説明

圧電アクチェータ

【課題】 絶縁破壊に関する問題の一部を実質的になくすか又は少なくとも軽減する圧電アクチェータを提供すること。
【解決手段】 圧電アクチェータ28は、正導体64aの各々と関連する第1分配電極50と、負導体64bの各々と関連する第2分配電極52とを備え、第1及び第2分配電極50,52は、絶縁基板51を備え、互いに対向する第1及び第2面54,56と、導体部材58と、複数の電荷分配要素70とを有し、導体部材58は、電源に電気的に接続可能であり、電荷分配要素70は、正及び負導体64a,64bに接続され、第1及び第2分配電極50,52は、導体部材58と電荷分配要素70との間にヒューズ手段をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電アクチェータに関し、さらに詳細には、内燃機関の噴射器に用いられる多層圧電積層式アクチェータに関する。また、本発明は、多層圧電積層式アクチェータと共に用いられるのに適した分配電極に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電燃料噴射器は、一般的に、燃料を燃焼空間に噴射するために、機械的に直列に配置された圧電素子の積層体からなる圧電アクチェータを用いて、噴射弁を開閉している。典型的には、圧電アクチェータは、噴射器ハウジングによって画成される、噴射圧力下にある燃料を含むチャンバー内に配置されている。圧電アクチェータは、機械的又は流体的連結具のいずれかによる噴射弁の移動を制御している。このような圧電燃料噴射器の例は、米国特許第6,520,423号に開示されている。
【0003】
典型的な多層圧電アクチェータ又は積層体が図1に示されている。この多層圧電アクチェータは、互いに対向する第1及び第2外面14,16を有する略矩形断面の積層体12を備えている。積層体12の互いに対向する面14,16は、それぞれ、第1及び第2導体又は分配電極18,20を備えている。積層体12は、複数の比較的薄い圧電セラミック層又は素子22を備え、各素子22は、内部電極24によって、隣接する素子22から離間されている。1つ置きの組の内部電極24は、それぞれ、第1分配電極18及び第2分配電極20に電気的に接続されて、2つの電極群を形成しており、これによって、1つの群の電極は、他の群の電極と両手の指を組み合わせたようにかみ合っている。
【0004】
図2を参照するに、使用時において、電圧が2つの分配電極18,20の間に印加されると、圧電素子22を挟む互いに隣接する内部電極24の対は、互いに対向する分極を有する相互導体になり、中間素子22に電場を印加することになる。換言すれば、分配電極18,20は、電荷をそれらが接続された内部電極24の各群に分配するように機能している。電場が分配電極18,20に印加されると、圧電アクチェータは、その長軸に沿って(もしその圧電アクチェータが通電伸張式の場合)伸張し、(もしその圧電アクチェータが非通電伸張式の場合)収縮することになる。
【0005】
各圧電素子22は誘電材料であり、その結果として、電荷を殆ど導通させず、互いに対向する内部電極24を絶縁し、その一方、それらの間に生じる電場を保持するように機能している。典型的には、各圧電素子22は、約100μmの厚みを有し、200Vの比較的低印加電圧によって、例えば、2kV/mmの十分な電場強さが内部電極間に得られ、アクチェータ積層体の必要な伸び又は収縮が得られる。しかし、もし圧電素子22の両端に印加される電圧が余りにも大きくなった場合、すなわち、電場が余りにも強くなった場合、誘電材料は破壊し始め、その結果、電流を導通させることになる。
【0006】
多層積層式アクチェータ内の圧電素子の絶縁破壊は、アクチェータの機能性に対して深刻な影響を及ぼすことになる。例えば、ほんの1つの圧電素子の絶縁破壊によって、2つの互いに対向する内部電極24間の低抵抗(短絡)経路を生じさせることになる。内部電極24は、分配電極18、20と平行に接続されているので、電荷が悪影響を受けていない内部電極24にもはや分配されず、各圧電素子22における電場が消散してしまう。従って、圧電アクチェータが動作不能になる。
【0007】
また、絶縁破壊は、圧電アクチェータに永久的な構造的損傷をもたらす。これは、高電流が短絡経路内を流れ、周囲のセラミック材料の温度を、圧電アクチェータのセラミック要素22と内部電極24を溶融させるような温度にまで上昇させることによるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述の問題の一部を実質的になくすか又は少なくとも軽減する圧電アクチェータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、複数の圧電素子であって、圧電素子の各々は、圧電素子によって互いから電気的に隔離された正及び負の電極対を有し、電極対は、1つ以上の電極対の群に配置されるような圧電素子と、群の各々の正電極と接続されている正導体と、群の各々の負電極と接続されている負導体とを備える積層体を有する圧電アクチェータが提供されている。この圧電アクチェータは、正導体の各々と関連する第1分配電極と、負導体の各々と関連する第2分配電極とをさらに備え、第1及び第2分配電極の各々は、絶縁基板を備え、絶縁基板は、互いに対向する第1及び第2面と、絶縁基板の第1面に配置される導体部材と、基板の第2面に配置される複数の電荷分配要素とを有し、導体部材は、使用時に、電源に電気的に接続可能であり、電荷分配要素は、正及び負の導体に接続されている。第1及び第2分配電極の各々は、導体部材と電荷分配要素との間に電気的接続をもたらすヒューズ手段をさらに備え、これによって、群の1つの内の1対の電極間に短絡が生じた場合、ヒューズ手段は、電源と正及び負の導体との間の電気的接続を遮断している。
【0010】
分配電極手段は、内部電極の前記1つの群を電源から断線するように機能するので、残りの群は、前記1つの群内の短絡によって悪影響を受けない。その結果、圧電アクチェータの機能性は、そのアクチェータが残りの作動要素と共にまだ操作し得る程度に、実質的に維持されることになる。内部電極の前記1つの群と関連する圧電素子はもはや電場を受けないので、それらの素子がもはや圧電アクチェータの全体的な伸張と収縮に寄与しないことは明らかである。その結果、アクチュエータの機能性はいくらか低下することになる。しかし、この性能の低下は、制御電子機器によって、自動的に補償され得るものである。
【0011】
具体的な実施形態において、前記の群の各々は、複数の電極対を備えているとよいが、各群は、単一の電極群のみを備えていてもよい。
【0012】
好ましくは、正及び負の導体は、積層体の互いに対向する外面のそれぞれに形成されるメタライズ領域の形態にある。同様に、導体部材と電荷分配要素は、基板のそれぞれの面に形成されたメタライズの領域であるのが好ましい。
【0013】
好ましくは、基板は、実質的に平面状又は平らな層である。
【0014】
導体部材と電荷分配要素との間に電気的接続を確立するために、基板は、基板の第1面から第2面に延在する複数の孔を備え、各孔は、それぞれ、電荷分配要素の1つに対応するようにされるとよい。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、ヒューズ手段は、導体部材から直角に離れるように延在する複数の導体アームを備え、導体アームの各々は、それぞれ、電荷分配要素の1つに対応している。好ましくは、ヒューズ手段は、孔の各々によって受けられる導体片をさらに備え、導体片は、導体アームの各々を、それぞれ、電荷分配要素の1つに電気的に接続するようにされているとよい。
【0016】
導体部材、電荷分配要素及びヒューズ手段は、他の方法によって製造されてもよいが、実際上、前述の部品は、通常、無電解メッキによって形成されている。
【0017】
他の態様によれば、本発明は、複数の圧電セラミック素子を備える積層体を有する圧電アクチェータと共に用いられる分配電極を提供している。各素子は、その圧電素子によって電気的に互いから隔離される正及び負の電極対を有している。分配電極は絶縁基板を備え、この絶縁基板は、互いに対向する第1及び第2面と、第1面に配置されて電源に電気的に接続可能な導体部材と、第2面に配置された1つ以上の電荷分配要素とを備えている。1つ以上の電荷分配要素は、積層体の正及び負の内部電極に電気的に接続可能であり、分配電極は、導体部材と1つ以上の電荷分配要素の各々との間に電気的接続をもたらすヒューズ手段をさらに備えている。
【0018】
さらに容易に理解され得るために、以下、単なる例示にすぎないが、添付の図面を参照して、本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図3及び図4をまず参照すると、積層体30を有する圧電アクチェータ28が示されている。積層体30は、第1端片34及び第2端片36の間に配置された複数の圧電層又は素子38を備えている。圧電素子38と端片34,36は、板又はタイルの形態にある。しかし、これは必ずしも必要ではなく、特に、第1端片34及び第2端片36は、もし特定の用途に対して必要であるなら、ドーム又はキャップのような異なる形態を取ってもよい。なお、積層体及び関連する部品の寸法は、明確にするために、図では誇張されている。
【0020】
積層体30の互いに隣接する素子38は、積層体30の第1端片34及び第2端片36と実質的に同一平面にあるように配置された正及び負の内部電極40a,40bによって、離間されている。従来の方法で、素子38と内部電極40a,40bは、1つ置きに並ぶ1つの組の電極40a,40bが第1電極群を形成し、残りの1つ置きの組の電極40a,40bが第2電極群を形成し、これによって、1つの電極群が他の電極群に両手を組み合わせたように積層されている。第1分配電極50及び第2分配電極52の形態にある矩形の分配電極手段は、それぞれ、積層体の前面S1及び後面S2に配置されている。分配電極50,52は、電荷を電極40a,40bに分配するように機能している。
【0021】
この明細書では、圧電アクチェータは、その前面、後面及び互いに対向する側面に基づいて説明されるが、これによって、圧電アクチェータが特定の方位に制限されるものではないことに留意すべきである。
【0022】
図4a及び図4bは、分配電極50,52が取り外された、積層体30の互いに対向する前面S1と後面S2とを示している。積層体30の互いに対向する前面S1と後面S2は、それぞれ、細長のメタライズされた導体領域64a,64bの形態にある接触手段を有している。
【0023】
積層体30の構造によれば、領域64a,64bは、選択された正の内部電極40aがメタライズ領域64aに接続され、選択された負の内部電極40bがメタライズ領域64bに接続されるように、それらの面S1,S2を横切って延在している。換言すれば、メタライズ領域64a,64bは、それぞれ、正及び負の導体パッド64a,64bであると考えられる。
【0024】
図5a、図5b及び図6を参照すると、積層体30から外された(図3に示されるような)分配電極手段50が示されている。分配電極50,52は、本質的に同一なので、以後、明確にするために、単一の分配電極50について説明する。
【0025】
分配電極50は、略平行の縦方向縁53と横方向縁55、及び互いに対向する第1平面54と第2平面56とを有する矩形のプラスチック基板層51を備えている。互いに対向する平面54,56は、それぞれ、総称的に57と59によって示されるメタライズ領域を有している。基板層51は、メタライズ領域57,59の各々を他の1つから絶縁するように機能することが理解されるべきである。この実施形態において、基板層51は、デュポン(DuPont)によるカプトン(Kapton)(登録商標)のようなポリイミドである。しかし、他の材料、例えば、PTFE,PFA及びETFEのようなポリマーも基板層51として適切であると考えられることが理解されるべきである。
【0026】
第1面54上のメタライズ領域57は、基板層51の縦方向縁(図5aに示される左側の縁)に近接して、それと略平行に延在するバスバー58の形態にある導体部材を備えている。4つの導体アーム60は、基板層51の第1面54を横切るように、バスバー58から直角に離れる方向に延在している。各導体アーム60は、第1面54の端から端の略中間において、丸められた端部で終端している。
【0027】
なお、導体アーム60は、第1面54の端から端の略中間において終端するように形作られているが、この配置は単なる例示であり、メタライズ領域57の寸法は、必要に応じて、具体的な用途に適するように変更され得ることが理解されるべきである。
【0028】
図5bを参照すると、基板層51の第2面56は、複数の電荷分配要素又は区域70の形態にある細長メタライズ領域59を有している。各電荷分配区域70は、バスバー58と対向する縦方向縁53(図示される右側縁)と近接する第1端を有している。各電荷分配区域70は、基板層51の横方向縁55と略平行に延在し、第2面56の端から端の略中間で終端する第2端を有している。区域70の各々は、導体アーム60の対応する1つと一直線上に並び、それらの区域70と導体アーム60の終端部は、上下に重畳されている。
【0029】
4つの孔62が基板層51を貫通し、各孔62は、導体アーム60とそれらと関連する区域70の重畳された終端部と一致している。
【0030】
図6は、より明確にするために、孔62の単一の位置を示している。この図から、各孔62の内面74も金属皮膜を有し、リングの形態にある導電片76を形成していることがわかる。導電片76は、各導電アーム60とその関連する区域70との間に電気的接続を確立している。
【0031】
分配電極50は、以下のようにして、製造されるとよい。最初に、基板層51が、具体的な用途に必要とされる所定の形状に形成される。次いで、孔62が、レーザ穿孔のような適切な技術によって、基板層51に形成されるとよい。基板層51に孔62を形成した後、メタライズ層の形成を可能とする化学触媒が基板層51に塗布される。化学触媒が、適切に形成されたフォトマスクを通して照射された入射UV光と反応し、その結果、必要な領域のみが活性化される。あるいは、触媒を活性化させるレーザ技術が用いられてもよい。このような技術は、当業者には知られている。最後に、従来の無電解メッキ法によって、金属皮膜が、孔62の内面74を含む活性領域に堆積される。
【0032】
分配電極50は、電荷分配区域70と積層体30の導体パッド64a,64bとの間に塗布される導体接着剤又はポリマーによって、積層体30に取り付けられる。導体接着剤/ポリマーは、積層体30への分配電極50の十分な付着をもたらしながら、電気的接続を最適化するものである。従って、電源(図示せず)と積層体30の内部電極40a,40bとの間に、分配電極50,52を介して、導体経路が確立されることになる。分配電極50,52は、他の方法、例えば、半田付け、ろう付けによって積層体に取り付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0033】
電場を圧電素子38内に確立するために、各分配電極50,52の各々のバスバー58は、電源装置(図示せず)の互いに対向する分極のそれぞれに接続されている。説明する目的にすぎないが、電気コネクターは、積層体30の上方に配置されたエンドキャップ(図示せず)から延在され、各電器コネクターは、例えば、半田付けによって、バスバー58に取り付けられるとよい。分配電極50,52に印加される電圧は、従来の電源装置によって、制御されるとよい。
【0034】
使用時において、もし挟み込まれた圧電素子38の絶縁破壊によって、互いに対向する電極40a,40b間に短絡が生じた場合、破壊された素子を一部として含む内部電極40a,40bの群に過剰な電流を供給する特定の導体アーム60がヒューズとして機能し、内部電極40a,40bを電源から隔離するように働くことになる。導電アーム60の寸法は、所定の電流閾値を有するように選択されている。従って、もし特定の導体アーム60の電流がその閾値を超えた場合、導体アーム60が焼損し、バスバー58と導体パッド64a,64bの1つとの間の電気的接続を遮断することになる。
【0035】
損傷した圧電素子38とその関連する群の要素のみが電源から隔離されるので、内部電極の残りの群への電気の供給は影響を受けない。従って、圧電素子の大半は、それらの機能性が維持されることになる。
【0036】
この実施形態において、各導体アーム60は、4つの内部電極からなる群(すなわち、4つの正電極40aの群又は4つの負電極40bの群)を電気的に接続しているので、その群内の1つの要素38の短絡によって、全部で9つの要素38が損失されることになる。しかし、9つの要素の損失は、圧電アクチェータに典型的に用いられる要素の全数と比較して、無視することができ、アクチュエータの機能性の取るに足らない損失は、関連する電源によって補償されることになる。
【0037】
図7は、本発明の代替的実施形態を示している。この実施形態において、必要に応じて、同様の部分は、同様の参照番号によって示されている。本発明の前述の実施形態では、2つの互いに対向する内部電極40a,40b間に短絡が生じた後も、圧電素子38の大半が操作可能に保たれるが、もし供給電子機器が要素38の損失を十分に補償できない場合、例えば、もし内部電極40a,40bの多数の群が、いくつかの短絡された要素38によって隔離された場合、圧電アクチェータの機能性の部分的な損失が生じることがある。図7において、(明瞭にするために大きく誇張された)積層体30は、前述の実施形態におけるように4つの内部電極を接続する正及び負の導体パッド64と異なり、1つの内部電極40a又は40bのみに専用の正及び負の導体パッド64の各々を示している。従って、もし絶縁破壊がある圧電素子38に生じた場合、対応する単一の内部電極40a,40bと関連する導体アーム60のみが融解することになる。これによって、3つの圧電素子38のみの機能性が損失される結果となる。
【0038】
本発明の好ましい具体的な実施形態について説明したが、当該実施形態は、単なる例示にすぎず、適切な知識と技術を有する者によって、変形形態及び修正形態がなされ得ることが理解されるべきである。従って、添付の請求項に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、代替的実施形態がなされ得る。例えば、前述の実施形態において、導体パッド64a,64bは、1つ又は4つのいずれかの内部電極層40a,40bの群を接続している。しかし、本発明は、分配電極50,52と導体パッド64a,64bが、さらに多数の内部電極層40a,40bを電気的に接続するように形成される場合にも、同様に適用され得る。同様に、図3、図4及び図7に示される圧電アクチェータの積層体は、31個の圧電素子を備えているが、実際には、このような圧電アクチェータの積層体は、さらに多数(典型的には、数百個)の圧電素子を備えていることが理解されるべきである。
【0039】
なお、導体アーム60は、内部電極の個々又は選択された群を隔離するために、ヒューズとして機能するが、バスバー58と接続パッド64との間及びそれらを含む任意の点が、ヒューズ機能をもたらし得ることが理解されるべきである。例えば、もし過剰な電流が導電アーム60の前に孔62内の接続片76内を焼損させる場合、ヒューズ機能はこの接続片76によって、もたらされ得る。あるいは、基板層51の物理的特性は、基板の温度が特定要素の短絡に対応するレベルまで昇温したとき、孔62の領域における基板の部分が「収縮」することを確実にするように、選択されてもよい。従って、実際上、孔62の内径が増大し、その結果、接続片76が破砕し、接続アーム60と送電パッド64a,64bとの間の電気的接続を遮断することになる。
【0040】
さらに、導体パッド64a,64bは、積層体30のそれぞれの面S1,S2の一部を横切って延在するように述べられたが、適切であれば、同様に、関連する面S1,S2の幅の全体を実質的に横切って延在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】既知の多層圧電アクチェータを示す斜視図である。
【図2】図1の圧電アクチェータの概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態による圧電アクチェータを示す斜視図である。
【図4】a及びbは、分配電極が取り外された図3の圧電アクチェータの互いに対向する面を示す斜視図である。
【図5】a及びbは、図3の分配電極の互いに対向する面を示す図である。
【図6】線A−Aに沿った図5aの分配電極の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による圧電アクチェータを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
28 圧電アクチェータ
30 積層体
38 圧電素子
40a 正の内部電極
40b 負の内部電極
50 第1分配電極
51 プラスチック基板層
52 第2分配電極
53 縦方向縁
54 第1平面
55 横方向縁
56 第2平面
57,59 メタライズ領域
58 バスバー
60 導体アーム
62 孔
64a 正のメタライズ領域(正の導体パッド)
64b 負のメタライズ領域(負の導体パッド)
70 電荷分配区域
74 (孔の)内面
76 導電片
S1 前面
S2 後面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧電素子であって、前記圧電素子の各々は、前記圧電素子によって互いから電気的に隔離された正及び負の電極対を有し、前記電極対は、1つ以上の電極対の群に配置されるような圧電素子と、
前記群の各々の前記正電極と接続されている正導体と、
前記群の各々の前記負電極と接続されている負導体と
を備える積層体を有する圧電アクチェータにおいて、
前記正導体の各々と関連する第1分配電極と、
前記負導体の各々と関連する第2分配電極と
をさらに備え、
前記第1及び第2分配電極の各々は、絶縁基板を備え、前記絶縁基板は、互いに対向する第1及び第2面と、前記絶縁基板の前記第1面に配置される導体部材と、前記基板の前記第2面に配置される複数の電荷分配要素とを有し、前記導体部材は、使用時に、電源に電気的に接続可能であり、前記電荷分配要素は、前記正及び負の導体に接続され、前記第1及び第2分配電極の各々は、前記導体部材と前記電荷分配要素との間に電気的接続をもたらすヒューズ手段をさらに備え、これによって、前記群の1つの内の1対の電極間に短絡が生じた場合、前記ヒューズ手段は、前記電源と前記正及び負の導体との間の電気的接続を遮断するようになっていることを特徴とする圧電アクチェータ。
【請求項2】
前記正及び負の導体は、前記積層体の互いに対向する外面のそれぞれに形成されたメタライズ領域であることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチェータ。
【請求項3】
前記基板は、実質的に平面状の層であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電アクチェータ。
【請求項4】
前記導体部材と前記1つ以上の電荷分配要素は、前記基板の前記面のそれぞれに形成されたメタライズ領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチェータ。
【請求項5】
前記基板は、前記基板の前記第1及び第2面間に延在する複数の孔を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電アクチェータ。
【請求項6】
前記孔の各々は、それぞれ、前記電荷分配要素の1つに対応していることを特徴とする請求項5に記載の圧電アクチェータ。
【請求項7】
前記ヒューズ手段は、前記導体部材から直角に離れるように延在する複数の導体アームを備え、前記導体アームの各々は、それぞれ、前記電荷分配要素の1つに対応していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電アクチェータ。
【請求項8】
前記ヒューズ手段は、前記孔の各々によって受けられる導体片をさらに備え、前記導体片は、前記導体アームの各々を、それぞれ、前記電荷分配要素の1つに電気的に接続するようにされていることを特徴とする請求項7に記載の圧電アクチェータ。
【請求項9】
前記導体部材は、バスバーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電アクチェータ。
【請求項10】
複数の圧電素子を備える積層体を有する圧電アクチェータと共に用いられる分配電極であって、前記圧電素子の各々は、前記圧電素子によって互いから電気的に隔離された正電極と負電極の対を有するような分配電極において、
互いに対向する第1及び第2面と、前記第1面に配置された導体部材と、前記第2面に配置された複数の電荷分配要素とを有する絶縁基板を備え、
前記導体部材は、使用時に、電源に電気的に接続可能であり、前記電荷分配要素は、前記積層体の前記正及び負の内部電極に電気的に接続可能であり、前記分配電極は、前記導体部材と前記電荷分配要素の各々との間に電気的接続をもたらすヒューズ手段をさらに備えていることを特徴とする分配電極。
【請求項11】
前記ヒューズ手段は、前記導体部材から直角に延在する複数の導体アームを備え、前記導体アームの各々は、前記電荷分配要素の1つに対応していることを特徴とする請求項10に記載の分配電極。
【請求項12】
前記基板は、前記基板の前記第1面から前記第2面に延在する複数の孔を備え、前記孔の各々は、前記電荷分配要素の1つに対応していることを特徴とする請求項10または11に記載の分配電極。
【請求項13】
前記ヒューズ手段は、前記孔の各々によって受けられる導体片をさらに備えていることを特徴とする請求項12に記載の分配電極。
【請求項14】
前記導体片は、メタライズされたリングの形態にあることを特徴とする請求項13に記載の分配電極。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−13486(P2006−13486A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−166441(P2005−166441)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)