説明

地下注入液の圧力制御方法及び装置

【課題】水質を変化させず且つ撹拌せずに地下注入液の圧力を制御する方法及び装置を提供する。
【解決手段】地下注入液Jを開閉弁V3付き注入管3が接続され且つ弾性袋体2が内蔵された密閉式タンク1内に充填し、弾性袋体2に一端が封止されてタンク1の壁を貫通する加圧管6の他端に所定圧力で膨張液Eを供給し、弾性袋体2の膨張によりタンク1及び注入管3内の注入液Jを所定圧力に制御する。好ましくは、密閉式タンク1内の注入液Jを所定温度に保持すると共に加圧管6の他端から所定温度の膨張液Eを供給し、タンク1及び注入管3内の注入液Jを所定圧力及び温度に制御する。更に好ましくは、注入液Jに密度の異なる複数のトレーサ粒子Sを混入し、注入管3の取入口3aを密閉式タンク1の上下中間部位まで挿入し、注入管3の取入口3aから注入液Jと共にその注入液J中に浮遊するトレーサ粒子Sを流出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地下注入液の圧力制御方法及び装置に関し、とくに地下注入液の圧力を撹拌することなく制御する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下構造物の安全性や周囲への影響を予測・評価するため、その周囲地盤の水理特性や地下水の流動特性を把握する水理試験が実施される。例えば地下の掘削により生じた周辺地盤の緩み領域の状況を評価するため、周辺地盤に穿ったボーリング孔内に注水ラインを介して一定の圧力で水又は塩水等の注入液を注入し、その単位時間当たりの注水量と注水圧力とから周辺地盤の透水係数を測定する水理試験(定常法等)が行われる(特許文献1及び特許文献2参照)。また、例えば地下数百〜千m程度の安定した地層(天然バリア)中に高レベル放射性廃棄物の埋設処分場(地層処分場)を構築する場合に、放射能廃棄物が漏洩し得る天然バリア内を流れる地下水(低流速である場合が多い)の流動特性を精確に把握するため、地下水中にトレーサ導入ラインを介してトレーサを投入し、そのトレーサの三次元位置を位置検出センサ又は光学式撮像装置で追跡することによって天然バリア内の地下水の流向及び流速を測定する水理試験が行われる(特許文献3及び特許文献4参照)。
【0003】
上述した地下地盤の透水係数を測定する水理試験等では、注水ラインの圧力制御が不可欠である。このため従来は、注入液を蓄えたタンクと注水ラインとを接続し、タンク内にポンプで気体(空気や窒素等)や液体(水や油等)を送入又は排出する方法によって注水ラインの圧力を制御することが多い。また、注水の急激な圧力変動を抑制するため、注水ラインをアキュムレータに接続し、アキュムレータにより注水圧力を制御する場合もある。アキュムレータは窒素ガス等の圧縮性を利用した蓄圧装置であり、圧力を蓄えて瞬間的に大量の注入液を注入ラインに供給したり、注水ラインの脈動や衝撃圧力を吸収したりすることが可能であり、省エネルギーや消音等の効果も見込むことができる。例えば特許文献2は、断面積の異なる2槽のアキュムレータに注入液を蓄えると共に各々を注水ラインに接続し、脈動を起こすことなく安定した注水を可能にすると共に、各アキュムレータに接続した流量計又は水位計によって注水量を高精度に測定する透水試験装置を開示している。
【0004】
また、上述したトレーサを投入する水理試験等においても、トレーサ導入ラインの圧力制御が必要とされる場合がある。例えば特許文献4の地下水流向・流速計測方法では、図6に示すように、調査対象地盤40に掘削したボーリング孔41内に吊下げ装置45で吊り下げたパッカー43、44によって計測区間42を形成し、支持部材46により計測区間42内に整流板51と複数の位置検出センサ53(例えば超音波センサ)又は光学式撮像装置56とが取り付けられた計測ユニット50(同図(B)参照)を吊り下げ、トレーサ導入管52を介して計測区間42の地下水G中に微小トレーサ粒子Sを投入する。投入したトレーサ粒子Sを地下水Gの流れに沿って流動させつつ、流動するトレーサ粒子Sに例えば複数の位置検出センサ55から超音波を一定時間毎に送信して反射波(超音波エコー)を検出し、その検出データを信号伝送ユニット47及び伝送ライン49を介して計測装置48へ伝送し、計測装置48において検出データと地下水G中の音速とからトレーサ粒子Sの三次元的な連続移動位置を計測し、その計測結果に基づき地下水Gの流向及び流速を計測する。あるいは、整流板51の透明窓57を介してトレーサ粒子Sを撮影した光学式撮像装置56の画像データを計測装置48へ伝送し、その画像データからトレーサ粒子Sの三次元的な連続移動位置を計測する。
【0005】
図6のような水理試験方法では、レーサ粒子Sの密度と地下水Gの密度との差が大きくなると地下水Gの精確な流向及び流速(とくに鉛直方向の流向及び流速)が計測できなくなるので、トレーサ粒子Sを計測対象の地下水Gの密度とほぼ一致するように調製する必要がある。しかし、トレーサ粒子Sは例えば粒径100〜150μm程度の微小粒子であり、このような微小粒子の密度を地下水Gの密度と精確に一致するように調製することは極めて困難である。このため従来は、ある密度範囲の多数のトレーサ粒子Sが混入された注入液を蓄えたタンクにトレーサ導入管52を接続し、上述した気体又は液体を送入する圧力制御方法によってタンク内の圧力を計測対象の地下水Gと同じ圧力に調整しつつ、その圧力の注入液に浮遊するトレーサ粒子Sのみをトレーサ導入管52へ導入することで、多数のトレーサ粒子Sの中から地下水Gと同等の密度のトレーサ粒子Sを分離・抽出して地下水Gに投入することが試みられている。すなわち、トレーサを投入する水理試験等では、所望密度のトレーサを分離・抽出するためにトレーサ導入ラインの圧力制御が必要とされる。
【0006】
【特許文献1】特許第3381991号公報
【特許文献2】特許第3044504号公報
【特許文献3】特開2001−183471号公報
【特許文献4】特開2002−107370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の気体又は液体を送入する圧力制御方法は、圧力調整用の気体又は液体が注入液に混入してしまう問題点がある。例えば地下地盤の極めて小さな測定区間の透水係数を測定する場合は、微小な注水流量を精確に測定するため微小流量計を用いる必要があり、注入液中に気泡があると微小流量計の測定値が大きく変動してしまうことから、脱気した注入液を用いることが望まれる。このように脱気注入液を用いた水理試験では、注入液に気体が混入するような圧力制御方法(気体を挿入する方法やアキュムレータを用いる方法)を使用することはできない。また、タンク内に液体を注入する方法も、その液体の混入によって注入液の脱気状態が変化し得るため、やはり適していない。脱気注入液のように水質が調整された注入液を用いる水理試験では、注入液の水質を変化させずに注入液の圧力を制御する必要がある。
【0008】
また、従来の液体を送入する圧力制御方法は、圧力調整用の液体により注入液が撹拌されてしまう問題点もある。例えば、上述したように注入液に混入した多数のトレーサ粒子Sの中から浮遊しているトレーサ粒子Sのみを分離・抽出する場合に、圧力調整用の液体によってタンク内の注入液が撹拌されてしまうと、浮遊しているトレーサ粒子Sの分離・抽出ができなくなってしまう。気体を送入する圧力制御方法によれば注入液の撹拌を避けられるが、タンク内が高圧となるため、圧力が漏れた場合に気体が急激に噴出する等の危険があると共に、温度変化により注入液の粘度が変化して適切なトレーサ粒子Sが分離・抽出できなくなるおそれがある。地下水の流向及び流速の測定に適したトレーサ粒子Sを簡単且つ安全に分離・抽出するためには、撹拌せずに注入液の圧力を制御する必要がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、水質を変化させず且つ撹拌せずに地下注入液の圧力を制御する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1の実施例を参照するに、本発明による地下注入液の圧力制御方法は、地下注入液Jを開閉弁V3付き注入管3が接続され且つ弾性袋体2が内蔵された密閉式タンク1内に充填し、弾性袋体2に一端が封止されてタンク1の壁を貫通する加圧管6の他端に所定圧力で膨張液Eを供給し、弾性袋体2の膨張によりタンク1及び注入管3内の注入液Jを所定圧力に制御してなるものである。
【0011】
好ましくは、密閉式タンク1内の注入液Jを所定温度に保持すると共に加圧管6の他端から所定温度の膨張液Eを供給し、タンク1及び注入管3内の注入液Jを所定圧力及び温度に制御する。更に好ましくは、図2に示すように、注入液Jに密度の異なる複数のトレーサ粒子Sを混入し、注入管3の取入口3aを密閉式タンク1の上下中間部位まで挿入し、注入管3の取入口3aから所定圧力及び温度に制御された注入液Jと共にその注入液J中に浮遊するトレーサ粒子Sを流出させる。
【0012】
また図1の実施例を参照するに、本発明による地下注入液の圧力制御装置は、地下注入液Jを充填する密閉式注入液タンク1、タンク1に接続された開閉弁V3付き注入管3、タンク1の壁を貫通する加圧管6とその加圧管6の一端を封止してタンク1内に配置される弾性袋体2、及び加圧管6の他端に所定圧力で膨張液Eを供給する供給装置10を備え、弾性袋体2の膨張によりタンク1及び注入管3内の注入液Jを所定圧力に制御してなるものである。
【0013】
好ましくは、供給装置10に、加圧管6の他端に接続され且つ膨張液Eが装填された密閉式膨張液タンク11と、膨張液タンク11から加圧管6へ流出する膨張液Eの圧力を調整する調整手段12、13、14(又は図2の調整手段15、16、17)とを含める。更に好ましくは、図2に示すように、注入液Jと膨張液Eとを同じ所定温度に保温する恒温装置21〜25を設ける。同図に示すように、注入液Jを密度の異なる複数のトレーサ粒子Sが混入した注入液とし、注入管3の取入口3aを密閉式タンク1の上下中間部位まで挿入し、注入管3の取入口3aから所定圧力及び温度に制御された注入液Jと共にその注入液J中に浮遊するトレーサ粒子Sを流出させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による地下注入液の圧力制御方法及び装置は、地下注入液Jを弾性袋体2が内蔵された注入管3付き密閉式タンク1内に充填したうえで、弾性袋体2に所定圧力で膨張液Eを供給し、弾性袋体2の膨張によりタンク1及び注入管3内の注入液Jを所定圧力に制御するので、次の顕著な効果を相する。
【0015】
(イ)弾性袋体2が密閉式タンク1内の注入液Jと圧力調整用の膨張液Eとの混合を防ぐ遮蔽膜の役割を果たすので、注入液Jの水質を変化させることなく注入液Jの圧力を制御できる。
(ロ)水質を変化させることなく注入液Jの圧力を制御できるので、脱気注入液のように水質が調整された注入液Jや水質調整が困難である注入液J、又は貴重な物質を用いた注入液Jの圧力制御に有効に利用できる。
(ハ)また、弾性袋体2の緩やかな膨張によって密閉式タンク1内の圧力を制御するので、注入液Jを撹拌することなく注入液Jの圧力を制御できる。
(ニ)注入液Jを所定温度に保持すると共に所定温度の膨張液Eを供給して弾性袋体2を膨張させることにより、注入液Jの圧力だけでなく温度の制御も可能である。
(ホ)従って、密閉式タンク1内の圧力・温度が調整された注入液Jにトレーサ粒子Sを浮遊させながら所定密度のトレーサ粒子Sのみを分離・抽出するような注入液Jの圧力制御が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、脱気注入液Jを用いて地下地盤の透水係数を求める現場透水試験装置の圧力制御に本発明を適用した実施例の構成を示す。図示例の圧力制御装置は、注入液Jを脱気すると共に地下地盤に穿ったボーリング孔等に定圧で注入する装置であり、脱気注入液Jを蓄える密閉式注入液タンク1(1Lと1R)と、注入液タンク1の壁を貫通する加圧管6の一端を封止してタンク1内に配置される弾性袋体2(2Lと2R)と、膨張液Eを蓄え加圧管6の他端に接続される密閉式膨張液タンク11(11Lと11R)とをそれぞれ2セット装備している。各注入液タンク1L、1Rは、開閉弁V3L、V3Rを介して脱気注入液Jの注入管3に接続され、また開閉弁V4L、V4Rを介して真空ポンプ等の脱気装置5に接続されている。開閉弁V3L、V3Rを切り替えて各注入液タンク1L、1Rを交互に注入管3と接続することにより、一方の注入液タンク1Lの使用中に他方の注入液タンク1Rの注入液Jを補充・脱気することが可能である。以下、注入液タンク1Rを含む圧力制御装置の作用について説明するが、注入液タンク1Lを含む圧力制御装置の作用も同様である。
【0017】
図示例の加圧管6には三方弁WLが設けられており、三方弁WLを大気開放側に切り替えることで弾性袋体2R内の圧力を開放して空気Aを抜くことができ、加圧側に切り替えることで弾性袋体2Rを膨張液タンク11と接続することができる。図示例の注入液タンク1Rは、予め三方弁WLを大気開放側に切り替えて弾性袋体2Rの空気Aを抜いたうえで、適当な方法で注入液Jを充填して密閉する。例えば注入液タンク1Rの頂部に2つの孔を設け、一方の孔から注入液Jを注入し、他方の孔から溢れ出るまで注入液Jを注入して充填したのち、両方の孔を閉鎖して密封する。あるいは、蓋付きの注入液タンク1Rに注入液Jを装填したのち、注入液Jを溢れさせながら弾性袋端2Rを押し入れたのち蓋を閉めて密閉する。注入液Jを充填したのち、開閉弁V4Rの開放により注入液タンク1Rを脱気装置5に接続して注入液Jの溶存酸素を脱気する。開閉弁V4Rは、脱気完了後に閉鎖する。
【0018】
膨張液タンク11Rには、例えば水である膨張液Eを装填する。図示例の膨張液タンク11Rは、空圧を水圧に変換するマリオットタンクであり、膨張液タンク11Rの頂壁貫通の通気管12Rを所定水深まで挿入し、その通気管12Rの頂端にコンプレッサ13及びコンプレッサ13から通気管12に供給される空圧を調整するレギュレータ14を接続している。レギュレータ14を介して通気管12Rの底端(膨張液Eへの挿入端)に所定空圧を加えることで、膨張液タンク11Rで加圧された膨張液Eを所定圧力で加圧管6及び注入液タンク1Rの弾性袋体2Rへ送り、弾性袋体2Rを介して注入液タンク1R内の脱気注入液Jを加圧する。すなわち図示例では通気管12とコンプレッサ13とレギュレータ14とが、膨張液タンク11から加圧管6へ流出する膨張液Eの圧力を調整する手段として機能する。
【0019】
弾性袋体2Rの膨張により加圧される注入液タンク1R内の脱気注入液Jは、このとき開放される開閉弁V3Rを介して注入管3へ送られ、注入管3を介して地下地盤のボーリング孔等に注入される。本発明は、膨張液タンク(マリオットタンク)11R内の膨張液Eの直接的導入ではなく、遮蔽膜となる弾性袋体2Rを介して間接的に注入液タンク1Rを加圧するので、注入液Jに膨張液Eが混入することがなく、脱気注入液Jの性質を変えることなく注入管3へ送り込むことが可能である。従って、例えば注入管3に設けた微小流量計(図示せず)により注入流量を高い精度で測定することが可能であり、その注入流量とレギュレータ14で調整された注入圧力とから、岩盤中に掘削された空洞周辺の緩み領域等の極めて小さい測定区間の透水係数を精度よく把握することができる。
【0020】
図2は、低流速の地下水G中にトレーサを投入して流向及び流速を測定する測定装置の圧力制御に適用した本発明の他の実施例を示す。図示例の圧力制御装置は、トレーサ粒子Sが混入した注入液J(例えば水や塩水)を充填する密閉式注入液タンク1と、膨張液E(例えば水)を充填する密閉式膨張液タンク11と、一端が膨張液タンク11に接続された他端が注入液タンク1内の弾性袋体2に封止された加圧管6とを有し、更に注入液Jと膨張液Eとを同じ所定温度に保温する恒温装置を有している。
【0021】
図示例の恒温装置は、温度調整水Hを所定温度に加熱又は冷却する恒温循環水槽21と、注入液タンク1及び膨張液タンク11をそれぞれ浸漬する温度調整槽22、23と、恒温循環水槽21と各温度調整槽22、23との間で温度調整水Hを循環させる循環ライン24、25(供給ライン24と戻りライン25とからなる)とにより構成されており、温度調整水Hの循環により注入液タンク1の注入液Jと膨張液タンク11の膨張液Eとを例えば測定対象の地下水Gと同等の温度に保温する。注入液タンク1及び膨張液タンク11の全体を温度調整槽22、23内に浸漬することで、注入液J及び膨張液Eをそれぞれ撹拌することなく保温できる。ただし、恒温装置の構成は図示例に限定されず、注入液タンク1内の注入液Jが撹拌されない恒温装置であれば足り、膨張液Eは撹拌しながら保温してもよい。
【0022】
注入液タンク1には、図1の場合と同様に予め三方弁WLを介して弾性袋体2Rの空気Aを抜いたのち、トレーサ粒子S及び注入液Jを充填して密閉する。トレーサ粒子Sの一例は、特許文献4の場合と同様に、比重が1より小さい粒径100〜150μm程度の樹脂製球体を比重が1より大きい有機系物質で被覆し、測定対象の地下水Gとほぼ同じ密度(比重)となるように調製したものである。地下水Gとほぼ同じ密度の単一材料を用いてトレーサ粒子Sを調製してもよい。また図示例の注入液タンク1は、注入液J中で沈殿したトレーサ粒子Sを撹拌するため、タンク1内を撹拌する撹拌装置26を有している。図示例の撹拌装置26は、注入液タンク1の底端の貫通孔に接続したエア吹かし管27と、エア吹かし管27に接続したコンプレッサ28とを有し、タンク1の底端に空気Aを送り込むことで沈殿したトレーサ粒子Sを撹拌する。空気Aを送り込む際には、例えば注入管3の開閉弁V3(又は図4に示す空気抜きナット8)を開放して注入液タンク1を大気開放にすることができる。また、空気Aの送り込みに代えて、撹拌装置26を注入液タンク1内で回転する撹拌翼又はマグネチックスターラ等としてもよい。
【0023】
注入液タンク1内のトレーサ粒子S及び注入液Jを撹拌装置26で撹拌したのち、撹拌装置26を停止して膨張液タンク11から弾性袋体2に膨張液Eを送り込む。膨張液タンク11には、膨張液Eが充填されると共にその加圧管6への供給圧力を調整する調整手段が設けられている。図示例の調整手段は、膨張液タンク11に膨張液Eを送入する送入管15及びポンプ16と、ポンプ16から送入管15に供給される膨張液Eの圧力(流量)を調整するレギュレータ17とで構成されている。レギュレータ17を介して膨張液タンク11内に所定圧力で膨張液Eを送り込むことにより、膨張液タンク11の膨張液Eを所定圧力で加圧管6へ送り、弾性袋体2を介して注入液タンク1内の注入液Jを加圧する。例えば、レギュレータ17により測定対象の地下水Gと同等の圧力(例えば10MPa程度)で膨張液Eを送り込み、注入液タンク1内の注入液Jを地下水Gと同等の圧力に加圧する。
【0024】
注入液タンク1には注入管3の取入口3aが上下中間部位まで挿入されており、例えば弾性袋体2Rの膨張によって注入液タンク1が地下水Gと同等の圧力まで加圧された段階で注入管3の開閉弁V3を開放することにより、加圧された注入液Jをその中に浮遊するトレーサ粒子Sと共に取入口3aから注入管3に取り込み、注入管3を介してボーリング孔41(図3参照)内の地下水G中に注入する。弾性袋体2を介して注入液タンク1の圧力を制御する本発明では、注入液タンク1の加圧時に注入液Jのトレーサ濃度が希釈されず、しかも注入液Jを撹拌することなく注入液タンク1を地下水Gと同等の圧力及び温度環境とすることができ、その環境下で浮遊状態にあるトレーサ粒子Sのみを取入口3aから注入管3に取り込むことができる。すなわち、トレーサ粒子Sを浮遊させながら注入液タンク1の圧力を制御し、地下水Gとほぼ同じ密度のトレーサ粒子Sのみを選択的に分離・抽出して地下水Gに注入することが可能である。地下水Gとほぼ同じ密度のトレーサ粒子Sを用いることで、例えば10-5〜10-10m/s程度の極めて低流速の地下水Gの流速・流向を精確に調査することが可能となる。
【0025】
こうして本発明の目的である「水質を変化させず且つ撹拌せずに地下注入液の圧力を制御する方法及び装置」を達成することができる。
【実施例1】
【0026】
図3は、例えば地下数百〜千m程度に構築する放射性廃棄物の地層処分場の周囲の天然バリア内を流れる地下水の流向及び流速を測定するため、図2に示す圧力制御装置を試作した実施例を示す。同図に示す圧力制御装置の試作機を用いて、本発明により地下水Gとほぼ同じ密度のトレーサ粒子Sを分離・抽出できることを確認する実験を行った。図示例の圧力制御装置は、高さh1=0.9mの密閉式の注入液タンク1及び膨張液タンク11と、それらの注入液タンク1及び膨張液タンク11を浸漬する蓋付き温度調整槽22、23と、循環ライン24、25を介して温度調整槽22、23に循環させる温度調整水Hを地下水Gと同等の温度(実験では27℃)に保温する恒温循環水槽21とを備えている。
【0027】
膨張液タンク11には、膨張液Eとして水道水を満水に充填し、レギュレータ17を介して定流量ポンプ16に接続された送入管15を取り付けた。図示例の送入管15には、安全のため、管内の圧力が1MPa以上になると管内から排水される安全弁(圧力逃がし弁)18が設置されている。また注入液タンク1及び膨張液タンク11には、それぞれタンク内の上部、中間部、及び下部の温度計測用のセンタ本体7a、7b、7cを有する温度センサ7を設置した。
【0028】
実験で用いた注入液タンク1の詳細を図4に示す。同図(A)に示すように、注入液タンク1の蓋部1aには三方弁W及び開閉弁V1付きの加圧管6、開閉弁V2付き注入管3、及び温度センサ7を貫通させ、加圧管6の内側端には2つの分岐を設け、各分岐端にそれぞれ弾性袋体2として最大径120cmのゴム製風船(エクセルポイント社製のジャイアントバルーン)を取り付けた。また、蓋部1aの接続ネジ等による弾性袋体2の破損を避けるため、弾性袋体2を保護被覆9(実験ではビニール製の袋を使用)で保護した。注入液タンク1の本体部には、同図(B)に示すように、実験で用いるボーリング孔41の水深506mから採水した孔内水の塩度・孔内温度分布・水深から予想した間隙水圧を参考にして、平均密度=1.0087(g/cm3)の複数のトレーサ粒子Sが混入した注入液J(実験では水道水)を満水に充填した。
【0029】
図4(A)の蓋部1aの加圧管6の開閉弁V1を開放すると共に三方弁Wを大気開放側に切り替えたうえで、蓋部1aの弾性袋体2を同図(B)の本体部内にトレーサ混入注入液Jを溢れさせながら押し入れ、同図(C)に示すように蓋部1aを本体部にネジ等で接続して密閉する。弾性袋体2は、注入液Jへ押し入れる際に押圧されて空気Aを抜くことができる。また注入管3の取入口3aは、注入液タンク1の頂端から距離h2だけ隔てた部位となるように調節した。次いで注入液タンク1及び膨張液タンク11をそれぞれ温度調整槽22、23内に浸漬し(図3参照)、温度センサ7により注入液J及び膨張液Eがそれぞれ所定温度(実験では27℃)で安定したことを確認したのち、加圧管6の開閉弁V1を閉鎖すると共に三方弁Wを加圧側に切り替え、定流量ポンプ16を作動させてレギュレータ17により加圧管6の圧力計19Aが所定圧力(実験では0.7MPa)となるように調整した。
【0030】
注入液J及び膨張液Eが所定温度で安定したのち、注入液タンク1の温度調整槽22の循環ライン24、25の開閉弁V20、V22を一時的に閉鎖し、ポンプ等で温度調整槽22の温度調整水Hを温度調整槽23又は恒温循環水槽21に移して温度調整槽22の水位を下げた。このように温度調整槽22の水位を下げた状態においても、温度調整槽23の温度調整水Hは恒温循環水槽21に循環させて所定温度に維持する。この水位を下げた状態で、注入管3の空気抜きナット8(図4参照)を緩めて注入液タンク1を大気開放とし、コンプレッサ28によりエア吹かし管27から注入液タンク1の底端に空気A(実験ではコンプレッサ圧=0.2MPa)を約2分間送り込んで沈殿したトレーサ粒子Sを撹拌する。必要に応じて、この水位を下げた状態で加圧管6の三方弁Wを再び大気開放側に一時的に切り替え、弾性袋体2の空気Aを開放してもよい。撹拌終了後、注入管3の空気抜きナット8を締めると共に必要に応じて加圧管6の三方弁Wを加圧側に切り替え、開閉弁V20、V22を開放して温度調整槽22の水位を元に戻す。
【0031】
その後、注入管3の開閉弁V2を閉鎖したうえで、加圧管6の開閉弁V1を開放して膨張液タンク11の膨張液Eを注入液タンク1の弾性袋体2に送り込み、注入液タンク1の注入液Jを所定圧力(実験では0.7MPa)に加圧した。加圧管6の圧力計19Aが所定圧力(0.7MPa)で安定したことを確認したのち、注入管3の開閉弁V1を開放して注入液タンク1の注入液Jを浮遊するトレーサ粒子Sと共に注入管3に取り込み、注入管3に取り込んだトレーサ粒子Sをボーリング孔41(図3参照)内の水深506mの地下水G中に注入した。注入されたトレーサ粒子Sの三次元的な連続移動位置を図6の位置検出センサ55で検出し、その計測結果に基づき地下水Gの流向及び流速を計測する実験を行った。
【0032】
図2の実施例では、膨張液Eにより注入液タンク1を地下水Gと同等の圧力(例えば10MPa程度)に加圧し、その環境下で浮遊するトレーサ粒子Sを地下水Gとほぼ同じ密度のトレーサ粒子Sとして分離・抽出しているのに対し、本実験では注入液タンク1を0.7MPa程度に加圧することとした。その理由は、(1)たしかに注入液タンク1を地下水Gと同等の圧力に加圧すれば、地下水Gとほぼ同じ密度でバラツキの小さいトレーサ粒子Sを分離・抽出できる可能性は高いが、実際の地下水Gの環境と注入液タンク1の圧力環境とが厳密に一致しているかは不明であり、分離・抽出したトレーサ粒子Sが実際の地下水G中で浮遊しない場合が経験されたからである。また、(2)注入前に注入液タンク1を地下水Gと同等の10MPa程度に加圧することは可能であるが、注入管3の開閉弁V3(例えば電磁バルブ)の使用可能差圧との関係で注入時には注入液タンク1を0.7MPa程度までしか加圧することができず、注入前の10MPa程度で浮遊しているトレーサ粒子Sが注入時の0.7MPa程度では沈降又は浮上してしまい、分離・抽出できないおそれがあるからである。
【0033】
本発明者は、様々なトレーサ粒子Sを用いた実験研究の結果、実際の地下水Gと同じ密度の最適トレーサ粒子Sを分離・抽出するためには、その最適トレーサ粒子Sのみを分離・抽出するのでなく、より密度分布幅の広いトレーサ粒子Sの群を分離・抽出することが有効であるとの知見を得た。そして、最適トレーサ粒子Sの沈降又は浮上の速度を考慮すれば、注入液タンク1を開閉弁V3の使用可能差圧である0.7MPa以下に加圧した状態でも、最適トレーサ粒子Sを含む密度分布幅の広いトレーサ粒子Sの群を分離・抽出できるとの知見を得た。
【0034】
すなわち、図5(A)のように注入液タンク1の注入液J中で沈殿した状態の最適トレーサ粒子Sは、十分撹拌すれば同図(B)のように注入液タンク1内の全体に分布する。その後、注入液タンク1の圧力及び温度と注入液Jの密度(比重)とに応じて最適トレーサ粒子Sは徐々に沈降又は浮上するが、その沈降又は浮上の速度v(以下、単に沈降速度vということがある)はストークスの式を用いて(1)式にように表すことができる。(1)式においてgは重力加速度(=9.81m/s2)、ρSは最適トレーサ粒子Sの密度(実験では1008.7kg/m3=1.0087g/cm3)、dSは最適トレーサ粒子Sの粒径(実験では0.00015m=150μm)、μWは注入液J(実験では水)の粘度(=0.000797Pa・s)、ρWは注入液タンクJの圧力に応じて(2)式により定まる注入液Jの密度(kg/m3)である。また(2)式において、x1は地下水Gの温度(実験では27℃)、x2は地下水Gの塩分濃度(実験では14.8021g/L)、x3は注入液タンクJの圧力(水頭換算値(m))である。
[数1]
v=g(ρS−ρW)dS2/18μW ………………………………………………………(1)
ρW(g/cm3)=−0.0002382x1+0.000755525x2
+0.0000044141x3+1.002863875 ……………………………(2)
【0035】
本実験では、図5(B)に示すように攪拌時の注入液タンク1の圧力は0MPaであるから最適トレーサ粒子Sの沈降速度v1=1.08m/時であり、そののち注入液タンク1は同図(C)に示すように膨張液タンク11の膨張液Eにより加圧されて0.7MPaとなるから最適トレーサ粒子Sはより緩やかな沈降速度v2=0.77m/時となる。注入液タンク1の圧力が0MPaから0.7MPaまで加圧される時間t1に、最適トレーサ粒子Sは距離h3(=v1×t1)だけ沈降している。従って、注入液タンク1の圧力及び温度(実験では0.7MPa、27℃)の注入液J中で最適トレーサ粒子Sが沈降する速度v2(=0.77m/時)を予め算出しておき、同図(D)に示すように注入液タンク1内の頂端近傍(図示例ではタンク頂端より距離h3だけ下方部位)から注入管3の取入口3aの直上(図示例ではタンク頂端より距離h2だけ下方部位、或いはそれより数cm上方部位)まで沈降する時間t(=(h2−h3)/v2=h4/v2)にわたり注入管3の開閉弁3aを開放しておけば、最適トレーサ粒子Sを含む密度分布幅の広いトレーサ粒子Sの群を分離・抽出することができる。
【0036】
例えば図3に示すように、注入管3の開閉弁3aの開閉を制御する開閉制御器30を設け、その開閉制御器30の記憶手段31に前述した最適トレーサ粒子Sが沈降する速度v1、v2を記憶し、その開閉制御器30の記憶手段32に注入液タンク1の圧力が安定するまでの時間t1と、注入液タンク1の頂端から注入管3の取入口3aまでの距離h2とを記憶しておけば、開閉制御器30によって最適トレーサ粒子Sが注入液タンク1内の頂端近傍から注入管3の取入口3aの直上まで沈降する時間t(=(h2−(v1×t1))/v2)にわたり注入管3の開閉弁3aを開放し、最適トレーサ粒子Sを含むトレーサ粒子Sの群を分離・抽出できる。本発明者は、実際に図3の試作機を用いて注入管3の開閉弁3aを時間tにわたり開放して分離・抽出したトレーサ粒子Sをボーリング孔41の水深506mの地下水Gに注入し、図6の位置検出センサ55を用いて観察したところ、地下水Gの1cc当たり7〜8個のトレーサ粒子Sが浮遊していることを確認することができた。この実験結果から、本発明により地下水Gとほぼ同じ密度の最適トレーサ粒子Sを分離・抽出できることを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明装置の一実施例の構成を示す図式的説明図である。
【図2】本発明装置の他の実施例の構成を示す図式的説明図である。
【図3】図2の実施例の試作機の説明図である。
【図4】図3の試作機で用いた注入液タンクの詳細を示す説明図である。
【図5】図3の試作機による圧力制御方法の一例の説明図である。
【図6】従来の地下水流向・流速計測装置の説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1…密閉式注入液タンク 2…弾性袋体
3…注入管 3a…注入管の取入口
4…脱気管 5…脱気装置(真空ポンプ)
6…加圧管 7…温度センサ
7a〜7c…センサ本体 8…空気抜きナット
9…保護被覆(保護袋) 10…供給装置
11…密閉式膨張液タンク 12…通器官
13…コンプレッサ 14…レギュレータ
15…送入管 16…ポンプ
17…レギュレータ 18…安全弁(圧力逃がし弁)
19A、19B…圧力計(ブルドン管) 20…恒温装置
21…恒温循環水槽 22…温度調整槽
23…温度調整槽 24…循環ライン
25…循環ライン 26…撹拌装置
27…エア吹かし管 28…コンプレッサ
30…開閉制御器 31…速度記憶手段
32…位置記憶手段
40…地盤 41…ボーリング孔
42…計測区間 43…上部パッカー
44…下部パッカー 45…吊下げ装置
46…支持部材 47…信号伝送ユニット
48…計測装置 49…伝送ライン
50…計測ユニット 51…整流板
52…トレーサ導入管 53…位置検出センサ(超音波センサ)
54…同軸ケーブル 55…基準反射板
56…光学式撮像装置 57…透明窓
A…空気 E…膨張液
G…地下水 H…温度調整水
S…トレーサ粒子 V…開放弁
W…三方弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下注入液を開閉弁付き注入管が接続され且つ弾性袋体が内蔵された密閉式タンク内に充填し、前記弾性袋体に一端が封止されてタンク壁を貫通する加圧管の他端に所定圧力で膨張液を供給し、前記弾性袋体の膨張によりタンク及び注入管内の注入液を所定圧力に制御してなる地下注入液の圧力制御方法。
【請求項2】
請求項1の圧力制御方法において、前記密閉式タンク内の注入液を所定温度に保持すると共に前記加圧管の他端から所定温度の膨張液を供給し、前記タンク及び注入管内の注入液を所定圧力及び温度に制御してなる地下注入液の圧力制御方法。
【請求項3】
請求項2の圧力制御方法において、前記注入液に密度の異なる複数のトレーサ粒子を混入し、前記注入管の取入口を密閉式タンクの上下中間部位まで挿入し、前記注入管の取入口から所定圧力及び温度に制御された注入液と共にその注入液中に浮遊するトレーサ粒子を流出させてなる地下注入液の圧力制御方法。
【請求項4】
請求項3の圧力制御方法において、前記所定圧力及び温度に制御された注入液中で所望密度のトレーサ粒子が沈降する速度を算出し、前記タンク内の注入液を撹拌したのち前記所望密度のトレーサ粒子がタンク内頂端近傍から注入管の取入口直上まで沈降する時間にわたり注入管の開閉弁を開放してなる地下注入液の圧力制御方法。
【請求項5】
地下注入液を充填する密閉式注入液タンク、前記タンクに接続された開閉弁付き注入管、前記タンク壁を貫通する加圧管とその加圧管の一端を封止してタンク内に配置される弾性袋体、及び前記加圧管の他端に所定圧力で膨張液を供給する供給装置を備え、前記弾性袋体の膨張によりタンク及び注入管内の注入液を所定圧力に制御してなる地下注入液の圧力制御装置。
【請求項6】
請求項5の圧力制御装置において、前記供給装置に、前記加圧管の他端に接続され且つ膨張液が装填された密閉式膨張液タンクと、前記膨張液タンクから加圧管へ流出する膨張液の圧力を調整する調整手段とを含めてなる地下注入液の圧力制御装置。
【請求項7】
請求項6の圧力制御装置において、前記注入液と膨張液とを同じ所定温度に保温する恒温装置を設けてなる地下注入液の圧力制御装置。
【請求項8】
請求項7の圧力制御装置において、前記注入液を密度の異なる複数のトレーサ粒子が混入した注入液とし、前記注入管の取入口を密閉式タンクの上下中間部位まで挿入し、前記注入管の取入口から所定圧力及び温度に制御された注入液と共にその注入液中に浮遊するトレーサ粒子を流出させてなる地下注入液の圧力制御装置。
【請求項9】
請求項8の圧力制御装置において、前記注入液タンク内の注入液を撹拌する撹拌装置と、前記注入管の開閉弁の開閉を制御する開閉制御器とを設け、前記開閉制御器により、前記所定圧力及び温度に制御された注入液中で所望密度のトレーサ粒子が沈降する速度を調整し且つ前記撹拌装置で注入液タンク内を撹拌したのち前記所望密度のトレーサ粒子がタンク内頂端近傍から注入管の取入口直上まで沈降する時間にわたり流出孔を開放してなる地下注入液の圧力制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−202311(P2008−202311A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40104(P2007−40104)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000206196)大成基礎設計株式会社 (12)
【Fターム(参考)】