圧縮工具ジョーセット
側板14と側板16との間に枢動する一対のジョーアーム12を有し、スプリングピン42用にその間に開口を形成する横方向で内側に開いた対向する、スプリングピン窪み40が設けられた内側縁34を有する圧縮工具であって、ピンと関連し閉方向にジョーアームをバイアスさせスプリングピン開口より後方にスプリングピンをバイアスさせるばね48は、ピンがスプリングピン開口から変位させられあるいは対応するピン窪みからジョーアームの外側縁32に向かって外側にジョーアームのうちの少なくとも1つの破損に応答してその中で傾けられるように変更される、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を有する圧縮工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプおよび継手を接合するための圧縮工具の技術に関し、詳細には、それによって圧縮ジョーセットの1つまたは両方の枢動ジョーアーム部材の破損がその圧縮工具のユーザに示される改良に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が関連する性質の圧縮工具は、Amherdの特許6434998に示されている。この種の工具は、それによって一組のジョーアームが変位させられてパイプおよび継手を取り巻いて圧縮して後者を接合する駆動機構に取外し可能に取り付けられた圧縮ジョーセットを含む。このジョーセットは、一対の側板の間に枢動的に取り付けられ、一端部において横方向で内側に開いた対向するジョー窪みおよび両端において横方向で内側に面するカム面を有する一対のジョーアーム部材から成る。ジョーアームはそれの両端の間にジョーアームを介して開口内に配置されたピンの周りに枢動し、ジョーアーム部材はそれの両端の間に横方向に内側縁および外側縁を有する。ジョーアームの内側縁は、内側に開いた対向するスプリングピンおよびスプリング窪みを有し、このスプリング窪みは、スプリングピン、およびピンの前方端部を横切って延在し対応するジョーアームの内面に沿って後方に延在する脚部を有するばねを収容し、それによってジョーアームは互いに接合されるべき加工物に対して閉方向にバイアスさせられる。ジョーセットは、側板によってそのジョーセットに対するある位置で駆動機構に取り付け可能であり、このジョーセットは横方向に、ピボットピンとジョーアームのカム面との間にある。駆動機構は、ジョーアームのカム面に沿って前方および後方に軸方向に変位可能であるカムローラを含み、カム面より前方に変位させられるとカムは、後者に係合し、互いの方へおよびその間に介在するパイプおよび継手を取り巻いて締め付け可能に対向するジョー窪みを変位させる。パイプおよび継手を圧縮的に接合するジョーセットの作動中に、ピボットピン開口とそれの内側縁との間の、およびジョー窪みとそれのカム面との間の内側縁に沿ったジョーアーム部材のそれぞれの部位は張力下にあり、ピボットピン開口より外側で横方向のジョーアームの部位は圧縮下にある。また側板には、ジョー窪みの間に圧縮係合を生じるようにピボットピンの周りのジョーアーム部材の枢動的な変位により側板に対してピボットピンを介して横方向で外側に向けられた力が強いられるので、ジョーセットの作動中に応力が加えられる。
【0003】
ジョーセットの寿命の間のある時点で破損が生じる。このような破損はジョーセットの側板においてあるいはジョーアーム部材において起ることがある。ジョーアーム部材の破損に関して後者は、それの内側縁に沿ったある位置での疲労亀裂、およびこの疲労亀裂からそれの外側縁に向かうジョーアームの破断によって開始される。疲労亀裂の位置、およびそこからの破断の方向を制御するための意図的に設計された構造がないと、例えば、2003年2月12日に出願され本出願と同一の譲受人に譲渡された同時係属中の特許出願第10/364008号(その開示は背景技術情報として本明細書に組み込まれる)に示されるように、疲労亀裂の位置およびそこからの破断の方向は予言できない。Amherdの特許に示される異なるサイズの、および構造の38個のジョーアーム部材の試験の際、各サイズのジョーアームの大多数が、スプリングピン窪みからジョーアームを介してピボットピン開口まで、またはスプリングピン窪みからジョーアームを横切ってそれの外側縁に向かって破損することが注目された。さらに、スプリングピン開口より外側のこの種の破損は、スプリングピンおよびピン窪み、ならびにそれより外側のジョーアームの部位がジョーセットの側板によって覆い隠されるので圧縮工具のユーザには見えない。したがって、圧縮工具のユーザがこのような破損に気づくようになる時まで、いくつかの容認できない特大のひだが作られることがあり、それの取り替えは不必要に時間がかかり高価である。ピンスプリングは対向するピン窪みによって画定されるピン開口より後方にピンをバイアスさせ、破断後のジョーアームの変形は、ばねがピン開口からピンを押し出すようにこの窪みが十分に離れて広がるようなものである。これは圧縮工具のユーザに破損を目で見えるように示すが、ピンを押し出すために必要な大きさになるまでのこのような変形は、いくつかの容認できない特大のひだを作ることによって先行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方は、スプリングピン開口から外側に破断後に、容認できない特大のひだを作るより以前にスプリングピンがばねによって開口から押し出され、または開口内のスプリングピンの姿勢がそれに対して傾けられてジョー窪みを開く方向にジョーアームの相対変位をロック(jam)するように変更される。これらの事象のいずれかが発生すると、圧縮工具のオペレータに直ちに破損を示す。この変更または複数の変更は、破断がピン開口から外側に隔たった箇所に到達するより以前にジョーアームの間の相対的な変形が受け入れられる量であることに基礎を置くものであり、それを超えて変形すると容認できない特大のひだが作られるようになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、スプリングピン開口は、対向するピン窪みの一方または両方の後端部から材料を取り除くことによって変更され、破断がそれを超えて容認できないひだが作られる箇所に達すると、ばねは、ピン開口からピンを押し出して、破損についてユーザに目に見え触知できる指示を行う。
【0006】
本発明の他の態様によれば、スプリングピンは、破断がピン開口より外側の箇所に到達するのに応じて、スプリングピン開口に対してその作動位置から変位させられるように変更され、それによってジョーアームは開方向に相対変位に抗してロックされ、それによって破損がオペレータに示される。詳細にはこの点で、ピン(このピンは変更前には円筒形で所与の長さおよび直径を有する)はそれの所与の長さを減少することによって変更され得る。破断時および続いて互いに対してピン窪みを広げることになる変形時に、開口内のピンの安定性が減少され、ばねが、開口内で傾いた姿勢にピンをバイアスさせ、したがってジョー窪みを開く方向にジョーアームの相対変位をロックする。また、スプリングピンを傾けること、したがってジョーアームをロックすることは、それの両端でピンの輪郭を変更することによって促進され得る。この点で、例えば、ピン軸に直角な平面によって画定されるように初めに製作されたピンの両端は、円錐形または截頭円錐状の輪郭、あるいはドーム状の輪郭を設けるように変更され得る。スプリングピンの他の可能な変更はそれの所与の直径を減少することであり、対向するスプリングピン窪みの一方または両方の後端部から材料を取り除くこと単独で、またはその組合せで、ばねは、破断がピン窪みから外側に隔たった基準点に達するとこの開口からピンを押し出すことになる。
【0007】
後でより詳細に説明するように、上述の方法で破損を示す構成は、スプリングピン窪みでの応力によりこの窪みからそれの外側の箇所までアームの破断になることを判定するためにジョーアームを分析すること、および、好ましくはピボットピン開口、後者が外側の箇所もしくは基準点に達すると破断に沿ってアームの変形の受け入れられる量を判定すること、および変形の受け入れられる量に達すると後者がその作動位置から変位させられるようにスプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を変更することによって実現される。
【0008】
したがって、本発明の顕著な目的は、容認できない特大のひだを作ることになる圧縮工具の作動より以前に、圧縮工具のユーザにそれのジョーアームのうちの少なくとも1つの破損の指示を提供することである。
【0009】
他の目的は、スプリングピンがこの開口から押し出され、またはこの開口に対して変位させられそれによりジョー窪みを開く方向に相対変位に抗してジョーアームをロックして次いで圧縮工具のオペレータに破損を示すように、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方の構造的変更を用いてその間にスプリングピンおよびスプリングピン開口を有する圧縮工具のジョーセットのジョーアームを提供することである。
【0010】
他の目的は、容認できない特大のひだを作ることになるジョーセットの作動より以前に、オペレータにジョーセットの破損を示すための圧縮工具のジョーセットのスプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を変更する方法を提供することである。
【0011】
上述の目的および他の諸目的は、一部は自明であり一部は添付図面に示す本発明の好ましい実施形態の記載とともに以下により十分に指摘されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次いで図面をより詳細に参照すると、ここに示すことは、本発明の好ましい実施形態を示すためだけであり、本発明を限定するためではなく、図1から図3は、対応するピボットピン18によって、それぞれ天側板14と底側板16との間に、図1および図2に示す向きに取り付けられた一対のジョーアーム部材12を含むジョーセット10を示す。ジョーアーム部材12のそれぞれは、上側面20および下側面22、ならびに対応するピン18を収容するための貫通するピボットピン開口24を有する。側板14および側板16は概ねT字形であり、それぞれ対向する両側部14aおよび対向する両側部16aを横方向に有し、これらの対向する両側部には対応するピン18の外端部を収容するための位置合わせされた穴26が設けられる。側板14および側板16はさらに、それぞれ後端部14bおよび後端部16bを含み、これらの後端部には位置合わせされた貫通開口28が設けられ、この開口28はジョーセットがよく知られた方法で駆動ユニットに取り付けられる取付けピンを収容するように構成される。ジョーアーム部材および側板は、ピン18のそれぞれの両端でスプリングクリップ30によって組み立てた状態で保持される。
【0013】
ジョーアーム部材12のそれぞれは、長手方向に対向する前端部12aおよび後端部12bをそれぞれ有し、各ジョーアームはさらに横方向に外側縁32および内側縁34をそれぞれ含み、この外側縁32および内側縁34は開口24から隔たっておりこの開口から前方および後方に延在する。ジョーアーム部材の内側縁34は、前端部12aのところでおよび側板14および側板16より前方に、横方向に内側に開いた対向するジョー窪み36、ならびに後端部12bのところでおよび上記側板の後端部より後方に、横方向に内側に面するカム面38になる。ジョーアームの内側縁34には対向する内側に開いたスプリングピン窪み40が設けられ、このスプリングピン窪み40はともに、軸Aを有するスプリングピン42用のスプリングピン開口を画定する。Amherdの特許に示される構造の1−1/4インチのジョーセットの場合、ジョーアームは18mmの呼び厚さを有する。スプリングピンは18mmの所与の呼び長さを有し、スプリングピン窪みは5mmの呼び半径を有し、ピンは10mmの所与の呼び直径を有し、ピンは、図2に示すように側板とピン窪みとの間に軸方向および横方向に捕捉される。ジョーアーム部材の内側縁34にはさらに、円弧状の前端部46を有する対応するピンスプリング窪み44が設けられ、この窪みは、閉鎖された端部50を有するねじりばね48を収容し、このねじりばね48はピン42の周りにコイル状に巻かれ、窪み部分46内のピン前端部を横切って延在する。窪み44はさらにばね脚部52を収容し、このばね脚部52は、閉鎖された端部50の横方向に対向する両側部から、対応するジョーアームの内側縁34に沿って後方に延在する。
【0014】
使用時に、ジョーセット10は、ピンによってよく知られた方法で駆動機構に取り付けられ、このピンは駆動機構に取り付けられ側板開口28に収容される。次いで、ジョーアーム部材の端部12bが、ばね48のバイアス力に抗してピン18の周りにアーム部材を枢動するように互いの方へ手動で変位させられて、圧縮されるべきパイプおよび継手を収容するようにジョー窪み36を開き、ジョーアーム部材を解放すると、ばね48はパイプおよび継手の周りでジョー窪みを閉鎖する。次いで、駆動ユニットは、その上のカムローラがジョーセットより軸方向に、前方に前進して同時にカム面38に係合するように動かされて、ジョー窪み36がパイプおよび継手をともに圧縮するようにピン18の周りにジョーアーム部材12を変位させる。その後、駆動ユニットはカムローラを引っ込めるように動かされ、ジョーアーム部材は再びばね48のバイアス力に抗して手動で変位させられて、ジョー窪みを開いて圧縮されたパイプおよび継手からジョーセットを取り除くことができる。
【0015】
前に述べたように、上述の構造および異なるサイズの38個のジョーアーム部材が破損の部位を確認する努力の中で試験され、破損の75%から86%がピン窪みからピボットピン開口24までの部位Fに起った。本明細書においてさらに述べるように、および図1から理解されるように、ジョーアームのこの部位の破損は、この部位全体が側板14および側板16によって覆い隠されるので圧縮工具のユーザには見えない。図4で分かるように、破損はピン窪み40の疲労亀裂FCから開始し、図5に示すようにピボットピン開口24まで破断FRの形で続く。いったん破断がピボットピン開口24に達すると、圧縮工具の作動を続けると破断されたアームが変形し、破断が広がり、これによりその後作られるひだは容認できない。詳細にはこの点で、破断FRがピボットピン開口に達すると、ピボットピン開口とそれの外側縁との間のジョー部材の部分12cはヒンジ効果を与え、そのためにその後、駆動ユニットのカムローラによってジョーアームの端部12bの横方向に外向きの変位は、破断より前方の部分に対して外向きの、破断より後方のジョーアームの部分の変位となり、したがって受け入れられるひだを作る能力を失うことにつながる。破断が最初にピボットピン開口に達すると、部位12cに対するアームの変形により、ばねがピン開口からピンを押し出すのに必要な大きさまでスプリングピン窪み40は横方向に分離されない。さらに本明細書で述べるように、この変形がスプリングピンを押し出すのに十分になるまでには容認できない特大のひだが作られてしまっているであろう。
【0016】
本発明によれば、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方は、破断がピボットピン開口24に達した後にジョーアームの変形が受け入れられる量に達すると、圧縮工具のユーザがジョーアームの部位Fの破損に気づかされるように構造的に変更される。後に明らかになるように、このような変更または複数の変更とは、ジョー窪みを開く方向に相対変位に抗してジョーアームをロックするように、ピン開口から後方にスプリングピンをばねが押し出すこと、またはこの開口に対してばねがスプリングピンを変位させることになるであろう。詳細には破損を指示する所与のモードの設計に関しては、まず図面の図4および図5を参照すると、ジョーアーム12のうちの少なくとも1つは、それのスプリングピン窪みでの応力がこの窪み内の疲労亀裂FCによってスピリングピン窪みのところで開始される破損になることを判定するように分析される。このような分析は、例えば、手動計算によって、またはひずみゲージによって行われ得る。この分析が、スプリングピン窪みのところで破損が開始されそうであるということを示す場合、このような破損は物理試験によって確認され得る。この種の試験は、スプリングピン窪みおよびスプリングピンが目に見えるように側板のうちの1つの部分を取り除くことによって、初期の疲労亀裂を見るという目的で観察され得る。
【0017】
ジョーアームがスプリングピン開口の部位から弱まることがある、または弱まるであろうと判定した後に、破損の態様が評価される。この点で、破損は疲労亀裂FCのところで開始され、アームは、疲労亀裂からジョーアームの外側縁32に向かって疲労亀裂から隔たった箇所まで破断線FRに沿って破壊される。たぶん、および好ましくは、そこまで破断が延在する箇所は図5に示すようにピボットピン開口24である。破断がピボットピン開口に達すると、壊れたジョーアームの変形が判定される必要がある。この点で、ヒンジ部位12cの周りのジョーアームの端部12bの可塑性または延性的な変形が望まれ、部位12cのジョーアーム部分の脆性剥離ではない。所要のヒンジ効果が図5に示され、その中に破断前および破断後の端部12bの位置がそれぞれ破線および実線で示されている。ひだを作る時のジョーアームの部位12cの材料の応力は、FEAまたは手計算を用いて、あるいは変形が起るかどうかを見るために壊れたジョーセットでひだを作ることによって判定され得る。この部品が変形しない場合、設計の変更が、この部品の延性的な変形を確実にするように材料の降伏強さを小さくすることなどによって行われ得る。
【0018】
いったん所望の変形が起ることが判定されると、次いで容認できないひだが作られる前に起り得る変形の量が判定される。これは、例えば、スプリングピン窪みからジョーアームのピボットピン開口まで鋸カットにより破断を模倣することによって、次いでジョーセットのジョーアームを用いて結合金具に1つまたは複数のひだを作ることによって実現され得る。クリンピング操作が続いている間は破断が広がり、受け入れられる変形の量は、受け入れられるひだを実現するのに要求される力が得られないクリンピング操作が試みられる直前に生じる。ジョーアーム部品の使用を通して変形の量を判定することが好ましく、スプリングピン窪みからピボットピン穴までカットの形で破断のモデリングがこの目的のために行われ得る。そこで連結するの際の困難性には、後者の位置はジョーアームの後端部が結合金具に伝達できる力の量に依存するのでクリンプされている結合金具に関してジョー窪みの位置を判定することがある。後者は、ジョーアームの材料の降伏強さを用いて、および結合金具のところで等価な力によって変換して、次いで後者を結合金具について力対変位曲線と比較して判定され得る。ジョー窪みの状態は、結合金具をクリンプするのに要求される力がジョーアーム材料の降伏強さに達するのに要求される力を超える時に判定される。
【0019】
いったん受け入れられる変形の量が判定されると、部品の配置は、受け入れられる変形の箇所に達するとピン開口からスプリングピンを押し出すこと、またはピンがジョー窪みを開く方向に変位に抗してジョーアームをロックするように後者のところでねじりばねによってピン開口内のピンを傾けることを実現するのに必要なスプリングピン開口および/またはスプリングピンの変更を判定するように行われ得る。この配置は、図5および図6に示すように、1つの壊れたおよび変形したジョー部材、ならびに1つの壊れていないジョー部材を用いて行われる。特に図6に関して、スプリングピン窪み40は対向する前端部54および対向する後端部56を有し、前に述べたようにスプリングピンを押し出しまたはジョーアームをロックさせるスプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を変更するためのバイアスを与えるのは、ジョーアームの受け入れられる変形に達する箇所での後端部56の間の距離である。図6に関して、ジョーセットの破損時にスプリングピンの押出しを実現するようにスプリングピン開口を変更することが決定されると仮定すると、材料は、後端部56のそれぞれから破線58によって識別される位置まで横方向で外側に研削などによって取り除かれ、変形の受け入れられる量に達するとその間の距離がピン開口から後方にスプリングピンの押出しを可能にする。材料は、破損前にピン開口内のピンの安定性を最適にするように、ピン窪みの両方の後端部から取り除かれることが好ましい。さらに、ピンの所与の直径を小さくして後者(ピン)の押出しに備えながら材料をピン窪みの後端部から取り除くことができ、またはピンだけが押出しを実現する直径に小さくされ得るが、ピンの所与の直径を維持して、やはり、破損前にジョーセットの作動中に後者を安定化することが好ましい。いったん取り除かれるべき材料の量が判定されると、図7に示されるように、材料をそこから取り除いた2つの壊れていないジョーアームが配置されて、破損前にスプリングピンがピン開口に保持されることを確認する。
【0020】
図面の図8に関して、開示されたジョーセットで使用のために製作されるようなスプリングピン42は、側板14と側板16との間に所与の長さL、および所与の直径Dを有する。上述のようにスプリングピン開口の変更と関連して、ピンの所与の直径Dは寸法D1で示されるように減少されることができ、これは破損時にばねの(による)押出しを実現するようにスプリングピン窪みの後端部から材料を取り除くことと関連する。また、破損が生じる時にピン窪みの後端部から材料を取り除くことなくピン開口からピンの押出しに備えるように、直径D2で示されるようなD1よりも小さい直径を与えるようにピンの所与の直径を減少することができる。しかし、やはり所与のピン直径を維持しまたは厳密に維持して、ジョーセットの使用中および破損前にピン開口内で後者の安定性を最適化することが好ましい。
【0021】
図8、図9、および図10はスプリングピンの変更を示し、それによって、破断によりばねがピンをピン開口内で傾いた姿勢にバイアスさせることになった後ジョーアームの変形が受け入れられる量に達する時に、その中でピンは図11に示されるようにジョー窪みを開く方向に、相対的な枢動変位に抗してジョーをロックする。ジョーアームをこのように傾けてロックすることは、図8および図11に示されるようにピンの所与の長さを長さL1に短くすることによって実現され得る。さらに、この傾けてロックすることは、図9および図10に示されるようにピンの両端を変更することによって促進され得る。詳細にはこの点で、ピン軸に直角な平面であるスプリングピンの両端には(それの所与の輪郭に関して)、図9の破線で示されるような円錐形の端部、または図9の実線で示されるような截頭円錐状の端部、あるいは図10で示されるようなドーム状の端部が設けられる。図9および図10のピンの直径は所与の直径Dであり、ドーム状の端部はピンの直径に対応する曲率半径を有する球状であることが好ましい。本明細書で説明されたピン42については、18mmの所与の長さおよび10mmの所与の直径を有するような図1から図3に関して、短くされた長さL1は13.5mmである。図9に示される截頭円錐状の端部の形状構成に関しては、長さL2は17.8mm、長さL3は13.5mmであり、直径D3は2mmである。円錐形、截頭円錐状、およびドーム状の端部の形状構成の長さL2は所与の長さよりも僅かに短くて、スプリングピン開口内で傾けられるように後者について側板とスプリングピンとの間で十分なクリアランスを与える。さらに、円錐形および截頭円錐状の形状構成では、長さL3の端部での縁は面取りされ得る。
【0022】
好ましい実施形態の構成部品の間の構造、および構造上の相互関係を本明細書においてかなり強調したが、他の実施形態が構成されることができ、本発明の原理から逸脱することなく好ましい実施形態において多くの変更が行われ得ることが理解されよう。この点で、例えば、バイアスばねは、スプリングピンの前方端部を横切って延在するそれの閉鎖された端部を有するヘアピン形状であることができる。さらに、特定のジョーアーム構成での破断がスプリングピン窪みからピボットピン開口より前方および後方の箇所まで延在する場合、ジョーアームは破断の終点とジョーアームの外側縁との間の材料に関して変形させ、ピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方の変更はスプリングピンの押出しを実現し、またはスプリングピン開口内でそれを傾けて本発明による破損を示すように判定され得ることが理解されよう。さらに、スプリングピンおよびスプリングピン開口を有さない、本発明が目的とする性質の圧縮工具のジョーアームは、本発明による破損を示すジョーアームを設計可能にするようにこの点で変更され得る。その上、変更されたスプリングピンは最初のピンの変更であることができ、あるいは変更された輪郭で製造されることができる。したがって前に述べた事柄は、限定としてではなく本発明の例示としてのみ解釈されるべきであり、添付の請求の範囲または本発明の均等物の範囲に入る限りにおいて他の実施形態、および好ましい実施形態のすべての変更を含む意図であることを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明が対象とする性質のジョーアームを含むジョーセットの平面図である。
【図2】図1の線2−2沿いに取った断面立面図である。
【図3】天側板を取り除いた図1に示すジョーセットの平面図であり、一組のジョーアームの典型的な破断線を示す図である。
【図4】側板、スプリングピン、およびばねを取り除いた図1に示すジョーセットの平面図であり、ピン窪みの疲労亀裂を示す図である。
【図5】図4に示すジョーセットの平面図であり、スプリングピン窪みのところで開始された破断がピボットピン開口に達した時のジョーアームの歪みを示す図である。
【図6】破断後のスプリングピン窪みの歪み、およびそれに対するスプリングピンの変位を示す拡大平面図である。
【図7】ピン開口の変更後のスプリングピン窪みの拡大平面図である。
【図8】本発明によるスプリングピンの変更を示す図である。
【図9】本発明によるスプリングピンの変更を示す図である。
【図10】本発明によるスプリングピンの変更を示す図である。
【図11】図6の線11−11に沿った断面図であり、ピン開口内で傾いた姿勢の変更されたスプリングピンを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプおよび継手を接合するための圧縮工具の技術に関し、詳細には、それによって圧縮ジョーセットの1つまたは両方の枢動ジョーアーム部材の破損がその圧縮工具のユーザに示される改良に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が関連する性質の圧縮工具は、Amherdの特許6434998に示されている。この種の工具は、それによって一組のジョーアームが変位させられてパイプおよび継手を取り巻いて圧縮して後者を接合する駆動機構に取外し可能に取り付けられた圧縮ジョーセットを含む。このジョーセットは、一対の側板の間に枢動的に取り付けられ、一端部において横方向で内側に開いた対向するジョー窪みおよび両端において横方向で内側に面するカム面を有する一対のジョーアーム部材から成る。ジョーアームはそれの両端の間にジョーアームを介して開口内に配置されたピンの周りに枢動し、ジョーアーム部材はそれの両端の間に横方向に内側縁および外側縁を有する。ジョーアームの内側縁は、内側に開いた対向するスプリングピンおよびスプリング窪みを有し、このスプリング窪みは、スプリングピン、およびピンの前方端部を横切って延在し対応するジョーアームの内面に沿って後方に延在する脚部を有するばねを収容し、それによってジョーアームは互いに接合されるべき加工物に対して閉方向にバイアスさせられる。ジョーセットは、側板によってそのジョーセットに対するある位置で駆動機構に取り付け可能であり、このジョーセットは横方向に、ピボットピンとジョーアームのカム面との間にある。駆動機構は、ジョーアームのカム面に沿って前方および後方に軸方向に変位可能であるカムローラを含み、カム面より前方に変位させられるとカムは、後者に係合し、互いの方へおよびその間に介在するパイプおよび継手を取り巻いて締め付け可能に対向するジョー窪みを変位させる。パイプおよび継手を圧縮的に接合するジョーセットの作動中に、ピボットピン開口とそれの内側縁との間の、およびジョー窪みとそれのカム面との間の内側縁に沿ったジョーアーム部材のそれぞれの部位は張力下にあり、ピボットピン開口より外側で横方向のジョーアームの部位は圧縮下にある。また側板には、ジョー窪みの間に圧縮係合を生じるようにピボットピンの周りのジョーアーム部材の枢動的な変位により側板に対してピボットピンを介して横方向で外側に向けられた力が強いられるので、ジョーセットの作動中に応力が加えられる。
【0003】
ジョーセットの寿命の間のある時点で破損が生じる。このような破損はジョーセットの側板においてあるいはジョーアーム部材において起ることがある。ジョーアーム部材の破損に関して後者は、それの内側縁に沿ったある位置での疲労亀裂、およびこの疲労亀裂からそれの外側縁に向かうジョーアームの破断によって開始される。疲労亀裂の位置、およびそこからの破断の方向を制御するための意図的に設計された構造がないと、例えば、2003年2月12日に出願され本出願と同一の譲受人に譲渡された同時係属中の特許出願第10/364008号(その開示は背景技術情報として本明細書に組み込まれる)に示されるように、疲労亀裂の位置およびそこからの破断の方向は予言できない。Amherdの特許に示される異なるサイズの、および構造の38個のジョーアーム部材の試験の際、各サイズのジョーアームの大多数が、スプリングピン窪みからジョーアームを介してピボットピン開口まで、またはスプリングピン窪みからジョーアームを横切ってそれの外側縁に向かって破損することが注目された。さらに、スプリングピン開口より外側のこの種の破損は、スプリングピンおよびピン窪み、ならびにそれより外側のジョーアームの部位がジョーセットの側板によって覆い隠されるので圧縮工具のユーザには見えない。したがって、圧縮工具のユーザがこのような破損に気づくようになる時まで、いくつかの容認できない特大のひだが作られることがあり、それの取り替えは不必要に時間がかかり高価である。ピンスプリングは対向するピン窪みによって画定されるピン開口より後方にピンをバイアスさせ、破断後のジョーアームの変形は、ばねがピン開口からピンを押し出すようにこの窪みが十分に離れて広がるようなものである。これは圧縮工具のユーザに破損を目で見えるように示すが、ピンを押し出すために必要な大きさになるまでのこのような変形は、いくつかの容認できない特大のひだを作ることによって先行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方は、スプリングピン開口から外側に破断後に、容認できない特大のひだを作るより以前にスプリングピンがばねによって開口から押し出され、または開口内のスプリングピンの姿勢がそれに対して傾けられてジョー窪みを開く方向にジョーアームの相対変位をロック(jam)するように変更される。これらの事象のいずれかが発生すると、圧縮工具のオペレータに直ちに破損を示す。この変更または複数の変更は、破断がピン開口から外側に隔たった箇所に到達するより以前にジョーアームの間の相対的な変形が受け入れられる量であることに基礎を置くものであり、それを超えて変形すると容認できない特大のひだが作られるようになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、スプリングピン開口は、対向するピン窪みの一方または両方の後端部から材料を取り除くことによって変更され、破断がそれを超えて容認できないひだが作られる箇所に達すると、ばねは、ピン開口からピンを押し出して、破損についてユーザに目に見え触知できる指示を行う。
【0006】
本発明の他の態様によれば、スプリングピンは、破断がピン開口より外側の箇所に到達するのに応じて、スプリングピン開口に対してその作動位置から変位させられるように変更され、それによってジョーアームは開方向に相対変位に抗してロックされ、それによって破損がオペレータに示される。詳細にはこの点で、ピン(このピンは変更前には円筒形で所与の長さおよび直径を有する)はそれの所与の長さを減少することによって変更され得る。破断時および続いて互いに対してピン窪みを広げることになる変形時に、開口内のピンの安定性が減少され、ばねが、開口内で傾いた姿勢にピンをバイアスさせ、したがってジョー窪みを開く方向にジョーアームの相対変位をロックする。また、スプリングピンを傾けること、したがってジョーアームをロックすることは、それの両端でピンの輪郭を変更することによって促進され得る。この点で、例えば、ピン軸に直角な平面によって画定されるように初めに製作されたピンの両端は、円錐形または截頭円錐状の輪郭、あるいはドーム状の輪郭を設けるように変更され得る。スプリングピンの他の可能な変更はそれの所与の直径を減少することであり、対向するスプリングピン窪みの一方または両方の後端部から材料を取り除くこと単独で、またはその組合せで、ばねは、破断がピン窪みから外側に隔たった基準点に達するとこの開口からピンを押し出すことになる。
【0007】
後でより詳細に説明するように、上述の方法で破損を示す構成は、スプリングピン窪みでの応力によりこの窪みからそれの外側の箇所までアームの破断になることを判定するためにジョーアームを分析すること、および、好ましくはピボットピン開口、後者が外側の箇所もしくは基準点に達すると破断に沿ってアームの変形の受け入れられる量を判定すること、および変形の受け入れられる量に達すると後者がその作動位置から変位させられるようにスプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を変更することによって実現される。
【0008】
したがって、本発明の顕著な目的は、容認できない特大のひだを作ることになる圧縮工具の作動より以前に、圧縮工具のユーザにそれのジョーアームのうちの少なくとも1つの破損の指示を提供することである。
【0009】
他の目的は、スプリングピンがこの開口から押し出され、またはこの開口に対して変位させられそれによりジョー窪みを開く方向に相対変位に抗してジョーアームをロックして次いで圧縮工具のオペレータに破損を示すように、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方の構造的変更を用いてその間にスプリングピンおよびスプリングピン開口を有する圧縮工具のジョーセットのジョーアームを提供することである。
【0010】
他の目的は、容認できない特大のひだを作ることになるジョーセットの作動より以前に、オペレータにジョーセットの破損を示すための圧縮工具のジョーセットのスプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を変更する方法を提供することである。
【0011】
上述の目的および他の諸目的は、一部は自明であり一部は添付図面に示す本発明の好ましい実施形態の記載とともに以下により十分に指摘されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次いで図面をより詳細に参照すると、ここに示すことは、本発明の好ましい実施形態を示すためだけであり、本発明を限定するためではなく、図1から図3は、対応するピボットピン18によって、それぞれ天側板14と底側板16との間に、図1および図2に示す向きに取り付けられた一対のジョーアーム部材12を含むジョーセット10を示す。ジョーアーム部材12のそれぞれは、上側面20および下側面22、ならびに対応するピン18を収容するための貫通するピボットピン開口24を有する。側板14および側板16は概ねT字形であり、それぞれ対向する両側部14aおよび対向する両側部16aを横方向に有し、これらの対向する両側部には対応するピン18の外端部を収容するための位置合わせされた穴26が設けられる。側板14および側板16はさらに、それぞれ後端部14bおよび後端部16bを含み、これらの後端部には位置合わせされた貫通開口28が設けられ、この開口28はジョーセットがよく知られた方法で駆動ユニットに取り付けられる取付けピンを収容するように構成される。ジョーアーム部材および側板は、ピン18のそれぞれの両端でスプリングクリップ30によって組み立てた状態で保持される。
【0013】
ジョーアーム部材12のそれぞれは、長手方向に対向する前端部12aおよび後端部12bをそれぞれ有し、各ジョーアームはさらに横方向に外側縁32および内側縁34をそれぞれ含み、この外側縁32および内側縁34は開口24から隔たっておりこの開口から前方および後方に延在する。ジョーアーム部材の内側縁34は、前端部12aのところでおよび側板14および側板16より前方に、横方向に内側に開いた対向するジョー窪み36、ならびに後端部12bのところでおよび上記側板の後端部より後方に、横方向に内側に面するカム面38になる。ジョーアームの内側縁34には対向する内側に開いたスプリングピン窪み40が設けられ、このスプリングピン窪み40はともに、軸Aを有するスプリングピン42用のスプリングピン開口を画定する。Amherdの特許に示される構造の1−1/4インチのジョーセットの場合、ジョーアームは18mmの呼び厚さを有する。スプリングピンは18mmの所与の呼び長さを有し、スプリングピン窪みは5mmの呼び半径を有し、ピンは10mmの所与の呼び直径を有し、ピンは、図2に示すように側板とピン窪みとの間に軸方向および横方向に捕捉される。ジョーアーム部材の内側縁34にはさらに、円弧状の前端部46を有する対応するピンスプリング窪み44が設けられ、この窪みは、閉鎖された端部50を有するねじりばね48を収容し、このねじりばね48はピン42の周りにコイル状に巻かれ、窪み部分46内のピン前端部を横切って延在する。窪み44はさらにばね脚部52を収容し、このばね脚部52は、閉鎖された端部50の横方向に対向する両側部から、対応するジョーアームの内側縁34に沿って後方に延在する。
【0014】
使用時に、ジョーセット10は、ピンによってよく知られた方法で駆動機構に取り付けられ、このピンは駆動機構に取り付けられ側板開口28に収容される。次いで、ジョーアーム部材の端部12bが、ばね48のバイアス力に抗してピン18の周りにアーム部材を枢動するように互いの方へ手動で変位させられて、圧縮されるべきパイプおよび継手を収容するようにジョー窪み36を開き、ジョーアーム部材を解放すると、ばね48はパイプおよび継手の周りでジョー窪みを閉鎖する。次いで、駆動ユニットは、その上のカムローラがジョーセットより軸方向に、前方に前進して同時にカム面38に係合するように動かされて、ジョー窪み36がパイプおよび継手をともに圧縮するようにピン18の周りにジョーアーム部材12を変位させる。その後、駆動ユニットはカムローラを引っ込めるように動かされ、ジョーアーム部材は再びばね48のバイアス力に抗して手動で変位させられて、ジョー窪みを開いて圧縮されたパイプおよび継手からジョーセットを取り除くことができる。
【0015】
前に述べたように、上述の構造および異なるサイズの38個のジョーアーム部材が破損の部位を確認する努力の中で試験され、破損の75%から86%がピン窪みからピボットピン開口24までの部位Fに起った。本明細書においてさらに述べるように、および図1から理解されるように、ジョーアームのこの部位の破損は、この部位全体が側板14および側板16によって覆い隠されるので圧縮工具のユーザには見えない。図4で分かるように、破損はピン窪み40の疲労亀裂FCから開始し、図5に示すようにピボットピン開口24まで破断FRの形で続く。いったん破断がピボットピン開口24に達すると、圧縮工具の作動を続けると破断されたアームが変形し、破断が広がり、これによりその後作られるひだは容認できない。詳細にはこの点で、破断FRがピボットピン開口に達すると、ピボットピン開口とそれの外側縁との間のジョー部材の部分12cはヒンジ効果を与え、そのためにその後、駆動ユニットのカムローラによってジョーアームの端部12bの横方向に外向きの変位は、破断より前方の部分に対して外向きの、破断より後方のジョーアームの部分の変位となり、したがって受け入れられるひだを作る能力を失うことにつながる。破断が最初にピボットピン開口に達すると、部位12cに対するアームの変形により、ばねがピン開口からピンを押し出すのに必要な大きさまでスプリングピン窪み40は横方向に分離されない。さらに本明細書で述べるように、この変形がスプリングピンを押し出すのに十分になるまでには容認できない特大のひだが作られてしまっているであろう。
【0016】
本発明によれば、スプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方は、破断がピボットピン開口24に達した後にジョーアームの変形が受け入れられる量に達すると、圧縮工具のユーザがジョーアームの部位Fの破損に気づかされるように構造的に変更される。後に明らかになるように、このような変更または複数の変更とは、ジョー窪みを開く方向に相対変位に抗してジョーアームをロックするように、ピン開口から後方にスプリングピンをばねが押し出すこと、またはこの開口に対してばねがスプリングピンを変位させることになるであろう。詳細には破損を指示する所与のモードの設計に関しては、まず図面の図4および図5を参照すると、ジョーアーム12のうちの少なくとも1つは、それのスプリングピン窪みでの応力がこの窪み内の疲労亀裂FCによってスピリングピン窪みのところで開始される破損になることを判定するように分析される。このような分析は、例えば、手動計算によって、またはひずみゲージによって行われ得る。この分析が、スプリングピン窪みのところで破損が開始されそうであるということを示す場合、このような破損は物理試験によって確認され得る。この種の試験は、スプリングピン窪みおよびスプリングピンが目に見えるように側板のうちの1つの部分を取り除くことによって、初期の疲労亀裂を見るという目的で観察され得る。
【0017】
ジョーアームがスプリングピン開口の部位から弱まることがある、または弱まるであろうと判定した後に、破損の態様が評価される。この点で、破損は疲労亀裂FCのところで開始され、アームは、疲労亀裂からジョーアームの外側縁32に向かって疲労亀裂から隔たった箇所まで破断線FRに沿って破壊される。たぶん、および好ましくは、そこまで破断が延在する箇所は図5に示すようにピボットピン開口24である。破断がピボットピン開口に達すると、壊れたジョーアームの変形が判定される必要がある。この点で、ヒンジ部位12cの周りのジョーアームの端部12bの可塑性または延性的な変形が望まれ、部位12cのジョーアーム部分の脆性剥離ではない。所要のヒンジ効果が図5に示され、その中に破断前および破断後の端部12bの位置がそれぞれ破線および実線で示されている。ひだを作る時のジョーアームの部位12cの材料の応力は、FEAまたは手計算を用いて、あるいは変形が起るかどうかを見るために壊れたジョーセットでひだを作ることによって判定され得る。この部品が変形しない場合、設計の変更が、この部品の延性的な変形を確実にするように材料の降伏強さを小さくすることなどによって行われ得る。
【0018】
いったん所望の変形が起ることが判定されると、次いで容認できないひだが作られる前に起り得る変形の量が判定される。これは、例えば、スプリングピン窪みからジョーアームのピボットピン開口まで鋸カットにより破断を模倣することによって、次いでジョーセットのジョーアームを用いて結合金具に1つまたは複数のひだを作ることによって実現され得る。クリンピング操作が続いている間は破断が広がり、受け入れられる変形の量は、受け入れられるひだを実現するのに要求される力が得られないクリンピング操作が試みられる直前に生じる。ジョーアーム部品の使用を通して変形の量を判定することが好ましく、スプリングピン窪みからピボットピン穴までカットの形で破断のモデリングがこの目的のために行われ得る。そこで連結するの際の困難性には、後者の位置はジョーアームの後端部が結合金具に伝達できる力の量に依存するのでクリンプされている結合金具に関してジョー窪みの位置を判定することがある。後者は、ジョーアームの材料の降伏強さを用いて、および結合金具のところで等価な力によって変換して、次いで後者を結合金具について力対変位曲線と比較して判定され得る。ジョー窪みの状態は、結合金具をクリンプするのに要求される力がジョーアーム材料の降伏強さに達するのに要求される力を超える時に判定される。
【0019】
いったん受け入れられる変形の量が判定されると、部品の配置は、受け入れられる変形の箇所に達するとピン開口からスプリングピンを押し出すこと、またはピンがジョー窪みを開く方向に変位に抗してジョーアームをロックするように後者のところでねじりばねによってピン開口内のピンを傾けることを実現するのに必要なスプリングピン開口および/またはスプリングピンの変更を判定するように行われ得る。この配置は、図5および図6に示すように、1つの壊れたおよび変形したジョー部材、ならびに1つの壊れていないジョー部材を用いて行われる。特に図6に関して、スプリングピン窪み40は対向する前端部54および対向する後端部56を有し、前に述べたようにスプリングピンを押し出しまたはジョーアームをロックさせるスプリングピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方を変更するためのバイアスを与えるのは、ジョーアームの受け入れられる変形に達する箇所での後端部56の間の距離である。図6に関して、ジョーセットの破損時にスプリングピンの押出しを実現するようにスプリングピン開口を変更することが決定されると仮定すると、材料は、後端部56のそれぞれから破線58によって識別される位置まで横方向で外側に研削などによって取り除かれ、変形の受け入れられる量に達するとその間の距離がピン開口から後方にスプリングピンの押出しを可能にする。材料は、破損前にピン開口内のピンの安定性を最適にするように、ピン窪みの両方の後端部から取り除かれることが好ましい。さらに、ピンの所与の直径を小さくして後者(ピン)の押出しに備えながら材料をピン窪みの後端部から取り除くことができ、またはピンだけが押出しを実現する直径に小さくされ得るが、ピンの所与の直径を維持して、やはり、破損前にジョーセットの作動中に後者を安定化することが好ましい。いったん取り除かれるべき材料の量が判定されると、図7に示されるように、材料をそこから取り除いた2つの壊れていないジョーアームが配置されて、破損前にスプリングピンがピン開口に保持されることを確認する。
【0020】
図面の図8に関して、開示されたジョーセットで使用のために製作されるようなスプリングピン42は、側板14と側板16との間に所与の長さL、および所与の直径Dを有する。上述のようにスプリングピン開口の変更と関連して、ピンの所与の直径Dは寸法D1で示されるように減少されることができ、これは破損時にばねの(による)押出しを実現するようにスプリングピン窪みの後端部から材料を取り除くことと関連する。また、破損が生じる時にピン窪みの後端部から材料を取り除くことなくピン開口からピンの押出しに備えるように、直径D2で示されるようなD1よりも小さい直径を与えるようにピンの所与の直径を減少することができる。しかし、やはり所与のピン直径を維持しまたは厳密に維持して、ジョーセットの使用中および破損前にピン開口内で後者の安定性を最適化することが好ましい。
【0021】
図8、図9、および図10はスプリングピンの変更を示し、それによって、破断によりばねがピンをピン開口内で傾いた姿勢にバイアスさせることになった後ジョーアームの変形が受け入れられる量に達する時に、その中でピンは図11に示されるようにジョー窪みを開く方向に、相対的な枢動変位に抗してジョーをロックする。ジョーアームをこのように傾けてロックすることは、図8および図11に示されるようにピンの所与の長さを長さL1に短くすることによって実現され得る。さらに、この傾けてロックすることは、図9および図10に示されるようにピンの両端を変更することによって促進され得る。詳細にはこの点で、ピン軸に直角な平面であるスプリングピンの両端には(それの所与の輪郭に関して)、図9の破線で示されるような円錐形の端部、または図9の実線で示されるような截頭円錐状の端部、あるいは図10で示されるようなドーム状の端部が設けられる。図9および図10のピンの直径は所与の直径Dであり、ドーム状の端部はピンの直径に対応する曲率半径を有する球状であることが好ましい。本明細書で説明されたピン42については、18mmの所与の長さおよび10mmの所与の直径を有するような図1から図3に関して、短くされた長さL1は13.5mmである。図9に示される截頭円錐状の端部の形状構成に関しては、長さL2は17.8mm、長さL3は13.5mmであり、直径D3は2mmである。円錐形、截頭円錐状、およびドーム状の端部の形状構成の長さL2は所与の長さよりも僅かに短くて、スプリングピン開口内で傾けられるように後者について側板とスプリングピンとの間で十分なクリアランスを与える。さらに、円錐形および截頭円錐状の形状構成では、長さL3の端部での縁は面取りされ得る。
【0022】
好ましい実施形態の構成部品の間の構造、および構造上の相互関係を本明細書においてかなり強調したが、他の実施形態が構成されることができ、本発明の原理から逸脱することなく好ましい実施形態において多くの変更が行われ得ることが理解されよう。この点で、例えば、バイアスばねは、スプリングピンの前方端部を横切って延在するそれの閉鎖された端部を有するヘアピン形状であることができる。さらに、特定のジョーアーム構成での破断がスプリングピン窪みからピボットピン開口より前方および後方の箇所まで延在する場合、ジョーアームは破断の終点とジョーアームの外側縁との間の材料に関して変形させ、ピン開口およびスプリングピンの一方または他方あるいは両方の変更はスプリングピンの押出しを実現し、またはスプリングピン開口内でそれを傾けて本発明による破損を示すように判定され得ることが理解されよう。さらに、スプリングピンおよびスプリングピン開口を有さない、本発明が目的とする性質の圧縮工具のジョーアームは、本発明による破損を示すジョーアームを設計可能にするようにこの点で変更され得る。その上、変更されたスプリングピンは最初のピンの変更であることができ、あるいは変更された輪郭で製造されることができる。したがって前に述べた事柄は、限定としてではなく本発明の例示としてのみ解釈されるべきであり、添付の請求の範囲または本発明の均等物の範囲に入る限りにおいて他の実施形態、および好ましい実施形態のすべての変更を含む意図であることを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明が対象とする性質のジョーアームを含むジョーセットの平面図である。
【図2】図1の線2−2沿いに取った断面立面図である。
【図3】天側板を取り除いた図1に示すジョーセットの平面図であり、一組のジョーアームの典型的な破断線を示す図である。
【図4】側板、スプリングピン、およびばねを取り除いた図1に示すジョーセットの平面図であり、ピン窪みの疲労亀裂を示す図である。
【図5】図4に示すジョーセットの平面図であり、スプリングピン窪みのところで開始された破断がピボットピン開口に達した時のジョーアームの歪みを示す図である。
【図6】破断後のスプリングピン窪みの歪み、およびそれに対するスプリングピンの変位を示す拡大平面図である。
【図7】ピン開口の変更後のスプリングピン窪みの拡大平面図である。
【図8】本発明によるスプリングピンの変更を示す図である。
【図9】本発明によるスプリングピンの変更を示す図である。
【図10】本発明によるスプリングピンの変更を示す図である。
【図11】図6の線11−11に沿った断面図であり、ピン開口内で傾いた姿勢の変更されたスプリングピンを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリングピンのところでジョーセットのジョーアームが破損すると、それの作動位置からジョーセットおよびスプリングピンを変位させるように圧縮工具ジョーセットを設計し、ジョーセットが一対の側板を含み、一対のジョーアームが前記板の間にピボットピンを収容するピボットピン開口を有し、各ジョーアームが、対応するピボットピン開口から横方向に隔たりかつ対応するピボットピン開口より前方および後方に延在する内側縁および外側縁を有し、前記内側縁が、ピボットピン開口より前方に、横方向で内側に開いた対向するジョー窪み、および上記開口より後方に、内側に面するカム面を含み、圧縮工具の使用中にジョーアームが、その間に対象物を圧縮する閉方向に横方向で内側にジョー窪みを変位させるようにカム面に抗して横方向で外側に力に応じてピボットピンの周りに枢動し、それによって対応するピボットピン開口とそれの内側縁との間およびカム面とそれのジョー窪みとの間の各ジョーアームの部位が張力下にあり、スプリングピン開口が、それぞれ対応するジョーアームの前記部位内に対向するピン窪みによって画定され、前記ピン窪みが対向する前端部および対向する後端部を有し、前記開口内のスプリングピンが所与の長さおよび所与の直径を有し、ばねが、前記ピンを横切って延在する前方端部、およびジョーアームのうちの異なる1つの内側縁に沿ってそれぞれ後方に延在する脚部を有し、前記スプリングピン開口が作動位置に前記スプリングピンを支持し、前記ばねが閉方向に前記ジョー窪みをバイアスさせる方法であって、前記方法が、(a)それのピン窪みでの応力により使用中にピン窪みのところで開始される疲労亀裂、およびこの疲労亀裂からジョーアームの外側縁に向かってそれから隔たった箇所までジョーアームの破断が生じることを判定するようにジョーアームのうちの少なくとも1つを分析するステップと、(b)破断が前記箇所に達するとこの破断に沿ってジョーアームの受け入れられる変形の量を判定するステップと、(c)変形の前記受け入れられる量に達するとばねがそれの作動位置からスプリングピンを変位させるようにジョーセット内のスプリングピン開口およびスプリングピンのうちの少なくとも1つを変更するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記スプリングピンが変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スプリングピンが、それの前記所与の長さを減少することによって変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スプリングピンが、軸、および前記軸に直角な平面を有する軸方向に両端を有し、前記スプリングピンが、それの両端のそれぞれに円錐形の輪郭およびドーム状の輪郭のうちの1つを形成することによって変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
両端には截頭円錐状の輪郭が設けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
両端にはドーム状の輪郭が設けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ドーム状の輪郭が前記所与の直径の半径に対応する半径を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スプリングピンが、それの前記所与の直径を減少することによって変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記スプリングピン開口が変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記スプリングピン開口が、ジョーアームのうちの少なくとも1つのピン窪みの後端部から材料を取り除くことによって変更される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
材料がピン窪みのそれぞれの後端部から取り除かれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)の後およびステップ(b)より以前に、変形がジョーアームの前記箇所と外側縁との間のジョーアームの材料に関連することを判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前端部および後端部ならびに横方向に対向する両側部を有する一対の平行で離れている側板と、前記対向する両側部のそれぞれのところで前記板を通る位置合わせされた穴と、前記板の間の一対のジョーアームとを備え、それぞれの前記ジョーアームが、前記対向する両側部のうちの異なる1つを介して上記穴と位置合わせされた貫通開口を有し、それぞれの前記ジョーアームが、貫通開口を通して延在するピボットピン、および前記側板を介して対応する位置合わせされた穴によって前記板の間に枢動的に取り付けられ、それぞれの前記ジョーアームが、貫通開口から横方向に隔たりかつ貫通開口より前方および後方に延在する内側縁および外側縁を有し、前記内側縁が、前記側板の前記前端部より前方に横方向で内側に開いた対向するジョー窪み、および前記側板の前記後端部より後方に横方向で内側に面するカム面を設け、圧縮工具の使用中ジョーアームが、その間に対象物を圧縮する閉方向に横方向で内側に前記ジョー窪みを変位させるように前記カム面に抗して横方向で外側に力に応じて前記ピボットピンの周りに枢動し、それによって上記開口とそれの内側縁との間およびカム面とそれのジョー窪みとの間の各ジョーアームの部位が張力下にあり、スプリングピン開口が各ジョーアームの前記部位内に対向する円弧状のピン窪みによって画定され、前記円弧状の窪みが、前記側板の前記前端部および後端部に対して対向する前端部および対向する後部を有し、前記開口内のスプリングピンが、前記側板の間におよび前記側板に直角な軸方向の姿勢を有し、ばねが、前記スプリングピンより前方におよび前記スプリングピンを横切って延在する前方端部を有し、ジョーアームのうちの異なる1つの内側縁に沿ってそれの前記前方端部より後方にそれぞれ延在する脚部を有し、前記ばねが、前記閉方向に前記ジョー窪みをバイアスさせ、前記スプリングピン開口より後方に前記スプリングピンをバイアスさせ、前記円弧状の窪みの前記対向する後端部が所与の距離だけ離されており、前記スプリングピンが所与の輪郭を有する圧縮工具において、前記スプリングピンおよび前記スプリングピン開口のうちの少なくとも1つは、それぞれ、前記所与の距離を増大するために、前記ピンが対応する円弧状の窪みからジョーアームの外側縁に向かって外側に前記ジョーアームのうちの少なくとも1つの破断に応答して前記スプリングピン開口内にそれの軸方向の姿勢から変位させられるように、所与の輪郭を変更するためにそれから材料を取り除かれる、改良された圧縮工具。
【請求項14】
前記円弧状の窪みのうちの少なくとも1つの後端部が、前記所与の距離を増大するようにそれから材料を取り除かれる、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項15】
前記円弧状の窪みのそれぞれの後端部が、前記所与の距離を増大するようにそれから材料を取り除かれる、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項16】
前記スプリングピンの輪郭が、それの前記所与の長さを減少することによって変更される、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項17】
前記スプリングピンの前記所与の輪郭が、軸、および前記軸に直角な平面を有する軸方向に両端を有する前記スプリングピンを含み、前記スプリングピンの輪郭が、それの両端のそれぞれに円錐形の輪郭およびドーム状の輪郭のうちの1つを形成することによって変更される、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項18】
ピンの両端には截頭円錐状の輪郭が設けられる、請求項17に記載の改良された圧縮工具。
【請求項19】
ピンの両端にはドーム状の輪郭が設けられる、請求項17に記載の改良された圧縮工具。
【請求項20】
ドーム状の輪郭が前記所与の直径の半径に対応する半径を有する、請求項19に記載の改良された圧縮工具。
【請求項21】
前記スプリングピンの前記所与の輪郭が所与の直径を有する前記スプリングピンを含み、前記スプリングピンの輪郭がそれの前記所与の直径を減少することによって変更される、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項22】
スプリングピンのところでジョーセットのジョーアームが破損すると、それのばねおよびスプリングピンをバイアスさせるジョーセットがそれの作動位置から変位させられるように圧縮工具ジョーセットを変更し、ジョーセットが一対の側板を含み、一対のジョーアームが、対応するピボット軸の周りにそれに対してピボット運動のための上記板の間に支持され、各ジョーアームが、対応するピボット軸から横方向に隔たりかつ対応するピボット軸より前方および後方に延在する内側縁および外側縁を有し、前記内側縁が、ピボット軸より前方に横方向で内側に開いた対向するジョー窪み、およびピボット軸より後方に内側に面するカム面を含み、圧縮工具の使用中ジョーアームが、その間に対象物を圧縮する閉方向に横方向で内側にジョー窪みを変位させるようにカム面に抗して横方向で外側に力に応じてピボット軸の周りに枢動し、それによって対応するピボット軸とそれの内側縁との間、およびカム面とそれのジョー窪みとの間の各ジョーアームの部位が張力下にあり、スプリングピン開口が、それぞれ対応するジョーアームの前記部位内に対向するピン窪みによって画定され、前記ピン窪みが、対向する前端部および対向する後端部を有し、前記開口内のスプリングピンが所与の長さおよび所与の直径を有し、ばねが、前記ピンを横切って延在する前方端部、およびジョーアームのうちの異なる1つの内側縁に沿ってそれぞれ後方に延在する脚部を有し、前記スプリングピン開口が作動位置に前記スプリングピンを支持し、前記ばねが閉方向に前記ジョー窪みをバイアスさせる方法であって、前記方法は、対応するピン窪みからアームの外側縁に向かって外側にアームの破断ということになるジョーアームが破損すると、スプリングピンがそれの作動位置から変位させられるようにスプリングピン開口およびスプリングピンのうちの少なくとも1つを変更するステップを含む、方法。
【請求項23】
前記スプリングピンがそれの前記所与の長さを減少することによって変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記スプリングピンが、軸、および前記軸に直角な平面を有する軸方向に両端を有し、前記スプリングピンが、それの両端のそれぞれに円錐形の輪郭およびドーム状の輪郭のうちの1つを形成することによって変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
両端には截頭円錐状の輪郭が設けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
両端にはドーム状の輪郭が設けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
ドーム状の輪郭が前記所与の直径の半径に対応する半径を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スプリングピンが、それの前記所与の直径を減少することによって変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記スプリングピン開口が変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記スプリングピン開口が、ジョーアームのうちの少なくとも1つのピン窪みの後端部から材料を取り除くことによって変更される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
材料がピン窪みのそれぞれの後端部から取り除かれる、請求項30に記載の方法。
【請求項1】
スプリングピンのところでジョーセットのジョーアームが破損すると、それの作動位置からジョーセットおよびスプリングピンを変位させるように圧縮工具ジョーセットを設計し、ジョーセットが一対の側板を含み、一対のジョーアームが前記板の間にピボットピンを収容するピボットピン開口を有し、各ジョーアームが、対応するピボットピン開口から横方向に隔たりかつ対応するピボットピン開口より前方および後方に延在する内側縁および外側縁を有し、前記内側縁が、ピボットピン開口より前方に、横方向で内側に開いた対向するジョー窪み、および上記開口より後方に、内側に面するカム面を含み、圧縮工具の使用中にジョーアームが、その間に対象物を圧縮する閉方向に横方向で内側にジョー窪みを変位させるようにカム面に抗して横方向で外側に力に応じてピボットピンの周りに枢動し、それによって対応するピボットピン開口とそれの内側縁との間およびカム面とそれのジョー窪みとの間の各ジョーアームの部位が張力下にあり、スプリングピン開口が、それぞれ対応するジョーアームの前記部位内に対向するピン窪みによって画定され、前記ピン窪みが対向する前端部および対向する後端部を有し、前記開口内のスプリングピンが所与の長さおよび所与の直径を有し、ばねが、前記ピンを横切って延在する前方端部、およびジョーアームのうちの異なる1つの内側縁に沿ってそれぞれ後方に延在する脚部を有し、前記スプリングピン開口が作動位置に前記スプリングピンを支持し、前記ばねが閉方向に前記ジョー窪みをバイアスさせる方法であって、前記方法が、(a)それのピン窪みでの応力により使用中にピン窪みのところで開始される疲労亀裂、およびこの疲労亀裂からジョーアームの外側縁に向かってそれから隔たった箇所までジョーアームの破断が生じることを判定するようにジョーアームのうちの少なくとも1つを分析するステップと、(b)破断が前記箇所に達するとこの破断に沿ってジョーアームの受け入れられる変形の量を判定するステップと、(c)変形の前記受け入れられる量に達するとばねがそれの作動位置からスプリングピンを変位させるようにジョーセット内のスプリングピン開口およびスプリングピンのうちの少なくとも1つを変更するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記スプリングピンが変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スプリングピンが、それの前記所与の長さを減少することによって変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スプリングピンが、軸、および前記軸に直角な平面を有する軸方向に両端を有し、前記スプリングピンが、それの両端のそれぞれに円錐形の輪郭およびドーム状の輪郭のうちの1つを形成することによって変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
両端には截頭円錐状の輪郭が設けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
両端にはドーム状の輪郭が設けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ドーム状の輪郭が前記所与の直径の半径に対応する半径を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スプリングピンが、それの前記所与の直径を減少することによって変更される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記スプリングピン開口が変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記スプリングピン開口が、ジョーアームのうちの少なくとも1つのピン窪みの後端部から材料を取り除くことによって変更される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
材料がピン窪みのそれぞれの後端部から取り除かれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)の後およびステップ(b)より以前に、変形がジョーアームの前記箇所と外側縁との間のジョーアームの材料に関連することを判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前端部および後端部ならびに横方向に対向する両側部を有する一対の平行で離れている側板と、前記対向する両側部のそれぞれのところで前記板を通る位置合わせされた穴と、前記板の間の一対のジョーアームとを備え、それぞれの前記ジョーアームが、前記対向する両側部のうちの異なる1つを介して上記穴と位置合わせされた貫通開口を有し、それぞれの前記ジョーアームが、貫通開口を通して延在するピボットピン、および前記側板を介して対応する位置合わせされた穴によって前記板の間に枢動的に取り付けられ、それぞれの前記ジョーアームが、貫通開口から横方向に隔たりかつ貫通開口より前方および後方に延在する内側縁および外側縁を有し、前記内側縁が、前記側板の前記前端部より前方に横方向で内側に開いた対向するジョー窪み、および前記側板の前記後端部より後方に横方向で内側に面するカム面を設け、圧縮工具の使用中ジョーアームが、その間に対象物を圧縮する閉方向に横方向で内側に前記ジョー窪みを変位させるように前記カム面に抗して横方向で外側に力に応じて前記ピボットピンの周りに枢動し、それによって上記開口とそれの内側縁との間およびカム面とそれのジョー窪みとの間の各ジョーアームの部位が張力下にあり、スプリングピン開口が各ジョーアームの前記部位内に対向する円弧状のピン窪みによって画定され、前記円弧状の窪みが、前記側板の前記前端部および後端部に対して対向する前端部および対向する後部を有し、前記開口内のスプリングピンが、前記側板の間におよび前記側板に直角な軸方向の姿勢を有し、ばねが、前記スプリングピンより前方におよび前記スプリングピンを横切って延在する前方端部を有し、ジョーアームのうちの異なる1つの内側縁に沿ってそれの前記前方端部より後方にそれぞれ延在する脚部を有し、前記ばねが、前記閉方向に前記ジョー窪みをバイアスさせ、前記スプリングピン開口より後方に前記スプリングピンをバイアスさせ、前記円弧状の窪みの前記対向する後端部が所与の距離だけ離されており、前記スプリングピンが所与の輪郭を有する圧縮工具において、前記スプリングピンおよび前記スプリングピン開口のうちの少なくとも1つは、それぞれ、前記所与の距離を増大するために、前記ピンが対応する円弧状の窪みからジョーアームの外側縁に向かって外側に前記ジョーアームのうちの少なくとも1つの破断に応答して前記スプリングピン開口内にそれの軸方向の姿勢から変位させられるように、所与の輪郭を変更するためにそれから材料を取り除かれる、改良された圧縮工具。
【請求項14】
前記円弧状の窪みのうちの少なくとも1つの後端部が、前記所与の距離を増大するようにそれから材料を取り除かれる、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項15】
前記円弧状の窪みのそれぞれの後端部が、前記所与の距離を増大するようにそれから材料を取り除かれる、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項16】
前記スプリングピンの輪郭が、それの前記所与の長さを減少することによって変更される、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項17】
前記スプリングピンの前記所与の輪郭が、軸、および前記軸に直角な平面を有する軸方向に両端を有する前記スプリングピンを含み、前記スプリングピンの輪郭が、それの両端のそれぞれに円錐形の輪郭およびドーム状の輪郭のうちの1つを形成することによって変更される、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項18】
ピンの両端には截頭円錐状の輪郭が設けられる、請求項17に記載の改良された圧縮工具。
【請求項19】
ピンの両端にはドーム状の輪郭が設けられる、請求項17に記載の改良された圧縮工具。
【請求項20】
ドーム状の輪郭が前記所与の直径の半径に対応する半径を有する、請求項19に記載の改良された圧縮工具。
【請求項21】
前記スプリングピンの前記所与の輪郭が所与の直径を有する前記スプリングピンを含み、前記スプリングピンの輪郭がそれの前記所与の直径を減少することによって変更される、請求項13に記載の改良された圧縮工具。
【請求項22】
スプリングピンのところでジョーセットのジョーアームが破損すると、それのばねおよびスプリングピンをバイアスさせるジョーセットがそれの作動位置から変位させられるように圧縮工具ジョーセットを変更し、ジョーセットが一対の側板を含み、一対のジョーアームが、対応するピボット軸の周りにそれに対してピボット運動のための上記板の間に支持され、各ジョーアームが、対応するピボット軸から横方向に隔たりかつ対応するピボット軸より前方および後方に延在する内側縁および外側縁を有し、前記内側縁が、ピボット軸より前方に横方向で内側に開いた対向するジョー窪み、およびピボット軸より後方に内側に面するカム面を含み、圧縮工具の使用中ジョーアームが、その間に対象物を圧縮する閉方向に横方向で内側にジョー窪みを変位させるようにカム面に抗して横方向で外側に力に応じてピボット軸の周りに枢動し、それによって対応するピボット軸とそれの内側縁との間、およびカム面とそれのジョー窪みとの間の各ジョーアームの部位が張力下にあり、スプリングピン開口が、それぞれ対応するジョーアームの前記部位内に対向するピン窪みによって画定され、前記ピン窪みが、対向する前端部および対向する後端部を有し、前記開口内のスプリングピンが所与の長さおよび所与の直径を有し、ばねが、前記ピンを横切って延在する前方端部、およびジョーアームのうちの異なる1つの内側縁に沿ってそれぞれ後方に延在する脚部を有し、前記スプリングピン開口が作動位置に前記スプリングピンを支持し、前記ばねが閉方向に前記ジョー窪みをバイアスさせる方法であって、前記方法は、対応するピン窪みからアームの外側縁に向かって外側にアームの破断ということになるジョーアームが破損すると、スプリングピンがそれの作動位置から変位させられるようにスプリングピン開口およびスプリングピンのうちの少なくとも1つを変更するステップを含む、方法。
【請求項23】
前記スプリングピンがそれの前記所与の長さを減少することによって変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記スプリングピンが、軸、および前記軸に直角な平面を有する軸方向に両端を有し、前記スプリングピンが、それの両端のそれぞれに円錐形の輪郭およびドーム状の輪郭のうちの1つを形成することによって変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
両端には截頭円錐状の輪郭が設けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
両端にはドーム状の輪郭が設けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
ドーム状の輪郭が前記所与の直径の半径に対応する半径を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スプリングピンが、それの前記所与の直径を減少することによって変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記スプリングピン開口が変更される、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記スプリングピン開口が、ジョーアームのうちの少なくとも1つのピン窪みの後端部から材料を取り除くことによって変更される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
材料がピン窪みのそれぞれの後端部から取り除かれる、請求項30に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−529814(P2008−529814A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555374(P2007−555374)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005452
【国際公開番号】WO2006/089011
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500510010)エマーソン エレクトリック カンパニー (73)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005452
【国際公開番号】WO2006/089011
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500510010)エマーソン エレクトリック カンパニー (73)
【Fターム(参考)】
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