説明

圧電セラミックトランス装置およびこれを用いる光源装置

【課題】高電力駆動を行っても発煙や発火の危険性がなく、圧電セラミックトランスを破壊に至らしめることのない安全な圧電セラミックトランス装置、および放電管、特に複数の放電管を同時に均一に発光させることができる小型から大型の液晶表示装置の面状照明装置として適用可能な光源装置を提供する。
【解決手段】入力された1次側交流信号に基づいて2次側交流信号を出力する圧電セラミックトランスと、この圧電セラミックトランスに1次側交流信号を入力する駆動部と、圧電セラミックトランスの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段によって検知された温度に応じて駆動部による1次側交流信号の入力を制限する保護回路とを有することにより、さらに、圧電セラミックトランスの駆動によって発光する放電管と、放電管に流れる管電流を検出する管電流検出回路と、管電流に応じて制御された発振周波数の基本波を発生する電圧制御発振回路とを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電セラミックトランス装置、およびこれを用いる光源装置に係り、詳しくは、圧電セラミックトランスを用い、ハイパワー(高電力)駆動を行っても発煙や発火の危険性がなく、圧電セラミックトランスを破壊に至らしめることのない安全な圧電セラミックトランス装置およびこれを用い、放電管に流れる電流を均一にして均一に発光させることができる光源装置、特に、複数の放電管に流れる電流を均一にして複数の放電管を同時に均一に発光させることができる小型から大型の液晶表示装置の面状照明装置として適用できる光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電セラミックスを用いた圧電セラミックトランス(以下、単に圧電トランスという)は、大電流(ハイパワー)が取れないことや、駆動時の周波数制御が困難であるなどの短所もあるが、巻線トランスに比べて、厚みを薄くできるし、変換効率が高いし、2次側の絶縁が取りやすく構造が簡単になり、昇圧比を高くできるなどの長所が多い。
このため、圧電トランスが始めて実用化されたのは、モバイルコンピュータなどの小型コンピュータの圧電インバータとしてであり、従来の圧電トランスは、2〜3Wの駆動能力しかないため、小型の冷陰極放電管を1〜2本程度光らせることしかできず、その用途は、特殊な小型コンピュータの液晶表示装置に用いられるバックライトの小型の冷陰極放電管を点灯する用途に限られていた。
【0003】
ところで、巻線トランスは、2次側、すなわち出力側の負荷、例えば、冷陰極放電管に異常が生じ、2次側が短絡(ショート)などのアブノーマル状態になると、トランスの巻線に大電流が流れ、巻線が温度上昇し、巻線の絶縁被覆が溶けて、最後には、巻線間でショートする結果、巻線などから発煙や発火が生じる可能性がある。
これに対し、圧電トランスも、同様に、2次側に異常が生じ、2次側が開放または短絡などアブノーマルの状態になると熱暴走するが、ついには、割れて、破壊されてしまうので、1次側も2次側も、電流が流れなくなる。このために、たとえ、異常が生じ、熱暴走しても、発煙や発火をもたらす危険性がない、もしくはそのような危険性はまれであり、圧電トランスは、巻線トランスに比べて安全であるという長所がある。
その結果、現在、比較的小型のコンピュータのインバータとしては、圧電インバータが急速に用いられるようになってきている。
【0004】
このような、小出力(低電力)の圧電トランスにおいても、その破壊を防止するための対策を施した圧電トランス装置の提案もなされている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示の圧電トランス装置においては、長さ30mm×幅6mm×厚さ1.9mm程度の低電力の圧電トランス素子を用い、圧電トランス素子を熱暴走や破損から保護するために先行技術で用いられていた1次側インピーダンスを所定値に保つ抵抗素子の代わりに、温度上昇につれて抵抗値が上昇する性質を持つ正特性のサーミスタ素子を圧電トランス素子の1次側に直列に接続し、周囲温度が上昇して、もしくは圧電トランス素子の2次側が開放または短絡するようなアブノーマルな状態になって、1次側インピーダンスが低くなったとしても、サーミスタ素子の抵抗が大きくなり、1次側電流の増加を抑えることができるので、1次側電流の増加による熱暴走を抑えることができ、圧電トランス素子を熱暴走や破損から保護することができるとしている。
また、周囲温度が常温などの低温で抵抗を必要としない場合には、サーミスタ素子の抵抗値は小さいので、上記の抵抗素子の場合と比較して、エネルギ損失を少なくし、効率の良い圧電トランス装置とすることができるとしている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−321928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示の圧電トランス装置においては、確かに、サーミスタが圧電トランス素子の1次側に直列に接続されているので、温度上昇に比例して増加するサーミスタの抵抗値によって、1次側インピーダンスの低下を抑制し、1次側電流の増加を抑え、圧電トランス素子を熱暴走や破損から保護することができるが、1次側電流が遮断されるわけではないので、2次側が開放または短絡するようなアブノーマルな状態になっても1次側電流が流れるという問題があった。
また、特許文献1に開示の圧電トランス装置においては、周囲温度が常温などの低温で抵抗を必要としない正常な駆動状態の場合、サーミスタ素子の抵抗値は、抵抗素子の場合よりも小さいけれども、抵抗値がないわけではないので、エネルギ損失があるという問題があった。
【0007】
ところで、圧電トランスのハイパワー化(高電力化)も試みられているが、従来は、出力が約2倍の5Wを超えると出力と温度上昇との関係が非線形となり、出力5W以上で使用すると、異常発熱したり、圧電トランス素子が割れたりするなどの問題があった。
しかしながら、本出願人の一人は、圧電セラミックスからなる圧電セラミックトランスの中央部に、未分極部からなる剛体部を設けることにより、例えば、長さ63mm×幅8〜15mm×厚さ1.2mm程度で、出力5W以上、好ましくは、6W〜30W程度の高効率、軽量のハイパワー(高電力)圧電トランスを、特開2005−129475号公報に提案している。この圧電トランスでは、15W〜30W前後のハイパワー(高電力)駆動時の温度上昇も、共に、室温より10℃〜20℃程度の上昇で飽和させることができている。
このように、圧電トランスの2次側が開放または短絡のようなアブノーマルな状態における1次側インピーダンスの低下による1次側電流の増加や、その結果としての圧電トランスの熱暴走や破損や、正常な駆動状態におけるエネルギ損失などの問題は、圧電トランスの駆動がハイパワーになるに従って大きくなる。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、ハイパワー(高電力)駆動を行っても発煙や発火の危険性がなく、圧電セラミックトランスを破壊に至らしめることのない安全な圧電セラミックトランス装置およびこれを用い、放電管に流れる電流を均一にして均一に発光させることができる光源装置、特に、複数の放電管に流れる電流を均一にして複数の放電管を同時に均一に発光させることができる小型から大型の液晶表示装置の面状照明装置として適用可能な光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、入力された1次側交流信号に基づいて2次側交流信号を出力する圧電セラミックトランスと、前記圧電セラミックトランスに前記1次側交流信号を入力する駆動部と、前記圧電セラミックトランスの温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知された温度に応じて前記駆動部による前記1次側交流信号の出力を制限する保護回路とを有することを特徴とする圧電セラミックトランス装置を提供するものである。
【0010】
ここで、さらに、前記圧電セラミックトランスの保持部材と、基台と、前記保持部材を前記基台に固定する固定部材とを備え、前記圧電セラミックトランスは、前記保持部材を前記基台と前記固定部材との間に介在させることにより前記基台に固定されるのが好ましい。
また、前記保持部材は、前記保持部材は、その断面は、側面山裾状の台形または略台形状をなす弾性材料であるのが好ましく、さらに、前記弾性材料は、固定用ゴムであるのが好ましい。
また、前記保持部材は、前記圧電セラミックトランスの振動節の位置を保持するものであるのが好ましい。
【0011】
また、前記温度検知手段は、前記圧電セラミックトランスと前記保持部材との間において前記圧電セラミックトランス上に、直接接触するように取り付けられているのが好ましく、さらに、前記温度検知手段は、前記保持部材の内部に埋め込み保持されて、前記圧電セラミックトランス上に直接接触するように取り付けられているのが好ましい。
あるいは、前記保持部材および前記固定部材は、それぞれ熱伝導性部材であり、前記温度検知手段は、前記固定部材上に固定されるのが好ましい。
さらに、前記温度検知手段は、サーミスタであるのが好ましい。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第2の態様は、上記第1の態様の圧電セラミックトランス装置と、前記圧電セラミックトランスの出力側に接続され、前記圧電セラミックトランスの駆動によって発光する放電管とを有することを特徴とする光源装置を提供するものである。
さらに、前記放電管が発光する際に前記放電管に流れる管電流を検出する管電流検出回路と、前記管電流検出回路によって検出された前記管電流に応じて制御された発振周波数の信号を発生する電圧制御発振回路とを有するのが好ましい。
【0013】
ここで、前記放電管は、複数の冷陰極放電管であり、前記管電流検出回路は、発光している前記複数の冷陰極放電管に流れる前記管電流の合計電流を検出するものであるのが好ましい。
また、前記光源装置が、面状の光射出面を持つ面状照明装置として機能するのが好ましい。
【0014】
さらに、前記保持部材は、前記圧電セラミックトランスの外周を周回して設けられるのが好ましく、または、前記圧電セラミックトランスを介して互いに対向して配置される棒状の2つの保持体から構成されており、それぞれの保持体は、前記圧電セラミックトランスの長さ方向、幅方向および厚さ方向のいずれかの方向に直線状に延設されているのが好ましい。この場合は、前記保持体が、導電性を有する弾性材料を用いて形成されているのが好ましい。
また、前記基台は、プリント基板などの基板、または平面板であるのが好ましい。この場合は、前記固定部材は、前記保持部材が設けられた前記圧電セラミックトランス(圧電セラミックトランスアセンブリ)の固定時に、前記保持部材の、前記圧電セラミックトランスと接する側の面と反対の面と接する平端部と、前記平坦部の両端から略垂直に互いに同じ方向に屈曲する一対の脚部と、前記一対の脚部のそれぞれの端部に位置し、前記基台と接続される固定端部とを有するのが好ましい。もしくは、前記固定部材は、凹部が形成された上ケースであり、当該上ケースの凹部に、前記保持部材が設けられた前記圧電セラミックトランス(圧電セラミックトランスアセンブリ)の全部または一部が収容されるのが好ましい。
【0015】
または、前記基台は、凹部が形成された下ケースであり、当該下ケースの凹部に、前記保持部材が設けられた前記圧電セラミックトランス(圧電セラミックトランスアセンブリ)の全部または一部が収容されるのが好ましい。この場合は、前記固定部材は、凹部が形成された上ケースであり、前記上ケースの凹部が形成されている側と前記下ケースの凹部が形成されている側が対向するように、前記上ケースと前記下ケースとを組み合わせたときに、前記上ケースの凹部と前記下ケースの凹部とによって形成される空間に、前記保持部材が設けられた前記圧電セラミックトランス(圧電セラミックトランスアセンブリ)が収容されるのが好ましい。
【0016】
また、前記圧電セラミックトランスは、圧電セラミックスと、前記圧電セラミックスに形成される入力電極と、前記圧電セラミックスに形成される出力電極とを有するのが好ましい。
さらに、前記圧電セラミックスは、長手方向の一方の端部を含み、前記端部に向かう方向に分極した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記圧電セラミックスの厚さ方向に分極した第2領域と、前記第2領域に隣接し、且つ、前記圧電セラミックスの略中央に位置し、未分極状態の第3領域と、前記第3領域に隣接し、前記第2領域と反対向きに分極した第4領域と、前記第4領域と隣接し、且つ、前記端部と反対側の端部を含み、前記第1領域と反対向きに分極した第5領域とを有しており、前記第1領域と前記第2領域と前記第3領域と前記第4領域と前記第5領域との前記長手方向における長さの比が、実質的に2:2:1:2:2であり、前記第2領域を挟んで一対の第1入力電極が設けられ、前記第4領域を挟んで一対の第2入力電極が設けられ、前記圧電セラミックスの長手方向の両方の端部にそれぞれ出力電極が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の態様の圧電セラミックトランス装置によれば、圧電セラミックトランスの表面温度を検出し、検出温度に基づいてシステムのシャットダウンを行うことができるので、多くの保護回路を不要としても、発煙や発火の危険性をなくし、圧電セラミックトランスを破壊に至らしめることなく安全に駆動、特に、ハイパワー(高電力)駆動を行うことができる。したがって、本態様によれば、多くの保護回路を不要とすることにより、回路規模を小さくでき、その結果、コストダウンを図ることができる。
【0018】
また、本発明の第2の態様の光源装置によれば、上記効果を持つ圧電セラミックトランス装置を用いるので、上記効果に加え、小さい回路規模であっても、放電管に流れる電流を均一にして均一に発光させることができ、特に、複数の放電管を用いるものでは、複数の放電管に流れる電流を均一にして複数の放電管を同時に均一に発光させることができ、小型から大型の液晶表示装置の面状照明装置として適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の第1の態様に係る圧電セラミックトランス装置およびこれを用いる本発明の第2の態様に係る光源装置を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0020】
図1(a)および(b)は、本発明の第1の態様に係る圧電セラミックトランス装置を用いる本発明の第2の態様に係る光源装置の一実施形態の概略を示すブロック図および回路ブロック構成を示す説明図である。
同図に示すように、本発明の光源装置10は、電源12と、駆動部14と、圧電セラミックトランス(以下、単に圧電トランスという)16と、発光部18と、管電流検出回路20と、圧電トランス16の温度検知デバイス22とを有し、駆動部14は、電圧制御発振回路24を備える発振部26と、保護回路28を備える駆動回路30とを備える。
ここで、電源12、駆動部14、圧電トランス16および圧電トランス16の温度検知デバイス22は、本発明の圧電セラミックトランス装置(以下、圧電トランス装置という)11を構成する。
【0021】
電源12は、DC24Vの直流電圧を出力する直流電源である。この直流電圧DC24Vは駆動回路14に供給される。なお、電源12が出力する直流電圧は、DV24Vに限定されない。
続いて、駆動部14は、圧電トランス16を駆動するための駆動信号、すなわち、圧電トランス16に入力する1次側交流信号を生成するものである。
駆動部14の発振部26は、1次側交流信号を生成するための所定周波数のクロック(基本波)を発振するものであり、電圧制御発振回路24を備える。
【0022】
ここで、電圧制御発振回路(VCO)24は、管電流検出回路20から供給される発光部18の放電管、例えば、冷陰極放電管(以下、単に冷陰極管という)の管電流の電流値に応じて、その発振周波数が変化する初期周波数、例えば約40KHzの基本波を発生する。電圧制御発振回路24は、例えば、管電流が基準電流量よりも少ない場合には基本波の周波数を初期周波数よりも低くする方向に制御し、逆に、管電流が基準電流量よりも多い場合には基本波の周波数を初期周波数よりも高くする方向に制御する。この基本波は、同じく駆動部14の駆動回路30に供給される。
なお、発振部26および電圧制御発振回路24の具体的な構成は、何ら限定されず、同様の機能を実現する各種構成の回路を使用することができる。また、基準電流量は、外部から制御可能であり、必要に応じて可変できる。
【0023】
駆動部16の駆動回路30は、電源12から供給される直流電圧、例えば、DC24Vと、電圧制御発振回路24から供給される基本波とに基づいて、圧電トランス16を駆動する駆動信号、すなわち、1次側交流信号を生成する。また、圧電トランス16に入力する1次側の交流信号は、片側を接地(GND)とした単相であっても良い。本実施形態の場合、駆動信号は、例えば、約650Vp−p(ピークツーピーク)、約40KHzで、180度逆位相の交流信号(正弦波)である。電圧制御発振回路24から供給される基本波の周波数に応じて駆動信号の周波数が変化し、発光部18の、例えば、冷陰極管の管電流、すなわち発光部18の輝度を制御する。
【0024】
駆動回路30は、具体的には、図1(b)に示すように、分周用D型フリップフロップ(D−FF)30a、波形整形部30b、保護回路28を構成するゲート部30cおよびドライブ部30dを備える。
駆動回路30においては、D−FF30aにて電圧制御発振回路24からの基本波を分周し、波形整形部30bにおいて、分周した基本波と調光を可能とする基本波より長周期(約100〜200Hz)のPWM波を乗じた断続波を生成する。PWM波のON−DUTYが広ければ、断続波のON区間が多くなり、ランプに流れる平均電流が多くなり、明るくする方向に制御できる。逆に、PWM波のON−DUTYが狭ければ、暗くする方向に制御できる。
【0025】
波形整形部30bにおいて、これらの基本波とPWM波の乗算により発生した駆動波は、ゲート部30cのゲート回路を経て、後段のドライブ部30dのドライブ回路へ注入される。ゲート回路は、保護回路28によって保護をかけるための論理回路であり、圧電トランス16の2次側の負荷(例えば、CCFL)の開放(オープン)や短絡(ショート)などの様々なアブノーマルモードから本システムを守る。保護回路28による保護モードの詳細については後述する。
次に、ゲート部30cを通過した駆動信号は、ドライブ部30dに注入される。上述したように、駆動信号は、前段のD−FF30aにより位相が180度異なる2つの信号に生成された後、各々波形整形部30bの波形整形回路を通過し、低インピーダンスの負荷(例えば、CCFL)を十分に駆動できるようFETを使ったブリッジ回路からなるドライブ部30dに入る。波形整形回路の目的は、ブリッジ回路の上側のFETと下側のFETが同時にONし、貫通電流が流れることを防止するためである。
【0026】
また、図1(a)に示すように、駆動回路30が備える保護回路28は、圧電トランス16の温度検知デバイス22からの検知温度が所定の許容上限値を超えた場合には、駆動回路30から駆動信号の出力を停止するように制御するものである。すなわち、保護回路28を備えることにより、発光部18の冷陰極管等に何らかの異常(例えば、開放や短絡)が発生した場合に、圧電トランス16の1次側のインピーダンスが低下し、圧電トランス16を流れる電流が増加し、圧電トランス16の振動が大きくなり、圧電トランス16の温度が上昇し、温度検知デバイス22が検知した圧電トランス16の温度が、所定の許容温度の上限値を超えたとしても、その時点で保護回路28が圧電トランス16の駆動信号を停止するので、圧電トランス16の駆動が停止され、電流も流れなくなり、圧電トランス16の振動も停止するので、圧電トランス16が熱暴走し、破壊されるのを未然に防止することができる。また、圧電トランス16の熱暴走が、発光部18の異常以外で発生した場合においても、圧電トランス16の破壊を未然に防止することができる。
なお、駆動回路30や保護回路28の具体的な回路構成は、何ら限定されず、同様の機能を実現する各種構成の回路を使用することができる。また、保護回路28において、温度検知デバイス22からの検知温度の所定の許容上限値、すなわち、圧電トランス16の所定の許容温度の上限値などは、外部から制御可能であり、必要に応じて可変できる。
【0027】
例えば、図1(b)に示すように、後述する温度検知デバイス22としてサーミスタ58を用いる場合、サーミスタ58は、圧電トランス16の温度を検出し、その温度により抵抗値が変化する。このサーミスタ58の抵抗値の変化は、サーミスタ58と直列に接続されたプルアップ抵抗Rとの分圧により、保護回路28のコンパレータ28aに入力される電圧値を変化させる。プルアップ抵抗Rは、駆動回路30内、すなわち、保護回路28内のコンパレータ28aの入力側に配置される。
保護回路28のコンパレータ28aでは、入力された電圧値と基準電圧源28bの基準電圧値との比較が行われ、サーミスタ58が一般的な負特性の場合であれば、測定温度に対応する入力電圧値が、設定された閾値温度に対応する基準電圧値より低い、すなわち、設定された閾値より測定温度が高いと判断された場合、コンパレータ28aは、エラー信号を出す。コンパレータ28aの出力は、ゲート部30cに接続されているので、コンパレータ28aから出力されたエラー信号は、ゲート部30cのゲート回路をOFFさせ、駆動回路30の波形整形部30bからドライブ部30dへの駆動信号の入力を遮断する。こうして、本システムはシャットダウンされる。
【0028】
このように、本発明においては、温度検知デバイス22によって圧電トランス16の温度を検出し、検出温度に応じて、駆動回路30の保護回路28が、駆動回路30のドライブ部30dへの駆動信号の入力を遮断し、駆動回路30での駆動信号の生成を停止し、システムをシャットダウンするように構成しているので、例えば、駆動回路30のドライブ部30dでの過電流検出回路および過電流保護回路や、圧電トランス16の出力側の出力電圧検知回路および低電圧保護(ショート保護)回路ならびに過電圧保護(オープン保護)回路などの回路部の削減が可能である。
なお、本発明によって、圧電トランス16を破壊に至らすことを防止する機能を持つ回路部であれば、削減は可能であり、上記2回路部に限定されるものではない。
また、上述したように、温度検知デバイス22による温度の検知結果は、設定された温度閾値と比較するコンパレータ28aを通し、ゲート部30cに戻す回路を付加すればよく、これ以外に回路の変更の必要性はない。
その結果、本発明によれば、温度検知デバイス22および駆動回路30の保護回路28を用いないで、同様のシステム保護を達成する回路構成に比べ、回路規模を小さくすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0029】
図1(a)に示すように、圧電トランス16は、入力された1次側交流信号に基づいて2次側交流信号を出力するもので、本実施形態においては、例えば、本出願人の一人に係る特開2005−129475号公報に開示されたハイパワー圧電トランスを用いることができる。その構成および作用の詳細は、同公報によって詳細に説明されているので、ここでは、詳細な説明は省略し、後に簡単に説明する。
本実施形態の圧電トランス16は、所定厚さを持つ長方形の平板形状の圧電セラミックスからなり、入力される駆動信号を 圧電セラミックスの厚み方向に設けられた入力電極対に印加し、それから発生する振動を利用して長さ方向に取り付けられた出力電極対から電力として取り出すものである。
【0030】
本実施形態では、駆動回路30から入力される駆動信号の、例えば650Vp−pの入力電圧が、例えば、約10倍に昇圧され、6500Vp−pの出力電圧が得られる。例えば、発光部18に使用される冷陰極管(CCFL)18aが、管長527mm、管外形φ2.6程度であれば、1本当たり電圧1000〜1200Vrmsで点灯可能であるが、例えば、発光部18内に冷陰極管18aが2本ずつ直列に接続されている場合には、2本分の冷陰極管18aを点灯させるために必要な電圧2000〜2400Vrmsまで昇圧する。
【0031】
なお、本実施形態では、昇圧用圧電トランス16として、30W級のハイパワー出力が可能な圧電セラミックトランスを使用しているが、これに限定されず、光源装置10および圧電トランス装置11の用途に応じて、例えば、通常の3W級のローパワー出力の圧電トランスを使用してもよいし、逆に、圧電セラミックス32(図2参照)の厚みを厚くしてさらにハイパワー化した圧電トランス用いても良い。要するに、発光部18が必要とする電圧および電力を出力可能な圧電トランスを使用すればよい。なお、前述したとおり、圧電トランス16に入力する1次側交流信号は、片側を接地(グランド;GND)とした単相であっても良いのはもちろんである。
【0032】
ところで、圧電トランス16には、その温度を検出するための温度検知デバイス22を備えている。温度検知デバイス22としては、圧電トランス16の温度を検出することができれば、特に限定されるものではないが、その取り扱いの容易さからサーミスタを用いるのが好ましい。
なお、温度検知デバイス22は、圧電トランス16に直接取り付けて、その温度を計測するようにしても良いし、圧電トランス16を振動可能に保持する保持機構に取り付け、保持機構を介して圧電トランス16の温度を計測するようにしても良い。圧電トランス16の保持機構および温度検知デバイス22の圧電トランス16または保持機構への取り付けの詳細については、後述する。
温度検知デバイス22による圧電トランス16の温度の検知結果は、駆動部14の駆動回路30の保護回路28に送られ、保護回路28は、検知温度が所定の許容上限値を超えた場合には、駆動回路30から駆動信号の出力を停止するように制御するのは前述した通りである。
本発明の圧電トランス装置11は、概略、以上のように構成される。
【0033】
次に、圧電トランス16から出力される2相の高圧信号は、発光部18に入力される。本実施形態の発光部18は、例えば冷陰極管(CCFL)18a、好ましくは、図1(b)に示すように、複数の冷陰極管18aを配置したものである。例えば、好ましくは、2本の冷陰極管18aを直列に接続した2管直列光源を2系統交差しないように、一方の2本の冷陰極管18aの2管直列光源の周囲を囲むように他方の2管直列光源を並列に配置し、複数同時点灯を可能にしている。
この場合には、図1(b)に示す4本のそれぞれの冷陰極管18aは、その仕様も含め、特に制限されるわけではないが、一例として、例えば、その仕様が、管長527mm、管外形φ2.6mm、管内径φ2.0mm、色温度6500K前後、Ni電極、ガス圧70Torr、輝度約30000cd/mであるものを用いることができる。
【0034】
続いて、発光部18は、管電流検出回路20に接続されている。
管電流検出回路20は、図1(a)に示すように、発光部18に配置されている冷陰極管18aの管電流、例えば複数の冷陰極管18a(図1(b)参照)の管電流の合計電流を出力するもので、例えば、リング状のコアに、3つのコイルを巻きつけたトロイダル型コイルが用いられる(図1(b)参照)。2つのコイルは、2系統の2管直列光源に各々直列に接続された同極性の1対の巻線数の等しいコイルであって、2系統の2管直列光源に流れる管電流の合計電流を算出する。もう一つのコイルは、合計電流を出力するためのコイルである。なお、上記管電流検出回路20は、上述の回路構成に限定されず、同様の機能を果たす別のどのような構成の回路でも実現可能である。なお、管電流検出回路20に加え、これに直列に接続され、発光部18の複数の冷陰極管18aに流れる各管電流を等しくするようにバランスを取るバランス回路や、複数の冷陰極管18aに流れる各管電流の差である電流差を取り出す電流差検出回路などを備えていても良い。
図1(a)に示すように、管電流検出回路20から出力される管電流は、前述の発振部26の電圧制御発振回路24にフィードバックされる。管電流が供給された場合の電圧制御発振器24の動作は前述の通りである。
本発明の光源装置10は、概略、以上のように構成される。
【0035】
次に、本実施形態に用いられる圧電トランス16について、詳細に説明する。
圧電トランス16は、図2に示すように、圧電セラミックス32と、第1入力電極34a、34bと、第2入力電極36a、36bと、第1出力電極38と、第2出力電極40とによって構成され、入力される駆動信号を圧電セラミックス32を、その厚み方向に挟むように、設けられた入力電極対である第1入力電極34a、34bおよび第2入力電極36a、36bに印加し、それから発生する振動を利用して長さ方向に取り付けられた出力電極対である第1および第2出力電極38および40から電力として取り出すものである。
【0036】
圧電セラミックス32は、所定厚さを持つ長方形の平板形状の圧電セラミックス素子であり、例えば、その長さ方向の寸法L:80mm、幅方向の寸法W:18mm、厚さ方向の寸法t:4mmとすることができる。圧電セラミックス32は、本実施形態の場合、長さ方向の寸法Lと幅方向の寸法Wとの比W/Lが0.2前後となるように構成され、長さ方向の2次振動モード(λモード)で振動する。従って、振動の中心周波数を決定するのは長さ方向の寸法Lであり、電圧増幅率は、長さ方向の寸法Lと厚さ方向の寸法tとの比L/tで決定される。
【0037】
圧電セラミックス32は、図2に示すように、長さ方向の一方(図2中左側)の端部から他方(図2中右側)の端部まで、第1領域32a、第2領域32b、第3領域32c、第4領域32dおよび第5領域32eに5分割され、それぞれの領域の長さ方向の長さの割合は、約2:2:1:2:2である。第2領域32bおよび第4領域32dは入力電圧(駆動回路30から入力される駆動信号)の入力部であり、第1領域32aおよび第5領域32eは,出力電圧(高圧信号)の出力部、第3領域32cは剛体部である。
【0038】
第1入力電極34a、34b、第2入力電極36a、36b、第1出力電極38および第2出力電極40は焼成銀で形成されている。第1入力電極34a、34bは、圧電セラミックス32の第2領域32bの厚さ方向の両面(図2中上下面)に、それぞれ配置されている。第2入力電極36a、36bは、同様に、圧電セラミックス32の第4領域32dの厚さ方向の両面に、それぞれ配置されている。ここで、第1入力電極34aの入力端子42aと第2入力電極36aの入力端子44aとは、互いに接続され、第1入力電極34bの入力端子42bと第2入力電極36bの入力端子44bとは、互いに接続される。
また、第1出力電極38は、圧電セラミックス32の長さ方向の一方の端面(図2中左面)に配置され、同様に、第2出力電極40は、同他方の端面(図2中右面)に配置されている。
【0039】
また、図2中矢印で示すように、第1領域32aは、第2領域32b側から圧電セラミックス32の長さ方向の一方の端面側に向かって分極されており、同様に、第5領域32eは、第4領域32d側から圧電セラミックス32の長さ方向の他方の端面側に向かって分極されている。また、第2領域32bは、上述したように、圧電セラミックス32の厚さ方向の下面側から上面側、すなわち、下面の第1入力電極34b側から、上面の第1入力電極34a側に向かって分極されており、逆に、第4領域32dは、圧電セラミックス32の厚さ方向の上面側から下面側、すなわち、上面の第2入力電極36a側から、下面の第2入力電極36b側に向かって分極されている。すなわち、圧電セラミックス32において、第2領域32bと第4領域32dとは、互いに逆方向に分極されている。なお、第3領域32cは、未分極状態である。
【0040】
前述の通り、圧電セラミックス32の第2領域32bおよび第4領域32dの厚さ方向に、それぞれ第1入力電極34a、34bおよび第2入力電極36a、36bという2組の入力電極が取り付けられているが、第2領域32bおよび第4領域32dでは、それぞれ厚さ方向に対する分極の方向が約180度異なる。例えば、第2領域32bでは、上面の第1入力電極34a側ではプラス、下面の第1入力電極34b側ではマイナスになり、第4領域32dでは、上面の第2入力電極36a側ではマイナス、下面の第2入力電極36a側ではプラスに分極するように構成されている。
圧電トランス16には、駆動回路14(図1参照)から、その厚み方向に、すなわち第1入力電極34aおよび第2入力電極36aと、第1入力電極34bおよび第2入力電極36bとに、入力電圧として、それぞれ180度位相が異なる2相の駆動信号(正弦波の交流信号)が入力され、または、その一方に単相の駆動信号が入力され、その他方が接地される。
【0041】
具体的には、互いに逆位相の2相の駆動信号が入力される場合には、図2中上面側の各入力端子42aおよび44aが互いに接続された第1入力電極34aおよび第2入力電極36aには、一方の駆動信号が入力され、図2中下面側の各入力端子42bおよび44bが互いに接続された第1入力電極34bおよび第2入力電極36bには、他方の駆動信号が入力される。
一方、単相の駆動信号が入力される場合には、図2中上面側の各入力端子42aおよび44aが互いに接続された第1入力電極34aおよび第2入力電極36aに、単相の駆動信号が入力され、図2中下面側の各入力端子42bおよび44bが互いに接続された第1入力電極34bおよび第2入力電極36bは、接地される。
【0042】
入力電圧として、2相または単相の駆動信号が与えられると、逆圧電効果により、圧電セラミックス32に応力が生じて振動し、第2領域32bおよび第4領域32dは、厚さ方向に機械的歪みを生じる。すると、第1領域32aおよび第5領域32eには、圧電効果により、その分極方向に電位差が生じる。その結果、第1出力電極38および第2出力電極40からは、駆動信号とほぼ等しい周波数で、駆動信号よりも高い電圧の180度位相が異なる2相の高圧信号(正弦波の交流信号)が、各々の出力端子46および48を通って同時に出力される。
なお、圧電セラミックス32の中央部に未分極の第3領域32cが設けられていることにより、この未分極部分が振動しない強固な剛体部として機能し、ハイパワー(高電力)の出力時に発生する捩り方向の振動モードや、蛇行方向の振動モードをより好適に抑制することができる。
【0043】
次に、圧電トランス16を振動可能に保持する保持機構および温度検知デバイス22の取り付け構造について詳細に説明する。
図3は、図2に示す圧電セラミックトランスおよびその保持機構ならびに温度検知デバイスを備える圧電セラミックトランスユニット(以下、単に圧電トランスユニットという)の一実施形態の概略構造を示す模式的な斜視図である。また、図4(a)および(b)は、それぞれ、図3に示す圧電トランスユニットの模式的な部分破断平面図および部分破断側面図であり、図4(c)および(d)は、それぞれ、図4(b)のC−C線およびD−D線矢視図である。図5(a)および(b)は、それぞれ、図3に示す保持部材の模式的側面図および模式的断面図である。
【0044】
図3、図4(a)、(b)、(c)および(d)に示すように、圧電トランスユニット50は、圧電セラミックス32に第1入力電極34a、34b、第2入力電極36a、36b、第1出力電極38、第2出力電極40が形成された圧電トランス16と、圧電トランス16の外周に取り付けられ、圧電トランス16を振動可能に保持するための保持部材52(52a,52b)と、圧電トランス16を取り付ける基台として機能するプリント基板等の基板54と、保持部材52a,52bを介して圧電トランス16を、それぞれ基板54に固定する固定部材56(56a、56b)と、温度検知デバイス22として、保持部材52a内に埋め込まれて保持され、圧電トランス16の表面に接触するように取り付けられるサーミスタ58aと、固定部材56bの表面に取り付けられるサーミスタ58bとを備える。
なお、サーミスタ58aおよび58bには、それぞれ導線(リード線)59aおよび59bが接続されており、これらの導線59aおよび59bは、図1に示す光源装置10の圧電トランス装置11を構成する駆動部14の駆動回路30の保護回路28に、具体的には、各導線59aおよび59bの一方は、保護回路28のコンパレータ28aの入力側に接続され、他方は接地される。
【0045】
図5(a)に示すように、保持部材52は、ゴム材料等の弾性材料を用いて形成され、圧電トランス16を嵌入させるための矩形形状の開口部53aを有する。保持部材52の開口部53aの形状は、圧電トランス16を幅方向(長さ方向に垂直な方向)で切断したときの外形形状と略同一形状であり、圧電トランス16の外形形状よりも若干小さくなっていることが好ましい。圧電トランス16の外形形状よりも若干小さくすることにより、保持部材52が圧電トランス16の外周に嵌着されたときに、圧電トランス16を所定の圧力で締め付けることが可能となり、圧電トランス16が保持部材52に対してずれることが抑制される。更に、保持部材52は、圧電トランス16のずれをより一層抑制するために、圧電トランス16と接着剤で接着されていても良い。
【0046】
また、保持部材52は、図5(b)に示すように、圧電トランス16と接触する面(内壁面)53bの方が、外側の面(外周面)53cよりも幅が広く形成されており、内側から外側に向かうに従って幅が次第に狭くなるような断面形状を有している。すなわち、保持部材52の断面形状は、図5(b)に示されように、略台形状をなし、その側面、すなわち、保持部材52の幅方向において、中央から遠ざかるに従って保持部材52の厚みが徐々に薄くなるようなテーパ形状、すなわち山裾状(テーパ状)である。このように、保持部材52は、外周面53cに対応する厚みが一定の肉厚部53dと、肉厚部53dの両側に位置し、山の裾野のような山裾形状を有する薄肉部(テーパ部)53eとから構成されている。
【0047】
図3および図4に示されるように保持部材52(52a,52b)は、圧電トランス16を駆動して振動させた時の振動の節となる位置に設けられる。図3に示す圧電トランス16は、2次モードで振動させる形態であるので、圧電トランス16の一方の端部からの距離が、それぞれ圧電トランス16の長さの1/4(第2領域32b)および3/4(第4領域32d)となる部分に保持部材52a,52bが取り付けられている。
また、振動モードに応じて圧電トランス16の節となる位置が異なることから、例えば圧電トランス16を1次モードで振動させて使用する場合は、圧電トランス16の略中央部に1個の保持部材52を設ければよい。この場合、安定しないので振動を阻害しにくい弾性体を用いて補助的に腹の部分に保持部材や支持部材を設けても良い。また、圧電トランス16を3次モードで振動させて使用する場合は、圧電トランス16の一方の端部からの距離が、それぞれ圧電トランス16の長さの1/6、3/6、5/6となる部分の少なくとも一箇所に保持部材52を設ければよい。なお、圧電トランス16を2次モードで振動させて使用する場合は、圧電トランス16の中央部分の腹の位置に保持部材52を設けて圧電トランス16を固定させることもできる。
【0048】
圧電トランス16は、図3および図4に示されるように、その節の部分が保持部材52(52a,52b)によってそれぞれ保持された圧電トランスアセンブリの状態で固定部材56(56a,56b)によって基板54に固定される。固定部材56(56a,56b)は、図3、図4(c)および(d)に示すように、固定時に、圧電トランス16を保持している保持部材52(52a,52b)の幅の狭い外周面53c、すなわち圧電トランス16と接する幅の広い内壁面53bと反対側の幅の狭い面53cに接する平端部57aと、その平坦部57aの両端から、平端部57aに略垂直に互いに同じ方向(基板54に向かう方向)に屈曲する一対の脚部57bと、脚部57bのそれぞれの下方の端部に位置し、基板54と接続される一対の固定端部57cとを有する。
したがって、固定部材56の平端部57aおよび一対の脚部57bのコの字をなす内側の壁面を保持部材52の外周面53cに押し当てて、固定部材56で保持部材52を押さえつけるとともに、固定部材56の両端部の足となる一対の固定端部57cの部分を基板54に半田付けすることによって、圧電トランス16(圧電トランスアセンブリ)が基板54に取り付けられる。ここで、固定部材56を、それぞれ保持部材52と接着剤などにより接着させて固定しても良い。
【0049】
図3、図4(a),(b)および(c)に示すように、サーミスタ58aは、圧電トランス16の表面、詳しくは、第2入力電極36aの上表面に確実かつしっかりと接触し、圧電トランス16が振動してもずれたり外れたりすることないように、保持部材52aの内壁面53bに凹部を設け、この凹部に埋め込むように取り付けられている。このように取り付けられたサーミスタ58aは、保持部材52aの内壁面53bに凹部を設けるための加工が必要であるので取り付けに手間を要するが、圧電トランス16上に直接固定されているので、熱応答遅れなく、圧電トランス16の温度を計測することができる。なお、サーミスタ58aの圧電トランス16の表面への固定方法は、特にこれに限定されず、接着剤や粘着剤や接着シートや粘着シートなどを用いて固定しても良い。
【0050】
一方、図3、図4(a),(b)および(d)に示すように、サーミスタ58bは、圧電トランス16の保持部材52bを基板54上に固定する固定部材56bの平端部57aの上表面に確実かつしっかりと接着等により取り付けられている。この時、サーミスタ58bによる圧電トランス16の温度計測をより正確にかつ早い応答性で行うためには、保持部材52bおよび固定部材56bとして熱伝導性の高い材質のものを使用するのが好ましい。このように取り付けられたサーミスタ58bは、温度計測精度や応答性が保持部材52bおよび固定部材56bの熱伝導率などに依存するが、固定部材56bの平端部57a上に固定すれば良いので、取り付けが容易である。なお、サーミスタ58bの固定部材56bの表面への固定方法は、特にこれに限定されず、接着剤のほかに、粘着剤や接着シートや粘着シートなどを用いて固定しても良い。
【0051】
なお、図示例のように、2つのサーミスタ58aおよび58bは、それぞれ、圧電トランス16の保持部材52aおよび52bが取り付けられている位置に取り付けるのが好ましい。その理由は、保持部材52aおよび52bが取り付けられている、圧電トランス16の振動時の振動の節となる位置が、最も発熱が大きく、他の位置に比べて温度が高くなるからである。
すなわち、圧電トランス16に対して、大きな電力が入力されて過負荷となった場合には、圧電トランス16の振動の節の部分の表面温度が急激に上昇して、通常は、Δt<20〜30度前後のところが、温度上昇が80度を越すあたりから非線形領域の破壊モードに入る。ところで、圧電トランス16上で温度上昇が一番激しいのは振動の節の部分である。よって、破壊モードを検出するには節の温度を見るのが最良の方法である。したがって、この圧電トランス16の振動の節の表面部分に、図示例のように、サーミスタ58(58aおよび58b)等の温度検知デバイス22を設け、破壊モードに至る直前で検知して、システム(駆動部14の駆動回路30)をシャットダウンすればよいからである。また、上述のように、圧電トランス16の振動の節の部分は、圧電トランス16を基板54に固定するための部位でもあり、図示例のように、サーミスタ58等の温度検知手段をつけても、圧電トランス16の振動に影響を与えないからである。
【0052】
また、図示例において、2つのサーミスタ58(58aおよび58b)は、異なる場所に取り付けられているが、これらの2つのサーミスタ58を、同じ場所、例えば、サーミスタ58aのように圧電トランス16の表面に直接固定しても良いし、サーミスタ58bのように固定部材56bの上表面に固定しても良いし、2つのサーミスタを取り付けるのではなく、いずれか一方のみを取り付けるようにしても良い。さらに、サーミスタを取り付ける場所は、図示例に限定されないし、特に制限的ではなく、圧電トランス16の表面温度または圧電セラミックス32の表面温度が、直接的または間接的に測定できれば、もしくはこれらの表面温度と同等の温度が測定できれば、どのような場所であっても良い。さらに、温度検知デバイス22は、サーミスタ58に限定されず、圧電トランス16の表面温度または圧電セラミックス32の表面温度を、直接的または間接的に測定できれば、もしくは、これらの表面温度と同等の温度が測定できれば、どのような温度検知デバイスであっても良いし、どのような温度検知手段やどのような方法を用いても良い。
このように、本発明においては、圧電トランス16の表面またはこの表面と同等の温度の他の場所にサーミスタなどの温度検知手段を設けることにより、圧電トランス16の駆動上の安全性を高めるのに設けているために、回路規模が大きくなりコストダウンの障害になっている様々な保護回路を減らすことができるので、回路規模を小さくすることができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0053】
本発明に用いられる保持部材52(52a,52b)の材料としては、圧電トランス16を振動可能に保持できればどのような材料でも良いが、例えば、固定用ゴム材料などの弾性材料、例えば、硬度20程度のシリコンゴムなどを用いることができ、電気的に絶縁でき、かつ、保持部での振動損失が軽度であるという理由から好適である。
また、本発明に用いられる固定部材56(56a,56b)の材料としては、圧電トランス16を保持する保持部材52を基板54に固定できればどのようなものでも良いが、例えば、厚さ100ミクロン程度のやわらかい銅箔板からなるものを帯(バンド)状にしたものが最適であり、さらにはシリコンゴム側に粘着剤が塗布されたものなどを用いることができ、組立が簡単でロスが少ないという理由から固定部材として好適である。このような帯状の銅箔板からなる固定部材は、プリント基板等の基板に半田付けしやすく簡単に固定できる。
この他、固定部材56は、保持部材52と接着剤などにより接着させて固定されても良い。また、固定部材56としては、例えば、金属やプラスチック等の板状の部材を所定の形状に加工して利用することができる。
【0054】
また、本発明に用いられる基板54の材料としては、圧電トランス16を取り付けることができれば、詳しくは、圧電トランス16を保持する保持部材52を固定することができればどのようなものでも良く、プリント配線基板等を用いることができるが、例えば、紙や、ガラス布や、ガラス不織布などを基材として、フェノール樹脂やエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの樹脂で固めたものなどの材料で、厚み(t=)1.6mm程度の半田レベラー処理された両面基板、あるいは片面基板などを用いることができ、より剛性が高く、配線パターンを最短にできるという理由からガラス基材を含む厚さ1.6mmの両面基板が好適である。
【0055】
本実施形態においては、図5に示す形状の保持部材52を用いたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、図5に示す形状の保持部材52のように、圧電トランス16の外周を周回して保持するタイプの保持部材であっても、他の形状の保持部材を用いることができる。
図6は、圧電トランス16の外周を周回して保持するタイプの他の形状の保持部材を用いた圧電トランスユニットの別の実施形態を示す。
図6に示す圧電トランスユニット51aは、図4(c)および(d)に示す圧電トランスユニット50と、保持部材52および固定部材56の代わりに、保持部材60および固定部材62が用いられている点を除いて、同様の構成を有するものであるので、その詳細な説明は省略し、主に相違点について説明する。
図6に示す保持部材60は、固定部材62と接触する外周面60aに2つの突起部(ボス)60bが形成されている。このような形状の保持部材60を用いる場合は、固定部材62に、保持部材60の突起部60bと嵌合する貫通孔62aを形成しておく。そして、保持部材60の突起部60bを固定部材62の貫通孔62aに勘合させて、固定部材62により圧電トランス16を基板54に固定する。これにより、圧電トランス16の長さ方向へのずれをより一層抑制させることができ、駆動時に圧電トランスを安定に固定させることができる。
【0056】
なお、この場合にも、図4(c)に示す保持部材52aと同様に、サーミスタ58aを保持部材60の内周壁面62bに埋め込み保持するようにして圧電トランス16の表面に直接固定しても良いし、図4(d)に示す例と同様に、破線で示すサーミスタ58bを固定部材62の上表面に固定しても良い。これらは、それぞれ、図4(c)および(d)に示す例の代わりに用いることができる。あるいは、サーミスタ58bを保持部材60の突起部60bの上表面に固定しても良い。
ここでは、保持部材に2個の突起部を形成したが、突起部は1個であってもよいし、3個以上であっても良い。
【0057】
さらに、図7に示すように、固定部材(図示せず)と接触する側の外周面64aに溝64bが形成された保持部材64を用いても良い。図7に示す保持部材64は、図5(a)に示す保持部材52の外側の面(外周面)53c、すなわち、図5(b)に示す保持部材52の図中上側の面53cの中央に、保持部材52の外周に沿って延在する溝を設けたものということができる。このような形状の保持部材64を用いる場合は、この溝64bの幅と略同じ幅の固定部材(図示せず)を用い、保持部材64の溝64bにこの略同じ幅の固定部材(図示せず)を嵌め込んで圧電トランスユニット50を基板54に固定するようにしても良い。
【0058】
また、本発明においては、保持部材を、導電性を有する弾性材料を用いて形成し、固定部材56を、銅板等の電気的導通を示す材料を用いて形成し、基板54を、上述した基材を樹脂で固めた材料からなる両面基板あるいは片面基板などの材料とすることもできる。
従来は、電気基板上に機械的に固定されて搭載されていた圧電トランスであっても、電気基板と接続するためには、配線材としては、ワイヤーやフレキシブル基板(FFC、FPC)のような柔軟な素材を用いるしかなく、それらを半田等で接続する必要があった。そのため、取り付けの工数が多くかかり、コストダウンの妨げとなっていた。また、圧電トランスの振動に応じて圧電トランスに取り付けられている配線部材も振動してしまい、その配線部材の振動が可聴帯域に含まれると、いわゆる鳴きと呼ばれる現象が発生し、耳につくノイズとなる場合があった。
【0059】
そこで、本発明では、このような配線の振動の鳴きを防止するために、圧電トランスを固定部材に対して保持するための保持部材を、導電性を有する弾性材料で構成し、この保持部材を配線部材の代わりとして用いることもできる。
このように、保持部材を、導電性を有する弾性材料で構成した圧電トランスユニットの一実施例を図8〜図10に示す。
図8は、本発明に用いられる圧電トランスユニットの別の実施形態の模式的な部分分解横断面図である。図9(a)は、それぞれ図8に示す圧電トランスユニットの模式的な側面図であり、図9(b)および(c)は、図9(a)のB−B線およびC−C線矢視図である。図10は、図8に示す保持部材の模式的斜視図である。
図8および図9(a)、(b)および(c)に示す圧電トランスユニット51bは、図4(a)、(b)、(c)および(d)に示す圧電トランスユニット50と、保持部材52の代わりに、2つの保持体67から構成される保持部材66が用いられている点を除いて、同様の構成を有するものであるので、その詳細な説明は省略し、主に相違点について説明する。
【0060】
図8および図9(a)〜(c)に示す圧電トランスユニット51bでは、圧電トランス16は、保持部材66を介して固定部材56と基板54との間に保持され、サーミスタ58は、圧電トランス16の温度を測定する位置に取り付けられている。ここでは、保持部材66は、導電性を有する弾性材料を用いた2つの保持体67から構成され、圧電トランス16は、保持部材66(66a,66b)のそれぞれの2つの保持体67を介して、固定部材56(56a,56b)により基板54に固定される。
なお、この圧電トランスユニット51bにおいても、図3および図4(a)〜(b)に示す圧電トランスユニット50や、図6に示す圧電トランスユニット51aと同様に、温度検知デバイス22として、サーミスタ58aを、保持部材66aの図中上側の保持体67内に埋め込まれて保持し、圧電セラミックトランス16の表面に接触するように取り付け、サーミスタ58bを、保持部材66bの2つの保持体67を固定する固定部材56bの平坦部57aの表面に取り付けることができる。
【0061】
これらの図に示す保持部材66(66a,66b)は、2つの保持体67から構成されている。それぞれの保持体67は、図10に示すように、細長い棒状の形状を有し、前述した図5(b)に示す保持部材52と同様に略台形状の断面形状を有している。図4(a)〜(d)に示した例では、保持部材52で圧電トランス16を周回することによって圧電トランス16を保持したが、ここでは、圧電トランス16を介して互いに対向するように2つの保持体67を配置して、圧電トランス16を保持している。
この時、保持体67の幅広の面67aが圧電トランス16の第1入力電極34a、34bおよび第2入力電極36a、36bと接し、保持体67の幅の狭い方の面37bが固定部材56の内側の面と接するように配置される。導電性を有する材料を用いて保持部材66を構成する場合は、圧電トランス16を周回するような構造の保持部材とはせずに、圧電トランス16の幅方向に延在する形状の2つの保持体67を用いて、圧電トランス16の一方の面とその反対側の面をそれぞれ独立に保持させる。
図8および図9(a)〜(c)に示す例では、固定部材56として、図3および図4に示す固定部材よりも長さと幅がともに長いが,平坦部57a、一対の脚部57bおよび一対の固定端部57cを備える同一構造の固定部材を用いて、圧電トランス16を基板54に固定している。
【0062】
また、図8に示すように、基板54には、略矩形状のランドが8個形成されている。ランド68aおよびランド68dは、圧電トランス16の長さ方向に対して垂直な方向に沿って設けられている。ランド68aおよび68dの長さは、圧電トランス16の幅(長手方向に垂直な方向の長さ)よりも僅かに長くなっている。また、ランド68aおよび68dは、圧電トランス16の保持部材66に対応する位置に配置されている。これにより、圧電トランス16を基板54に装着したときに、圧電トランス16の下面側の第1入力電極34bおよび第2入力電極36bに、それぞれ接して配置された保持体67がランド68aおよび68dと接触することになる。保持体67は、上述したように導電性を有するので、圧電トランス16の第1入力電極34bおよび第2入力電極36bは、それぞれ、保持体67を介してランド68aおよびランド68dと通電することになる。
【0063】
また、ランド68aの長さ方向の両側には、それぞれ、ランド68bおよびランド68cが、ランド68aから所定間隔だけ離れて形成されている。また、同様に、ランド68dの長さ方向の両側には、それぞれ、ランド68eおよびランド68fが、ランド68dから所定間隔だけ離れて形成されている。固定部材56を用いて圧電トランス16を基板54に固定するときには、それぞれの固定部材56の両端部57cが、ランド68bおよび68c並びにランド68eおよび68fに半田付けされる。
また、基板54には、圧電トランス16の第1出力電極38および第2出力電極40にそれぞれ接続されるランド68gおよび68hが形成されている。ランド68gおよび68hは、基板54に圧電トランス16を固定したときに圧電トランス16の第1出力電極38および第2出力電極40の近傍に位置するように設けられる。ランド68gおよび68hには、圧電トランス16の出力電極38および20と接続された導線が接続される。
【0064】
以上説明したように、導電性を有する弾性材料を用いて保持部材を構成し、この保持部材を配線部材の代わりとして用いることにより、配線部材を圧電トランスの入力電極に半田付けしなくても、配線部材を入力電極と導通させることができる。その結果、半田付けなどの工数が不要となり、従来よりも工数を削減することが可能となる。また、本実施形態の圧電トランスにおいては、保持部材と第1および第2入力電極は、圧電トランスの振動の節の部分に設けられているため、圧電トランスの保持と入力電極への配線を兼ねることができ、さらに、圧電トランスの振動に応じて入力部の配線部材が振動することが防止され、入力電極の配線による鳴きが発生することが防止され、出力電極に接続される配線による鳴きだけとなるので、全体としての鳴きが低減される。さらに、出力部の配線もなくすためには、後述する構造にすれば良い。このように、本発明では、上記変更以外は、加工方法の変更や周辺回路の変更を伴わないという利点がある。
【0065】
本発明では、図5〜図7に示すように、圧電トランス16の外周を周回して保持するタイプの保持部材52、60および64、図8に示すように、圧電トランス16を間に挟んで2つの保持体67を互いに対向させることによって圧電トランス16を保持するタイプの保持部材66を用いているので、図3および図8に示されるように、圧電トランス16と固定部材56または62との間に、弾性材料で形成された保持部材52、60、64または保持部材66(保持体67)を介在させて、保持部材52、60、64または66で圧電トランス16を保持させることにより、圧電トランス16の振動を阻害させることなく、圧電トランス16を基板54上に固定することができる。また、図5〜図7および図10に示すように、保持部材52、60および64の形状および保持部材66を構成する保持体67の形状を上述したように山の裾野のような山裾形状としたことにより、圧電トランス16が振動によって長さ方向にずれても、圧電トランス16の移動に伴って保持部材52、60、64または保持体67の厚みの薄い裾野の部分が、保持部材52、60、64または保持体67と圧電トランス16の圧電セラミックス32の表面との間に引き込まれて折れ曲がり、その裾野の部分が保持部材52、60、64または保持体67と圧電トランス16との間に介在する。
このため、固定部材56または62によって固定される保持部材52、60、64または保持体67の厚みが、引き込まれた裾野の部分の分だけ厚くなり、圧電トランス16の長さ方向への移動が制限されることになる。
【0066】
すなわち、固定部材56または62は、基板54に固定され、基板54と固定部材56または62との間隔は一定であるので、圧電トランス16の移動によって保持部材52、60、64または保持部材66の保持体67の裾野の部分が折れ曲がり厚みが増すと、圧電トランス16の長さ方向への移動が制限されることになる。こうして、圧電トランス16が振動したとしても圧電トランス16は基板に安定に保持されることになる。
また、保持部材52、60、64および保持部材66の保持体67は、圧電トランス16の圧電セラミックス32の表面と接する表面の方が大きいので、固定部材56からかかる圧力が、圧電セラミックス32上では分散され、圧電セラミックス32の振動阻害を、より少なくする効果に加え、圧電セラミックス32の表面と保持部材52、60、64および保持体67との間の接触面積が増えるので、摩擦による固定効果もある。保持部材52、60、64および保持部材66の保持体67と固定部材56または62との間は、ボス等の加工で機械的固定が可能であるが、保持部材5252、60、64または保持部材66の保持体67と圧電トランス16の圧電セラミックス32の表面には、そのような加工ができないため、非常に有効である。これらを接着剤にて止める方法もあるが、この場合でも、保持部材52、60、64または保持部材66の保持体67は、接着面積を増やすことができ、有効である。
【0067】
また、図3〜図9に示す実施形態では、保持部材52、60、64または66を圧電トランス16の長手方向に対して垂直な方向に延在するように設けたが、使用する圧電トランスの振動モードに応じて保持部材を設ける位置を変更することができる。例えば、図2に示す圧電トランス16と同様の形状の圧電トランスにおいて、圧電トランスの幅方向に振動するモードで使用する場合には、圧電トランスの長手方向に延在するように、保持部材を設けても良い。この場合は、圧電トランスの長手方向を周回するように設けても良いし、図10に示すように、2つの保持体を用いて保持部材を構成したときは、それら保持体の間に圧電トランスを介在させてもよい。更に、厚さ方向に振動するモードで圧電トランスを使用する場合には、圧電トランスの側面に保持部材を設けても良い。この場合は、圧電トランスの側面を周回するように保持部材を設けても良いし、圧電トランスの互いに対向する側面に、図10に示すような棒状の保持体を、それぞれ設けても良い。
【0068】
また、上記実施形態では、2つの固定部材を用いて圧電トランスアセンブリを基板に固定させたが、本発明では、1つの固定部材で圧電トランスアセンブリを基板に固定させてもよい。この場合には、例えば、図3または図4において、圧電トランス16の長さ方向で、固定部材の長さが、圧電トランス16を保持する2つの保持部材52a、52bの配置間隔よりも長くなるように固定部材を構成すればよい。これにより、所定間隔はなれて配置された、圧電トランス16の2つの保持部材52a、52bの外側表面53cを同時に押さえることが可能となる。また、図3において、圧電トランス16の2つの保持部材52a、52bの間隔よりも長い平坦な板部材を、2つの保持部材52a、52bの上面に配置して、この板部材を留め具などにより基板に固定させてもよい。この場合は、板部材と留め具が固定部材として機能する。
このように、本発明においては、圧電トランスと保持部材からなる圧電トランスアセンブリをプリント基板などの基台に固定させることができるのであれば、固定部材の形状や寸法は特に限定されるものではない。
【0069】
また、上記実施形態では、固定部材56や62を用いて、基板54に保持部材52、60、64または66で保持された圧電トランス16を固定する場合について説明したが、保持部材で保持された圧電トランスからなる圧電トランスアセンブリをケースに収容してもよい。この場合は、圧電トランスアセンブリを収容したケースが基板に固定される。
以下に、圧電トランスが保持部材を介してケースに収容された状態で基板に固定される実施形態について、図11〜図13を用いて説明する。
【0070】
図11は、圧電トランスを保持部材で保持する圧電トランスアセンブリ収容するケースの一実施形態の外観を模式的に示す斜視図である。図12および図13は、それぞれ図11に示すケースの上ケースを下方から見た斜視図およびその下ケースを上方から見た斜視図である。
図11に示すケース70は、上述の図3および図4に示す構造の保持部材52で保持された圧電トランス16、すなわち圧電トランス16とこれを保持する保持部材52(52a,52b)からなる圧電トランスアセンブリを収容するためのケースである。ケース70は、共に、電気的絶縁性材料、例えば、プラスチック製の上ケース72と下ケース74とから構成されている。
本発明において、圧電トランスアセンブリをケースに収容して使用する場合は、上ケースが固定部材として機能し、下ケースが基台として機能し、ケース内に保持部材によって圧電トランスアセンブリを収容することにより、圧電トランスユニットが構成される。したがって、本発明における「固定部材」は、上記した固定部材56や62などの板金のみならず上ケースも含む概念であり、用語「基台」は、上記した基板54などの配線基板やプリント基板等の基板のみならず下ケースも含む概念である。
【0071】
図12および図13にそれぞれ示すように、上ケース72と下ケース74には、それぞれ、矩形状の凹部72aおよび74aが形成されており、これら凹部72aおよび74aに、図3に示す保持部材52で保持された圧電トランス16(圧電トランスアセンブリ)が収容される。なお、図12および図13においては、圧電トランス16の図示を省略している。なお、保持部材52(52b)および上ケース72が良好な熱伝導性がある部材からなる場合には、収容された圧電トランス16を保持している保持部材52bと接触する、上ケース72の凹部72a部分(図12参照)またはこれに対向する上ケース72の上面側の部分(図11参照)にサーミスタ58bを接着等により取り付けても良い。この場合には、サーミスタ58bの取り付けは容易である。ここで、保持部材52(52b)上ケース72の熱伝導性が低い場合には、上述したように、サーミスタ58aと同様に、圧電トランス16の表面と保持部材52bとの間にサーミスタ58bを取り付けるのが好ましい。この場合には、圧電トランス16を周回する保持部材52にサーミスタ取付用の凹部があり、また、保持部材52が弾性体であると、圧電トランスアセンブリ作製時に取り付けられたサーミスタ58は、ケース70に収納する時に脱落することがないので、圧電トランスアセンブリの組み込みを行なうのは非常に簡単である。もちろん、この場合も含め、圧電トランス16(圧電トランスアセンブリ)にサーミスタ58aが取り付けられていれば、上ケース72へのサーミスタ58bの取り付けを行なわなくても良い。さらに、ケース70で閉じた空間であるので、間接的に圧電トランス16の温度を計測する方法として、保持部材52に近いケース70の内側に、保持部材52と接触しないように、サーミスタ58を接着剤等で固定するようにしても良い。
【0072】
また、下ケース74には、ケース70をネジで基板に固定するための4つのネジ穴部76が設けられている。さらに、下ケース74には、図2、図3および図4に示す圧電トランス16の第1入力電極34a、34b、第2入力電極36a、36b、第1出力電極38、第2出力電極40と接続される導線およびサーミスタ58aの導線59aを、またはさらにサーミスタ58bの導線59bをも取り出すための4つの溝74b、74c、74dおよび74dが形成されている。ケース74の長手方向の一方の端部と他方の端部に形成されている溝74bおよび74eが圧電トランスの出力電極の導線を取り出すための溝であり、ケース74の長さ方向に垂直な方向の一方の端部に形成されている溝74cおよび74dが、それぞれ、第1入力電極34a、34bとサーミスタ58b、および第2入力電極36a、36bとサーミスタ58aの各導線を取り出すための溝である。
【0073】
圧電トランス16は、保持部材に保持された圧電トランスアセンブリとして、このような構造を有するケース70の中に収容される。このとき、圧電トランス16の保持部材52(52a,52b)がケース70の内壁面と接触し、その壁面によって押圧されることによって圧電トランス16がケース70の内部で固定され、保持される。なお、ケース70の中に収容される圧電トランスアセンブリは、圧電トランス16、保持部材52a,52bに加え、サーミスタ58a、さらにはサーミスタ58bを含んでいても良い。
ここでは、下ケース74に、導線を取り出すための4つの溝74b、74c、74dおよび74eを形成したが、これらの溝を上ケース72に形成してもよいし、上ケースと下ケースの両方に溝を形成しても良い。また、図3に示す圧電トランスユニット50のように、基板54に固定された状態で、圧電トランス16をケース70に収納しても良い。なお、この場合には、基板54を下ケース74の内側凹部74aに接着剤等で固定すればより確実である。
【0074】
次に、圧電トランスを収容するケースの別の実施形態について説明する。
図14は、圧電トランスアセンブリを収容するケースの別の実施形態のケース全体の外観を模式的に示す斜視図である。図15および図16は、それぞれ図14に示すケースの上ケースを下方から見た斜視図およびその下ケースを上方から見た斜視図である。
図14に示すケース80は、電気絶縁性材料、例えば、プラスチック製の上ケース82と下ケース84とから構成されている。図14および図15に示すように、上ケース82には、ケース80内に収容される、図2に示す圧電トランス16の第1および第2の入力電極34aおよび36aとそれぞれ電気的に接続される端子86および88が設けられている。これらの端子86および88は、図15に示すように、上ケース82の表面に平行で、かつ上ケース82の長手方向に対して垂直な方向に延設されており、上ケース82の両方の側面を貫通するとともに、上ケース82の内側で露出するように設けられている。端子86および88の上ケース82の内側の露出部分86aおよび88aは、圧電トランス16を上ケース82に配置したときに、後述する圧電トランス16の保持部材97(図17参照)と接触する位置に配置される。
【0075】
また、下ケース84にも、同様に、図2に示す圧電トランス16の第1および第2の入力電極34bおよび36bとそれぞれ電気的に接続される端子90および92が設けられており、それらの端子90および92は、図16に示すように、下ケース84の表面に平行で、下ケース84の長手方向に対して垂直な方向に延設されており、下ケース84の両方の側面を貫通するとともに、下ケース84の内側で露出するように設けられている。また、端子90および92の下ケース84の内側の露出部分86aおよび88aは、圧電トランス16を下ケース84に配置したときに、後述する圧電トランス16の保持部材97(図17参照)と接触する位置に配置される。また、下ケース84には、後述する圧電トランスアセンブリの圧電トランス16の出力電極38および40とそれぞれ接続される導線、ならびにサーミスタ58aおよび58bの導線59aおよび59bを取り出すための溝84aおよび84bが設けられている。
また、図14に示すように、上ケース82と下ケース84を組み合わせて圧電トランス16を収容したときに、上ケース82の端子と下ケース84の端子が互いに接触することを避けるために、上ケース82の端子86および88は、互いに、上ケース82の外側の側面に沿って、上ケース長手方向の中央に向かって屈曲している。上ケース82に設けられている端子86および88と、下ケース84に設けられている端子90および92は、圧電セラミックトランスを収納したケースを基板に装着したときに、基板のランド部に半田付けされて固定される。
【0076】
図17(a)〜(d)に、このようなケースに収容される圧電トランスアセンブリの一実施形態を示す。図17(a)および(b)は、それぞれ、図14に示すケースに収容される圧電トランスアセンブリの一実施形態の模式的な部分破断平面図および部分破断側面図であり、図17(c)および(d)は、図17(b)のC−C線およびD−D線矢視図である。
図17(a)〜(d)に示す圧電トランスアセンブリ94は、保持部材52(52a,52b)の代わりに、2つの保持体97からなる保持部材96の形状が異なる以外は、図4(a)〜(d)に示す圧電トランスユニット50の圧電トランスアセンブリと同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略し、ここでは、基本的に保持部材96について説明する。
【0077】
図17(a)〜(d)に示すように、圧電トランスアセンブリ94は、圧電トランス16およびこれを保持する2つの保持部材96を有する。保持部材96は、2つの保持体97から構成されている。それぞれの保持体97は、導電性材料から構成されており、図17(b)〜(d)に示すように、横断面の形状が略台形で、縦断面の形状がコの字状である。すなわち、保持体97は、その厚みが、圧電トランス16の長さ方向の中央から端部に向かうに従って薄くなるような形状を有している。ここでは、2つの保持体97が一組として用いられ、2つの保持体は、圧電トランス16を介して互いに対向するように配置される。
図17(a)〜(d)に示す実施形態では、圧電トランス16の長手方向の2箇所を、2つの保持体97で構成された保持部材96で、それぞれ保持している。図示例では、このような保持部材96によって圧電トランス16がケース80に対して保持されている。この時、保持体97の幅広の面97aが圧電トランス16の入力電極と接し、保持体97の幅の狭い方の面97bが固定部材の内側の面と接するように配置される。また、図示例の保持部材96は、圧電トランス16の上面と下面だけでなく、側面の一部を覆うように構成されているので、圧電トランス16の幅方向への移動が規制される。
【0078】
圧電トランスアセンブリ94が、このようなケース80に収容されたときに、保持部材96を構成するそれぞれの保持体97は、上ケース82の内部において露出している端子86および88の露出部分86aおよび88aと接触するとともに、下ケース84の内部において露出している端子90および92の露出部分90aおよび92aと接触する。それぞれの保持体97は、導電性材料から構成されているので、このように圧電トランスアセンブリ94をケース80に収容することによって、圧電トランス16の一方の面に設けられた入力電極34aおよび36aは、それぞれ、上ケース82の端子86および88と通電する。また、圧電トランス16の他方の面に設けられた入力電極34bおよび36bは、それぞれ、下ケース84の端子92および90と通電する。また、圧電トランス16は、上ケース82と下ケース84に設けられた端子の露出部分によって挟まれ、ケース80内で保持される。下ケース84は、圧電トランス16の基台として機能し、上ケース82は、基台である下ケース84に対して圧電トランス16を固定するための固定部材として機能する。圧電トランスアセンブリ94を収容したケース80は、配線基板やプリント基板などの基板の所定位置に装着されて使用される。
【0079】
ところで、本実施形態においても、図17(a),(b)および(c)に示すように、サーミスタ58aは、圧電トランス16の表面、詳しくは、第2入力電極36aの上表面に確実に接触するように、保持部材96の上側の保持体97の幅広の面97aに凹部を設け、この凹部に埋め込むように取り付けられている。
一方、図17(a),(b)および(d)に示すように、サーミスタ58bは、圧電トランス16の保持部材96の上側の保持体97の幅の狭い方の面97bの上表面に接着等により取り付けられている。この場合には、保持部材96の上側の保持体97には、熱伝導性の良好な材質のものを使用するのが好ましい。この場合には、サーミスタ58bは、圧電トランス16の保持部材96の上側の保持体97に容易に取り付けることができる。また、サーミスタ58bの取付構造は、保持部材52の上表面に凹部を設け、その中にサーミスタ58を入れる構造としても良い。
なお、図示例では、サーミスタ58bは、保持体97の幅の狭い方の面97bの上表面に取り付けているが、図11および図12に示す上ケース72の場合と同様に、保持部材96の上側の保持体97が接触する、上ケース82の内部において露出している端子86の露出部分86aに取り付けても良いし、圧電トランス16の温度を計測可能な程度に上ケース82の熱伝導性が良好であれば、この露出部分86aに対向する上ケース82の上側面に取り付けても良い。この場合も、サーミスタ58bの取り付けは、容易である。
【0080】
以上、本発明の圧電トランス装置およびこれを用いる光源装置について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、図2に示すように、第1出力電極38および第2出力端子40を圧電セラミックス32の端面に形成したが、図18に示す圧電トランス16aのように、一方の端部の上面と下面にそれぞれ電極39aおよび39bを形成し、他方の端部の上面と下面にそれぞれ電極41aおよび41bを形成し、一方の端部の上面および下面の電極39aおよび39bと、他方の端部の上面および下面の電極41aおよび41bを出力電極として利用してもよい。この圧電トランス16aの場合は、圧電セラミックス32の両方の端部の上下面に形成された電極39aおよび39b、ならびに電極41aおよび41bを覆うように、例えば、図5(a)および(b)に示す形状の保持部材52を周回させて設けてもよい。この場合は、導電性を有する弾性材料を用いて保持部材を構成することができる。したがって、この保持部材52を受ける基板部分にランドを設け、図8に示すような固定部材56を配置して、通電するようにすれば、図8に示す出力側配線をも減らし、上述した配線の「鳴き」に対して効果がある。また、ケースに入れる場合においても、この構成を図8、図9および17に示される構造の圧電トランス16の出力電極に適用するとともに、それらの圧電トランスアセンブリを収容するケースにおいて、出力電極部に設けられた保持部材と接するように、保持部材に対応する上下ケースのいずれかに、図14〜図16に示す電極86、88、または90、92のような電極板を設けることにより、ケース外部へ、導線なしで、導くことが可能となる。これは、配線の「鳴き」および組立工数の削減に有効である。すなわち、このように構成することにより、出力部に導線が不要となり入力部のみならず出力部においても、電線の振動に起因する鳴きが防止される。
この場合にも、保持部材や、固定部材や、上ケースなどへのサーミスタの取り付けは、上述した例と同様に行えば良い。
【0081】
また、上記実施形態においては、上ケースと下ケースとから構成されるケースに圧電トランスアセンブリを収納する実施形態を示したが、本発明は、これに限定されない。
例えば、上記実施形態においては、上ケースと下ケースの2つのケースを用いて構成したが、一方の面が開放された下ケース(収容体)と、その開放面を覆う蓋部材を用いることができる。この場合は、下ケースに圧電アセンブリを収容し、その下ケースの開放面を蓋部材で覆えばよい。この場合は、蓋部材が固定部材としての機能を有する。下ケースの開放面に設けられる蓋部材を下ケースに対して固定する方法としては、下ケースの開放面に平坦な蓋部材を嵌め込む方法や、ネジ止めによる固定など公知の固定方法を用いることができる。
【0082】
また、この場合、下ケースは、圧電トランスアセンブリの厚さ方向において、全体を収容するような構成にしても、部分的に収容するような構成にしてもよい。下ケースに圧電トランスアセンブリを部分的に収容する場合は、固定部材として平坦な蓋部材を用いるのではなく、例えば、図3または図8に示されるような形状の固定部材(板金)を用いればよい。こうして、下ケースに圧電トランスアセンブリを部分的に収容し、図3または図8に示す固定部材56と同様の固定部材を用いて下ケースに圧電トランスアセンブリを固定することもできる。すなわち、図3または図8に示すような固定部材を、圧電トランスの外周に配置された保持部材の上面部分に密着させた状態で配置し、固定部材の脚の部分を下ケースの側面や上部の縁部に固定させることによって、圧電トランスアセンブリを下ケースに固定することができる。この場合にも、保持部材および固定部材などへのサーミスタの取り付けは、上述した例と同様に行えば良い。
【0083】
また、図3または図8に示す固定部材56の代わりに、図12または図15に示した上ケース72および82と同様の上ケースを用いて平坦な板状の部材(例えば、図8等に示す基板54)に圧電トランスアセンブリを固定することもできる。すなわち、平坦な板状の部材の上に圧電トランスアセンブリを配置し、圧電トランスアセンブリを収容可能な構造の上ケース(例えば、図12または図15に示すような上ケース)を被せて圧電トランスアセンブリを平坦な板状の部材に固定することも可能である。この場合、平坦な板状の部材は、プリント基板であってもよいし、配線などの形成されていない平板であっても良い。また、この場合は、平坦な板状の部材が基台として機能し、上ケースが固定部材として機能する。また、上ケースは、圧電トランスアセンブリの厚さ方向において、圧電トランスアセンブリの全体が覆われるように構成されても、一部分が覆われるように構成されてもよい。
さらに、本発明においては、上ケースと下ケースとによって保持部材が挟まれるように配置されるのであれば、上ケースおよび下ケースの部品点数は特に限定されるものではなく、上ケースまたは下ケースを、さらに複数の部材から構成することもできる。例えば、上ケースまたは下ケースが、圧電トランスの長手方向に2つに分離されていて構成されていても良い。
これらの場合にも、保持部材や上ケースなどへのサーミスタの取り付けは、上述した例と同様に行えば良い。
【0084】
上述した実施形態では、保持部材で圧電トランスを保持した状態の圧電トランスアセンブリをケースに収納しているが、本発明はこれに限定されず、圧電トランスアセンブリを基板に取り付けた状態の圧電トランスユニットをケースに収納しても良い。このような方法は、図3および図8に示すように、圧電トランスアセンブリを基板54に取り付けてからケースに入れる方法、および、上述した図18の形態の圧電トランス16aを出力端部(電極39a,39bおよび41a,41b)に設けた保持部材で受け、導線の数を減らす構造をとった場合において、基板に取り付けてからケースに入れる方法の2つが考えられる。これらの方法は、ケースの側面に導線を外部に取り出すための穴部を設け、かつ/または、基板から延伸する電極板を取り付け、上ケースと下ケースとの間に電極板を通す隙間を設ければ可能である。なお、これらの場合にも、上述の種々の実施形態と同様に、サーミスタを取り付けることができるが、サーミスタからの導線は、圧電トランスの電極接続用導線の取出穴部や、電極板を通す隙間から取り出しても良いし、別に形成された専用の穴部や隙間などから取り出しても良い。
【0085】
具体的には、図3に示される圧電トランスユニット50のように、固定部材56と保持部材52によって基板54に固定されている圧電トランス16を、ケースに収容して使用することもできる。この場合、ケースは、基板54に固定された状態の圧電トランスユニット50が収容されるような寸法で構成される。また、ケースは、上ケースと下ケースの2つのケースを組み合わせることによって構成されても、一面が開放された下ケースと、その下ケースの開放側を覆う平板上の蓋部材とを組み合わせることによって構成されてもよい。
また、このような基板に固定された状態の圧電トランスをケースに収容する場合は、ケースの側面に、圧電トランスの各電極に接続されている導線をケース外に取り出すための穴部を形成することができる。
【0086】
また、図8に示される圧電トランスユニット51bのように、固定部材56と保持体67によって基板54に固定されている圧電トランス16も、ケースに収容して利用することができる。この場合も、ケースは、基板54に固定された状態の圧電トランスユニット51bが収容されるような寸法で構成され、上ケースと下ケースの2つのケースを組み合わせることによって構成されてもよいし、一面が開放された下ケースと、その下ケースの開放側を覆う平板上の蓋部材とを組み合わせることによって構成されてもよい。図8に示す例では、保持部材66の保持体67が導電性材料によって構成され、基板54には、圧電トランス16の各入力電極34a、36aおよび各出力電極34b、36bに対応してランド部68a〜68hが設けられている。このように基板にランド部が設けられている場合は、それぞれのランド部から延びるように,金属の電極板を形成し、それぞれの電極板をケース外に取り出すように構成することができる。各電極板をケースに取り出す方法としては、例えば、ケースが上ケースと下ケースとから構成されている場合は、上ケースと下ケースの間に隙間部を設け、その隙間部からそれぞれの電極板をケース外に取り出す方法を利用することができる。また、ケースが、下ケースと蓋部材とから構成されている場合には、下ケースと蓋部材との間に隙間部を設けて、その隙間部から各電極板をケース外に取り出す方法を利用することができる。
また、基板に出力用のランドを設けずに、ケースの側面に穴部を設けて、その穴部から出力電極と接続された導線をケース外に取り出すことも可能である。
【0087】
また、図18に示されるように圧電トランスの両方の端部の上下面に出力電極を形成する場合は、図8の圧電トランスの各入力電極の表面に配置される複数の保持体(以下、第1保持体という)と同様に、両端部の上下に配置される出力電極の表面にも導電性材料の複数の保持体(以下、第2保持体という)を設け、第1保持体と第2保持体をそれぞれの固定部材の間に介在させつつ、固定部材により圧電トランスを基板に固定させることができる。この場合は、基板に対向する側の第2保持体に接触するように基板に出力電極用の第1ランド部を形成し、また、固定部材の脚の部分と接触して半田付け可能に基板に別の出力電極用の第2ランド部を形成することができる。
【0088】
また、このようにして基板に固定される圧電トランスも、ケースに収容して使用することができる。この場合にも、ケースは、基板に固定された状態の圧電トランスユニットが収容されるような寸法で構成される。また、上述したように、ケースは、上ケースと下ケースの2つのケースを組み合わせることによって構成されてもよいし、一面が開放された下ケースと、その下ケースの開放側を覆う平板上の蓋部材とを組み合わせることによって構成されてもよい。また、この場合は、入力電極用のランド部と同様に、出力電極用の第1ランド部と第2ランド部からも、それぞれ延びるように金属の電極板を形成し、それぞれの電極板をケースの外に取り出すように構成することができる。
また、各電極板をケースの外部に取り出す方法としては、上述と同様に、例えば、ケースが上ケースと下ケースとから構成されている場合は、上ケースと下ケースとの間に隙間部を設け、その隙間部からそれぞれの電極板をケースの外部に取り出す方法を利用することができる。また、ケースが、下ケースと蓋部材とから構成されている場合には、下ケースと蓋部材との間に隙間部を設けて、その隙間部から各電極板をケースの外部に取り出す方法なども利用することができる。
【0089】
また、本発明においては、図9(a)および(b)に示す保持体67に代えて、図19に示すように、それぞれ2つの突起部(ボス)98aを有する、一対の保持体98からなる保持部材を用いることもできる。このような一対の保持体98からなる保持部材を用いる圧電トランスユニット51cの場合には、図6に示す圧電トランスユニット51aの固定部材62と同様に、上側の保持体98の突起部98aと嵌合する貫通孔62aが形成された固定部材62を用いることができる。ここで、本実施形態においては、他の実施形態と同様に、上側の保持体98の内側(圧電トランス16に接する側)には、サーミスタ58aが取り付けられるが、破線で示すように、サーミスタ58bを固定部材62の上表面に取り付けても良いし、図示しないが、上側の保持体98の突起部98aに取り付けても良い。また、保持体98は、図9に示す保持部材67と同様に、導電性材料から構成することができる。保持体98を備える圧電トランスアセンブリを取り付けるための基板55としては、図8に示す圧電トランスユニット51bの基板54と同様に、基板55側に配置される保持体98と接する場所にランド(図示せず)が形成された基板を用いることができる。また、基板55のランド部には、下側の保持体98の突起部98aと嵌合するような貫通孔55aが形成される。このように固定部材62の貫通孔62aと、基板55の貫通孔55aに、保持体98の突起部98aを嵌め合わせた状態で、圧電トランスアセンブリを、保持体98を介して固定部材62で基板55に固定することにより、図8および図9に示す構成よりも、圧電トランス16のずれをより一層防止することができる。ここでは、保持体98の突起部98aの個数を2個としたが、1個でも3個以上であってもよい。
【0090】
また、図19に示す圧電トランスユニット51cでは、基板側に配置される保持体と、その反対側に配置される保持体を同様の形状の保持体で構成したが、それらを互いに異なる形状の保持体で構成することもできる。図20に、互いに異なる形状で形成された1組の保持体100、102からなる保持部材を用いる圧電トランスユニット51dの断面構造を模式的に示す。図20に示す圧電トランスユニット51dにおいては、互いに異なる形状で形成された1組の保持体100、102からなる保持部材を備える圧電トランスアセンブリが固定部材56によって基板55に取り付けられている。
図20に示すように、基板55側に配置される第1保持体102は、図19に示す保持体98と同様に、2つの突起部102aを備えている。また、その反対側に配置される第2保持体100は、図17(c)に示す保持体97と同様に、縦断面形状がコの字状の形状を有している。図20に示すトランスユニット51dでは、保持体100の縁部100aによって圧電トランス16の側面の上方の一部が保持されるので、圧電トランス16の幅方向(図中、左右方向)のずれも防止される。図20に示す実施形態においても、第2保持体の上面(固定部材56と接触する面)に、図19に示す保持体98と同様に突起部を設けてもよい。
なお、本実施形態においても、上記実施形態と同様に、上側の保持体100の内側(圧電トランス16に接する側)にはサーミスタ58aが取り付けられるが、破線で示すように、サーミスタ58bを固定部材56の上表面に取り付けても良い。
【0091】
また、上記実施形態では、図5(b)に示す保持部材52や、図8および図10に示す保持部材66の保持体67のように、その断面形状が、略台形状で、中央部分から幅方向の両側に向かって厚みが次第に薄くなる山裾のような形状になるように構成されている。すなわち、図5(b)に示す保持部材52は、圧電トランス16と接触する内壁面53bの方が、外側の外周面53cよりも幅が広く形成されており、厚みが一定の肉厚部53dと、その肉厚部53dの両側に位置し、幅方向外側に向かうに従って厚みが薄くなる薄肉部(テーパ部)53eとを有するものである。しかしながら、本発明においては、保持部材の形状はこれに限定されない。
例えば、図21に示すように、その断面形状において、圧電トランス16と接触する内壁面(図中下側表面)104bの方が、外側の外壁面(図中上側表面)104cよりも幅が広く形成されており、厚みが一定の肉厚部104dと、その肉厚部104dの一方の側に位置し、幅方向外側に向かうに従って厚みが薄くなる薄肉部(テーパ部)104eとを有する構造の保持部材104を用いることもできる。また、保持部材104の肉厚部104dの側面104gは、内壁面104bおよび外壁面104cに対して垂直に形成されており、テーパ部104eの傾斜面104fは、凹曲面で形成されている。図21では、テーパ部104eの傾斜面104fを曲面で構成したが、平面で構成してもよい。また、保持部材104の肉厚部104dの側面104gは、内壁面104bおよび外壁面104cに対して垂直でなくてもよく、傾斜していてもよい。
【0092】
また、図21に示す形状の保持部材104を、圧電トランス16の長さ方向において2箇所に設ける場合には、保持部材104の肉厚部104dの側面104g同士が互いに向き合うように、あるいはテーパ部104e同士が互いに向き合うように、それぞれ設けるのが好ましい。
本発明においては、図21に示す断面形状を有する保持部材104を、図5(a)、図6および図7に示す保持部材52、60および64などのように、圧電トランス16に周回して設けられる保持部材として構成しても良いし、図8に示す保持部材66の保持体67、図17に示す保持部材96の保持体97、図19に示す保持部材の保持体98および図20に示す保持部材の保持体100および102の断面形状を、図21に示す形状としてもよい。
【0093】
また、図5(b)に示す、厚肉部53dの両側にテーパ部53eを有する保持部材52において、両側のテーパ部53eの傾斜面の角度を互いに変えてもよい。すなわち、一方のテーパ部53eの傾斜面の傾斜角度と、他方のテーパ部53eの傾斜面の傾斜角度が互いに異なるように構成してもよい。また、一方のテーパ部の傾斜面を曲面で構成し、他方の傾斜面を平面で構成することもできる。なお、図6や図7に示す保持部材60および64などや、図8、図10、図17、図19および図20に示す保持体67、97、98、100および102などを、同様の構成としても良いのはもちろんである。
【0094】
なお、本発明においては、上述したように、圧電トランスの圧電セラミックスとして平板形状の圧電セラミックスの代わりに、柱状形状の圧電セラミックスを用いてもよく、例えば、軸に垂直な断面形状が正方形、円形、楕円形などの形状の圧電セラミックスを利用することもできるが、断面形状に応じた保持部材および固定部材を用いることにより、図3〜図10に示す圧電トランスユニットならびに図17および図18に示す圧電トランスアセンブリおよび圧電トランスと同様な構成とすることができ、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の圧電トランスユニットに用いられる圧電トランスは、上記構造の圧電トランスに限定されず、例えば、ローゼン型トランス、横効果を用いた圧電トランス、面振動圧電トランス、中央駆動圧電トランス、ブロック型圧電トランス、積層圧電トランス、中央出力圧電トランス、複数出力型圧電トランス、高次モードを用いた圧電トランス、ボルト締型圧電トランス、アレイ形圧電トランスなどの圧電トランスを利用することができる。
【0095】
上述したように、本発明においては、圧電トランスの外周に保持部材、または、圧電トランスを両側から2つの保持体で挟む保持部材を備え、その保持部材の幅が圧電トランスから遠ざかるに従って狭くなっているので、固定部材で保持部材を介して圧電トランスを固定させたときに、圧電トランスが固定部材と基板などの基台に対してずれてしまうことが防止される。従って、本発明に用いられる圧電トランスユニットは、駆動時に振動しても、安定して基板上に固定されることができる。
【0096】
以上、本発明の圧電セラミックトランス装置およびこれを用いる光源装置について種々の実施形態および実施例を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態および実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明の圧電セラミックトランス装置を用いる本発明の光源装置の一実施形態の概略を示すブロック図および回路ブロック構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す圧電セラミックトランス装置に用いられる圧電セラミックスの一実施形態の模式的斜視図である。
【図3】図2に示す圧電セラミックトランスおよびその保持機構ならびに温度検知デバイスを備える圧電セラミックトランスユニットの一実施形態の概略構造を示す模式的な斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ、図3に示す圧電セラミックトランスユニットの模式的な部分破断平面図および部分破断側面図であり、(c)および(d)は、(b)のC−C線およびD−D線矢視図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、図3に示す保持部材の模式的側面図および模式的断面図である。
【図6】本発明に用いられる圧電セラミックトランスユニットの別の実施形態の模式的な部分分解横断面図である。
【図7】本発明に用いられる保持部材の別の実施形態の模式的な横断面図である。
【図8】本発明に用いられる圧電セラミックトランスユニットの別の実施形態の模式的な部分分解横断面図である。
【図9】(a)は、それぞれ、図8に示す圧電セラミックトランスユニットの模式的な側面図であり、(b)および(c)は、(a)のB−B線およびC−C線矢視図である。
【図10】図8に示す保持部材の模式的斜視図である。
【図11】本発明に用いられる圧電セラミックトランスを収納するケースの一実施形態の概略斜視図である。
【図12】図11に示すケースの上ケースの概略斜視図である。
【図13】図11に示すケースの下ケースの概略斜視図である。
【図14】本発明に用いられる圧電セラミックトランスを収納するケースの別の実施形態の概略斜視図である。
【図15】図14に示すケースの上ケースの概略斜視図である。
【図16】図14に示すケースの下ケースの概略斜視図である。
【図17】(a)および(b)は、それぞれ、図14に示すケースに収納される、圧電セラミックトランスアセンブリの一実施形態の概略上面図および概略側面図であり、(c)および(d)は、(b)のC−C線およびD−D線矢視図である。
【図18】本発明に用いられる圧電セラミックトランスの別の実施形態の概略斜視図である。
【図19】本発明に用いられる圧電セラミックトランスユニットのさらに別の実施形態の模式的な部分分解横断面図である。
【図20】本発明に用いられる圧電セラミックトランスユニットのさらに別の実施形態の模式的な部分分解横断面図である。
【図21】本発明に用いられる保持部材のさらに別の実施形態の模式的な横断面図である。
【符号の説明】
【0098】
10 光源装置
11 圧電セラミックトランス装置(圧電トランス装置)
12 電源
14 駆動部
16,16a 圧電セラミックトランス(圧電トランス)
18 発光部
18a 冷陰極管(CCFL)
20 管電流検出回路
22 温度検知デバイス
24 電圧制御発振回路
26 発振部
28 保護回路
30 駆動回路
32 圧電セラミックス
32a 第1領域
32b 第2領域
32c 第3領域
32d 第4領域
32e 第5領域
34a、34b 第1入力電極
36a、36b 第2入力電極
38 第1出力電極
39a,39b,41a,41b 電極
40 第2出力電極
42a、42b、44a、44b 入力端子
46,48 出力端子
50,51a,51b,51c,51d 圧電セラミックトランスユニット
52,52a,52b,60,64,66,66a,66b,96,104 保持部材
54,55 基板
56,56a,56b,62 固定部材
58,58a,58b サーミスタ
67,97,98,100,102 保持体
68a、68b、68c、68d、68e、68f、68g、68h ランド
70、80 ケース
72、82 上ケース
74、84 下ケース
72a、74a 凹部
74b、74c、74d、74e 溝
76 ネジ穴部
86,88,90,92 端子
86a、88a 露出部分
94 圧電セラミックトランスアセンブリ(圧電トランスアセンブリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された1次側交流信号に基づいて2次側交流信号を出力する圧電セラミックトランスと、
前記圧電セラミックトランスに前記1次側交流信号を入力する駆動部と、
前記圧電セラミックトランスの温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段によって検知された温度に応じて前記駆動部による前記1次側交流信号の出力を制限する保護回路とを有することを特徴とする圧電セラミックトランス装置。
【請求項2】
さらに、前記圧電セラミックトランスの保持部材と、基台と、前記保持部材を前記基台に固定する固定部材とを備える請求項1に記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項3】
前記保持部材は、その断面は、側面山裾状の台形または略台形状をなす弾性材料である請求項2に記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記圧電セラミックトランスの振動節の位置を保持するものである請求項2または3に記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項5】
前記温度検知手段は、前記圧電セラミックトランスと前記保持部材との間において前記圧電セラミックトランス上に直接接触するように取り付けられている請求項2〜4のいずれかに記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項6】
前記温度検知手段は、前記保持部材の内部に埋め込み保持されて、前記圧電セラミックトランス上に直接接触するように取り付けられている請求項2〜5のいずれかに記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項7】
前記保持部材および前記固定部材は、それぞれ熱伝導性部材であり、
前記温度検知手段は、前記固定部材上に固定される請求項2〜4のいずれかに記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項8】
前記温度検知手段は、サーミスタである請求項1〜7のいずれかに記載の圧電セラミックトランス装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の圧電セラミックトランス装置と、
前記圧電セラミックトランスの出力側に接続され、前記圧電セラミックトランスの駆動によって発光する放電管とを有することを特徴とする光源装置。
【請求項10】
さらに、前記放電管が発光する際に前記放電管に流れる管電流を検出する管電流検出回路と、
前記管電流検出回路によって検出された前記管電流に応じて制御された発振周波数の信号を発生する電圧制御発振回路とを有する請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記放電管は、複数の冷陰極放電管であり、
前記管電流検出回路は、発光している前記複数の冷陰極放電管に流れる前記管電流の合計電流を検出するものである請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記光源装置が、面状の光射出面を持つ面状照明装置として機能する請求項9〜11のいずれかに記載の光源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2007−281356(P2007−281356A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108760(P2006−108760)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【出願人】(501488594)京都技術研究所株式会社 (8)
【Fターム(参考)】