圧電ナノデバイス
圧電ナノデバイスが、複数のナノロッドが形成された第1の基板と、複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備えることができる。第1の基板は第2の基板と連動して、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、風、波、太陽エネルギー、または体動等の環境由来の電気エネルギーを集める環境電源として、圧電デバイスが関心を受けている。圧電デバイスは、加えられた機械的応力に応じて電位を発生することのできる材料(水晶およびある種のセラミック等)を組み込む。ナノ材料およびナノデバイスを含むナノ技術における最近の発展により、発電可能な圧電ナノデバイスの開発に関心が向けられている。
【発明の概要】
【0002】
圧電ナノデバイスが提供される。例示的な一実施形態では、圧電ナノデバイスが、複数のナノロッドが形成された第1の基板と、複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備える。第1の基板は第2の基板と連動して、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる。
【0003】
別の実施形態では、圧電ナノデバイスが、それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板とを備える。第1の板および第2の板の一方が、他方に対して上下に移動可能な可動板として機能することにより、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させることができる。
【0004】
さらに別の実施形態では、圧電ナノデバイスが、それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板と、一端が第1の板および第2の板の一方に接続された少なくとも1つの接続部材とを備える。少なくとも1つの接続部材を長くまたは短くして、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させることができる。
【0005】
前述の概要は例示に過ぎず、決して限定的なものではない。前述した例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の例示的実施形態を示す概略図である。
【図2】図1の第1および第2の基板の連動を示す概略図である。
【図3】圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の別の例示的実施形態を示す概略図である。
【図4】図3の圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の連動を示す概略図である。
【図5】図4の圧電ナノデバイスの正面図である。
【図6】図3の第1および第2の基板を備えた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図7】図6の圧電ナノデバイスの正面図である。
【図8】複数の第1の基板を備えた第1の板の例示的実施形態を示す図である。
【図9】複数の第2の基板を備えた第2の板の例示的実施形態を示す図である。
【図10】図8および図9の第1の板および第2の板を備えた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図11】熱伝導板を備えた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図12】接続部材が弾性材料から作られた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図13】拡大された第1の基板が取り付けられた第1の板の例示的実施形態を示す図である。
【図14】拡大された第2の基板が取り付けられた第2の板の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明で、本明細書の一部をなす添付図面を参照する。特に断りのない限り、通常、図における同様の符号は同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的実施形態は、限定的なものではない。本明細書に提示された主題の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に全体が記載され図示された本開示の態様を、本明細書ですべてが明確に企図される種々の異なる構成で、配置、代用、組合せ、分離、設計可能であることが容易に理解されよう。
【0008】
一実施形態では、圧電ナノデバイスが、複数のナノロッドが形成された第1の基板と、複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備える。第1の基板は第2の基板と連動して、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる。
【0009】
図1は圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の例示的実施形態を示す概略図である。圧電ナノデバイス100は、ナノロッド140を有する第1の基板110と、圧電ナノロッド130を有する第2の基板120とを備える。一実施形態では、第1の基板110および第2の基板120が、限定されないが、ガラス、シリコン、プラスチック、ガリウムヒ素、金属炭化物、あるいは十分な機械的強度または硬度を有する材料等の材料を含む。
【0010】
複数の圧電ナノロッド130は、第2の基板120上に形成され、または成長される。圧電ナノロッド130は、限定されないが、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、酸化スズ(SnO2)、トルマリン、ロッシェル塩、チタン酸バリウム(BaTiO3)、第一リン酸アンモニウム(NH4H2PO4)、またはナノワイヤアレイの形状に成長可能で、圧電性を有する任意の材料等の圧電材料を含むことができる。
【0011】
各圧電ナノロッド130は、例として、直径が約50nm、約100nm、約150nm、または約200nm等の約50nm〜約200nm、長さが約500nm、約1,000nm、約1,500nm、約2,000nm、約2,500nm、約3,000nm、または約3,500nm等の約200nm〜約3,500nmの円形、矩形、六角形、および多角形等の横断面形状を有することができる。しかし、圧電ナノロッド130の横断面形状、直径または長さは、圧電材料、製造プロセス、または圧電ナノデバイス100によって発生すべき電力に応じて変化させることができる。
【0012】
さらに、圧電ナノロッド130間の間隔を、圧電ナノロッド130を屈曲させて圧電電位を発生させるのに十分な大きさである、約100nm、約200nm、約300nm、約400nm、約500nm、約600nm、約700nm、約800nm、または約900nm等の数百ナノメートルとすることができる。
【0013】
熱蒸着または物理蒸着等の種々の周知の蒸着プロセスのいずれかを使用して、圧電ナノロッド130を第2の基板120に成長させることができる。以下、圧電ナノロッド130を第2の基板120に形成する例示的な一例について説明する。厚さ約100nmのシード層(図示せず)を、マグネトロンスパッタリングにより第2の基板120に均一に塗布する。次に、第2の基板120を約80°Cの反応液に約12時間浸漬させる。反応液は、約0.1878gのZn(NO3)2・6H2Oと約0.0881gのヘキサメチレンテトラミンとを、室温の約250mlの脱イオン水に溶解することにより調製することができる。約12時間後、圧電ナノロッド130が第2の基板120に高密度に形成される。次に、第2の基板120を脱イオン水で数回すすぎ、約150°Cの温度で約1時間焼き付ける。これにより、図1に示したように、圧電ナノロッド130を第2の基板120の表面に熱水成長させることができる。
【0014】
複数のナノロッド140を第1の基板110に成長させるか、または形成することができる。前記蒸着プロセスのいずれかを使用して、ナノロッド140を形成することができる。ナノロッド140は、限定されないが、シリコン(Si)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、またはナノワイヤアレイの形状に成長可能な材料等の材料を含むことができる。
【0015】
各ナノロッド140を導電性材料で被覆することができる。導電性材料は、限定されないが、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらの組合せから選択することができる。ナノロッド140は、このような導電性材料で被覆されるため、圧電ナノロッド130と比較して容易に屈曲させることができない。
【0016】
図2は、図1の第1および第2の基板の連動を示す概略図である。第1の基板110を第2の基板120と連動させて、第1の基板110のナノロッド140と第2の基板120の圧電ナノロッド130との間に摩擦を発生させることができる。本明細書で使用される場合、「連動」という用語は、通常、第1の基板110のナノロッド140が第2の基板120の圧電ナノロッド130間の空間に挿入されるように十分近接させて、第1の基板110を第2の基板120に隣接して配置することを指す。一部の実施形態では、図2に示すように、第1の基板110を、第2の基板120に沿って、その長手方向に上下に摺動するように構成することができる。特に、第1の基板110および第2の基板120の一方または両方を、限定されないが、熱膨張および熱収縮、音波、機械的振動、空気流、筋伸張、または鼓動等の種々の外力に応じて、(図2に矢印で示すように)上下に押し引きすることができる。例えば、第1の基板110および第2の基板120の一方または両方の上下動により、第1の基板110が第2の基板120に対して上下に摺動する。したがって、第1の基板110のナノロッド140と第2の基板120の圧電ナノロッド130との間で摩擦を発生させることができる。
【0017】
このような機械的応力により、圧電効果の結果として圧電ナノロッド130に電気が発生する。圧電ナノロッド130は、機械的応力が加えられると(例えば、圧電ナノロッド130が屈曲または伸張されると)、電圧を発生する。この現象は、対称中心のない圧電ナノロッド130の結晶で生じる。圧電ナノロッド130の結晶の各分子は分極を有し、各分子の一端がより負に帯電され、他端が正に帯電される。この分極を双極子モーメントとも呼ぶ。したがって、機械的応力が圧電ナノロッド130に加えられると、機械的応力は圧電ナノロッド130の双極子モーメントの構成を変えて、電圧を発生させる。
【0018】
図1は、第1の基板110および第2の基板120が互いに対向するように構成される様子を示しているが、第1および第2の基板110、120を異なる形で構成して、第1および第2の基板110、120の間に摩擦を発生させてもよいことが、当業者には明らかであろう。例えば、第1の基板110を第2の基板120の下に位置するように構成するか、第1の基板110を第2の基板120の上に位置するように構成してもよい。
【0019】
再び図2を参照すると、第1の基板110を下方に移動させると、圧電ナノロッド130が下方に屈曲するように、ナノロッド140が圧電ナノロッド130に圧力を加える。これは、導電性材料で被覆されたナノロッド140の硬度が、圧電ナノロッド130の硬度よりも高いためである。したがって、第1の基板110または第2の基板120に加えられる前記外力のいずれかに応じて第1の基板110または第2の基板120を押し引きしたときに、圧電ナノロッド130を被覆されたナノロッド140により屈曲させて、その圧電性により圧電ナノロッド130に圧電電位を発生させることができる。詳細には、各圧電ナノロッド130の伸張面132(すなわち、図2の上面132)が正(+)電位で帯電され、圧電ナノロッド130の圧縮面134(すなわち、図2の下面134)が負(−)電位で帯電される。正に帯電された側(すなわち、図2の伸張面132)は、ナノロッド140に逆方向バイアスがかかったショットキー接触(Schottky contact)をするのに対して、負に帯電された側(すなわち図2の圧縮面134)は、ナノロッド140に順方向バイアスのかかったショットキー接触をする。したがって、電流が、被覆されたナノロッド140から圧電ナノロッド130へ流れる。
【0020】
図3は、圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の別の例示的実施形態を示す概略図である。圧電ナノデバイス200は、複数のナノロッド240と1または複数の溝260とを有する第1の基板210と、複数の圧電ナノロッド230と1または複数の突出部250とを有する第2の基板220とを備える。圧電ナノロッド230およびナノロッド240を形成するために使用される材料および製作プロセスが、図1に関連して前述した圧電ナノロッド130およびナノロッド140の材料および製作プロセスと同様またはほぼ同一であるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0021】
一部の実施形態では、1または複数の、例えば、2つの溝260を第1の基板210の両端にそれぞれ形成することができ、1または複数の、例えば、2つの突出部250を第2の基板220の両端にそれぞれ形成することができ、2つの突出部250を2つの溝260にそれぞれ挿入できるようになっている。2つの溝260は2つの突出部250よりも長く、後述するように、2つの突出部250が2つの溝260内でそれぞれ移動可能になっている。図3では、各溝260の下端および各突出部250の上端が丸形であるが、例えば、多角形または扇形であってもよい。溝260に挿入された突出部250が離れるのを防ぐために、溝260および突出部250の形状および数を様々に変更することができる。
【0022】
図4は、図3の圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の連動を示す概略図である。図5は、図4の圧電ナノデバイスの正面図である。図4および図5を参照し、突出部250が溝260に挿入されると、突出部250は、第1または第2の基板210、220に加えられる前記外力に応じて、溝260から離れることなく溝260内を(図4および図5に矢印で示すように)上下に移動することができる。第1の基板210は、第2の基板220に対して上下方向に振動するため、第1の基板210のナノロッド240が第2の基板220の圧電ナノロッド230に圧力を加えることができる。したがって、第2の基板220の圧電ナノロッド230を、第1の基板210のナノロッド240により屈曲させることができる。
【0023】
図3〜図5は、第1の基板210に溝260が設けられ、第2の基板220に突出部250が設けられる様子を示すが、第1の基板210および第2の基板220に突出部250および溝260をそれぞれ設けてもよいことが、当業者には明らかであろう。
【0024】
さらに、突出部250の数および溝260の数は2つに限定されない。例えば、1つの突出部250および1つの溝260、または3つ以上の突出部250および溝260を設けてもよい。
【0025】
図6は、図3の第1および第2の基板210、220を備えた圧電ナノデバイス200の例示的実施形態の概略図である。図7は、図6の圧電ナノデバイスの正面図である。図6および図7を参照すると、圧電ナノデバイス200は、第1の基板210および第2の基板220に加えて、可動板として機能する第1の板270と、固定板として機能する第2の板280と、2つ以上の接続部材290(図6には4つの接続部材290が示されている)とを任意選択で備えることができる。
【0026】
第1の板270および第2の板280は、限定されないが、ガラス、プラスチック、金属炭化物、あるいは高温または低温環境で十分な機械的強度または硬度を有する材料等の材料を含むことができる。
【0027】
ナノロッド240が第1の板270に水平に位置するように、第1の基板210を、溶接、またはシリコン、エポキシ、ウレタン等を使用した接着等の任意の取付け方法により第1の板(可動板)270に垂直に取り付けることができる。圧電ナノロッド230が第2の板280に水平に位置するように、第2の基板220を、前記方法のいずれかにより第2の板(固定板)280に垂直に取り付けることができる。したがって、第1の基板210のナノロッド240は、第2の基板220の圧電ナノロッド230に対向して、圧電ナノロッド230とナノロッド240との間に摩擦を発生させることができる。固定板280を高温面202に取り付けることができ、この高温面202は、電子装置、機械エンジン、または太陽等の任意の加熱源により加熱可能で、固定板280に熱を伝達することができる。例として、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面、またはアスファルト道路を高温面202として使用することができる。各接続部材290の一端を可動板270に接続することができ、各接続部材290の他端を高温面202に直接取り付けることができる。
【0028】
例として、接続部材290は、第1の板270を支持する支柱、柱、その他の適切な支持部材とすることができる。接続部材290は、限定されないが、チタン、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、または銀等の熱膨張係数の高い材料を含むことができる。例えば、接続部材290を、高温面202から伝達される熱で加熱することができる。さらに、接続部材290を、水冷装置または空冷装置等の種々の周知の冷却装置を使用して冷却することができる。冷却装置(図示せず)を接続部材290に設けて、接続部材290を定期的にまたは断続的に冷却することができる。例として、冷却装置が接続部材290を囲むか貫通するパイプまたはチューブである場合、水または冷却液を断続的に管に流して接続部材290を冷却する。
【0029】
熱が高温面202から接続部材290に伝達されると、接続部材290が加熱されることにより膨張し得る。接続部材290が膨張すると、可動板270と可動板270に垂直に取り付けられた第1の基板210とが共に上方に移動する。逆に、冷却液がパイプまたはチューブを通して接続部材290に投入されると、接続部材290が冷却されることにより収縮し得る。接続部材290が収縮すると、可動板270と可動板270に取り付けられた第1の基板210とが共に下方に移動する。熱が高温面202から固定板280に伝達されるが、固定板280は、限定されないが、ガラス、プラスチック、または金属炭化物等の熱伝達係数の低い材料から構成されるため、固定板280は、高温面202から伝達された熱を第2の基板220へ伝達する可能性が低い。同様に、熱が接続部材290から可動板270へも伝達されるが、可動板270も熱伝達係数の低い材料から構成されるため、可動板270は、接続部材290から伝達された熱を第1の基板210へ伝達する可能性が低い。したがって、可動板270、固定板280、第1の基板210および第2の基板220が、高温面202から伝達された熱によって影響を受けることはほとんどない。
【0030】
したがって、可動板270および第1の基板210が加熱により上方へ移動し、冷却により下降すると、移動により生じる力によって、第1の基板210が上下に(図6および図7に矢印で示すように)振動する。この第1の基板210の振動により、第1の基板210のナノロッド240が、第2の基板220の圧電ナノロッド230に対して上下に摺動して、第2の基板220の圧電ナノロッド230を屈曲させる。したがって、ナノロッド240と圧電ナノロッド230との間で摩擦を発生させることができるため、電流がナノロッド240から圧電ナノロッド230へ流れることができる。前述した接続部材290の加熱および冷却を繰り返すことにより、接続部材290の膨張および収縮が繰り返されるため、可動板270に固定された第1の基板210を上下に振動させることができる。この結果、第1の基板210のナノロッド240と第2の基板220の圧電ナノロッド230との間で摩擦を発生させることができるため、電気を発生させることができる。
【0031】
図示の都合上、図6および図7には示していないが、第1の基板210および第2の基板220に、図3〜図5に示す少なくとも1つの溝260または突出部250をそれぞれ設けて、第1の基板210を第2の基板220に対して確実に摺動させることができる。しかし、突出部250および溝260は任意選択であり、ある実施形態では省略してもよい。
【0032】
さらに、第1の基板210および第2の基板220を、図6および図7に示したものとは逆に、固定板280および可動板270にそれぞれ取り付けてもよいことが、当業者には明らかであろう。さらに、図6には4つの接続部材290が示されているが、接続部材290の数は4つに限定されず、可動板270を上下に移動可能な接続部材290をいくつ使用してもよい。さらに、図6では、4つの接続部材290のそれぞれが矩形の横断面形状を有する様子が示されているが、接続部材290の横断面形状は矩形に限定されず、いかなる形状の接続部材290を使用してもよい。
【0033】
図8は、複数の第1の基板310を有する第1の板370の例示的実施形態を示し、図9は、複数の第2の基板320を有する第2の板380の例示的実施形態を示し、図10は、図8および図9の第1の板370および第2の板380を備えた圧電ナノデバイス300の例示的実施形態の概略図である。
【0034】
図6および図7の圧電ナノデバイス200と比較すると、(可動板として機能する)第1の板370は、それぞれナノロッド340を有する複数の第1の基板310を備え、(固定板として機能する)第2の板380は、それぞれ圧電ナノロッド330を有する複数の第2の基板320を備える。
【0035】
図8〜図10の各第1の基板310、各第2の基板320、圧電ナノロッド330、ナノロッド340、少なくとも1つの突出部350、少なくとも1つの溝360、第1の板370、第2の板380、および接続部材390は、図3〜図7の第1の基板210、第2の基板220、圧電ナノロッド230、ナノロッド240、少なくとも1つの突出部250、少なくとも1つの溝260、第1の板270、第2の板280および、接続部材290と同様またはほぼ同一とすることができるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0036】
図8および図9は、それぞれナノロッド340および溝360を有する複数の第1の基板310と、それぞれ圧電ナノロッド330および突出部350を有する複数の第2の基板320とが、板370、380にそれぞれ設けられる様子を示す。これにより、圧電ナノロッド330とナノロッド340との間で発生する摩擦量が大きくなるため、圧電ナノデバイス300で得られる電気量が多くなる。
【0037】
圧電ナノデバイス300は、複数の第1および第2の基板310、320を備えているため、第1または/および第2の基板310、320の1つまたは複数に欠陥があっても電気を発生することができる。さらに、圧電ナノデバイス300は、第1または/および第2の基板310、320の1つまたは複数が不良となっても電気を発生することができる。例として、複数の第1の基板310および第2の基板320が第1の板370および第2の板380に独立して取り付けられている場合、欠陥のあるナノロッド340または圧電ナノロッド330を有する第1または第2の基板310、320を、容易に引き出して新しい第1または第2の基板310、320と交換することができる。
【0038】
図8および図9では、第1の基板310が被覆されたナノロッド340を有し、第2の基板320が圧電ナノロッド330を有する様子が示されているが、第1の基板310が圧電ナノロッド330を有し、第2の基板320がナノロッド340を有することも可能である。さらに、突出部350および溝360は任意選択であり、ある実施形態では省略してもよい。
【0039】
図示を単純にするために、図10に、2つの接続部材390、2つの第1の基板310、および2つの第2の基板320を示す。例えば、図10に示すように、各接続部材390の上端を第1の板370に接続し、各接続部材390の下端を、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面等の高温面302に直接取り付ける。段落[0028]で説明したように、接続部材390は熱膨張係数の高い材料を含むことができる。したがって、高温面302から接続部材390へ熱を伝達して、接続部材390を長くすることができる。さらに、冷却装置(図示せず)によって接続部材390を断続的に冷却することにより、接続部材390を短くすることができる。段落[0029]で説明したように、第1の板370および第2の板380を介して第1の基板310および第2の基板320に熱が伝達されるが、第1の板370および第2の板380の熱伝達係数が低いため、熱による影響を最小にすることができる。
【0040】
第1の板370が2つの接続部材390に取り付けられるので、接続部材390が加熱されることにより膨張すると、第1の板370および第1の基板310が上方に移動する。接続部材390が冷却されることにより収縮すると、第1の板370および第1の基板310が下降して、第1の板370と第2の板380との間の距離が再び短くなる。
【0041】
したがって、接続部材390の加熱および冷却を繰り返すことにより、第1の板370が上下に移動して、圧電ナノロッド330とナノロッド340との間に摩擦を発生させる。この第1の板370の移動により、第1の基板310のナノロッド340が第2の基板320の圧電ナノロッド330に対して上下に摺動して、第2の基板320の圧電ナノロッド330を屈曲させる。したがって、段落[0016]および[0019]で説明したように、圧電ナノロッド330で圧電電位が発生して、電流がナノロッド340から圧電ナノロッド330へ流れる。
【0042】
図11は、熱伝導板を備えた圧電ナノデバイス400の例示的実施形態の概略図である。図11では、参照符号410が第1の基板を示し、参照符号420が第2の基板を示し、参照符号430が圧電ナノロッドを示し、参照符号440がナノロッドを示し、参照符号470が第1の板を示し、参照符号480が第2の板を示し、参照符号490が接続部材を示し、参照符号495が熱伝導板を示す。図11の各第1の基板410、各第2の基板420、圧電ナノロッド430、ナノロッド440、少なくとも1つの突出部(図示せず)、少なくとも1つの溝(図示せず)、第1の板470、第2の板480、および接続部材490は、図10の第1の基板310、第2の基板320、圧電ナノロッド330、ナノロッド340、少なくとも1つの突出部350(図9参照)、少なくとも1つの溝360(図8参照)、第1の板370、第2の板380、および接続部材390と同様またはほぼ同一であるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0043】
図10の圧電ナノデバイス300と比較すると、熱伝導板495が、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面等の高温面402にさらに取り付けられる。本実施形態では、各接続部材490の下端が、高温面402に取り付けられる代わりに熱伝導板495に直接取り付けられ、第2の板480も熱伝導板495に配置される。
【0044】
熱伝導板495は、限定されないが、鉄、ステンレス鋼、タングステン、銅、アルミニウム、または銀等の熱伝導性の高い材料を含むことができる。したがって、高温面402から接続部材490へ熱を容易に伝達することができる。段落[0028]で説明したように、接続部材490の熱膨張係数が高いため、接続部材490は、熱伝導板495から伝達される熱により長くなり、冷却動作により短くなる。したがって、接続部材490の加熱および冷却を繰り返すことにより、圧電ナノロッド430とナノロッド440との間に摩擦を発生しながら、第1の板470を上下に移動させることができる。したがって、段落[0016]および[0019]で説明したように、圧電ナノロッド430で圧電電位が発生し、電流がナノロッド440から圧電ナノロッド430へ流れることができる。
【0045】
図12は、接続部材が、限定されないが、ばねまたはゴム等の弾性材料から作られた圧電ナノデバイス500の例示的実施形態の概略図である。図12では、参照符号510が第1の基板を示し、参照符号520が第2の基板を示し、参照符号530が圧電ナノロッドを示し、参照符号540がナノロッドを示し、参照符号570が第1の板を示し、参照符号580が第2の板を示し、参照符号590が接続部材を示す。図12の各第1の基板510、各第2の基板520、圧電ナノロッド530、ナノロッド540、少なくとも1つの突出部(図示せず)、少なくとも1つの溝(図示せず)、第1の板570、および第2の板580は、図10の第1の基板310、第2の基板320、圧電ナノロッド330、ナノロッド340、少なくとも1つの突出部350(図9参照)、少なくとも1つの溝360(図8参照)、第1の板370、および第2の板380とほぼ同様であるため、本明細書では、重複する説明は省略する。
【0046】
図10の圧電ナノデバイス300と比較して、2つの接続部材590は、段落[0028]で説明した熱膨張係数の高い材料の代わりに、弾性材料から作られる。図12は各接続部材590の下端が第2の板580に取り付けられる様子を示すが、図10に示すように各接続部材390の下端が高温面302に直接取り付けられるのと同様に、各接続部材590の下端も振動面に直接取り付けることができる。圧電ナノデバイス500を、すでに振動が存在する環境、例えば、スピーカーや騒音のある道路の近くに取り付けることができる。
【0047】
例として、接続部材590をばねまたはゴムから作ることができる。接続部材590を、第1の板570、第2の板580、および接続部材590の少なくとも1つに加えられた外力、例えば機械的振動、音波、または空気流に応じて伸張または圧縮することができる。振動、音波、または空気流が圧電ナノデバイス500に加えられると、接続部材590を容易に上下に振動させることができる。したがって、第1の基板510が取り付けられた第1の板570と、第2の基板520が取り付けられた第2の板580とが上下に振動するため、第1の基板510のナノロッド540と第2の基板520の圧電ナノロッド530との間に摩擦を発生させることができる。したがって、第1の基板510のナノロッド540が第2の基板520の圧電ナノロッド530に対して上下に摺動する間、第1の基板510のナノロッド540が第2の基板520の圧電ナノロッド530を屈曲させる。したがって、段落[0016]および[0019]で説明した圧電効果により、電流が流れることができる
【0048】
図示を単純にするため、図10〜図12にはいかなる突出部または溝も示されていないが、第1の基板310、410、510および第2の基板320、420、520に、少なくとも1つの突出部または溝をそれぞれ設けることができる。しかし、突出部および溝は任意選択であり、省略してもよい。
【0049】
図13は、拡大された第1の基板が取り付けられた第1の板の例示的実施形態を示し、図14は、拡大された第2の基板が取り付けられた第2の板の例示的実施形態を示す。
【0050】
図13および図14において、参照符号610は第1の基板を示し、参照符号620は第2の基板を示し、参照符号630は圧電ナノロッドを示し、参照符号640はナノロッドを示し、参照符号650は突出部を示し、参照符号660は溝を示し、参照符号670は第1の板を示し、参照符号680は第2の板を示す。図13および図14の圧電ナノロッド630、ナノロッド640、各突出部650、および各溝660は、図8および図9の圧電ナノロッド330、ナノロッド340、各突出部350、および各溝360と同様またはほぼ同一であるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0051】
図8および図9の第1の板370および第2の板380と比較すると、図13および図14に示す第1の板670および第2の板680は、より少ない数の第1の基板610および第2の基板620を備え、各第1の基板610および各第2の基板620の大きさまたは長さは、図8および図9の各第1の基板310および各第2の基板320の大きさまたは長さよりも大きい。
【0052】
したがって、本実施形態による圧電ナノデバイスは、必要な費用および製造プロセスがより少なく、より容易に製造することができる。さらに、第1の基板610および第2の基板620は大きいため、より多くのナノロッド640および圧電ナノロッド630をそれぞれ有することができる。したがって、圧電ナノデバイスは、より大量の電気を発生することができる。
【0053】
図13および図14では、第1の基板610が被覆されたナノロッド640を有し、第2の基板620が圧電ナノロッド630を有する様子が示されているが、第1の基板610が圧電ナノロッド630を有し、第2の基板620がナノロッド640を有していてもよい。さらに、突出部650および溝660は任意選択であり、ある実施形態では省略してもよい。
【0054】
図10〜図12の圧電ナノデバイス300、400、500が、図8の第1の板370または図13の670を第1の板として備え、図9の第2の板380または図14の第2の板580を第2の板として備えることができる点が、当業者には明らかであろう。さらに、図8〜図14の板の形状を、図8〜図14に示した例に限定されることなく変更することができる。
【0055】
さらに、本開示の前述した例示的実施形態を、ナノロッドと圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生することのできるいかなる環境にも適用可能であることが、当業者には明らかであろう。このような環境には、雑音の多い空間や、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面等の加熱面が含まれる。
【0056】
本明細書で開示されたこのプロセスおよび他のプロセスならびに方法について、プロセスおよび方法で実施される機能を異なる順番で実施してもよいことが、当業者に理解されよう。さらに、概略を説明したステップおよび動作は、例としてのみ提示されたものであり、開示された実施形態の本質から逸脱することなく、ステップおよび動作の一部を任意選択としたり、より少ないステップおよび動作にまとめたり、さらなるステップおよび動作に拡大することができる。
【0057】
本開示は、本出願に記載された、種々の態様の例示として意図された特定の実施形態に限定されるものではない。当業者に明らかなように、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことができる。本明細書中に列挙された方法および装置に加えて、本開示の範囲内で機能的に等価の方法および装置が、前述した説明から当業者には明らかであろう。このような修正および変更は、添付の特許請求の範囲に含まれるものである。本開示は、添付の特許請求の範囲の文言、およびかかる特許請求の範囲が権利化される均等物の全範囲によってのみ限定されるべきである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物組成、または生物系に限定されるものではなく、当然、変更可能であることを理解されたい。本明細書で使用された専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定的なものではないことも理解されたい。
【0058】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0059】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0060】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループにより記載される場合、それによって、この開示が、マーカッシュグループの任意の各要素または要素のサブグループによっても記載されていることを、当業者は認識するであろう。
【0061】
当業者に理解されるように、任意のおよびすべての目的のために、特に明細書の規定という点では、本明細書に開示されたすべての範囲は、任意のおよびすべての可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組合せも包含する。任意の記載された範囲は、十分に記述され、かつ同範囲は少なくとも等しく2等分、3等分、4等分、5等分、10等分等に分割され得ると、容易に認識できる。非限定例として、本明細書に記載される各範囲は、容易に、下部3分の1、中央3分の1および上部3分の1等に分割され得る。また、当業者に理解されるように、「まで」、「少なくとも」等のすべての言語は、挙げられた数字を含み、かつ前記のサブ範囲に続いて分割され得る範囲を示す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は、それぞれ個々の要素を含む。したがって、例えば、細胞1〜3個を有する群は、細胞1、2または3個を有する群を示す。同様に、細胞1〜5個を有する群は、細胞1、2、3、4または5個を有する群を示す等々。
【0062】
前述した通り、本開示の種々の実施形態について、例示の目的で本明細書中に説明したが、本開示の範囲および趣旨を逸脱することなく、種々の修正が可能であることが理解されよう。したがって、本明細書に開示された種々の実施形態は限定的なものではなく、以下の特許請求の範囲により、その真の範囲および趣旨が示される。
【背景技術】
【0001】
近年、風、波、太陽エネルギー、または体動等の環境由来の電気エネルギーを集める環境電源として、圧電デバイスが関心を受けている。圧電デバイスは、加えられた機械的応力に応じて電位を発生することのできる材料(水晶およびある種のセラミック等)を組み込む。ナノ材料およびナノデバイスを含むナノ技術における最近の発展により、発電可能な圧電ナノデバイスの開発に関心が向けられている。
【発明の概要】
【0002】
圧電ナノデバイスが提供される。例示的な一実施形態では、圧電ナノデバイスが、複数のナノロッドが形成された第1の基板と、複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備える。第1の基板は第2の基板と連動して、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる。
【0003】
別の実施形態では、圧電ナノデバイスが、それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板とを備える。第1の板および第2の板の一方が、他方に対して上下に移動可能な可動板として機能することにより、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させることができる。
【0004】
さらに別の実施形態では、圧電ナノデバイスが、それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板と、一端が第1の板および第2の板の一方に接続された少なくとも1つの接続部材とを備える。少なくとも1つの接続部材を長くまたは短くして、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させることができる。
【0005】
前述の概要は例示に過ぎず、決して限定的なものではない。前述した例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の例示的実施形態を示す概略図である。
【図2】図1の第1および第2の基板の連動を示す概略図である。
【図3】圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の別の例示的実施形態を示す概略図である。
【図4】図3の圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の連動を示す概略図である。
【図5】図4の圧電ナノデバイスの正面図である。
【図6】図3の第1および第2の基板を備えた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図7】図6の圧電ナノデバイスの正面図である。
【図8】複数の第1の基板を備えた第1の板の例示的実施形態を示す図である。
【図9】複数の第2の基板を備えた第2の板の例示的実施形態を示す図である。
【図10】図8および図9の第1の板および第2の板を備えた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図11】熱伝導板を備えた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図12】接続部材が弾性材料から作られた圧電ナノデバイスの例示的実施形態の概略図である。
【図13】拡大された第1の基板が取り付けられた第1の板の例示的実施形態を示す図である。
【図14】拡大された第2の基板が取り付けられた第2の板の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明で、本明細書の一部をなす添付図面を参照する。特に断りのない限り、通常、図における同様の符号は同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的実施形態は、限定的なものではない。本明細書に提示された主題の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に全体が記載され図示された本開示の態様を、本明細書ですべてが明確に企図される種々の異なる構成で、配置、代用、組合せ、分離、設計可能であることが容易に理解されよう。
【0008】
一実施形態では、圧電ナノデバイスが、複数のナノロッドが形成された第1の基板と、複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備える。第1の基板は第2の基板と連動して、第1の基板のナノロッドと第2の基板の圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる。
【0009】
図1は圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の例示的実施形態を示す概略図である。圧電ナノデバイス100は、ナノロッド140を有する第1の基板110と、圧電ナノロッド130を有する第2の基板120とを備える。一実施形態では、第1の基板110および第2の基板120が、限定されないが、ガラス、シリコン、プラスチック、ガリウムヒ素、金属炭化物、あるいは十分な機械的強度または硬度を有する材料等の材料を含む。
【0010】
複数の圧電ナノロッド130は、第2の基板120上に形成され、または成長される。圧電ナノロッド130は、限定されないが、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、酸化スズ(SnO2)、トルマリン、ロッシェル塩、チタン酸バリウム(BaTiO3)、第一リン酸アンモニウム(NH4H2PO4)、またはナノワイヤアレイの形状に成長可能で、圧電性を有する任意の材料等の圧電材料を含むことができる。
【0011】
各圧電ナノロッド130は、例として、直径が約50nm、約100nm、約150nm、または約200nm等の約50nm〜約200nm、長さが約500nm、約1,000nm、約1,500nm、約2,000nm、約2,500nm、約3,000nm、または約3,500nm等の約200nm〜約3,500nmの円形、矩形、六角形、および多角形等の横断面形状を有することができる。しかし、圧電ナノロッド130の横断面形状、直径または長さは、圧電材料、製造プロセス、または圧電ナノデバイス100によって発生すべき電力に応じて変化させることができる。
【0012】
さらに、圧電ナノロッド130間の間隔を、圧電ナノロッド130を屈曲させて圧電電位を発生させるのに十分な大きさである、約100nm、約200nm、約300nm、約400nm、約500nm、約600nm、約700nm、約800nm、または約900nm等の数百ナノメートルとすることができる。
【0013】
熱蒸着または物理蒸着等の種々の周知の蒸着プロセスのいずれかを使用して、圧電ナノロッド130を第2の基板120に成長させることができる。以下、圧電ナノロッド130を第2の基板120に形成する例示的な一例について説明する。厚さ約100nmのシード層(図示せず)を、マグネトロンスパッタリングにより第2の基板120に均一に塗布する。次に、第2の基板120を約80°Cの反応液に約12時間浸漬させる。反応液は、約0.1878gのZn(NO3)2・6H2Oと約0.0881gのヘキサメチレンテトラミンとを、室温の約250mlの脱イオン水に溶解することにより調製することができる。約12時間後、圧電ナノロッド130が第2の基板120に高密度に形成される。次に、第2の基板120を脱イオン水で数回すすぎ、約150°Cの温度で約1時間焼き付ける。これにより、図1に示したように、圧電ナノロッド130を第2の基板120の表面に熱水成長させることができる。
【0014】
複数のナノロッド140を第1の基板110に成長させるか、または形成することができる。前記蒸着プロセスのいずれかを使用して、ナノロッド140を形成することができる。ナノロッド140は、限定されないが、シリコン(Si)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、またはナノワイヤアレイの形状に成長可能な材料等の材料を含むことができる。
【0015】
各ナノロッド140を導電性材料で被覆することができる。導電性材料は、限定されないが、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらの組合せから選択することができる。ナノロッド140は、このような導電性材料で被覆されるため、圧電ナノロッド130と比較して容易に屈曲させることができない。
【0016】
図2は、図1の第1および第2の基板の連動を示す概略図である。第1の基板110を第2の基板120と連動させて、第1の基板110のナノロッド140と第2の基板120の圧電ナノロッド130との間に摩擦を発生させることができる。本明細書で使用される場合、「連動」という用語は、通常、第1の基板110のナノロッド140が第2の基板120の圧電ナノロッド130間の空間に挿入されるように十分近接させて、第1の基板110を第2の基板120に隣接して配置することを指す。一部の実施形態では、図2に示すように、第1の基板110を、第2の基板120に沿って、その長手方向に上下に摺動するように構成することができる。特に、第1の基板110および第2の基板120の一方または両方を、限定されないが、熱膨張および熱収縮、音波、機械的振動、空気流、筋伸張、または鼓動等の種々の外力に応じて、(図2に矢印で示すように)上下に押し引きすることができる。例えば、第1の基板110および第2の基板120の一方または両方の上下動により、第1の基板110が第2の基板120に対して上下に摺動する。したがって、第1の基板110のナノロッド140と第2の基板120の圧電ナノロッド130との間で摩擦を発生させることができる。
【0017】
このような機械的応力により、圧電効果の結果として圧電ナノロッド130に電気が発生する。圧電ナノロッド130は、機械的応力が加えられると(例えば、圧電ナノロッド130が屈曲または伸張されると)、電圧を発生する。この現象は、対称中心のない圧電ナノロッド130の結晶で生じる。圧電ナノロッド130の結晶の各分子は分極を有し、各分子の一端がより負に帯電され、他端が正に帯電される。この分極を双極子モーメントとも呼ぶ。したがって、機械的応力が圧電ナノロッド130に加えられると、機械的応力は圧電ナノロッド130の双極子モーメントの構成を変えて、電圧を発生させる。
【0018】
図1は、第1の基板110および第2の基板120が互いに対向するように構成される様子を示しているが、第1および第2の基板110、120を異なる形で構成して、第1および第2の基板110、120の間に摩擦を発生させてもよいことが、当業者には明らかであろう。例えば、第1の基板110を第2の基板120の下に位置するように構成するか、第1の基板110を第2の基板120の上に位置するように構成してもよい。
【0019】
再び図2を参照すると、第1の基板110を下方に移動させると、圧電ナノロッド130が下方に屈曲するように、ナノロッド140が圧電ナノロッド130に圧力を加える。これは、導電性材料で被覆されたナノロッド140の硬度が、圧電ナノロッド130の硬度よりも高いためである。したがって、第1の基板110または第2の基板120に加えられる前記外力のいずれかに応じて第1の基板110または第2の基板120を押し引きしたときに、圧電ナノロッド130を被覆されたナノロッド140により屈曲させて、その圧電性により圧電ナノロッド130に圧電電位を発生させることができる。詳細には、各圧電ナノロッド130の伸張面132(すなわち、図2の上面132)が正(+)電位で帯電され、圧電ナノロッド130の圧縮面134(すなわち、図2の下面134)が負(−)電位で帯電される。正に帯電された側(すなわち、図2の伸張面132)は、ナノロッド140に逆方向バイアスがかかったショットキー接触(Schottky contact)をするのに対して、負に帯電された側(すなわち図2の圧縮面134)は、ナノロッド140に順方向バイアスのかかったショットキー接触をする。したがって、電流が、被覆されたナノロッド140から圧電ナノロッド130へ流れる。
【0020】
図3は、圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の別の例示的実施形態を示す概略図である。圧電ナノデバイス200は、複数のナノロッド240と1または複数の溝260とを有する第1の基板210と、複数の圧電ナノロッド230と1または複数の突出部250とを有する第2の基板220とを備える。圧電ナノロッド230およびナノロッド240を形成するために使用される材料および製作プロセスが、図1に関連して前述した圧電ナノロッド130およびナノロッド140の材料および製作プロセスと同様またはほぼ同一であるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0021】
一部の実施形態では、1または複数の、例えば、2つの溝260を第1の基板210の両端にそれぞれ形成することができ、1または複数の、例えば、2つの突出部250を第2の基板220の両端にそれぞれ形成することができ、2つの突出部250を2つの溝260にそれぞれ挿入できるようになっている。2つの溝260は2つの突出部250よりも長く、後述するように、2つの突出部250が2つの溝260内でそれぞれ移動可能になっている。図3では、各溝260の下端および各突出部250の上端が丸形であるが、例えば、多角形または扇形であってもよい。溝260に挿入された突出部250が離れるのを防ぐために、溝260および突出部250の形状および数を様々に変更することができる。
【0022】
図4は、図3の圧電ナノデバイスの第1および第2の基板の連動を示す概略図である。図5は、図4の圧電ナノデバイスの正面図である。図4および図5を参照し、突出部250が溝260に挿入されると、突出部250は、第1または第2の基板210、220に加えられる前記外力に応じて、溝260から離れることなく溝260内を(図4および図5に矢印で示すように)上下に移動することができる。第1の基板210は、第2の基板220に対して上下方向に振動するため、第1の基板210のナノロッド240が第2の基板220の圧電ナノロッド230に圧力を加えることができる。したがって、第2の基板220の圧電ナノロッド230を、第1の基板210のナノロッド240により屈曲させることができる。
【0023】
図3〜図5は、第1の基板210に溝260が設けられ、第2の基板220に突出部250が設けられる様子を示すが、第1の基板210および第2の基板220に突出部250および溝260をそれぞれ設けてもよいことが、当業者には明らかであろう。
【0024】
さらに、突出部250の数および溝260の数は2つに限定されない。例えば、1つの突出部250および1つの溝260、または3つ以上の突出部250および溝260を設けてもよい。
【0025】
図6は、図3の第1および第2の基板210、220を備えた圧電ナノデバイス200の例示的実施形態の概略図である。図7は、図6の圧電ナノデバイスの正面図である。図6および図7を参照すると、圧電ナノデバイス200は、第1の基板210および第2の基板220に加えて、可動板として機能する第1の板270と、固定板として機能する第2の板280と、2つ以上の接続部材290(図6には4つの接続部材290が示されている)とを任意選択で備えることができる。
【0026】
第1の板270および第2の板280は、限定されないが、ガラス、プラスチック、金属炭化物、あるいは高温または低温環境で十分な機械的強度または硬度を有する材料等の材料を含むことができる。
【0027】
ナノロッド240が第1の板270に水平に位置するように、第1の基板210を、溶接、またはシリコン、エポキシ、ウレタン等を使用した接着等の任意の取付け方法により第1の板(可動板)270に垂直に取り付けることができる。圧電ナノロッド230が第2の板280に水平に位置するように、第2の基板220を、前記方法のいずれかにより第2の板(固定板)280に垂直に取り付けることができる。したがって、第1の基板210のナノロッド240は、第2の基板220の圧電ナノロッド230に対向して、圧電ナノロッド230とナノロッド240との間に摩擦を発生させることができる。固定板280を高温面202に取り付けることができ、この高温面202は、電子装置、機械エンジン、または太陽等の任意の加熱源により加熱可能で、固定板280に熱を伝達することができる。例として、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面、またはアスファルト道路を高温面202として使用することができる。各接続部材290の一端を可動板270に接続することができ、各接続部材290の他端を高温面202に直接取り付けることができる。
【0028】
例として、接続部材290は、第1の板270を支持する支柱、柱、その他の適切な支持部材とすることができる。接続部材290は、限定されないが、チタン、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、または銀等の熱膨張係数の高い材料を含むことができる。例えば、接続部材290を、高温面202から伝達される熱で加熱することができる。さらに、接続部材290を、水冷装置または空冷装置等の種々の周知の冷却装置を使用して冷却することができる。冷却装置(図示せず)を接続部材290に設けて、接続部材290を定期的にまたは断続的に冷却することができる。例として、冷却装置が接続部材290を囲むか貫通するパイプまたはチューブである場合、水または冷却液を断続的に管に流して接続部材290を冷却する。
【0029】
熱が高温面202から接続部材290に伝達されると、接続部材290が加熱されることにより膨張し得る。接続部材290が膨張すると、可動板270と可動板270に垂直に取り付けられた第1の基板210とが共に上方に移動する。逆に、冷却液がパイプまたはチューブを通して接続部材290に投入されると、接続部材290が冷却されることにより収縮し得る。接続部材290が収縮すると、可動板270と可動板270に取り付けられた第1の基板210とが共に下方に移動する。熱が高温面202から固定板280に伝達されるが、固定板280は、限定されないが、ガラス、プラスチック、または金属炭化物等の熱伝達係数の低い材料から構成されるため、固定板280は、高温面202から伝達された熱を第2の基板220へ伝達する可能性が低い。同様に、熱が接続部材290から可動板270へも伝達されるが、可動板270も熱伝達係数の低い材料から構成されるため、可動板270は、接続部材290から伝達された熱を第1の基板210へ伝達する可能性が低い。したがって、可動板270、固定板280、第1の基板210および第2の基板220が、高温面202から伝達された熱によって影響を受けることはほとんどない。
【0030】
したがって、可動板270および第1の基板210が加熱により上方へ移動し、冷却により下降すると、移動により生じる力によって、第1の基板210が上下に(図6および図7に矢印で示すように)振動する。この第1の基板210の振動により、第1の基板210のナノロッド240が、第2の基板220の圧電ナノロッド230に対して上下に摺動して、第2の基板220の圧電ナノロッド230を屈曲させる。したがって、ナノロッド240と圧電ナノロッド230との間で摩擦を発生させることができるため、電流がナノロッド240から圧電ナノロッド230へ流れることができる。前述した接続部材290の加熱および冷却を繰り返すことにより、接続部材290の膨張および収縮が繰り返されるため、可動板270に固定された第1の基板210を上下に振動させることができる。この結果、第1の基板210のナノロッド240と第2の基板220の圧電ナノロッド230との間で摩擦を発生させることができるため、電気を発生させることができる。
【0031】
図示の都合上、図6および図7には示していないが、第1の基板210および第2の基板220に、図3〜図5に示す少なくとも1つの溝260または突出部250をそれぞれ設けて、第1の基板210を第2の基板220に対して確実に摺動させることができる。しかし、突出部250および溝260は任意選択であり、ある実施形態では省略してもよい。
【0032】
さらに、第1の基板210および第2の基板220を、図6および図7に示したものとは逆に、固定板280および可動板270にそれぞれ取り付けてもよいことが、当業者には明らかであろう。さらに、図6には4つの接続部材290が示されているが、接続部材290の数は4つに限定されず、可動板270を上下に移動可能な接続部材290をいくつ使用してもよい。さらに、図6では、4つの接続部材290のそれぞれが矩形の横断面形状を有する様子が示されているが、接続部材290の横断面形状は矩形に限定されず、いかなる形状の接続部材290を使用してもよい。
【0033】
図8は、複数の第1の基板310を有する第1の板370の例示的実施形態を示し、図9は、複数の第2の基板320を有する第2の板380の例示的実施形態を示し、図10は、図8および図9の第1の板370および第2の板380を備えた圧電ナノデバイス300の例示的実施形態の概略図である。
【0034】
図6および図7の圧電ナノデバイス200と比較すると、(可動板として機能する)第1の板370は、それぞれナノロッド340を有する複数の第1の基板310を備え、(固定板として機能する)第2の板380は、それぞれ圧電ナノロッド330を有する複数の第2の基板320を備える。
【0035】
図8〜図10の各第1の基板310、各第2の基板320、圧電ナノロッド330、ナノロッド340、少なくとも1つの突出部350、少なくとも1つの溝360、第1の板370、第2の板380、および接続部材390は、図3〜図7の第1の基板210、第2の基板220、圧電ナノロッド230、ナノロッド240、少なくとも1つの突出部250、少なくとも1つの溝260、第1の板270、第2の板280および、接続部材290と同様またはほぼ同一とすることができるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0036】
図8および図9は、それぞれナノロッド340および溝360を有する複数の第1の基板310と、それぞれ圧電ナノロッド330および突出部350を有する複数の第2の基板320とが、板370、380にそれぞれ設けられる様子を示す。これにより、圧電ナノロッド330とナノロッド340との間で発生する摩擦量が大きくなるため、圧電ナノデバイス300で得られる電気量が多くなる。
【0037】
圧電ナノデバイス300は、複数の第1および第2の基板310、320を備えているため、第1または/および第2の基板310、320の1つまたは複数に欠陥があっても電気を発生することができる。さらに、圧電ナノデバイス300は、第1または/および第2の基板310、320の1つまたは複数が不良となっても電気を発生することができる。例として、複数の第1の基板310および第2の基板320が第1の板370および第2の板380に独立して取り付けられている場合、欠陥のあるナノロッド340または圧電ナノロッド330を有する第1または第2の基板310、320を、容易に引き出して新しい第1または第2の基板310、320と交換することができる。
【0038】
図8および図9では、第1の基板310が被覆されたナノロッド340を有し、第2の基板320が圧電ナノロッド330を有する様子が示されているが、第1の基板310が圧電ナノロッド330を有し、第2の基板320がナノロッド340を有することも可能である。さらに、突出部350および溝360は任意選択であり、ある実施形態では省略してもよい。
【0039】
図示を単純にするために、図10に、2つの接続部材390、2つの第1の基板310、および2つの第2の基板320を示す。例えば、図10に示すように、各接続部材390の上端を第1の板370に接続し、各接続部材390の下端を、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面等の高温面302に直接取り付ける。段落[0028]で説明したように、接続部材390は熱膨張係数の高い材料を含むことができる。したがって、高温面302から接続部材390へ熱を伝達して、接続部材390を長くすることができる。さらに、冷却装置(図示せず)によって接続部材390を断続的に冷却することにより、接続部材390を短くすることができる。段落[0029]で説明したように、第1の板370および第2の板380を介して第1の基板310および第2の基板320に熱が伝達されるが、第1の板370および第2の板380の熱伝達係数が低いため、熱による影響を最小にすることができる。
【0040】
第1の板370が2つの接続部材390に取り付けられるので、接続部材390が加熱されることにより膨張すると、第1の板370および第1の基板310が上方に移動する。接続部材390が冷却されることにより収縮すると、第1の板370および第1の基板310が下降して、第1の板370と第2の板380との間の距離が再び短くなる。
【0041】
したがって、接続部材390の加熱および冷却を繰り返すことにより、第1の板370が上下に移動して、圧電ナノロッド330とナノロッド340との間に摩擦を発生させる。この第1の板370の移動により、第1の基板310のナノロッド340が第2の基板320の圧電ナノロッド330に対して上下に摺動して、第2の基板320の圧電ナノロッド330を屈曲させる。したがって、段落[0016]および[0019]で説明したように、圧電ナノロッド330で圧電電位が発生して、電流がナノロッド340から圧電ナノロッド330へ流れる。
【0042】
図11は、熱伝導板を備えた圧電ナノデバイス400の例示的実施形態の概略図である。図11では、参照符号410が第1の基板を示し、参照符号420が第2の基板を示し、参照符号430が圧電ナノロッドを示し、参照符号440がナノロッドを示し、参照符号470が第1の板を示し、参照符号480が第2の板を示し、参照符号490が接続部材を示し、参照符号495が熱伝導板を示す。図11の各第1の基板410、各第2の基板420、圧電ナノロッド430、ナノロッド440、少なくとも1つの突出部(図示せず)、少なくとも1つの溝(図示せず)、第1の板470、第2の板480、および接続部材490は、図10の第1の基板310、第2の基板320、圧電ナノロッド330、ナノロッド340、少なくとも1つの突出部350(図9参照)、少なくとも1つの溝360(図8参照)、第1の板370、第2の板380、および接続部材390と同様またはほぼ同一であるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0043】
図10の圧電ナノデバイス300と比較すると、熱伝導板495が、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面等の高温面402にさらに取り付けられる。本実施形態では、各接続部材490の下端が、高温面402に取り付けられる代わりに熱伝導板495に直接取り付けられ、第2の板480も熱伝導板495に配置される。
【0044】
熱伝導板495は、限定されないが、鉄、ステンレス鋼、タングステン、銅、アルミニウム、または銀等の熱伝導性の高い材料を含むことができる。したがって、高温面402から接続部材490へ熱を容易に伝達することができる。段落[0028]で説明したように、接続部材490の熱膨張係数が高いため、接続部材490は、熱伝導板495から伝達される熱により長くなり、冷却動作により短くなる。したがって、接続部材490の加熱および冷却を繰り返すことにより、圧電ナノロッド430とナノロッド440との間に摩擦を発生しながら、第1の板470を上下に移動させることができる。したがって、段落[0016]および[0019]で説明したように、圧電ナノロッド430で圧電電位が発生し、電流がナノロッド440から圧電ナノロッド430へ流れることができる。
【0045】
図12は、接続部材が、限定されないが、ばねまたはゴム等の弾性材料から作られた圧電ナノデバイス500の例示的実施形態の概略図である。図12では、参照符号510が第1の基板を示し、参照符号520が第2の基板を示し、参照符号530が圧電ナノロッドを示し、参照符号540がナノロッドを示し、参照符号570が第1の板を示し、参照符号580が第2の板を示し、参照符号590が接続部材を示す。図12の各第1の基板510、各第2の基板520、圧電ナノロッド530、ナノロッド540、少なくとも1つの突出部(図示せず)、少なくとも1つの溝(図示せず)、第1の板570、および第2の板580は、図10の第1の基板310、第2の基板320、圧電ナノロッド330、ナノロッド340、少なくとも1つの突出部350(図9参照)、少なくとも1つの溝360(図8参照)、第1の板370、および第2の板380とほぼ同様であるため、本明細書では、重複する説明は省略する。
【0046】
図10の圧電ナノデバイス300と比較して、2つの接続部材590は、段落[0028]で説明した熱膨張係数の高い材料の代わりに、弾性材料から作られる。図12は各接続部材590の下端が第2の板580に取り付けられる様子を示すが、図10に示すように各接続部材390の下端が高温面302に直接取り付けられるのと同様に、各接続部材590の下端も振動面に直接取り付けることができる。圧電ナノデバイス500を、すでに振動が存在する環境、例えば、スピーカーや騒音のある道路の近くに取り付けることができる。
【0047】
例として、接続部材590をばねまたはゴムから作ることができる。接続部材590を、第1の板570、第2の板580、および接続部材590の少なくとも1つに加えられた外力、例えば機械的振動、音波、または空気流に応じて伸張または圧縮することができる。振動、音波、または空気流が圧電ナノデバイス500に加えられると、接続部材590を容易に上下に振動させることができる。したがって、第1の基板510が取り付けられた第1の板570と、第2の基板520が取り付けられた第2の板580とが上下に振動するため、第1の基板510のナノロッド540と第2の基板520の圧電ナノロッド530との間に摩擦を発生させることができる。したがって、第1の基板510のナノロッド540が第2の基板520の圧電ナノロッド530に対して上下に摺動する間、第1の基板510のナノロッド540が第2の基板520の圧電ナノロッド530を屈曲させる。したがって、段落[0016]および[0019]で説明した圧電効果により、電流が流れることができる
【0048】
図示を単純にするため、図10〜図12にはいかなる突出部または溝も示されていないが、第1の基板310、410、510および第2の基板320、420、520に、少なくとも1つの突出部または溝をそれぞれ設けることができる。しかし、突出部および溝は任意選択であり、省略してもよい。
【0049】
図13は、拡大された第1の基板が取り付けられた第1の板の例示的実施形態を示し、図14は、拡大された第2の基板が取り付けられた第2の板の例示的実施形態を示す。
【0050】
図13および図14において、参照符号610は第1の基板を示し、参照符号620は第2の基板を示し、参照符号630は圧電ナノロッドを示し、参照符号640はナノロッドを示し、参照符号650は突出部を示し、参照符号660は溝を示し、参照符号670は第1の板を示し、参照符号680は第2の板を示す。図13および図14の圧電ナノロッド630、ナノロッド640、各突出部650、および各溝660は、図8および図9の圧電ナノロッド330、ナノロッド340、各突出部350、および各溝360と同様またはほぼ同一であるため、本明細書では、重複する説明を省略する。
【0051】
図8および図9の第1の板370および第2の板380と比較すると、図13および図14に示す第1の板670および第2の板680は、より少ない数の第1の基板610および第2の基板620を備え、各第1の基板610および各第2の基板620の大きさまたは長さは、図8および図9の各第1の基板310および各第2の基板320の大きさまたは長さよりも大きい。
【0052】
したがって、本実施形態による圧電ナノデバイスは、必要な費用および製造プロセスがより少なく、より容易に製造することができる。さらに、第1の基板610および第2の基板620は大きいため、より多くのナノロッド640および圧電ナノロッド630をそれぞれ有することができる。したがって、圧電ナノデバイスは、より大量の電気を発生することができる。
【0053】
図13および図14では、第1の基板610が被覆されたナノロッド640を有し、第2の基板620が圧電ナノロッド630を有する様子が示されているが、第1の基板610が圧電ナノロッド630を有し、第2の基板620がナノロッド640を有していてもよい。さらに、突出部650および溝660は任意選択であり、ある実施形態では省略してもよい。
【0054】
図10〜図12の圧電ナノデバイス300、400、500が、図8の第1の板370または図13の670を第1の板として備え、図9の第2の板380または図14の第2の板580を第2の板として備えることができる点が、当業者には明らかであろう。さらに、図8〜図14の板の形状を、図8〜図14に示した例に限定されることなく変更することができる。
【0055】
さらに、本開示の前述した例示的実施形態を、ナノロッドと圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生することのできるいかなる環境にも適用可能であることが、当業者には明らかであろう。このような環境には、雑音の多い空間や、高温の建築物表面、高温の動力装置表面、熱機関表面等の加熱面が含まれる。
【0056】
本明細書で開示されたこのプロセスおよび他のプロセスならびに方法について、プロセスおよび方法で実施される機能を異なる順番で実施してもよいことが、当業者に理解されよう。さらに、概略を説明したステップおよび動作は、例としてのみ提示されたものであり、開示された実施形態の本質から逸脱することなく、ステップおよび動作の一部を任意選択としたり、より少ないステップおよび動作にまとめたり、さらなるステップおよび動作に拡大することができる。
【0057】
本開示は、本出願に記載された、種々の態様の例示として意図された特定の実施形態に限定されるものではない。当業者に明らかなように、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことができる。本明細書中に列挙された方法および装置に加えて、本開示の範囲内で機能的に等価の方法および装置が、前述した説明から当業者には明らかであろう。このような修正および変更は、添付の特許請求の範囲に含まれるものである。本開示は、添付の特許請求の範囲の文言、およびかかる特許請求の範囲が権利化される均等物の全範囲によってのみ限定されるべきである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物組成、または生物系に限定されるものではなく、当然、変更可能であることを理解されたい。本明細書で使用された専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定的なものではないことも理解されたい。
【0058】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0059】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0060】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループにより記載される場合、それによって、この開示が、マーカッシュグループの任意の各要素または要素のサブグループによっても記載されていることを、当業者は認識するであろう。
【0061】
当業者に理解されるように、任意のおよびすべての目的のために、特に明細書の規定という点では、本明細書に開示されたすべての範囲は、任意のおよびすべての可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組合せも包含する。任意の記載された範囲は、十分に記述され、かつ同範囲は少なくとも等しく2等分、3等分、4等分、5等分、10等分等に分割され得ると、容易に認識できる。非限定例として、本明細書に記載される各範囲は、容易に、下部3分の1、中央3分の1および上部3分の1等に分割され得る。また、当業者に理解されるように、「まで」、「少なくとも」等のすべての言語は、挙げられた数字を含み、かつ前記のサブ範囲に続いて分割され得る範囲を示す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は、それぞれ個々の要素を含む。したがって、例えば、細胞1〜3個を有する群は、細胞1、2または3個を有する群を示す。同様に、細胞1〜5個を有する群は、細胞1、2、3、4または5個を有する群を示す等々。
【0062】
前述した通り、本開示の種々の実施形態について、例示の目的で本明細書中に説明したが、本開示の範囲および趣旨を逸脱することなく、種々の修正が可能であることが理解されよう。したがって、本明細書に開示された種々の実施形態は限定的なものではなく、以下の特許請求の範囲により、その真の範囲および趣旨が示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナノロッドが形成された第1の基板と、
複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備え、
前記第1の基板が前記第2の基板と連動して、前記第1の基板の前記ナノロッドと前記第2の基板の前記圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる、圧電ナノデバイス。
【請求項2】
前記第1の基板が、前記第2の基板に沿って、前記第2の基板の長手方向に上下に摺動して、前記摩擦を発生させる、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項3】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が可動板に取り付けられ、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が固定板に取り付けられる、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項4】
前記可動板が、加熱により膨張可能かつ冷却により収縮可能な少なくとも1つの接続部材に接続される、請求項3に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの接続部材に結合され、冷却液を断続的に内部に流すことにより前記少なくとも1つの接続部材を冷却するように構成された冷却装置をさらに備えた、請求項4に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項6】
前記可動板が少なくとも1つの弾性部材に接続され、前記可動板が、前記可動板に加えられる振動に応じて移動する、請求項3に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの弾性部材が、前記可動板に加えられる音波により伸張または圧縮する、請求項6に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項8】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が少なくとも1つの突出部を有し、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が少なくとも1つの溝を有し、さらに前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの溝に挿入されて、前記溝の内部で上下に摺動するように構成された、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項9】
前記第1の基板の前記ナノロッドが導電性材料で被覆される、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項10】
前記導電性材料が、Au、Pt、Ag、Cu、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項11】
前記第2の基板の前記圧電ナノロッドが、ZnO、SnO2、CdS、トルマリン、ロッシェル塩、BaTiO3、NH4H2PO4、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項12】
それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、
それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板とを備え、
前記第1の板および前記第2の板の一方が、他方に対して上下に移動する可動板として機能して、前記第1の基板の前記ナノロッドと前記第2の基板の前記圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる、圧電ナノデバイス。
【請求項13】
前記可動板が、加熱により膨張可能かつ冷却により収縮可能な少なくとも1つの接続部材に接続される、請求項12に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項14】
前記可動板が少なくとも1つの弾性部材に接続され、前記可動板が、前記可動板に加えられる振動に応じて移動する、請求項12に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの弾性部材が、前記可動板に加えられる音波により伸張または圧縮する、請求項14に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項16】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が少なくとも1つの突出部を有し、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が少なくとも1つの溝を有し、さらに前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの溝に挿入されて、前記溝の内部で上下に摺動するように構成された、請求項12に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項17】
それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、
それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板と、
一端が前記第1の板および前記第2の板の一方に接続された少なくとも1つの接続部材とを備え、
前記少なくとも1つの接続部材を長くまたは短くして、前記第1の基板の前記ナノロッドと前記第2の基板の前記圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる、圧電ナノデバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの接続部材が熱膨張係数の高い材料を含む、請求項17に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項19】
前記少なくとも1つの接続部材の他端に取り付けられた熱伝導板をさらに備えた、請求項18に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの接続部材が弾性を有して、前記第1の板および前記第2の板の少なくとも一方に加えられる振動により伸張または圧縮する、請求項17に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項21】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が少なくとも1つの突出部を有し、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が少なくとも1つの溝を有し、さらに前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの溝に挿入されて、前記溝の内部で上下に摺動するように構成された、請求項17に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項1】
複数のナノロッドが形成された第1の基板と、
複数の圧電ナノロッドが形成された第2の基板とを備え、
前記第1の基板が前記第2の基板と連動して、前記第1の基板の前記ナノロッドと前記第2の基板の前記圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる、圧電ナノデバイス。
【請求項2】
前記第1の基板が、前記第2の基板に沿って、前記第2の基板の長手方向に上下に摺動して、前記摩擦を発生させる、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項3】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が可動板に取り付けられ、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が固定板に取り付けられる、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項4】
前記可動板が、加熱により膨張可能かつ冷却により収縮可能な少なくとも1つの接続部材に接続される、請求項3に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの接続部材に結合され、冷却液を断続的に内部に流すことにより前記少なくとも1つの接続部材を冷却するように構成された冷却装置をさらに備えた、請求項4に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項6】
前記可動板が少なくとも1つの弾性部材に接続され、前記可動板が、前記可動板に加えられる振動に応じて移動する、請求項3に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの弾性部材が、前記可動板に加えられる音波により伸張または圧縮する、請求項6に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項8】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が少なくとも1つの突出部を有し、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が少なくとも1つの溝を有し、さらに前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの溝に挿入されて、前記溝の内部で上下に摺動するように構成された、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項9】
前記第1の基板の前記ナノロッドが導電性材料で被覆される、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項10】
前記導電性材料が、Au、Pt、Ag、Cu、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項11】
前記第2の基板の前記圧電ナノロッドが、ZnO、SnO2、CdS、トルマリン、ロッシェル塩、BaTiO3、NH4H2PO4、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項12】
それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、
それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板とを備え、
前記第1の板および前記第2の板の一方が、他方に対して上下に移動する可動板として機能して、前記第1の基板の前記ナノロッドと前記第2の基板の前記圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる、圧電ナノデバイス。
【請求項13】
前記可動板が、加熱により膨張可能かつ冷却により収縮可能な少なくとも1つの接続部材に接続される、請求項12に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項14】
前記可動板が少なくとも1つの弾性部材に接続され、前記可動板が、前記可動板に加えられる振動に応じて移動する、請求項12に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの弾性部材が、前記可動板に加えられる音波により伸張または圧縮する、請求項14に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項16】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が少なくとも1つの突出部を有し、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が少なくとも1つの溝を有し、さらに前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの溝に挿入されて、前記溝の内部で上下に摺動するように構成された、請求項12に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項17】
それぞれナノロッドを有する複数の第1の基板が垂直に取り付けられた第1の板と、
それぞれ圧電ナノロッドを有する複数の第2の基板が垂直に取り付けられた第2の板と、
一端が前記第1の板および前記第2の板の一方に接続された少なくとも1つの接続部材とを備え、
前記少なくとも1つの接続部材を長くまたは短くして、前記第1の基板の前記ナノロッドと前記第2の基板の前記圧電ナノロッドとの間に摩擦を発生させる、圧電ナノデバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの接続部材が熱膨張係数の高い材料を含む、請求項17に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項19】
前記少なくとも1つの接続部材の他端に取り付けられた熱伝導板をさらに備えた、請求項18に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの接続部材が弾性を有して、前記第1の板および前記第2の板の少なくとも一方に加えられる振動により伸張または圧縮する、請求項17に記載の圧電ナノデバイス。
【請求項21】
前記第1の基板および前記第2の基板の一方が少なくとも1つの突出部を有し、前記第1の基板および前記第2の基板の他方が少なくとも1つの溝を有し、さらに前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの溝に挿入されて、前記溝の内部で上下に摺動するように構成された、請求項17に記載の圧電ナノデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−509156(P2013−509156A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536652(P2012−536652)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007036
【国際公開番号】WO2011/052915
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(510056353)コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション (15)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007036
【国際公開番号】WO2011/052915
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(510056353)コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション (15)
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