説明

圧電エネルギ生成システムおよびその生成方法

【課題】 液体を噴霧する霧化装置の圧電エネルギ素子の好適な動作周波数を自動的に提供する圧電エネルギ生成システムおよびその方法を提供する。
【解決手段】 プロセッサ10によって周波数生成器11を制御して一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号201(または転換後の第3の電気信号202)を圧電エネルギ素子13に連続発信する。圧電エネルギ素子13は第1の電気信号201または第3の電気信号202に基づいて一連の対応する第2の電気信号203(または転換後の第4の電気信号205)を生成してプロセッサ10に与える。プロセッサ10は第1の電気信号201の周波数と第2の電気信号201(または第3の電気信号202)の電圧値(またはフィードバック周波数値)との関係に基づいて周波数生成器11を制御して好適な周波数の第1の電気信号201(または第3の電気信号202)を生成して圧電エネルギ素子13に与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴霧する霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムおよび圧電エネルギ生成方法に関し、特に掃引技術および電気信号フィードバックを利用した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来技術による医療用霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムを示すブロック図である。図中、圧電エネルギ生成システム1は少なくとも、プロセッサ10、周波数生成器11、信号増幅器12および圧電エネルギ素子13を備える。プロセッサ10は所定の制御信号101を周波数生成器11に発信する。周波数生成器11はこの制御信号101に基づいて所定の周波数の第1の電気信号111を信号増幅器12に発信する。最後に信号増幅器12は第1の電気信号111に基づいて所定の信号増幅を行い、その後、この増幅信号121によって圧電エネルギ素子13を駆動し、医療で薬液等を噴霧する霧化装置を正常に運転させる。
【0003】
しかし、各霧化装置に使用される圧電エネルギ素子13は、素子の特性上、すべてに差異があるので、必要とする所定の制御信号101、必要とする所定の周波数または必要とする第1の電気信号111は、霧化装置が出荷する前に予め設定したり、霧化装置が出荷された後、圧電エネルギ素子を交換したりする必要があり、さらに、圧電エネルギ素子は時間が経過するに連れて材質が変性するので微調整を行う必要があり、それによって霧化装置の圧電エネルギ素子13を好適な周波数での作動状態にすることができる。
【0004】
従来技術における即時に調整または微調整ができず、さらに、霧化装置が故障したり、運転に異常が発生したりしたとき、適当な保護警告または保護動作を提供できないなどの問題に鑑み、本発明の発明者はこれらの問題を解決するために、長年に渡る霧化装置の圧電エネルギ生成システムおよび圧電エネルギ生成方法の研究および経験から、ついに上述の欠点を解決する霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムおよび圧電エネルギ生成方法を案出した。
【特許文献1】特許第2696455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、霧化装置の圧電エネルギ素子の好適な動作周波数を自動的に提供する霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムおよび圧電エネルギ生成方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、霧化装置の圧電エネルギ素子の運転状況を監視することによって、保護警告または保護動作を提供する霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムおよび圧電エネルギ生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を解決するために、本発明による圧電エネルギ生成システムは、少なくとも、周波数生成ユニット、圧電エネルギ素子および処理ユニットを備え、或いはさらに、信号増幅ユニットまたはフィードバック信号受信ユニットを備える。処理ユニットは周波数生成ユニットを制御して一連の周波数の第1の電気信号を発信して圧電エネルギ素子に与えることができる。または外部からの予めの設定後、一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号を自主的に発信して圧電エネルギ素子に与えることもできる(または信号増幅ユニットを通じて第3の電気信号に転換して圧電エネルギ素子に与える)。圧電エネルギ素子はこれらの第1の電気信号(または第3の電気信号)に基づいて一連の対応する第2の電気信号を生成して処理ユニットに与える(またはフィードバック信号受信ユニットによって第4の電気信号に転換して処理ユニットに与える)。このあと、処理ユニットはこれらの第2の電気信号(または第4の電気信号)の電圧値(またはフィードバック周波数値)に基づき、また第1の電気信号の周波数値などの関係に対応させて処理ユニットに周波数生成ユニットを制御させて好適な周波数の第1の電気信号を圧電エネルギ素子に提供する(または信号増幅ユニットを通じて第3の電気信号に転換して圧電エネルギ素子に提供する)。
【0007】
本発明の提供する圧電エネルギシステムは少なくとも、周波数生成ユニット、圧電エネルギ素子、処理ユニットおよび保護ユニットを備え、或いはさらに信号増幅ユニットまたはフィードバック信号ユニットを備える。処理ユニットは所定の周波数と電圧(またはフィードバック周波数)との関係表から好適な周波数の電圧値(またはフィードバック周波数値)を知ることができる。注意すべき点として、この関係表は設計者が予め設定したり、処理ユニットが予め掃引を行ったりすることによって取得される。この後、処理ユニットは制御信号を周波数生成ユニットに発信する。このときの周波数生成ユニットはこの制御信号を受信することによって、好適な周波数の第1の電気信号を圧電エネルギ素子に発信することができる(または信号増幅ユニットを通じて第3の電気信号に転換して圧電エネルギ素子に与える)。圧電エネルギ素子はこの第1の電気信号(または第3の電気信号)に基づいて対応する第2の電気信号を生成して処理ユニットに与える(またはフィードバック受信ユニットによって第4の電気信号に転換して処理ユニットに与える)。最後に、処理ユニットは第2の電気信号(または第4の電気信号)に基づいて周期的、不定期または継続的にこの第2の電気信号(または第4の電気信号)の電圧値(またはフィードバック周波数値)に異常な変化がないかどうかを監視する。異常な変化があったとき、処理ユニットは保護ユニットに通知して保護警告または保護動作を起動する。この保護警告または保護動作は通常、警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりすることである。
【0008】
上述の圧電エネルギ生成システムに基づき、本発明はさらに霧化装置に使用される圧電エネルギ生成方法を提供し、下記のステップを含む。
【0009】
(a)処理ユニットが周波数生成ユニットを制御することによって一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号を圧電エネルギ素子に連続して発信するか、或いは信号増幅ユニットを通じて第3の電気信号に転換して圧電エネルギ素子に与える。ここで注意すべき点として、この周波数生成ユニットは外部からの予めの設定によって自主的に一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号を連続して発信することもできる。
(b)圧電エネルギ素子はこれらの第1の電気信号(または第3の電気信号)に基づいて一連の対応する第2の電気信号を生成するか、或いはフィードバック信号受信ユニットを通じて第4の電気信号に転換し、処理ユニットに与える。
(c)処理ユニットはフィードバック信号受信ユニットの第2の電気信号(または第4の電気信号)を受信することにより、これらの第2の電気信号(または第4の電気信号)の電圧値(またはフィードバック周波数値)と対応する第1の電気信号の周波数との関係を知ることができる。
(d)処理ユニットは上述の電圧(またはフィードバック周波数)と周波数との関係から特定の制御信号を発信し、周波数生成ユニットを制御して好適な周波数の第1の電気信号を圧電エネルギ素子に提供するか、或いは信号増幅ユニットを通じて第3の電気信号に転換して圧電エネルギ素子に与えることによって好適な運転を行わせることもできる。
(e)周波数生成ユニットがこの制御信号を受信し、好適な周波数の第1の電気信号を圧電エネルギ素子に発信したとき(または信号増幅ユニットを通じて第3の電気信号に転換し圧電エネルギ素子に与えたとき)、圧電エネルギ素子は第1の電気信号に対応する第2の電気信号を生成して処理ユニットに与えるか、或いはフィードバック信号受信ユニットを通じて第4の電気信号に転換して処理ユニットに与える。
(f)処理ユニットは周期的、不定期または継続的に第2の電気信号(または第4の電気信号)の電圧値(またはフィードバック周波数値)の持続変化を監視する。
(g)処理ユニットが上述の電圧値(またはフィードバック周波数値)の変化に異常を検出したとき、処理ユニットは保護ユニットに通知して警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりして保護警告または保護動作を行うことができる。
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システム2であり、前記圧電エネルギ生成システムは少なくとも、一連の制御信号または予めされた設定に基づき、一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号201を連続して発信する周波数生成ユニット11と、前記第1の電気信号に基づき、一連の対応する第2の電気信号203を生成する圧電エネルギ素子13と、選択的に前記一連の制御信号を発信し、前記一連の第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値と前記一連の第1の電気信号201との周波数関係に基づき、前記周波数生成ユニット11を制御して前記圧電エネルギ素子13の好適な周波数の第1の電気信号201を提供する処理ユニット10とを備えることを特徴とする圧電エネルギ生成システムである。
また、請求項17の発明は、霧化装置に使用される圧電エネルギ生成方法であり、前記圧電エネルギ生成方法は、処理ユニット10によって周波数生成ユニット11を制御するか、或いは前記周波数生成ユニット11を予め設定し、一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号201を圧電エネルギ素子に連続して発信するステップと、前記第1の電気信号201に基づき、前記圧電エネルギ素子13に一連の対応する第2の電気信号203を生成させるステップと、前記一連の第2の電気信号203の電圧値またはフィードバック周波数値と前記一連の第2の電気信号との周波数関係に基づき、前記処理ユニット10に前記周波数生成ユニット11を制御させ、前記圧電エネルギ素子13の好適な周波数の第1の電気信号201を提供するステップとを含むことを特徴とする圧電エネルギ生成方法である。
言い換えれば、プロセッサ10によって周波数生成器11を制御して一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号201(または転換後の第3の電気信号202)を圧電エネルギ素子13に連続発信し、圧電エネルギ素子13は第1の電気信号201または第3の電気信号202に基づいて一連の対応する第2の電気信号203(または転換後の第4の電気信号205)を生成してプロセッサ10に与え、プロセッサ10は第1の電気信号201の周波数と第2の電気信号201(または第3の電気信号202)の電圧値(またはフィードバック周波数値)との関係に基づいて周波数生成器11を制御して好適な周波数の第1の電気信号201(または第3の電気信号202)を生成して圧電エネルギ素子13に与えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の液体の霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システム及び方法によれば、処理ユニットの掃引によって周波数生成ユニットがどの種の周波数の第1の電気信号を発信するべきかを確認し、信号増幅ユニットによって第3の電気信号に転換して圧電エネルギ素子に与えた後、圧電エネルギ素子は最良の動作周波数の下での運転を確保することができる。また、前述の従来技術とは異なり、本発明においては、圧電エネルギ素子は最良の周波数での運転状態確保することができ、霧化装置が故障したり、運転に異常が生じたり、圧電エネルギ素子を交換する必要があったりしたとき、好適な保護警告または保護動作を提供することができる。処理ユニットはフィードバック信号受信ユニットを通じて圧電エネルギ素子がフィードバックした第4の電気信号に異常があるかどうかを監視でき、例えば、処理ユニットが監視した第4の電気信号と前回監視したときの第4の電気信号との違いが所定の閾値に到達したことを検知した場合、処理ユニットは保護装置に通知して警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりして保護警告または保護動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図に沿って、本発明の好適な実施例による医療用の薬液等を噴霧する霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムおよび圧電エネルギ生成方法を説明する。また、理解しやすいように、下記の実施例において従来技術の説明で用いたのと同一の部材には同一の符号を使用して説明を行う。
【0013】
図2は、本発明の実施例の医療用の水や薬液等を噴霧する霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムを示すブロック図である。図中、圧電エネルギ生成システム2は少なくとも、処理ユニットでもあるプロセッサ10、周波数生成ユニットでもある周波数生成器11、信号増幅ユニットでもある信号増幅器12、圧電エネルギ素子13、および、フィードバック信号受信ユニットでもあるフィードバック信号受信回路20を備える。周波数生成器11は異なる範囲の周波数(例えば90〜100kHz)の第1の電気信号201を圧電エネルギ素子13に発信したり、或いは信号増幅器12を通じて異なる範囲の周波数(例えば90〜100kHz)の第3の電気信号202を圧電エネルギ素子13に発信したりすることができる。圧電エネルギ素子13は通常特定周波数(動作周波数)の第1の電気信号201または第3の電気信号202を受信する必要があり、それによって正常な運転を行うことができる。本発明において、霧化装置のスイッチがオンのとき、プロセッサ10は掃引機能を行う。つまり、プロセッサ10は一連の制御信号204を利用して周波数生成器11を制御し、異なる周波数の第1の電気信号201を信号増幅器12に提供し、第3の電気信号に転換した後、圧電エネルギ素子13に与える。このとき、圧電エネルギ素子13は第2の電気信号203をフィードバック信号受信回路20に提供することができ、また、それによってフィードバック信号受信回路20を通じて第2の電気信号203に対して整流、フィルタリングまたは整流およびフィルタリングを行って第4の電気信号205を生成してプロセッサ10に与えることができる。プロセッサ10は第1の電気信号201および第4の電気信号205に基づいて圧電エネルギ素子13が異なる周波数範囲において反応した電圧値(またはフィードバック周波数値)を計算することができる。注意すべき点として、この周波数生成器11はプロセッサ10によって一連の周波数の第1の電気信号201の生成を制御できる。また、外部からの予めの設定後、一連の周波数の第1の電気信号201を自主的に生成することもできる。
【0014】
図3は、上述の圧電エネルギ素子13の異なる周波数範囲において反応した電圧値(またはフィードバック周波数値)の関係を示す図である。図中、横軸は圧電エネルギ素子13に与える異なる周波数値であり、縦軸はこれらの周波数値に対応して圧電エネルギ素子13が反応した電圧値(またはフィードバック周波数値)である。本実施例において、周波数生成器11が圧電エネルギ素子13に与える周波数範囲において、プロセッサ10は通常その周波数範囲を2のn乗(ここでのnは整数)の周波数値《すなわち、2の冪乗(根数の相乗積)の周波数値》でサンプリングし、計算して2のn乗に対応する電圧値(またはフィードバック周波数値)を取得する。その中で、プロセッサ13は通常最小値の電圧値(図中の符号V1)(またはフィードバック周波数値:図中の符号F3)に対応する周波数値(図中の符号F1)を圧電エネルギ素子13の最良の動作周波数とする。
【0015】
図3に対応して、図4は上述の圧電エネルギ素子13の異なる周波数範囲において反応した電圧値(またはフィードバック周波数値)のもう1つの関係を示す図である。図中、横軸は圧電エネルギ素子13に与える異なる周波数値を表し、縦軸はこれらの周波数値に対応して圧電エネルギ素子13が反応した電圧値(またはフィードバック周波数値)である。本実施例において、周波数生成器11が圧電エネルギ素子13に与える周波数の範囲において、プロセッサ10は通常その周波数範囲を2のn乗(ここでのnは整数)の周波数値でサンプリングし、2のn乗に対応する電圧値(またはフィードバック周波数値)を取得する。ここで、プロセッサ13は通常最大値の電圧値(図中の符号V2)(またはフィードバック周波数値:図中の符号F4)に対応する周波数値(図中の符号F2)を圧電エネルギ素子13の最良の動作周波数とする。
【0016】
図5は本発明の霧化装置に使用される圧電エネルギ生成方法を示すフロー図である。図中、前述の図2および図3または図4に対応し、本発明の圧電エネルギ生成方法は下記のステップを含む。
【0017】
ステップ50:プロセッサ10が周波数生成器11を制御することによって一連の所定の周波数帯の範囲(例えば90〜100kHz)の第1の電気信号201を連続して発信し、信号増幅器12によって第3の電気信号202に転換して圧電エネルギ素子に与える。ここで注意すべき点として、この周波数生成器11は自主的に一連の所定の周波数帯の範囲(例えば90〜100kHz)の第1の電気信号201を連続して発信し、信号増幅器12によって第3の電気信号202に転換して圧電エネルギ素子に与えることもできる。
ステップ51:これらの第3の電気信号202に基づいて圧電エネルギ素子13に一連の対応する第2の電気信号203を生成させ、フィードバック信号受信回路20によって第4の電気信号205に転換し、プロセッサ10に与える。
ステップ52:これらの第4の電気信号205の電圧値(またはフィードバック周波数値)と対応する周波数との関係(図3、4に示す)に基づいてプロセッサ10に確認を行わせ、また、周波数生成器11を制御して圧電エネルギ素子13の好適な動作周波数(通常図3の電圧最小値V1またはフィードバック周波数最小値F3に対応する動作周波数F1、或いは図4の電圧最大値V2またはフィードバック周波数最小値F4に対応する動作周波数F2)を提供する。
【0018】
前述の内容に対応して、図6は本発明の霧化装置の圧電エネルギ生成システムを示すもう1つのブロック図である。図中、プロセッサ10の掃引によって周波数生成器11がどの種の周波数の第1の電気信号201を発信するべきかを確認し、信号増幅器12によって第3の電気信号202に転換して圧電エネルギ素子13に与えた後、圧電エネルギ素子13は最良の動作周波数の下での運転を確保することができる。ただ、前述の従来技術とは異なり、本発明においては、圧電エネルギ素子は最良の周波数での運転状態確保することができ、霧化装置が故障したり、運転に異常が生じたり、圧電エネルギ素子13を交換する必要があったりしたとき、好適な保護警告または保護動作を提供することができる。プロセッサ10はフィードバック信号受信回路20を通じて圧電エネルギ素子がフィードバックした第4の電気信号205に異常があるかどうかを監視でき、例えば、プロセッサ10が監視した第4の電気信号205と前回監視したときの第4の電気信号205との違いが所定の閾値に到達したことを検知した場合、プロセッサ10は保護ユニットでもある保護装置60に通知して警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりして保護警告または保護動作を行うことができる。
【0019】
図7は、本発明の霧化装置に使用される圧電エネルギ生成方法を示すもう1つのフロー図である。図中、前述の図2および図3または図4に対応し、本発明の圧電エネルギ生成方法は少なくとも下記のステップを含む。
【0020】
ステップ70:処理ユニットが図3、4に示す周波数と電圧との関係表に基づいて制御信号204を発信する。
ステップ71:周波数生成器11によってプロセッサ10からの制御信号204を受信し、好適な周波数の第1の電気信号201を圧電エネルギ素子13に与えるか、或いは信号増幅器12を通じて好適な周波数の第3の電気信号202を圧電エネルギ素子13に与える。
ステップ72:圧電エネルギ素子13が第2の電気信号203を生成してプロセッサ10に与えるか、或いはフィードバック信号受信回路20を通じて第4の電気信号205を生成してプロセッサ10に与える。
ステップ73:プロセッサ10が第2の電気信号203または第4の電気信号205に異常な変化があるかどうかを持続して監視する。
ステップ74:ステップ73に続き、異常変化がある場合、プロセッサ10から保護装置60に通知し、所定の保護警告または保護動作を行う。
【0021】
上述の詳細な説明は本発明の実施例を示したものであり、本発明を制限するものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲における本発明の実施例に示したソフト、ハード、ファームウェアまたは如何なる組み合わせを含む修飾または変更はすべて本発明に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術による圧電エネルギ生成システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例の圧電エネルギ生成システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例の圧電エネルギ生成システムにおける電圧(またはフィードバック周波数)と周波数との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例の圧電エネルギ生成システムにおける電圧(またはフィードバック周波数)と周波数との関係を示すもう一つの図である。
【図5】本発明の実施例の圧電エネルギ生成方法を示すフロー図である。
【図6】本発明の実施例の圧電エネルギ生成システムのもう1つのブロック図である。
【図7】本発明の実施例の圧電エネルギ生成方法を示すもう1つのフロー図である。
【符号の説明】
【0023】
2 圧電エネルギ生成システム
10 プロセッサ
11 周波数生成器
12 信号増幅器
13 圧電エネルギ素子
20 フィードバック信号受信回路
201第1の電気信号
202第3の電気信号
203第2の電気信号
204制御信号
205第4の電気信号
60 保護装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムであり、前記圧電エネルギ生成システムは少なくとも、
一連の制御信号または予めされた設定に基づき、一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号を連続して発信する周波数生成ユニットと、
前記第1の電気信号に基づき、一連の対応する第2の電気信号を生成する圧電エネルギ素子と、
選択的に前記一連の制御信号を発信し、前記一連の第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値と前記一連の第1の電気信号との周波数関係に基づき、前記周波数生成ユニットを制御して前記圧電エネルギ素子の好適な周波数の第1の電気信号を提供する処理ユニットと
を備えることを特徴とする圧電エネルギ生成システム。
【請求項2】
前記周波数生成ユニットは、信号増幅ユニットを通じて前記第1の電気信号を前記圧電エネルギ素子に伝送することを特徴とする請求項1記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項3】
前記処理ユニットは、フィードバック信号受信ユニットを通じて前記圧電エネルギ素子が伝送した前記第2の電気信号を受信することを特徴とする請求項1記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項4】
前記一連の所定の周波数帯の範囲は、所定の2の冪乗の周波数値であり、前記一連の第2の電気信号の2の冪乗の電圧値またはフィードバック周波数値にそれぞれ対応することを特徴とする請求項1記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項5】
前記好適な周波数の第1の電気信号は、前記2の冪乗の最大または最小の電圧値またはフィードバック周波数値であることを特徴とする請求項4記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項6】
前記圧電エネルギ生成システムは、さらに保護ユニットを備えることを特徴とする請求項5記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項7】
前記保護ユニットは、前記処理ユニットによって前記圧電エネルギ素子がフィードバックした前記第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値を監視し、保護警告または保護動作を起動するかどうかを確認することを特徴とする請求項6記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項8】
前記保護警告または保護動作は、警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりすることであることを特徴とする請求項7記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項9】
霧化装置に使用される圧電エネルギ生成システムであり、前記圧電エネルギ生成システムは少なくとも、
制御信号を受信し、好適な周波数の第1の電気信号を発信する周波数生成ユニットと、
前記第1の電気信号に基づき、一連の対応する第2の電気信号を生成する圧電エネルギ素子と、
予め設定されるか、或いは前記処理ユニットが予め掃引機能を実行することによって獲得される所定の周波数と電圧またはフィードバック周波数との関係表に基づいて前記制御信号を発信し、前記第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値に異常な変化がないかどうか監視する処理ユニットと
を備えることを特徴とする圧電エネルギ生成システム。
【請求項10】
前記周波数生成ユニットは、信号増幅ユニットを通じて前記第1の電気信号を前記圧電エネルギ素子に伝送することを特徴とする請求項9記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項11】
前記処理ユニットは、フィードバック信号受信ユニットを通じて前記圧電エネルギ素子が伝送した前記第2の電気信号を受信することを特徴とする請求項9記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項12】
前記所定の周波数と電圧またはフィードバック周波数との関係表は、2の冪乗の周波数値であり、2の冪乗の電圧値またはフィードバック周波数値にそれぞれ対応することを特徴とする請求項9記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項13】
前記好適な周波数の第1の電気信号は、前記2の冪乗の最大または最小の電圧値またはフィードバック周波数値であることを特徴とする請求項12記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項14】
前記圧電エネルギ生成システムは、さらに保護ユニットを備えることを特徴とする請求項9記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項15】
前記保護ユニットは、前記処理ユニットが監視する前記第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値に異常な変化がないかどうかに基づき、保護警告または保護動作を起動するかどうかを確認することを特徴とする請求項14記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項16】
前記保護警告または保護動作は、警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりすることであることを特徴とする請求項15記載の圧電エネルギ生成システム。
【請求項17】
霧化装置に使用される圧電エネルギ生成方法であり、前記圧電エネルギ生成方法は、
処理ユニットによって周波数生成ユニットを制御するか、或いは前記周波数生成ユニットを予め設定し、一連の所定の周波数帯の範囲の第1の電気信号を圧電エネルギ素子に連続して発信するステップと、
前記第1の電気信号に基づき、前記圧電エネルギ素子に一連の対応する第2の電気信号を生成させるステップと、
前記一連の第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値と前記一連の第2の電気信号との周波数関係に基づき、前記処理ユニットに前記周波数生成ユニットを制御させ、前記圧電エネルギ素子の好適な周波数の第1の電気信号を提供するステップと
を含むことを特徴とする圧電エネルギ生成方法。
【請求項18】
前記第1の電気信号が信号増幅ユニットを通じて前記圧電エネルギ素子に伝送されるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項19】
前記第2の電気信号がフィードバック信号受信ユニットを通じて前記処理ユニットに伝送されるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項20】
前記一連の所定の周波数帯の範囲は、所定の2の冪乗の周波数値であり、前記一連の第2の電気信号の2の冪乗の電圧値またはフィードバック周波数値に対応することを特徴とする請求項17記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項21】
前記好適な周波数の第1の電気信号は、前記2の冪乗の最大または最小の電圧値またはフィードバック周波数値であることを特徴とする請求項20記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項22】
前記処理ユニットによって前記圧電エネルギ素子がフィードバックした前記第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値を監視し、保護警告または保護動作を起動するかどうかを確認するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項23】
前記保護警告または保護動作は、警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりすることであることを特徴とする請求項22記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項24】
霧化装置に使用される圧電エネルギ生成方法であり、前記圧電エネルギ生成方法は少なくとも、
周波数生成ユニットを通じて制御信号を受信し、好適な周波数の第1の電気信号を発信するステップと、
前記第1の電気信号を圧電エネルギ素子に伝送し、それによって対応する第2の電気信号を生成するステップと、
処理ユニットが、予め設定されるか、或いは前記処理ユニットが予め掃引機能を実行することによって獲得される所定の周波数と電圧またはフィードバック周波数との関係表に基づいて前記制御信号を発信し、前記第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値に異常な変化がないかどうか監視するステップと
を含むことを特徴とする圧電エネルギ生成方法。
【請求項25】
前記第1の電気信号が信号増幅ユニットを通じて前記圧電エネルギ素子に伝送されるステップをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項26】
前記第2の電気信号がフィードバック信号受信ユニットを通じて前記処理ユニットに伝送されるステップをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項27】
前記所定の周波数と電圧またはフィードバック周波数との関係表は、2の冪乗の周波数値であり、前記2の冪乗の電圧値またはフィードバック周波数値にそれぞれ対応することを特徴とする請求項24記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項28】
前記好適な周波数の第1の電気信号は、前記2の冪乗の最大または最小の電圧値またはフィードバック周波数値に対応することを特徴とする請求項27記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項29】
前記処理ユニットが前記第2の電気信号の電圧値またはフィードバック周波数値に異常な変化がないかどうかを監視し、保護警告または保護動作を起動するかどうかを確認するステップをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の圧電エネルギ生成方法。
【請求項30】
前記保護警告または保護動作は、警告メッセージを表示したり、警告音声を発生させたり、霧化装置の電源をオフにしたり、警告灯を点灯させたりすることであることを特徴とする請求項29記載の圧電エネルギ生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−126209(P2008−126209A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317366(P2006−317366)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(504192070)合世生醫科技股▲分▼有限公司 (11)
【Fターム(参考)】