説明

圧送式トイレ装置

【課題】 排水系及び給水系のトラブルによる貯留槽からのオーバーフローを未然に回避する圧送式トイレ装置を提供する。
【解決手段】 本発明の圧送式トイレ装置1は、便器本体2を給水洗浄する給水装置4と、便器本体の排出口2aに連通し便器本体の排出口から排出された汚水及びこの汚水に含まれる固形物11を貯溜する貯留槽10と、この貯留槽内に設けられ、固形物を粉砕するカッター22を備えた粉砕部12と、この粉砕された固形物及び汚水を貯留槽の外部へ圧送するポンプ14と、貯留槽内の下方水位から第1許容限界水位までの水位を非接触で感圧検知する水位センサ30と、第1許容限界水位よりも高い第2許容限界水位を検知するリミットセンサ31と、これらのセンサの検知情報に基づいて貯留槽内の汚水が第1許容限界水位又は第2許容限界水位を越えてオーバーフローしないように給水装置、カッター、及び、ポンプを制御する制御装置6と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧送式トイレ装置に係り、特に、便器本体から排出される汚水に含まれる固形物を粉砕して圧送する圧送式トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般家庭用等のトイレでは、トイレから下水までの排水管の傾斜勾配を利用して排水が行なわれているが、トイレから下水まで排水管を設置する際に、トイレの設置場所の床をはがして地面を掘り起こしたりする等、設置工事の作業に負担がかかったり、住宅の間取りと排水管の設置位置によってトイレスペースが制限されて自由にレイアウトできない等の事情から、トイレから下水へ排水を圧送する圧送装置を備えた圧送式トイレが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図8により、従来の圧送式トイレ装置の一例を説明する。図8に示すように、従来の圧送式トイレ装置50は、洗浄スイッチ52をオンすると、制御装置53の制御により電磁弁54が開いてロータンク55より洗浄水が便器本体56へ流れるようになっている。洗浄スイッチ52がオンした後、貯留槽58のフロートスイッチ60がオンしていれば、ポンプ62が起動し、貯留槽58に溜まった汚水は、排水管64を通って排水マス(図示せず)へ圧送されるようになっている。
また、ポンプ62起動後、破砕機66が起動し、便器本体56から破砕機66に流れた汚物は細かく粉砕される。ポンプ62の運転により貯留槽58の水位が下がり、フロートスイッチ60がオフするとポンプ62が停止するようになっている。
さらに、貯留槽58から水があふれ、防水パン68に水が溜まって漏水センサ70の電極が水没して水漏れが検知されると、制御装置53の制御により給水側の電磁弁72が閉じて制御装置53の異常ランプ74が点灯してシステム全体が停止するようになっている。また、水漏れ発生時に貯留槽58に汚水が溜まってフロートスイッチ60がオンしていれば、ポンプ62が所定時間運転し、フロートスイッチ60がオフになるまで貯留槽58の汚水を排水圧送するようになっている。
【0003】
【特許文献1】特許3237190号公報(第1頁〜第3頁、第1図〜第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の圧送式トイレ装置50では、ポンプ62の故障や排水管64の詰まり等による排水系のトラブルや、ロータンク55や電磁弁54,72の故障や不具合等による給水系のトラブルが発生して、貯留槽58から水がオーバーフローした後、このオーバーフローした水を防水パン68の漏水センサ70で検知するようになっており、貯留槽58からの水のオーバーフローそのものを回避することができない。このため、便器本体56のボウル部から洗浄水があふれてしまったり、貯留槽の満水によってメンテナンスが手遅れになってしまうという問題がある。
さらに、上述したフロートスイッチ60では、貯留槽内の水位を高精度かつ確実に検知することが難しいという問題がある。また、フロートの上部に近接スイッチを設けたタイプのフロートスイッチもあるが、水位変化に応じたフロートの上下方向のストロークに対応するガイド機構が必要となり、このようなガイド機構は、実際には汚水に水没させて使用せざるを得ないため、汚物等の付着によって不具合が生じやすく、不具合が生じた場合には、オーバーフローを防止することができないという問題がある。
また、上述した従来の圧送式トイレ装置50では、漏水センサ70そのものが故障していた場合に補助的に水漏れを検知する手段が設けられていない。このため、漏水センサ70そのものに故障等が生じていた場合には、トイレ装置の排水系や給水系のトラブルによって水漏れが生じていても未検知となり、さらにトラブルの被害が大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術からの問題を解決するためになされたものであり、貯留槽内の水位を高精度かつ確実に検知し、この検知した水位情報に基づき排水系及び給水系のトラブルによる貯留槽からのオーバーフローを未然に回避する圧送式トイレ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、便器本体の排出口から排出される汚水に含まれる固形物を粉砕して圧送する圧送式トイレ装置であって、便器本体を給水洗浄する給水洗浄手段と、上記便器本体の排出口に連通し便器本体の排出口から排出された汚水及びこの汚水に含まれる固形物を貯溜する貯留槽と、この貯留槽内に設けられ、上記固形物を粉砕する粉砕手段を備えた粉砕部と、この粉砕手段により粉砕された固形物及び汚水を上記貯留槽の外部へ圧送するポンプ手段と、上記貯留槽内の水位を検知し、上記貯留槽内の下方水位から第1許容限界水位までの水位を検知する第1水位検知手段と、上記第1許容限界水位よりも高い第2許容限界水位を検知する第2水位検知手段と、これらの第1水位検知手段及び第2水位検知手段の検知情報に基づいて上記貯留槽内の汚水が上記第1許容限界水位又は第2許容限界水位を越えてオーバーフローしないように上記給水洗浄手段、上記粉砕手段、及び、上記ポンプ手段を制御する制御部と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置においては、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知し、さらに第2水位検知手段が第1許容限界水位よりも高い第2許容限界水位を検知し、二段階の許容限界水位を検知することができ、水位検知を高精度かつより確実に行うことができる。さらに、水位が第1許容限界水位よりも上昇した場合でも制御部が給水洗浄手段とポンプ手段を制御し、貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
【0007】
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合に上記警告手段に警告を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置においては、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合に、警告手段により警告され、給水洗浄手段とポンプ手段が制御されるため、便器本体から洗浄水が溢れたり、貯留槽内が満水となってメンテナンスが手遅れになる等のトラブルを未然に回避することができる。
本発明において、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合にポンプ手段を所定時間作動させた後停止させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、ポンプ手段が作動しても排水不良等によって水位が所定水位まで下がらない場合に、ポンプ手段が作動しつづけるのを防ぐことができる。
【0008】
本発明において、制御部は、ポンプ手段を所定時間作動させた後、第1水位検知手段によって検知される水位が所定水位まで低下していない場合には、警告手段に排水異常を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、警告手段が排水異常を表示することにより、トラブルの原因が排水系のトラブルであることを特定し、貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
本発明において、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合には、給水洗浄手段を作動させないようにすることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
【0009】
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、給水洗浄手段を所定時間作動させた後、第1水位検知手段が検知した水位が所定水位未満である場合に警告手段に給水異常を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、警告手段が給水異常を表示することにより、トラブルの原因が給水系のトラブルであることを特定することができ、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知し、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合には、警告手段に排水異常を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、警告手段が排水異常を表示することにより、トラブルの原因が排水系のトラブルであることを特定し、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知せずに、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合には、警告手段に第1水位検知手段の異常を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明による圧送式トイレ装置によれば、警告手段が第1水位検知手段の異常を表示することにより、トラブルの原因が第1水位検知手段のトラブルであることを特定し、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の圧送式トイレ装置によれば、貯留槽内の水位を高精度かつ確実に検知することができ、この検知した水位情報に基づき排水系及び給水系のトラブルによる貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の圧送式トイレ装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置を示す概略構成図であり、図2は、図1に示す本実施形態による圧送式トイレ装置のA−A断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置1は、便器本体2と、この便器本体2に便器給水路4aを経て給水する給水装置4とを備えている。この給水装置4の給水方式については、水道に直結して給水する水道直結方式であってもよいし、貯水したタンクから給水するタンク方式のいずれの方式であってもよい。
便器本体2への給水量は、給水装置4の給水方式が水道直結方式の場合には、電磁バルブ等からなる給水弁4cが制御装置6によって開閉制御されて調整されるようになっている。一方、給水装置4の給水方式がタンク方式の場合には、タンクの洗浄レバーをリモコン(図示せず)で制御して給水弁4cが開閉制御され、便器本体2への給水量が調整されるようになっている。
例えば、便器本体2の着座検知用センサー(図示せず)等が使用者の着座を検知したり、使用者がリモコン(図示せず)等に設けられた給水指令用の給水スイッチ(図示せず)をオンにすると、制御装置6が、これらの着座検知用センサー(図示せず)の検知情報やリモコンスイッチ(図示せず)等からの指令に基づいて給水装置4に給水指令し、給水装置4から便器本体2内へ所定時間給水が行われ、便器本体2内に所定量の水が溜まるようになっている。さらに、使用者がトイレ使用後、便器本体2を洗浄するためのリモコンの洗浄スイッチ(図示せず)をオンにすると、給水装置4から便器本体2に洗浄用の給水がなされて、便器本体2が洗浄されるようになっている。
【0012】
また、便器本体2の外部には固形物粉砕圧送装置8が設けられており、この固形物粉砕圧送装置8は、便器本体2の排出口2aに連結された貯留槽10を備えている。この便器本体2の排出口2aにはフラップ弁9が設けられ、このフラップ弁9は、便器洗浄の前までは排出口2aを閉鎖している。さらに、このフラップ弁9は、便器本体2の洗浄が行われて便器本体2内の汚水を貯留槽10に排出する際には、制御装置6からの指令によって、排出口2aを所定時間開放して便器本体2内の汚水を排出した後、閉鎖するようになっている。
ここで、上述したように、本実施形態の圧送式トイレ装置1の便器本体2として使用される便器については、一例として、便器本体2の排出口2aにフラップ弁9を設けたフラップ弁方式の便器の形態について説明しているが、このような形態に限定されず、フラップ弁のない洗い落し式の便器あるいはサイホン式やサイホンジェット式の便器等についても適用可能である。
さらに、貯留槽10内には、便器本体2の排出口2aから貯留槽10に排出された汚水中の糞やトイレットペーパ等の固形物11を粉砕する粉砕部12と、この粉砕部12の下部には、貯留槽10内の汚水を外部へ強制的に圧送するポンプ14が設けられている。
また、粉砕部12は、複数の孔16を有するスクリーン18によって形成された粉砕室20を備え、便器本体2の排出口2aから貯留槽10内に排出される汚水は、まず粉砕室20に一旦収容されるようになっている。この粉砕室20内の汚水については、スクリーン18の孔16の大きさよりも大きい固形物11は孔16を通過できずに粉砕室20内に捕捉され、水分やスクリーン18の孔16の大きさよりも小さい固形物は、孔16を通過して粉砕室20から貯留槽10へ流れるようになっている。
さらに、粉砕室20内にはカッター22が設けられており、このカッター22が回転することにより、粉砕室20内に捕捉された固形物11が粉砕されるようになっている。カッター22の回転軸24の下端にはインペラ26が取り付けられており、回転軸24の上端には、回転軸24を正逆転可能に駆動する粉砕圧送用モータ28が取り付けられている。この粉砕圧送用モータ28の駆動は、貯留槽10に設けられた水位センサ30(詳細は後述する)が検知した水位に基づき制御装置6によって可変に制御されるようになっており、カッター22とインペラ26の回転は、互いに連動して制御されるようになっている。
【0013】
さらに、上述した圧送路32には、圧送抑制手段として電動ボール弁34が設けられている。この電動ボール弁34は、水位センサ30の水位情報に基づく制御装置6からの指令に応じて開閉し、特に、粉砕時にポンプ14からの圧送される汚水量を抑制して貯留槽10内の水位低下を抑制するようになっている。
また、上述した給水装置4については、粉砕部12に追加給水する粉砕部給水路4bが設けられている、この給水装置4及び粉砕部給水路4bは、水位センサ30の水位情報に基づく制御装置6からの指令により給水弁4dが開き、固形物の粉砕時に粉砕部12の水位がカッター22の上端の水位(カッター上端水位)よりも常に高くなるように粉砕部12に追加給水するようになっている。
【0014】
本実施形態の圧送式トイレ装置1では、上述した給水装置4に粉砕部給水路4bを設ける代わりに、給水装置4とは別体となる追加給水装置(図示せず)を独立に設け、便器本体2の使用中でも追加給水装置(図示せず)から粉砕部12に追加給水できるようにしてもよい。また、粉砕部給水路4bの粉砕部12への給水口(図示せず)については、その形状や配置を工夫することにより、粉砕部給水路4bの給水口(図示せず)から貯留槽10内へ噴霧洗浄ができるようにしてもよい。
【0015】
さらに、本実施形態による圧送式トイレ装置1は粉砕完了検知装置36を備え、この粉砕完了検知装置36により、粉砕部12のカッター22による固形物11の粉砕が完了したことを検知するようになっている。具体的には、この粉砕完了検知装置36が、粉砕圧送用モータ28あるいはカッター22のトルクや回転抵抗等を検出し、これらの検出した値の程度によって粉砕状況を判断して、状況に応じて制御装置6により粉砕圧送用モータ28を制御したり、粉砕部給水路4bからの粉砕部12への追加給水を制御するようになっている。
【0016】
つぎに、貯留槽10に設けられている上述した水位センサ30の詳細について説明する。
本実施形態では、水位センサ30が検知する貯留槽10内の水位として、便器本体2から1回の洗浄によって排出される排水量、ポンプ14の排水能力、貯留槽10の容量等を考慮し、貯留槽10の下方側からポンプ作動停止水位、ポンプ作動開始水位、及び、第1許容限界水位の3つの特定水位が設定されている(図1及び図2参照)。便器本体2の洗浄後、汚水が貯留槽10内に排出されて貯留槽10内の水位が上昇し、水位センサ30が検知した水位がポンプ作動開始水位に達した場合には、粉砕圧送用モータ28と共にポンプ14の作動が開始されるようになっている。ポンプ14が所定時間駆動して水位が低下し、水位センサ30が検知した水位がポンプ作動停止水位に達した場合には、粉砕圧送用モータ28と共にポンプ14の作動が停止するようになっている。
さらに、上述した第1許容限界水位は、ポンプ作動開始水位よりも上方に位置し、貯留槽10が満水となる水位よりも低く設定されている。この第1許容限界水位は、圧送式トイレ装置1の正常な運転下では達することのない水位であるが、圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の不具合等の排水系のトラブルによって、貯留槽10内の水位が異常に上昇した場合に、水位センサ30が第1許容限界水位で異常を検知するようになっている。
【0017】
ここで、本実施形態で使用される水位センサ30としては、空洞管30aを用いた感圧式の水位センサが好ましい。この感圧式の水位センサ30では、空洞管30aの開口下端部30bが水没すると、空洞管30a内の空気は、開口下端部30bの水面と空洞管30aの上端に設けられた感圧部30cとによって気密的な状態となり、この空洞管30a内の空気を介して感圧部30cが水圧を感知するようになっている。この感圧部30cが感知した水圧に応じて貯留槽10内の相当な水位が出力され、水位を非接触で感圧検知できるようになっている。
また、貯留槽10内の水位が開口下端部30bの水位を下回ると水位が測定できなくなるため、貯留槽10内の底面と開口下端部30bとの間の距離hをできるだけ小さくして開口下端部30bを低位置にするのが好ましいが、貯留槽10内の底面と開口下端部30bとの間に汚物がひっかからないように、距離hについては、10mm以上に設定するのが好ましい。
一方、開口下端部30bの直径Dについては、20mm程度の寸法であれば閉塞しないことが経験的にわかっているため20mm程度が好ましい。また、開口下端部30b以外の部分についての直径寸法を20mmよりも小さく設定し、貯留槽10内の容量をかせいでもよい。
【0018】
さらに、水位センサ30の近傍には非常用のリミットセンサ31が設けられており、このリミットセンサ31は、水位センサ30とは別に、上述した第1許容限界水位よりもやや高めの水位となる第2許容限界水位(図1及び図2参照)を検知できるようになっている。このリミットセンサ31により、水位センサ30の不具合によって第1許容限界水位を検知できなくなっても、リミットセンサ31が第2許容限界水位で異常を検知できるようになっている。
ここで、本実施形態で使用されるリミットセンサ31としては、電極式のセンサが好ましい。この電極式のセンサ31は、電極31a,31bの間に水が浸水した際の電極31a,31b間の抵抗変化に基づいて、水位を検知するものである。また、電極31a,31bの周囲には、円筒状の遮蔽体31cが設けられており、この遮蔽体31cにより、粉砕部12のスクリーン18の孔16等から飛散した汚物が電極31a,31bに直撃しないようになっている。
また、リミットセンサ31としては、上述した電極式のセンサ以外にも、上述した水位センサ30と同様な感圧式のセンサも適用可能であるが、水位センサ30とリミットセンサ31に同種のセンサを用いると、故障が同時に起こる可能性もあるため、ダイアフラム式のセンサ、静電式のセンサ、あるいはフロート式のセンサ等、感圧式のセンサとは異なる種類のセンサが好ましい。
なお、本実施形態では、水位センサ30として感圧式のセンサを使用した例を説明しているが、このセンサ以外にも超音波式のセンサ等、他の種類のセンサを使用してもよい。
【0019】
さらに、制御装置6には異常表示器33が接続されている。水位センサ30が第1許容限界水位を検知するか、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知すると、制御装置6は、排水系や給水系のトラブル等の異常事態がトイレ装置1に発生しているものと判断し、異常表示器33に各種トラブル等の異常に関する警告を表示させると共に、給水ができなくなるように給水弁4c,4dを閉じて給水装置4を作動させないようになっている。
また、制御装置6は、ポンプ14を所定時間作動させた後、水位センサ30又はリミットセンサ31によって検知される水位が所定水位まで低下していない場合、又は、水位センサ30が第1許容限界水位を検知し、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、異常表示器33に排水異常を表示させるようになっている。
さらに、制御装置6は、給水装置4を所定時間作動させた後、水位センサ30が検知した水位が所定水位未満である場合には、異常表示器33に給水異常を表示させるようになっている。
また、制御装置6は、水位センサ30が第1許容限界水位を検知せずに、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、異常表示器33に水位センサ30の異常を表示させるようになっている。
【0020】
つぎに、図3から図7を参照して本実施形態の圧送式トイレ装置1の制御装置6により実行される制御内容を説明する。
図3は、本実施形態による圧送式トイレ装置1におけるシーケンスの一例を示す概略図である。
ここで、図3の最上段から最下段までの8つのチャートをA〜Hで示し、チャートAは、使用者の便器着座を検知したかどうかのオンオフ動作、または使用者のリモコン操作等によるリモコンスイッチのオンオフ動作を示し、チャートBは、使用者による洗浄スイッチのオンオフ動作を示している。
また、チャートCは、粉砕圧送用モータ28の回転動作を示し、チャートDは、貯留槽10(または粉砕室20)内の水位を示し、チャートEは、フラップ弁9の開閉動作を示し、チャートFは、給水装置4の便器給水路4aから便器本体2への便器給水の動作を示している。
さらに、チャートGは、給水装置4の粉砕部給水路4bから貯留槽10(粉砕部12)への貯留槽給水の動作を示し、チャートHは、電動ボール弁34の開閉動作を示している。また、チャートA〜Hにおいて、横軸を時間「t」で示し、この時間tに添えられている数字は工程の順序を示しており、時系列順に値が大きくなっている。
【0021】
図3に示すように、t1で着座検知用センサー(図示せず)等が使用者の着座を検知するか、使用者がリモコン操作等によるリモコンスイッチをオンし(チャートA参照)、同時に給水装置4から便器本体2への給水が開始され、便器本体2の溜水が行われる(チャートF参照)。この時、貯留槽10内の水位はほぼ中間水位であり(チャートD参照)、フラップ弁9は閉じており(チャートE参照)、電動ボール弁34は開いている(チャートF参照)。
つぎに、t2で着座の検知が終了するか、リモコンスイッチがオフになり(チャートA参照)、t3で給水装置4から便器本体2への給水が停止する(チャートF参照)。
使用者がトイレ使用後、t4で便器本体2を洗浄するための洗浄スイッチがオンされると(チャートB参照)、これと同時に便器本体2の洗浄工程が開始し、給水装置4から便器本体2に洗浄用の給水がなされ、便器本体2内が洗浄される(チャートF参照)。また、これと同時にt4で粉砕圧送用モータ28が作動し、例えば、約2500rpm以上の回転数で正回転する(チャートC参照)。
【0022】
つぎに、t5で洗浄スイッチがオフになり、t6で粉砕圧送用モータ28が停止する(チャートB及びC参照)。t4からt6までの間は、電動ボール弁34が開いている状態でポンプ14が作動しているため、貯留槽10内の水は圧送路32に圧送されて、貯留槽10内の水位は低下する(チャートD参照)。
また、t7でフラップ弁9が開き、便器本体2内の汚水が便器本体2の排出口2aから貯留槽10内の粉砕部12に排出される(チャートE参照)。t8で給水装置4から便器本体2への給水が停止し、t9でフラップ弁が閉じる(チャートE及びF参照)。
さらに、t10で給水装置4の粉砕部給水路4bから貯留槽10への追加給水が開始されると同時に電動ボール弁34が閉じる(チャートG及びH参照)。t11で粉砕圧送用モータ28が再び作動し、約2500rpm以上の回転数で正回転すると同時に、粉砕部給水路4bから貯留槽10へ追加給水が停止する(チャートC及びG参照)。t7からt11までの間は、貯留槽10内の水位が上昇し、t11で最高位置に達する(チャートD参照)。
【0023】
つぎに、t12で電動ボール弁34が再び開き(チャート12参照)、t13で粉砕圧送用モータ28が、約1500〜1700rpmの回転数に減速し、比較的低速で正回転する(チャートC参照)。また、t14で粉砕圧送用モータ28が、再び約2500rpm以上の回転数に加速し、比較的高速で正回転し、同時に給水装置4から便器本体2への給水が開始され、便器本体2の溜水が行われる(チャートC及びF参照)。さらに、t15で粉砕圧送用モータ28が停止する(チャートC参照)。
上述したt11からt15までの粉砕圧送用モータ28の回転に関する制御モード(以下「回転制御モードI」と呼び、詳細は後述する)により、t11からt13の間では、ポンプ14が約2500rpm以上の比較的高い回転数で回転し、貯留槽10内の汚水が圧送されて、貯留槽10内の水位は最高位置からほぼ中位置まで低下する(チャートD参照)。これと同時に、粉砕部12のカッター22は、完全に水没した状態で約2500rpm以上の比較的高い回転数で回転して粉砕室20内の固形物11のほとんどを粉砕する。
また、t13からt14の間では、ポンプ14のインペラ26が約1500〜1700rpmの比較的低速で正回転し、貯留槽10内の汚水は緩やかに圧送される。これと同時に、貯留槽10内の水位は、ほぼ中位置から緩やかに低下し(チャートD参照)、粉砕部12のカッター22の上下端位置を通過してゆくが、水位がカッター上端水位からカッター22の下端の水位(カッター下端水位)まで完全に通過し終わるまでは、カッター22は比較的低い回転数で回転する。
さらに、t14からt15の間では、ポンプ14が再び約2500rpm以上の比較的高い回転数で回転し、貯留槽10内の汚水がさらに圧送されると共に貯留槽10の水位はさらに低下してt15で最低位置となる(チャートD参照)。
【0024】
つぎに、t16でフラップ弁9が再び開くと共に電動ボール弁34が閉じる。t17で給水装置4から便器本体2への給水が停止し、t18でフラップ弁9が閉じる(チャートE及びF参照)。t19で給水装置4の粉砕部給水路4bから貯留槽10への追加給水が再び開始される(チャートG参照)。
つぎに、回転制御モードIで粉砕しきれなかった粉砕室20内の残留固形物を粉砕して貯留槽10から排出するために、t20で粉砕圧送用モータ28が再び作動し、約2500rpm以上の回転数で正回転すると同時に、粉砕部給水路4bから貯留槽10へ追加給水が停止する(チャートC及びG参照)。
t15からt20の間では、貯留槽10内の水位は、t15の最低水位からt11での最高水位とほぼ等しい位置まで上昇する(チャートD参照)。
【0025】
また、t20の後、粉砕圧送用モータ28は、t20からt31までは短時間間隔で間欠的に正回転及び逆回転を交互に繰り返し、ポンプ14のインペラ26及び粉砕部12のカッター22の間欠交互運転が行われる。
つぎに、t20からt31で粉砕しきれなかった粉砕室20内の残留固形物を粉砕して貯留槽10から排出するために、t32で粉砕圧送用モータ28が再び作動して約2500rpm以上の回転数で正回転する同時に電動ボール弁34が開く。t32からt35までの粉砕圧送用モータ28は、t11からt15までの粉砕圧送運転と同様なモードで回転する。これにより、t32以前に粉砕しきれなかった粉砕室20内の残留固形物をt32からt35においてカッター22でさらに粉砕してポンプ14で圧送する。
【0026】
t20からt32の間では、貯留槽10内の水位は、t20からt31までの間欠交互運転によるポンプ14の緩やかな圧送によってt20からt32までは緩やかに低下する。t32からt33までは、ポンプ14のインペラ26が約2500rpm以上の回転数で正回転してポンプ14の本格的な圧送が行われ、貯留槽10内の水位はほぼ中位置まで低下する。
t33からt34までは、ポンプ14のインペラ26が約1500〜1700rpmの比較的低速で正回転してポンプ14の緩やかな圧送が行われ、貯留槽10内の水位は緩やかに低下し、t34からt35までは、t32からt33までと同様に、ポンプ14のインペラ26が約2500rpm以上の回転数で正回転してポンプ14の本格的な圧送が行われ、貯留槽10内の水位は最低位置となる。
【0027】
さらに、t36で給水装置4の粉砕部給水路4bから貯留槽10への追加給水が再び開始され、t37で追加給水が停止し(チャートG参照)、貯留槽10の封水溜めが行われ、次回の一連工程の準備が行われる。
また、t35からt36までは貯留槽10内の水位は変わらず、t36からt37にかけて水位はほぼ中位置まで上昇し、一連の工程が終了する。
【0028】
図4は、本実施形態の圧送式トイレ装置1が便器洗浄時に正常に作動している場合における、水位センサが検知して出力した貯留槽内の水位、ポンプ、及び、表示器の各状況を説明した図である。
図4に示すように、給水装置4から便器本体2に給水が行われて洗浄が開始されると、ポンプ作動停止水位であった貯留槽10内の水位は上昇してポンプ作動開始水位に達する。水位センサ30がこのポンプ作動開始水位に達した水位を検出して出力すると、ポンプ14が作動し、ポンプ14が作動した直後は水位がやや上昇するものの所定時間TA圧送運転が行われると水位が低下する。
所定時間TA圧送運転が行われて水位センサ30がポンプ作動停止水位に達した水位を検知すると、この検知してから所定時間後にポンプ14が停止する。
また、図4では、水位センサ30が検出した水位は、第1許容限界水位に一度も達していないため、表示器33は、トイレ装置1にトラブルが一切発生しておらず正常運転していることを示す正常モードとなっている。
【0029】
図5は、本実施形態の圧送式トイレ装置1の貯留槽10の水位が第1許容限界水位に達した場合における、水位センサ30が検知して出力した貯留槽内の水位、ポンプ、及び、表示器の各状況を説明した図4と同様な図である。
図5に示すように、水位センサ30が、第1許容限界水位に達した貯留槽10内の水位を検出して出力すると、給水装置4が停止すると共にポンプ14が水位を下げるために所定時間TB作動した後、停止する。ただし、圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の故障によって排水ができず、貯溜槽10内の水位がポンプ作動停止水位に達しない場合や、水位センサ30やリミットセンサ31の故障によりポンプ14の停止信号が得られない場合に備え、ポンプ14は所定時間作動後にタイマー(図示せず)等によって停止するようになっている。
また、ポンプ14が所定時間TB作動しても、水位センサ30が検出した水位が第1許容限界水位よりも下回らない限り、表示器33は、排水系のトラブルを異常として表示する排水異常モードになっている。
【0030】
図6は、本実施形態の圧送式トイレ装置1の貯留槽10の水位がポンプ作動開始水位に達し、ポンプが作動してから所定時間TC経過しても水位がポンプ作動停止水位まで下がらない場合における、水位センサが検知して出力した貯留槽内の水位、ポンプ、及び、表示器の各状況を説明した図4及び図5と同様な図である。
図6に示すように、水位センサ30がポンプ作動開始水位を検知するとポンプ14が作動し、所定時間TC作動しても貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がらない、あるいは貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がったとしても所定時間TC以上かかった場合には、給水装置4及びポンプ14が停止すると共に、表示器33は、排水異常モードとなる。すなわち、表示器33は、水位センサ30が検知した水位が第1許容限界水位に達しなくても、排水速度が所定速度以下であれば制御装置6が圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の故障等の排水系のトラブルと判断し、排水異常を知らせるようになっている。
ここで、排水速度の測定については、ポンプ作動中に貯留槽10内の水位が任意の2つの水位間を通過する時間を測定してもよいし、圧送路32の配管等に流量計(図示せず)を設けて測定してもよい。
【0031】
図7は、本実施形態の圧送式トイレ装置1が洗浄を開始して給水装置4による給水が所定時間TD行われても貯留槽10内の水位が所定最低水位に達しない場合における、水位センサが検知して出力した貯留槽内の水位、給水装置、及び、表示器の各状況を説明した図である。
図7に示すように、本実施形態の圧送式トイレ装置1では、制御装置6が使用者からリモコン等により洗浄給水の指令を受けると、給水装置4が作動して、洗浄給水が開始されるが、給水が所定時間TD行われても貯留槽10内の水位が所定最低水位に達しない場合には、給水装置4が停止すると共に、表示器33は、給水系のトラブルを異常として表示する給水異常モードとなる。すなわち、表示器33は、水位センサ30が検知した水位が所定最低水位に達しない場合には、制御装置6が断水や便器排出口2aの詰まり等の給水系のトラブルと判断し、給水異常を知らせるようになっている。
この他、水位センサ30が第1許容限界水位を検知し、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、表示器33は排水異常モードとなる。また、水位センサ30が第1許容限界水位を検知せずに、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、表示器33は、水位センサ30の不具合等によるトラブルを異常として表示する水位センサ異常モードとなる。
【0032】
上述した本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置1によれば、水位センサ30が第1許容限界水位を検知し、さらにリミットセンサ31が第1許容限界水位よりもやや高い第2許容限界水位を検知するため、リミットセンサ31が水位センサ30の異常を検出することができる。また、二段階の許容限界水位を検知することができ、水位検知をより確実に行うことができる。さらに、異常時の許容限界水位の未検知によって生ずる貯留槽10からのオーバーフローを未然に回避することができる。
また、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、水位センサ30として感圧式のセンサが使用され、この感圧式のセンサの感圧部30cが空洞管30a内の空気を介して水圧を感知するため、この感知した水圧に応じて貯留槽10内の水位を高精度かつ任意に検知することができる。また、この感圧式のセンサは、感圧部30cが直接汚水に接触しないため、汚物等の付着によるセンサの不具合を回避することができる。さらに、貯留槽10内の底面と開口下端部30bとの間の距離と開口下端部30bの直径については、汚物がひっかからい程度の十分な寸法に設定されているため、汚物の詰まりによる水位センサ30の不具合を回避することができる。
さらに、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、排水系や給水系のトラブル等の異常事態が発生した場合には、表示器33により使用者に異常が知らされると共に給水が停止する。この結果、便器本体2から洗浄水が溢れたり、貯留槽10内が満水となってメンテナンスが手遅れになる等のトラブルを未然に回避することができる。
【0033】
また、上述した本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、許容限界水位が検知されると、給水装置4が停止すると共にポンプ14が水位を下げるために所定時間作動した後、貯溜槽10内の水位がポンプ作動停止水位に達しない場合や、水位センサ30やリミットセンサ31の故障によりポンプ14の停止信号が得られない場合には、ポンプ14は所定時間作動後にタイマー等によって停止する。この結果、排水系や給水系のトラブル等の異常事態が発生した場合でも、ポンプ14は、まずは所定時間排水機能してから、連続運転による故障を防ぐことができ、より安全に作動することができる。
さらに、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、水位センサ30がポンプ作動開始水位を検知するとポンプ14が作動し、所定時間作動しても貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がらない、あるいは貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がったとしても所定時間以上かかった場合には、給水装置4及びポンプ14が停止すると共に表示器33が排水異常モードとなる。この結果、水位センサ30が検知した水位が第1許容限界水位に達しなくても、排水速度が所定速度以下であれば制御装置6が圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の故障等の排水系のトラブルを検知することができる。また、トラブルの原因が排水系のトラブルであることを特定することができ、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、制御装置6が使用者からリモコン等により洗浄給水の指令を受けると、給水装置4が作動して、洗浄給水が開始される。このとき、給水が所定時間行われても貯留槽10内の水位が所定最低水位に達しない場合には、制御装置6が断水や便器排出口2aの詰まり等の給水系のトラブルと判断し、給水装置4が停止すると共に表示器33が給水異常モードとなる。この結果、配管の詰まりやポンプ14の故障等の排水系のトラブル以外にも、断水や便器排出口2aの詰まり等の給水系のトラブルを検知することができる。また、トラブルの原因が給水系のトラブルであることを特定することができ、トラブルの対処をスムーズに行うことができ、洗浄水不足による汚物の粉砕不良や配管詰まりのトラブルを最小限に留めることができる。
さらに、水位センサ30が第1許容限界水位を検知せずに、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、表示器33は、水位センサ異常モードとる。この結果、トラブルの原因が、上述した排水系や給水系のトラブル以外にも、水位センサ30のトラブルであることを特定することができ、故障箇所の特定が容易であり、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置のA−A断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置の一連の動作におけるシーケンスを示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置が便器洗浄時に正常に作動している場合における、水位センサが検知した貯留槽内の水位、ポンプ、及び、表示器の各状況を説明した図である。
【図5】本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置の貯留槽の水位が第1許容限界水位に達した場合における、水位センサが検知した貯留槽内の水位、ポンプ、及び、表示器の各状況を説明した図4と同様な図である。
【図6】本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置の貯留槽の水位がポンプ作動開始水位に達し、ポンプの所定時間作動経過後、水位がポンプ作動停止水位まで下がらない場合における、水位センサが検知した貯留槽内の水位、ポンプ、及び、表示器の各状況を説明した図4及び図5と同様な図である。
【図7】本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置が洗浄を開始し、給水装置の所定時間給水後、水位が所定最低水位に達しない場合における、水位センサが検知した貯留槽内の水位、給水装置、及び、表示器の各状況を説明した図である。
【図8】従来の圧送式トイレ装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0035】
1 圧送式トイレ装置
2 便器本体
2a 便器排出口
4 給水装置
4a 便器給水路
4b 粉砕部給水路
4c,4d 給水弁
6 制御装置
8 固形物粉砕圧送装置
9 フラップ弁
10 貯留槽
11 固形物
12 粉砕部
14 ポンプ
14a ポンプ吸入口
14b ポンプ吐出口
16 孔
18 スクリーン
20 粉砕室
22 カッター
24 回転軸
26 インペラ
28 粉砕圧送用モータ
30 水位センサ
30a 空洞管
30b 開口下端部
30c 感圧部
31 リミットセンサ
31a,31b 電極
31c 遮蔽体
32 圧送路
33 表示器
34 電動ボール弁
36 粉砕完了検知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体の排出口から排出される汚水に含まれる固形物を粉砕して圧送する圧送式トイレ装置であって、
便器本体を給水洗浄する給水洗浄手段と、
上記便器本体の排出口に連通し便器本体の排出口から排出された汚水及びこの汚水に含まれる固形物を貯溜する貯留槽と、
この貯留槽内に設けられ、上記固形物を粉砕する粉砕手段を備えた粉砕部と、
この粉砕手段により粉砕された固形物及び汚水を上記貯留槽の外部へ圧送するポンプ手段と、
上記貯留槽内の水位を検知し、上記貯留槽内の下方水位から第1許容限界水位までの水位を検知する第1水位検知手段と、
上記第1許容限界水位よりも高い第2許容限界水位を検知する第2水位検知手段と、
これらの第1水位検知手段及び第2水位検知手段の検知情報に基づいて上記貯留槽内の汚水が上記第1許容限界水位又は第2許容限界水位を越えてオーバーフローしないように上記給水洗浄手段、上記粉砕手段、及び、上記ポンプ手段を制御する制御部と、
を有することを特徴とする圧送式トイレ装置。
【請求項2】
更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知した場合、又は、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合に上記警告手段に警告を表示させる請求項1記載の圧送式トイレ装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知した場合、又は、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合に上記ポンプ手段を所定時間作動させた後停止させる請求項1又は2記載の圧送式トイレ装置。
【請求項4】
上記制御部は、上記ポンプ手段を所定時間作動させた後、上記第1水位検知手段よって検知される水位が所定水位まで低下していない場合には、上記警告手段に排水異常を表示させる請求項3記載の圧送式トイレ装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知した場合、又は、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合には、上記給水洗浄手段が作動させないようにする請求項1乃至4の何れか1項に記載の圧送式トイレ装置。
【請求項6】
更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記給水洗浄手段を所定時間作動させた後、上記第1水位検知手段が検知した水位が所定水位未満である場合に上記警告手段に給水異常を表示させる請求項1記載の圧送式トイレ装置。
【請求項7】
更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知し、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合には、上記警告手段に排水異常を表示させる請求項1記載の圧送式トイレ装置。
【請求項8】
更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知せずに、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合には、上記警告手段に上記第1水位検知手段の異常を表示させる請求項1記載の圧送式トイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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