使用して2層または多層の薄紙を貼り合わせていたが、糊の使用は環境を汚染する虞があり好ましくなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾実用新案登録第274239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、市販されている様々な衛生紙製品は、メーカが多大な努力により改良を重ねているにもかかわらず、糊を使用して2層または多層の薄紙を貼り合わせる際に生じる問題を解決することはできなかった。即ち、糊により薄紙を接着させる方式は、生産コストを増大させるだけでなく、環境を汚染させる虞があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、糊を使用せずに2層または多層の薄紙を貼り合わせることができる圧着構造を有する多層薄紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、第1の薄紙と、少なくとも1つの第2の薄紙とを備える圧着構造を有する多層薄紙であって、前記第1の薄紙は、第1の積層面を有し、前記少なくとも1つの第2の薄紙は、第2の積層面を有し、前記第2の積層面と前記第1の積層面とは少なくとも一部が互いに積層され、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙との間に積層エリアを画定し、前記積層エリアにロール圧が加えられると、成形方向で所定高さが突出された複数の第1の受圧部が前記第1の薄紙に形成され、前記第1の薄紙の前記第1の受圧部のそれぞれに対応するように、前記第2の薄紙に複数の第2の受圧部が同じ成形方向で形成され、前記第1の受圧部と、前記第1の受圧部に対応した前記第2の受圧部との少なくとも一部のエリアにロール圧が加えられてロール形成された圧着点により、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙とを貼り合わせることを特徴とする、圧着構造を有する多層薄紙である。
【0010】
請求項2の発明は、前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと同じであることを特徴とする、請求項1に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0011】
請求項3の発明は、前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと異なることを特徴とする、請求項1に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0012】
請求項4の発明は、第1の薄紙と、少なくとも1つの第2の薄紙とを備える圧着構造を有する多層薄紙であって、前記第1の薄紙は、第1の積層面を有し、前記少なくとも1つの第2の薄紙は、第2の積層面を有し、前記第2の積層面と前記第1の積層面とは少なくとも一部が互いに積層され、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙との間に積層エリアを画定し、前記積層エリアは、圧着エリアおよびエンボス加工エリアを含み、前記積層エリアにロール圧が加えられると、成形方向で所定高さが突出された複数の第1の受圧部が前記第1の薄紙に形成され、前記第1の薄紙の前記第1の受圧部のそれぞれに対応するように、前記第2の薄紙に複数の第2の受圧部が同じ成形方向で形成され、前記第1の受圧部と、前記第1の受圧部に対応した前記第2の受圧部との少なくとも一部のエリアにロール圧が加えられてロール形成された圧着点により、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙とを貼り合わせ、前記第1の受圧部と、前記第1の受圧部に対応した前記第2の受圧部に前記圧着エリアが形成され、前記積層エリアは、前記圧着エリア外に設けられたエンボス加工エリアを含むことを特徴とする、圧着構造を有する多層薄紙である。
【0013】
請求項5の発明は、前記圧着エリアの前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと同じであることを特徴とする、請求項4に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0014】
請求項6の発明は、前記圧着エリアの前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと異なることを特徴とする、請求項4に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0015】
請求項7の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第1の薄紙は、所定高さを有する少なくとも1つの第3の受圧部を有し、前記第2の薄紙は、前記第3の受圧部に対応した少なくとも1つの第4の受圧部を有することを特徴とする、請求項4に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0016】
請求項8の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第1の薄紙の前記第3の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第3の受圧部の所定高さと同じであることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0017】
請求項9の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第1の薄紙の前記第3の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第3の受圧部の所定高さと異なることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0018】
請求項10の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とによりパターンが形成されることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0019】
請求項11の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とにより文字が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0020】
請求項12の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とにより線が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0021】
請求項13の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とは、貼り合わされずに微細隙間がその間に設けられることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【0022】
請求項14の発明は、前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とは、必要な箇所を選択し、圧着して貼り合わせることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙である。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明の圧着構造を有する多層薄紙は、糊を使用せずに2層または多層の薄紙を貼り合わせることができる圧着構造を有する多層薄紙を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による押圧輪を示す側面図。
【図2】本発明の一実施形態による押圧輪を示す拡大側面図。
【図3】本発明の一実施形態による押圧輪機構を示す正面図。
【図4】本発明の第1実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図。
【図5】本発明の第2実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図。
【図6】本発明の第3実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図。
【図7】本発明の第4実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図。
【図8】本発明の一実施形態による薄紙がロール形成された後の模様を示す模式図。
【図9】本発明の一実施形態による薄紙がロール形成された後の模様を示す模式図。
【図10】本発明の一実施形態による薄紙がロール形成された後の模様を示す模式図。
【図11】本発明の一実施形態による薄紙がロール形成された後の模様を示す模式図。
【図12】本発明の第5実施形態による薄紙のエンボス加工エリアの様々な圧点を示す模式図。
【図13】本発明の第6実施形態による薄紙のエンボス加工エリアの様々な圧点を示す模式図。
【図14】本発明の第7実施形態による薄紙のエンボス加工エリアの様々な圧点を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
図1を参照する。図1は、本発明の一実施形態による押圧輪を示す側面図である。図1に示すように、2層または多層の薄紙1は、第1の薄紙1aおよび少なくとも1つの第2の薄紙1bを含む。第1の薄紙1aおよび第2の薄紙1bは、フィーダルートRの方向で供給され、第1の回転方向R1で回転する凹状エンボス用押圧輪2と、第2の回転方向R2で回転する凸状エンボス用押圧輪3とでロール形成を行うと、多層薄紙1の表面上に様々な模様を形成することができるとともに、第1の薄紙1aと第2の薄紙1bとを貼り合わせることができる。
【0027】
図2を参照する。図2は、本発明の一実施形態による押圧輪を示す拡大側面図である。図2に示すように、凹状エンボス用押圧輪2の輪面上には、少なくとも1つの凹状エンボス圧点21が設けられ、凸状エンボス用押圧輪3の輪面上には、少なくとも1つの凸状エンボス圧点31が設けられている。凹状エンボス用押圧輪2の凹状エンボス圧点21と凸状エンボス用押圧輪3の凸状エンボス圧点31とは互いに対応するように配置され、第1の薄紙1aおよび第2の薄紙1bは、凹状エンボス用押圧輪2と凸状エンボス用押圧輪3との間で発生するロール圧Pにより互いに圧着された後、様々な模様が印刷される。ここで模様とは、線、パターン、文字などを含み、凹状エンボス用押圧輪2および凸状エンボス用押圧輪3の凹点および凸点に対応する箇所に印刷形成される微細な凸点または凹点から構成される。
【0028】
図3を参照する。図3は、本発明の一実施形態による押圧輪機構を示す正面図である。図3に示すように、押圧輪機構100は、凹状エンボス用押圧輪2、凸状エンボス用押圧輪3、楔状ブロック4、調整用ネジ5、伸縮制御装置6および精密ギヤセット7を含む。楔状ブロック4は、調整用ネジ5を回転させることにより、凹状エンボス用押圧輪2と凸状エンボス用押圧輪3とのロール形成の間隔を適宜調整し、各薄紙層をロール形成した後に貼り合わせて模様をきれいに形成する。
【0029】
凹状エンボス用押圧輪2と凸状エンボス用押圧輪3との間でロール形成を行う間隔を調整して固定した後、伸縮制御装置6の作用力により凸状エンボス用押圧輪3の軸受座を押し、凹状エンボス用押圧輪2と凸状エンボス用押圧輪3とによりロール形成を行う際、十分な圧力を提供することができる。凹状エンボス用押圧輪2は、モータ(図示せず)を動力源として用い、ロール形成中の凹状エンボス用押圧輪2は、精密ギヤセット7により凸状エンボス用押圧輪3を回転させることができる。これにより、各凸状エンボス用押圧輪3上の各凸状エンボス圧点31(図2を同時に参照する)が凹状エンボス用押圧輪2上の凹状エンボス圧点21に対向し、凸状エンボス用押圧輪3と凹状エンボス用押圧輪2との輪面によりロール形成を行っても損傷しない。各凸状エンボス圧点31および各凹状エンボス圧点21は、それぞれ微細な凸点および凹点であり、各点のピッチは実際の必要に応じて変えることができる。さらに押圧輪機構100の構造は、生産する製品に応じて変えてもよい。
【0030】
図4〜図7を参照する。図4は、本発明の第1実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図である。図5は、本発明の第2実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図である。図6は、本発明の第3実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図である。図7は、本発明の第4実施形態による圧着構造を有する多層薄紙を示す模式図である。図4に示すように、第1実施形態による圧着構造を有する2層または多層の薄紙1は、第1の薄紙1aおよび少なくとも1つの第2の薄紙1bを含む。第1の薄紙1aは第1の積層面F1を有し、第2の薄紙1bは第2の積層面F2を有する。第2の積層面F2と第1の積層面F1とは、少なくとも一部が互いに積層され、第1の薄紙1aと第2の薄紙1bとの間に積層エリアSが画定される(図2を同時に参照する)。
【0031】
第1の薄紙1aおよび第2の薄紙1bが押圧輪機構100を通過すると、第1の薄紙1aおよび第2の薄紙1bの積層エリアSが、凹状エンボス用押圧輪2と凸状エンボス用押圧輪3との間に発生したロール圧Pによりロール形成され、成形方向Iで所定高さで突出された複数の第1の受圧部11が第1の薄紙1aに形成され、第1の薄紙1aに対応した各第1の受圧部11が第2の薄紙1bに形成されるとともに、成形方向Iと同じ方向で、各第1の受圧部11と、第1の受圧部11に対応した第2の受圧部12の少なくとも一部とが、ロール圧Pにより圧着されて圧着点13がロール形成され、第1の薄紙1aと第2の薄紙1bとが貼り合わされる。第1の受圧部11と、第1の受圧部11に対応した第2の受圧部12とにより圧着エリアAが形成される。本実施形態は、ユーザの必要に応じて薄紙の層数を増やすこともできる(図5に示す)。
【0032】
凸状エンボス用押圧輪3の各凸状エンボス圧点31によりロール形成された後、第2の薄紙1bに形成される第2の受圧部12の所定高さは突出高さD1であり、第1の受圧部11は、第2の受圧部12の突出高さD1に対応した凹部深さE1を有する。凸状エンボス用押圧輪3の各凸状エンボス圧点31(または凹状エンボス用押圧輪2の各凹状エンボス圧点21)は、ピッチP1を有し、突出高さD1、凹部深さE1、ピッチP1および圧点の形状は、薄紙1の特性または必要に応じて適宜調整することができる(図6および図7を同時に参照する)。凹部深さE1は、多層薄紙1のロール形成工程において損傷が発生しないように、例えば0.05〜2.0mmなど適宜な範囲に調整することができる。
【0033】
図8〜図11を参照する。図8〜図11は、本発明の一実施形態による薄紙がロール形成された後の様々な模様を示す模式図である。2層または多層の薄紙1がロール形成された後、積層エリアSは圧着エリアAを含む。圧着エリアAは、第1の薄紙1aの第1の受圧部11と、第2の薄紙1bの第2の受圧部12により圧着された範囲により画定され、2層または多層の薄紙をロール形成して接着し、各紙の層間を完全に貼り合わせることができる。図8に示すように、圧着エリアAは、薄紙製品(例えば、紙ハンカチ、ポケットティッシュ、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、トイレ用ロールペーパーなど)である様々な衛生紙製品に対応した面積を有する。まず、圧輪に設計を施し、積層エリアSは、圧着エリアA外にエンボス加工エリアB(図9〜図11に示す)を有する。このエンボス加工エリアBの中には、2層または多層の薄紙がロール形成された後、単一層または多層からなる高低を有する立体的なパターン8、文字9または線10を形成したり、或いは、図9に示すように如何なる模様も形成せずに平滑な紙面を形成してもよい。この場合、圧着エリアAは、図9に示すように様々な衛生紙(例えば、紙ハンカチ、ポケットティッシュ、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、トイレ用ロールペーパーなど)の周囲に形成される。
【0034】
エンボス加工エリアBには、図10に示すように、全体を平面にしたり、線10だけを形成したりしてもよいし、或いは、図11に示すように、様々なパターン8、文字9または線10を形成したりしてもよい。この様々なパターン8、文字9または線10は、必要に応じてその数および間隔を変えてもよい。つまり、圧着エリアAおよびエンボス加工エリアBは、圧着、エンボス加工、単一層または多層からなり高低を有する立体的なパターン8、文字9、線10などを形成してもよい。
【0035】
図12〜図14を参照する。図12は、本発明の第5実施形態による薄紙のエンボス加工エリアの様々な圧点を示す断面図である。図13は、本発明の第6実施形態による薄紙のエンボス加工エリアの様々な圧点を示す断面図である。図14は、本発明の第7実施形態による薄紙のエンボス加工エリアの様々な圧点を示す断面図である。図12〜図14に示すように、第1の薄紙1aは、所定高さを有する少なくとも1つの第3の受圧部11aを備え、第2の薄紙1bは、第3の受圧部11aに対応した少なくとも1つの第4の受圧部12aを備える。凸状エンボス用押圧輪3の各凸状エンボス圧点31によりロール形成を行うと、第2の薄紙1bに、第4の受圧部12aの所定高さを突出高さD2に形成することができる。第3の受圧部11aは、第4の受圧部12aの突出高さD2に対応した凹部深さE2を有する。凸状エンボス用押圧輪3の各凸状エンボス圧点31(または凹状エンボス用押圧輪2の各凹状エンボス圧点21)はピッチP2を有する。突出高さD2、凹部深さE2、ピッチP2および圧点の形状は、薄紙1の特性または必要に応じて調整し、エンボス加工エリアBに単一層または多層からなり高低を備えた立体的なパターン8、文字9、線10などを形成することができる。凹部深さE2は、例えば0.05〜2.0mmなど、適宜な範囲に制御する必要がある。
【0036】
2層または多層の薄紙1は、必要に応じ、エンボス加工エリアBの第3の受圧部11aと第4の受圧部12aとの間を貼り合わせずに、微細隙間Cを設けてもよい。或いは、必要に応じて、第3の受圧部11aと第4の受圧部12aとを圧着して形成した圧着点13aにより、第3の受圧部11aと第4の受圧部12aとを貼り合わせてもよい。
【0037】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明による特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0038】
1 多層薄紙
1a 第1の薄紙
1b 第2の薄紙
2 凹状エンボス用押圧輪
3 凸状エンボス用押圧輪
4 楔状ブロック
5 調整用ネジ
6 伸縮制御装置
7 精密ギヤセット
8 パターン
9 文字
10 線
11 第1の受圧部
11a 第3の受圧部
12 第2の受圧部
12a 第4の受圧部
13 圧着点
13a 圧着点
21 凹状エンボス圧点
31 凸状エンボス圧点
100 押圧輪機構
A 圧着エリア
B エンボス加工エリア
C 微細隙間
D1 突出高さ
D2 突出高さ
E1 凹部深さ
E2 凹部深さ
F1 第1の積層面
F2 第2の積層面
I 成形方向
P ロール圧
P1 ピッチ
P2 ピッチ
R フィーダルート
S 積層エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の薄紙と、少なくとも1つの第2の薄紙とを備える圧着構造を有する多層薄紙であって、
前記第1の薄紙は、第1の積層面を有し、
前記少なくとも1つの第2の薄紙は、第2の積層面を有し、前記第2の積層面と前記第1の積層面とは少なくとも一部が互いに積層され、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙との間に積層エリアを画定し、
前記積層エリアにロール圧が加えられると、成形方向で所定高さが突出された複数の第1の受圧部が前記第1の薄紙に形成され、前記第1の薄紙の前記第1の受圧部のそれぞれに対応するように、前記第2の薄紙に複数の第2の受圧部が同じ成形方向で形成され、前記第1の受圧部と、前記第1の受圧部に対応した前記第2の受圧部との少なくとも一部のエリアにロール圧が加えられてロール形成された圧着点により、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙とを貼り合わせることを特徴とする、圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項2】
前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと同じであることを特徴とする、請求項1に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項3】
前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと異なることを特徴とする、請求項1に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項4】
第1の薄紙と、少なくとも1つの第2の薄紙とを備える圧着構造を有する多層薄紙であって、
前記第1の薄紙は、第1の積層面を有し、
前記少なくとも1つの第2の薄紙は、第2の積層面を有し、前記第2の積層面と前記第1の積層面とは少なくとも一部が互いに積層され、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙との間に積層エリアを画定し、前記積層エリアは、圧着エリアおよびエンボス加工エリアを含み、
前記積層エリアにロール圧が加えられると、成形方向で所定高さが突出された複数の第1の受圧部が前記第1の薄紙に形成され、前記第1の薄紙の前記第1の受圧部のそれぞれに対応するように、前記第2の薄紙に複数の第2の受圧部が同じ成形方向で形成され、前記第1の受圧部と、前記第1の受圧部に対応した前記第2の受圧部との少なくとも一部のエリアにロール圧が加えられてロール形成された圧着点により、前記第1の薄紙と前記第2の薄紙とを貼り合わせ、前記第1の受圧部と、前記第1の受圧部に対応した前記第2の受圧部に前記圧着エリアが形成され、前記積層エリアは、前記圧着エリア外に設けられたエンボス加工エリアを含むことを特徴とする、圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項5】
前記圧着エリアの前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと同じであることを特徴とする、請求項4に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項6】
前記圧着エリアの前記第1の薄紙の前記第1の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第1の受圧部の所定高さと異なることを特徴とする、請求項4に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項7】
前記エンボス加工エリアの前記第1の薄紙は、所定高さを有する少なくとも1つの第3の受圧部を有し、
前記第2の薄紙は、前記第3の受圧部に対応した少なくとも1つの第4の受圧部を有することを特徴とする、請求項4に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項8】
前記エンボス加工エリアの前記第1の薄紙の前記第3の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第3の受圧部の所定高さと同じであることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項9】
前記エンボス加工エリアの前記第1の薄紙の前記第3の受圧部の所定高さは、前記第1の薄紙の他の第3の受圧部の所定高さと異なることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項10】
前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とによりパターンが形成されることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項11】
前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とにより文字が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項12】
前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とにより線が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項13】
前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とは、貼り合わされずに微細隙間がその間に設けられることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。
【請求項14】
前記エンボス加工エリアの前記第3の受圧部と前記第4の受圧部とは、必要な箇所を選択し、圧着して貼り合わせることを特徴とする、請求項7に記載の圧着構造を有する多層薄紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−216060(P2010−216060A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201951(P2009−201951)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(506051887)全利機械股▲ふん▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】