説明

地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置

本発明は、地下埋設管の2次元的な設置位置のみならず、埋設の深さまでデータベース化できる3次元地理情報の獲得装置を提供する。また、測定のとき、地下埋設管内に流れる流体の流れを中断させることなく、地下埋設管の3次元地理情報を獲得できる装置を提供する。
地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置は、地下埋設管内を移動する管内移送装置と、該管内移送装置の3次元位置情報を検知する検知手段と、該検知手段の測定値を保存する情報保存手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下埋設管の3次元地理情報を獲得する装置及びこの装置に設置可能な非接触式走行距離の測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下埋設管の検査と関連した装置に関する従来技術は次のとおりである。
【0003】
(1)米国登録特許US6、243、657(2001−06−05)「Method and apparatus for determining location of characteristics of a pipeline」
(2)米国登録特許US5、417、112(1995−05−23)「Apparatus for indicating the passage of a pig moving within an underground pipeline」
(3)米国登録特許US4、714、888(1987−12−22)「Apparatus for observing the passage of a pig in a pipeline」
(4)米国登録特許US6、857、329(2005−02−22)「Pig for detecting an obstruction in a pipeline」
(5)米国公開特許US2003/0121338(2003−07−03)「Pipeline pigging device for the non−destructive inspection of the fluid environment in a pipeline」
しかし、一般的な地下埋設管の検査装置では2次元の地理情報のみが獲得できるだけであって、埋設管の深さに対するデータは獲得できないため、埋設管の効果的なメンテナンスに限界がある。特に、概略的な埋設位置は地図などに表示されているものの、どのような深い位置に埋設されているかは記録されておらず、掘削作業中において作業者のミスにより埋設管が破損されてしまうことが頻繁に発生する。したがって、最近では、地下埋設管の2次元的な埋設位置だけでなく、埋設の深さまでデータベース化できる装置の必要性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6243657号
【特許文献2】米国特許第5417112号
【特許文献3】米国特許第4714888号
【特許文献4】米国特許第6857329号
【特許文献5】米国公開特許第2003/0121338号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述したような問題を勘案して案出されたものであって、その目的は、地下埋設管の2次元的な設置位置だけでなく、埋設の深さまでデータベース化できる3次元地理情報の獲得装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、測定時において地下埋設管内に流れる流体の流れを中断させることなく、地下埋設管の3次元地理情報を獲得する作業を行うことができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための本発明に係る地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置は、地下埋設管内を移動する管内移送装置と、該管内移送装置の3次元位置情報を検知する検知手段と、該検知手段の測定値を保存する情報保存手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によると、前記検知手段が、前記管内移送装置の移動方向測定ユニットと、前記管内移送装置の移動速度測定ユニットと、前記管内移送装置の走行距離測定ユニットと、を備えることがよい。
【0009】
前記走行距離測定ユニットは、通常の走行距離計(odometer)で備えられることができ、一定の照射面積を有する平行光レーザビームを発生するレーザユニットと、該レーザユニットから出射されたレーザビームの光軸と直角になるよう配置されるセンサユニットと、前記レーザユニット及びセンサユニットの光軸上に設けられ、前記レーザユニットから出射されたレーザビームは地面に反射され、前記地面から反射されたレーザビームを前記センサユニットに透過するビームスプリッタと、を備えるように構成されることもできる。
【0010】
前記管内移送装置が、前記地下埋設管で流れる流体に浮遊されるよう前記埋設管の直径よりも小さい最外側の直径と、前記埋設管内で流れる流体の比重とが等しい比重を有する浮遊型の胴体で備えられることがよい。
【0011】
または、前記管内移送装置が、ピッグ型の胴体あるいは走行型ロボットで備えられることも可能である。
【0012】
前記検知手段が、前記地下埋設管の内側のビジョンデータを獲得するカメラ装置や、前記地下埋設管の管路上の定められた地点に設けられた通信モジュールと、該通信モジュールと通信して補正用の地理情報を獲得する無線通信装置と、をさらに備えることができる。
【0013】
本発明に係る非接触式走行距離の測定装置は、一定の照射面積を有する平行光レーザビームを発生するレーザユニットと、該レーザユニットから出射されたレーザビームの光軸と直角になるよう配置されるセンサユニットと、前記レーザユニット及びセンサユニットの光軸上に設けられ、前記レーザユニットから出射されたレーザビームは地面に反射し、前記地面から反射されたレーザビームを前記センサユニットに透過するビームスプリッタと、を備えることを特徴とする。
【0014】
前記センサユニットが、前記レーザビームを検知する受光面を有する光フローセンサ(optical flow sensor)と、該光フローセンサから出力された光電変換信号をデジタル信号に処理し、光学航法の方式により位置変化を算出するデジタル信号処理システムと、を備えることが好ましい。
【0015】
前記ビームスプリッタが、前記レーザユニットから出射された直線偏光(linearly polarized light)を反射し、その1/2波長遅延された直線偏光を透過する偏光型ビームスプリッタ(polarized beam splitter)であることが好ましい。
【0016】
このとき、前記偏光型ビームスプリッタから地面側に反射された光の光路上に1/4波長板(λ/4 wave plate、quarter wave plate)がさらに設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、地下埋設管の2次元的な埋設位置だけでなく、埋設の深さまでデータベース化でき、より効率的な埋設管のメンテナンスが可能である。
【0018】
また、不断水の状態で地下埋設管に投入されることで地下埋設管の3次元地理情報が獲得できることから、マッピングの作業のために管路の使用を一時中止するような煩わしい過程がない。
【0019】
また、光フローセンサを利用した非接触式走行距離の測定装置を使用する場合、測定面の距離が変わったり一定レベルの均一でない面及び屈曲面においても安定よく移動体の走行距離を誤差なしに測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る3次元地理情報の獲得装置を示した図である。
【図2】図1の装置を利用して、埋設管の3次元地理情報を獲得する過程を示した図である。
【図3】従来技術に係る光学式走行距離の測定装置を概略的に示した図である。
【図4】従来技術に係る光学式走行距離の測定装置を概略的に示した図である。
【図5】光学式走行距離の測定装置の発光軸と受光軸とが一致しない場合の光フローセンサの検知領域(detecting area)を示した図である。
【図6】本発明の好ましい一実施形態に係る走行距離の測定装置の概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る走行距離の測定装置の光伝達の効率を示した図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る走行距離の測定装置の光伝達の効率を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の構成及び動作について添付の図面に基づいて詳説する。
【0022】
図1は、地下埋設管の3次元地理情報が獲得できる装置を示したものであって、地下埋設管を不断水の状態で維持しつつ、地理情報の獲得作業が可能な管内移送装置300の一例が図示されている。
【0023】
管内移送装置300は地下埋設管500内で移動し、胴体には、管内移送装置300の移動方向、移動速度、及び移動距離を測定する検知手段310と、該検知手段310の測定値を保存する情報保存手段340とが設けられる。
【0024】
管内移送装置300は、地下埋設管500から流れる流体に浮遊されるように地下埋設管500の直径よりも小さい最外側の直径と、地下埋設管500内で流れる流体の比重と等しい比重を有する浮遊型の胴体とからなる。
【0025】
例えば、上水道管内におけるマッピング装置は比重1として備えられることが好ましい。管内移送装置が浮遊型の胴体を有する場合、管内を移動する時に別途の動力や複雑な機械装置または補助装置を必要とせず、さらに、上水道管の場合、不断水の状態であっても地理情報の獲得作業(マッピング、mapping)を行うことができ、動力なしでも相当な距離をマッピングすることができる。したがって、マッピングの作業時間が短縮され、かつマッピングの作業区間が増大されると共に、マッピングの作業時に水道の使用世帯の不便を解消するなどの効果をもたらすことができる。浮遊型の胴体は、流体の抵抗を最小化するために流線型の曲面を有することが好ましく、安定的に移動するために2つ以上の翼を備えることができる。
【0026】
一方、管内移送装置300は、浮遊型の胴体以外にもピッグ(pig)型の胴体で備えられ得る。この場合、浮遊型の胴体で備えられるものとは異なって、ピッグ移送のための別途のピッグ発射装置がピッグ投入口に備えられなければならない。この場合、ピッグ型の胴体が管内を移動してフラッシング作業を併行することもあり得る。かかる本発明のマッピング装置のピッグ型の胴体は、韓国出願番号第20−2005−0007528号、第20−2003−0039794号など、従来に知られているいかなる構造のピッグ構造で備えられることも可能である。
【0027】
また、管内移送装置300は、管内走行型ロボットの胴体で備えられ得る。管内走行型ロボットは、傾斜及び曲管部を移動できる構造で備えられることが好ましいが、例えば、韓国出願番号第10−1995−0030874号、第10−2001−0009369号などの走行型ロボットが例示され、このような従来に知られた管内の傾斜及び曲管部を移動できるいかなる構造の管内走行型ロボットの胴体で備えられることも可能である。管内走行型ロボットには、輪の駆動部を制御するために取得するエンコーダが設けられることから、前記エンコーダ信号を利用して走行型ロボットの移動距離及び回転方向を算出するとき、慣性センサで取得されたデータ以外にも、エンコーダデータをフュージョンして取得された地下埋設管の地理情報の信頼性をさらに向上させることができる。
【0028】
検知手段310は、管内移送装置300に設置され、RF信号などのような無線信号を使用するアクティブセンサ320と、管内移送装置300の移動方向、移動速度、及び移動距離を測定するためのマッピングセンサ330とを備える。
【0029】
アクティブセンサ320は、管内移送装置300の移動情報を収集するためにアクティブRFセンサで備えられることが好ましい。
【0030】
マッピングセンサ330は、加速度計及びジャイロスコープを備える。加速度計は管内移送装置300の速度を測定し、ジャイロスコープは管内移送装置300の移動方向を測定する。これと共に、光フローセンサを利用した非接触式走行距離の測定装置100は、管内移送装置300の移動距離を測定する。非接触式走行距離の測定装置100に対しては後述する。
【0031】
また、管内移送装置300には、地下埋設管500の管路上の決められた地点に設けられた通信モジュール610、620、630、640(図2参照)と通信し、補正用の地理情報が獲得されるよう無線通信装置350がさらに備えられることができ、図示されていないが、地下埋設管500の内側のビジョンデータ(vision data)を獲得するカメラ装置がさらに取り付けられることもできる。このカメラ装置は、地下埋設管の内側のビジョンデータを獲得し、補修すべき管内位置及び管内状態を正確に把握し、後で管内のメンテナンスを容易かつ正確に行うことができる。
【0032】
一方、管内移送装置300は、不断水の状態で作動することから最小10kg/cm防水の機能を有することが好ましい。
【0033】
図2は、本発明の浮遊型の胴体を有するマッピング装置の作業模式図である。
【0034】
まず、地下埋設管500に設けられている空気バルブなどに本発明の管内移送装置300を投入する。投入された管内移送装置300は、その直径が埋設管500の直径よりも小さいため、流体の流れにより管内に沿って移動する。
【0035】
管内移送装置300に設けられた検知手段310は、アクティブセンサ320とマッピングセンサ330、走行距離計(odometer)、非接触式走行距離の測定装置などを利用し、3次元地理情報を算出することができるデータの管内移送装置300の加速度及び角加速度及び走行距離を測定し、管内移送装置300の移動方向及び走行距離を測定する。検知手段310により獲得されたデータは、GPS等を介して獲得された管内移送装置300の投入口及び回収口の地理情報と結合し、地下埋設管500の2次元的な埋設位置はもちろん、管内移送装置300の移動軌跡を通じて埋設の深さに至るまで推定することでマッピングできる。また、管内移送装置300にカメラを取り付けた場合、管内の円周方向のビジョンデータを取得して地理情報と結合し、データベースを構築することもできる。
【0036】
一方、地下埋設管500は、金属材の管が多く使用されることから電波の送受信が円滑に行われないため、管内移送装置300には検知手段310で測定された値を保存できる別途の情報保存手段340が備えられることが好ましい。
【0037】
また、本発明に係る管内移送装置300に無線通信モジュール350を加えて取り付け、管内移送装置300の投入口と回収口との間の中間地点に設けられた無線装置と通信し、補正用の地理情報を取得することができる。このような無線装置として、RFID610、ジグビー(Zigbee)通信モジュールなど、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)と連係している通信装置620、通過センサモジュール630、バルブ不断水装着通信モジュール640、管ネットワークモニタセンサ、及び通信モジュール650などを活用することができる。
【0038】
マッピングの作業は、回収口を介して回収された管内移送装置300の情報保存手段340に保存された測定値をローディングし、管内移送装置300の投入地点、回収地点、及び中間補正地点の地理情報と、センサで取得したデータに基づいて推定した地理情報とを結合し、該当区間の管路の3次元地理情報を算出してデータベースを構築する。
【0039】
このように作成された3次元管ネットワークをGIS(Geographic Information System)と連係、RFID技術を応用したバルブ及び管路データと連係、管内のモニタ画像データとの連係、管路のモニタセンサリアルタイムデータなどと連動することにより、統合的な地下埋設管ネットワークの管理及び診断システムを構築することが可能である。
【0040】
このような埋設管のマッピング作業をより正確に行うめには、管内移送装置300の正確な走行距離を測定する作業が最も重要であるが、管内移送装置300を不断水の状態で運用するためには浮遊型の胴体で構成することが好ましい。よって、接触式走行距離の測定装置を使用する場合に誤差が大きく発生する恐れがあるので、非接触式走行距離の測定装置を使用することが好ましい。
【0041】
このような非接触式走行距離の測定装置の代表的なものとして、光フローセンサを利用した走行距離の測定装置があり、これに対する従来技術は表1のとおりである。
【0042】
【表1】

図3は、表1の「光マウスを利用した光学式走行距離計」で具現された移動ロボットの胴体の底に3つの光学式走行距離計を取り付けたモデルの概略図であり、図4は、図1の側面を切開して示した断面図である。
【0043】
移動ロボットの胴体1には、移動のための複数の輪2が設けられ、胴体1の底に3つの光学式走行距離計10が取り付けられる。光学式走行距離計10が複数設けられる理由は、輪の駆動式走行距離の測定装置で発生する滑りによる誤差を補正するためである。
【0044】
胴体1の中央には、図4に示すように、光学式走行距離計10から投射された光を取りまとめる光フローセンサ13が備えられ、光フローセンサ13の前面には反射した光を集めるレンズユニット12が設けられる。光フローセンサ13は、コンピュータ用の光マウス(optical mouse)に使用される光フローセンサチップ(例:AVAGO TECHNOLOGIESのADNS−6010)を利用して簡単に具現することができる。 ADNS−6010のような光フローセンサチップは、光フローセンサで光を受光する映像取得システムと、取得された映像をデジタルの信号に処理し、センサユニットを備えた移動体が動いた方向及び距離を算出するデジタル信号処理システムを備えて光学航法の技術を具現する。これに関する技術は、本発明の主部と関連性が低いため、詳説は省略する。
【0045】
しかし、図5に示したように、地面の屈曲が存在して均一でない地域において、走行距離の測定装置から地面との距離がA、B、Cに変化する場合、レーザビームの発光軸と受光軸(光フローセンサが見る軸)とが一致しないため、地面A、Bの場合、光フローセンサ13の検知領域13a、13bは、レーザビームが地面に反射する領域10a、10bを検知することから走行距離を測定することができる。しかし、地面Cの場合は、レーザビームが照らす領域10cとセンサが見る領域13cとが外れられることから、光フローセンサからは地面の映像を獲得することはできない。したがって、レーザビームの発光軸と受光軸とが一致しない配置構造を有する場合、地面の高さA〜Bの間にのみ走行距離測定の動作が可能であるという問題がある。
【0046】
図6は、かかる問題を解決できる非接触式走行距離の測定装置100を簡略に示した図である。本発明に係る非接触式走行距離の測定装置100は、レーザユニット110、ビームスプリッタ200、及び光フローセンサ130からなる。
【0047】
レーザユニット110は、レーザダイオード及びビームコリメータを備える。レーザダイオードは一定の波長を有するレーザビームを放射し、ビームコリメータは前記レーザダイオードで放射されるレーザビームを一定の照射面積110a、110b、110cを有する平行光レーザビームに定形化し、レーザビームの照射領域110a、110b、110cが、光フローセンサの検知している領域130a、130b、130cの大きさよりも大きくする。
【0048】
光フローセンサ(optical flow sensor)130は、レーザユニット110と一定の間隔離隔され、レーザユニット110から出射されたレーザビームの光軸と直角になるよう受光面を配置する。光フローセンサ130は、図示されていないデジタル信号処理システムと接続されるが、前記デジタル信号処理システムは、光フローセンサ130から出力された光電変換された信号を処理して光学航法の方式により位置変化を算出する。光フローセンサ130は、コンピュータ用の光マウス(optical mouse)に使用される光フローセンサチップ(例:AVAGO TECHNOLOGIESのADNS6010)を利用して具現され得る。光フローセンサチップは、光フローセンサ130で光を受光する映像取得システムと、取得された映像をデジタル信号処理してセンサを備えた移動体が動いた方向及び距離を算出するデジタル信号処理システムを含む。光フローセンサチップの詳細な構造及び動作は、公知の技術であるためその説明は省略する。
【0049】
ビームスプリッタ200は、レーザユニット110から出射されたレーザビームの光軸上に備えられ、レーザユニット110から出射されたレーザビームを光フローセンサ130の受光面と対向する地面側に反射し、地面側で反射された光を光フローセンサ130の受光面に透過する。
【0050】
いい加えると、図6における参照符号110a、110b、110cは、地面との距離がA、B、Cに変化する時のレーザビームの照射領域であり、参照符号130a、130b、130cは、この場合の光フローセンサ130の検知領域である。図示したように、前述した構成によると、レーザビームの照射領域110a、110b、110cと光フローセンサ130の検知領域130a、130b、130cは、地面との距離変化に関係なく互いに重なるため、光フローセンサ130と地面との距離に関係なく光フローセンサ130が正常にレーザビームを検知することが可能である。
【0051】
図7は、本発明における走行距離測定装置の一実施形態であって、非偏光型のビームスプリッタ(non−polarized beam splitter)を使用した場合、光センシング動作の概略的な光伝達の効率を示す。図5に示す実施形態において、ビームスプリッタの光伝達面210の反射率及び透過率は50%と仮定する。
【0052】
レーザユニット110から出射されたレーザビーム(1)の光強度を100%とするとき、ビームスプリッタ200で50%が透過(1)’されて50%が反射され、地面へ向かう光(2)の光強度は50%となる。そして、地面(地面の反射率が100%であると仮定)で反射された光(3)の50%がビームスプリッタ200で反射(3)’され、光フローセンサ130で受光される残りの光(4)の強度は、最初のレーザビーム(1)の25%となる。すなわち、光フローセンサ130に入射される光の強度は、ビームスプリッタ200の光反射率/光透過率(50%と仮定)及び地面の反射率(100%と仮定)によって異なってくるが、レーザユニット110から出射される最初のレーザビームの光強度の25%程度であって弱まる。
【0053】
図8は、本発明の他の実施形態であって、偏光型のビームスプリッタ(polarized beam splitter)200’及び1/4波長板220を使用し、光センシング動作の性能がさらに改善された実施形態の光伝達の効率を示す。
【0054】
レーザユニット110’はP相に整流されたレーザビームを出射し、偏光型ビームスプリッタ200’はP相を100%反射してS相を100%透過すると仮定する。レーザユニット110’から出射されたP相のレーザビーム(a)の光強度を100%とするとき、ビームスプリッタでP相のレーザを全反射(b)して光強度を100%維持する。また、1/4波長板220(波長板の光透過率が100%であると仮定)を透過した光(c)(P相+λ/4)が地面(地面の反射率が100%であると仮定)で反射(d)される。地面の反射光(d)が再度1/4波長板220を透過(P相+λ/2=S相)してS相のレーザ(e)に相が変わる。また、S相のレーザ(e)は偏光型のビームスプリッタで100%透過(f)して光フローセンサ130に受光される。
【0055】
すなわち、光フローセンサ130に入射される光の強度は、ビームスプリッタ200’の光反射率/光透過率(100%と仮定)と、波長板220の光透過率(100%と仮定)と、地面の反射率(100%と仮定)とにより異なるが、レーザユニット110’から出射されるレーザビームの光強度を最大100%に維持することができる。
【0056】
以上は図面及び明細書により最適の実施形態が開示された。ここで使用された特定の用語または数値は、単に本発明を説明するために使用されたものであって、意味の限定または特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されるものではない。したがって、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解することができるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付された特許請求範囲の技術的な思想によって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、地下埋設管の3次元地理情報を測定するために使用され、これに使用される非接触式走行距離の測定装置は、車、移動ロボットのような多様な移動手段の走行距離を算出するために使用され得る。
【符号の説明】
【0058】
100 走行距離の測定装置
110、110’ レーザユニット
130 光フローセンサ
200、200’ ビームスプリッタ
220 1/4波長板
300 管内移送装置
500 地下埋設管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下埋設管内を移動する管内移送装置と、
該管内移送装置の3次元位置情報を検知する検知手段と、
該検知手段の測定値を保存する情報保存手段と、
を備えることを特徴とする地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項2】
前記検知手段が、
前記管内移送装置の移動方向測定ユニットと、
前記管内移送装置の移動速度測定ユニットと、
前記管内移送装置の走行距離測定ユニットと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項3】
前記移動方向測定ユニットはジャイロセンサであり、前記移動速度測定ユニットは加速度センサであることを特徴とする請求項2に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項4】
前記走行距離測定ユニットは、走行距離計(odometer)であることを特徴とする請求項2に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項5】
前記走行距離測定ユニットが、
一定の照射面積を有する平行光レーザビームを発生するレーザユニットと、
該レーザユニットから出射されたレーザビームの光軸と直角になるよう配置されるセンサユニットと、
前記レーザユニット及びセンサユニットの光軸上に設けられ、前記レーザユニットから出射されたレーザビームは地面に反射され、前記地面から反射されたレーザビームを前記センサユニットに透過するビームスプリッタと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項6】
前記管内移送装置が、前記地下埋設管で流れる流体に浮遊されるよう前記埋設管の直径よりも小さい最外側の直径と、前記埋設管内で流れる流体の比重とが等しい比重を有する浮遊型の胴体であることを特徴とする請求項1に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項7】
前記管内移送装置が、ピッグ型の胴体で備えられたことを特徴とする請求項1に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項8】
前記管内移送装置が、走行型ロボットで備えられたことを特徴とする請求項1に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項9】
前記検知手段が、前記地下埋設管の内側のビジョンデータを獲得するカメラ装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項10】
前記検知手段が、
前記地下埋設管の管路上の定められた地点に設けられた通信モジュールと、
該通信モジュールと通信して補正用の地理情報を獲得する無線通信装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の地下埋設管の3次元地理情報の獲得装置。
【請求項11】
一定の照射面積を有する平行光レーザビームを発生するレーザユニットと、
該レーザユニットから出射されたレーザビームの光軸と直角になるよう配置されるセンサユニットと、
前記レーザユニット及びセンサユニットの光軸上に設けられ、前記レーザユニットから出射されたレーザビームは地面に反射し、前記地面から反射されたレーザビームを前記センサユニットに透過するビームスプリッタと、
を備えることを特徴とする非接触式走行距離の測定装置。
【請求項12】
前記センサユニットが、
前記レーザビームを検知する受光面を有する光フローセンサ(optical flow sensor)と、
該光フローセンサから出力された光電変換信号をデジタル信号に処理し、光学航法の方式により位置変化を算出するデジタル信号処理システムと、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の非接触式走行距離の測定装置。
【請求項13】
前記ビームスプリッタが、前記レーザユニットから出射された直線偏光(linearly polarized light)を反射し、その1/2波長遅延された直線偏光を透過する偏光型ビームスプリッタ(polarized beam splitter)であることを特徴とする請求項12に記載の非接触式走行距離の測定装置。
【請求項14】
前記偏光型ビームスプリッタから地面側に反射された光の光路上に1/4波長板(λ/4 wave plate、quarter wave plate)がさらに設けられることを特徴とする請求項12に記載の非接触式走行距離の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−534824(P2010−534824A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516928(P2010−516928)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004206
【国際公開番号】WO2009/011552
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(510014065)ウォーター リソーシズ エンジニアリング コーポレーション (1)
【出願人】(510014076)